説明

学習支援装置、これを用いる学習支援方法、学習支援プログラムおよび記録媒体

【課題】 マスク画像を作成するための入力作業を単純化することのできる学習支援装置、これを用いる学習支援方法、学習支援プログラムおよび記録媒体を提供することである。
【解決手段】 学習支援装置20において文字認識部22は、文書画像に含まれる各文字を認識する。文字位置認識部26は、表示画面上の文字表示領域を認識する。文字表示領域には、文字認識部22によって認識された各文字が配置される。位置指定入力部27は、位置指定情報40を入力するための部分であり、位置指定情報40は、表示画面上において位置を指定する。指定位置判定部28は、位置指定情報40によって指定された位置が、文字表示領域に含まれるか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習を支援する学習支援装置、これを用いる学習支援方法、学習支援プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
図17は、従来技術に係る学習支援装置である電子教科書1の構成を表すブロック図である。従来技術に係る学習支援装置として、文書を画像として読取る画像取得部2と、読み込んだ画像を表示する表示部3と、表示部3の上に積層され操作入力を可能とする操作部4と、操作部4への入力操作に基づいて前記表示部3における画像表示をマスクするためのマスクデータを作成するマスクデータ作成手段とを含む電子教科書1が知られる。
【0003】
この電子教科書1では、操作部4を介して閉曲線を成す図形が入力されると、操作部4に対して押圧によって入力された座標情報は、押圧信号検出部5によって押圧信号として検出される。これによって、閉曲線によって囲繞される領域をマスクするためのマスクデータが、マスクデータ作成手段6によって作成される。この電子教科書1では、画像取得部2によって読取られた画像と、マスクデータ作成手段6によって作成されたマスクデータとが重畳されて表示部3において表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−34047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術における電子教科書1では、マスクされる領域を指定するためには閉曲線が描かれるように入力操作しなければならず、マスクデータ作成手段6に対してマスク領域を指示するための入力作業が煩雑であるという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、マスク画像を作成するためのマスク領域の入力作業を単純化することのできる学習支援装置、これを用いる学習支援方法、学習支援プログラムおよび記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、1または複数の文字が記載される文書を文書画像として読取る画像読取部と、
前記文書画像に含まれる各文字を認識する文字認識部と、
表示画面を有し、前記文書画像を前記表示画面上に表示する表示部と、
前記文字認識部によって認識された各文字が配置される、前記表示画面上の領域を、文字表示領域として認識する文字位置認識部と、
前記表示画面上において位置を指定する位置指定情報を入力するための位置指定入力部と、
前記位置指定情報によって指定された位置が、前記文字表示領域に含まれるか否かを判定する指定位置判定部と、
前記位置指定入力部によって指定された位置が前記文字表示領域に含まれると、前記指定位置判定部によって判定されたときに、前記位置指定情報によって指定された位置を含む前記文字表示領域を、マスクされるべきマスク領域として認識するマスク領域認識部と、
前記マスク領域として認識された文字表示領域をマスクするマスク画像を生成するマスク画像生成部と、
前記文書画像と前記マスク画像とが重畳されて形成された重畳画像を生成する重畳画像生成部と、
前記表示部を制御し、前記表示部に前記重畳画像を表示させる表示制御部とを含むことを特徴とする学習支援装置である。
【0008】
また本発明は、1または複数の前記文書画像と1または複数の前記重畳画像とを記憶する画像記憶部であって、
一文書画像に対応して1または複数の前記マスク画像が前記マスク画像生成部によって生成されたときに、前記1または複数の前記マスク画像が前記一文書画像に重畳されて形成された1または複数の重畳画像と、前記一文書画像とを、互いに関連付けて記憶する画像記憶部をさらに含むことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、前記文書画像および前記重畳画像のうちいずれか1つの画像を選択する選択指令情報を入力するための選択指令入力部をさらに含み、
前記表示制御部は、前記選択指令情報に応じて、前記表示部に、前記選択された文書画像または重畳画像を表示させることを特徴とする。
【0010】
また本発明は、前記画像記憶部は、前記文書画像および前記重畳画像のうち前記選択指令情報によって選択された文書画像または重畳画像に、前記選択指令情報によって選択されたことを表す選択履歴情報を付与して記憶することを特徴とする。
【0011】
また本発明は、日時情報を取得する日時情報取得部をさらに含み、
前記画像記憶部は、前記画像読取部が各文書画像を読取ったときに前記日時情報取得部が取得した日時情報を、読取った前記各文書画像の読取日時情報として記憶し、前記表示部が各文書画像または各重畳画像を表示したときに前記日時情報取得部が取得した日時情報を、表示した前記各文書画像または各重畳画像の表示日時情報として記憶することを特徴とする。
【0012】
また本発明は、前記選択指令情報の入力によって前記文書画像および前記重畳画像のうちの1つ画像が選択されると、前記選択指令情報の入力が行われたときに前記日時情報取得部が取得した日時情報を現在日時として取得し、前記選択された文書画像の読取日時情報、または前記選択された重畳画像の読取日時情報と、前記現在日時とを比較し、時間的な差分値を算出する時間差算出部をさらに含み、
前記表示制御部は、前記時間差算出部による算出結果が、予め定める時間的な長さ以上であるか否かを判定し、前記時間差算出部による算出結果が予め定める時間的な長さ以上であると判定された場合、
前記選択指令情報が一文書画像を選択する情報であるときには、前記一文書画像に関連付けられる1または複数の重畳画像が前記画像記憶部に記憶されているか否かの情報を取得し、
前記画像記憶部に重畳画像が記憶されていれば、前記重畳画像の1つを前記表示部に表示させ、前記画像記憶部に前記一文書画像に関連付けられる重畳画像が記憶されていなければ、前記一文書画像を表示部に表示させることを特徴とする。
【0013】
また本発明は、連続して並ぶ前記マスク領域に配置される複数の文字を、一連の文字列として認識する文字列抽出部と、
前記一連の文字列の少なくとも一部の文字を単語として認識する単語認識部と、
前記単語認識部によって認識される単語、および前記単語に関連付けられる関連情報を記憶する関連情報記憶部と、
前記関連情報を表示する関連画像を生成する関連画像生成部とをさらに含み、
前記表示制御部は、前記一連の文字列が配置される文書画像または重畳画像と、前記関連画像とを重畳して表示部に表示させることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、前記学習支援装置を用い、
前記画像読取部によって、1または複数の文字が記載される文書を文書画像として読取る画像読取工程と、
前記文字認識部によって、前記文書画像に含まれる各文字を認識する文字認識工程と、
前記表示部によって、前記文書画像を前記表示画面上に表示する表示工程と、
前記文字位置認識部によって、前記文字認識工程において認識された各文字が配置される、前記表示画面上の領域を、文字表示領域として認識する文字位置認識工程と、
前記位置指定入力部によって、前記表示画面上において位置を指定する位置指定情報を入力する位置指定入力工程と、
前記指定位置判定部によって、前記位置指定入力工程において指定された位置が、前記文字表示領域に含まれるか否かを判定する指定位置判定工程と、
前記位置指定情報によって指定された位置が、前記文字表示領域に含まれると、前記指定位置判定工程において判定されたときに、前記マスク領域認識部によって、前記位置指定入力工程において指定された位置を含む前記文字表示領域を、マスクされるべきマスク領域として認識するマスク領域認識工程と、
前記マスク画像生成部によって、前記マスク領域として認識された文字表示領域をマスクするマスク画像を生成するマスク画像生成工程と、
前記重畳画像生成部によって、前記文書画像と前記マスク画像とが重畳されて形成された重畳画像を生成する重畳画像生成工程と、
前記表示制御部によって前記表示部を制御し、前記表示部に前記重畳画像を表示させる表示制御工程とを含むことを特徴とする学習支援方法である。
【0015】
