説明

学習装置、学習装置の制御方法及び学習システム

【課題】問題に対する解答の問題点を詳細に分析できる学習装置、学習装置の制御方法及び学習システムを提供する。
【解決手段】学習者は表示部33に表示された問題の解答をペン2Aで表示部33に記述する。学習端末2は学習者の解答の記述を録画し、解答に予め設定されている各チェックポイントを通過する経過時間を計測する。各チェックポイントの通過時間はチャプター情報として記憶する。学習端末2は録画データとチャプター情報を管理サーバ4に送信する。学習者は解き終わった問題の解答を分析する為、学習端末2は管理サーバ4から問題の解答の録画データ及びチャプター情報を取得する。学習端末2は録画データと、チャプター情報に基づくチェックポイントの通過時間を表示部33に表示する。それ故、学習者は自己の解答の問題点を詳細に分析できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習者に問題を解答可能に出題する学習装置、学習装置の制御方法及び学習システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的な学習において、学習理解度を把握するためにテストが実施される。学習者にフィードバックされる情報は、点数・偏差値・順位および解答の正誤情報等である。これらの情報からでは、解答が正しくできたかできていないのかという総合的な把握しかできない。よって、できていない部分を復習し、正解できるようになるまで問題を繰り返し解くことがおこなわれていた。そこで、解答の正誤のみならず、解答に要した時間を勘案して評価を行うとともに、正答が得られなかった場合に、正答へと導くためのヒントを提示する学習システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−221893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の学習システムは、その問題に対する解答の正誤や解答に要した時間を評価するのみである。それ故、その問題の正しい解答を導く過程における反省点や改善点などを把握することはできなかった。
【0005】
本発明の目的は、問題に対する解答の問題点を詳細に分析できる学習装置、学習装置の制御方法及び学習システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る学習装置は、学習者に問題を解答可能に出題する学習装置であって、前記学習者の解答状態の情報である解答情報を取得する解答情報取得手段と、前記解答情報取得手段によって取得された前記解答情報を第1記憶部に記憶する第1記憶制御手段と、前記問題に対する解答のチェックポイントの情報であるチェックポイント情報を取得するチェックポイント情報取得手段と、前記第1記憶部に記憶された前記解答情報に基づき、前記学習者の解答が、前記チェックポイント情報取得手段によって取得された前記チェックポイント情報に基づくチェックポイントに到達したか否かを判定する判定手段と、前記第1記憶部に記憶された前記解答情報と、前記判定手段による判定結果の情報である判定情報とを関連付けて読み出し可能に第2記憶部に記憶する第2記憶制御手段と
を備えている。
【0007】
第1態様に係る学習装置では、解答中に予め設定されたチェックポイントに到達したか否かを判定することで、学習者が自ら導いた解答のどこに問題があったかを明確に知ることができる。自分が導いた解答を詳細に分析できるので現時点での自己の反省点や改善点がわかる。故に効率の良い学習方法を提供できる。
【0008】
また第1態様では、前記学習者の解答における経過時間を計測する計測手段を備え、前記第1記憶制御手段は、前記解答情報を、前記計測手段によって計測された前記経過時間と関連付けて前記第1記憶部に記憶し、前記チェックポイント情報は、前記チェックポイント毎に、前記問題に対する解答中の特定のキーワードを有し、前記判定手段は、前記学習者の解答中に、前記チェックポイント情報取得手段によって取得された前記チェックポイント情報に含まれる特定のキーワードがあった場合に、当該特定のキーワードに対応するチェックポイントに到達したと判定するようにしてもよい。学習者の解答情報を、解答の際の経過時間と関連付けて記憶するので、解答のどの部分に時間がかかり、又は速く解答できたかを明確に知ることができる。また、学習者の解答中にチェックポイントに対応する特定のキーワードの有無を判定することで、チェックポイントに到達したか否かを正確に判定できる。
【0009】
また第1態様では、前記学習者による前記問題の解答中の修正動作に関する修正情報を取得する修正情報取得手段を備え、前記第2記憶制御手段は、前記修正情報取得手段が取得された前記修正情報を、前記第2記憶部に記憶された前記解答情報、及び前記判定情報のうち少なくとも何れかに関連付けて前記第2記憶部に記憶するようにしてもよい。学習者の解答中の修正情報を第1記憶部に関連付けて記憶するので、学習者が解答中に修正にどの程度時間をかけたか等を明確に知ることができる。
【0010】
また第1態様では、前記問題に対する他の学習者の解答状態の情報である他解答情報を取得する他解答情報取得手段と、前記第2記憶部に記憶された前記解答情報と、前記他解答情報取得手段によって取得された前記他解答情報とを表示部に比較可能に提示する比較提示手段とを備えてもよい。表示部に、他の学習者の解答状態を、自己の解答状態と比較可能に提示できるので、他の学習者と比べてどこが良くてどこが良くないかを客観的に分析することができる。
【0011】
また第1態様では、前記解答情報取得手段は、前記学習者の解答の映像である映像情報を前記解答状態として取得し、前記第1記憶部には前記映像情報が記憶され、前記判定手段は、前記第1記憶部に記憶された前記映像情報に基づき、前記学習者の解答が、前記チェックポイント情報取得手段によって取得された前記チェックポイント情報に基づくチェックポイントに到達したか否かを判定するようにしてもよい。学習者の解答状態を映像情報として取得するので、その映像情報に基づいて、チェックポイントに到達したか否かを明確に判定することができる。
【0012】
本発明の第2態様に係る学習装置の制御方法は、学習者に問題を解答可能に出題する学習装置の制御方法であって、前記学習者の解答状態の情報である解答情報を取得する解答情報取得ステップと、前記解答情報取得ステップにおいて取得された前記解答情報を第1記憶部に記憶する第1記憶制御ステップと、前記問題に対する解答のチェックポイントの情報であるチェックポイント情報を取得するチェックポイント情報取得ステップと、前記第1記憶部に記憶された前記解答状態に基づき、前記学習者の解答が、前記チェックポイント情報取得ステップにおいて取得された前記チェックポイント情報に基づくチェックポイントに到達したか否かを判定する判定ステップと、前記第1記憶部に記憶された前記解答情報と、前記判定手段による判定結果の情報である判定情報とを関連付けて読み出し可能に第2記憶部に記憶する第2記憶制御ステップとを備えている。
【0013】
第2態様に係る学習方法では、解答中に予め設定されたチェックポイントに到達したか否かを判定することで、学習者が自ら導いた解答のどこに問題があったかを明確に知ることができる。自分が導いた解答を詳細に分析できるので現時点での自己の強みと弱みがわかる。故に効率の良い学習方法を提供できる。
【0014】
本発明の第3態様に係る学習システムは、端末装置と、当該端末装置にネットワークを介して接続されるサーバ装置とを備え、学習者に問題を解答可能に出題する学習システムであって、前記端末装置は、前記学習者の識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記学習者の解答状態の情報である解答情報を取得する解答情報取得手段と、前記解答情報取得手段によって取得された前記解答情報を第3記憶部に記憶する第3記憶制御手段と、前記問題に対する解答のチェックポイントの情報であるチェックポイント情報を前記サーバ装置から取得するチェックポイント情報取得手段と、前記第3記憶部に記憶された前記解答情報に基づき、前記学習者の解答が前記チェックポイント情報取得手段によって取得された前記チェックポイントに到達したか否かを判定する端末側判定手段と、前記第3記憶部に記憶された前記解答情報と、前記判定手段による判定結果の情報である判定情報とを、前記識別情報取得手段によって取得された前記識別情報と関連付けて前記サーバ装置に送信する端末側情報送信手段と、前記サーバ装置に前記学習者毎の前記解答情報及び前記判定情報を要求する情報要求手段と、前記サーバ装置から前記端末装置の要求に応じて送信された前記学習者毎の前記解答情報及び前記判定情報を受信する端末側情報受信手段と、前記端末側受信手段によって受信された前記学習者毎の前記解答情報及び前記判定情報を出力する情報出力手段とを備え、前記サーバ装置は、前記端末装置に前記問題に対応する前記チェックポイント情報を前記端末装置に送信するチェックポイント情報送信手段と、前記端末装置の前記端末側情報送信手段によって送信された前記識別情報、前記解答情報及び前記判定情報を受信し、前記識別情報に基づき、前記解答情報及び前記判定情報を学習者毎に第4記憶部に記憶する第4記憶制御手段と、前記端末装置の前記情報要求手段の要求に応じて前記第4記憶部に記憶された前記学習者毎の前記解答情報及び前記判定情報を前記端末装置に送信するサーバ側送信手段とを備えている。
