説明

子供用施設におけるハンガー板

【課題】 子供用施設でバッグや被服をかけるフック群を不使用時には各箱内に収納かつ係止して安全性を高める。
【解決手段】 横長にした細長板1に複数個の有底細長孔10を並設する。有底細長孔10の頂部にバネ受入溝11を連設する。無蓋箱2を複数個形成する。無蓋箱2の底板20の下方に透孔22を穿設する。無蓋箱2の頂部にスリット24、24を入れて板バネ部25を形成する。板バネ部25の内面に凸起26を突設する。ハンガー腕3の上方に段部30を形成し、下方に爪部31を突設する。ハンガー腕3端を弧状にして突部32を形成する。ハンガー腕3の頂部に凸起33を設ける。無蓋箱2に突部32を除く本体3aを嵌入するとともにハンガー腕3の下方を無蓋箱2に回動自在に軸着してハンガー腕3を開閉自在にする。無蓋箱2を有底細長孔10に嵌入する。凸起26、33とを係脱自在にし、爪部31を底板20の下端面20aに係脱自在にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は幼稚園、保育所、小学校等の子供用施設で用いられ、多人数の子供達が各自のバッグや被服等を掛けることができるハンガー板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から多数個の針金状金属フックや「J」の字形のプラスチック製フック等、線状のフックを細長板に固定的に、若しくは首振り自在に取り付けたハンガー板が知られている。そしてこのハンガー板を壁に取り付けたり、スタンドに取り付けたりしている。
【0003】
【特許文献1】なし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来例中、フックを固定したものは不使用時でもフックが空間に突出した状態であり、安全性に欠ける。首振り状にしたものでもフックが線状である以上、完全に安全と断定し切ることはむずかしく、しかも地震等の振動によりフックが突出しないとも限らない。
【0005】
本発明は前記の欠点を解決し、安全で、取扱い易いフック板を提供できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1に本発明は、横長にした細長板に複数個の有底細長孔を垂直にかつ間隔をおいて並設し、前記各有底細長孔の頂部にバネ受入溝を連設し、また細長状の無蓋箱をプラスチックで複数個形成し、前記各無蓋箱の底板の上方にねじ挿通孔を貫通するとともに下方に透孔を穿設し、前記無蓋箱の周壁の頂部に間隔をおいて1対のスリットを入れて板バネ部を形成し、前記板バネ部の内面に第1の凸起を突設し、さらに細長状のハンガー腕をプラスチックで複数個形成し、前記各ハンガー腕の内向面の上方に段部を形成するとともに下方に爪部を突設し、前記ハンガー腕の前面端を弧状に形成して突部を一体形成し、前記各ハンガー腕の頂部に第2の凸起を突設し、前記無蓋箱内に前記ハンガー腕の前記突部を除く本体を嵌入するとともに前記ハンガー腕の下方を前記無蓋箱に回動自在に軸着して前記ハンガー腕を開閉自在にし、また前記無蓋箱を前記各有底細長孔に嵌入するとともに前記ねじ挿通孔を介して前記細長板にねじ止めし、前記第1と第2の凸起とを係脱自在にするとともに前記爪部を前記底板の下端面に係脱自在に形成することを特徴とするものである。
【0007】
第2に本発明は第1の本発明において、突部をハンガー腕の前面上端に一体形成し、前記突部の頂部に指掛けを形成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の本発明によれば、本来単品のフックを多人数分、ひとまとめにでき、子供用施設に適合することは勿論、従来のフックに該当するハンガー腕がプラスチック製で、しかも無蓋箱内に嵌入する大きさ、つまり蓋的機能を有し、線状ではなく、ハンガー腕の前面が弧状で、安全であり、ハンガー腕が開いて前方に斜めに突出する場合には爪部が底板の下端面に確実に係止して開放角度を一定に保持することができ、しかもハンガー腕を指で押すだけで第1および第2の凸起が確実に係合し、震動等によりハンガー腕がとび出ることがなく安全性が高いものであり、また各ハンガー腕をプラスチックにより容易、迅速かつ安価に製造することができる。
【0009】
請求項2の本発明によれば、突部の頂部に指掛けを有するので僅かな力で第1および第2の凸起の係合を解き、ハンガー腕を極めて容易かつ迅速に斜め上方に突出させてフックとしての使用状態にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
木材で形成した細長板1の前面全周を図3で示すように面取りして弧状に形成し、細長板1を横長状態にし、例えば20〜40個の有底細長孔10、10、10・・・をそれぞれ垂直にして縦長に形成し、しかも多数個の有底細長孔10、10、10・・・を一定の間隔をおいて並設するとともに細長板1の前面両端および中間に複数個の壁取付孔4を貫通する。
【0011】
各有底細長孔10の頂部に、後述する板バネ部25が開方向に変位したときに板バネ部25を受け入れることができる受入溝11を連設する。
【0012】
一方、細長状の無蓋箱2、2、2・・・をプラスチック例えばABS樹脂により多数個形成し、各無蓋箱2の開口端に外向鍔板27を一体形成する。
【0013】
各無蓋箱2の底板20の上方にねじ挿通孔21を貫通するとともに下方に透孔22を穿設する。
【0014】
各無蓋箱2の周壁23の頂部に間隔をおいて1対のスリット24、24を入れて常時は閉じ方向に付勢する板バネ部25を形成するとともに下方両側に回動軸28を取付ける挿通孔29、29を穿設する。
【0015】
板バネ部25の内面に板バネ部25幅と同幅の凸条からなる第1の凸起26を一体的に突設する。
【0016】
無蓋箱2、2、2・・・の蓋を兼ねる細長状のハンガー腕3、3、3・・・をプラスチック例えばABS樹脂により多数個形成する。
【0017】
各ハンガー腕3の内向面の上方に段部30を形成して突片35を形成するとともに下端にハンガー腕3幅と同幅の爪部31を一体的に形成する。なお突片35内の孔35aは材料逃げ用の孔である。
【0018】
各ハンガー腕3の前面上端を弧状に形成して突部32を一体形成し、各ハンガー腕3の頂部および下端面を弧状に形成し、前記頂部に前記第1の凸起26に係合する第2の凸起33を横方向に、かつ断面凸弧状に一体形成し、突部32の頂部に凹弧状の指掛け34を形成し、各ハンガー腕3の下方周壁に回動軸28を取付ける挿通孔36を貫通する。
【0019】
各無蓋箱2内にハンガー腕3の突部32を除く本体3aを嵌入(図3の仮想線参照)するとともに、挿通孔36内に通してしかも両端を挿通孔29、29に止着した回動軸28を介してハンガー腕3を回動自在、つまり無蓋箱2に対してハンガー腕3を開閉自在に軸着する。
【0020】
各無蓋箱2を各有底細長孔10に嵌入する。このとき有底細長孔10の底板12に底板20が全面的に当接し、外向鍔板27が有底細長孔10の開口端に係止する。
【0021】
各ねじ挿通孔21に木ねじ21aを挿通するとともに有底細長孔10に螺着する。
【0022】
また各ハンガー腕3の本体3aを各無蓋箱2内に嵌入して閉蓋する。このとき第2の凸起33が第1の凸起26を押し退けて図3の鎖線で示すように板バネ部25をバネ受入溝11に変位させ、その後図3の実線で示すように板バネ部25の付勢力により凸起26は復位し、第1および第2の凸起33が確実に係合し、震動等によりハンガー腕3が斜め上方に自然に突出することがない。
【0023】
次に各ハンガー腕3を開くには指掛け34に指を掛け、回動軸28を中心に頂部を回動させる。このときの回動力は板バネ部25の付勢力より大きく、第2凸起33は第1凸起26を押しのけ、板バネ部25を図3の鎖線で示すように変位させ、ハンガー腕3は突出し、板バネ25は再度、実線状態に復位する。
【0024】
一方、ハンガー腕3が回動して開いてゆくと爪部31が下端面20aに当接して係止され、ハンガー腕3はこれ以上開くことがなく、斜め上方に突出する。
【0025】
このハンガー腕3に子供達はバッグ、被服を引っ掛けて吊下げる。このときハンガー腕3の下方に重心がかかるので木ねじ21aによる固定は前記上方位置で充分である。
【0026】
各ハンガー腕3の不使用時には凹弧状の突部32を指で押圧すれば、前述の作用によりハンガー腕3は無蓋箱2内に嵌入し、本体3aが没入する。
【0027】
なお突部32前面は凹弧状であるとともにハンガー腕3の頂部が弧状であるため安全である。
【0028】
本発明は前記の構成および作用により前記の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の中間部分を省略した正面図である。
【図2】同上における一部の部材を外した部分拡大正面図である。
【図3】A−A拡大断面図である。
【図4】本発明の一部材の一部切欠き斜視図である。
【符号の説明】
【0030】
1 細長板
2 無蓋箱
3 ハンガー腕
3a 本体
10 有底細長孔
11 バネ受入溝
20 底板
20a 下端面
21 ねじ挿通孔
22 透孔
23 周壁
24 スリット
25 板バネ部
26 第1の凸起
30 段部
31 爪部
32 突部
33 第2の凸起
34 指掛け