また本発明は、1または複数の文字が記載される文書を文書画像として読取る画像読取部と、表示画面を有し、前記文書画像を前記表示画面上に表示する表示部と、
前記表示画面上において位置を指定する位置指定情報を入力するための位置指定入力部とに接続されたコンピュータを、
前記文書画像に含まれる各文字を認識する文字認識部、
前記文字認識部によって認識された各文字が配置される、前記表示画面上の領域を、文字表示領域として認識する文字位置認識部、
前記位置指定情報によって指定された位置が、前記文字表示領域に含まれるか否かを判定する指定位置判定部、
前記位置指定入力部によって指定された位置が前記文字表示領域に含まれると、前記指定位置判定部によって判定されたときに、前記位置指定情報によって指定された位置を含む前記文字表示領域を、マスクされるべきマスク領域として認識するマスク領域認識部、
前記マスク領域として認識された文字表示領域をマスクするマスク画像を生成するマスク画像生成部、
前記文書画像と前記マスク画像とが重畳されて形成された重畳画像を生成する重畳画像生成部、および
前記表示部を制御し、前記表示部に前記重畳画像を表示させる表示制御部として機能させることを特徴とする学習支援プログラムである。
【0016】
また本発明は、前記学習支援プログラムが、コンピュータに読取り可能に記録される記録媒体である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、学習支援装置において文字位置認識部は、文字が配置される表示画面上の領域を、文字表示領域として認識する。文字表示領域には、文字認識部によって認識された各文字が配置される。位置指定入力部は、位置指定情報を入力するための部分であり、位置指定情報は、表示画面上において位置を指定する。指定位置判定部は、位置指定情報によって指定された位置が、文字表示領域に含まれるか否かを判定する。マスク領域認識部は、位置指定情報によって指定された位置が、文字表示領域に含まれると、指定位置判定部によって判定されたときに、位置指定情報によって指定された位置を含む文字表示領域を、マスク領域として認識する。マスク領域は、マスクされるべき領域である。マスク画像生成部は、マスク画像を生成する。マスク画像は、マスク領域として認識された文字表示領域をマスクする。重畳画像生成部は、重畳画像を生成する。重畳画像は、文字画像とマスク画像とが重畳されて形成された画像である。表示制御部は、表示部を制御し、表示部に重畳画像を表示させる。
【0018】
これによって、位置指定入力部によって指定した位置を含む文字表示領域を、マスク領域として指定することができる。したがって、文字表示領域のうち1点でも指定すれば、その文字表示領域に含まれる文字をマスクするマスク画像を生成することができる。文字表示領域は、文字認識部によって認識されるので、文字表示領域を規定する端の位置は、自動的に認識される。これによって、マスク領域と、これに隣接しマスク領域とは異なる領域との境界線を、直接的に入力するのではなく、隣接する文字表示領域同士の間に、自動的に位置させることができる。したがって、マスクしたい文字列を、他の領域の文字列と区別して囲繞するのではなく、紙面上においてマーカーペンで文字列をなぞるように、マスクしたい文字列を指定することができる。これによって、マスク画像を作成するための入力作業を単純化することができる。
【0019】
また本発明によれば、学習支援装置は、画像記憶部をさらに含んで構成される。画像記憶部は、1または複数の文書画像と1または複数の重畳画像とを記憶する。画像記憶部は、一文書画像に対応して1または複数のマスク画像がマスク画像生成部によって生成されたときに、1または複数のマスク画像が前記一文書画像に重畳されて形成された1または複数の重畳画像と、前記一文書画像とを、互いに関連付けて記憶する。これによって、画像記憶部から繰返して読み出すことによって、文字画像および重畳画像を複数回にわたって表示させることができる。したがって、複数回の確認作業を行うことが可能となり、容易に復習することができ、効果的に学習支援を行うことができる。
【0020】
また本発明によれば、学習支援装置は、選択指令入力部をさらに含んで構成される。選択指令入力部は、選択指令情報を入力するための部分である。選択指令情報は、文書画像および重畳画像のうちいずれか1つの画像を選択する情報である。表示制御部は、選択指令情報に応じて、表示部に、選択された文書画像または重畳画像を表示させる。これによって、選択指令入力部によって、表示部に、文書画像および重畳画像のいずれかの画像を表示させることができる。したがって、マスク領域においてマスクされる文字を思い出す作業を繰返して行うことができ、効率的に学習を行うことができる。
【0021】
また本発明によれば、画像記憶部は、文書画像および重畳画像のうち選択指令情報によって選択された文書画像または重畳画像に、選択履歴情報を付与して記憶する。選択履歴情報は、選択指令情報によって選択されたことを表す。これによって、すでに文書画像および重畳画像の表示が行われた履歴があるか否か、表示回数の計測、および表示が行われた時期などを記録することが可能となる。したがって、表示履歴の有無、表示回数の多少、または表示時期などに応じて文書画像に優先順位を付与することも可能となる。これによって、文書画像および重畳画像の表示順序を、優先順位に応じて変更することが可能となる。したがって、効果的な学習支援を行うことができる。
【0022】
また本発明によれば、学習支援装置は、日時情報取得部をさらに含み、日時情報取得部は、日時情報を取得する。画像記憶部は、画像読取部が各文書画像を読取ったときに日時情報取得部が取得した日時情報を、読取った各文書画像の読取日時情報として記憶する。また画像記憶部は、表示部が各文書画像または各重畳画像を表示したときに日時情報取得部が取得した日時情報を、表示した各文書画像または各重畳画像の表示日時情報として記憶する。これによって、文書画像として読取りが行われた時期、文書画像または重畳画像が表示された時期に応じて文書画像および重畳画像に優先順位を付与することが可能となる。したがって、文書画像または重畳画像の新旧に応じて表示順序を変更することが可能となる。
【0023】
また本発明によれば、学習支援装置は、時間差算出部をさらに含んで構成される。時間差算出部は、選択指令情報の入力によって文書画像および重畳画像のうちの1つの画像が選択されると、選択指令情報の入力が行われたときに日時情報取得部が取得した日時情報を現在日時として取得する。また時間差算出部は、選択された文書画像の読取日時情報、または選択された重畳画像の読取日時情報と、現在日時とを比較し、時間的な差分値を算出する。表示制御部は、時間差算出部による算出結果が、予め定める時間的な長さ以上であるか否かを判定する。表示制御部は、時間差算出部による算出結果が予め定める時間的な長さ以上であると判定された場合、選択指令情報が一文書画像を選択する情報であるときには、前記一文書画像に関連付けられる1または複数の重畳画像が画像記憶部に記憶されているか否かの情報を取得する。画像記憶部に重畳画像が記憶されていれば、表示制御部は、重畳画像の1つを表示部に表示させる。画像記憶部に、前記一文書画像に関連付けられる重畳画像が記憶されていなければ、前記一文書画像を表示部に表示させる。
【0024】
これによって、選択指令情報が一文書画像を選択する情報であるときに、選択された一文書画像が予め定める時間的な長さ以上の時間を隔てた過去に読取られたものであり、かつこの一文書画像について重畳画像が画像記憶部に記憶されていれば、一文書画像の表示よりも重畳画像の表示を優先的に行うことができる。したがって、すでに学習されていて然るべき内容には、マスク画像が重畳された重畳画像による復習学習を優先して支援することができる。
【0025】
また本発明によれば、学習支援装置は、文字列抽出部と、単語認識部と、関連情報記憶部と、関連画像生成部とをさらに含んで構成される。文字列抽出部は、連続して並ぶマスク領域に配置される複数の文字を、一連の文字列として認識する。単語認識部は、一連の文字列の少なくとも一部の文字を単語として認識する。関連情報記憶部は、関連情報を記憶する。関連情報は、単語認識部によって認識される単語および前記単語に関連付けられる。関連画像生成部は、関連情報を表示する関連画像を生成する。表示制御部は、一連の文字列が配置される文書画像または重畳画像と、関連画像とを重畳して表示部に表示させる。
【0026】
これによって、マスクされた文字列に関連する関連情報を関連画像として表示することができる。したがって、マスクされた文字列を介して、この文字列を含む文字画像とは異なる情報を表示することが可能となる。これによって、効果的な学習支援を行うことができる。
【0027】
