説明

存在推定装置および存在推定プログラム

【課題】複数の特定位置に人が存在するか否かを推定することができる存在推定装置および存在推定プログラムを提供する。
【解決手段】存在推定装置1は、会議室4の特定位置のいずれかにおける人の存在を示す標本状態と、標本状態において無線タグ2から送信された信号をセンサ3により受信し、受信した信号の信号強度に基づいて算出された標本評価値とを、予め対応付けて標本状態と標本評価値とを記憶する記憶部11と、複数の特定位置における人の存在を観測する観測状態において、信号強度に基づいて観測評価値を算出する評価値算出手段101と、観測評価値と標本評価値との関係に基づいて、観測状態に含まれる状態を記憶部11の標本状態の組み合わせから推定する存在推定手段103とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、存在推定装置および存在推定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、非特許文献1に記載された転倒状態検出方法は、洗面所等の閉空間の壁面等に設置される複数のRFID(Radio Frequency IDentification)タグと、それぞれのRFIDタグから送信される電波の受信強度を測定するタグリーダと、タグリーダが測定した受信強度を解析する情報処理装置とを有し、情報処理装置は、各RFIDタグから送信される電波の無人状態における受信強度と、人が転倒している状態における受信強度との乖離率を予め算出し、同様の乖離率が観測されたときに人が転倒している状態にあると検出する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】鍛冶良作著、「情報処理学会研究報告.UBI,[ユビキタスコンピューティングシステム]」社団法人情報処理学会、2008年11月6日発行、p.73〜80
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、複数の特定位置に人が存在するか否かを推定することができる存在推定装置および存在推定プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の存在推定装置および存在推定プログラムを提供する。
【0006】
[1]予め定められた空間内の複数の特定位置のいずれかにおける人の存在を示す標本状態と、当該標本状態において複数の信号送信機から送信された信号を信号受信機により受信し、当該受信した信号の信号強度に基づいて算出された標本評価値とを、予め対応付けて、前記標本状態と、前記標本評価値とを、外部装置に記憶制御する記憶制御手段と、前記複数の特定位置における人の存在を観測する観測状態において、前記信号強度に基づく観測評価値を算出する評価値算出手段と、前記評価値算出手段によって算出された観測評価値と、前記記憶制御手段によって外部装置に記憶された標本評価値との関係に基づいて、複数の前記標本状態の組み合わせから前記観測状態における人の存在を推定する推定手段とを有する存在推定装置。
【0007】
[2]前記推定手段が推定した前記観測状態における人の存在に基づいて、前記特定位置に存在する人の人数を出力する出力手段をさらに有する前記[1]に記載の存在推定装置。
【0008】
[3]全ての前記特定位置に人が存在しない状態において、前記信号強度に基づく標本基準値を算出する基準値算出手段をさらに有し、前記評価値算出手段は、前記標本基準値に基づいて前記観測評価値を算出する前記[1]又は[2]に記載の存在推定装置。
【0009】
[4]前記推定手段が前記観測状態に人が存在しないと推定した場合に、前記基準値算出手段が算出する標本基準値によって既存の標本基準値を校正する校正手段をさらに有する前記[3]に記載の存在推定装置。
【0010】
[5]コンピュータを、予め定められた空間内の複数の特定位置のいずれかにおける人の存在を示す標本状態と、当該標本状態において複数の信号送信機から送信された信号を信号受信機により受信し、当該受信した信号の信号強度に基づいて算出された標本評価値とを、予め対応付けて、前記標本状態と、前記標本評価値とを、外部装置に記憶制御する記憶制御手段、前記複数の特定位置における人の存在を観測する観測状態において、前記信号強度に基づく観測評価値を算出する評価値算出手段、前記評価値算出手段によって算出された観測評価値と、前記記憶制御手段によって外部装置に記憶された標本評価値との関係に基づいて、複数の前記標本状態の組み合わせから前記観測状態における人の存在を推定する推定手段として機能させるための存在推定プログラム。
【発明の効果】
【0011】
