説明

媒体搬送装置、画像形成装置、及び媒体搬送方法

【課題】長尺状の媒体を高精度に切断することが可能な、新規かつ改良された媒体搬送装置、画像形成装置、及び媒体搬送方法を提供する。
【解決手段】長尺状の媒体を搬送方向に搬送する搬送部材と、前記搬送部材により搬送された前記媒体を、前記搬送方向に直交する前記媒体の幅方向に切断する切断部材と、前記搬送方向において前記搬送部材と前記切断部材の間に設けられ、前記幅方向に沿って前記媒体に対向する対向部材と、を備え、前記対向部材は、移動することにより、前記媒体から離間した離間位置、又は前記離間位置よりも前記媒体に接近した接近位置に位置し、前記対向部材を前記離間位置に位置させた状態で前記搬送部材に前記媒体を搬送させ、前記媒体の搬送を停止した状態で前記対向部材を前記離間位置から前記接近位置へ移動させた後に、前記切断部材の切断動作を開始させる制御部を更に備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置、画像形成装置、及び媒体搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体搬送装置として、例えば、画像が印刷されたロール紙(長尺状の媒体)を搬送するプリンタが知られている。プリンタは、搬送部材である搬送ローラを有し、ロール紙を挟持した状態で搬送ローラが回転することでロール紙を搬送方向に搬送する。
【0003】
プリンタは、搬送ローラよりも搬送方向下流側に、ロール紙を所望の大きさのカット紙に切断する切断部材(カッター)を有する。そして、画像が印刷されたロール紙は、搬送ローラにより切断位置まで搬送されて、搬送方向に直交する幅方向に切断部材により切断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平04−182165号公報
【特許文献2】特開平07−108492号公報
【特許文献3】特開2005−103699号公報
【特許文献4】特開昭63−295282号公報
【特許文献5】特開平03−5174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ロール紙が搬送ローラで搬送される際に、搬送方向における搬送ローラと切断部材の間において、ロール紙のたわみ、浮き、斜行等が発生することがある。このような状態で搬送されたロール紙を切断しても、実際のロール紙の切断部分が理想の切断部分からずれるという問題が発生する。この結果、カットされたカット紙の大きさに、ばらつきが生じることとなる。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、長尺状の媒体を高精度に切断することが可能な、新規かつ改良された媒体搬送装置、画像形成装置、及び媒体搬送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、長尺状の媒体を搬送方向に搬送する搬送部材と、前記搬送部材により搬送された前記媒体を、前記搬送方向に直交する前記媒体の幅方向に切断する切断部材と、前記搬送方向において前記搬送部材と前記切断部材の間に設けられ、前記幅方向に沿って前記媒体に対向する対向部材と、を備え、前記対向部材は、移動することにより、前記媒体から離間した離間位置、又は前記離間位置よりも前記媒体に接近した接近位置に位置し、前記対向部材を前記離間位置に位置させた状態で前記搬送部材に前記媒体を搬送させ、前記媒体の搬送を停止した状態で前記対向部材を前記離間位置から前記接近位置へ移動させた後に、前記切断部材の切断動作を開始させる制御部を更に備える、媒体搬送装置が提供される。
【0008】
また、前記搬送部材は、表面に画像が形成された前記媒体を前記切断位置に搬送し、前記離間位置は前記表面から離間した位置であり、前記接近位置は前記表面に接近した位置であり、前記対向部材は、前記表面の法線方向に移動することにより、前記離間位置又は前記接近位置に位置することとしても良い。
【0009】
また、前記対向部材は、前記搬送方向に沿って所定間隔で設けられた回転自在な複数のローラであり、前記複数のローラが前記離間位置から前記接近位置へ移動する際に、前記複数のローラの外周面が前記媒体に接触可能であることとしても良い。
【0010】
また、前記切断位置に位置する前記媒体を前記対向部材と共に挟む搬送ガイドを更に備え、前記接近位置に位置する前記対向部材と前記搬送ガイドとの間の距離は、前記媒体の厚さよりも大きいこととしても良い。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、長尺状の媒体を搬送方向に搬送する搬送部材と、前記搬送部材により搬送された前記媒体を、前記搬送方向に直交する前記媒体の幅方向に切断する切断部材と、前記搬送方向において前記搬送部材と前記切断部材の間に設けられ、前記幅方向に沿って前記媒体を挟持可能な一組のローラ対と、を備え、前記ローラ対は、移動することにより、前記媒体を挟持する挟持位置、又は前記媒体から離間した離間位置に位置し、前記ローラ対を前記離間位置に位置させた状態で前記搬送部材に前記媒体を搬送させ、前記媒体の搬送を停止した状態で前記ローラ対を前記離間位置から前記挟持位置へ移動させ、前記挟持位置で挟持した前記媒体を前記搬送方向において前記切断部材側に移動させる方向に前記ローラ対を回転させた後に、前記切断部材の切断動作を開始させる制御部を更に備える、媒体搬送装置が提供される。
【0012】