また本発明によれば、学習支援方法において文字位置認識工程では、文字が配置される表示画面上の領域を、文字表示領域として認識する。文字表示領域には、文字認識部によって認識された各文字が配置される。位置指定入力工程では、位置指定情報を入力する工程であり、位置指定情報は、表示画面上において位置を指定する。指定位置判定工程では、位置指定情報によって指定された位置が、文字表示領域に含まれるか否かを判定する。マスク領域認識工程では、位置指定情報によって指定された位置が、文字表示領域に含まれると、指定位置判定部によって判定されたときに、位置指定情報によって指定された位置を含む文字表示領域を、マスク領域として認識する。マスク領域は、マスクされるべき領域である。マスク画像生成工程では、マスク画像を生成する。マスク画像は、マスク領域として認識された文字表示領域をマスクする。重畳画像生成工程では、重畳画像を生成する。重畳画像は、文字画像とマスク画像とが重畳されて形成された画像である。表示制御工程では、表示部を制御し、表示部に重畳画像を表示させる。
【0028】
これによって、位置指定入力工程において指定した位置を含む文字表示領域を、マスク領域として指定することができる。したがって、文字表示領域のうち1点でも指定すれば、その文字表示領域に含まれる文字をマスクするマスク画像を生成することができる。文字表示領域は、文字認識部によって認識されるので、文字表示領域を規定する端の位置は、自動的に認識される。これによって、マスク領域と、これに隣接しマスク領域とは異なる領域との境界線を、直接的に入力するのではなく、隣接する文字表示領域同士の間に、自動的に位置させることができる。したがって、マスクしたい文字列を、他の領域の文字列と区別して囲繞するのではなく、紙面上においてマーカーペンで文字列をなぞるように、マスクしたい文字列を指定することができる。これによって、マスク画像を作成するための入力作業を単純化することができる。
【0029】
学習支援プログラムは、コンピュータを、文字認識部、文字位置認識部、位置指定入力部、指定位置判定部、マスク領域認識部、マスク画像生成部、重畳画像生成部、および表示制御部として機能させる。これによって、前記学習支援装置を、コンピュータを含む構成によって実現することができる。
【0030】
記録媒体には、前記学習支援プログラムが、コンピュータに読取り可能に記録される。これによって、前記学習支援プログラムを、コンピュータに読み取り可能な記録媒体によって提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態に係る学習支援装置20の構成を表すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る学習支援方法の各工程を表すフローチャートである。
【図3】本発明の第2実施形態に係る学習支援方法の工程を表すフローチャートである。
【図4】本発明の第3実施形態に係る学習支援方法の工程を表すフローチャートである。
【図5】本発明の第4実施形態に係る学習支援方法の工程を表すフローチャートである。
【図6】本発明の第5実施形態に係る学習支援装置20の構成を表すブロック図である。
【図7】本発明の第5実施形態に係る学習支援方法の工程を表すフローチャートである。
【図8】本発明の第6実施形態に係る学習支援装置20の構成を表すブロック図である。
【図9】本発明の第6実施形態に係る学習支援方法の工程を表すフローチャートである。
【図10】本発明の第7実施形態に係る学習支援装置20の構成を表すブロック図である。
【図11】本発明の第7実施形態において各重畳画像に関連付けられて記憶される蓄積情報の一例である。
【図12】本発明の第1実施形態における表示画面による表示の一例である。
【図13】本発明の第1実施形態に係る学習支援装置20のマスク情報56の内容である。
【図14】本発明の第1実施形態に係る学習支援装置20の位置指定情報40の内容である。
【図15】本発明の第7実施形態に係る学習支援方法の工程を表すフローチャートである。
【図16】第7実施形態における関連情報記憶部49に記憶される関連情報の一例である。
【図17】従来技術に係る学習支援装置である電子教科書1の構成を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための複数の形態について説明する。以下の説明においては、各形態に先行する形態ですでに説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略す場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。またそれぞれの実施形態は、本発明に係る技術を具体化するために例示するものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明に係る技術内容は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。以下、学習支援装置20、学習支援プログラム、および学習支援方法についての説明を含む。
【0033】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る学習支援装置20の構成を表すブロック図である。第1実施形態に係る学習支援装置20は、文書を文書画像として読取り、文書画像を表示するとともに、文書画像の少なくとも一部をマスクした状態で表示したり、マスクが解除された状態で表示したりすることで、学習を支援する電子装置である。この学習支援装置20では、画像から文字を認識し、文字認識した結果と表示部24の上にポイントされた座標位置情報から指定文字領域を抽出する。さらに指定文字領域をマスクして表示したり、文字認識した結果に関連する情報を合成して表示することを可能とする。
【0034】
学習支援装置20は、画像読取部21と、文字認識部22と、表示部24と、文字位置認識部26と、位置指定入力部27と、指定位置判定部28と、マスク領域認識部32と、マスク画像生成部33と、重畳画像生成部34と、表示制御部36とを含んで構成される。画像読取部21は、1または複数の文字が記載される文書を、文書画像として読取る。文字認識部22は、文書画像に含まれる各文字を認識する。表示部24は、表示画面を有し、表示部24は、文書画像を表示画面上に表示する。
【0035】
文字位置認識部26は、文字が配置される表示画面上の領域を、文字表示領域として認識する。文字表示領域には、文字認識部22によって認識された各文字が配置される。位置指定入力部27は、位置指定情報40(図14参照)を入力するための部分であり、位置指定情報40は、表示画面上において位置を指定する。指定位置判定部28は、位置指定情報40によって指定された位置が、文字表示領域に含まれるか否かを判定する。
【0036】
マスク領域認識部32は、位置指定情報40によって指定された位置が、文字表示領域に含まれると、指定位置判定部28によって判定されたときに、位置指定情報40によって指定された位置を含む文字表示領域を、マスク領域として認識する。マスク領域は、マスクされるべき領域である。マスク画像生成部33は、マスク画像を生成する。マスク画像は、マスク領域として認識された文字表示領域をマスクする。重畳画像生成部34は、重畳画像を生成する。重畳画像は、文字画像とマスク画像とが重畳されて形成された画像である。表示制御部36は、表示部24を制御し、表示部24に重畳画像を表示させる。
【0037】
画像読取部21は、たとえばスキャナ、カメラなどの画像取得手段である。表示制御部36は、中央処理装置(central processing unit, 略称「CPU」)を含んで実現され、RAM(random access memory)などを含んでもよい。表示部24は、たとえば液晶パネルなどを含んで実現される。位置指定入力部27は、表示部24の表示画面上に添付される透明なシート状の部品を含み、たとえばタッチパネルによって実現されるポインティング装置である。タッチパネルは、押圧されると押圧信号を検知し、押圧された位置の座標を検出し、座標情報として出力する。
【0038】
ただし位置指定入力部27は、タッチパネルに限定するものではなく、たとえばマウス、トラックボール、トラックパッドなどのポインティング装置を用いて実現することも可能である。また表示部24を、光センサを内蔵した液晶パネルとすれば、たとえば手指などを表示画面に近接させて外方からの光を遮蔽することによって、位置情報を入力することができる。
【0039】
その他、文字認識部22、文字位置認識部26、指定位置判定部28、マスク領域認識部32、マスク画像生成部33、および重畳画像生成部34は、表示制御部36と同様にCPUによって実現される。これらのうち文字認識部22による文字認識は、光学文字認識(optical character reader, 略称「OCR」)などの技術によって実現することができる。またこれによって、文字の姿勢によって文字の上下を判断し、文書画像の上下を判断することもでき、また文書画像内において文字が並ぶ縦方向または横方向など、文字の並ぶ方向を特定することもできる。
【0040】
