説明

学習能力を有するボディマッサージ機

【解決手段】膜を取り付けたハウジングと、膜の内側面に係合して膜の内側面に沿って可動自在であるとともにカップ内に可動自在に保持された玉と、玉とカップとを膜の内側面に亘って駆動させる駆動手段とを備えているボディマッサージ機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の好みを学習する能力を有したボディマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者の身体に当てられた際に気持ちの良いストレス解消になる感覚をもたらす様々なボディマッサージ機が知られている。
電動モータを備えたボディマッサージ機が知られており、振動などの動作が引き起こされて、使用者が必要とする労力を増大させることなく、マッサージの質を向上できるように設計されている。
【0003】
このような電動式のボディマッサージ機には、いくつかの異なる設定があり、例えば、異なる振動数の選択肢を有している。
しかし、使用者により選択される選択肢は、非常に限られ、マッサージ機は、通常、マッサージセッションの過程におけるマッサージ機の動作特性のプログラム可能な変化を提供していない。
具体的には、マッサージング手段の複雑な動作を制御可能な形で提供するのに伴う問題がある。
【0004】
また、複雑なマッサージ動作を行うことができるマッサージ機を提供するのに伴う問題は、そのようなマッサージ機の相反する要件のために生じている。
マッサージ機は外部装置に接続することなく使用可能であることが好ましく、そのためには、可動部は電源内蔵式である必要がある。
しかし、構成部材の全体的な配置は、安全性および確実性を備える必要があり、したがって、マッサージ機は使用者の身体上で使用するのに安全かつ快適であり、例えば、マッサージ機は皮膚や毛髪を捕らえてしまってはいけない。
さらに、必要な可動部は、損傷を受けやすいため、損傷の可能性を最小限に抑えるように配置する必要がある。
さらに、構成部材の配置は、マッサージ機が使用者にとって操作および清掃しやすいように、シンプルなものである必要がある。
最後に、可動部を駆動する駆動手段が、可動部自体の境界をかなり超えて延在するため、マッサージ機が嵩張ってしまうという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、前述したような従来のボディマッサージ機の制約を解決するとともに、高度にプログラムできる可能性と動作バリエーションと使用者による制御機能とを有するボディマッサージ機を提供することである。
本発明の目的は、所要の動作を実現するとともに、安全性、確実性、コンパクト性を有するボディマッサージ機を提供することである。
また、本発明の目的は、制御可能な複雑な動作を実行可能なボディマッサージ機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、膜を取り付けたハウジングと、膜の内側面に係合して膜の内側面に沿って可動自在であるとともにカップ内に可動自在に保持された玉と、玉とカップとを膜の内側面に亘って駆動させる駆動手段とを備えているボディマッサージ機により達成される。
【0007】
カップ内に保持された玉を有するマッサージング手段の構成は、マッサージング手段のメンテナンスフリーで低摩擦の動作を提供するため、注油を必要としない。
これは、擦傷により、または、マッサージング手段が膜にひっかかる(catching against)ことにより生じる膜の損傷を低減するため、膜の寿命を延ばすという利点を有している。
例えば、玉を膜の内側面に沿って動かす際に、玉がそのカップ内で動かなくなった場合、玉は膜の内側面にひっかかって(catch on)、膜を局所的に引き伸ばし、膜が引き裂かれることになる可能性が極めて高い。
【0008】
膜自体は、滑らかなマッサージング面を提供するとともに、ボディマッサージ機の内部への液体の侵入を阻止するようになっている。
【0009】
また、本発明の目的は、使用者の好みを学習する能力を有したボディマッサージ機内のマッサージング手段の動作を制御する制御システムであって、マッサージング手段の動作を駆動する駆動手段と、マッサージング手段の動作を駆動手段により制御するコントローラと、マッサージング手段の位置を検知する位置センサと、前記マッサージング手段の位置を記憶するメモリと、マッサージング手段によって実行される動作シーケンスを繰り返すまたは進めることを使用者が入力する入力手段とを備え、コントローラは、様々な動作シーケンスがコントローラにより生成された後にマッサージング手段により実行され、使用者による入力に基づいて特定の動作シーケンスに対する点数がメモリに記録され、点数がコントローラにより使用されて特定のシーケンスの使用頻度を決定するように構成されている制御システムにより達成される。