【0015】
第3態様に係る学習システムでは、解答中に予め設定されたチェックポイントに到達したか否かを判定することで、学習者が自ら導いた解答のどこに問題があったかを明確に知ることができる。自分が導いた解答を詳細に分析できるので現時点での自己の強みと弱みがわかる。故に効率の良い学習方法を提供できる。また、サーバ装置において、解答情報及び判定情報を学習者毎に記憶するので、学習した記録を学習者毎に管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】学習システム1の構成を示す図である。
【図2】学習者に提示される問題例とその解答例を示す図である。
【図3】学習端末2の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】HDD25の各種記憶領域を示す概念図である。
【図5】管理サーバ4の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】HDD45の各種記憶領域を示す概念図である。
【図7】学習制御処理のフローチャートである。
【図8】問題解答処理のフローチャートである。
【図9】図8の続きのフローチャートである。
【図10】図9の続きのフローチャートである。
【図11】映像再生処理のフローチャートである。
【図12】学習DB制御処理のフローチャートである。
【図13】図12の続きのフローチャートである。
【図14】5分経過時の進捗表70を示す図である。
【図15】最終進捗表80を示す図である。
【図16】確認画面90を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態である学習端末2、学習端末2の制御方法及び学習システム1について、図面を参照して説明する。参照する図面は本発明が採用し得る技術的特徴を説明する為に用いられるものである。図面に記載した装置の構成、各種処理のフローチャート等はそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例である。
【0018】
先ず、学習システム1の構成について説明する。図1に示すように、学習システム1は、学習端末2、及び管理サーバ4を備える。学習端末2及び管理サーバ4はインターネット5に接続されている。インターネット5にはWebサーバ7が接続されている。学習端末2、管理サーバ4、及びWebサーバ7はインターネット5経由でデータを送受信可能である。学習端末2は表示部33を有する。表示部33は液晶であり静電式のタッチパネル33A(図3参照)を搭載する。学習者Aはペン2Aにより表示部33に表示された画面等にタッチすることにより各種入力を行う。管理サーバ4は学習端末2から送信される各種情報を学習者情報と対応付けて一元管理する。学習者情報は学習者を識別可能な情報である。なお本実施形態では学習者Aが学習端末2で学習する状況を想定する。
【0019】
次に、学習システム1の実施概要について説明する。図1に示すように、先ず、学習端末2は数学等の問題のデータをWebサーバ7から取得する(図1中矢印A)。学習端末2は取得した問題のデータを表示部33に表示する。学習者Aは表示部33に表示された問題に対してペン2Aで表示部33に解答を記述する。学習端末2は学習者Aの解答の記述を録画する。さらに学習端末2は問題が表示部33に提示されてから解答に予め設定されている各チェックポイント(以下CPという)をそれぞれ通過する通過時間を計測する。学習者Aの解答の記述中、表示部33の隅には進捗表70(図14参照)が表示される。
【0020】
進捗表70では、学習者Aが各CPを通過した際のCP通過時間がペースメーカと比較して表示される。ペースメーカとは目標とされる速度で解答を記述する架空上の人物である。学習者Aは進捗表70を確認しながら解答を記述する。学習者Aは自己の進捗状況をペースメーカと比較することにより、最適な解答リズムを体得できる。進捗表70については後述する。学習者Aは解答が終了すると所望の操作で解答を決定する。学習端末2は、学習者情報、解答の録画データ、CPの通過時間等の各種情報を、管理サーバ4に送信する(図1中矢印B)。管理サーバ4は、学習端末2から登録要求のあった各種情報を学習者毎に記憶して管理する。
【0021】
学習者Aは既に解き終えた問題の解答について詳細に分析したい場合がある。そこで、学習端末2は管理サーバ4に対し、学習者Aが過去に解いた問題の解答に関連する各種情報を取得する(図1中矢印C)。学習端末2は管理サーバ4から取得した各種情報に基づき、その問題の確認画面90(図16参照)を作成し、表示部33に表示する。確認画面90は、学習者Aが解いた問題の解答の録画データと、ペースメーカの録画データとの同時再生を可能とする。さらに各CPの通過時に再生位置をずらすこともできる。さらに他の学習者の参考映像の再生もできる。従って学習者Aは確認画面90を確認することにより自己の解答の記述を客観的に分析できるので、従来と比較して細かな問題点を発見できる。
【0022】
次に、学習端末2において学習者に提示される問題例について説明する。学習者AはWebサーバ7に記憶されている多数の問題の中から少なくとも一の問題を選択する。学習端末2はWebサーバ7に学習者Aによって選択された問題データを要求する。学習端末2は、Webサーバ7から取得した問題のデータを表示部33に表示する。例えば図2に示すような数学の問題Iが表示部33に表示される。問題Iの直下には解答欄101が表示される。学習者Aは解答欄101に問題の解答をペン2Aで記述する。図2の解答欄101に記述された解答は、問題Iに対する一般的な解答である。なお本実施形態では、数学の問題を一例として説明するが、数学に限らず、国語、理科、社会等の他分野の問題においても本発明は適用可能である。
【0023】
次に、問題の解答に予め設定されるCPについて説明する。一般的に、問題の解答には幾つかの思考ポイントが存在する。本実施形態では、思考ポイントは例えば問題の解答における判断の分岐などである。特に数学の問題の場合、ある計算ステップで所定の数式や解を導き出し、その導き出した数式や解を使って次の計算ステップに移行するというような問題が多く、各計算ステップへの移行を導く思考ポイントが複数存在する。そのような思考ポイントを参考にして解答中に複数のCPを設定する。学習端末2は学習者Aに問題が提示されてから解答が各CPを通過する各区間の経過時間をそれぞれ計測する。各CPの通過時間を分析することで、解答において非効率的な判断や不整合な判断を行ったCPを詳細に分析できる。そして、自己の解答の正誤のみならず、その解答中に表れた自己の強み、弱みを明確に発見できる。
【0024】
次に、チェックポイント情報について説明する。チェックポイント情報(以下CP情報という)は、解答に設定されるCPに関する情報である。問題ごとのCP情報は、CPの数、それらCPの通過基準等の情報を含んでいる。本実施形態では、図2に示す問題Iの解答に6つのCPと、それらの通過基準とが以下のように予め設定されている。
・CP1:問題が表示されてから学習者Aが解答の記述を開始するまで。
・CP2:解答中に文字列「r=3」が記述されるまで。
・CP3:解答中に文字列「a=5」が記述されるまで。
・CP4:解答中に文字列「a=125」と「r=27」が記述されるまで。
・CP5:解答中に文字列「−125/26(1−27)」又は「125/26(27−1)」が記述されるまで。
・ CP6:学習者Aが解答し終わって解答を決定するまで。なお解答の決定の操作は学習者Aによるものとする。なお図2においてCP1,6は不図示であるが、図中の各CP2〜5の各位置は実際のCP2〜5の各文字列の位置にそれぞれ対応している。