学習支援装置20は、画像記憶部38を含んで構成される。画像記憶部38は、1または複数の文書画像と1または複数の重畳画像とを記憶する。画像記憶部38は、一文書画像に対応して1または複数のマスク画像がマスク画像生成部によって生成されたときに、1または複数のマスク画像が前記一文書画像に重畳されて形成された1または複数の重畳画像と、前記一文書画像とを、互いに関連付けて記憶する。画像記憶部38は、たとえばハードディスクおよびハードディスクドライブ、メモリカードおよびカードリーダなどを含んで実現される。
【0041】
学習支援装置20は、選択指令入力部39を含んで構成される。選択指令入力部39は、選択指令情報を入力するための部分である。選択指令情報は、文書画像および重畳画像のうちいずれか1つの画像を選択する情報である。表示制御部36は、選択指令情報に応じて、表示部24に、選択された文書画像または重畳画像を表示させる。
【0042】
画像記憶部38は、文書画像および重畳画像のうち選択指令情報によって選択された文書画像または重畳画像に、選択履歴情報を付与して記憶する。選択履歴情報は、選択指令情報によって選択されたことを表す。
【0043】
選択指令入力部39は、位置指定入力部27とは異なる、たとえばボタンなどを含んで実現されてもよく、また表示画面中の特定の領域に指示アイコンを表示し、これをポインティング装置によってポイントすることによって、選択指令情報を入力することも可能である。表示制御部36は、画像記憶部38に対して画像呼び出し手段として機能し、画像記憶部38に記憶される情報の検索、取得、転送、などを行い、または表示部24などへの情報の出力を行わせることができる。
【0044】
学習支援装置20のうち、文字認識部22、文字位置認識部26、指定位置判定部28、マスク領域認識部32、マスク画像生成部33、重畳画像生成部34および表示制御部36は、コンピュータによって実現され、コンピュータは、画像読取部21と、表示部24と、位置指定入力部27とに接続される。学習支援プログラムは、コンピュータを、文字認識部22、文字位置認識部26、指定位置判定部28、マスク領域認識部32、マスク画像生成部33、重畳画像生成部34および表示制御部36として機能させる。第1実施形態においてこのコンピュータは、さらに画像記憶部38、選択指令入力部39などにも接続される。学習支援プログラムは、コンピュータに読み取り可能な状態で、記録媒体に記録される。これによって記録媒体による供給が可能となる。
【0045】
第1実施形態によれば、学習支援装置20において文字位置認識部26は、表示画面上の文字表示領域を認識する。文字表示領域には、文字認識部22によって認識された各文字が配置される。位置指定入力部27は、位置指定情報40を入力するための部分であり、位置指定情報40は、表示画面上において位置を指定する。指定位置判定部28は、位置指定情報40によって指定された位置が、文字表示領域に含まれるか否かを判定する。
【0046】
マスク領域認識部32は、位置指定情報40によって指定された位置が、文字表示領域に含まれると、指定位置判定部28によって判定されたときに、位置指定情報40によって指定された位置を含む文字表示領域を、マスク領域として認識する。マスク領域は、マスクされるべき領域である。マスク画像生成部33は、マスク画像を生成する。マスク画像は、マスク領域として認識された文字表示領域をマスクする。重畳画像生成部34は、重畳画像を生成する。重畳画像は、文字画像とマスク画像とが重畳されて形成された画像である。表示制御部36は、表示部24を制御し、表示部24に重畳画像を表示させる。
【0047】
これによって、位置指定入力部27によって指定した位置を含む文字表示領域を、マスク領域として指定することができる。したがって、文字表示領域のうち1点でも指定すれば、その文字表示領域に含まれる文字をマスクするマスク画像を生成することができる。文字表示領域は、文字認識部22によって認識されるので、文字表示領域を規定する端の位置は、自動的に認識される。
【0048】
これによって、マスク領域と、これに隣接しマスク領域とは異なる領域との境界線を、直接的に入力するのではなく、隣接する文字表示領域同士の間に、自動的に位置させることができる。したがって、マスクしたい文字列を、他の領域の文字列と区別して囲繞するのではなく、紙面上においてマーカーペンで文字列をなぞるように、マスクしたい文字列を指定することができる。これによって、マスク画像を作成するための入力作業を単純化することができる。
【0049】
また、文字画像において隣接する文字と文字との間隔が狭い場合であっても、文字画像を拡大表示することなく、マスク領域を容易に指定し、マスク画像を生成することができる。したがって、表示画面上に表示される文字が小さい場合、または行間が詰まっている場合などであっても、閉曲線により抽出する必要がない。したがって、複数の文字行を抽出してしまう等、意図しないマスク領域が指定されてしまうことを防止することができる。さらに文字認識を行うので、文字認識結果41(図11(b)および図13(a)参照)の文字コードを利用した処理を行うことも可能となる。
【0050】
また第1実施形態によれば、学習支援装置20は、画像記憶部38をさらに含んで構成される。画像記憶部38は、1または複数の文書画像と1または複数の重畳画像とを記憶する。画像記憶部38は、一文書画像に対応して1または複数のマスク画像がマスク画像生成部によって生成されたときに、1または複数のマスク画像が前記一文書画像に重畳されて形成された1または複数の重畳画像と、前記一文書画像とを、互いに関連付けて記憶する。これによって、画像記憶部38から繰返して読み出すことによって、文字画像および重畳画像を複数回にわたって表示させることができる。したがって、複数回の確認作業を行うことが可能となり、容易に復習することができ、効果的に学習支援を行うことができる。
【0051】
また第1実施形態によれば、学習支援装置20は、選択指令入力部39をさらに含んで構成される。選択指令入力部39は、選択指令情報を入力するための部分である。選択指令情報は、文書画像および重畳画像のうちいずれか1つの画像を選択する情報である。表示制御部36は、選択指令情報に応じて、表示部24に、選択された文書画像または重畳画像を表示させる。これによって、選択指令入力部39によって、表示部24に、文書画像および重畳画像のいずれかの画像を表示させることができる。したがって、マスク領域においてマスクされる文字を思い出す作業を繰返して行うことができ、効率的に学習を行うことができる。
【0052】
また第1実施形態によれば、画像記憶部38は、文書画像および重畳画像のうち選択指令情報によって選択された文書画像または重畳画像に、選択履歴情報を付与して記憶する。選択履歴情報は、選択指令情報によって選択されたことを表す。これによって、すでに文書画像および重畳画像の表示が行われた履歴があるか否か、表示回数の計測、および表示が行われた時期などを記録することが可能となる。したがって、表示履歴の有無、表示回数の多少、または表示時期などに応じて文書画像に優先順位を付与することも可能となる。これによって、文書画像および重畳画像の表示順序を、優先順位に応じて変更することが可能となる。したがって、効果的な学習支援を行うことができる。
【0053】
図2は、本発明の第1実施形態に係る学習支援方法の各工程を表すフローチャートである。第1実施形態に係る学習支援方法は、前述した学習支援装置20を用い、学習を支援する方法である。本発明の第1実施形態に係る学習支援方法は、画像読取工程と、文字認識工程と、表示工程と、文字位置認識工程と、位置指定入力工程と、指定位置判定工程と、マスク領域認識工程と、マスク画像生成工程と、重畳画像生成工程と、表示制御工程とを含んで構成される。
【0054】
画像読取工程では、画像読取部21によって、1または複数の文字が記載される文書を、文書画像として読取る。文字認識工程では、文字認識部22によって、文書画像に含まれる各文字を認識する。表示部24には、表示画面が形成される。表示工程では、表示部24によって、文書画像を表示画面上に表示する。文字位置認識工程では、文字位置認識によって、表示画面上の文字表示領域を認識する。文字表示領域には、文字認識部22によって認識された各文字が配置される。
【0055】
位置指定入力工程では、位置指定入力部27によって、位置指定情報40を入力する。位置指定情報40は、表示画面上において位置を指定する。指定位置判定工程では、指定位置判定部28によって、位置指定入力工程において指定された位置が、文字表示領域に含まれるか否かを判定する。マスク領域認識工程では、マスク領域認識部32によって、位置指定入力工程において指定された位置が、文字表示領域に含まれると、指定位置判定部28によって判定されたときに、位置指定情報40によって指定された位置を含む文字表示領域を、マスク領域として認識する。
【0056】