【0010】
どの動作が使用者により好まれるのかを学習する能力を有するボディマッサージ機は、
その機構が完全に内蔵されている。
動作は全て、マイクロプロセッサによりランダムに生成されるため、限られた種類の動作が繰返し実行されることで使用者が飽きることを防止できる。
新しい様々な動作がシーケンスに含まれる可能性は常にあり、その場合、使用者は好き嫌いを選別することができる。
【0011】
本発明の一実施例であるボディマッサージ機を図面に基づいて以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1a】本発明の一実施例であるボディマッサージ機を示す透視図。
【図1b】本発明の一実施例であるボディマッサージ機を示す側面透視図。
【図1c】振動枠とモータとを備えた状態を示す透視図。
【図2】マイクロプロセッサによる学習プロセスと学習プロセスに関係する重要なステップの一例を示す流れ図。
【図3】マッサージ機に設置されるボタンの配置の一例を示す図。
【図4】マッサージング手段の軌道を異なるセクタに分割する方法の一例を示す図。
【図5】様々な動作の情報がメモリに記憶させる方法の一例を示す図。
【図6】楕円形の軌道の周囲における様々な動作の例を示す図。
【図7】駆動手段の変形例を示す平面図。
【図8】駆動手段の更なる変形例を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施例であるボディマッサージ機は、図1aおよび図1bに示すように、ハウジング1を備え、このハウジング1は、カップ内に保持された玉6を有するマッサージング手段7と、第1プーリ4および第2プーリ5と、ベルト3とを収容している。
ベルト3は、エラストマー膜2の内側でマッサージング手段7を動かす移動させるように設けられ、エラストマー膜2は、ハウジング1に形成された開口部と、ウォームギヤ9を介してマッサージング手段7を駆動する第1電気モータ10とを覆っている。
ハウジング1に形成された開口部は、マッサージング手段7の上方に位置するとともに、マッサージング手段7が移動する領域に亘って設けられている。
【0014】
ハウジング1は、プラスチックで成形され、使用者がマッサージング手段7を身体に当てる際に、使用者が片手で把持できるように人間工学的に成形および設計されている。
本実施例では、ハウジング1は、2つの構成部分から構成されており、この2つの構成部分は、別々に成形された後、一体に接合されている。
【0015】
エラストマー膜2は、図1bに示すように、ハウジング1に形成された開口部をまたぐ、すなわち、覆っている。
本実施例では、エラストマー膜2は、連続し、弾性を有し、全ての側面上にハウジング1の縁部の上方および周囲に延在し、その結果、ハウジング1を構成する2つの構成部分の間の接合部を覆って液体の浸入を阻止するように設計されている。
【0016】
ハウジング1は、異なる質感を有する交換可能な様々な膜に適合するため、使用者は、様々な「皮膚」の感触、例えば、外面上にリッジ、または、隆起部を有する膜の感触を楽しむことができ、その膜の内側でマッサージング手段7は移動するように設計されている。
【0017】
種々の制御ボタンが、ハウジング1に設けられている。
本実施例では、制御ボタンは、ハウジング1のマッサージング手段7の配置箇所と反対側に配置され、制御ボタンは、硬質プラスチック材料と軟質プラスチック材料とを組み合わせて成形され、液体がその周囲に入ることがないように、ハウジング1に対して一体成形されている。
図3は、ボディマッサージ機で使用される制御ボタンの配置の一例を示している。
【0018】
本実施例におけるコントローラは、ハウジング1の内部に配置されるマイクロプロセッサ(図示しない)を組み込んだ回路である。
マッサージング手段7は、図1aに示すように、第1電気モータ10により駆動され、本実施例では、第1電気モータ10として、ステッピングモータ(stepper motor)が採用されている。
第1電気モータ10は、時計方向または反時計方向の両方向に回転でき、制御された速度および加速度で出力軸の正確な角度セグメントの回転を生じさせるように設計されている。