また、前記搬送部材は、前記媒体を挟持する一対の搬送ローラであり、前記ローラ対は、前記搬送ローラが前記媒体を挟持して停止している際に、回転し、前記ローラ対の回転駆動力は、前記搬送ローラに挟持された前記媒体の部分が移動しないように前記部分に作用する前記搬送ローラの挟持力よりも小さいこととしても良い。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、長尺状の媒体を搬送方向に搬送する搬送部材と、前記媒体に画像を形成する画像形成部材と、前記画像が形成された後に前記搬送部材により搬送された前記媒体を、前記搬送方向に直交する前記媒体の幅方向に切断する切断部材と、前記搬送方向において前記搬送部材と前記切断部材の間に設けられ、前記幅方向に沿って前記媒体に対向する対向部材と、を備え、前記対向部材は、移動することにより、前記媒体から離間した離間位置、又は前記離間位置よりも前記媒体に接近した接近位置に位置し、前記対向部材を前記離間位置に位置させた状態で前記搬送部材に前記媒体を搬送させ、前記媒体の搬送を停止した状態で前記対向部材を前記離間位置から前記接近位置へ移動させた後に、前記切断部材の切断動作を開始させる制御部を更に備える、画像形成装置が提供される。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、長尺状の媒体を搬送方向に搬送する搬送部材と、前記媒体に画像を形成する画像形成部材と、前記画像が形成された後に前記搬送部材により搬送された前記媒体を、前記搬送方向に直交する前記媒体の幅方向に切断する切断部材と、前記搬送方向において前記搬送部材と前記切断部材の間に設けられ、前記幅方向に沿って前記媒体を挟持可能な一組のローラ対と、を備え、前記ローラ対は、移動することにより、前記媒体を挟持する挟持位置、又は前記媒体から離間した離間位置に位置し、前記ローラ対を前記離間位置に位置させた状態で前記搬送部材に前記媒体を搬送させ、前記媒体の搬送を停止した状態で前記ローラ対を前記離間位置から前記挟持位置へ移動させ、前記挟持位置で挟持した前記媒体を前記搬送方向において前記切断部材側に移動させる方向に前記ローラ対を回転させた後に、前記切断部材の切断動作を開始させる制御部を更に備える、画像形成装置が提供される。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、搬送方向において、長尺状の媒体を搬送する搬送部材と、前記搬送方向に直交する前記媒体の幅方向に前記媒体を切断する切断部材との間に設けられ、前記幅方向に沿って前記媒体に対向する対向部材を、前記媒体から離間した離間位置に位置させるステップと、前記対向部材を前記離間位置に位置させた状態で、前記媒体を搬送するステップと、前記媒体の搬送を停止した状態で前記対向部材を前記離間位置から前記媒体に接近する接近位置へ移動させた後に、前記切断部材の切断動作を開始させるステップと、を有する媒体搬送方法が提供される。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、搬送方向において、長尺状の媒体を搬送する搬送部材と、前記搬送方向に直交する前記媒体の幅方向に前記媒体を切断する切断部材との間に設けられ、前記幅方向に沿って前記媒体を挟持可能な一組のローラ対を、前記媒体から離間した離間位置に位置させるステップと、前記ローラ対を前記離間位置に位置させた状態で、前記媒体を搬送するステップと、前記媒体の搬送を停止した状態で前記ローラ対を前記離間位置から前記媒体を挟持する挟持位置へ移動させるステップと、前記挟持位置で挟持した前記媒体を前記搬送方向において前記切断部材側に移動させる方向に前記ローラ対を回転させた後に、前記切断部材の切断動作を開始させるステップと、を有する媒体搬送方法が提供される。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、長尺状の媒体を高精度に切断することが可能な、新規かつ改良された媒体搬送装置、画像形成装置、及び媒体搬送方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】プリンタ10の全体構成を示したブロック図である。
【図2】プリンタ10の内部構成を示した図である。
【図3】ローラ群61が離間位置に位置する際の、カッタユニット50と姿勢矯正ユニット60を示した図である。
【図4】ローラ群61が接近位置に位置する際の、カッタユニット50と姿勢矯正ユニット60を示した図である。
【図5】ローラ群61とロール紙Sの位置関係を示した模式図である。
【図6】第1実施形態に係るプリンタ10の動作例を説明するためのフローチャートである。
【図7】ローラ対65が離間位置に位置する際の、カッタユニット50と姿勢矯正ユニット60を示した図である。
【図8】ローラ対65が挟持位置に位置する際の、カッタユニット50と姿勢矯正ユニット60を示した図である。
【図9】第2実施形態に係るプリンタ10の動作例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施形態
1−1.媒体搬送装置の構成
1−2.カッタユニットと姿勢矯正ユニットの詳細構成
1−3.プリンタの動作例
1−4.第1実施形態に係るプリンタの有効性
2.第2の実施形態
2−1.姿勢矯正ユニットの詳細構成
2−2.プリンタの動作例
3.その他の実施形態
【0021】
<1.第1の実施形態>
(1−1.媒体搬送装置の構成)