マスク領域は、マスクされるべき領域である。マスク画像生成工程では、マスク画像生成部33によって、マスク画像を生成する。マスク画像は、マスク領域として認識された文字表示領域をマスクする。重畳画像生成工程では、重畳画像生成部34によって、重畳画像を生成する。重畳画像は、文字画像とマスク画像とが重畳されて形成された画像である。表示制御工程では、表示制御部36によって、表示部24を制御し、表示部24に重畳画像を表示させる。
【0057】
本処理開始後、ステップa1の工程に移行し、学習支援を終了するか否かの判断を行う。この工程は、選択指令入力部39からの選択指令情報を表示制御部36が判断することによって行われる。学習支援を終了するとの選択指令情報が入力されれば、本処理を終了する。画像入力を終了しない場合には、次のステップa2の画像読取工程に移行し、文書画像の読取を行う。次にステップa3の文字認識工程に移行し、読み取った文書画像に含まれる文字の認識を行う。次にステップa4の表示工程に移行し、読み取った文書画像の表示を行う。ステップa3の文字認識工程およびステップa4の表示工程は、順序を逆にしてもよい。
【0058】
次にステップa5の文字位置認識工程に移行し、表示画面上における各文字の位置の認識を行う。これは、各文字に外接する矩形の領域を設定し、矩形を成す4つの頂点のうち少なくとも対角線上の2つの点の座標の検出を行う。このとき、矩形における4つの頂点の座標を検出してもよい。
【0059】
次にステップa6の位置指定入力工程に移行し、位置指定情報40の入力を行う。このとき学習支援装置20では、位置指定情報40の入力が行われたか否かの判断を行い、入力が行われていないとの判断結果であれば、ステップa1の工程に移行する。位置指定情報40の入力が行われた場合には、位置指定情報40によって指定された位置を座標によって表す。次にステップa7の指定位置判定工程に移行し、位置指定情報40によって指定された位置が、表示画面上のいずれかの文字表示領域に含まれる位置であるか否かを判定する。このとき、位置指定情報40によって指定された位置が、表示画面上のいずれの文字表示領域にも含まれないと判定された場合には、ステップa6の位置指定入力工程に移行する。
【0060】
指定位置判定工程において、位置指定情報40で指定された位置が、表示画面上のいずれかの文字表示領域に含まれる位置であると判定された場合には、ステップa8のマスク領域認識工程に移行し、この位置を含む文字表示領域を検出し、この文字表示領域をマスク領域として認識する。次にステップa9のマスク画像生成工程に移行し、マスク画像の生成を行う。
【0061】
次にステップa10の重畳画像生成工程に移行し、文字画像とマスク画像とを重畳して、重畳画像を生成する。これは、文字画像とマスク画像とがそれぞれ異なる層であるという情報を維持して重畳画像を生成してもよいし、レイヤーを統合して分離不可能な画像として生成してもよい。次にステップa11の表示制御工程に移行する。第1実施形態において表示制御工程では、表示部24に、重畳画像の表示を行わせる。ステップa11の表示制御工程の後には、ステップa1に移行し、学習支援を終了するのか否かの判断を行い、学習支援を終了するとの選択指令情報が入力されれば、本処理を終了する。
【0062】
これによって、位置指定入力工程において指定した位置を含む文字表示領域を、マスク領域として指定することができる。したがって、文字表示領域のうち1点でも指定すれば、その文字表示領域に含まれる文字をマスクするマスク画像を生成することができる。文字表示領域は、文字認識部22によって認識されるので、文字表示領域を規定する端の位置は、自動的に認識される。
【0063】
これによって、マスク領域と、これに隣接しマスク領域とは異なる領域との境界線を、直接的に入力するのではなく、隣接する文字表示領域同士の間に、自動的に位置させることができる。したがって、マスクしたい文字列を、他の領域の文字列と区別して囲繞するのではなく、紙面上においてマーカーペンで文字列をなぞるように、マスクしたい文字列を指定することができる。これによって、マスク画像を作成するための入力作業を単純化することができる。
【0064】
また、文字画像において隣接する文字と文字との間隔が狭い場合であっても、文字画像を拡大表示することなく、マスク領域を容易に指定し、マスク画像を生成することができる。したがって、表示画面上に表示される文字が小さい場合、または行間が詰まっている場合などであっても、閉曲線により抽出する必要がない。したがって、複数の文字行を抽出してしまう等、意図しないマスク領域が指定されてしまうことを防止することができる。さらに文字認識を行うので、文字認識結果41の文字コードを利用した処理を行うことも可能となる。
【0065】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態に係る学習支援方法の工程を表すフローチャートである。第2実施形態に係る学習支援装置20および学習支援方法は、第1実施形態に係る学習支援装置20および学習支援方法に類似しており、以下、第1実施形態に対する第2実施形態の相違点を中心に説明する。
【0066】
第2実施形態に係る学習支援方法では、画像読取部21によって読取られる画像、および画像記憶部38に記憶される画像のうち、いずれの画像を表示部24に表示するかを選択することができる。本処理開始後、ステップb1に移行し、画像記憶部38に記憶される画像を読み出すか否かの判断を行う。この工程は、選択指令入力部39からの選択指令情報を表示制御部36が判断することによって行われる。画像記憶部38に記憶される画像を読み出す場合には、ステップb2の蓄積画像表示工程に移行し、選択指令情報によって指定された画像の読み出しを行う。
【0067】
蓄積画像表示工程の次には、ステップb3の工程に移行し、画像表示を終了するか否かの判断を行う。この工程でも、選択指令入力部39からの選択指令情報が表示制御部36によって判断され、選択指令情報が画像表示を終了しないことを意味する場合には、画像表示を継続し、画像記憶部38に記憶される画像の表示を続ける。このとき、選択指令情報が、表示中の画像についての表示を終了する指令を意味する場合には、ステップb1に移行する。画像記憶部38に記憶される画像のうちの他の画像への切換えを意味するならば、ステップb1において他の蓄積画像を読み出すものと判断され、それに従って表示を行うことができる。
【0068】
ステップb1の工程において、画像記憶部38に記憶される画像を読み出さないと判断された場合には、ステップb4の工程に移行する。ステップb4では、学習支援を終了するのか否かの判断を行う。ステップb4〜ステップb14は、第1実施形態におけるステップa1〜ステップa11の工程と同様である。ステップb14の表示制御工程の後、ステップb15の重畳画像保存判断工程に移行し、重畳画像の保存を行うか否かの判断を行う。この工程は、選択指令入力部39からの選択指令情報を表示制御部36が判断することによって行われる。このとき、重畳画像の保存を行わないと判断されると、ステップb4に移行し、重畳画像の保存を行うと判断されると、次のステップb16の重畳画像保存工程に移行する。
【0069】
b16の重畳画像保存工程では、重畳画像の画像記憶部38への保存を行う。このとき重畳画像とは別にマスク画像を保存することもできる。各重畳画像および各マスク画像は、1つの文書画像に対応するものであるので、その文書画像と関連付けられた状態で、保存される。ステップb16の重畳画像保存工程の後には、ステップb4に移行し、学習支援を終了するのか否かの判断を行い、学習支援を終了するとの選択指令情報が入力されれば、本処理を終了する。
【0070】
(第3実施形態)
図4は、本発明の第3実施形態に係る学習支援方法の工程を表すフローチャートである。第3実施形態に係る学習支援装置20および学習支援方法は、第1実施形態に係る学習支援装置20および学習支援方法に類似しており、以下、第1実施形態に対する第3実施形態の相違点を中心に説明する。第3実施形態では、画像記憶部38に記憶された画像の、文書画像および重畳画像のうち、いずれか一方の表示を、選択指令入力部39からの選択指令情報に沿って行う。
【0071】
本処理開始後、ステップc1に移行し、画像記憶部38に記憶される画像を読み出すか否かの判断を行う。この工程は、第2実施形態におけるステップb1と同様である。このとき、画像記憶部38に記憶される画像を読み出すと判断されると、ステップc2に移行し、文書画像および重畳画像のうちのいずれを表示するのかの判断を行う。この工程は、選択指令入力部39からの選択指令情報を表示制御部36が判断することによって行われる。
【0072】
ここでは、複数の文書画像および複数の重畳画像のうちのいずれか1つを、選択指令情報の入力によって選択してもよいけれども、学習を支援するためには、文書画像を表示した後、これに対応する重畳画像を表示するという順序と、重畳画像を表示した後、これに対応する文書画像を表示するという順序とでは意味が異なるので、別段の指定がない場合には、重畳画像を、文書画像よりも時間的に早く表示する構成とすることが好ましい。
