説明

媒体処理装置及び媒体処理システム

【課題】処理未了の情報記憶媒体を効率良く処理する媒体処理装置を提供すること。
【解決手段】媒体処理装置は、情報記憶媒体から情報を読み取る読取手段(219、220)と、情報記憶媒体に対して情報を書き込む書込手段(219、220)と、情報記憶媒体を処理する処理手段(201、219、220)と、前記処理手段による媒体処理途中での処理継続不能状態の発生に基づき、情報記憶媒体から読み取られた情報を含む処理未了情報を上位機器へ送信する送信手段(221)と、上位機器から前記処理未了情報を受信する受信手段(221)と、前記受信手段により受信された処理未了情報及び前記読取手段により読み取られた情報に基づく情報記憶媒体に対する前回処理の未了状態の判明に対応して、前記処理手段により情報記憶媒体に対する前回処理を完了させるとともに情報記憶媒体に対する今回処理を実行させる制御手段(201)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗車券として利用可能なICカード、又は高速道路の料金収受システムに適用可能なICカード等の情報記憶媒体から情報を読み取ったり、このような情報記憶媒体に対して情報を書き込んだりして、情報記憶媒体を処理する媒体処理装置及び媒体処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、鉄道関係において、改札の省力化を目的として、自動改札機が導入されている。自動改札機は、施設の入場口或いは出場口などに設けられ、施設を利用する利用者が施設に入場或いは施設から出場する際、又は乗り換えを行なう際に、利用者が携帯する乗車券を取り込んで、乗車券に記録された情報を読み取り、入出場の可否判定を行なう。具体的に、自動改札機は、利用者により投入される乗車券を取り込み、乗車券の片面(裏面)に記録されている磁気情報(例えば入場駅情報や有効な運賃額)を読み取り、この読み取った情報に基づいて入出場の可否判定を行なう。判定の結果に基づき、例えば乗車券に対して必要情報を記録し乗車券を返却するとともに利用者の通過を許可したり、利用者の通過を阻止したりする。
【0003】
近年は、上記したような磁気式の乗車券の替わりとなる無線ICカードが普及し、これに対応して磁気式の乗車券及び無線ICカードの両者を処理することが可能な自動改札機が登場している。例えば、無線ICカードには、定期券の機能を備えたもの、SFカードの機能を備えたもの、定期券とSFカードの両機能を備えたものがある。定期券とSFカードの両機能を備えた無線ICカードを利用すれば、例えば定期区間を乗り越した場合でも、自動改札機による自動精算処理を受けることができ、従来のような精算機による精算処理(精算待ち)を受ける必要がなくなる。
【0004】
一方で、このような無線ICカードに対応した自動改札機によるカード処理時には、利用者により翳される無線カードとの間でデータの授受が行なわれる関係上、交信状態が不安定になることがあり、データ授受が途中で途絶えて処理未了が発生するという問題があった。このような問題に対して、データ授受の不調により処理未了となったカードの再翳しに対して2度引きを防止する技術が提案されている(特許文献1及び特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2001−283265
【特許文献2】特開2001−325622
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献に開示された技術により2度引きはある程度防止できるものの、処理未了の無線ICカードで利用者が入出場してしまった場合の対策は十分ではない。つまり、無線ICカード対応の自動改札機は、無線ICカード毎に異なるカード特性や、利用者による無線ICカードの翳し方などに起因して、無線ICカードに対する処理時間が通常よりも長くなってしまうことがある。このような場合でも、利用者は、無縁ICカードに対する処理が適切に実行されたものと誤認したまま、改札通路を通過してしまうことがある。つまり、処理未了の無線ICカードが持ち去られてしまうことになる。
【0006】
自動改札機は、処理未了の無線ICカードによる改札処理を許可しない。しかし、利用者は、不正利用等の意識がないため、処理未了の無線ICカードにより改札処理を受けようとしてしまう。その結果、自動改札機により通行が阻止されてしまうことになり、改札通路の混雑を招くことになる。このように、処理未了の無線ICカードは自動改札機で利用することはできず、一旦、係員対応による係員用端末により適正処理を受けなければならない。
【0007】
本発明の目的は、上記課題を解決するためになされたものであり、処理未了の情報記憶媒体を効率良く処理することが可能な媒体処理装置及び媒体処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の媒体処理装置及び媒体処理システムは、以下のように構成されている。
【0009】
この発明の媒体処理装置は、情報記憶媒体から情報を読み取る読取手段と、情報記憶媒体に対して情報を書き込む書込手段と、前記読取手段による読み取り及び前記書込手段による書き込みにより、情報記憶媒体を処理する処理手段と、前記処理手段による媒体処理途中での処理継続不能状態の発生に基づき、情報記憶媒体から読み取られた情報を含む処理未了情報を上位機器へ送信する送信手段とを備えている。
【0010】
