説明

安全な接続手段を有する薬剤送出装置

本発明は、容器から製品を輸送するための通水路(6)を画定しているエンド・ピース(5)を備えている末端部(3)を有する、製品が入っている容器(2)を画定している薬剤送出装置に関連する。該薬剤送出装置は、前記エンド・ピース(5)を接続器に連結する手段を備え、該連結手段は、エンド・ピースの一部を取り囲むように画定され、末端部(3)から延在しているカラー(7)を備え、前記連結手段は、前記カラー(7)に接続可能な接続手段(10、20)を備え、該接続手段(10、20)は、前記カラーの内側面(7a)と係合可能な管状壁部分に画定されている境界面(17)を有する管状壁部分、および前記接続手段(10、20)が前記カラー(7)に接続されると、前記カラー(7)の外側面(7b)の少なくとも一部に係合可能な係合手段(15)を有する保持用留め金(13)を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー(a collar)により取り囲まれているエンド・ピース(end-piece)および該エンド・ピースを接続器(a connector)に連結する特有の連結手段を有する薬剤送出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤送出装置は、通常、医薬品が入っている容器を形成する中空の本体を備えている。さらに、容器を形成する本体の末端部は、通常、エンド・ピースを備え、該エンド・ピースには、上記医薬品が容器から吐出される軸方向の通路が配置されている。
【0003】
本件出願において、構成要素のまたは装置の末端部は、使用者の手から最も遠い端部を意味するものとみなされるべきであり、基端部は、使用者の手に最も近い端部を意味するものとみなされるべきである。
【0004】
さらに、容器および薬剤送出装置のエンド・ピースは、ガラスまたはプラスチックのような種々の材料から作られ得る。容器内に保存される医薬品の安定性が容器壁のプラスチックの種類によって影響を受けないことが知られているとき、ガラス材料の取り扱いに関する共通のリスク(the common risks)を避けるために、プラスチック材料から作られる薬剤創出装置を有することが望ましい。実際に、ガラス材料から作られる薬剤送出装置がたまたま壊れると、該装置に入っている医薬品が失われるばかりでなく、結果として生じるガラス材料の破片がたまたま周辺にいる人を危険にさらす。さらに、失われた医薬品もまた、そのような医薬品が、例えば、有毒な薬剤である場合には、危険を発生させ得る。
【0005】
薬剤送出装置が医薬品で事前に満たされ、該満たされた状態でエンドユーザ(the final user)に提供されるとき、プラスチック材料から作られる薬剤送出装置を有することもまた望ましい。したがって、事前充填、消毒、包装、輸送、保存のステップのような使用前に装置が受ける種々の動作中に、薬剤送出装置を壊すリスクは、実質的に制限される。
【0006】
特に、灌流装置(a perfusion device)を介して実行されている患者への非経口投与のための水薬のような製品の取り扱いは、入院中あるいは緊急時にたびたびあるように、一般的なやり方では、送出される製品が入っている薬剤送出装置を、通常、IVライン(an IV line)を介して患者の静脈に連結するIV(静脈内)接続器のような接続器の使用を必ず伴う。もちろん、薬剤送出装置、特に、そのエンド・ピースおよび接続器は、相互に正確に且つしっかりと組み立てられなければならない。
【0007】
この観点から考えると、薬剤送出装置は、通常、エンド・ピースを取り囲む外側カラーを備え、このカラーは、薬剤送出装置のエンド・ピースから接続器へ、そしてIVライン内での医薬品の輸送を容易にするために、接続器に接続されることを意図されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
接続器がカラーに接続されるときに、該カラーは、接続器を該カラーに接続するために加えられる力によって生じるストレス(a stress)を受ける。加えられる力の強度は、接続器がカラーに接続される方法に依存して変動し得る。例えば、接続器は、圧力嵌めまたはネジ留めによりカラーに接続され得る。加えられる力の強度は、また、使用者に依存する。結果として、接続器がカラーに接続されるとき、該カラーが受けるストレスは、制御可能ではない。