【0073】
第3実施形態では、ステップc2において文書画像の表示を行うと判断されると、ステップc3の文書画像表示工程に移行し、文書画像を表示する。ステップc2において重畳画像の表示を行うと判断されると、ステップc4の重畳画像表示工程に移行し、1つの重畳画像の表示の後、この重畳画像において重畳される文書画像の表示を行う。
【0074】
ステップc3およびステップc4の後には、ステップc5の工程に移行し、画像表示を終了するか否かの判断を行う。この工程は、選択指令入力部39からの選択指令情報を表示制御部36が判断することによって行われる。ステップc5の工程において、画像表示を終了しないと判断されると、ステップc2の工程に移行する。ステップc5の工程において、画像表示を終了すると判断されると、本処理を終了する。ステップc1において、画像記憶部38に記憶される画像を読み出さないと判断された場合には、ステップc6に移行し、学習支援を終了するか否かの判断を行う。ステップc6以降の工程は、第2実施形態におけるステップb4以降の工程と同様である。
【0075】
(第4実施形態)
図5は、本発明の第4実施形態に係る学習支援方法の工程を表すフローチャートである。第4実施形態に係る学習支援装置20および学習支援方法は、第1実施形態に係る学習支援装置20および学習支援方法に類似しており、以下、第1実施形態に対する第4実施形態の相違点を中心に説明する。第4実施形態では、文書画像の入力を行った後に、画像記憶部38に記憶された画像の表示を、選択指令入力部39からの選択指令情報に沿って行う。
【0076】
本処理開始後、ステップd1に移行し、学習支援を終了するか否かを判断するステップd1〜d10は、第1実施形態のステップa1〜ステップa10と同様である。ステップd10の重畳画像生成工程の後、ステップd11に移行し、文書画像および重畳画像のうちのいずれを表示するのかの判断を行う。ステップd11〜d13は、第3実施形態におけるステップc2〜c4と同様である。ただしステップd11〜d13において取扱われる文書画像および重畳画像は、画像記憶部38には、まだ記憶されていない、画像読取部21によって読み込まれた状態の文書画像およびこれに基づいて作成された重畳画像である。
【0077】
ステップd12の文書画像表示工程およびステップd13の重畳画像表示工程の後には、ステップd14の工程に移行し、ステップd11〜d13において取扱われる文書画像および重畳画像を、画像記憶部38に保存するか否かの判断を行う。この工程は、選択指令入力部39からの選択指令情報を表示制御部36が判断することによって行われる。このとき、保存しないと判断されると、ステップd1に移行し、保存すると判断されると、ステップd15に移行する。ステップd15では、画像読取部21によって読み込まれた状態の文書画像およびこれに基づいて作成された重畳画像を画像記憶部38に保存する。その後、ステップd1に移行する。
【0078】
(第5実施形態)
図6は、本発明の第5実施形態に係る学習支援装置20の構成を表すブロック図である。図7は、本発明の第5実施形態に係る学習支援方法の工程を表すフローチャートである。第5実施形態に係る学習支援装置20および学習支援方法は、第4実施形態に係る学習支援装置20および学習支援方法に類似しており、以下、第4実施形態に対する第5実施形態の相違点を中心に説明する。第5実施形態では、文書画像および重畳画像の保存を行うときに、各画像に日時情報を付与して保存する。
【0079】
学習支援装置20は、日時情報取得部42をさらに含み、日時情報取得部42は、日時情報を取得する。画像記憶部38は、画像読取部21が各文書画像を読取ったときに日時情報取得部42が取得した日時情報を、読取った各文書画像の読取日時情報として記憶する。また画像記憶部38は、表示部24が各文書画像または各重畳画像を表示したときに日時情報取得部42が取得した日時情報を、表示した各文書画像または各重畳画像の表示日時情報として記憶する。
【0080】
本処理開始後、ステップe1に移行し、学習支援を終了するか否かを判断する。ステップe1〜e14は、第4実施形態のステップd1〜d14と同様である。ステップe14において、画像読取部21によって読み込まれた状態の文書画像およびこれに基づいて作成された重畳画像を、画像記憶部38に保存すると判断されると、ステップe15に移行し、日時情報取得部42から現在日時を表す日時情報を取得する。次にステップe16に移行し、文書画像および重畳画像に日時情報を、保存日時として付与し、文書画像および重畳画像とともに記憶する。文書画像については、画像読取部21によって読取りが行われたときに日時情報取得部42から日時方法を取得し、文書画像に、文書画像の読取日時情報として付与し、記憶してもよい。その後、ステップe1に移行する。ステップd14において文書画像または重畳画像を画像記憶部38に保存しないと判断されると、ステップe1に移行する。
【0081】
第5実施形態において、文字画像入力を行うことに先立って、第3実施形態と同様に、画像記憶部38に記憶される文書画像または重畳画像を表示する構成とすることもできる。この場合には、文書画像として読取りが行われた時期、文書画像または重畳画像が表示された時期に応じて文書画像および重畳画像に優先順位を付与する構成としてもよい。また、文書画像または重畳画像の新旧に応じて表示順序を変更する構成としてもよい。
【0082】
(第6実施形態)
図8は、本発明の第6実施形態に係る学習支援装置20の構成を表すブロック図である。図9は、本発明の第6実施形態に係る学習支援方法の工程を表すフローチャートである。第6実施形態に係る学習支援装置20および学習支援方法は、第5実施形態に係る学習支援装置20および学習支援方法に類似しており、以下、第5実施形態に対する第6実施形態の相違点を中心に説明する。第6実施形態では、文書画像および重畳画像の保存を行うときに、各画像に日時情報を付与して保存し、文書画像または重畳画像の表示を行うときに、文書画像および重畳画像に付与された日時情報に基づいて、表示を制御する。
【0083】
学習支援装置20は、時間差算出部44をさらに含んで構成される。時間差算出部44は、選択指令情報の入力によって文書画像および重畳画像のうちの1つの画像が選択されると、選択指令情報の入力が行われたときに日時情報取得部42が取得した日時情報を現在日時として取得する。また時間差算出部44は、選択された文書画像の読取日時情報、または選択された重畳画像の読取日時情報と、現在日時とを比較し、時間的な差分値を算出する。表示制御部36は、時間差算出部44による算出結果が、予め定める時間的な長さ以上であるか否かを判定する。
【0084】
表示制御部36は、時間差算出部44による算出結果が予め定める時間的な長さ以上であると判定された場合、選択指令情報が一文書画像を選択する情報であるときには、前記一文書画像に関連付けられる1または複数の重畳画像が画像記憶部38に記憶されているか否かの情報を取得する。画像記憶部38に重畳画像が記憶されていれば、表示制御部36は、重畳画像の1つを表示部24に表示させる。画像記憶部38に、前記一文書画像に関連付けられる重畳画像が記憶されていなければ、前記一文書画像を表示部24に表示させる。
【0085】
時間差算出部44による算出結果が予め定める時間的な長さ未満であると判定された場合、文書画像および重畳画像の表示は、選択指令入力部39からの選択指令情報に従って、表示制御部36が表示部24を制御することによって行われる。時間差算出部44による算出結果が予め定める時間的な長さ以上であると判定され、かつ選択指令情報が重畳画像を選択する情報であるときには、選択指令情報に従って、重畳画像を表示する。時間差算出部44による算出結果が予め定める時間的な長さ以上であると判定され、選択指令情報が一文書画像を選択する情報であり、かつ複数の重畳画像が画像記憶部38に記憶されているときには、たとえば保存日時が現在日時に近い重畳画像を、保存日時が現在日時から遠い重畳画像よりも優先して表示する構成としてもよい。
【0086】
本処理開始後、ステップf1に移行し、画像記憶部38に記憶される画像を読み出すか否かの判断を行う。この工程は、第2実施形態におけるステップb1と同様である。このとき、画像記憶部38に記憶される画像を読み出すと判断されると、ステップf2に移行し、保存日時情報が、現在日時から予め定める時間的な長さ以上、前であるか否かを判定する。すなわち、保存日時が予め定める基準よりも古いか否かを判断する。このとき、予め定める定める時間的な長さ未満である、すなわち比較的新しいと判定されたときには、ステップf3に移行し、選択指令情報に応じて文書画像または重畳画像の表示を行う。ステップf2において、予め定める時間的な長さ以上である、すなわち比較的古いと判定されたときには、ステップf4に移行し、重畳画像を優先して表示する。重畳画像を表示した後には、これに対応する文書画像の表示を行ってもよい。