請求項1又は5に係る発明によれば、複数の特定位置に人が存在するか否かを推定することができる。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、複数の特定位置に存在する人の人数を推定することができる。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、標本状態に含まれるノイズの影響を抑制することができる。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、標本基準値を校正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る存在推定システムの構成例を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る存在推定装置の構成例を示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態に係る無線タグ信号取得手段が取得する情報の一例を示す図である。
【図4】図4は、無線タグ信号情報の一例を示すグラフである。
【図5】図5は、本発明の実施の形態に係る基準値算出手段によって算出される標本基準値情報の一例を示す図である。
【図6】図6(a)は、本発明の実施の形態に係る評価値算出手段によって算出される標本評価値情報の一例を示す図であり、図6(b)は、標本評価値情報の状態に対応する利用者の人数を示す人数情報の一例を示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態に係る存在推定手段の動作例を説明するための図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態に係る存在推定システムの動作例を示すフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の実施の形態に係る標本基準値校正手段の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(存在推定システムの構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る存在推定システムの構成例を示す斜視図である。
【0017】
この存在推定システム6は、無線タグ2〜214が送信し、センサ3が受信する信号の強度に基づいて、会議室4などの予め定められた空間内の特定の位置における利用者5の存在を推定する存在推定装置1と、存在を推定する特定の位置に設置され、それぞれに割り当てられた固有のタグ識別情報を含む信号を送信する無線タグ2〜214と、無線タグ2〜214が送信する信号を受信するセンサ3とを有する。
【0018】
無線タグ2〜214は、電池を内蔵するアクティブ型のRFIDタグであり、定期的に、例えば、3秒置きに信号を送信する。無線タグ2〜214は、利用者5が特定の位置に存在することによって無線タグ2の送信する信号を遮るような位置、例えば、座席40の背もたれ部や、プレゼンテーション等に用いるスクリーン50の近傍等に設置される。
【0019】
なお、無線タグ2〜214は、RFIDタグの他、無線LAN(Local Area Network)やBluetooth(登録商標)等の方式を用いてもよい。また、同図では無線タグが14個示されているが、個数を限定するものではなく、複数であればよい。
【0020】
センサ3は、無線タグ2〜214が発信した信号を受信し、受信信号の信号強度を検出するとともに、受信信号からタグ識別情報を抽出し、受信信号の信号強度を示す情報、タグ識別情報及び信号を受信した受信時刻情報を出力する。同図では単体であるが、複数のセンサを設置してもよい。
【0021】
なお、存在推定システム6は、会議室4に限らずオフィスや機械室等、他の用途のスペースに設置されるものであってもよい。また、会議室4等のようなクローズスペースに限らず、ロビーやミーティングスペース等のようなオープンスペースに設置されるものであってもよい。
【0022】
図2は、本発明の実施の形態に係る存在推定装置1の構成例を示すブロック図である。なお、以降において、複数の無線タグ2〜214を代表して無線タグ2として説明する。
【0023】
存在推定装置1は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され各部を制御するとともに各種のプログラムを実行する制御部10と、HDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の記憶装置から構成され情報を記憶する記憶部11とを有し、センサ3と接続される。
【0024】
制御部10は、後述する存在推定プログラム110を実行することで、無線タグ信号取得手段100、評価値算出手段101、基準値算出手段102、存在推定手段103、推定結果出力手段104、標本基準値校正手段105等として動作する。また、制御部10は、記憶部11に対する記憶制御を行う。
【0025】
無線タグ信号取得手段100は、センサ3から信号強度を示す情報、タグ識別情報及び受信時刻情報を取得する。