この発明の媒体処理装置は、上位機器から情報記憶媒体の処理未了情報を受信する受信手段と、情報記憶媒体から情報を読み取る読取手段と、情報記憶媒体に対して情報を書き込む書込手段と、前記読取手段による読み取り及び前記書込手段による書き込みにより、情報記憶媒体を処理する処理手段と、前記受信手段により受信された処理未了情報及び前記読取手段により読み取られた情報に基づく情報記憶媒体に対する前回処理未了の判明に対応して、前記処理手段により情報記憶媒体に対する前回処理を完了させるとともに情報記憶媒体に対する今回処理を実行させる制御手段とを備えている。
【0011】
この発明の媒体処理システムは、第1及び第2の媒体処理装置、及びこれら第1及び第2の媒体処理装置を管理する上位機器により構成される媒体処理システムであって、前記第1の媒体処理装置は、情報記憶媒体から情報を読み取る読取手段と、情報記憶媒体に対して情報を書き込む書込手段と、前記読取手段による読み取り及び前記書込手段による書き込みにより、情報記憶媒体を処理する処理手段と、前記処理手段による媒体処理途中での処理継続不能状態の発生に基づき、情報記憶媒体から読み取られた情報を含む処理未了情報を上位機器へ送信する送信手段とを備え、上位機器は、前記第1の媒体処理装置から送信される処理未了情報を受信する受信手段と、前記第2の媒体処理装置へ処理未了情報を配信する配信手段とを備え、前記第2の媒体処理装置は、前記上位機器から処理未了情報を受信する受信手段と、情報記憶媒体から情報を読み取る読取手段と、情報記憶媒体に対して情報を書き込む書込手段と、前記読取手段による読み取り及び前記書込手段による書き込みにより、情報記憶媒体を処理する処理手段と、前記受信手段により受信された処理未了情報及び前記読取手段により読み取られた情報に基づく情報記憶媒体に対する前回処理未了の判明に対応して、前記処理手段により情報記憶媒体に対する前回処理を完了させるとともに情報記憶媒体に対する今回処理を実行させる制御手段とを備えている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、処理未了の情報記憶媒体を効率良く処理することが可能な媒体処理装置及び媒体処理システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。本発明の媒体処理システムは、鉄道などの交通機関に設置される改札処理を担う改札処理システムに適用可能である。或いは、本発明の媒体処理システムは、高速道路の料金収受を担う料金収受システムに適用可能である。以下、説明を分かりやすくするために、本発明の媒体処理システムを、改札処理システムに適用した場合について説明する。
【0014】
図1は、この発明の一例に係る改札処理システム(媒体処理システム)の概略構成を示す図である。
【0015】
図1に示すように、改札処理システムは、上位機器としてのホスト1、第1の駅の入出場口に設けられた複数の自動改札機2(媒体処理装置)、及び第2の駅の入出場口に設けられた複数の自動改札機2(媒体処理装置)により構成されている。ホスト1は、制御部101、記憶部102、及び通信部103を備えている。
【0016】
図2は、この発明の一例に係る自動改札機2(媒体処理装置)の概略構成を示す図である。
【0017】
図2に示すように、自動改札機2は、CPU201、ROM202、RAM203、運賃メモリ204、読取回路205、読取ヘッド206、書込回路207、書込ヘッド208、乗車券検知回路209、検知器210、搬送制御回路211、搬送用モータ212、ドア制御回路213、ドア開閉機構214、人間検知器制御回路215、人間検知器216、表示制御回路217、表示器218、無線リーダ/ライタ219、無線送受信アンテナ220、及び伝送制御回路221を備えている。
【0018】
自動改札機2は、CPU201により全体が制御される。また、このCPU201は、乗車券媒体から読み取られた情報に基づき改札許可/不許可を判定する。ROM202は、CPU201の制御プログラム等を記憶する。RAM203は、乗車券媒体(情報記憶媒体)から読み取った情報の記憶するとともに、制御プログラムのバッファとして機能する。運賃メモリ204は、各駅からこの自動改札機の設置駅までの区間情報及び運賃情報を記憶する。読取回路205は、読取ヘッド206を制御し乗車券媒体に記憶された情報を読み取る。書込回路207は、書込ヘッド208を制御し乗車券媒体に対して情報を書き込む。乗車券検知回路209は、検知器210からの媒体検知信号に基づき乗車券媒体の搬送状態を検知する。搬送制御回路211は、乗車券媒体を搬送する搬送用モータ212の駆動を制御する。ドア制御回路213は、CPU201による改札判定結果に基づきドア開閉機構214の駆動を制御し、利用者の通行を許可したり阻止したりする。人間検知器制御回路215は、人間検知器216からの人間検知信号に基づき改札通路上の利用者の動きを検知する。表示制御回路217は、例えば改札判定結果に応じて表示器218の表示を制御する。無線リーダ/ライタ219は、無線送受信アンテナ220を介して、無線ICカード(情報記憶媒体)に記憶された情報を読み取ったり、無線ICカードに対して情報を書き込んだりする。伝送制御回路221は、ホスト1に対して情報を送信したり、ホスト1からの情報を受信したりする。
【0019】