【0019】
マッサージング手段7を予測できる反復可能なパターンで移動させるために、マッサージング手段7の位置情報が、マイクロプロセッサにフィードバックされるように設計されているのが好ましい。
本実施例では、この機能は、ストライプディスク、または、マーカと光学センサとで構成された機構に光学エンコーダを取り付けることにより達成されるように設計されている。
本実施例では、2つの光学エンコーダ(図示しない)が、使用されている。
【0020】
マッサージング手段7の休止位置および動作位置は、複数のセンサと、駆動手段に取り付けられた1つのエンコーダディスク、または、マーカとにより読み取られ、マイクロプロセッサにフィードバックされるように設計されている。
本実施例で採用する前述した手段は、マイクロプロセッサに位置情報を提供する一手段に過ぎず、類似の機能を提供する手段は他にも多く存在することは言うまでもない。
【0021】
本実施例では、第2プーリ5は、第1電気モータ10の出力軸に取り付けられたウォームギヤ9を介して第1電気モータ10に連結されている。
第1電気モータ10は、動作指令を与えるマイクロプロセッサにより駆動され、この動作指令は、第1電気モータ10にベルト3、したがって、マッサージング手段7をその軌道の全領域または一部領域において時計方向または反時計方向に様々な速度で駆動させるように設計されている。
これにより、マッサージング手段7のマッサージング動作が、エラストマー膜2の内側で生じるように設計されている。
【0022】
マッサージング手段7は、エラストマー膜2の内側面に沿って移動するように設計されている。
本実施例では、マッサージング手段7は、直径の異なる第1歯付きホイールとしての第1プーリ4と第2歯付きホイールとしての第2プーリ5の周囲で環状を呈する輪付きのベルト3により、これらを覆うエラストマー膜2と実質的に平行なX−Y面内を「卵」形の楕円軌道で移動するように設計されている。
以下では、この軌道をトラックと称するとともに、ベルト3と第1プーリ4および第2プーリ5とからなる構成を駆動手段と称する。
【0023】
本発明で用いられる駆動手段として、前述した構成以外にも様々なものが考えられる。
例えば、駆動手段は、平ベルトまたはチェーンを備えていても良く、ベルトに沿ってグループ化または分散された複数のマッサージング手段を有していても良い。
また、駆動手段は、3つ以上のホイール(プーリ)を有し、それにより、別の形状のトラックを描いていても良い。
【0024】
図7および図8は、2つの変形例を示している。
図7では、玉6およびカップ(マッサージング手段)7は、前述した実施例と同様に、エラストマー膜2の内側に設けられている。
追加で設けられた支持軸受20は、カップ7内における玉6の円滑な動作を確実にするために設けられている。
図7に示す変形例では、カップ7および玉6のシンプルな回転動作を可能にするために、カップ7が回転円板21上に設置されており、その結果、駆動手段は、前述した実施例と比較して簡便化されている。
この回転円板21は、必要に応じて、前述した単純な回転動作以外の何らかの作用を発揮するために、他の構成要素と共に使用しても何ら構わない。
図8は、更なる変形例を示しており、この更なる変形例では、玉6とカップ7とは、前述した実施例と同様に、エラストマー膜2の内側に配置され、ウォームねじ22により支持されて直線状に駆動するように設計されている。
本変形例の場合においても、この駆動手段は、より複雑な動作を付与するために他の手段と組み合わせて使用されても何ら構わない。
【0025】
マッサージング手段7に、振動を与えても良い。
これは、マッサージング手段7自体に振動手段を直接的に取り付けることで達成しても良く、また、図1cに示すように間接的に達成しても良い。
【0026】
本実施例では、振動は、回転偏心質量(revolving eccentric mass)、すなわち、偏心荷重を回転させることにより、マッサージング手段7に与えられている。
この偏心荷重は、第2電気モータ12の軸に取り付けられ、この第2電気モータ12は、ハウジング1内の可撓性取付け台に取り付けられたフレーム11に剛直に取り付けられている。
本実施例では、可撓性取付け台として、弾性ゴムブッシュが採用されている。
マッサージング手段7の駆動手段も、このフレーム11に取り付けられている。
したがって、マッサージング手段7は、ハウジング1から独立して振動するように設計されている。
【0027】