【0026】
評価値算出手段101は、特定の位置に人が存在する場合に、無線タグ信号取得手段100が取得する無線タグ2それぞれの信号強度を示す情報に基づいて、後述する標本基準値情報112を基準とした評価値を算出する。また、評価値算出手段101は、予め人為的に特定の位置に人が存在する状況を作り出して算出した評価値を、標本評価値情報111として記憶部11に記憶する。また、評価値算出手段101は、現在時刻において算出される評価値を、観測評価値として、後述する存在推定手段103に出力する。なお、評価値については後述する。
【0027】
基準値算出手段102は、会議室4に利用者5が存在しない状況を人為的に作り出して、無線タグ信号取得手段100が取得する無線タグ2それぞれの信号強度を現在の時刻情報に関連付けて算出する。また、基準値算出手段102は、予め算出された基準値を、標本基準値情報112として記憶部11に記憶する。
【0028】
存在推定手段103は、評価値算出手段101が算出した評価値を、標本評価値情報111に基づいて解析し、解析結果に基づいて利用者5が特定の位置に存在するか否かを推定する。
【0029】
推定結果出力手段104は、存在推定手段103の推定した結果に基づいて、会議室4に存在する利用者5の人数や所在等の情報を推定結果として出力する。
【0030】
標本基準値校正手段105は、会議室4に利用者5が存在しないと存在推定手段103が推定した場合に、無線タグ信号取得手段100が取得する無線タグ2それぞれの信号強度に基づいて基準値を算出し、算出した基準値に基づいて標本基準値情報112を校正する。校正動作については後述する。
【0031】
記憶部11は、制御部10を上述した各手段として動作させる存在推定プログラム110と、評価値算出手段101によって予め算出される標本評価値情報111と、基準値算出手段102によって予め算出される標本基準値情報112とを記憶する。標本評価値情報111は、後述する人数情報111aを含む。なお、以上に説明した記憶部11に記憶される情報110〜112は、存在推定装置1に通信可能に接続されたデータベース等の外部装置の記憶手段に記憶される構成であってもよい。
【0032】
(実施の形態の動作)
以下に、本発明の実施の形態における存在推定システム6の動作を図1〜9を参照しつつ説明する。
【0033】
(1)存在推定システムの基本動作
まず、各無線タグ2は、定期的に自己のタグ識別情報を含む信号を送信する。センサ3は、無線タグ2から送信される信号を受信し、受信信号の強度を示す情報、タグ識別情報及び受信時刻情報を抽出して存在推定装置1に送信する。
【0034】
無線タグ2から送信される信号は、無線タグ2とセンサ3との間に利用者5が存在しない場合は、センサ3との距離等に比例して減少し、無線タグ2とセンサ3との間に利用者5が存在する場合は、利用者5によって信号が遮られることで、一般的にさらに信号強度が減少する。
【0035】
存在推定装置1の無線タグ信号取得手段100は、センサ3から上記した信号の強度を示す情報、タグ識別情報及び受信時刻情報を取得する。
【0036】
図3は、無線タグ信号取得手段100が取得する無線タグ信号情報の一例を示す図である。
【0037】
無線タグ信号情報100Aは、センサ3の識別情報を示すセンサID欄と、無線タグ2の識別情報を示す無線タグID欄と、各信号の信号強度を示す信号強度欄とを有する。同図に示す情報は、ある時刻におけるものであり、予め定められた時間間隔ごとに、無線タグ信号取得手段100によって同様の情報が繰り返し取得される。
【0038】
図4は、無線タグ信号情報100Aの一例を示すグラフである。なお、同図は、無線タグ信号情報100Aのうち、特定のセンサ3において受信される特定の無線タグ2の信号強度を縦軸に、時刻を横軸に表した一例である。
【0039】
現在時刻から期間T遡った時間に含まれる情報に基づいて、評価値算出手段101及び基準値算出手段102は、それぞれ以下に説明する動作を行う。
【0040】
(2)標本基準値の算出動作
本実施の形態において、標本基準値は、標本評価値や観測評価値を算出するための基準値として用いられる。
【0041】
図5は、基準値算出手段102によって算出される標本基準値情報112の一例を示す図である。
【0042】
基準値算出手段102は、会議室4に利用者5が存在しない場合の無線タグ信号情報100Aの信号強度の時間平均である標本基準値情報112を算出する。一般的に、センサ3が受信する無線タグ2の信号強度は常に一定ではなく、ノイズ等を含み、時間帯における変動等も生じるため、基準値算出手段102は、標本基準値情報112を、ある時刻とその時刻から予め定めた時間を遡った時刻との間の時間平均から算出する。
【0043】
標本基準値情報112は、具体的には、時刻ごとに複数のテーブルから構成される。テーブルそれぞれは、時刻T〜Tのそれぞれから図4に示す期間T遡った間の平均値から算出され、タグID及びセンサIDに対応して基準値N11〜Nmnとして保存される。