【0025】
なお、CP情報は管理サーバ4に予め記憶されている。学習端末2は、学習者Aに提示する問題のCP情報を管理サーバ4から取得する。学習端末2は、取得したCP情報に基づき、学習者Aの解答が各CPを通過したか否かを判断する。なお上述の文字列の認識は、表示部33上にペン2Aで記述した解答の画像データを画像認識で特定する。文字列は本発明の「キーワード」の一例である。
【0026】
次に、学習端末2の電気的構成について、図3を参照して説明する。学習端末2は、CPU21を備えている。CPU21には、ROM22、RAM23、ハードディスク装置25(以下HDD25という)、ネットワークインタフェース26、周辺機器制御チップ27、ビデオチップ28、駆動回路29等がデータバスで接続される。CPU21は端末全体の制御を司る。ROM22は各種プログラムを記憶する。RAM23は各種データを一時的に記憶する。HDD25は後述する各種情報を記憶する。ネットワークインタフェース26はルータ35に接続されている。ルータ35はインターネット5に接続される。ルータ35は、学習端末2をインターネット5に接続する為の通信機器である。周辺機器制御チップ27には、キーボード31、マウス32等が接続される。ビデオチップ28には表示部33が接続される。駆動回路29には静電式のタッチパネル33Aが接続される。タッチパネル33Aは表示部33に搭載されている。
【0027】
次に、HDD25の各種記憶領域について、図4を参照して説明する。HDD25は、問題データ記憶領域251、各種設定情報記憶領域252、録画データ記憶領域253、チャプター情報記憶領域254、消しゴム情報記憶領域255、記述停止情報記憶領域256、及び学習者情報記憶領域257等を備える。問題データ記憶領域251は問題データを記憶する。各種設定情報記憶領域252は各種設定情報を記憶する。録画データ記憶領域253は録画データを記憶する。チャプター情報記憶領域254はチャプター情報を記憶する。消しゴム情報記憶領域255は消しゴム情報を記憶する。記述停止情報記憶領域256は記述停止情報を記憶する。学習者情報記憶領域257は学習者情報を記憶する。
【0028】
問題データは数学等の問題のデータである。問題データはWebサーバ7から取得する。各種設定情報は、ペースメーカ情報、記述停止判断情報、及びCP情報を含む。ペースメーカ情報は、ペースメーカの各CPの通過時間に関する情報である。記述停止判断情報は、解答の記述が停止したか否かを判断する為の基準時間に関する情報である。本実施例では5秒である。このような各種設定情報は管理サーバ4から取得される。録画データは学習端末2の表示部33上にペン2Aで記述された解答の録画データである。チャプター情報は、学習者の解答が各CPを通過時に作成される他、記述停止時間の確定時、消しゴム利用時間の確定時にも作成される。記述停止時間は学習者が解答中に記述を停止した時間である。消しゴム利用時間は学習者が解答中に消しゴム機能を利用した時間である。これら各計測時間をチャプターで区切って記憶することにより、学習者の解答中の経緯を整理して記憶することができる。
【0029】
消しゴム情報は消しゴム利用回数及び消しゴム利用時間を含む情報である。消しゴム利用回数は学習者の解答中に、表示部33における消しゴム機能を選択して利用した回数である。記述停止情報は記述停止回数及び記述停止時間を含む情報である。記述停止回数は学習者の解答中の記述が所定時間以上(5秒以上)経過した回数である。学習者情報は学習者を識別する為の情報である。
【0030】
次に、管理サーバ4の電気的構成について、図5を参照して説明する。管理サーバ4は、CPU41を備えている。CPU41には、ROM42、RAM43、ハードディスク装置45(以下HDD45という)、ネットワークインタフェース46、周辺機器制御チップ47、ビデオチップ48等がデータバスで接続されている。CPU41はサーバ全体の制御を司る。ROM42は各種プログラムを記憶する。RAM43は各種データを一時的に記憶する。HDD45は後述する各種データを記憶する。ネットワークインタフェース46はルータ55に接続されている。ルータ55はインターネット5に接続されている。ルータ55は、管理サーバ4をインターネット5に接続する為の通信機器である。周辺機器制御チップ47には、キーボード51、マウス52等が接続されている。ビデオチップ48には表示部53が接続されている。
【0031】
次に、HDD45の各種記憶領域について、図6を参照して説明する。HDD45は、各種設定情報記憶領域451、録画データ記憶領域452、チャプター情報記憶領域453、消しゴム情報記憶領域454、記述停止情報記憶領域455、統計情報記憶領域456、学習者情報記憶領域457、参考学習者情報記憶領域458等を備える。各種設定情報記憶領域451は各種設定情報を記憶する。録画データ記憶領域452は録画データを記憶する。録画データには、ペースメーカの録画データや参考学習者の録画データも含まれる。なお参考学習者とは例えば参考となる解答記述をした他の学習者である。チャプター情報記憶領域453はチャプター情報を記憶する。消しゴム情報記憶領域454は消しゴム情報を記憶する。記述停止情報記憶領域455は記述停止情報を記憶する。統計情報記憶領域456は統計情報を記憶する。学習者情報記憶領域457は学習者情報を記憶する。参考学習者情報記憶領域458は参考学習者情報を記憶する
【0032】
録画データ、チャプター情報、消しゴム情報、記述停止情報、学習者情報は、後述する問題データ識別情報と一緒に、学習端末2から管理サーバ4に送信され、問題毎に、学習者情報と対応付けられてHDD45の各種記憶領域に記憶される。統計情報は問題を解いた全学習者の平均値に関する情報である。全学習者とは、管理サーバ4のHDD45の学習者情報記憶領域457に登録されている全学習者である。統計情報は、管理サーバ4に送信された全学習者の各問題に対応するチャプター情報、消しゴム情報、及び記述停止情報に基づいて作成される。参考学習者情報は参考となる解答記述をした他の学習者の識別情報である。本実施形態では、学習者Aの解答時間がペースメーカよりも遅かったCPを速い時間で解くことができた他の学習者を参考学習者情報としている。
【0033】
次に、上記構成からなる学習システム1の動作について説明する。なお本システムは、学習端末2と、管理サーバ4とがそれぞれ別の処理を実行することにより一連の動作を行う。従って、学習端末2のCPU21によって実行される「学習制御処理」と、管理サーバ4のCPU41によって実行される「学習DB制御管理処理」とに分けて順次説明する。
【0034】
先ず、学習端末2のCPU21によって実行される学習制御処理について、図7〜図10のフローチャートを参照して説明する。本処理は、学習者が学習端末2の電源をオンし、学習アプリケーションを選択すると、ROM22に記憶された「学習制御プログラム」が呼び出されて実行される。
【0035】
CPU21はプログラムを初期化する(S1)。CPU21は学習者名が入力されたか否か判断する(S2)。なお学習者名ではなく、コード番号等を入力してもよい。コード番号は学習者を識別する為の情報である。CPU21は学習者名が入力されたと判断するまでは(S2:NO)、電源がオフされたか否か判断する(S6)。CPU21は学習端末2の電源はオンであると判断した場合(S6:NO)、S2に戻り待機状態となる。CPU21は学習端末2の電源はオフであると判断した場合(S6:YES)、学習制御処理を終了する。
【0036】
学習者Aはペン2Aを用いて自己の学習者名を入力する。CPU21は学習者名が入力されたと判断した場合(S2:YES)、問題解答モード及び映像再生モードの何れかが学習者Aによって選択されたか否か判断する(S3,S7)。問題解答モードは表示部33に問題を表示して学習者Aに解答を記述させ、その内容を同時に評価するモードである。映像再生モードは管理サーバ4に登録された学習者Aの問題の解答の録画データ等を再生するモードである。
【0037】
CPU21は問題解答モードが選択されたと判断した場合(S3:YES)、問題解答処理を実行する(S4)。CPU21は映像再生モードが選択されたと判断した場合(S3:NO、S7:YES)、映像再生処理を実行する(S8)。CPU21は問題解答モード及び映像再生モードの何れも選択されていないと判断した場合(S3:NO、S7:NO)、電源がオフされたか否か判断する(S5)。CPU21は学習端末2の電源はオンであると判断した場合(S5:NO)、引き続き、S3、S7の判断処理に戻る。CPU21は学習端末2の電源はオフであると判断した場合(S5:YES)、学習制御処理を終了する。