なお、上記説明では、磁気券及び無線ICカードの両方を処理可能な自動改札機について説明したが、例えば無線ICカードだけの処理が可能な自動改札機であってもよい。無線ICカードだけの処理が可能な自動改札機は、CPU201、ROM202、RAM203、運賃メモリ204、ドア制御回路213、ドア開閉機構214、人間検知器制御回路215、人間検知器216、表示制御回路217、表示器218、無線リーダ/ライタ219、無線送受信アンテナ220、及び伝送制御回路221を備えている。
【0020】
図3は、無線ICカードを利用した自動改札機2による改札処理(正常処理)の一例を示す図である。
【0021】
図3に示すように、起動中(改札処理受付中)の自動改札機2(端末)は、無線送受信アンテナ220を介して、応答要求信号(ポーリング)と共に端末識別情報(自動改札機(自機器)の識別情報)を出力している(ST1)。利用者が、自動改札機2の無線送受信アンテナ220に対して無線ICカードを翳すと、無線ICカードは自動改札機2からの応答要求信号及び端末識別情報(自動改札機の識別情報)を受信し、応答信号を送信する。具体的には、無線ICカードは、応答信号として、利用者ID(媒体識別情報)及び受信した端末識別情報(自動改札機の識別情報)を送信する(ST2)。
【0022】
自動改札機2は、無線送受信アンテナ220を介してこれら情報を受信し、自動改札機2及び無線ICカードの間で相互認証処理が行なわれ、自動改札機2は、無線送受信アンテナ220を介してリードコマンドを送信する(ST3)。つまり、自動改札機2は、無線ICカードに記憶された各種情報を要求する。無線ICカードは、リードコマンドを受信し、入出場履歴情報(前回どの駅から入場したのか/前回どの駅で出場したのかを示す情報)、有効期間情報、有効乗車区間情報、及び金額情報(残額情報)等の入出場判定必要情報を送信する(ST4)。なお、有効期間情報及び有効乗車区間情報は、無線ICカードが定期券の機能を備えている場合に、無線ICカードに記憶されている情報である。また、金額情報は、無線ICカードがSFカードの機能を備えている場合に、無線ICカードに記憶されている情報である。自動改札機2は、無線送受信アンテナ220を介してこの入出場判定必要情報を受信し、自動改札機2(CPU201)は、入出場判定必要情報に基づき、この無線ICカードによる入出場を判定する。
【0023】
自動改札機2(CPU201)が入出場を許可する場合は、自動改札機2は無線送受信アンテナ220を介してライトデータ(入出場判定結果)を送信する(ST5)。例えば、入場口における改札判定時には、入場情報(入場駅を示す情報及び入場時刻を示す情報)をライトデータとして送信する。出場口における改札判定時には、出場情報(出場駅を示す情報及び出場時刻を示す情報)をライトデータとして送信する。さらに、出場口における改札判定時には、必要に応じて(有効乗車区間外の乗車がある場合)金額情報から区間外乗車分の運賃を差し引いた残額情報を送信する。無線ICカードは、ライトデータを受信し、ライトデータを書き込む(ライトデータを記憶する)。無線ICカードは、ライトデータの書き込みが完了すると、書き込み完了を送信する(ST6)。自動改札機2は、無線送受信アンテナ220を介して書き込み完了を受信し、伝送制御回路221を介してホスト1へ処理完了を報告する(1件明細データを送信する)(ST7)。以上により、改札処理が正常に完了する。
【0024】
次に、図4〜図6を参照して、改札処理が正常に完了しないケース、所謂処理未了のケースについて説明する。図4は、第1の処理未了のケースを説明する図である。図5は、第2の処理未了のケースを説明する図である。図6は、第3の処理未了のケースを説明する図である。
【0025】
まず図4を参照して、第1の処理未了のケースについて説明する。図4に示すように、起動中(改札処理受付中)の自動改札機2(端末)は、無線送受信アンテナ220を介して応答要求信号(ポーリング)と共に端末識別情報(自動改札機(自機器)の識別情報)を出力している(ST1)。利用者が、自動改札機2の無線送受信アンテナ220に対して無線ICカードを翳すと、無線ICカードは自動改札機2からの応答要求信号及び端末識別情報(自動改札機の識別情報)を受信し、応答信号を送信する。具体的には、無線ICカードは、応答信号として、利用者ID(媒体識別情報)及び受信した端末識別情報(自動改札機の識別情報)を送信する(ST2)。
【0026】
自動改札機2は、無線送受信アンテナ220を介してこれら情報を受信し、自動改札機2及び無線ICカードの間で相互認証処理が行なわれ、自動改札機2は、無線送受信アンテナ220を介してリードコマンドを送信する(ST3)。つまり、自動改札機2は、無線ICカードに記憶された各種情報を要求する。本来、無線ICカードは、リードコマンドを受信し、入出場履歴情報(前回どの駅から入場したのか/前回どの駅で出場したのかを示す情報)、有効期間情報、有効乗車区間情報、及び金額情報(残額情報)等の入出場判定必要情報を送信する(ST4)。しかし、既に無線ICカードが利用者により持ち去られるなどしている場合、無線ICカードがリードコマンドを受信できなかったり、リードコマンドは受信したが返信できなかったりすることがある。このような処理継続不能状態の発生に基づき、第1の処理未了が発生する。
【0027】
第1の処理未了発生時には、自動改札機2は、無線ICカードからの利用者ID及び端末識別情報(自動改札機の識別情報)は受信している。自動改札機2は、受信済みのこれら情報(利用者ID及び端末識別情報)を含む第1の処理未了情報をホスト1へ送信する。
【0028】