【0044】
(3)標本評価値の算出動作
図6(a)は、評価値算出手段101によって算出される標本評価値情報111の一例を示す図である。
【0045】
評価値算出手段101は、会議室4に利用者5が存在する様々な状態、つまり、状態S〜Sごとに無線タグ信号情報100Aに基づいて標本評価値情報111を算出する。本実施の形態では、状態S〜Sは、各座席40のいずれかに利用者5を1人着席させた状態、又は、スクリーンの前に設定された各立ち位置41のいずれかに利用者5を1人立たせた状態であり、この状態は人為的に作り出す。
【0046】
また、評価値算出手段101は、例えば、ある時刻において算出される無線タグ信号情報100Aの信号強度の期間T遡った間の時間平均と、算出される時刻の標本基準値情報112との差から標本評価値情報111を算出する。標本評価値情報111は、各状態S〜Sにおいて算出され、タグID及びセンサIDに対応して評価値R11〜Rmnとして保存される。
【0047】
なお、以上では、標本評価値情報111として、期間Tにおける信号強度の平均値を用いる場合について説明したが、期間Tの分散値、期間Tにおいて標本基準値情報112を下回る確率、期間Tにおいて標本基準値情報112を下回る回数等を用いてもよい。
【0048】
図6(b)は、標本評価値情報111の状態S〜Sに対応する利用者の人数を示す人数情報の一例を示す図である。
【0049】
標本基準値情報112は、標本評価値情報111の状態S〜Sに対応する状態欄と、座席40に座ることができる利用者の数を示す人数欄とを有する人数情報111aを保持してもよい。状態S〜Sに対応して、図6(a)に示す標本評価値情報111は、各座席に利用者が存在するか否かに応じて決まるが、人数情報111aは、対応した状態において座席が2人がけの場合等で利用者が複数人存在する場合、利用者の人数を補正するものである。
【0050】
以上の(1)〜(3)の動作を予め実行し、標本評価値情報111及び標本基準値情報112を算出した後、以下の動作を実行する。
【0051】
(4)観測評価値の取得動作及び利用者存在の推定動作
図8は、存在推定システム6の動作例を示すフローチャートである。
【0052】
まず、無線タグ信号取得手段100は、無線タグ2から送信されセンサ3が受信した信号の情報を取得する(S1)。この情報の取得動作は、「(1)存在推定システムの基本動作」において説明した動作と同様に行われる。
【0053】
次に、評価値算出手段101は、無線タグ信号取得手段100が取得した情報と、標本基準値情報112とに基づいて観測評価値を算出する(S2)。この観測評価値の算出動作は、「(3)標本評価値の算出動作」において説明した評価値算出手段101の動作と同様に行われる。
【0054】
次に、存在推定手段103は、評価値算出手段101が算出した観測評価値に含まれる標本評価値情報111の状態を抽出する(S3)。状態の抽出は、以下に示すように行われる。
【0055】
図7は、観測評価値から標本評価値情報111の状態を抽出する存在推定手段103の動作例を説明するための図である。
【0056】
評価値算出手段101は、n番目のセンサにおいて観測されたm番目の無線タグの信号強度をOnmとしたとき、観測評価値を図7に示すように算出する。
【0057】
すなわち、標本評価値情報111のうち、状態S及びSの標本評価値が、n番目のセンサにおいて観測されたm番目の無線タグの信号強度をRnmとしたとき、図7に示すように観測評価値は、状態S及びSの標本評価値を重ね合わせたものとなる。
【0058】
これは、センサi、無線タグjの観測評価値をOij、ある状態Sのセンサi、無線タグjの標本評価値をRij、許容誤差をεで表したとき、ある集合X={<p,q>|1≦p≦m,1≦q≦n}が存在して、Xの任意の要素<p,q>に対し、Opq>Rpq−εが成立し、かつ、集合Y={<i,j>|1≦i≦m,1≦j≦n,¬(<i,j>∈X)}の任意の要素<i,j>に対して、Oij<Rij+εが成立するとき、観測評価値は、状態Sを包含するものとする。
【0059】
次に、推定結果出力手段104は、状態Sが座席1に人が存在する状態であり、状態Sが座席2に人が存在する状態であり、人数情報111aによると、座席1には1人、座席2には2人の利用者が存在することから、現在3人の利用者5が会議室4の座席1及び2を利用しているという情報を出力する(S4)。
【0060】
(5)標本基準値の校正動作
図9は、標本基準値校正手段105の動作例を示すフローチャートである。
【0061】
まず、標本基準値校正手段105は、推定結果出力手段104が出力した推定結果を取得する(S11)。次に、その推定結果が会議室4を利用している利用者が0人であり、無人状態を示している場合(S12;Yes)、無線タグ信号取得手段100は、センサ3が受信した無線タグ2から送信される信号の情報を取得する(S13)。