【0087】
ステップf3およびステップf4の後には、ステップf5に移行し、画像表示を終了するか否かを判断する。この工程は、選択指令入力部39からの選択指令情報を表示制御部36が判断することによって行われる。表示制御部36は、選択指令情報として指令信号の入力があることによって終了指令であると判断し、指令信号の入力がないことによって継続指令であると判断してもよい。ステップf5において、画像表示を終しないと判断されると、選択された画像の表示または重畳画像の表示を継続する。ステップf5において画像の表示を終了すると判断され、ステップf1に移行する。
【0088】
ステップf1において画像記憶部38に記憶された画像を表示しないと判断されると、ステップf6に移行する。ステップf6以降は、第5実施形態におけるステップe1以降と同様である。
【0089】
第6実施形態では、選択指令情報が一文書画像を選択する情報であるときに、選択された一文書画像が予め定める時間的な長さよりも長い時間を隔てた過去に読取られたものであり、かつこの一文書画像について重畳画像が画像記憶部38に記憶されていれば、一文書画像の表示よりも重畳画像の表示を優先的に行うことができる。したがって、すでに学習されていて然るべき内容には、マスク画像が重畳された重畳画像による復習学習を優先して支援することができる。
【0090】
(第7実施形態)
図10は、本発明の第7実施形態に係る学習支援装置20の構成を表すブロック図である。第7実施形態に係る学習支援装置20および学習支援方法は、第6実施形態に係る学習支援装置20および学習支援方法に類似しており、以下、第6実施形態に対する第7実施形態の相違点を中心に説明する。第7実施形態では、文書画像の内容に関連する関連情報を記憶した関連情報記憶部49が設けられ、関連情報に基づく画像表示を行う。
【0091】
学習支援装置20は、文字列抽出部46と、単語認識部48と、関連情報記憶部49と、関連画像生成部51とをさらに含んで構成される。文字列抽出部46は、連続して並ぶマスク領域に配置される複数の文字を、一連の文字列として認識する。文字列抽出部46によって認識された一連の文字列を「キー文字列」(54)と称することがある。単語認識部48は、一連の文字列の少なくとも一部の文字を単語として認識する。関連情報記憶部49は、関連情報を記憶する。関連情報は、単語認識部48によって認識される単語および前記単語に関連付けられる。関連画像生成部51は、関連情報を表示する関連画像を生成する。表示制御部36は、一連の文字列が配置される文書画像または重畳画像と、関連画像とを重畳して表示部24に表示させる。
【0092】
これによって、マスクされた文字列に関連する関連情報を関連画像として表示することができる。したがって、マスクされた文字列を介して、この文字列を含む文字画像とは異なる情報を表示することが可能となる。これによって、効果的な学習支援を行うことができる。
【0093】
図11は、本発明の第7実施形態において各重畳画像に関連付けられて記憶される蓄積情報の一例である。また第7実施形態では、単語認識部48は、単語辞書部分52を有する。単語辞書部分52は、1または複数の文字によって表される複数の単語を記憶する。単語認識部48は、表示画面上において連続して並ぶ文字表示領域に配置される複数の文字から、単語辞書部分52に記憶される複数の単語55に基づいて、単語55に一致する単語文字列を認識する。文字列抽出部46によって抽出された一連の文字列が、単語文字列に満たないとき、マスク領域認識部32は、一連の文字列を含む単語文字列の文字表示領域を、マスク領域として認識する。
【0094】
これによって、マスク領域と、これに隣接しマスク領域とは異なる領域との境界線を、単語55を表す単語文字列と、これに隣接する他の文字列との間に、自動的に位置させることができる。したがって、位置指定入力部27によって指定されたマスク領域から、単語55を成す単語文字列の一部が逸脱している場合にも、逸脱している文字列の一部を、マスクされるべきマスク領域に含むことができる。これによって、単語認識部48によって単語文字列を認識しない場合に比べて、マスク画像を作成するための入力作業を単純化することができる。
【0095】
また第7実施形態に類似する他の実施形態では、マスク領域認識部32は、文字列抽出部46によって抽出された一連の文字列と、他の一連の文字列とが、予め定める字数以下の、マスク領域とは異なる文字表示領域によって隔てられているか否かを判定してもよい。このとき、予め定める字数以下の文字表示領域によって隔てられていると判定されるならば、マスク領域認識部32は、前記一連の文字列と他の一連の文字列とを隔てている文字表示領域をもマスク領域として認識する。予め定める時数は、たとえば1字または2字などを設定する。
【0096】
これによって、連続した一連の文字列をマスク領域として指定するときに、指定に漏れがあった場合であっても、指定の漏れを補間して、マスク領域を指定することができる。これによって、補間してマスク領域を指定しない場合に比べて、マスク画像を作成するための入力作業を簡単化することができる。
【0097】
(実施例)
図12は、本発明の第1実施形態における表示画面による表示の一例である。図12(a)にはポインティング装置による位置指定情報40が入力されていない状態を表し、図12(b)にはポインティング装置による位置指定情報40が入力された状態を表している。図12(b)では、「6」,「4」,「5」の文字表示領域がそれぞれ位置指定情報40によって位置指定されている。
【0098】
図13は、本発明の第1実施形態に係る学習支援装置20のマスク情報56の内容である。図14は、本発明の第1実施形態に係る学習支援装置20の位置指定情報40の内容である。たとえば図13(a)の文字認識結果41であった場合に、マスク情報56は、図13(b)の座標情報となる。マスク情報56は、図12のようにポイントされた座標位置情報が645年の部分の座標つまり図14に示されるような情報であった場合、図13の座標を含む図13(a)の文字認識結果座標を探索し、ポイントされた座標位置情報の座標位置を含む文字認識結果座標をマスク情報56の座標とする。
【0099】
図15は、本発明の第7実施形態に係る学習支援方法の工程を表すフローチャートである。本処理開始後、ステップg1に移行し、画像記憶部38に記憶される蓄積画像を読み出すか否かの判断を行う。ステップg1において蓄積画像を読み出すと判断されると、ステップg2に移行する。ステップg2〜g6は、第6実施形態におけるステップf2〜f6と同様である。また第7実施形態におけるステップg6〜g13は、第1実施形態におけるステップa1〜a8と同様である。ステップg13のマスク領域認識工程の後、ステップg14に移行し、マスク領域に位置してマスクされる文字列に関連して記憶される関連情報を検索して抽出し、関連情報記憶部49から読み出す。次にステップg15のマスク画像生成工程に移行する。これは、第1実施形態におけるステップa9と同様である。次にステップg16の関連画像生成工程に移行し関連情報に基づく関連画像を生成する。
【0100】
次にステップg17の重畳画像生成工程に移行し、重畳画像を生成する。これには、文書画像、マスク画像および関連画像が重畳される。次にステップg18の表示制御工程に移行する。ステップg18のこの工程は、第1実施形態におけるステップa11と同様である。次にステップg19に移行し、ステップg19の次にはステップg20に移行する。ステップg19およびg20は、第3実施形態におけるステップc17およびc18と同様である。
【0101】
第7実施形態に係る学習支援方法の、第1〜第6実施形態との最も大きな差異は、ステップg14において、関連情報記憶部49に記憶される関連情報を、検索する工程が追加されることである。ここでは、ステップg13においてマスク領域として認識された領域においてマスクされた文字列をキーワードとして、関連情報記憶部49を検索する。
【0102】
図16は、第7実施形態における関連情報記憶部49に記憶される関連情報の一例である。キー文字列54とキー文字列54に関する詳細情報58が対応づけられており、キー文字列54からさらに詳細な情報が抽出できる。たとえば、歴史分野に関する関連情報であれば、たとえば年号から歴史上の事件の詳細情報58が得られたり、歴史上の人物からその人物の肖像画像データが得られたりする。詳細情報58は、キー文字列54の代わりに補間によって補われたマスク領域56の文字列または単語55として単語認識部48に認識された文字列に関連付けられていてもよい。
【0103】
これはデータベースではないので、関連情報記憶部49ではなく、画像記憶部38において記憶される。蓄積情報としては、たとえばマスクの座標、画像が保存された保存日時、文書画像と重畳画像との優先順位、および関連情報記憶部49から得られた関連情報などである。文書画像と重畳画像との優先順位については、たとえば「マスク表示ON」で重畳画像の優先度を高く設定することが表され、「マスク表示OFF」で文書画像の優先度を高く設定することが表される。
