説明

姿勢感知警告装置

【課題】小容量で、使い心地が良く、悪い姿勢をタイムリーに補正するようにユーザに積極的に警告する姿勢感知警告装置を提供する。
【解決手段】姿勢感知警告装置が提供される。姿勢感知警告装置は、取付要素、検出要素、処理要素および警告要素を含む。取付要素は人体上に取り付けられるように構成される。検出要素は取付要素上に配置され、人体から伝わる姿勢変化を感知するように構成される。処理要素は取付要素上に配置され、検出要素に接続する。処理要素は、所定の時間の姿勢変化に応じて警告要素に信号を出力するように構成される。これにより、警告要素が適宜警告を出力できるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は警告装置に関し、特に、人体の悪い姿勢を防止するための姿勢感知警告装置に関する。
【背景技術】
【0002】
座った時の姿勢または体の構えにあまり注意を払わないために、人が悪い姿勢になることはよくあることである。人は、自身の悪い姿勢にはそのような姿勢が習慣になっているために特に気付きにくい。その結果として、そのような悪い姿勢は、長期間の後に猫背を引き起こして体の健康に悪影響を及ぼす傾向がある。現在は、猫背を防止して正しい姿勢を保つための多様な製品を市場で見つけることができる。たとえば姿勢矯正バンド、姿勢矯正ウエストバンド、および猫背防止用の机や椅子などがある。しかし、そのような製品はほとんどが姿勢の補正ができるだけで、ユーザに悪い姿勢を警告することができない。さらに、そのような製品はとてもかさばり、保管や持ち運びに不便であるという欠点があり、このため、ユーザが正しい姿勢を常に保つことは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
先行技術のこれらの欠点に鑑み、当該技術分野では、小容量で、使い心地が良く、警告信号をもたらすことができる姿勢感知警告装置を開発することが非常に望ましい。
【0004】
本発明の目的は、先行技術の上記欠点を克服するために悪い姿勢を防止できる姿勢感知警告装置を提供することである。ユーザの体に取り付けられると、本姿勢感知警告装置は、悪い姿勢をタイムリーに矯正するようにユーザに積極的に警告することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、本発明は、取付要素、検出要素、処理要素、および警告要素を含む姿勢感知警告装置を開示する。取付要素は、人体上に取り付けられるように構成される。検出要素は、人体からの歪みを感知するように取付要素上に配置される。処理要素は取付要素上に配置され、検出要素と接続し、上記歪みに応じて感知信号を出力するように構成される。警告要素は取付要素上に配置され、処理要素と接続し、感知信号に応じて警告信号を出力するように構成される。
【0006】
本発明のために実施された詳細な技術および好適な実施形態は、特許請求の範囲に記載されている発明の特徴を当業者がより正しく理解できるように、添付の図面を示し以下の段落で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る姿勢感知警告装置の一実施形態の概略図である。
【図2】人体の背中に取り付けられた本発明に係る姿勢感知警告装置を示す概略図である。
【図3】人体の悪い姿勢を感知する本発明に係る姿勢感知警告装置を示す概略図である。
【図4】本発明に係る姿勢感知警告装置の一実施形態の概略図である。
【図5a】本発明に係る姿勢感知警告装置の別の実施形態の概略図である。
【図5b】図5aの部分拡大概略図である。
【図6】本発明に係る姿勢感知警告装置のさらに別の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明に係る姿勢感知警告装置の一実施形態の概略図である。姿勢感知警告装置10は、取付要素11、検出要素12、処理要素13、警告要素14および電源15を含む。後述の内容から分かるように、本発明は以下を特徴とする。取付要素11は、監視目的で人体姿勢をリアルタイムに検知するために、人体に完全に取り付けられるように構成されたソフトパッチであることが好ましい。図2に示すように、人体の背中に取り付けられた取付要素11を示す概略図がある。本実施形態では、電源15は、検出要素12、処理要素13、および警告要素14に電気的に接続される。これにより、これらの要素が必要とする電力を供給する。
【0009】
一方、検出要素12は取付要素11上に配置され、人体姿勢における変化に起因する歪みを感知する。図3に示すように、ユーザが背中を丸めるとき、人体の背中を丸める動きの結果として生じる歪みが、検出要素12によって感知される。具体的には、検出要素12にはいくつかの実装方法がある。これについては、以下詳細に説明する。処理要素13は取付要素11上に配置され、所定の時間が経過した後上記歪みに応じて感知信号(図示せず)を警告要素14に出力できるように検出要素12と接続する。たとえば、検出要素12が人体姿勢における変化に起因する歪みを連続的に検出すれば、処理要素13は所定の時間が経過した後(たとえば、数十秒)、感知信号を警告要素14に出力できる。これにより、警告要素14は警告信号(図示せず)を出力する。好適な実施形態では、上記所定の時間の時間の長さがユーザの要求に応じて調節されてもよい。たとえば、ユーザが連続して30秒間悪い姿勢を続けていたとき、処理要素13は警告要素14に感知信号を送信する。これにより、警告要素14が警告信号を出力してユーザに悪い姿勢を警告する。