【0009】
さらに、いくつかのタイプの薬剤送出装置、特に、シクロオレフィン重合体及び/又はシクロオレフィン共重合体のようなプラスチック材料から作られている上述したようなカラーを有する薬剤送出装置へのIV接続器の組み立てに関する問題が報告されている。特に、薬剤送出装置が、例えば、ネジ留めにより、接続器を該薬剤送出装置に接続するのに必要なストレスを受けているときに、薬剤送出装置のエンド・ピースを取り囲んでいるカラーが壊れるということがたまたま起きる。そのような場合に、接続器は、薬剤送出装置のエンド・ピースにしっかりと且つ正確に接続されていないし、薬剤の投与は、不可能になるか、良くても遅れる。さらに、そのような現象は、また、両者がIVラインで連結されている薬剤送出装置とカテーテルとの間の高さの差に起因する吸い上げ作用のリスク、すなわち、制御されない薬剤の送出を引き起こす。
【0010】
それにもかかわらず、シクロオレフィン重合体及び/又はシクロオレフィン共重合体のようなプラスチック材料から作られる薬剤送出装置を有することが望ましい。確かに、そのような材料は、該材料が薬剤送出装置内に保存される製品の安定性を維持するので、事前に満たされる薬剤送出装置の製造に有用である。そのような材料は、また、該材料が薬剤の視覚管理に対し高度の透明性を示しているので非常に便利である。該材料は、また、それが薬剤送出装置の高圧にさらされているとき、高度の幾何学的安定性を示す。
【0011】
また、薬剤送出装置が使用者に提供されるときと接続器が該薬剤送出装置に接続されるときとの間でいろいろな方法で、例えば、使用者がパージ(a purge)を完了したときにエンド・ピースから過度に滴り落ちる何らかの製品が接触することにより、カラーが劣化することが起こり得る。そのような場合に、接続器とカラーとの間で結果として生じる接続は、信頼できないし、該接続は、使用中接続器に接続されているときまたは使用後送出装置から接続器が切り離されるときのどちらかにおいて壊され得る。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の1つの形態は、カラーにより取り囲まれているエンド・ピースを有する薬剤送出装置を提供することにある。該薬剤送出装置は、接続ステップを完了する使用者によって加えられる力の強度の変動にかかわらず、また、接続ステップの前に、潜在的に劣化させる製品がカラーに接触したという事実にもかかわらず、接続器がエンド・ピースに接続されるときまたはエンド・ピースから切り離されるときカラーが壊れるという非常に限定的なリスクを伴っている。
【0013】
本発明に1つの形態は、容器からの製品の輸送のための通路を提供する通水路を画定するエンド・ピースを備える末端部を有する薬剤送出装置である。該薬剤送出装置は、上記エンド・ピースを接続器に連結する連結手段を備え、該連結手段は、エンド・ピースの一部を囲むように画定され、末端部から延在するカラーを備え、連結手段は、さらに、上記カラーに接続可能であり、エンド・ピースを接続器に連結する接続手段を備え、該接続手段は、カラーの内側面との係合のためにそこに画定される境界面を有する管状壁部分を備え、接続手段は、さらに、該接続手段がカラーに接続されるとき、該カラーの外側面の少なくとも一部分に係合可能な係合手段を有する保持用留め金を備えている。
【0014】
本発明の装置の連結手段、特に接続手段の構造のおかげで、本発明の薬剤送出装置は、カラーが壊れるという非常に限定的なリスクを伴って、接続器のエンド・ピースへの連結および分離を可能とする。特に、接続器が、例えば圧力嵌めまたはネジ留めによりカラーおよびエンド・ピースに連結されるどのような方法であっても、接続手段は、加えられるストレスを吸収しカラーが損傷するまたは壊れることを防止する。
【0015】
さらに、薬剤送出装置は、例えば、使用者がパージを完了した後、エンド・ピースから過度に滴り落ちる何らかの製品がカラーに接触した場合においてさえも、接続器のエンド・ピースへの安全連結をさらに可能とする。確かに、使用前に薬剤送出装置を洗浄するために、使用者がエンド・ピースから容器に入っているわずかばかりの製品を自主的に吐出した後、数的のとても小さな製品が、エンド・ピースの外側面および/またはカラーの内側面に接触することがたまに起こり得る。従来の薬剤送出装置においては、そのような現象は、カラーを劣化させ、カラー、したがって、エンド・ピースと接続器との間における安全でなく且つ信頼できない連結を引き起こし得る。