ホスト1は、通信部103を介して、第1の処理未了情報を受信し、記憶部102に記憶する。ホスト1は、第1の処理未了情報に含まれる端末識別情報(自動改札機の識別情報)に基づき、利用場所(処理未了が発生した駅)を特定し、利用者ID及び利用場所情報を含む第1の処理未了情報を各自動改札機2へ送信する。
【0029】
第1の処理未了情報を受信した自動改札機2も、上記したように、無線送受信アンテナ220を介して、応答要求信号(ポーリング)と共に端末識別情報(自動改札機(自機器)の識別情報)を出力している。利用者が、自動改札機2の無線送受信アンテナ220に対して無線ICカードを翳すと、無線ICカードは自動改札機2からの応答要求信号及び端末識別情報(自動改札機の識別情報)を受信し、応答信号を送信する。具体的には、無線ICカードは、応答信号として、利用者ID(媒体識別情報)及び受信した端末識別情報(自動改札機の識別情報)を送信する。
【0030】
自動改札機2(第1の処理未了情報を受信した自動改札機2)は、無線送受信アンテナ220を介してこれら情報を受信し、自動改札機2及び無線ICカードの間で相互認証処理が行なわれる。このとき、自動改札機2は、ホストから受信した第1の処理未了情報に含まれる利用者IDと、無線ICカードから受信した利用者IDとを比較し、この無線ICカードが処理未了に該当するか否かを判定する。自動改札機2は、この無線ICカードが処理未了に該当しないと判定すると、上記したように改札処理(正常処理)が進められる。自動改札機2は、この無線ICカードが処理未了に該当すると判定すると、無線送受信アンテナ220を介して第1の処理未了に対応したリードコマンドを送信する。つまり、自動改札機2は、無線ICカードに記憶された前回の改札処理に必要な各種情報及び今回の改札処理に必要な各種情報を要求する。無線ICカードは、第1の処理未了に対応したリードコマンドを受信し、入出場履歴情報(前回(処理未了分が1回あるので実際には前々回を意味する)どの駅から入場したのか/前回(処理未了分が1回あるので実際には前々回を意味する)どの駅で出場したのかを示す情報)、有効期間情報、有効乗車区間情報、及び金額情報(残額情報)等の入出場判定必要情報を送信する。自動改札機2は、無線送受信アンテナ220を介してこの入出場判定必要情報を受信し、自動改札機2(CPU201)は、入出場判定必要情報に基づき、この無線ICカードによる前回入出場及び今回入出場を判定する。
【0031】
つまり、自動改札機2(第1の処理未了情報を受信した自動改札機2)は、第1の処理未了情報に含まれる利用場所情報(前回処理未了が発生した駅)及び入出場判定必要情報に基づき前回入出場を判定し、さらに利用場所情報(前回処理未了が発生した駅)及び入出場判定必要情報に基づき今回入出場を判定する。自動改札機2は、前回入出場及び今回入出場を許可する場合に、無線送受信アンテナ220を介してライトデータ(前回入出場判定結果及び今回入出場判定結果)を送信する。無線ICカードは、ライトデータを受信し、ライトデータを書き込む(ライトデータを記憶する)。無線ICカードは、ライトデータの書き込みが完了すると、書き込み完了を送信する。自動改札機2は、無線送受信アンテナ220を介して書き込み完了を受信し、伝送制御回路221を介してホスト1へ処理完了を報告する。以上により、前回分の改札処理と今回分の改札処理が正常に完了する。つまり、前回分の改札処理については、無線ICカードの利用者が特に意識することなく完了させることができる。
【0032】
続いて図5を参照して、第2の処理未了のケースについて説明する。図5に示すように、起動中(改札処理受付中)の自動改札機2(端末)は、無線送受信アンテナ220を介して応答要求信号(ポーリング)と共に端末識別情報(自動改札機(自機器)の識別情報)を出力している(ST1)。利用者が、自動改札機2の無線送受信アンテナ220に対して無線ICカードを翳すと、無線ICカードは自動改札機2からの応答要求信号及び端末識別情報(自動改札機の識別情報)を受信し、応答信号を送信する。具体的には、無線ICカードは、応答信号として、利用者ID(媒体識別情報)及び受信した端末識別情報(自動改札機の識別情報)を送信する(ST2)。
【0033】
自動改札機2は、無線送受信アンテナ220を介してこれら情報を受信し、自動改札機2及び無線ICカードの間で相互認証処理が行なわれ、自動改札機2は、無線送受信アンテナ220を介してリードコマンドを送信する(ST3)。つまり、自動改札機2は、無線ICカードに記憶された各種情報を要求する。無線ICカードは、リードコマンドを受信し、入出場履歴情報(前回どの駅から入場したのか/前回どの駅で出場したのかを示す情報)、有効期間情報、有効乗車区間情報、及び金額情報(残額情報)等の入出場判定必要情報を送信する(ST4)。自動改札機2は、無線送受信アンテナ220を介してこの入出場判定必要情報を受信する。このタイミングで無線ICカードが利用者により持ち去られるなどすると、この後の処理が継続できない。このような処理継続不能状態の発生に基づき、第2の処理未了が発生する。
【0034】
第2の処理未了発生時には、自動改札機2は、無線ICカードからの利用者ID及び端末識別情報(自動改札機の識別情報)は受信している。さらに、自動改札機2は、無線ICカードから入出場判定必要情報も受信している。自動改札機2は、受信済みのこれら情報(利用者ID、端末識別情報、入出場判定必要情報)を含む第2の処理未了情報をホスト1へ送信する。
【0035】