【0038】
次に、問題選択処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。先ず、CPU21はWebサーバ7から問題データを取得する(S11)。なお学習者Aは出題される問題の分野、難易度等を学習端末2において適宜設定できる。CPU21は設定された条件に応じてWebサーバ7に問題データの送信を要求する。Webサーバ7は要求された条件に基づき、学習端末2に問題データを送信する(図1中矢印A参照)。
【0039】
CPU21は各種設定情報を管理サーバ4から取得する(S12)。なおCPU21は管理サーバ4に各種設定情報を要求する際に問題データ識別情報を送信する。問題データ識別情報は問題データを識別する情報である。問題データ識別情報はWebサーバ7から送信された問題データに対応するものである。管理サーバ4は、問題データ毎に各種設定情報を記憶している。管理サーバ4は受信した問題データ識別情報に基づき、その問題データに対応する各種設定情報を学習端末2に送信する。CPU21は管理サーバ4から取得した各種設定情報を、HDD25の各種設定情報記憶領域252に記憶する。
【0040】
次いでCPU21は、図8〜図10のフローに示すように、表示部33に問題が表示されたか否か(S13)、解答の記述が開始されたか否か(S18)、CP文字列を認識したか否か(S26)、解答が決定されたか否か(S31)、記述停止時間が経過したか否か(S41)、消しゴム機能が選択されたか否か(S46)、ペンが選択されたか否か(S50)、ペースメーカがCPを通過したか否か(S52)について判断する。以下[1]〜[10]の場面に分けて説明する。
【0041】
[1] 表示部33に問題が表示された場合
CPU21は表示部33に新たな問題が表示されたと判断した場合(S13:YES)、表示部33に解答欄101を表示し、かつ解答時間の計測を開始する(S14)。CPU21は学習者Aの解答の録画を開始する(S15)。CPU21は進捗表70(図14参照)を表示部33に表示する(S16)。
【0042】
図14に示すように、進捗表70は学習者の進捗状況をリアルタイムで表示する。進捗表70は、CP欄71、ペースメーカ欄72、学習者欄73、及び合計時間欄74を備える。CP欄71にはCP1〜6が表示される。ペースメーカ欄72にはペースメーカの各CP通過時間がペースメーカの進捗状況に合わせて表示される。なおペースメーカの各CP通過時間は、HDD25の各種設定情報記憶領域252に記憶したペースメーカ情報が参照される。ペースメーカのレベル設定は学習者の能力レベルに応じて管理サーバ4において適宜変更できる。
【0043】
学習者欄73には学習者Aの各CP通過時間が学習者の進捗状況に合わせて表示される。学習者欄73には更に判定マークが表示される。判定マークは、学習者Aの各CP通過時間について、ペースメーカの通過時間と比較した結果を3段階で評価した結果を示している。ペースメーカのCP通過時間との差が30秒以上速い場合は「◎」である。30秒未満である場合は「○」である。30秒以上遅い場合は「×」である。なお判定基準については管理サーバ4において自由に変更できる。合計時間欄74は、ペースメーカのCP通過時間の合計時間と、学習者AのCP通過時間の合計時間とが表示される。表示タイミングは何れもCP6の通過時である。
【0044】
ペースメーカ欄72と、学習者欄73とには進捗マーク75,76が各々表示される。進捗マーク75,76は黒三角のマークである。進捗マーク75はペースメーカの進捗状況に合わせ、現在進行中のCPに対応する欄に表示される。進捗マーク76は学習者Aの進捗状況に合わせ、現在進行中のCPに対応する欄に表示される。学習者はこのような進捗表70を確認しながら解答欄101に解答を記述する。進捗表70の表示位置については限定しないが、好ましくは解答欄101の近傍に表示するのが好ましい。
【0045】
図8のフローに戻り、CPU21はペースメーカの動作を開始する(S17)。それ故、学習者Aの解答開始時に、ペースメーカの動作を合わせることができる。CPU21はS13に戻って処理を繰り返す。
【0046】
[2]学習者Aの解答の記述が開始された場合
CPU21は表示部33に新たな問題の表示が無く(S13:NO)、同一問題を解答中において解答欄101にペン2Aが接触したことを検出した場合、解答の記述を開始したと判断し(S18:YES)、記述停止フラグが有効か否か判断する(S19)。記述停止フラグはRAM23に記憶されている。記述停止フラグは、解答の記述が停止している場合は有効、解答の記述が停止していない場合は無効とされる。
【0047】
CPU21は記述停止フラグは無効と判断した場合(S19:NO)、計測した時間を確定して、進捗表70のCP1に対応する学習者欄73に表示する(S23)。例えば、図14に示すように、問題が表示されてから解答の記述を開始するまでの時間が2分30秒であれば、進捗表70の学習者欄73のCP1に対応する欄に「2:30」と表示する。本実施例の場合、ペースメーカのCP1の通過時間が3分であるので、判定マークは「◎」である。学習者Aは進捗表70に表示された「◎」の判定マークを確認することにより、CP1の段階ではペースメーカよりも先に進んでいることを認識できる。
【0048】
CPU21は確定した時間をチャプター情報としてHDD25のチャプター情報記憶領域254に記憶する(S24)。本実施例では「2:30」がCP1のチャプター情報となる。CPU21は新たな計測を開始する(S25)。CPU21はS13に戻って処理を繰り返す。
【0049】
[3]解答の記述中にCP文字列が認識された場合
CPU21は、HDD25の各種設定情報記憶領域252に記憶されたCP情報を参照し、各CPに対応する文字列を決定する。例えばCP2の文字列は「r=3」である。CPU21は継続して解答を記述中(S18:NO)に「r=3」の文字列を認識した場合(S26:YES)、計測した時間を確定して、進捗表70のCP2に対応する学習者欄73に計測時間を表示する(S27)。例えばCP1を過ぎて「r=3」が記述されるまでの時間が3分であれば、進捗表70のCP2に対応する学習者欄73には「3:00」と表示する。本実施例の場合、ペースメーカのCP2の通過時間が2分であるので、判定マークは「×」である。学習者Aは進捗表70に表示された「×」の判定マークを確認することにより、CP2の段階ではペースメーカよりも遅れていることを認識できる。
【0050】
CPU21は確定した時間をチャプター情報としてHDD25のチャプター情報記憶領域254に記憶する(S28)。本実施例では「3:00」がCP2のチャプター情報となる。CPU21は新たな計測を開始する(S29)。CPU21はS13に戻って処理を繰り返す。
【0051】
[4]記述停止時間(5秒)が経過した場合
CPU21は解答の記述中にCPの文字列が認識できなかった場合には(図8のS26:NO)、学習者によって解答が決定されたか否か判断する(図9のS31)。CPU21は解答が決定されていなかった場合には(S31:NO)、図10のフローに示すように、ペン2Aによる文字の入力が停止してから記述停止時間(例えば5秒)が経過したか否か判断する(S41)。CPU21はペン2Aによる文字の入力が停止してから5秒経過した場合(S41:YES)、解答の記述が停止したとみなし、RAM23に記憶された記述停止フラグを有効にする(S42)。CPU21はRAM23に記憶された記述停止回数を更新する(S43)。CPU21は記述停止時間の計測を続行する(S44)。さらにCPU21は記述停止と判断した時の時間をチャプター情報としてHDD25のチャプター情報記憶領域254に記憶する(S45)。CPU21は図8のS13に戻って処理を繰り返す。
【0052】
[5]記述停止の状態から解答の記述が再び開始された場合
図8のフローに示すように、CPU21は表示部33に新たな問題の表示が無く(S13:NO)、同一問題の解答中において解答の記述が開始されたと判断した場合(S18:YES)、記述停止フラグが有効か否か判断する(S19)。これは問題が提示されて最初の記述であるのか、又は記述停止の状態からの記述であるのかを判断する為である。上述のように、記述が停止している状態では、記述停止フラグは有効であるので(S19:YES)、記述停止時間を確定して、HDD25の記述停止情報記憶領域256に記憶された記述停止情報の記述停止時間を更新する(S20)。CPU21は記述停止フラグを無効にする(S22)。CPU21は図8のS13に戻って処理を繰り返す。