【0016】
本発明の装置の接続手段の構造のおかげで、本発明の薬剤送出装置は、容器から来る何らかの製品が予めカラーに接触した場合においてさえも、エンド・ピースと接続器との間の安全な連結を可能とする。
【0017】
実施形態において、接続手段は、ポリエチレン、鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンおよびそれらの混合物から成るグループから選択されるポリオレフィン材料から作られる。そのような材料から作られる接続手段は、使用者が接続器をエンド・ピースに連結するときに、該接続手段が使用者により加えられる力を受ける場合、該接続手段が壊れることを防止する強さを有する。さらに、接続手段は、カラーの内側面との係合のためにそこに画定されている境界面およびカラーの外側面の少なくとも一部に係合可能な係合手段を有する保持用留め金を有する管状壁部分を備えているので、接続器がエンド・ピースに連結されるときにカラーに加えられる力は、管状壁およびカラーの両方にわたって分配され、結果として、カラーは、接続器がエンド・ピースに連結されるときに保護され、壊れることがない。さらに、ポリオレフィンのような材料から作られる管状壁は、例えば、使用者がパージを完了した後、何らかの製品がエンド・ピースから過度に滴り落ちた場合においてさえも、接続器のエンド・ピースへの安全な連結を可能とする。
【0018】
管状壁は、オーバーモールド(overmoulding)、スナップ留め(snap-fastening)、ネジ留め、溶接、圧力嵌め、およびこれらの組み合わせからなるグループ内で選択される固定手段によりカラーの内側面に固定され得る。実施形態において、境界面は、オーバーモールド手段、スナップ留め手段、ネジ留め手段、溶接手段、圧力嵌め手段およびこれらの組み合わせから成るグループから選択される。
【0019】
実施形態において、上記カラーは、シクロオレフィン重合体及、シクロオレフィン共重合体およびその混合物から選択される材料から作られる。そのような材料は、例えば、ガラスよりも壊れ難い。
【0020】
実施形態において、上記保持用留め金は、上記管状壁から延在し、上記接続手段が上記カラーに接続されると、該カラーの外側面の末端領域の部分を覆っている不連続なリングである。あるいは、上記保持用留め金は、上記管状壁から延在し、上記接続手段が上記カラーに接続されると、該カラーの外側面の末端領域を覆っている連続したリングである。上述のとおり、カラーの外側面の少なくとも一部に近い保持用留め金の位置は、接続器が連結されるときに薬剤送出装置の末端部に加えられた力が複数の構成要素に分配され、それにより、カラーが受けている力を解放し、該カラーが劣化することを妨げることを可能とする。
【0021】
実施形態において、上記管状壁の内側面には、ネジ山が設けられている。そのようなネジ山は、通常、接続器を薬剤送出装置にネジ留めするために、接続器に設置される雄ネジと協同することを意図されている。
【0022】
実施形態においては、上記カラーの内側面は、上記境界面に係合可能な、カラーの内側面に画定されるネジ山を有している。
【0023】
実施形態において、上記接続手段は、そこを貫通するように画定されている導管を有する先端部、および該先端部を囲むように画定されている外部リングをさらに備えている。導管は、上記接続手段が上記カラーに接続されると、軸方向に上記通水路に一線状に整列される。そのような実施形態において、上記外部リングの内側面は、該外部リングの内側面に画定されているネジ山を有し得る。外部リングの内側面のネジ山は、通常、薬剤送出装置のエンド・ピースに連結される接続器の外側ネジ山と協同することを意図されている。
【0024】
実施形態において、上記接続手段は、上記カラーとネジ的に(threadedly)接続可能である。そのような実施形態において、例えば、上記カラーの内側面には、ネジ山が設けられ、上記管状壁の外側面には、カラー内で管状壁をネジ留めするように、上記ネジ山と協同することができる少なくとも1つの外部リム(outer rim)が設けられ得る。例えば、カラー内で管状壁をネジ留めするために、4つのリムがネジ山と協同するように、上記管状壁の外側面には、互いに軸方向に規則的に間隔をあけて配置される4つの外部リムが設けられ得る。そのような実施形態は、上記管状壁がカラーにネジ留めされると、該管状壁に加える力のより良い分配を可能とする。したがって、カラーは、それを損傷させるおよび/または壊す可能性のある力を受けることが少ない。