ホスト1は、通信部103を介して、第2の処理未了情報を受信し、記憶部102に記憶する。さらに、ホスト1は、第2の処理未了情報に含まれる端末識別情報(自動改札機の識別情報)に基づき利用場所(処理未了が発生した駅)を特定し、第2の処理未了情報に含まれる入出場判定必要情報から改札可否を判定する。ホスト1は、利用者ID及び改札可否判定結果を含む第2の処理未了情報を各自動改札機2へ送信する。
【0036】
第2の処理未了情報を受信した自動改札機2も、上記したように、無線送受信アンテナ220を介して、応答要求信号(ポーリング)と共に端末識別情報(自動改札機(自機器)の識別情報)を出力している。利用者が、自動改札機2の無線送受信アンテナ220に対して無線ICカードを翳すと、無線ICカードは自動改札機2からの応答要求信号及び端末識別情報(自動改札機の識別情報)を受信し、応答信号を送信する。具体的には、無線ICカードは、応答信号として、利用者ID(媒体識別情報)及び受信した端末識別情報(自動改札機の識別情報)を送信する。
【0037】
自動改札機2(第2の処理未了情報を受信した自動改札機2)は、無線送受信アンテナ220を介してこれら情報を受信し、自動改札機2及び無線ICカードの間で相互認証処理が行なわれる。このとき、自動改札機2は、ホストから受信した第2の処理未了情報に含まれる利用者IDと、無線ICカードから受信した利用者IDとを比較し、この無線ICカードが処理未了に該当するか否かを判定する。自動改札機2は、この無線ICカードが処理未了に該当しないと判定すると、上記したように改札処理(正常処理)が進められる。自動改札機2は、この無線ICカードが処理未了に該当し前回入出場不許可判定の場合にはドアを閉じて通行を阻止し係員対応であることを案内とする。自動改札機2は、この無線ICカードが処理未了に該当し前回入出場許可判定の場合には、続けて今回入出場判定を行ない、無線送受信アンテナ220を介してライトデータ(第2の処理未了情報に含まれる判定結果(前回分の入出場判定結果)及び今回分の入出場判定結果)を送信する。無線ICカードは、ライトデータを受信し、ライトデータを書き込む(ライトデータを記憶する)。無線ICカードは、ライトデータの書き込みが完了すると、書き込み完了を送信する。自動改札機2は、無線送受信アンテナ220を介して書き込み完了を受信し、伝送制御回路221を介してホスト1へ処理完了を報告する。以上により、前回分の改札処理と今回分の改札処理が正常に完了する。つまり、前回分の改札処理については、無線ICカードの利用者が特に意識することなく完了させることができる。
【0038】
続いて図6を参照して、第3の処理未了のケースについて説明する。図6に示すように、起動中(改札処理受付中)の自動改札機2(端末)は、無線送受信アンテナ220を介して応答要求信号(ポーリング)と共に端末識別情報(自動改札機(自機器)の識別情報)を出力している(ST1)。利用者が、自動改札機2の無線送受信アンテナ220に対して無線ICカードを翳すと、無線ICカードは自動改札機2からの応答要求信号及び端末識別情報(自動改札機の識別情報)を受信し、応答信号を送信する。具体的には、無線ICカードは、応答信号として、利用者ID(媒体識別情報)及び受信した端末識別情報(自動改札機の識別情報)を送信する(ST2)。
【0039】
自動改札機2は、無線送受信アンテナ220を介してこれら情報を受信し、自動改札機2及び無線ICカードの間で相互認証処理が行なわれ、自動改札機2は、無線送受信アンテナ220を介してリードコマンドを送信する(ST3)。つまり、自動改札機2は、無線ICカードに記憶された各種情報を要求する。無線ICカードは、リードコマンドを受信し、入出場履歴情報(前回どの駅から入場したのか/前回どの駅で出場したのかを示す情報)、有効期間情報、有効乗車区間情報、及び金額情報(残額情報)等の入出場判定必要情報を送信する(ST4)。自動改札機2は、無線送受信アンテナ220を介してこの入出場判定必要情報を受信し、自動改札機2(CPU201)は、入出場判定必要情報に基づき、この無線ICカードによる入出場を判定する。
【0040】
自動改札機2(CPU201)が入出場を許可する場合は、自動改札機2は無線送受信アンテナ220を介してライトデータ(入出場判定結果)を送信する(ST5)。無線ICカードは、ライトデータを受信し、ライトデータを書き込む(ライトデータを記憶する)。このタイミングで無線ICカードが利用者により持ち去られるなどすると、この後の処理が継続できない。つまり、自動改札機2が書き込み完了を受信できない。このような処理継続不能状態の発生に基づき、第3の処理未了が発生する。
【0041】
第3の処理未了発生時には、自動改札機2は、無線ICカードからの利用者ID及び端末識別情報(自動改札機の識別情報)は受信している。さらに、自動改札機2は、無線ICカードから入出場判定必要情報も受信しており、また、入出場判定も下している。さらに、無線ICカードには、ライトデータ(入出場判定結果)も書き込まれている可能性が高い。よって、自動改札機2は、利用者ID及び入出場判定結果を含む第3の処理未了情報をホスト1へ送信する。
【0042】
ホスト1は、通信部103を介して、第3の処理未了情報を受信し、記憶部102に記憶する。ホスト1は、利用者ID及び入出場判定結果を含む第3の処理未了情報を各自動改札機2へ送信する。或いは、ホスト1は、利用者IDだけを含む第3の処理未了情報を各自動改札機2へ送信する。
【0043】