【0062】
次に、基準値算出手段102は、(2)に説明した動作と同様に、観測基準値を算出する(S14)。次に、標本基準値校正手段105は、記憶部11に記憶されている標本基準値情報112を、ステップS14で算出された観測基準値で校正する(S15)。
【0063】
なお、ステップS15において行う校正動作は、常に標本基準値情報112を観測基準値で上書きしてもよいし、予め定めた閾値を超えてこれらの値に差が生じている場合に上書きするように設定してもよい。
【0064】
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々な変形が可能である。例えば、無線タグ2は、図1に示す座席40等の特定の位置に設置するものに限らず、会議室4の壁に一定のピッチで配置するものでもよい。また、会議室4の床や天井等に合わせて配置してもよい。また、センサ3に関しても複数個用意して、配置してもよい。
【0065】
また、上記実施の形態で使用される無線タグ信号取得手段100と、評価値算出手段101と、基準値算出手段102と、存在推定手段103と、推定結果出力手段104と、標本基準値校正手段105とは、CD−ROM等の記憶媒体から装置内の記憶部に読み込んでも良く、インターネット等のネットワークに接続されているサーバ装置等から装置内の記憶部にダウンロードしてもよい。また、上記実施の形態で使用される手段の一部または全部をASIC等のハードウェアによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0066】
1…存在推定装置、2…無線タグ、3…センサ、4…会議室、5…利用者、6…存在推定システム、10…制御部、11…記憶部、12…通信部、40…座席、50…スクリーン、100…無線タグ信号取得手段、100A…無線タグ信号情報、101…評価値算出手段、102…基準値算出手段、103…存在推定手段、104…推定結果出力手段、105…標本基準値校正手段、110…存在推定プログラム、111…標本評価値情報、111a…人数情報、112…標本基準値情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた空間内の複数の特定位置のいずれかにおける人の存在を示す標本状態と、当該標本状態において複数の信号送信機から送信された信号を信号受信機により受信し、当該受信した信号の信号強度に基づいて算出された標本評価値とを、予め対応付けて、前記標本状態と、前記標本評価値とを、外部装置に記憶制御する記憶制御手段と、
前記複数の特定位置における人の存在を観測する観測状態において、前記信号強度に基づく観測評価値を算出する評価値算出手段と、
前記評価値算出手段によって算出された観測評価値と、前記記憶制御手段によって外部装置に記憶された標本評価値との関係に基づいて、複数の前記標本状態の組み合わせから前記観測状態における人の存在を推定する推定手段と、
を有する存在推定装置。
【請求項2】
前記推定手段が推定した前記観測状態における人の存在に基づいて、前記特定位置に存在する人の人数を出力する出力手段をさらに有する請求項1に記載の存在推定装置。
【請求項3】
全ての前記特定位置に人が存在しない状態において、前記信号強度に基づく標本基準値を算出する基準値算出手段をさらに有し、
前記評価値算出手段は、前記標本基準値に基づいて前記観測評価値を算出する請求項1又は2に記載の存在推定装置。
【請求項4】
前記推定手段が前記観測状態に人が存在しないと推定した場合に、前記基準値算出手段が算出する標本基準値によって既存の標本基準値を校正する校正手段をさらに有する請求項3に記載の存在推定装置。
【請求項5】
コンピュータを、
予め定められた空間内の複数の特定位置のいずれかにおける人の存在を示す標本状態と、当該標本状態において複数の信号送信機から送信された信号を信号受信機により受信し、当該受信した信号の信号強度に基づいて算出された標本評価値とを、予め対応付けて、前記標本状態と、前記標本評価値とを、外部装置に記憶制御する記憶制御手段、
前記複数の特定位置における人の存在を観測する観測状態において、前記信号強度に基づく観測評価値を算出する評価値算出手段、
前記評価値算出手段によって算出された観測評価値と、前記記憶制御手段によって外部装置に記憶された標本評価値との関係に基づいて、複数の前記標本状態の組み合わせから前記観測状態における人の存在を推定する推定手段、
として機能させるための存在推定プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−186759(P2011−186759A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51036(P2010−51036)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】