【0053】
[6]解答の記述中に消しゴム機能が選択された場合
学習者は解答の記述中に誤記した場合、その誤記を訂正する為に消しゴム機能を選択して該当部分を消去する。学習者は表示部33に表示された消しゴムのアイコン(図示略)をペン2Aで選択し、誤記部分をなぞることにより誤記が消去される。CPU21は、同一問題の解答の記述中であって(図8のS18:NO)、CPの文字列は無く(S26:NO)、学習者によって解答がまだ決定されておらず(図9のS31:NO)、解答の記述が継続中である場合(図10のS41:NO)、消しゴム機能が新たに選択されたか否か判断する(S46)。CPU21は消しゴム機能が新たに選択されたと判断した場合(S46:YES)、HDD25の消しゴム情報記憶領域255に記憶された消しゴム利用回数を更新する(S47)。更に消しゴム利用時間の計測を開始する(S48)。CPU21は消しゴム機能の選択時の時間をチャプター情報としてHDD25のチャプター情報記憶領域254に記憶する(S49)。CPU21は図8のS13に戻って処理を繰り返す。
【0054】
[7]消しゴム利用中にペン機能が再度選択された場合
学習者は消しゴム機能により誤記部分の消去が完了すると、解答の記述を再開する為にペン機能を再度選択する。学習者は表示部33に表示されたペンのアイコン(図示略)をペン2Aで選択すると、再度ペン2Aによって解答の記述ができる。図10のフローに示すように、CPU21は消しゴム機能の選択中において(S46:NO)、学習者によってペン機能が新たに選択されたか否か判断する(S50)。CPU21は、学習者によってペン機能が新たに選択されたと判断した場合(S50:YES)、消しゴム利用時間を確定して、HDD25の消しゴム情報記憶領域255に記憶された消しゴム情報の消しゴム利用時間を更新する(S51)。CPU21は図8のS13に戻って処理を繰り返す。
【0055】
[8]ペースメーカがCPを通過した場合
CPU21は、同一問題の解答の記述中であって(図8のS18:NO)、CPの文字列を認識せず(S26:NO)、学習者によって解答がまだ決定されておらず(図9のS31:NO)、解答の記述が継続中で(図10のS41:NO)、消しゴム機能及びペン機能も新たに選択されていない場合(S46:NO、S50:NO)、ペースメーカがCPを新たに通過したか否か判断する(S52)。CPU21はペースメーカがCPを通過したと判断した場合(S52:YES)、進捗表70の該当するCPに対応するペースメーカ欄72に通過時間を表示する(S53)。ペースメーカ欄72には、ペースメーカの進捗に合わせてペースメーカの通過時間が順次表示される。学習者Aは解答中にペースメーカの進捗を確認できる。学習者Aは自己の進捗状況をペースメーカと比較することにより、最適な解答リズムを体得できる。CPU21は図8のS13に戻って処理を繰り返す。
【0056】
[9]学習者が解答を決定する操作をした場合
学習者は解答の記述が終了すると、その解答の記述で良ければ、表示部33に表示された決定ボタンをペン2Aでタッチして解答を決定する。CPU21は、同一問題の解答の記述中であって(図8のS18:NO)、CPの文字列が無かった場合(S26:NO)、図9のフローに示すように、学習者によって解答が決定されたか否か判断する(S31)。CPU21は解答が決定されたと判断した場合(S31:YES)、計測した時間を確定して、進捗表70のCP6に対応する学習者欄73に表示する(S32)。例えばCP5を過ぎて決定ボタンが選択されるまでの時間が2分40秒であれば、進捗表70のCP6に対応する学習者欄73には「2:40」と表示する。本実施例の場合、ペースメーカのCP6の通過時間が2分であるので、判定マークは「×」である。なおCP6は解答を記述し終わってから決定するまでの時間であって見直し時間を想定したものである。
【0057】
CPU21は確定した時間と判定結果とをチャプター情報としてHDD25のチャプター情報記憶領域254に記憶する(S33)。CPU21は時間の計測を終了する(S34)。CPU21は表示部33に表示された解答の記述の録画を終了し、HDD25の録画データ記憶領域253に記憶する(S35)。CPU21はHDD25に記憶された録画データ、チャプター情報、消しゴム情報、記述停止情報、学習者情報を管理サーバ4に送信する(S36)。なおCPU21はこれらの情報に併せ、問題データ識別情報を送信する。管理サーバ4において、問題毎にこれらの情報を管理する為である。
【0058】
管理サーバ4では学習端末2から受信したこれらの情報を学習者情報と対応付けてHDD45の各種記憶領域に記憶する。管理サーバ4は受信したこれらの情報に基づき、問題Iの統計情報を作成する。統計情報は、管理サーバ4に登録されている全学習者が問題Iを解答したときの各CP通過時間、解答の合計時間、消しゴム利用回数、消しゴム利用時間、記述停止回数、記述停止時間の各平均値に関する情報である。管理サーバ4は、作成した統計情報を記憶し、学習端末2から上述の各種情報を受信する度に統計情報を更新する。
【0059】
CPU21は管理サーバ4に統計情報の取得要求を行う。CPU21は管理サーバ4から統計情報を取得する(S37)。CPU21は最終進捗表80を作成し、進捗表70に替えて最終進捗表80を表示部33に表示する(S38)。
【0060】
図15に示すように、最終進捗表80は、図14の進捗表70に、消しゴム情報、記述停止情報、及び統計情報を付け足した表である。消しゴム情報及び記述停止情報はHDD25に記憶されているものである。最終進捗表80は、進捗表70のCP欄71、ペースメーカ欄72、学習者欄73、及び合計時間欄74を備える。合計時間欄74には、ペースメーカ及び学習者Aの各CP通過時間の合計時間が表示される。
【0061】
さらに最終進捗表80は、全学習者平均欄81、消しゴム利用回数欄82、消しゴム利用時間欄83、記述停止回数欄84、及び記述停止時間欄85を備える。全学習者平均欄81には、統計情報に基づき、全学習者のCP通過時間、合計時間、消しゴム利用回数、消しゴム利用時間、記述停止回数、記述停止時間の各平均値が表示される。消しゴム利用回数欄82、消しゴム利用時間欄83には、消しゴム情報に基づき、学習者Aの消しゴム利用回数及び消しゴム利用時間が各々表示される。本実施形態では、ペースメーカの消しゴム情報はペースメーカ情報に含まれていない。それ故、ペースメーカの消しゴム利用回数及び消しゴム利用時間は表示されない。なおペースメーカの消しゴム情報をペースメーカ情報に含めることで、ペースメーカの消しゴム利用回数及び消しゴム利用時間を表示するようにしてもよい。
【0062】
ここで、図15の最終進捗表80を見ると、ペースメーカと学習者Aの何れも問題Iの解答に要した時間は16分である。これを見ただけでは、学習者Aはペースメーカと同様に解答を進めたかのように思われる。しかしながら、各CPの通過時間及び判定マークを見ると、CP1、CP4ではペースメーカよりも速く解答を記述しているが、CP2、CP6ではペースメーカよりも大幅に遅れていたことがわかる。つまり学習者Aの問題Iに対する強み、弱みが一目でわかるようになっている。
【0063】
さらに学習者Aの解答中における消しゴム利用回数、及び消しゴム利用時間が表示されるので、解答中に無駄に消費した時間を確認できる。さらに学習者Aの解答中における記述停止回数、及び記述停止時間が表示されるので、その時間や回数が多ければ、問題に対する理解力や創造力、判断力が不足していることを認識できる。さらに上述のように、問題Iに対する全学習者の統計情報が項目毎に詳細に表示されるので、トータルだけでなく、問題の詳細なステップ毎の自分の現在位置を把握できる。
【0064】
CPU21は処理を図7のS5に移行させ、学習端末2の電源がオフされるまでは(S5:NO)S3に戻って処理を繰り返す。
【0065】
[10]その他
なお、CPU21は、同一問題の解答の記述中であって(図8のS18:NO)、CPの文字列は無く(S26:NO)、学習者によって解答がまだ決定されておらず(図9のS31:NO)、解答の記述が継続中で(図10のS41:NO)、消しゴム機能及びペン機能が新たに選択されておらず(S46:NO、S50:NO)、ペースメーカもCPを新たに通過していない場合(S52:NO)、その他の処理を行う(S54)。CPU21は図8のS13に戻って処理を繰り返す。
【0066】