第3の処理未了情報を受信した自動改札機2も、上記したように、無線送受信アンテナ220を介して、応答要求信号(ポーリング)と共に端末識別情報(自動改札機(自機器)の識別情報)を出力している。利用者が、自動改札機2の無線送受信アンテナ220に対して無線ICカードを翳すと、無線ICカードは自動改札機2からの応答要求信号及び端末識別情報(自動改札機の識別情報)を受信し、応答信号を送信する。具体的には、無線ICカードは、応答信号として、利用者ID(媒体識別情報)及び受信した端末識別情報(自動改札機の識別情報)を送信する。
【0044】
自動改札機2(第3の処理未了情報を受信した自動改札機2)は、無線送受信アンテナ220を介してこれら情報を受信し、自動改札機2及び無線ICカードの間で相互認証処理が行なわれる。このとき、自動改札機2は、ホストから受信した第3の処理未了情報に含まれる利用者IDと、無線ICカードから受信した利用者IDとを比較し、この無線ICカードが処理未了に該当するか否かを判定する。自動改札機2は、この無線ICカードが処理未了に該当しないと判定すると、上記したように改札処理(正常処理)が進められる。自動改札機2は、この無線ICカードが処理未了に該当すると判定すると、前回処理時のライトデータの書き込み完了を確認する。自動改札機2は、前回処理時のライトデータの書き込みが完了していることを確認して、今回入出場判定を行ない、無線送受信アンテナ220を介してライトデータ(今回分の入出場判定結果)を送信する。無線ICカードは、ライトデータを受信し、ライトデータを書き込む(ライトデータを記憶する)。無線ICカードは、ライトデータの書き込みが完了すると、書き込み完了を送信する。自動改札機2は、無線送受信アンテナ220を介して書き込み完了を受信し、伝送制御回路221を介してホスト1へ処理完了を報告する。以上により、前回分の改札処理と今回分の改札処理が正常に完了する。つまり、前回分の改札処理については、無線ICカードの利用者が特に意識することなく完了させることができる。
【0045】
上記説明した本発明について以下の通りまとめる。
【0046】
本発明によれば、端末利用時の無線ICカードの処理未了データをホスト管理し、次回端末利用時にリカバリ処理を行なう。これにより、スムーズな利用が可能とする。
【0047】
さらに詳述すると、本発明によれば、端末利用時の処理未了を示す処理未了情報をホスト管理し、各端末に処理未了情報を配信する。処理未了情報を配信する端末は、全端末であってもよいし、所定のエリアの端末だけに限定してもよい。また、配信した処理未了情報の有効期限(時間)を設定することもできる。例えば、無線ICカードから読み取られた入出場履歴や有効乗車区間情報などから、処理未了情報の配信エリアを設定することができる。
【0048】
端末利用時には1件毎に明細データが作成されホストへ送信されるが、処理未了発生時には明細データがホストへ送信されてこないため、明細不一致として管理される。次回端末利用時に、リカバリ処理より復旧した時は、前回、今回の明細データ2件分のデータをあわせて作成することで、不一致を解決する。処理未了時の各段階により、配信する情報量を変えることで、ホスト側の負荷を減らすことができる。
【0049】
つまり、上記した第1の処理未了のケースでは、ホスト側で改札判定することはできない。よって、ホストは各端末に対して利用者ID及び利用場所情報のみを配信する。利用者による次回端末利用時には、無線ICカードに対する改札判定必要情報の取得処理から開始し、前回分及び今回分の改札判定をあわせて行なう。
【0050】
また、上記した第2の処理未了のケースでは、ホスト側で改札判定可能なため、ホストは各端末に対して利用者ID及び判定結果を配信する。利用者による次回端末利用時には、自動改札機は前回分の判定結果の書き込みと今回分の改札判定処理とをあわせて実行する。
【0051】
また、上記した第3の処理未了のケースでは、改札判定済みなので、ホストは各端末に対して利用者IDのみを配信する。利用者による次回端末利用時には、処理未了情報に含まれる利用者IDにより前回分の判定結果を照合し、確かに前回分の判定結果が無線ICカードに記録されていることが確認されれば、今回分の改札判定処理だけを行なう。
【0052】
例えば、入場改札時には、入場時の処理未了情報をホスト側で管理し、出場機(出場用自動改札機)の各端末に情報を送る。処理未了情報を配信する端末は、全出場機であってもよいし、所定のエリアの出場機だけに限定してもよい。また、配信した処理未了情報の有効期限(時間)を設定することもできる。利用者による出場改札時は、利用者IDの照合に基づき、前回分の入場時処理未了部分の処理と今回分の出場処理を行なう。ホスト側データ(入場処理未了情報)は当日またはある一定時間で消去される。
【0053】
出場改札時には、出場時の処理未了情報をホスト側で管理し、入場機(入場用自動改札機)の各端末に情報を送る。処理未了情報を配信する端末は、全入場機であってもよいし、所定のエリアの入場機だけに限定してもよい。また、配信した処理未了情報の有効期限(時間)を設定することもできる。利用者による入場改札時は、利用者IDの照合に基づき、前回分の出場時処理未了部分の処理と今回分の入場処理を行なう。ホスト側データ(出場処理未了情報)は当日またはある一定時間で消去される。
【0054】
以上説明したように、本発明によれば、処理未了無線ICカードの後処理を、窓口別処理でなく利用者が次回端末を使用することにより自動的に行なうことができ、スムーズな運用が可能となる。
【0055】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】この発明の一例に係る改札処理システム(媒体処理システム)の概略構成を示す図である。