媒体搬送装置の構成について、画像形成装置の一例であるプリンタ10を例に挙げて説明する。プリンタ10の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、プリンタ10の全体構成を示したブロック図である。図2は、プリンタ10の内部構成を示した図である。
【0022】
本実施形態に係るプリンタ10は、熱転写方式のプリンタである。具体的には、プリンタ10は、インクリボンに塗布された昇華性染料インクを、サーマルヘッドによって長尺状の媒体の一例であるロール紙に転写することで、ロール紙に画像を印刷する昇華型プリンタである。もちろん、溶融型プリンタ、感熱型プリンタ等であっても良い。
【0023】
プリンタ10は、図1に示すように、ロール紙搬送ユニット20と、インクリボン搬送ユニット30と、画像形成部材の一例であるヘッドユニット40と、カッタユニット50と、姿勢矯正ユニット60と、制御部の一例であるコントローラ70を有する。
【0024】
ロール紙搬送ユニット20は、ロール紙Sを搬送方向に搬送する。ロール紙搬送ユニット20は、図2に示すように、給紙ローラ22と、キャプスタンローラ23と、ピンチローラ24と、プラテンローラ25を有する。なお、キャプスタンローラ23とピンチローラ24が、搬送部材(一対の搬送ローラ)に該当する。
【0025】
給紙ローラ22は、ホルダ21に保持されたロール紙Sをサーマルヘッド41に向けて給紙する。キャプスタンローラ23は、従動ローラであるピンチローラ24と共に、ロール紙Sを挟持して搬送する。キャプスタンローラ23は、正方向(図2において反時計方向)と逆方向(図2において時計方向)に回転可能であり、搬送方向におけるロール紙Sの紙送りと引き戻しを行う。例えば、キャプスタンローラ23は、正方向に回転する際にロール紙Sを紙送りし、逆方向に回転する際にロール紙Sを引き戻す。プラテンローラ25は、サーマルヘッド41に対向する位置に設けられ、搬送中のロール紙Sを支持する。
【0026】
インクリボン搬送ユニット30は、インクリボンRを搬送する。インクリボン搬送ユニット30は、図2に示すように、供給リール31と、巻取りリール32を有する。供給リール31から巻き出されたインクリボンRは、巻取りリール32の回転に伴い搬送され、サーマルヘッド41とプラテンローラ25の間を通過した後に、巻取りリール32によって巻き取られる。
【0027】
ここで、インクリボンRについて説明する。プリンタ10は、カラー画像をロール紙Sに印刷する。このため、インクリボンRには、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、及びC(シアン)の3色の昇華性染料が、色分けして塗布されている。なお、インクリボンRには、上記の3色に加え、K(ブラック)の色や透明なラミネートインクが塗布されていても良い。
【0028】
ヘッドユニット40は、インクリボンRに塗布されたインクをロール紙Sに転写する。ヘッドユニット40は、複数の発熱素子(不図示)がライン状に配列されたサーマルヘッド41を有する。複数の発熱素子は、印刷画像の階調レベルに応じて選択的に通電され、インクの転写に用いる熱エネルギーを発生する。
【0029】
サーマルヘッド41は、待機位置と、インクをロール紙Sに転写する転写位置との間を移動する。待機位置は、サーマルヘッド41がプラテンローラ25から離間した位置であり、転写位置は、サーマルヘッド41がプラテンローラ25と共にロール紙S及びインクリボンRを挟持する位置である。サーマルヘッド41は、転写位置に位置する際に、インクリボンRに塗布されたインクをロール紙Sに転写する。なお、本実施形態において、インクリボンRの送り方向はロール紙Sの引き戻し方向と同じ方向であり、キャプスタンローラ23によりロール紙Sが引き戻される際に、インクリボンRに塗布されたインクがロール紙Sに転写される。
【0030】
カッタユニット50は、搬送方向においてサーマルヘッド21よりも下流側に設けられている。カッタユニット50は、ロール紙をカットする刃を有し、表面に画像が印刷されたロール紙Sを刃によって所定サイズのカット紙にカットする。カットされたカット紙は、排紙トレイ26(図2)上に排出される。カッタユニット50の詳細構成については、後述する。
【0031】
姿勢矯正ユニット60は、搬送方向においてサーマルヘッド21とカッタユニット50の間に設けられている。姿勢矯正ユニット60は、カッタユニット50によるロール紙Sのカット動作前に、搬送経路におけるロールSの姿勢を矯正するためのものである。姿勢矯正ユニット60の詳細構成については、後述する。
【0032】
コントローラ70は、各ユニット(ロール紙搬送ユニット20、インクリボン搬送ユニット30、ヘッドユニット40、カッタユニット50、姿勢矯正ユニット60)を制御する。具体的には、コントローラ70は、メモリ72に格納されているプログラムに従って、CPU71によりユニット制御回路74を介してプリンタ10の各ユニットを制御する。また、コントローラ70は、インターフェース73を介してコンピュータ(不図示)と通信可能である。コントローラ70は、コンピュータから印刷データを受信すると、該印刷データに基づいて各ユニットを制御して該印刷データに応じた画像をロール紙Sに印刷する。
【0033】
検出器80は、プリンタ10内の状況を検出する。例えば、検出器80は、搬送経路上のロール紙SやインクリボンRの位置を検出する検出センサーを有する。検出器80は、検出結果に応じた信号をコントローラ70に向けて出力する。コントローラ70は、前記信号を受け取って、各ユニットを制御する。
【0034】
(1−2.カッタユニットと姿勢矯正ユニットの詳細構成)