振動発生用の第2電気モータ12は、マイクロプロセッサにより制御され、したがって、マッサージング手段7は、様々な速度で振動してマッサージ動作を補完するように設計されていても良い。
振動数は、0〜120ヘルツの範囲で設定しても良く、振幅は、マッサージング手段7において約1mmに設定しても良い。
【0028】
本実施例のボディマッサージ機には、図3に示すように、5つのボタンが設けられている。
5つのボタンのうちの2つは、マッサージング手段7の動作を制御し、動作シーケンスを(次に)進めるかまたは繰り返すために使用されている。
5つのボタンのうちの2つは、動作速度および振動速度を制御し、1回押すと動作速度が増減し、同じボタンを押し下げたままに(いわゆる、長押し)すると、振動強度が増減するように設計されている。
そして、5番目のボタンは、いくつかの特徴を有しており、この5番目のボタンは、主として電源ボタンであるが、プレイ/ストップ、ポーズ/再開、連続モードの設定/解除にも使用することができ、それにより、特定の動作シーケンスが連続的に実行されるように設計されている。
【0029】
ハウジング1上に設けられるボタンの数は、5つに限定されることなく、および/または、ボタンは、異なる機能を担っていても良い。
また、ボタンは、他の場所、例えば、ハウジング1の側面のうちの1つに配置しても良く、ハウジング1とは別個に製造しても良い。
【0030】
マッサージ機は、再充電式の電池により電力を供給されるように設計しても良く、この場合、ハウジング1には、充電器プラグを受容するハウジング1上の電気ソケット用の開口部が設けられている。
この場合においても、電気ソケットは、例えば、液体の浸入を阻止するために、可撓性プラグで封止されても良い。
【0031】
第1プーリ4、第2プーリ5、フレーム11などの機械的構成要素は、ナイロンなどのプラスチック材料で成形しても良く、かつ、自己潤滑性を有するように設計しても良く、または、必要に応じて、特定の構成要素を金属で成形しても良い。
【0032】
ボディマッサージ機は、トラックの周囲でのマッサージング手段7の動作に関する外部指令を受けず、代わりに、動作指令は、全て、ハウジング1内のマイクロプロセッサにより生成された後、第1電気モータ10と第2電気モータ12とに供給されるように設計されている。
マイクロプロセッサは、使用者がどの動作を好み、どの動作を好まないかを「学習する」ようにプログラムされ、その結果、ボディマッサージ機は、各使用者に個人化されるように設計されている。
【0033】
次に、学習プロセスについて、図2に基づいて、より詳細に説明する。
マッサージ機が使用される度に、マイクロプロセッサは、第1電気モータ10に対して、駆動手段によるマッサージング手段7のランダムな動作シーケンス、または、擬似的にランダムな動作シーケンスのための指令を生成して供給し、次いで、使用者は、その動作シーケンスを好むかどうかを判断する。
マッサージセッションの間、マイクロプロセッサは、動作の経過時間に対するパラメータを変化させ、例えば、動作を変更するための指令を受けていない場合、マッサージング手段7の現在の動作は、次第にさらに短くなる。
【0034】
使用者は、この動作速度の制御と振動の制御とを含むシーケンスに介在することができる。
したがって、ランダム動作の間、いつでも、使用者は、別のランダムな動作シーケンスに移行するか、または、以前のランダムな動作シーケンスに戻ることを決定することにより、前述したような漸進的な変化を無効にすることができる。
【0035】
もう1つの特徴は、手動による入力または単なる所定時間の経過を理由として、経過時間に応じて、次のランダムな動作シーケンスに移行することである。
【0036】
図2に示した実施例では、使用者は、「通常」モードか「手動」モードのどちらかを選択する。
「通常」モードが選択されると、最高ランクの動作(すなわち、後述するように各動作にランクをつけた場合に、最も高いランクを付けられた動作)が選択され、最初は、無振動かつ最低速度で、ボディマッサージ機が稼働する。
次いで、使用者は、個人的な好みに応じて、これらの特性(すなわち、動作速度や振動の強度)を調節できる。
【0037】
使用者が「手動」モードを選択した場合、ボディマッサージ機は、学習プログラム(学習モード)に入る。
ランダム動作が、マッサージング手段7により行われ、最初は、無振動かつ最低速度で、ボディマッサージ機が稼働する。