【図2】この発明の一例に係る自動改札機(媒体処理装置)の概略構成を示す図である。
【図3】無線ICカードを利用した自動改札機による改札処理(正常処理)の一例を示す図である。
【図4】第1の処理未了のケースを説明する図である。
【図5】第2の処理未了のケースを説明する図である。
【図6】第3の処理未了のケースを説明する図である。
【符号の説明】
【0057】
1…ホスト、2…自動改札機、101…制御部、102…記憶部、103…通信部、201…CPU、202…ROM、203…RAM、204…運賃メモリ、205…読取回路、206…読取ヘッド、207…書込回路、208…書込ヘッド、209…乗車券検知回路、210…検知器、211…搬送制御回路、212…搬送用モータ、213…ドア制御回路、214…ドア開閉機構、215…人間検知器制御回路、216…人間検知器、217…表示制御回路、218…表示器、219…無線リーダ/ライタ、220…無線送受信アンテナ、221…伝送制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記憶媒体から情報を読み取る読取手段と、
情報記憶媒体に対して情報を書き込む書込手段と、
前記読取手段による読み取り及び前記書込手段による書き込みにより、情報記憶媒体を処理する処理手段と、
前記処理手段による媒体処理途中での処理継続不能状態の発生に基づき、情報記憶媒体から読み取られた情報を含む処理未了情報を上位機器へ送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする媒体処理装置。
【請求項2】
情報記憶媒体から情報を読み取る読取手段と、
情報記憶媒体に対して情報を書き込む書込手段と、
前記読取手段による読み取り及び前記書込手段による書き込みにより、情報記憶媒体から媒体識別情報及び入出場判定必要情報を読み取り、入出場判定必要情報に基づき入出場を判定し、情報記憶媒体に対して入出場判定結果を書き込み、情報記憶媒体からの書き込み完了を受信して媒体処理を完了する処理手段と、
前記処理手段により情報記憶媒体から媒体識別情報を読み取った段階での処理継続不能状態の発生に基づき、この媒体識別情報及びこの媒体処理場所を示す場所情報を含む処理未了情報を上位機器へ送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする媒体処理装置。
【請求項3】
情報記憶媒体から情報を読み取る読取手段と、
情報記憶媒体に対して情報を書き込む書込手段と、
前記読取手段による読み取り及び前記書込手段による書き込みにより、情報記憶媒体から媒体識別情報及び入出場判定必要情報を読み取り、入出場判定必要情報に基づき入出場を判定し、情報記憶媒体に対して入出場判定結果を書き込み、情報記憶媒体からの書き込み完了を受信して媒体処理を完了する処理手段と、
前記処理手段により情報記憶媒体から媒体識別情報及び入出場判定必要情報を読み取った段階での処理継続不能状態の発生に基づき、この媒体識別情報、この入出場判定必要情報、及びこの媒体処理場所を示す場所情報を含む処理未了情報を上位機器へ送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする媒体処理装置。
【請求項4】
情報記憶媒体から情報を読み取る読取手段と、
情報記憶媒体に対して情報を書き込む書込手段と、
前記読取手段による読み取り及び前記書込手段による書き込みにより、情報記憶媒体から媒体識別情報及び入出場判定必要情報を読み取り、入出場判定必要情報に基づき入出場を判定し、情報記憶媒体に対して入出場判定結果を書き込み、情報記憶媒体からの書き込み完了を受信して媒体処理を完了する処理手段と、
前記処理手段により情報記憶媒体に対して入出場判定結果を書き込んだ段階での処理継続不能状態の発生に基づき、情報記憶媒体から読み取られた媒体識別情報及び入出場判定結果を含む処理未了情報を上位機器へ送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする媒体処理装置。
【請求項5】
上位機器から情報記憶媒体の処理未了情報を受信する受信手段と、
情報記憶媒体から情報を読み取る読取手段と、
情報記憶媒体に対して情報を書き込む書込手段と、
前記読取手段による読み取り及び前記書込手段による書き込みにより、情報記憶媒体を処理する処理手段と、
前記受信手段により受信された処理未了情報及び前記読取手段により読み取られた情報に基づく情報記憶媒体に対する前回処理未了の判明に対応して、前記処理手段により情報記憶媒体に対する前回処理を完了させるとともに情報記憶媒体に対する今回処理を実行させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする媒体処理装置。
【請求項6】
上位機器から媒体識別情報及び前回の媒体処理場所を示す場所情報を含む処理未了情報を受信する受信手段と、
情報記憶媒体から情報を読み取る読取手段と、
情報記憶媒体に対して情報を書き込む書込手段と、
前記読取手段による読み取り及び前記書込手段による書き込みにより、情報記憶媒体から媒体識別情報及び入出場判定必要情報を読み取り、入出場判定必要情報に基づき入出場を判定し、情報記憶媒体に対して入出場判定結果を書き込み、情報記憶媒体からの書き込み完了を受信して媒体処理を完了する処理手段と、