次に、映像再生処理について、図11のフローチャートを参照して説明する。CPU21は管理サーバ4から問題Iの録画データを取得する(S61)。ここでは学習者Aの録画データと、ペースメーカの録画データとを取得する。CPU21は管理サーバ4から問題Iのチャプター情報を取得する(S62)。CPU21は管理サーバ4から問題Iの参考学習者情報を取得する(S63)。本実施形態では、学習者Aの問題Iの解答においてCP2、6の判定が「×」であったので、他の学習者のCP2、6の参考学習者情報が管理サーバ4から送信される。CPU21は取得した録画データ、チャプター情報、及び参考学習者情報に基づき、図16に示す確認画面90を作成して表示部33に表示する(S64)。
【0067】
図16に示すように、確認画面90は、CP判定表示部91、学習者映像表示部92、ペースメーカ映像表示部93、解答経緯表示部94、参考映像選択部95を備える。CP判定表示部91は確認画面90の左上部に位置する。CP判定表示部91は問題Iの各CPの判定結果を各々表示する。学習者映像表示部92及びペースメーカ映像表示部93はCP判定表示部91の右側に位置しかつ横方向に並んでいる。学習者映像表示部92は学習者Aの録画データを再生表示する。ペースメーカ映像表示部93はペースメーカの録画データを再生表示する。CP判定表示部91には、現在再生中のCPを示す再生位置マーク98が表示される。
【0068】
解答経緯表示部94は確認画面90のほぼ中段に位置し、横方向に延出する時間軸99を備える。時間軸99は学習者Aの解答時間の長さを示している。時間軸99には、消しゴムマーク96A〜96D、記述停止マーク97A〜97Cが表示されている。これらは、消しゴム機能を4回利用したこと、解答の記述が3回停止したことを示している。消しゴムマーク96A〜96Dの各位置は、時間軸99に対して実際に消しゴム機能を利用した時間に各々対応している。記述停止マーク97A〜97Cの各位置も、時間軸99に対して実際に記述が停止した時間に各々対応している。時間軸99では録画データの再生位置に応じて黒色のバーが右方向に延出する。
【0069】
参考映像選択部95は確認画面90の最下段に位置する。参考映像選択部95は参考映像を選択できる。本実施形態では、CP2の参考映像として他の学習者B、Cの各記述映像と、CP6の参考映像として他の学習者D、Eの各記述映像との中から選択できる。CPU21はこのような確認画面90を表示部33に表示し、学習者映像表示部92、及びペースメーカ映像表示部93において各録画データを再生する。
【0070】
図16の確認画面90において、CPU21はCPが選択されたか否か、消しゴムマークが選択されたか否か、記述停止マークが選択されたか否か、参考映像が選択された否かについて判断する(S65、S67、S69、S71)。以下[11]〜[15]の場面に分けて説明する。
【0071】
[11]CPが選択された場合
学習者Aは学習者映像表示部92及びペースメーカ映像表示部93において、録画データの再生位置をCP毎に移動させることができる。学習者Aはペン2Aを用いてCP判定表示部91のCPをタッチして選択する。図11のフローに示すように、CPU21はCPが選択されたと判断した場合(S65:YES)、選択されたCPの時間に再生位置をずらす(S66)。これにより学習者Aは確認したいCPの記述映像を速やかに確認できる。再生位置マーク98は選択されたCPの位置に移動する。
【0072】
[12]消しゴムマークが選択された場合
学習者Aは解答経緯表示部94の時間軸99に表示された消しゴムマーク96A〜96Dの何れかを選択することにより、録画データの再生位置を消しゴム機能利用位置に移動させることができる。例えば、CPU21は消しゴムマーク96Aが選択されたと判断した場合(S67:YES)、消しゴムマーク96Aの時間へ再生位置をずらす(S68)。これにより学習者Aは消しゴム機能を利用した時の記述映像を速やかに確認できる。
【0073】
[13]記述停止マークが選択された場合
学習者Aは解答経緯表示部94の時間軸99に表示された記述停止マーク97A〜97Cの何れかを選択することにより、録画データの再生位置を記述停止位置に移動させることができる。例えば、CPU21は記述停止マーク97Aが選択されたと判断した場合(S69:YES)、記述停止マーク97Aの時間へ再生位置をずらす(S70)。これにより学習者Aは記述停止した時の記述映像を速やかに確認できる。
【0074】
[14]参考映像が選択された場合
学習者Aは、参考映像選択部95において、CP2の参考映像として他の学習者B、Cの各記述映像と、CP6の参考映像として他の学習者D、Eの各記述映像との中から少なくとも一の記述映像を選択できる。なお上述の通り、CP2、6は学習者Aがペースメーカと比較して解答の記述が遅かったものである。各CPの参考映像は、ペースメーカに対してCP通過時間が速く、判定が「◎」であった他の学習者の記述映像である。
【0075】
例えば、CPU21はCP2の学習者Bの参考映像が選択されたと判断した場合(S71:YES)、その学習者Bの参考学習者情報に対応付けられた学習者Bの記述映像を管理サーバ4から取得し別画面で再生する(S72)。これにより学習者Aはペースメーカよりも解答の記述が遅かったCPについて、短時間で解答を記述した他の学習者Bの映像を確認できる。従って学習者Aは新たな解法を発見、又は解答時間を短縮する為の手法を発見することができる。また、自分では短く解答したいと思っている部分に対し、より短縮する為にはどうしたらよいかの気づきを与えることができる。
【0076】
[15]その他
なお、CPU21は学習端末2が上述のどの場面にも該当しないと判断した場合(S65:NO、S67:NO、S69:NO、S71:NO)、その他の処理を行う(S73)。CPU21は処理を図7のS5に移行させ、学習端末2の電源がオフされるまでは(S5:NO)S3に戻って処理を繰り返す。
【0077】
次に、管理サーバ4のCPU41が実行する学習者DB制御処理について、図12,図13のフローチャートを参照して説明する。本処理は、学習者が管理サーバ4の電源をオンすると、ROM42に記憶された「学習DB制御プログラム」が呼び出されて実行される。
【0078】
図12のフローに示すように、先ず、CPU41はプログラムを初期化する(S81)。CPU41は、学習端末2から、各種設定情報の取得要求があったか否か(S82)、チャプター情報の取得要求があったか否か(S85)、消しゴム情報の取得要求があったか否か(S87)、記述停止情報の取得要求があったか否か(S89)、統計情報の取得要求があったか否か(S91)、参考学習者情報の取得要求があったか否か(S93)、録画データの取得要求があったか否か(S111)について判断する。
【0079】
さらに図13のフローに示すように、CPU21は、学習端末2から、チャプター情報の登録要求があったか否か(S96)、消しゴム情報の登録要求があったか否か(S99)、記述停止情報の登録要求があったか否か(S101)、録画データの登録要求があったか否か(S103)について判断する。
【0080】
図12のフローに示すように、CPU41は学習端末2から各種設定情報の取得要求があったと判断した場合(S82:YES)、HDD45の各種設定情報記憶領域451に記憶された各種設定情報を学習端末2に送信する(S83)。CPU41は学習端末2からチャプター情報の取得要求があったと判断した場合(S85:YES)、HDD45のチャプター情報記憶領域453に記憶されたチャプター情報を学習端末2に送信する(S86)。CPU41は学習端末2から消しゴム情報の取得要求があったと判断した場合(S87:YES)、HDD45の消しゴム情報記憶領域454に記憶された消しゴム情報を学習端末2に送信する(S88)。
【0081】
CPU41は学習端末2から記述停止情報の取得要求があったと判断した場合(S89:YES)、HDD45の記述停止情報記憶領域455に記憶された記述停止情報を学習端末2に送信する(S90)。CPU41は学習端末2から統計情報の取得要求があったと判断した場合(S91:YES)、HDD45の統計情報記憶領域456に記憶された統計情報を学習端末2に送信する(S92)。CPU41は学習端末2から参考学習者情報の取得要求があったと判断した場合(S93:YES)、HDD45の参考学習者情報記憶領域458に記憶された参考学習者情報を学習端末2に送信する(S94)。CPU41は学習端末2から録画データの取得要求があったと判断した場合(S111:YES)、HDD45の録画データ記憶領域452に記憶された録画データを学習端末2に送信する(S112)。なお学習端末2に送信される参考学習者の録画データは、参考学習者の録画データの一部分であり、各CPの記述映像の録画データである。即ち、CPU41は学習端末2から要求される参考学習者の記述映像の録画データを、参考学習者の録画データから部分的に切り出して送信する処理を行う。