【0010】
本実施形態では、警告要素14は取付要素11上に配置され、感知信号に応じて警告信号を出力するように処理要素13に接続される。具体的には、警告要素14はユーザの体に別々に吊り下げられていてもよいし、あるいは、取付要素11から独立してユーザ以外の物体に吊り下げられていてもよい。一例として、取付要素11が歩き始めの幼児に取り付けられる場合は、警告要素14は、その幼児の親に子供が今悪い姿勢であることを知らせるように、親に近い位置に吊り下げられていてもよい。
【0011】
以下の説明は、本発明に係る姿勢感知警告装置10における検出要素12のいくつかの例を対象とする。他の要素については、実質的に上述したものと同一のもの、あるいは同様のものである。図4に関して説明すると、姿勢感知警告装置10の検出要素12は、次の原理に基づいて機能する圧電パッチ16を含む。人体姿勢における変化に起因する歪みは圧電パッチ16の抵抗を変える。たとえば、本発明において適用された圧電パッチ16は、異なる設計、たとえば(1)チューブ型、(2)スタック型、(3)層型、あるいは(4)バイモルフ型などに応じて、種々の構造を考慮して設計されていてもよい。とはいえ、それらに限られるものではない。
【0012】
より詳細には、歪みが起こっていると、圧電パッチ16は抵抗においてきわめて小さな変化を示す。そのわずかな変化を分析するために、処理要素13は、圧電パッチ16の抵抗における変化に応じて感知信号を生成するように、圧電パッチ16に電気的に接続するマイクロプロセッサ17を含む。処理要素13はさらに圧電パッチ16の抵抗変化の時間を算出するように構成されるタイマー18を含むべきである。マイクロプロセッサ17は、この時間がタイマーに格納されている所定の時間を超過する時のみ感知信号を出力する。
【0013】
一方、本実施形態では、検出要素12および処理要素13は、様々な機能の回路を一体化するように、システムオンチップ(SOC)に統合されていてもよい。これにより、使用の便宜上、姿勢感知警告装置10の容積を減らすことも可能である。
【0014】
図5aは、本発明に係る姿勢感知警告装置の別の実施形態である。本実施形態の姿勢感知警告装置10では、検出要素12は二重金属板19でできている。より詳細には、二重金属板19は、結合した2つの金属片から成っている。金属片191は、取付要素11に堅く取り付けられており、金属片192は、互いに接続している複数の接続点20を用いて金属片191と結合する。図5bは、図5aの部分拡大概略図である。人体が姿勢を変えるとき、結果として生じる歪みが、2つの金属片の間で互いから順々に接続点20の分離を引き起こす。この分離が、二重金属板19の総抵抗量の変化をもたらす。二重金属板19の抵抗における変化に応じて警告要素14が警告信号を生成するように、検出要素12が感知信号を生成する。本実施形態における、その要素および働きの詳細は、前述した実施形態のものと概して同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0015】
図6は、本発明に係る姿勢感知警告装置のさらに別の実施形態である。本実施形態では、検出要素12は、人体姿勢に起因する歪みに応じて容積と内圧が変化するように容積が可変である弾性液圧棒21を含む。本実施形態では、処理要素13は、弾性液圧棒21に接続されたスイッチ22を含む。弾性液圧棒21は、弾性液圧棒21の容積における変化に応じて感知信号を出力するように構成される。これにより、警告要素14が警告信号を生成する。本実施形態における、その要素および働きの詳細は、前述した実施形態のものと概して同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0016】
本発明に係る姿勢感知警告装置10における警告要素14にも同様に、多数の実施方法があり、以下にそれぞれ説明するが、警告要素14の形態はそれらに限られるものではない。検出要素12の前述の種々の実施形態は、警告目的として警告要素14の次の種々の実施形態と併せて使用してもよい。図4に関して説明すると、そこに図示された警告要素14は、警告信号として振動信号を出力するように構成されるモーター23を含む。本実施形態では、モーター23は、より小さいサイズを維持するため、通常の最大寸法が3mmから10mmである小型モーターでもよい。別の実施形態が図5aに示されており、警告要素14は、警告信号としてビープ音を出力できるブザー24を含む。図6に示す警告要素14は無線周波発生器25を含む。無線周波発生器25によって出力された警告信号は電流信号である。たとえば、低周波の電流信号である。低周波の電流信号は、警告目的で、ユーザの神経、つぼ、または、筋肉を刺激することができる。一般に、この周波の電流信号は600Vより高い電圧を有するが、電流値は小さい。すなわち、概ねたった数アンペアであるため、人体には無害である。