【0104】
このような蓄積情報には、さらに最終の表示日時を表す最新閲覧日時情報などが付記されていてもよい。また関連情報記憶部49は、学習支援装置20の外部の記憶装置を、学習支援装置20に接続して利用されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0105】
20 学習支援装置
21 画像読取部
22 文字認識部
24 表示部
26 文字位置認識部
27 位置指定入力部
28 指定位置判定部
32 マスク領域認識部
33 マスク画像生成部
34 重畳画像生成部
36 表示制御部
38 画像記憶部
39 選択指令入力部
42 日時情報取得部
44 時間差算出部
46 文字列抽出部
48 単語認識部
49 関連情報記憶部
51 関連画像生成部
52 単語辞書部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数の文字が記載される文書を文書画像として読取る画像読取部と、
前記文書画像に含まれる各文字を認識する文字認識部と、
表示画面を有し、前記文書画像を前記表示画面上に表示する表示部と、
前記文字認識部によって認識された各文字が配置される、前記表示画面上の領域を、文字表示領域として認識する文字位置認識部と、
前記表示画面上において位置を指定する位置指定情報を入力するための位置指定入力部と、
前記位置指定情報によって指定された位置が、前記文字表示領域に含まれるか否かを判定する指定位置判定部と、
前記位置指定入力部によって指定された位置が前記文字表示領域に含まれると、前記指定位置判定部によって判定されたときに、前記位置指定情報によって指定された位置を含む前記文字表示領域を、マスクされるべきマスク領域として認識するマスク領域認識部と、
前記マスク領域として認識された文字表示領域をマスクするマスク画像を生成するマスク画像生成部と、
前記文書画像と前記マスク画像とが重畳されて形成された重畳画像を生成する重畳画像生成部と、
前記表示部を制御し、前記表示部に前記重畳画像を表示させる表示制御部とを含むことを特徴とする学習支援装置。
【請求項2】
1または複数の前記文書画像と1または複数の前記重畳画像とを記憶する画像記憶部であって、
一文書画像に対応して1または複数の前記マスク画像が前記マスク画像生成部によって生成されたときに、前記1または複数の前記マスク画像が前記一文書画像に重畳されて形成された1または複数の重畳画像と、前記一文書画像とを、互いに関連付けて記憶する画像記憶部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の学習支援装置。
【請求項3】
前記文書画像および前記重畳画像のうちいずれか1つの画像を選択する選択指令情報を入力するための選択指令入力部をさらに含み、
前記表示制御部は、前記選択指令情報に応じて、前記表示部に、前記選択された文書画像または重畳画像を表示させることを特徴とする請求項2に記載の学習支援装置。
【請求項4】
前記画像記憶部は、前記文書画像および前記重畳画像のうち前記選択指令情報によって選択された文書画像または重畳画像に、前記選択指令情報によって選択されたことを表す選択履歴情報を付与して記憶することを特徴とする請求項3に記載の学習支援装置。
【請求項5】
日時情報を取得する日時情報取得部をさらに含み、
前記画像記憶部は、前記画像読取部が各文書画像を読取ったときに前記日時情報取得部が取得した日時情報を、読取った前記各文書画像の読取日時情報として記憶し、前記表示部が各文書画像または各重畳画像を表示したときに前記日時情報取得部が取得した日時情報を、表示した前記各文書画像または各重畳画像の表示日時情報として記憶することを特徴とする請求項3または4に記載の学習支援装置。
【請求項6】
前記選択指令情報の入力によって前記文書画像および前記重畳画像のうちの1つ画像が選択されると、前記選択指令情報の入力が行われたときに前記日時情報取得部が取得した日時情報を現在日時として取得し、前記選択された文書画像の読取日時情報、または前記選択された重畳画像の読取日時情報と、前記現在日時とを比較し、時間的な差分値を算出する時間差算出部をさらに含み、
前記表示制御部は、前記時間差算出部による算出結果が、予め定める時間的な長さ以上であるか否かを判定し、前記時間差算出部による算出結果が予め定める時間的な長さ以上であると判定された場合、
前記選択指令情報が一文書画像を選択する情報であるときには、前記一文書画像に関連付けられる1または複数の重畳画像が前記画像記憶部に記憶されているか否かの情報を取得し、
前記画像記憶部に重畳画像が記憶されていれば、前記重畳画像の1つを前記表示部に表示させ、前記画像記憶部に前記一文書画像に関連付けられる重畳画像が記憶されていなければ、前記一文書画像を表示部に表示させることを特徴とする請求項5に記載の学習支援装置。
【請求項7】
連続して並ぶ前記マスク領域に配置される複数の文字を、一連の文字列として認識する文字列抽出部と、
前記一連の文字列の少なくとも一部の文字を単語として認識する単語認識部と、
前記単語認識部によって認識される単語、および前記単語に関連付けられる関連情報を記憶する関連情報記憶部と、
前記関連情報を表示する関連画像を生成する関連画像生成部とをさらに含み、
前記表示制御部は、前記一連の文字列が配置される文書画像または重畳画像と、前記関連画像とを重畳して表示部に表示させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の学習支援装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の学習支援装置を用い、
前記画像読取部によって、1または複数の文字が記載される文書を文書画像として読取る画像読取工程と、
前記文字認識部によって、前記文書画像に含まれる各文字を認識する文字認識工程と、
前記表示部によって、前記文書画像を前記表示画面上に表示する表示工程と、
前記文字位置認識部によって、前記文字認識工程において認識された各文字が配置される、前記表示画面上の領域を、文字表示領域として認識する文字位置認識工程と、
前記位置指定入力部によって、前記表示画面上において位置を指定する位置指定情報を入力する位置指定入力工程と、
前記指定位置判定部によって、前記位置指定入力工程において指定された位置が、前記文字表示領域に含まれるか否かを判定する指定位置判定工程と、
前記位置指定情報によって指定された位置が、前記文字表示領域に含まれると、前記指定位置判定工程において判定されたときに、前記マスク領域認識部によって、前記位置指定入力工程において指定された位置を含む前記文字表示領域を、マスクされるべきマスク領域として認識するマスク領域認識工程と、
前記マスク画像生成部によって、前記マスク領域として認識された文字表示領域をマスクするマスク画像を生成するマスク画像生成工程と、
前記重畳画像生成部によって、前記文書画像と前記マスク画像とが重畳されて形成された重畳画像を生成する重畳画像生成工程と、
前記表示制御部によって前記表示部を制御し、前記表示部に前記重畳画像を表示させる表示制御工程とを含むことを特徴とする学習支援方法。
【請求項9】
1または複数の文字が記載される文書を文書画像として読取る画像読取部と、表示画面を有し、前記文書画像を前記表示画面上に表示する表示部と、
前記表示画面上において位置を指定する位置指定情報を入力するための位置指定入力部とに接続されたコンピュータを、
前記文書画像に含まれる各文字を認識する文字認識部、
前記文字認識部によって認識された各文字が配置される、前記表示画面上の領域を、文字表示領域として認識する文字位置認識部、
前記位置指定情報によって指定された位置が、前記文字表示領域に含まれるか否かを判定する指定位置判定部、
前記位置指定入力部によって指定された位置が前記文字表示領域に含まれると、前記指定位置判定部によって判定されたときに、前記位置指定情報によって指定された位置を含む前記文字表示領域を、マスクされるべきマスク領域として認識するマスク領域認識部、
前記マスク領域として認識された文字表示領域をマスクするマスク画像を生成するマスク画像生成部、
前記文書画像と前記マスク画像とが重畳されて形成された重畳画像を生成する重畳画像生成部、および
前記表示部を制御し、前記表示部に前記重畳画像を表示させる表示制御部として機能させることを特徴とする学習支援プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の学習支援プログラムが、コンピュータに読取り可能に記録される記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図12】
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