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横長にした細長板に複数個の有底細長孔を垂直にかつ間隔をおいて並設し、前記各有底細長孔の頂部にバネ受入溝を連設し、また細長状の無蓋箱をプラスチックで複数個形成し、前記各無蓋箱の底板の上方にねじ挿通孔を貫通するとともに下方に透孔を穿設し、前記無蓋箱の周壁の頂部に間隔をおいて1対のスリットを入れて板バネ部を形成し、前記板バネ部の内面に第1の凸起を突設し、さらに細長状のハンガー腕をプラスチックで複数個形成し、前記各ハンガー腕の内向面の上方に段部を形成するとともに下方に爪部を突設し、前記ハンガー腕の前面端を弧状に形成して突部を一体形成し、前記各ハンガー腕の頂部に第2の凸起を突設し、前記無蓋箱内に前記ハンガー腕の前記突部を除く本体を嵌入するとともに前記ハンガー腕の下方を前記無蓋箱に回動自在に軸着して前記ハンガー腕を開閉自在にし、また前記無蓋箱を前記各有底細長孔に嵌入するとともに前記ねじ挿通孔を介して前記細長板にねじ止めし、前記第1と第2の凸起とを係脱自在にするとともに前記爪部を前記底板の下端面に係脱自在に形成することを特徴とする子供用施設におけるハンガー板。
【請求項2】
突部をハンガー腕の前面上端に一体形成し、前記突部の頂部に指掛けを形成したことを特徴とする請求項1の子供用施設におけるハンガー板。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−12145(P2008−12145A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−187621(P2006−187621)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【出願人】(591060625)マスセット株式会社 (16)
【Fターム(参考)】