使用者は、個人的な好みに応じて、これらのランダム動作を絞り込み、ボディマッサージ機は、これら使用者の個人的な好みを選択に応じて点数を割り当てることにより学習するように設計されている。
これは、ボディマッサージ機に設けられたボタンを用いて行われるように設計されている。
ボディマッサージ機は、各動作に点数(例えば、数値点数)を割り当て、この点数は、使用者の好む動作を記憶するためにメモリに保存される。
【0038】
使用者は、以前の動作を繰り返すことを選択でき、その場合、現在の動作には点数0が割り当てられ、以前の動作には点数+1が割り当てられる。
【0039】
使用者は、次の動作に移行することを選択でき、その場合、現在の動作には点数−1が割り当てられる。
【0040】
使用者は、現在の動作を継続することを選択でき、その場合、その動作には点数+1が割り当てられる。
次いで、使用者は、利用可能な全ての選択肢を再度有することになる。
【0041】
これらの選択肢に加えて、前述したように、使用者は、動作速度と振動速度の両方をいつでも増減させることができる。
【0042】
しかし、使用者がボタンを押さない場合、現在の動作は、20秒後に短くなり、この場合にも、使用者は、利用可能な全ての選択肢を有することになる。
【0043】
もちろん、これは、ボディマッサージ機が、使用者の好みを学習する一方法に過ぎない。
【0044】
別の「学習する」方法として、使用者が動作シーケンスについて決定する度、または、動作速度または振動速度を手動で調節する度に、マイクロプロセッサは、その動作シーケンスに点数、または、「支持率(popularity rating)」を割り当て、それをメモリに保存するように設計しても良い。
例えば、使用者が実行するように選択した動作シーケンスは、使用者がそれからどれくらいの速さで進めたのかに応じて点数が下がるのに対して、使用者が戻るように選択した動作シーケンスは、高い点数になる。
使用者が変更しなかった動作シーケンスにも、点数が割り当てられる。
【0045】
更なる別の「学習する」方法として、使用者が動作シーケンスについて決定する度に、マイクロプロセッサは、選択済みの変更を記憶するとともに、その変更の明細(description)をメモリに保存するように設計しても良い。
これらの記憶された明細は、マイクロプロセッサにより支持率を与えられ、明細がメモリに提示される回数が多いほど、支持率はますます高くなる。
【0046】
マイクロプロセッサは、使用者の好む動作を学習するにつれて、別の動作が要求される度に単純に動作をランダムに作り出すのではなく、これらの動作をマッサージシーケンス内により頻繁に含め始める。
マイクロプロセッサは、ランダムな動作を作り出してマッサージシーケンスに導入し続けるが、マイクロプロセッサは、使用者の好みを「学習」すればするほど(または、各動作の点数が高くなるほど)、好ましい動作をマッサージシーケンスに含めることが多くなる。
【0047】
図4乃至図6は、直径の異なる2つのプーリを使用して作られた楕円形のトラックの周囲における動作の一例である。
【0048】
図4は、トラックがどのようにして異なるセクタに分割されているかを示し、これらのセクタは、番号が付けられ、次いで、図5に示すように、動作を描くためにマイクロプロセッサにより使用されるように設計されている。
【0049】
図5には、マイクロプロセッサが動作を描く一例が、示されている。
本実施例では、動作は、4つの特徴に分割され、この4つの特徴とは、動作の長さ、動作が始まるトラックのセクタ、動作が終わるトラックのセクタ、および、割り当てられた点数に応じたその動作の現在のランクである。
図6は、楕円形のトラックの周囲での可能な動作の複数の例を示している。
【0050】
いくつかの異なる形状のトラックが、ボディマッサージ機に使用されるプーリの数およびサイズに応じて形成されること、また、これらトラックの周囲におけるマッサージング手段7の動作を制御する複数の異なる方法が存在することは言うまでもない。
【符号の説明】
【0051】
1 ・・・ ハウジング
2 ・・・ エラストマー膜
3 ・・・ ベルト
4 ・・・ 第1プーリ
5 ・・・ 第2プーリ
6 ・・・ 玉
7 ・・・ マッサージング手段(カップ)
9 ・・・ ウォームギヤ
10 ・・・ 第1電気モータ
11 ・・・ フレーム
12 ・・・ 第2電気モータ
20 ・・・ 支持軸受
21 ・・・ 回転円板
22 ・・・ ウォームねじ