カッタユニット50と姿勢矯正ユニット60の詳細構成について、図3〜図5を参照しながら説明する。図3は、ローラ群61が離間位置に位置する際の、カッタユニット50と姿勢矯正ユニット60を示した図である。図4は、ローラ群61が接近位置に位置する際の、カッタユニット50と姿勢矯正ユニット60を示した図である。図5は、ローラ群61とロール紙Sの位置関係を示した模式図である。
【0035】
カッタユニット50は、画像が印刷されたロール紙Sを、所定サイズのカット紙にカットする。カッタユニット50は、固定刃51と、切断部材の一例である可動刃52と、ローラ対53を有する。
【0036】
固定刃51は、搬送方向に直交するロール紙Sの幅方向(図5参照)に沿って設けられた刃である。固定刃51は、カット位置(切断位置)に位置するロール紙Sの裏面に接触する。
【0037】
可動刃52は、ロール紙Sを幅方向にカットする。具体的には、可動刃52は、ロール紙Sの幅方向に移動することで、固定刃51と協働してロール紙Sをカットする。可動刃52は、ロール紙Sをカットする前は、ロール紙Sの搬送の妨げとならないようにロール紙Sよりも幅方向の外側の待機位置に位置する。このため、幅方向の一端側の待機位置に位置する可動刃52は、他端側に移動しながらロール紙Sをカットする。
【0038】
ローラ対53は、可動刃52の搬送方向上流側の近傍に設けられた移動可能な一対のローラである。ローラ対53は、可動刃52の移動に連動して移動して、ロール紙Sを押さえる。具体的には、ローラ対53は、可動刃52が待機位置に位置する際には、ロール紙Sの搬送の妨げとならないように、図3に示すようにロール紙Sから離れた位置に位置する。一方で、ローラ対53は、ロール紙Sをカットすべく可動刃52が幅方向に移動するのに連動して移動して、図4に示すようにロール紙Sを挟持する。
【0039】
ローラ対53に挟持されたロール紙Sが、移動中の可動刃52と固定刃51によりカットされる。このようなローラ対53により、ロール紙Sのカット中に、ロール紙Sが移動することを防止できる。
【0040】
ところで、ロール紙Sがキャプスタンローラ23により送り出されて搬送されるため、搬送方向のサーマルヘッド41とカッタユニット50の間において、所謂ロール紙Sのたわみ、浮き、波打ち、斜行等が生じる場合がある。このような場合には、ロール紙S上の理想のカット部分からずれた部分がカットされてしまう。このようなカット位置のばらつきは、ロール紙Sを複数のカット紙にカットした際に、各カット紙の大きさがばらつくという問題が発生する。また、縁なし印刷を行った際に、印刷されていない余白部分が生じてしまい、品質低下をもたらす。このような問題を解決すべく、本実施形態においては、搬送方向においてサーマルヘッド21とカッタユニット50の間に姿勢矯正ユニット60を設けている。
【0041】
姿勢矯正ユニット60は、カッタユニット50によるロール紙Sのカット動作前に、搬送経路におけるロールSの姿勢(ロール紙Sのたわみ、浮き、波打ち、斜行等)を矯正する。このように姿勢を矯正することで、ロール紙Sの所望の部分をカットすることが可能となる。
【0042】
姿勢矯正ユニット60は、図3等に示すように、対向部材の一例であるローラ群61を有する。ローラ群61は、ロール紙Sをガイドする搬送ガイド63に対応する位置に設けられている。ローラ群61は、搬送ガイド63上に位置するロール紙Sを押さえる機能を有する。
【0043】
ローラ群61は、搬送方向に沿って所定間隔で設けられている複数のローラ61aから構成されている。複数のローラ61aは、図5に示すように幅方向に沿ってロール紙Sに対向する。複数のローラ61aはロール紙Sの表面の法線方向に移動できるように、各ローラ61aの両端が、支持部材62に支持されている。つまり、支持部材62が、不図示の駆動源により法線方向(図3や図4の上下方向)に移動することに連動して、複数のローラ61aが移動する。
【0044】
複数のローラ61aは、法線方向に移動することにより、ロール紙Sの表面から離間した離間位置(図3に示す位置)、又はロール紙Sの表面に接近した接近位置(図4に示す位置)に位置する。離間位置は、ロール紙Sの搬送に妨げとならない位置、具体的には搬送中のロール紙Sがローラ群61に接触しない位置である。接近位置は、ローラ群61が、搬送ガイド63と協働してロール紙Sを挟む位置である。なお、接近位置に位置するローラ群61と搬送ガイド63との間の距離は、ロール紙Sの厚みよりも大きい。具体的には、前記距離は、ロール紙Sの厚みの約1.5倍〜2.5倍の大きさである。
【0045】
複数のローラ61aが離間位置から接近位置へ移動する際に、複数のローラ61aの外周面が、ロール紙Sの表面に接触可能である。具体的には、図3に示すように離間位置に位置するローラ群61と搬送ガイド63の間でロール紙Sが浮いている場合には、ローラ群61が接近位置に移動する際にロール紙Sに接触する。そして、接触した状態でローラ群61が更に移動すると、図4に示すようにロール紙Sを押さえることでロール紙Sの浮きが解消される。特に、複数のローラ61aが搬送方向に沿って設けられているので、複数のローラ61aのうちの少なくともいずれかのローラ61aが、たわみ等が発生したロール紙Sに接触して、ロール紙Sの姿勢を矯正することができる。
【0046】
複数のローラ61aは、支持部材62に回転自在に支持されており、ロール紙Sに接触した状態で更に移動する際に回転する。これにより、ローラ61aがロール紙Sを押さえる際にロール紙Sの搬送方向への移動を許容でき、ロール紙Sの浮きやたわみ等を効果的に解消できる。また、ローラ61aがロール紙Sに接触する際のロール紙Sの表面(画像が印刷された面)が傷つくことも防止できる。
【0047】
複数のローラ61aは、カットユニット50の可動刃52が移動する前に、離間位置から接近位置へ移動し、可動刃52の移動中は接近位置に位置している。これにより、可動刃52によるロール紙Sのカット前にロール紙Sの姿勢を矯正できると共に、カット時のロール紙Sの移動も防ぐことができる。
【0048】
なお、上記実施形態では、姿勢矯正ユニット60は、複数のローラ61aを有することとしたが、これに限定されない。例えば、姿勢矯正ユニット60は、一つのローラ61aでロール紙Sの姿勢を矯正しても良く、ローラに代えて板状の部材でロール紙Sの姿勢を矯正しても良い。
【0049】
また、上記実施形態では、一つのローラ61aの長さが、ロール紙Sの幅方向においてロール紙Sの幅よりも大きいこととした(図5参照)が、これに限定されない。例えば、ローラ61aが、幅方向に複数に分割されており、分割されたローラがロール紙Sに対向することとしても良い。
【0050】
(1−3.プリンタの動作例)
ロール紙Sに画像を印刷してカット紙にカットするまでのプリンタ10の動作例について、図6を参照しながら説明する。図6は、第1実施形態に係るプリンタ10の動作例を説明するためのフローチャートである。
【0051】
本動作例では、ローラ群61を離間位置に位置させた状態でロール紙Sをカッタユニット50へ搬送させ、ロール紙Sの搬送を停止した状態でローラ群61を接近位置へ移動させ後に、カット動作を開始させる点に特徴がある。
【0052】
また、本動作は、コントローラ70が、メモリ72に格納されたプログラムを実行することで、実現される。図6に示すフローチャートは、インターフェース73を介してコンピュータから印刷データを受信したところから開始される。
【0053】
まず、コントローラ70は、受信した印刷データに基づく画像を、ロール紙搬送ユニット20とインクリボン搬送ユニット30とヘッドユニット40を動作させて、ロール紙Sに印刷する(ステップS2)。具体的には、サーマルヘッド41が、インクリボン搬送ユニット30により搬送されたインクリボンRに塗布されたインクを、ロール紙搬送ユニット20に搬送されたロール紙Sに転写させることで、ロール紙Sに画像が印刷される。なお、ロール紙Sの搬送中は、ロール群61は、搬送の妨げとならないように離間位置(図3)に位置している。
【0054】
コントローラ70は、ロール群61を離間位置に位置させた状態で、画像が印刷されたロール紙Sを所定搬送量だけ紙送りする(ステップS4)。具体的には、キャプスタンローラ23とピンチローラ24が、ロール紙Sを挟持した状態でカットユニット50に向けて搬送し、所定搬送量だけ搬送すると停止する。ここで、所定搬送量とは、ロール紙Sのたわみ等が発生していない場合のカット部分が、理想のカット位置になるような搬送量である。搬送が停止した状態では、図3に示すように、カットユニット50の周辺において、ロール紙Sが浮いた状態となる。
【0055】
ロール紙Sが停止している状態で、コントローラ70は、ローラ群61を離間位置から接近位置へ移動させる(ステップS6)。具体的には、ローラ群61を支持する支持部材62が下降することで、ローラ群61がロール紙Sに接近する接近位置(図4)へ移動する。ここで、ローラ群61が接近位置へ移動する際に、ローラ61aの外周面がロール紙Sに接触する。ロール紙Sに接触した状態でローラ群61が更に移動すると、ローラ61aが、浮いていたロール紙Sを押し下げる。これにより、図4に示すようにロール紙Sの浮きが解消される、すなわち、ロール紙Sの姿勢が矯正される。
【0056】
ローラ群61を接近位置に位置させた状態で、コントローラ70は、カットユニット50によりロール紙Sの先端部分をカットする(ステップS8)。例えば、幅方向の一端側に位置する可動刃52が、他端側に移動しながら、ロール紙Sをカットする。可動刃52は、ロール紙Sのカット後に他端側に停止する。ここで、ローラ群61が接近位置に位置することでロール紙Sの浮きが解消されるため、ロール紙Sにおけるカット位置の精度を高めることができる。
【0057】
次に、コントローラ70は、ロール紙Sを搬送すべく、ローラ群61を接近位置から離間位置へ移動させる(ステップS10)。具体的には、支持部材62が上昇することで、ローラ群61が離間位置へ移動する。その後に、コントローラ70は、ロール紙搬送ユニット20によりロール紙Sを所定搬送量だけ紙送りする(ステップS12)。この紙送りにより、図3に示すようにロール紙Sに再度浮きが生じる。
【0058】
ロール紙Sが搬送後に停止している状態で、コントローラ70は、再度、ローラ群61を離間位置から接近位置へ移動させる(ステップS14)。これにより、ステップS10で説明したようにロール紙Sの浮きが解消される。
【0059】
ローラ群61を接近位置に位置させた状態で、コントローラ70は、可動刃52によりロール紙Sをカット紙にカットする(ステップS16)。つまり、幅方向の他端側に位置する可動刃52が、一端側に移動しながら、ロール紙Sをカットする。これにより、所望の大きさのカット紙を精度良くカットできる。
【0060】
(1−4.第1実施形態に係るプリンタ10の有効性)
上述したように、プリンタ10は、カッタユニット50によるロール紙Sのカット動作前に、ローラ群61によってロール紙Sの姿勢を矯正する。そして、プリンタ10は、姿勢を矯正した後にロール紙Sをカットする。これにより、以下のような効果が奏される。
【0061】
まず、ロールSのカット動作前の送り方向の精度の向上ができることで、カット紙の長さが正確なものとなる。また、カット部分が、ロール紙Sの側面の線に対して高精度に直角にすることが可能となる。特に、写真等の縁なし印刷をする場合、従来のロールプリンタでは、全体にわずかに大きめに印画してからカットすることで、カット位置がばらついても、あるいはカットが斜めになっても、写真に余白といわれる未印画部分が入り込まないように配慮していた。たとえば、6×8インチ(送り方向8インチ)のロールプリンタでは紙のカット位置のバラツキを±1.5mm程度を見込むのが通常であった。これに対して、本実施形態であれば、カット位置の精度が±0.5mm程度になることにより、印刷の際に写真のシビアなフレーミングやトリミングが可能になったり、複数枚の写真を重ねたときに大きさが揃うことで品位が向上できたりする効果がある。
【0062】
また、カット位置の精度向上により、ロール紙Sの全長の無駄を減らすことができることである。たとえば600枚用の大容量のロール紙Sの場合、1枚のカット誤差が±1.5mm程度あると、ロール紙S全体としてはあらかじめ900mm程度の長さを余裕として見込んで製造する必要があり、これはコスト削減とは相反するものであった。カット位置が正確であればこの余裕量を少なく見込むことが可能になり、プリントアウト1枚あたりの原価削減に貢献することが可能である。
【0063】
<2.第2の実施形態>
(2−1.姿勢矯正ユニットの詳細構成)
第2実施形態に係るプリンタ10の構成について、説明する。第2実施形態では、姿勢矯正ユニット60の構成が第1実施形態と異なり、その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0064】
以下では、主に、第2実施形態に係る姿勢矯正ユニット60の詳細構成について、図7と図8を参照しながら説明する。図7は、ローラ対65が離間位置に位置する際の、カッタユニット50と姿勢矯正ユニット60を示した図である。図8は、ローラ対65が挟持位置に位置する際の、カッタユニット50と姿勢矯正ユニット60を示した図である。
【0065】
姿勢矯正ユニット60は、第1実施形態ではローラ群61を有していたが、第2実施形態では一組のローラ対65を有する。ローラ対65は、駆動ローラ66と従動ローラ67で構成されている。
【0066】
駆動ローラ66と従動ローラ67は、搬送方向においてサーマルヘッド41とカッタユニット50の間に設けられている。駆動ローラ66は、カッタユニット50の可動刃52が移動する(ロール紙Sをカットする)前に、所定量だけ回転する。従動ローラ67は、移動可能な構成となっており、図7に示すロール紙Sから離間した離間位置と、図8に示す駆動ローラ66共にロール紙Sを挟持する挟持位置に位置する。
【0067】
駆動ローラ66は、従動ローラ67と共にロール紙Sを幅方向に沿って挟持した状態で、所定量だけ回転することでロール紙Sを搬送方向下流側(カッタユニット50側)に移動させる。ここで、所定量の回転は、たわみ等が発生したロール紙Sを搬送方向下流側に移動させた際に、たわみ等が解消されると想定されるロール紙Sの移動量に対応する駆動ローラ66の回転量である。
【0068】
駆動ローラ66は、キャプスタンローラ23とピンチローラ24がロール紙Sを挟持して停止している際に、回転する。これにより、キャプスタンローラ23と駆動ローラ66の間に位置するロール紙S(図7に示すように、たわみや浮き等が発生しているロール紙S)を、張らせることができる。この結果、図8に示すように、ロール紙Sのたわみや浮き等が解消される。
【0069】
ここで、駆動ローラ66の回転駆動力は、キャプスタンローラ23とピンチローラ24に挟持されたロール紙Sの被挟持部分が移動しないように、被挟持部分に作用するキャプスタンローラ23とピンチローラ24の挟持力よりも小さい。これにより、ロール紙Sの被挟持部分が移動しないため、駆動ローラ66が回転する際に効果的にロール紙Sの浮きやたわみ等解消することができる。
【0070】
上述したローラ対65により姿勢が矯正されたロール紙Sが、カッタユニット50によりカットされる。このため、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、実際のカット部分が、理想のカット部分からずれることを抑制できるので、カット紙の大きさがばらつくことを有効に防止できる。
【0071】
なお、上記では、駆動ローラ66は移動せず、従動ローラ67が離間位置と挟持位置との間を移動することとしたが、これに限定されない。例えば、従動ローラ67の代わりに駆動ローラ66が移動しても良く、また、従動ローラ67と駆動ローラ66の両方が移動しても良い。
【0072】
(2−2.プリンタの動作例)
ロール紙Sに画像を印刷してカット紙にカットするまでのプリンタ10の動作例について、図9を参照しながら説明する。図9は、第2実施形態に係るプリンタ10の動作例を説明するためのフローチャートである。
【0073】
本動作例では、ローラ対65を離間位置に位置させた状態でロール紙Sを搬送させ、ロール紙Sの搬送を停止した状態でローラ対65を挟持位置へ移動させ、挟持位置に位置するローラ対65を所定量回転させた後に、カット動作を開始させる点に特徴がある。
【0074】
本動作は、コントローラ70が、メモリ72に格納されたプログラムを実行することで、実現される。図9に示すフローチャートも、図6のフローチャートと同様に、インターフェース73を介してコンピュータから印刷データを受信したところから開始される。
【0075】
まず、コントローラ70は、受信した印刷データに基づく画像を、ロール紙搬送ユニット20とインクリボン搬送ユニット30とヘッドユニット40を動作させて、ロール紙Sに印刷する(ステップS102)。ロール紙Sの搬送中は、従動ローラ67は、搬送の妨げとならないように離間位置(図7)に位置している。
【0076】
次に、コントローラ70は、従動ローラ67を離間位置に位置させた状態で、キャプスタンローラ23とピンチローラ24により、画像が印刷されたロール紙Sを所定搬送量だけ紙送りする(ステップS104)。所定搬送量だけ搬送されて搬送が停止した状態で、ロール紙Sは、図7に示すように浮いた状態となっている。
【0077】
ロール紙Sが停止している状態で、コントローラ70は、従動ローラ67を離間位置から挟持位置へ移動させる(ステップS106)。ここで、従動ローラ67が挟持位置へ移動する際に、従動ローラ67の外周面が、浮いていたロール紙Sを接触しながら下方向に押し下げる。これにより、ロール紙Sの浮きが解消される。
【0078】
従動ローラ67を挟持位置に位置させた状態で、コントローラ70は、駆動ローラ66を所定量だけ回転させる(ステップS108)。これにより、キャプスタンローラ23と駆動ローラ66の間のロール紙Sが、図8に示すように張られ、ロール紙Sの姿勢が更に矯正される(ロール紙Sの浮きやたわみが、更に解消される)。
【0079】
駆動ローラ66の回転終了後に、コントローラ70は、可動刃52を移動させてロール紙Sの先端部分をカットする(ステップS110)。ロール紙Sの姿勢が矯正されているので、実施のカット部分が、理想のカット部分からずれることを防止できる。
【0080】
次に、コントローラ70は、ロール紙Sを搬送すべく、従動ローラ67を離間位置へ移動させる(ステップS112)。その後に、コントローラ70は、ロール紙搬送ユニット20によりロール紙Sを所定搬送量だけ紙送りする(ステップS114)。この紙送りにより、図7に示すようにロール紙Sに再度浮きが生じる。
【0081】
ロール紙Sが搬送後に停止している状態で、コントローラ70は、ステップS106、S108と同様に、従動ローラ67を挟持位置へ移動させ、駆動ローラ66を回転させる(ステップS116、S118)。これにより、ロール紙Sの姿勢が矯正されることとなる。
【0082】
駆動ローラ66の回転終了後に、コントローラ70は、可動刃52を移動させてロール紙Sをカット紙にカットする(ステップS120)。実際のカット部分が、理想のカット部分からずれることを防止できるので、第1実施形態と同様に、所望の大きさのカット紙を高精度にカットできる。
【0083】
<3.その他の実施形態>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0084】
また、上記実施形態では、ロール紙Sの姿勢を矯正するローラ群61と、ローラ対65を別々に設けていることとしたが、ローラ群61とローラ対65を両方設けることとしても良い。
【0085】
また、上記実施形態では、熱転写方式のプリンタ10を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、インクジェットプリンタ等の各種のプリンタに適用可能である。また、プリンタだけでなく、ロール紙に画像を形成可能な複写機、ファクシミリ等の画像形成装置にも適用可能である。
【0086】
また、上記実施形態では、インクリボンに塗布されたインクが転写されるロール紙を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、インクリボンを使用せずに印刷がされるロール紙であっても良い。
【符号の説明】
【0087】
10 プリンタ
20 ロール紙搬送ユニット
21 ホルダ
22 給紙ローラ
23 キャプスタンローラ
24 ピンチローラ24
25 プラテンローラ
26 排紙トレイ
30 インクリボン搬送ユニット
31 供給リール
32 巻取りリール
40 ヘッドユニット
41 サーマルヘッド
50 カッタユニット
51 固定刃
52 可動刃
53 ローラ対
60 姿勢矯正ユニット
61 ローラ群
61a ローラ
62 支持部材
63 搬送ガイド
65 ローラ対
66 駆動ローラ
67 従動ローラ
70 コントローラ
71 CPU
72 メモリ
73 インターフェース
74 ユニット制御回路
80 検出器
S ロール紙


【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状の媒体を搬送方向に搬送する搬送部材と、
前記搬送部材により搬送された前記媒体を、前記搬送方向に直交する前記媒体の幅方向に切断する切断部材と、
前記搬送方向において前記搬送部材と前記切断部材の間に設けられ、前記幅方向に沿って前記媒体に対向する対向部材と、
を備え、
前記対向部材は、移動することにより、前記媒体から離間した離間位置、又は前記離間位置よりも前記媒体に接近した接近位置に位置し、
前記対向部材を前記離間位置に位置させた状態で前記搬送部材に前記媒体を搬送させ、前記媒体の搬送を停止した状態で前記対向部材を前記離間位置から前記接近位置へ移動させた後に、前記切断部材の切断動作を開始させる制御部を更に備える、媒体搬送装置。
【請求項2】
前記搬送部材は、表面に画像が形成された前記媒体を前記切断位置に搬送し、
前記離間位置は前記表面から離間した位置であり、前記接近位置は前記表面に接近した位置であり、
前記対向部材は、前記表面の法線方向に移動することにより、前記離間位置又は前記接近位置に位置する、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記対向部材は、前記搬送方向に沿って所定間隔で設けられた回転自在な複数のローラであり、
前記複数のローラが前記離間位置から前記接近位置へ移動する際に、前記複数のローラの外周面が前記媒体に接触可能である、請求項1又は2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記切断位置に位置する前記媒体を前記対向部材と共に挟む搬送ガイドを更に備え、
前記接近位置に位置する前記対向部材と前記搬送ガイドとの間の距離は、前記媒体の厚さよりも大きい、請求項1〜3のいずれか1項に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
長尺状の媒体を搬送方向に搬送する搬送部材と、
前記搬送部材により搬送された前記媒体を、前記搬送方向に直交する前記媒体の幅方向に切断する切断部材と、
前記搬送方向において前記搬送部材と前記切断部材の間に設けられ、前記幅方向に沿って前記媒体を挟持可能な一組のローラ対と、
を備え、
前記ローラ対は、移動することにより、前記媒体を挟持する挟持位置、又は前記媒体から離間した離間位置に位置し、
前記ローラ対を前記離間位置に位置させた状態で前記搬送部材に前記媒体を搬送させ、前記媒体の搬送を停止した状態で前記ローラ対を前記離間位置から前記挟持位置へ移動させ、前記挟持位置で挟持した前記媒体を前記搬送方向において前記切断部材側に移動させる方向に前記ローラ対を回転させた後に、前記切断部材の切断動作を開始させる制御部を更に備える、媒体搬送装置。
【請求項6】
前記搬送部材は、前記媒体を挟持する一対の搬送ローラであり、
前記ローラ対は、前記搬送ローラが前記媒体を挟持して停止している際に、回転し、
前記ローラ対の回転駆動力は、前記搬送ローラに挟持された前記媒体の部分が移動しないように前記部分に作用する前記搬送ローラの挟持力よりも小さい、請求項5に記載の媒体搬送装置。
【請求項7】
長尺状の媒体を搬送方向に搬送する搬送部材と、
前記媒体に画像を形成する画像形成部材と、
前記画像が形成された後に前記搬送部材により搬送された前記媒体を、前記搬送方向に直交する前記媒体の幅方向に切断する切断部材と、
前記搬送方向において前記搬送部材と前記切断部材の間に設けられ、前記幅方向に沿って前記媒体に対向する対向部材と、
を備え、
前記対向部材は、移動することにより、前記媒体から離間した離間位置、又は前記離間位置よりも前記媒体に接近した接近位置に位置し、
前記対向部材を前記離間位置に位置させた状態で前記搬送部材に前記媒体を搬送させ、前記媒体の搬送を停止した状態で前記対向部材を前記離間位置から前記接近位置へ移動させた後に、前記切断部材の切断動作を開始させる制御部を更に備える、画像形成装置。
【請求項8】
長尺状の媒体を搬送方向に搬送する搬送部材と、
前記媒体に画像を形成する画像形成部材と、
前記画像が形成された後に前記搬送部材により搬送された前記媒体を、前記搬送方向に直交する前記媒体の幅方向に切断する切断部材と、
前記搬送方向において前記搬送部材と前記切断部材の間に設けられ、前記幅方向に沿って前記媒体を挟持可能な一組のローラ対と、
を備え、
前記ローラ対は、移動することにより、前記媒体を挟持する挟持位置、又は前記媒体から離間した離間位置に位置し、
前記ローラ対を前記離間位置に位置させた状態で前記搬送部材に前記媒体を搬送させ、前記媒体の搬送を停止した状態で前記ローラ対を前記離間位置から前記挟持位置へ移動させ、前記挟持位置で挟持した前記媒体を前記搬送方向において前記切断部材側に移動させる方向に前記ローラ対を回転させた後に、前記切断部材の切断動作を開始させる制御部を更に備える、画像形成装置。
【請求項9】
搬送方向において、長尺状の媒体を搬送する搬送部材と、前記搬送方向に直交する前記媒体の幅方向に前記媒体を切断する切断部材との間に設けられ、前記幅方向に沿って前記媒体に対向する対向部材を、前記媒体から離間した離間位置に位置させるステップと、
前記対向部材を前記離間位置に位置させた状態で、前記媒体を搬送するステップと、
前記媒体の搬送を停止した状態で前記対向部材を前記離間位置から前記媒体に接近する接近位置へ移動させた後に、前記切断部材の切断動作を開始させるステップと、
を有する媒体搬送方法。
【請求項10】
搬送方向において、長尺状の媒体を搬送する搬送部材と、前記搬送方向に直交する前記媒体の幅方向に前記媒体を切断する切断部材との間に設けられ、前記幅方向に沿って前記媒体を挟持可能な一組のローラ対を、前記媒体から離間した離間位置に位置させるステップと、
前記ローラ対を前記離間位置に位置させた状態で、前記媒体を搬送するステップと、
前記媒体の搬送を停止した状態で前記ローラ対を前記離間位置から前記媒体を挟持する挟持位置へ移動させるステップと、
前記挟持位置で挟持した前記媒体を前記搬送方向において前記切断部材側に移動させる方向に前記ローラ対を回転させた後に、前記切断部材の切断動作を開始させるステップと、
を有する媒体搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−62169(P2012−62169A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208334(P2010−208334)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】