【0082】
そして、図13のフローに示すように、CPU41は学習端末2からチャプター情報の登録要求があったと判断した場合(S96:YES)、学習端末2から送信されたチャプター情報を、学習者情報及び問題データ識別情報と対応付けてHDD45のチャプター情報記憶領域453に登録する(S97)。なお問題データ識別情報はチャプター情報に付して学習端末2から送信される。CPU41はチャプター情報に基づき、統計情報を更新する(S98)。なお統計情報は、他の全学習者のチャプター情報、消しゴム情報、記述停止情報に基づき、問題毎に作成される。CPU21は作成した統計情報をHDD45の統計情報記憶領域456(図6参照)に記憶する。
【0083】
CPU41は学習端末2から消しゴム情報の登録要求があったと判断した場合(S99:YES)、学習端末2から送信された消しゴム情報を、学習者情報及び問題データ識別情報と対応付けてHDD45の消しゴム情報記憶領域454に登録する(S100)。なお問題データ識別情報は学習者情報に付して学習端末2から送信される。CPU41は消しゴム情報に基づき、統計情報を更新する(S98)。CPU41は学習端末2から記述停止情報の登録要求があったと判断した場合(S101:YES)、学習端末2から送信された記述停止情報を、学習者情報及び問題データ識別情報と対応付けてHDD45の記述停止情報記憶領域455に登録する(S102)。なお問題データ識別情報は学習者情報に付して学習端末2から送信される。CPU41は記述停止情報に基づき、統計情報を更新する(S98)。
【0084】
CPU41は学習端末2から録画データの登録要求があったと判断した場合(S103:YES)、学習端末2から送信された録画データを、学習者情報及び問題データ識別情報と対応付けてHDD45の録画データ記憶領域452に登録する(S104)。なお問題データ識別情報は録画データに付して学習端末2から送信される。
【0085】
CPU41は上述のどの場面にも該当しないと判断した場合(S82:NO、S85:NO、S87:NO、S89:NO、S91:NO、S93:NO、S111:NO、S96:NO、S99:NO、S101:NO、S103:NO)、その他の処理を行う(S105)。
【0086】
そして図12のフロー戻り、CPU21は管理サーバ4の電源がオフされたか否か判断する(S84)。CPU21は管理サーバ4の電源がオフされるまでは(S84:NO)、S82に戻って処理を繰り返す。CPU21は管理サーバ4の電源がオフされたと判断した場合(S84:YES)、学習DB制御処理を終了する。
【0087】
以上説明において、図1に示す学習端末2が本発明の「学習装置」の一例である。録画データが本発明の「解答情報」の一例である。チャプター情報が本発明の「判定情報」の一例である。HDD25が本発明の「第1記憶部」の一例である。管理サーバ4のHDD45が本発明の「第2記憶部」の一例である。図7のS2の処理を実行するCPU21が本発明の「識別情報取得手段」の一例である。図8のS12の処理を実行するCPU21が本発明の「チェックポイント情報取得手段」の一例である。S14の処理を実行するCPU21が本発明の「計測手段」の一例である。表示部33の静電式のタッチパネル33Aが本発明の「解答情報取得手段」の一例である。図8のS15の処理を実行するCPU21が本発明の「第1記憶制御手段」の一例である。S36の処理を実行するCPU21が本発明の「第2記憶制御手段」の一例である。S26の処理を実行するCPU21が本発明の「判定手段」の一例である。図10のS46〜S49,S51の処理を実行するCPU21が本発明の「修正情報取得手段」の一例である。図11のS63、S72の処理を実行するCPU21が本発明の「他解答情報取得手段」の一例である。S64の処理を実行するCPU21が本発明の「比較提示手段」の一例である。
【0088】
図1に示す管理サーバ4が本発明の「サーバ装置」の一例である。図12のS83の処理を実行するCPU41が本発明の「チェックポイント情報送信手段」の一例である。図13のS97,S100,S102,S104の処理を実行するCPU41が本発明の「第4記憶制御手段」の一例である。S112,S86の処理を実行するCPU41が本発明の「サーバ側送信手段」の一例である。
【0089】
以上説明したように、本実施形態の学習システム1は、学習端末2、及び管理サーバ4を備える。学習端末2及び管理サーバ4はインターネット5に接続されている。学習端末2は数学、国語等の問題のデータをWebサーバ7から取得する。学習端末2は取得した問題のデータを表示部33に表示する。学習者Aは表示部33に表示された問題に対してペン2Aで表示部33に解答を記述する。学習端末2は学習者Aの解答の記述を録画する。さらに学習端末2は問題が表示部33に提示されてから解答に予め設定されている各CPをそれぞれ通過する各区間の経過時間を計測する。各CPの通過時間はチャプター情報として記憶する。学習端末2は録画データとチャプター情報を管理サーバ4に送信する。管理サーバ4では、録画データとチャプター情報とを記憶する。学習者は解き終わった問題の解答を分析する為に、学習端末2は管理サーバ4から問題の解答の録画データ及びチャプター情報を取得する。学習端末2は録画データを表示部33で再生し、かつチャプター情報に基づき各CPの通過時間を表示する。学習者は自己の解答が予め設定された各CPを通過できたか否かを知ることにより、自ら導いた解答のどこに問題があったかを明確に知ることができる。自分が導いた解答を詳細に分析できるので現時点での自己の強みと弱みがわかる。故に効率の良い学習方法を提供できる。
【0090】
さらに学習者の弱点に対してそれを克服するためのアドバイスを提供することが可能となる。従来は、教師や講師がチェックすることで、どの部分で間違えているかを目視で確認しアドバイスを送っていた。本実施形態では、詳細な問題点の把握を自動化できるようになったので、より的確かつ効率的なアドバイスも自動で提供できる。また弱点を克服する為に役立つ問題を提供するようにしてもよい。これにより学習者の能力に応じてピンポイントに問題を提供するので、より効率的に弱点を克服できる。
【0091】
また本実施形態では特に、学習端末2は管理サーバ4から各種設定情報を取得する。各種設定情報はCP情報を含んでいる。CP情報はCP毎に問題に対する解答中の特定の文字列を有する。学習端末2のCPU21は、学習者の解答中にCP情報に含まれる特定の文字列があった場合に、当該特定の文字列に対応するCPに到達したと判定する。これにより学習者の解答がCPに到達したか否かを正確に判定できる。
【0092】
また本実施形態は特に、学習者の解答中の消しゴム情報を取得できる。消しゴム情報は、学習者の消しゴム利用回数及び利用時間に関する情報である。消しゴム情報は、録画データ、及びチャプター情報に関連づけて管理サーバ4に読み出し可能に記憶する。これにより、学習者は解答中に修正にどの程度時間をかけたか等を明確に知ることができる。
【0093】
また本実施形態は特に、学習者の解答の録画データを取得できると共に、ペースメーカの解答の録画データも取得できる。ペースメーカとは目標とされる速度で解答を記述する架空上の人物である。自己の録画データと、ペースメーカの録画データとを比較して表示部33に表示できるので、ペースメーカと比べて良い点、悪い点を客観的に分析できる。また参考とすべき解答記述をした他の学習者の情報を参考学習者情報として取得することもできる。自己の録画データと、他の学習者の記述映像とを比較して表示できるので、他の学習者の解法等を参考に客観的に分析できる。
【0094】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、様々な変形が可能である。例えば上記実施形態では、学習端末2は管理サーバ4に、録画データ、及びチャプター情報等を要求して取得して、最終進捗表80を表示部3に表示しているが、自己のHDD25に記憶している録画データ、及びチャプター情報を用いて、最終進捗表80を作成して表示するようにしてもよい。消しゴム情報、及び記述停止情報についても、自己のHDD25に記憶しているものを利用してもよい。
【0095】
また上記実施形態では、学習端末2において、録画データ、チャプター情報等の各種情報をHDD25に記憶した上で、解答終了後に、管理サーバ4に送信して登録要求をしている。この場合に、学習端末2に記憶していた各種情報を消去するようにしてもよい。