【図1a−1b】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜を取り付けたハウジングと、前記膜の内側面に係合して膜の内側面に沿って可動自在であるとともにカップ内に可動自在に保持された玉と、該玉とカップとを膜の内側面に亘って駆動させる駆動手段とを備えていることを特徴とするボディマッサージ機。
【請求項2】
前記駆動手段が、ステッピングモータを備えていることを特徴とする請求項1に記載のボディマッサージ機。
【請求項3】
前記駆動手段が、直流モータを備えていることを特徴とする請求項1に記載のボディマッサージ機。
【請求項4】
前記駆動手段が、前記カップに取り付けられるベルトを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のボディマッサージ機。
【請求項5】
前記ベルトが、複数のホイールの周囲で駆動されるように設計されていることを特徴とする請求項4に記載のボディマッサージ機。
【請求項6】
前記複数のホイールの直径が、それぞれ異なるように設定されていることを特徴とする請求項5に記載のボディマッサージ機。
【請求項7】
前記駆動手段が、可撓性取付け台に取り付けられたフレーム上に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のボディマッサージ機。
【請求項8】
前記カップと玉とを振動させる振動手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のボディマッサージ機。
【請求項9】
前記振動の速度が、調節自在であることを特徴とする請求項8に記載のボディマッサージ機。
【請求項10】
前記振動手段が、前記フレームに取り付けられた直流モータと、該直流モータの軸に取り付けられた偏心荷重とにより提供されていることを特徴とする請求項8または請求項9に記載のボディマッサージ機。
【請求項11】
前記駆動手段により与えられる動作の速度および方向が、調節自在であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のボディマッサージ機。
【請求項12】
使用者の好みを学習する能力を有したボディマッサージ機内のマッサージング手段の動作を制御する制御システムであって、
前記マッサージング手段の動作を駆動する駆動手段と、前記マッサージング手段の動作を駆動手段により制御するコントローラと、前記マッサージング手段の位置を検知する位置センサと、前記マッサージング手段の位置を記憶するメモリと、前記マッサージング手段によって実行される動作シーケンスを繰り返すまたは進めることを使用者が入力する入力手段とを備え、
前記コントローラは、様々な動作シーケンスがコントローラにより生成された後にマッサージング手段により実行され、前記使用者による入力に基づいて特定の動作シーケンスに対する点数がメモリに記録され、前記点数がコントローラにより使用されて特定のシーケンスの使用頻度を決定するように構成されていることを特徴とする制御システム。
【請求項13】
前記コントローラが、前記マッサージング手段のためのランダムな動作シーケンス、または、擬似的なランダムな動作シーケンスを作り出し、前記ランダムな動作シーケンスのパラメータが、経過時間に対して変化するように設計されていることを特徴とする請求項12に記載のボディマッサージ機。
【請求項14】
前記点数が、前記各動作シーケンスの実行時間量に応じて得られるように設計されていることを特徴とする請求項12または請求項13に記載のボディマッサージ機。
【請求項15】
前記点数が、前記各動作シーケンスの実行頻度に応じて得られるように設計されていることを特徴とする請求項12または請求項13に記載のボディマッサージ機。

【図1c】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−517610(P2010−517610A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547767(P2009−547767)
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【国際出願番号】PCT/GB2008/000395
【国際公開番号】WO2008/096120
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(509217976)シーエルアイキュー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】