【0017】
上記の開示は、本発明の詳細にわたる技術内容、および本発明の特徴に関するものである。当業者は、記載されている明細および提案に基づいて、本発明の特徴を逸脱することなく様々な修正および交換を施して実施することが可能である。それでも上記の説明においてはそのような修正および交換が全て開示されていないが、それらは実質的に添付の請求項の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
姿勢感知警告装置であって、
人体に取り付けられるように構成される取付要素と、
上記人体からの歪みを感知するように上記取付要素上に配置される検出要素と、
上記取付要素上に配置されて上記検出要素に接続される、ならびに所定の時間が経過した後上記歪みに応じて感知信号を出力するように構成される処理要素と、
上記感知信号に応じて警告信号を出力するように構成される警告要素と
を含む、姿勢感知警告装置。
【請求項2】
上記検出要素が、圧電パッチを含み、
上記歪みに応じて上記圧電パッチの抵抗変化が生成される、請求項1に記載の姿勢感知警告装置。
【請求項3】
上記処理要素が、マイクロプロセッサを含み、上記圧電パッチに電気的に接続されており、
上記マイクロプロセッサが、上記圧電パッチの上記抵抗変化に応じて上記感知信号を出力するように構成される、請求項2に記載の姿勢感知警告装置。
【請求項4】
上記処理要素がさらに、タイマーを含み、上記圧電パッチの上記抵抗変化の時間を算出するように構成されており、
上記時間が上記所定の時間を経過するとき、上記マイクロプロセッサが上記感知信号を出力する、請求項3に記載の姿勢感知警告装置。
【請求項5】
上記検出要素が、二重金属板を含み、
上記二重金属板の抵抗変化が上記歪みに応じて生成される、請求項1に記載の姿勢感知警告装置。
【請求項6】
上記処理要素がマイクロプロセッサを含み、上記二重金属板に電気的に接続されており、
上記マイクロプロセッサは、上記二重金属板の上記抵抗変化に応じて上記感知信号を出力するように構成される、請求項5に記載の姿勢感知警告装置。
【請求項7】
上記処理要素はさらに、タイマーを含み、上記二重金属板の上記抵抗変化の時間を算出するように構成されており、
上記時間が上記所定の時間を経過するとき、上記マイクロプロセッサが上記感知信号を出力する、請求項6に記載の姿勢感知警告装置。
【請求項8】
上記二重金属板が互いに接続している複数の接続点を含み、
上記接続点が上記歪みに応じて順々に分離されるように構成される、請求項5に記載の姿勢感知警告装置。
【請求項9】
上記検出要素が、弾性液圧棒を含み、
上記弾性液圧棒の容積変化が上記歪みに応じて生じる、請求項1に記載の姿勢感知警告装置。
【請求項10】
上記処理要素がスイッチを含み、上記弾性液圧棒に接続されており、
上記弾性液圧棒の容積変化が上記感知信号に応じて生じる、請求項9に記載の姿勢感知警告装置。
【請求項11】
上記処理要素はさらに、タイマーを含み、上記弾性液圧棒の上記容積変化の時間を算出するように構成されており、
上記時間が上記所定の時間を経過するとき、上記スイッチが感知信号を出力する、請求項10に記載の姿勢感知警告装置。
【請求項12】
上記警告要素は、モーターを含み、
上記モーターによって出力された上記警告信号は振動信号である、請求項1に記載の姿勢感知警告装置。
【請求項13】
上記警告要素は、ブザーを含み、
上記ブザーによって出力された上記警告信号はビープ音である、請求項1に記載の姿勢感知警告装置。
【請求項14】
上記警告要素は、無線周波発生器を含み、
上記無線周波発生器によって出力された上記警告信号は電流信号である、請求項1に記載の姿勢感知警告装置。
【請求項15】
上記処理要素および上記警告要素に電気的に接続される電源をさらに含む、請求項1に記載の姿勢感知警告装置。
【請求項16】
上記取付要素は、上記人体に完全に取り付けられるソフトパッチである、請求項1に記載の姿勢感知警告装置。
【請求項17】
上記所定の時間は調節可能である、請求項1に記載の姿勢感知警告装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−104767(P2010−104767A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138111(P2009−138111)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(507042501)
【出願人】(509162654)
【出願人】(509162687)
【出願人】(509162698)
【出願人】(509162702)
【Fターム(参考)】