前記受信手段により受信された処理未了情報に含まれる媒体識別情報及び前記読取手段により読み取られた媒体識別情報に基づき情報記憶媒体に対する前回処理の未了の判明、及びこの処理未了情報からこの情報記憶媒体に対する前回処理が情報記憶媒体から媒体識別情報を読み取った段階で中断されていることの判明に対応して、前記処理手段により処理未了情報に含まれる前回の媒体処理場所を示す場所情報を参照して前回分の入出場を判定し前回分の入出場判定結果の書き込みにより前回分の処理を完了させるとともに今回分の処理を実行させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする媒体処理装置。
【請求項7】
上位機器から媒体識別情報及び入出場判定結果を含む処理未了情報を受信する受信手段と、
情報記憶媒体から情報を読み取る読取手段と、
情報記憶媒体に対して情報を書き込む書込手段と、
前記読取手段による読み取り及び前記書込手段による書き込みにより、情報記憶媒体から媒体識別情報及び入出場判定必要情報を読み取り、入出場判定必要情報に基づき入出場を判定し、情報記憶媒体に対して入出場判定結果を書き込み、情報記憶媒体からの書き込み完了を受信して媒体処理を完了する処理手段と、
前記受信手段により受信された処理未了情報に含まれる媒体識別情報及び前記読取手段により読み取られた媒体識別情報に基づき情報記憶媒体に対する前回処理の未了の判明、及びこの処理未了情報からこの情報記憶媒体に対する前回処理が情報記憶媒体から媒体識別情報及び入出場判定必要情報を読み取った段階で中断されていることの判明に対応して、前記処理手段により処理未了情報に含まれる前回分の入出場判定結果の書き込みにより前回分の処理を完了させるとともに、前記処理手段により今回分の処理を実行させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする媒体処理装置。
【請求項8】
上位機器から媒体識別情報を含む処理未了情報を受信する受信手段と、
情報記憶媒体から情報を読み取る読取手段と、
情報記憶媒体に対して情報を書き込む書込手段と、
前記読取手段による読み取り及び前記書込手段による書き込みにより、情報記憶媒体から媒体識別情報及び入出場判定必要情報を読み取り、入出場判定必要情報に基づき入出場を判定し、情報記憶媒体に対して入出場判定結果を書き込み、情報記憶媒体からの書き込み完了を受信して媒体処理を完了する処理手段と、
前記受信手段により受信された処理未了情報に含まれる媒体識別情報及び前記読取手段により読み取られた媒体識別情報に基づき情報記憶媒体に対する前回処理の未了の判明、及び処理未了情報からこの情報記憶媒体に対する前回処理が情報記憶媒体に対して判定結果を書き込んだ段階で中断されていることの判明に対応して、前記処理手段により前回処理の完了を確認し、前記処理手段により今回分の処理を実行させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする媒体処理装置。
【請求項9】
情報記憶媒体から情報を読み取る読取手段と、
情報記憶媒体に対して情報を書き込む書込手段と、
前記読取手段による読み取り及び前記書込手段による書き込みにより、情報記憶媒体を処理する処理手段と、
前記処理手段による媒体処理途中での処理継続不能状態の発生に基づき、情報記憶媒体から読み取られた情報を含む処理未了情報を上位機器へ送信する送信手段と、
上位機器から前記処理未了情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された処理未了情報及び前記読取手段により読み取られた情報に基づく情報記憶媒体に対する前回処理の未了状態の判明に対応して、前記処理手段により情報記憶媒体に対する前回処理を完了させるとともに情報記憶媒体に対する今回処理を実行させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする媒体処理装置。
【請求項10】
第1及び第2の媒体処理装置、及びこれら第1及び第2の媒体処理装置を管理する上位機器により構成される媒体処理システムであって、
前記第1の媒体処理装置は、
情報記憶媒体から情報を読み取る読取手段と、
情報記憶媒体に対して情報を書き込む書込手段と、
前記読取手段による読み取り及び前記書込手段による書き込みにより、情報記憶媒体を処理する処理手段と、
前記処理手段による媒体処理途中での処理継続不能状態の発生に基づき、情報記憶媒体から読み取られた情報を含む処理未了情報を上位機器へ送信する送信手段と、
を備え、
上位機器は、
前記第1の媒体処理装置から送信される処理未了情報を受信する受信手段と、
前記第2の媒体処理装置へ処理未了情報を配信する配信手段と、
を備え、
前記第2の媒体処理装置は、
前記上位機器から処理未了情報を受信する受信手段と、
情報記憶媒体から情報を読み取る読取手段と、
情報記憶媒体に対して情報を書き込む書込手段と、
前記読取手段による読み取り及び前記書込手段による書き込みにより、情報記憶媒体を処理する処理手段と、
前記受信手段により受信された処理未了情報及び前記読取手段により読み取られた情報に基づく情報記憶媒体に対する前回処理未了の判明に対応して、前記処理手段により情報記憶媒体に対する前回処理を完了させるとともに情報記憶媒体に対する今回処理を実行させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする媒体処理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate