説明

媒体特にインシュリンを運搬するための調整可能な出力特性を備え、ヒドロゲルにより駆動される自動コンベヤ

本発明は簡単な構造及び使用者により調整できる時間コンベヤ特性のための小さな寸法を有する、ヒドロゲルを基礎とする自動身体外流体コンベヤに関する。この装置は1回及び(又は)数回使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者により調整できる時間及び運搬特性と共に、簡単な構造及び小さな寸法を有し、1回のみ及び(又は)数回にわたって使用できる、特にインシュリンの出力のための、ヒドロゲルを基礎とする身体外流体自動コンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
ドイツ国においては慢性病をかかえて今日生きている人間が数百万人いるものと推定される。このうち、数十万人は常に薬物治療を必要とする患者である。このような患者は、1又はそれ以上の活性物質のための連続的な基本的な要求を有する。注射器で皮下注射される個人毎に決定される基本的な要求は、病気に冒された人間が通常の状態を維持できることを保証するために必要である。この基本的な要求に加え、ある場合は、活性物質のための別の要求が存在する。
【0003】
本発明の特別な利益は次の通りである:
多くの慢性病においては、夜間のある時間に薬剤を皮下投与する必要がある。ここで述べるポンプは夕方に患者により適用され、作動される。次いで、ポンプは、患者によるいかなる更なる行動をも必要とせずに、計画された時間に薬剤を自動的に送給する。特別な場合は、朝の早い時間にインシュリンの量を増大させる要求があるような糖尿病メリタス(夜明け現象)である。この増大の要求は、患者を起こすことなく、患者にとって特定の方法でヒドロゲルアクチュエータを備えたポンプにより、カバーすることができる。
【0004】
ここで述べる実施の形態の変形例の1つにおいては、ポンプの原理はかなりの長期間にわたって一定の小体積の流れを発生させることができる。これはある技術的又は医学的な応用に関連する。特に、II型糖尿病の患者においては、基本的なインシュリン要求はこの方法で満たすことができる。市場で入手できる持続作用のインシュリンとは異なり、インシュリンの一定の送給及び摂取は開始時から及びある時間期間にわたって保証される。
【0005】
純粋に機械的に調整できるポンプ特性、例えば運搬を開始する時間、特性曲線及び運搬すべき媒体の体積のため、簡単な方法で、しかも、例えばインシュリンポンプ療法において必要とされるような外部動力式の複雑なプログラム化された手順なしに、ポンプ原理を実現することができる。
【0006】
ヒドロゲルを使用する場合、ポンプを繰り返して使用できる。
恒久的で連続的な根拠に基づく薬剤の投与を許容するため、従来、電気機械式、空気式又は浸透式に作動する投薬装置が薬剤のために使用されてきた。
【0007】
WO93/16740号明細書は電気機械的に作動する注射ペンを開示している。これは注射可能な液体薬剤又は補助剤での自己薬物治療のために開発された。液体は、スピンドルに結合されかつモータの力により前方へ駆動されるピストンによって押し出される。これらの既知の装置の欠点はその複雑な構造であり、また、バッテリーによるエネルギ供給に依存するという事実である。
【特許文献1】WO93/16740号明細書 DE4106624号明細書は薬剤のゆっくりで安定した注射のための浸透式に作動する注射装置を開示している。この場合、注射器ピストンは塩処理又は浸透力を介して前方へ駆動される。低濃度の流体の浸透摂取の結果、高濃度の流体が希釈されて体積を増大させる。それにより発生する作動圧力はピストンを前方に駆動するために使用される。機能性は、可動な突出する部品により、また、作動及びトリガを遅らせる機構の不存在により損なわれる。このポンプによる脈動作動は不可能である。
【特許文献2】DE4106624号明細書 浸透式に駆動する携帯式の身体外注入ポンプは米国特許第5672167号明細書に同様に開示されている。このポンプは2つの貯蔵ポーチを有し:運搬すべき流体が一方のポーチ内に収容され、第2のポーチは駆動液体を収容する。2つの液体の濃度平衡からの 塩処理又は浸透力はまた流体を運搬するために使用される。注入量は間に位置する半透過性の膜の特性に依存し、それ故、生産時に予め設定しなければならない。ポンプは弁により又はシールの破壊により作動される。脈動作動は普通の動力調時ポンプを使用することによってのみ可能になる。
【特許文献3】米国特許第5672167号明細書 US2001047161特許明細書は薬剤の投与のための移植可能な浸透式に作動する装置を記載している。この装置は液体又は溶液薬剤の長期間投与のために使用される。出力特性は膜の選択により及び膨張物質の材料特性により生産時に設定される。医師が解放時間をその後に調整すること及び患者の要求に対して運搬特性をその後に適合させることは不可能である。
【特許文献4】US2001047161特許明細書 米国特許第5340590号明細書は異なる浸透及び膨張物質の数個の層によりポンプの脈動作動を許容するポンプ装置を既に開示している。特性曲線は生産中にのみ患者の要求に適合させることができる。ポンプ装置はそれ自体膨張剤リザーバを有さず、それ故、周囲の媒体から摂取される湿気に基礎をおく。それ故、この装置は移植体として又は摂取されるべきカプセルとしてのみ設計される。
【特許文献5】米国特許第5340590号明細書 米国特許第5209746号明細書においては、浸透ポンプの脈動作動は抑制部又は機械的なバリヤのような構造的な手段により達成される。これらの装置の欠点は、ポンプの特性曲線が生産時にのみしか患者の要求に適合させることができないこと、及び、膨張剤リザーバが無いために身体外の使用に限定されるという事実である。遅れた解放及び切り換え機構は示されていない。
【特許文献6】米国特許第5209746号明細書 浸透式に作動するポンプのための遅れた解放は米国特許第4976966号明細書に開示されている。これは半透過性の膜を備えたポンプコア及び不透過性のスリーブから押し出される浸透駆動により達成される。
【特許文献7】米国特許第4976966号明細書 押し出しは外側スリーブの底部に位置する浸透駆動により同様に行われる。外側スリーブはそのベース部で孔を備えるか又は半透過性のデザインを有する。この遅れた解放は使用者により調整することができず、ポンプは、湿気環境内でのみ、すなわち、移植されるか又は消化系内にあるときにのみ、機能を果たす。
【0008】
上述の応用は多数の欠点を有する。身体外のインシュリンポンプは極めて多くの調整機能及び個々に適用可能なプログラムシーケンスを有するが、極めて複雑なデザインのものであり、それ故、高価で、一般に外部の力を必要とすることは真実である。浸透ポンプの原理に従って作動する上述の移植可能な薬剤送給装置は極めて簡単な構造のものである。しかし、これらの欠点は、高いコスト及び危険性に常に関連する移植、並びに、患者がポンプの出力特性を調整できないことである。これらの装置はまた患者の基礎的な要求のみしかカバーできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、簡単な構造で、安価に生産でき、外部の力無しに作動し、患者が出力特性を調整できる可能性を提供する、浸透式の身体外ポンプを提供することである。さらに、ポンプは故障しにくいという特徴を有する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、この目的は、特許請求の範囲の請求項1に記載の特徴により、達成される。有利な実施の形態は請求項2ないし21に記載される。
そのアクチュエータとして、本発明に係るポンプはヒドロゲルを使用し、このヒドロゲルはまた、膨張剤の摂取の結果としてその体積を増大させるため、浸透駆動の特殊な場合とみなされる。ヒドロゲルは最大限に利用できる変化を伴う固形媒介物であり、外部の力無しに作動し、すなわち、例えば電気量の形をしたエネルギの外部供給を必要としない。これらのヒドロゲル特性により、その構造のために所定の出力特性を有する極めて簡単なポンプを生産することができる。
【0011】
近代のインシュリン送給装置は調整可能な出力特性を有しなければならない。換言すれば、医師又は患者により個々に適合させることができなければならない。一方では、これはヒドロゲルアクチュエータの特性を修正することにより行うことができるが、これは一般に複雑な操作を必要とする。他方、ポンプの挙動は構造的な手段により調整することができる。この可能性は簡単な操作の利点を与える。
【0012】
機能的には、インシュリンポンプの3つの調整の可能性が関連する:
I.ポンプの始動から薬剤の運搬の開始までの遅延時間
II.単位時間当りの出力量を含む、薬剤を運搬する時間、及び
III.特性曲線(一定、脈動)
特に上記II及びIIIに対して、本発明はポンプの挙動のその後の調整を可能にするためにアクチュエータの原動力を可変にしなければならないという認識に基づく。これは、ゲルと環境との間の溶剤の化学ポテンシャルの変化により決めることができる。
【式1】
【0013】
ΔμA=μA(ゲル)−μA(環境)
この式は、平衡の状態に達するまで、ゲルが膨張剤の摂取によりその体積を増大させることを示している。
【0014】
影響を与える第1の可能性はヒドロゲルμA(ゲル)内の溶剤の化学ポテンシャルによるものである。これは化学組成、橋かけ結合密度等により決定される材料固有パラメータである。このパラメータを介してアクチュエータの原動力を調整するため、所望の膨張特性を備えたヒドロゲルからのアクチュエータはポンプのアクチュエータ箇所に取り付けなければならず、これは、例えば、カートリッジ又はタブレットの形として、或いは同様の形として実現することができる。しかし、この可能性は極めて複雑な操作工程に関連する。
【0015】
膨張動力学及びアクチュエータ動力学のその後の調整のための別の可能性は、環境μA(環境)内の溶剤の化学ポテンシャルを変化させることにより与えられる。これは、投薬量に利用できる膨張剤を作ることにより、極めて簡単に達成できる。構造的には、膨張剤送給ラインの横断面を調整可能にすることにより、これを可能にすることができる。
【0016】
別の可能性は、膨張剤混合物を変化させることによりμA(環境)を変更することである。しかし、この方法は複雑な操作を含む。
ゲルと環境との間のポテンシャル差ΔμAはまた膨張圧力に対抗する圧力により影響を受けることがある。このような圧力は、バネ素子により、又は、摩擦の結果、膨張工程に対抗する力を発生させる素子により、構造的に実現することができる。
【0017】
ヒドロゲルの膨張工程が拡散により制御されるので、アクチュエータの動力学はまたヒドロゲルアクチュエータの寸法及び巨視的な構造により決めることができる。膨張工程を決定する緩和時間定数は次の通りである:
【式2】
【0018】

【0019】
この式は、膨張剤及びヒドロゲル装置を表す協同拡散係数に加えて、ヒドロゲルアクチュエータの最小の特徴的寸法が二乗比例によりその時間挙動を決定することを意味する。それ故、小さなヒドロゲル構造は短い膨張時間に対して求められ、大きなヒドロゲル構造は長い膨張時間に対して求められる。
【0020】
使用者により調整できる脈動特性曲線を達成できるようにするためには、各場合において、所望の年代順の手順で所要の運搬量(単位時間当りの運搬される量)を実現するような方法で、ポンプ駆動を作動させる必要がある。この目的のため、既に説明した影響を与える可能性を利用することができる。
【0021】
従って、例えば、脈動特性曲線は、直列に結合できかつ異なる膨張特性を各々有するアクチュエータセグメントを使用して実現することができる。運搬が生じない領域においては、溶剤の作用の下で決められた時間内に溶解できる材料で作った材料セグメントを使用することができる。溶解工程の後、次のアクチュエータに有効なヒドロゲルセグメントが膨張剤により作動される。調整の1つの可能性は、使用者が必要なセグメントからアクチュエータを組立てることである。
【0022】
また、使用者にとっては、例えば、膨張リザーバに対して所望の順序で異なる膨張剤リザーバを接続し、アクチュエータの原動力を必要に応じて調整するように合成された膨張剤混合物を使用することにより、膨張剤混合物を変更することができる。
【0023】
更なる調整可能性においては、必要な手順で異なる対抗力を適用することができる。対抗力が適用された場合、例えば、それぞれ定められた摩擦係数を有するボアと丸い棒セグメントとの摩擦対により、丸い棒セグメントの外径が一定であるため、内径(ボア直径)を変化させることによって、対抗力を変更することができる。
【0024】
それぞれの対抗力の作用期間は特定の内径内での丸い棒セグメントの案内長さにより決めることができる。
特性曲線を調整する別の可能性は液圧伝達機構を使用することである。その膨張即ち作用方向においてアクチュエータ室の横断面を変化させることにより、エネルギ保存法則に従って、その力作用及びその動程を変更することができる。
【0025】
ポンプ特性曲線はまた膨張剤の送給ラインの横断面を変化させることにより変更することができる。横断面が狭い場合、ポンプはゆっくり出力し、横断面が広い場合は、アクチュエータは一層迅速に膨張することができ、ポンプは大きな出力量を有する。膨張剤の送給が抑えられた場合、ポンプの機能は中断される。これはまた緊急遮断機能として使用することができる。
【0026】
もちろん、ポンプの特性曲線を調整するための上述した可能性はまた組み合わせて使用することができる。
ポンプの始動から実際の運搬の開始までの調整可能な時間遅延はまた異なる方法により実現することができる。
【0027】
従って、溶融可能な膨張剤バリヤは送給経路内に配置することができ、その遅延時間は使用する材料により及び材料の有効厚さにより決めることができる。
時間遅延の別の調整原理として、ヒドロゲルアクチュエータのアイドリング長さを使用することができる。作動後、それは、アクチュエータの見地から不作動となる中空空間内で最初に膨張しなければならず、その後、薬剤のリザーバ上に作用することができる。この場合、時間遅延は完成させるべきアイドリング長さの関数である。
【0028】
移植可能なヒドロゲルポンプとは異なり、膨張剤はポンプ環境により利用できない(移植されるペンの場合、体液が膨張剤として使用される)。従って、膨張剤リザーバはポンプ内に組み込まなければならない。アプリケータの位置からのポンプ機能の独立性(すなわち、膨張剤を常に利用できるようにすること)を保証するため、膨張剤リザーバは、好ましくない位置の場合でさえも、膨張剤をアクチュエータ室内へ駆動する圧力差が存在するように、超過圧力により作用を受けるべきである。膨張剤リザーバ内で必要な静水超過圧力は、例えば、予め緊張された弾性カバーにより又はバネにより実現することができる。
【0029】
従来のヒドロゲルを基礎とするポンプは一般にたった1回使用した後に廃棄されるように設計されてきた。ポンプを2回以上使用できるようにするため、駆動機構をその初期の状態にリセットできるようにしなければならない。これはヒドロゲル又は不連続な相転移挙動を伴う膨張可能なポリマーネットワークを使用することにより可能になる。このようなヒドロゲルは、その相転移範囲において、明確な体積変化を伴って、特定の環境パラメータの小さな変化に達するような特性を有する。従って、一層低い臨界溶液温度特性を有するホドロゲルは、その相転移温度以下の温度で膨張し、その相転移温度以上の温度では膨張しないものとして知られている。
【0030】
従って、例えば、ホモポリマー即ちポリ(N−イソプロピル・アクリルアミド)は水環境において約33℃の相転移温度を有する。共重合により、また、膨張剤組成の変化により、5ないし50℃間でこの相転移の地点をほぼ無秩序に調整することができる。
【0031】
例えば、45℃の相転移温度を有するポリ(N−イソプロピル・アクリルアミド)共重合体から作ったアクチュエータの場合、ポンプの使用者は、ポンプを熱殺菌器内又は熱湯内に置くことによりポンプを殺菌できるばかりか、ポンプを再使用できるようにヒドロゲルを有するポンプ駆動機構をその初期の状態即ち膨張していない状態にリセットできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
多数の例を使用して本発明を一層詳細に説明する。
以下に述べる例示的な実施の形態及び使用領域は多くの他の想定できる可能性の代表的な例としてのみ与えられ、実施の形態のすべてではない。
【0033】
図1、図2a、2b及び図3は本発明に係る自動活性物質ポンプの原理的な構造、生産、構造の詳細及び機能方法を示すためのものである。
ポンプはまた大量生産の態様を満足させることを特に意図するものであるため、可能な限り最小数の個々の部品を備えたモジュラーデザインが有利である。その理由は、個々の構造的なグループが組み立て工程において一緒に結合されねばならないからである。
【0034】
図1のポンプは使用者が調整できる時間遅延を有し、夜明け現象の処置のために特に設計される。時間遅延が経過した後、ポンプは、ある時間期間内で、所要の量の活性物質を運搬する。就寝する前に、使用者は所要の遅延時間を設定し、ポンプを適用し、これを作動させることができる。設定時間後、使用者が夜通し眠ることができるように、ポンプは活性物質を自動的に運搬する。図1のポンプは、第1の例では、機械的な機能上の信頼性を保証し、他の機能的な素子のための構造上の空間を画定するポンプ本体1を有する。
【0035】
移植可能なポンプとは異なり、身体外ポンプは体液の形をした膨張剤をその環境から引き出すことができない。それ故、ポンプはその中に膨張剤を準備した膨張剤リザーバ4を有する。
【0036】
ポンプの位置とは独立に膨張剤を送給することを保証するため、リザーバ4は予緊張装置6により超過圧力の作用を受ける。このようにして発生した静水的な超過圧力は膨張剤の重力に打ち勝ち、膨張剤をアクチュエータ室3内にいつでも押し出すのに十分なほど大きくなければならない。膨張剤リザーバは固定された寸法的に安定したケーシング又は弾性カバーを有することができる。ポンプハウジング1により行うことのできる任務を持つ寸法的に安定したケーシングの状態は変動でき、シールストッパを介して超過圧力を膨張剤に結合することができる。例えばラテックス又はシリコーンで作った成形された部品のような弾性カバーのために、ゴム弾性材料を使用する場合、膨張剤の位置とは独立の利用性を得るための静水的な超過圧力はカバーの弾性復元力により機能的な統合として適用することができる。
【0037】
ポンプを始動するために、ポンプトリガ7を作動させる。図示の構成においては、トリガは2つの原理に従って作動することができる。フックのような破壊的な素子を備える場合、膨張剤が膨張剤送給素子7aを通ってアクチュエータ室3内へ流入できるように、膨張剤リザーバ4のカバーを破壊する。遮断弁として設計される場合、作動したときに、膨張剤リザーバ4とアクチュエータ室3との間に接続を確立する。膨張剤送給素子7aは、トリガとしてのその任務に加えて、ポンプ始動後に単位時間当り決められた量の膨張剤をゲルアクチュエータ2に利用できるようにする役割を有する。この送給量は流動体送給の有効横断面及び膨張剤リザーバの静水的な超過圧力の程度を介して構造的に決めることができる。送給の横断面は、例えば、膨張剤送給素子7aのボアの直径及び数により又は多孔性の材料や膜の使用により決めることができる。定められた透過性及び低公差を有する多孔性の材料又は膜材料はほぼ任意の寸法のものを商業的に入手できるので、これらは膨張剤送給素子7aに使用するのに理想的である。
【0038】
膨張剤がアクチュエータ室3に到達してしまった後、膨張可能なポリマーネットワークで作ったアクチュエータ材料2は膨張剤の摂取の結果膨張を開始する。単一の利用可能な自由度のため、アクチュエータ2はこのとき活性物質リザーバ及び遅延ディスクに向かって1方向に膨張する。
【0039】
図1に示すアクチュエータ室3は例えばラテックス又はポリエチレンフィルム材料の形をした形状可撓性のカバーを有する。これはゲルの体積の増大に伴って弾性形状(例えばゴム弾性ラテックスカバー)内で引き伸ばされるか、または、これ(例えば形状可撓性のポリエチレンフィルムカバー)により益々満たされる。アクチュエータ室自体はまた、例えばアクチュエータ室の壁がポンプハウジング1、固定の膨張剤送給素子7a及び可動の遅延ディスク14により形成される場合のように、剛直なケーシングを有することができる。
【0040】
アクチュエータ材料2自体は膨張可能なポリマーネットワークで構成される。例えば超吸収体として使用されるもののような商業的に入手できる材料が特に適当であると思われる。その低価格に加えて、このような材料は、極めて良好なアクチュエータ特性、大きな体積膨張及びその特性の良好な一貫性により特徴づけられる。最も重要なアクチュエータ材料は例えばNaポリアクリレートの如きアニオンポリアクリレートのようなアクリル酸を基礎とするポリマーである。もちろん、所要の特性を有する他の膨張可能なポリマーネットワークも使用することができる。この分野は極めて幅広いので、完璧さになんら注文をつけることなく、ほんの少数の誘導体類を列挙する:アクリルアミド、ビニルアルコール、ウレタン、ビニルエーテル、セルロース、ゼラチン。
【0041】
アクチュエータ材料及びその巨視的な構造は利用できる膨張剤、その単位時間当りの量及びアクチュエータに対抗する力に関連するポンプの特性曲線を決定する。
3つの材料パラメータがアクチュエータの特性に関連する。第1に、ポリマーネットワークの化学組成はアクチュエータ特性の達成可能な範囲及び時間にわたる膨張挙動を決定する。第2に、橋かけ結合密度及び微視的な構造(例えば均質な又は多孔性のポリマーネットワーク)を介して橋かけ状態を調整することにより、時間プロフィール、膨張の達成可能な最大度合い及び可能な膨張圧力を決めることができる。
【0042】
アクチュエータの特性を設定するための第3の材料パラメータはその巨視的な構造である。大半の場合、アクチュエータ材料は、全体の本体としてではなく粒状の形として、アクチュエータ室3内に満たされる。粒子の寸法及び粒子寸法分布は可能な最大アクチュエータストローク、時間プロフィール及びアクチュエータ挙動の反復精度を決定する。この効果はポリマーネットワークの乾燥体積に対する全体のアクチュエータ容積の比により生じる。個々の粒子間の有効空隙空間が大きい場合、粒子はこれらの中空空間を満たすためにその膨張工程のかなりの部分を使用しなければならず、そのため、可能な最大アクチュエータストローク及びアクチュエータの有効膨張時間の双方が減少する。これとは対照的に、粒子寸法分布はアクチュエータ挙動の反復精度に影響を与える。分布があまりにも幅広く選択された場合、時間プロフィール及びアクチュエータストロークは大幅に変わってしまう。
【0043】
適当な粒子寸法及び粒子寸法分布は、始めの材料を粉砕し、次いで試験スクリーンによって選別することにより、極めて容易に得ることができる。特徴的な粒子寸法は50μmないし1500μmであり、粒子寸法分布は±100μmの限界を越えないようにすべきである。
【0044】
膨張剤の作用の結果としてのゲルアクチュエータ2の1方向膨張の開始時に、遅延ディスク14に到達する。この素子はポンプにとって決定的に重要なものではないが、代わりに、ポンプの構造上の長さを減少させるのに役立つ。遅延ディスクの機能のモードは図3に示す。アクチュエータ2が膨張工程において力Fにのみに打ち勝たねばならない場合、ある時間後に、Fのその膨張平衡特性に達する。しかし、2Fの大きさの力に対抗して作用する場合、遅延ディスク14及びポンプハウジング1の摩擦対(圧入又は中間嵌め)の場合に存在するように、アクチュエータは、ほぼ同じ時間に対して、一層小さなアクチュエータストロークで、2Fのその膨張平衡特性に達する。例えば遅延ディスク14が摩擦即ち圧入領域からすきま嵌め領域へ移動するときに生じるような、Fへの引き続きの負荷下降は力Fの膨張平衡特性への膨張工程の再開を生じさせる。
【0045】
ポンプの始動と活性物質の運搬の開始との間の時間遅延の原理は図2a及び図2bに示す。図2aはアクチュエータ2の作動直後のポンプの初期の状態を示す。アクチュエータの膨張の結果、アクチュエータ2はこのとき、活性物質リザーバ5が開放ピン10に押し当てられるような図2bの時間遅延工程の端位置に到達するまで、存在する場合の遅延ディスク14及び可動な場合の活性物質リザーバ5を開放ピン10の方向に長さlvzだけ押す。
【0046】
時間遅延は長さlvzの関数である。lvzが大きいほど、時間遅延が長くなる。ポンプの使用者は、ポンプハウジング1のネジ部に固定された設定スクリュー11を旋回させて長さlvzを変更することにより、時間遅延を調整することができる。有利には、適当な時間目盛がポンプハウジング1上に位置し、目印が設定スクリュー11上に位置する。アクチュエータ2が過剰寸法であり、従って、アクチュエータ曲線(図3参照)の実質的に線形の上昇のみを使用するときは、時間遅延とlvzとの間の関係は線形とみなすことができる。この関係は特定のコンベヤ作業に経験的に適用しなければならない最適のパラメータである。
【0047】
時間遅延単位が過ぎた後、今まで無菌状態で閉じていた活性物質リザーバ5はアクチュエータ2により開放ピン10に対して押し付けられ、その結果、活性物質リザーバのカバーは開放ピンにより穿孔され、従って開かれる。残りのアクチュエータストロークでは、図示の場合に弾性カバーを有する活性物質リザーバは、或る時間期間内で、活性物質出口8を介して空にされる。剛直なリザーバデザイン5の場合、アクチュエータは例えばストッパのような可動の部材を有しなければならず、開放ピンは穿孔可能な膜を有しなければならない。
【0048】
例えば弾性ポンプハウジング1の機械的な変形において生じることがあるような、活性物質の過剰な放出に対する保護が必要な場合は、ボール弁(図1参照)又はフラップ弁等の形をした流れリミッタ9をピン10と活性物質出口8との間に容易に配置することができる。これらの弁は圧力差により制御される。小さな圧力差又は流速では、弁が開き、一方、入口と出口との間である圧力差又は流速を越えた場合、弁が閉じる。
【0049】
図4は図1に示すポンプの使用の例を示す。使用者が21:00時に就寝を望んだとする。使用者は3:00時に自分の活性物質を投与しなければならない。それ故、使用者はそれに従って設定スクリュー11を旋回させることにより6時間の時間遅延を設定する。次いで、使用者はポンプを適用し、ポンプトリガ7を作動させることによりポンプを始動させる。6時間の時間遅延の後、ポンプは約90分の期間内で475μlの活性物質を運搬する。図4に示す出力特性のために使用されるポンプは図1に示す構造を有する。アクチュエータ材料2として、(650±50)μmの粒子寸法を有するBASFからの商業的に入手できるNaポリアクリレートヒドロゲルを使用した。
【0050】
図5は定められた調整可能な期間にわたる単位時間当りの活性物質の定められた送給量で連続的な運搬を行うために設計されたポンプを示すものである。
ポンプはまず図1のものと同じ主要な素子を有するが、時間遅延ユニットを有しない。その理由は、このユニットがここで述べる適用にとって必要ないからである。ポンプはポンプトリガ7を作動させることにより始動され、使用者により発生された力の流れは十分に圧縮された予緊張バネ6を介して膨張剤リザーバ4上へ導かれ、そのため、ピン13により膨張剤リザーバ4のアクチュエータ側カバーを穿孔するのに必要な力を越える。このとき、膨張剤は穿孔針13を通ってアクチュエータ2内へ流れることができる。位置とは独立の膨張剤の送給はまた静水的な超過圧力により予緊張装置6によって保証される。
【0051】
しかし、膨張剤は最初に有効送給横断面17のためのセレクタディスクを通らねばならない。図5においては、素子17は異なる送給横断面17a、b、cを備えた3つの同心的に配置された領域を有する(図5aをも参照)。セレクタディスク17が回転自在に装着されているので、使用者は適当な送給横断面を選択することができ、従って、単位時間当りの膨張剤の利用できる量を決めることができる。このようにして、使用者はポンプの出力量を決めることができ、換言すれば、単位時間当りどれだけ多くの活性物質を運搬すべきかを決めることができる。
【0052】
時間投薬された膨張剤はこのときセレクタディスク12に到達し、このディスクは例えば素子17の送給横断面の同心配列に従って配置された3つの機能ボアを具備する。これらの機能ボアにおいては、例えば、異なるアクチュエータ材料組成及び異なる充填量の双方を含むことのできる3つの異なるアクチュエータセグメント2a、2b、2cが存在する。作動すべきアクチュエータ2a、b、cの適切な選択により、特に、アクチュエータ材料の有効充填量を介して運搬可能な最大総体積を調整することができる。更に、アクチュエータ原動力等の精確な調整が可能である。原則として、セレクタディスク装置内で異なる予め設定された特性曲線調整可能性及びその組み合わせを使用することにより、定められた調整可能な期間にわたって単位時間当りの定められた活性物質送給量で連続的な運搬の同じ効果を達成することができる。セレクタ装置はまたここで説明した例とは異なった方法で設計することができる。
【0053】
セレクタ素子17を介して時間投薬された膨張剤はこのときセレクタディスク12により選択されたアクチュエータセグメント例えば2aを作動させる。このセグメントはこのとき同様に同心的に配置された活性物質リザーバ5を押圧し、ピン10で穿孔されるまでこのリザーバを押圧する。このとき、ピン10は今まで無菌状態だった活性物質リザーバ5を開き、活性物質が活性物質出口8を通って流れるのを許容する。残りのアクチュエータストロークはアクチュエータ材料又はアクチュエータフィルタにより予め決定された量だけ活性物質を外へ駆動する。
【0054】
数個のセレクタ素子の対応する組み合わせにより、調整可能な脈動出力特性を有する自動的に運搬を行うポンプを得ることができる。このようなポンプは例として図6に示す。
機能シーケンスは最初図5に従って説明した形状のものと同じである。膨張剤の流れの開始後、膨張剤は、これまたセレクタディスクとして設計できるか又は、図6aに示すように、セレクタディスク12aの素子としての分離膜16a、b、cの形として設計できる定められた送給横断面を通過しなければならない。その後、膨張剤はセレクタディスク12aにより選択されたアクチュエータセグメント2a、b又はcに到達し、ここで膨張を開始する。膨張剤の先端はセレクタディスク12aの選択されたアクチュエータセグメントを完全に通過し、ここで、セレクタディスク12bにより完全に切り換えられてしまっておりかつ12aとは別の時間関連アクチュエータ特性を有することのできるアクチュエータセグメントに到達する。同じシーケンスはセレクタディスク12cに対して適用する。
【0055】
それぞれのアクチュエータストロークにより、下流側のアクチュエータセグメントはセレクタディスク内のその位置から押し出される。しかし、これは重要ではない。その理由は、個々の運搬区分及びその時間経過のみがセレクタディスク12a、b、cにより決められるからである。アクチュエータ材料に加えて、セレクタディスク12の機能ボア15a、b又はcはまたアクチュエータ期間内で不作動となることができるが、アクチュエータストローク及び膨張剤の先端を助成する材料を含むことができる。これはとりわけ運搬の中断に関連する。
【0056】
結果としての時間で定められるアクチュエータストロークはこのとき図5に既に示した形をした活性物質リザーバを開き、ポンプから活性物質出口8を通して脈動の形で活性物質を駆動する。
【0057】
この機械的にプログラム可能なポンプはまた、単独で又は組み合わせで、ポンプの特性曲線に影響を与える既述の他の可能性に基づくことができる。
符号の説明
1 ポンプハウジング
1a カバーキャップ
1b ハウジング部分1
1c ハウジング部分2
2 ゲルアクチュエータ
2a アクチュエータセグメント1
2b アクチュエータセグメント2
2c アクチュエータセグメント3
3 アクチュエータ室
4 膨張剤リザーバ
5 活性物質リザーバ
6 予緊張装置
7 ポンプトリガ
7a 膨張剤送給素子
8 活性物質出口
9 流れリミッタ
10 活性物質リザーバのための開放ピン
11 時間遅延のための設定スクリュー;カバーキャップ
12 セレクタディスク
12a セレクタディスク1
12b セレクタディスク2
12c セレクタディスク3
13 膨張剤リザーバのための開放ピン
14 遅延ディスク
15 機能ボア
15a 機能ボア1
15b 機能ボア2
15c 機能ボア3
16 分離膜
16a 分離膜1
16b 分離膜2
16c 分離膜3
17 有効膨張剤送給横断面のためのセレクタディスク
17a 送給横断面1
17b 送給横断面2
17c 送給横断面3
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】特に夜明け現象の処置又は決められた時間期間にわたっての活性物質の連続的な出力に適した、ポンプの始動から活性物質の運搬までの時間遅延を調整できる自動ポンプを示す図である。
【図2】図2は図1のポンプのための時間遅延機構を実現する原理を示す図であり、図2aは開始位置(不作動状態)におけるポンプ形状を示す図であり、図2bは遅延時間が経過してしまった後のポンプ形状を示す図である。
【図3】膨張力に抗して作用する摩擦力の作用のモードを示す図である。
【図4】図1のポンプによる運搬の特性曲線を示す図である。
【図5】図5は所定の調整可能な期間にわたって単位時間当りの決められた量の活性物質の出力で連続的な運搬を行うための自動ポンプを示す図であり、図5aは図5の自動ポンプのためのセレクタ装置を示す図である。
【図6】図6は機械的な時間遅延機構及び出力特性曲線の機械的な選択を備えた自動ポンプ(脈動作動ポンプ)を示す図であり、図6aは図6のポンプの機械的なプログラミングのための構造組立体を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浸透装置による物質の投薬出力のための装置において、
上記物質の出力の時間プロフィールを調整できることを特徴とする装置。
【請求項2】
上記物質の出力の上記時間プロフィールが、膨張剤の材料固有パラメータ、特に溶剤の化学ポテンシャルを介して、調整できることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
媒体特にインシュリンを運搬するための調整可能な出力特性を有する自動コンベヤにおいて、
適当な膨張剤の接続により、少なくとも1つの膨張可能なポリマーのネットワークに基づくアクチュエータが作動され、
(a)使用者によるポンプの始動から運搬の開始までの遅延時間;及び(又は)
(b)媒体が実際に運搬される時間期間;及び(又は)
(c)特に連続的な又は脈動的な運搬中の特性曲線;及び(又は)
(d)運搬すべき媒体の単位時間当りの体積;及び(又は)
(e)使用者により調整できる運搬すべき媒体の総体積
に関連するリンクを有する自動作用チェーンをトリガすることを特徴とする自動コンベヤ。
【請求項4】
使用者によるポンプの始動から運搬の開始までの上記遅延時間が、ヒドロゲルアクチュエータ(2)のアイドリング道程lvzを変更することのできる使用者により調整できることを特徴とする請求項ないし3のいずれか1つに記載の自動コンベヤ。
【請求項5】
特に実質上連続的な運搬のための運搬装置による運搬量即ち単位時間当りの運搬される量が、膨張剤送給ラインの有効横断面及び(又は)上記膨張剤送給ラインから上記アクチュエータへ送給される単位時間当りの膨張剤の量を変更することのできる使用者により調整できることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の自動コンベヤ。
【請求項6】
特に実質上連続的な運搬のための上記運搬装置による運搬量即ち単位時間当りの運搬される量が、アクチュエータ材料を選択する使用者により調整できることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の自動コンベヤ。
【請求項7】
媒体が実際に運搬される上記時間期間が、上記アクチュエータ材料及び(又は)当該アクチュエータ材料の体積を選択する使用者により調整できることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の自動コンベヤ。
【請求項8】
運搬すべき媒体の上記総体積が、全体として利用できる上記膨張剤の量及び(又は)全体として利用できる膨張可能なアクチュエータ材料の量を設定できる使用者により調整できることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の自動コンベヤ。
【請求項9】
特に脈動運搬中の上記特性曲線が、同心的に配置された機能ボア(15)を備えた例えばセレクタディスク(12)のような直列に配置されたセレクタ素子の適当な選択を通して、使用者によるこれらの適当な相互接続により、調整できることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の自動コンベヤ。
【請求項10】
上記直列に配置されたセレクタ素子が異なる材料基礎、微視的/巨視的な構造及び(又は)充填量を有するアクチュエータセグメントを相互接続できることを特徴とする請求項9に記載の自動コンベヤ。
【請求項11】
上記直列に配置されたセレクタ素子が、上記アクチュエータの力流れ内に結合できるが当該アクチュエータを作動状態にせず、代わりに運搬を中断する役目を果たし、アクチュエータ力及び上記膨張剤を単に送る材料を備えたセグメントを含むことを特徴とする請求項9に記載の自動コンベヤ。
【請求項12】
上記直列に配置されたセレクタ素子が、単位時間当り定められた膨張剤スループット量を持つ異なる膨張剤送給ライン横断面を有するセグメントを含むことを特徴とする請求項9に記載の自動コンベヤ。
【請求項13】
上記直列に配置されたセレクタ素子が、アクチュエータ膨張剤内で年代順に定められた溶解特性を有する材料で作られたセグメントを含むことを特徴とする請求項9に記載の自動コンベヤ。
【請求項14】
上記直列に配置されたセレクタ素子が、静水的に活性の上昇及び下降機構を実現できる異なる横断面を有するセグメントを含むことを特徴とする請求項9に記載の自動コンベヤ。
【請求項15】
上記アクチュエータへの上記膨張剤の送給は、上記膨張剤リザーバが静水的な超過圧力を受けるという事実により、上記コンベヤの位置とは独立に保証されることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1つに記載の自動コンベヤ。
【請求項16】
上記アクチュエータへの上記膨張剤の送給は、上記膨張剤が例えば毛細管力の結果として膨張剤誘導材料を介して上記リザーバから当該アクチュエータへ送給されるという事実により、上記コンベヤの位置とは独立に保証されることを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1つに記載の自動コンベヤ。
【請求項17】
上記時間遅延を実現するために必要な上記アイドリング道程lvzが例えば摩擦対の形をした対抗力の適用により減少されることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1つに記載の自動コンベヤ。
【請求項18】
上記活性物質リザーバが、同活性物質リザーバを開放機構10に対して押し付けることにより、運搬工程の開始直前に開かれることを特徴とする請求項1ないし17のいずれか1つに記載の自動コンベヤ。
【請求項19】
使用できる適当なアクチュエータ材料が特に例えばポリアクリレートのような超吸収体内で容易に膨張できるポリマーネットワークであることを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1つに記載の自動コンベヤ。
【請求項20】
使用される上記膨張剤が水及び(又は)水溶液であることを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1つに記載の自動コンベヤ。
【請求項21】
上記コンベヤのアクチュエータユニットが適当な環境パラメータの作用により初期の状態に戻ることができ、従って、再使用できることを特徴とする請求項1ないし20のいずれか1つに記載の自動コンベヤ。
【請求項22】
使用できる適当なアクチュエータ材料が、特に低い臨界溶液特性を備えた不連続な相転移挙動を伴う温度感受性の膨張可能なポリマーネットワークであることを特徴とする請求項21に記載の自動コンベヤ。
【請求項23】
使用されるアクチュエータリセット環境パラメータが特に沸騰水又は水蒸気内への挿入により適用される温度であることを特徴とする請求項21又は22に記載の自動コンベヤ。
【請求項24】
浸透装置により物質を出力するための手順において、
上記物質が物質出力の所定の時間プロフィールに従って投薬量で出力されることを特徴とする手順。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−514871(P2006−514871A)
【公表日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500546(P2006−500546)
【出願日】平成16年1月12日(2004.1.12)
【国際出願番号】PCT/EP2004/000138
【国際公開番号】WO2004/062714
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(505073196)ディセトロニック・ライセンシング・アクチェンゲゼルシャフト (24)
【Fターム(参考)】