【0096】
また上記実施形態では、学習者の解答の状態を表示部33における映像情報として、タッチパネル33Aから取得しているが、これ以外の方法で取得するようにしてもよい。例えば、ボード上に記述した解答をカメラで撮影し、その撮像データで解答の状態を取得してもよい。また学習者の解答の筆跡を検出して、その検出データで解答の状態を取得するようにしてもよい。
【0097】
また上記実施形態では、Webサーバ7から問題を取得するようにしているが、管理サーバ4に予め問題を登録しておき、その管理サーバ4から取得するようにしてもよい。また学習端末2のHDD25に予め問題を登録するようにしてもよい。
【0098】
また上記実施形態では、1台の学習端末2のみインターネット5に接続されているが、複数の学習端末を接続してもよい。その場合、管理サーバ4は、各学習端末から送信される多数の学習者毎の録画データ、及び各種情報を一元管理することができる。
【0099】
また上記実施形態では、統計情報は全学習者の平均値に関する情報を含むものであるが、例えば、全学習者における最速時間に関する情報、最も遅い時間に関する情報、順位に関する情報等を含んでもよい。
【0100】
また上記実施形態では、文字列を認識してCP通過を判断しているが、学習者の操作によって判断してもよい。例えば、CP毎に解答を記入、又は選択して送信ボタンを押下したタイミングを判断タイミングとすることができる。
【0101】
また上記実施形態では、学習端末2と、管理サーバ4とはインターネット5で接続されているが、インターネットに限らず、各種ネットワークにも適用可能である。また有線、無線の何れでもよい。
【0102】
また上記実施形態では、図2に示す問題Iのように、一題の中に複数のCPを予め設定する例について説明したが、例えば、大問一題の中に複数の小問が含まれているような問題でも、各小問をCPに設定することにより、上述と同じ効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0103】
1 学習システム
2 学習端末
4 管理サーバ
5 インターネット
21 CPU
23 RAM
25 ハードディスク装置(HDD)
33 表示部
33A タッチパネル
41 CPU
45 ハードディスク装置(HDD)
70 進捗表
80 最終進捗表
90 確認画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習者に問題を解答可能に出題する学習装置であって、
前記学習者の解答状態の情報である解答情報を取得する解答情報取得手段と、
前記解答情報取得手段によって取得された前記解答情報を第1記憶部に記憶する第1記憶制御手段と、
前記問題に対する解答のチェックポイントの情報であるチェックポイント情報を取得するチェックポイント情報取得手段と、
前記第1記憶部に記憶された前記解答情報に基づき、前記学習者の解答が、前記チェックポイント情報取得手段によって取得された前記チェックポイント情報に基づくチェックポイントに到達したか否かを判定する判定手段と、
前記第1記憶部に記憶された前記解答情報と、前記判定手段による判定結果の情報である判定情報とを関連付けて読み出し可能に第2記憶部に記憶する第2記憶制御手段と
を備えたことを特徴とする学習装置。
【請求項2】
前記学習者の解答における経過時間を計測する計測手段を備え、
前記第1記憶制御手段は、
前記解答情報を、前記計測手段によって計測された前記経過時間と関連付けて前記第1記憶部に記憶し、
前記チェックポイント情報は、前記チェックポイント毎に、前記問題に対する解答中の特定のキーワードを有し、
前記判定手段は、
前記学習者の解答中に、前記チェックポイント情報取得手段によって取得された前記チェックポイント情報に含まれる特定のキーワードがあった場合に、当該特定のキーワードに対応するチェックポイントに到達したと判定することを特徴とする請求項1に記載の学習装置。
【請求項3】
前記学習者による前記問題の解答中の修正動作に関する修正情報を取得する修正情報取得手段を備え、
前記第2記憶制御手段は、
前記修正情報取得手段が取得された前記修正情報を、前記第2記憶部に記憶された前記解答情報、及び前記判定情報のうち少なくとも何れかに関連付けて読み出し可能に前記第2記憶部に記憶することを特徴とする請求項1又は2に記載の学習装置。
【請求項4】
前記問題に対する他の学習者の解答状態の情報である他解答情報を取得する他解答情報取得手段と、
前記第2記憶部に記憶された前記解答情報と、前記他解答情報取得手段によって取得された前記他解答情報とを表示部に比較可能に提示する比較提示手段と
を備えたことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の学習装置。
【請求項5】
前記解答情報取得手段は、前記学習者の解答の映像である映像情報を前記解答状態として取得し、
前記第1記憶部には前記映像情報が記憶され、
前記判定手段は、
前記第1記憶部に記憶された前記映像情報に基づき、前記学習者の解答が、前記チェックポイント情報取得手段によって取得された前記チェックポイント情報に基づくチェックポイントに到達したか否かを判定することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の学習装置。
【請求項6】
学習者に問題を解答可能に出題する学習装置の制御方法であって、
前記学習者の解答状態の情報である解答情報を取得する解答情報取得ステップと、
前記解答情報取得ステップにおいて取得された前記解答情報を第1記憶部に記憶する第1記憶制御ステップと、
前記問題に対する解答のチェックポイントの情報であるチェックポイント情報を取得するチェックポイント情報取得ステップと、
前記第1記憶部に記憶された前記解答状態に基づき、前記学習者の解答が、前記チェックポイント情報取得ステップにおいて取得された前記チェックポイント情報に基づくチェックポイントに到達したか否かを判定する判定ステップと、
前記第1記憶部に記憶された前記解答情報と、前記判定手段による判定結果の情報である判定情報とを関連付けて読み出し可能に第2記憶部に記憶する第2記憶制御ステップと
を備えたことを特徴とする学習装置の制御方法。
【請求項7】
端末装置と、当該端末装置にネットワークを介して接続されるサーバ装置とを備え、学習者に問題を解答可能に出題する学習システムであって、
前記端末装置は、
前記学習者の識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記学習者の解答状態の情報である解答情報を取得する解答情報取得手段と、
前記解答情報取得手段によって取得された前記解答情報を第3記憶部に記憶する第3記憶制御手段と、
前記問題に対する解答のチェックポイントの情報であるチェックポイント情報を前記サーバ装置から取得するチェックポイント情報取得手段と、
前記第3記憶部に記憶された前記解答情報に基づき、前記学習者の解答が前記チェックポイント情報取得手段によって取得された前記チェックポイントに到達したか否かを判定する端末側判定手段と、
前記第3記憶部に記憶された前記解答情報と、前記判定手段による判定結果の情報である判定情報とを、前記識別情報取得手段によって取得された前記識別情報と関連付けて前記サーバ装置に送信する端末側情報送信手段と、
前記サーバ装置に前記学習者毎の前記解答情報及び前記判定情報を要求する情報要求手段と、
前記サーバ装置から前記端末装置の要求に応じて送信された前記学習者毎の前記解答情報及び前記判定情報を受信する端末側情報受信手段と、
前記端末側受信手段によって受信された前記学習者毎の前記解答情報及び前記判定情報を出力する情報出力手段と
を備え、
前記サーバ装置は、
前記端末装置に前記問題に対応する前記チェックポイント情報を前記端末装置に送信するチェックポイント情報送信手段と、
前記端末装置の前記端末側情報送信手段によって送信された前記識別情報、前記解答情報及び前記判定情報を受信し、前記識別情報に基づき、前記解答情報及び前記判定情報を学習者毎に第4記憶部に記憶する第4記憶制御手段と、
前記端末装置の前記情報要求手段の要求に応じて前記第4記憶部に記憶された前記学習者毎の前記解答情報及び前記判定情報を前記端末装置に送信するサーバ側送信手段と
を備えたことを特徴とする学習システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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