【0025】
実施形態において、上記外側面は、上記接続手段が上記カラーに接続されているとき、該接続手段の該カラーからの取り外しを防止する停止手段を外側面に画定されている。停止手段は、上記接続手段が上記カラーに接続されているとき、該接続手段の該カラーからの取り外しを防止する保持用留め金の係合手段と協同し得る。例えば、上記外側面は、上記接続手段が上記カラーにネジ的に接続されることを可能とするために、また、該接続手段が該カラーからネジ的に取り外されることを防止するために、保持用留め金に画定されている長手方向に延びる突起と係合可能な傾斜面を有する長手方向に延びる隆起部を上記外側面に画定している。
【0026】
そのような実施形態は、また、カラーへの管状壁のより良い固定を可能とする。特に、管状壁がカラーに対する回転を妨げられるばかりでなく、カラーに対する軸方向への移動も妨げられる。
【0027】
その他の実施形態において、上記管状壁は、上記カラー内でスナップ留めされている。
【0028】
実施形態においては、容器、エンド・ピースおよびカラーは、シクロオレフィン重合体及、シクロオレフィン共重合体およびその混合物から選択される材料から単一状に(unitarily)形成される。上述したとおり、そのような材料は、その高度の透明性、高度の幾何学的安定性を考慮すると、また、安全性の観点からも特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】接続手段が容器の末端部へ固定される前の、本発明の装置の第1の実施形態の斜視図である。
【図2】図1の装置の断面図である。
【図3】接続手段が容器の末端部に固定されている時点での、図1の装置の断面図である。
【図4】図3の装置の上面図である。
【図5】接続手段が容器の末端部へ固定される前の、本発明の装置の第2の実施形態の斜視図である。
【図6】接続手段が容器の末端部に固定されている時点での、図5の装置の上面図である。
【図7】図5の装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
さて、本発明の装置が、以下の記載および添付図面を参照してさらに説明される。
【0031】
図1および2を参照すると、製品(不図示)を患者に送出することを意図されている本発明の薬剤送出装置1が示されている。この観点から考えると、薬剤送出装置1は、送出される製品が入っている薬剤送出装置を、患者の静脈にそれ自身直接接続されているIVラインに通常連結するIV(静脈内)接続器のような接続器(不図示)に連結されることを意図されている。
【0032】
図1を参照すると、薬剤送出装置1は、医療用物質のような、患者に送出される製品を運ぶ容器2を備えている。容器2は、例えば、小型薬壜、カテーテルまたは注射筒のようなどのような容器であってもよい。容器2は、末端部3および基端部4を有する。容器が注射筒である場合には、基端部4は、通常開放されている。容器2の末端部3は、長手方向の軸A(図2参照)を有するエンド・ピース5を備えている。該エンド・ピース5は、球形形状の管を有し、該エンド・ピース5には、長手方向の軸Aに整列し、容器2から外部への、特に、後で説明されるように、IVラインへの、製品輸送用の通路を提供する通水路6が横切っている。
【0033】
図1および2に示される実施形態においては、エンド・ピース5は、容器2の末端部5から延びるカラー7により取り囲まれている。示される実施例においては、カラー7の内側面7aには、その機能については後で説明されるネジ山8が設けられている。その外側面7bにおいては、カラー7には、カラー7の全周に及んでいる、複数の長手方向に延びる隆起部9が設けられている。長手方向に延びる隆起部9は、全て、傾斜面9aをそれぞれ有し、全ての傾斜面9aは、互いに平行である。
【0034】
図1および2に示される実施例において、容器2、エンド・ピース5およびカラー7は、一つの単一体から作られる。図示されない別の実施形態においては、エンド・ピースおよび/またはカラーは、容器とは別に作られ、次に、例えば、接着剤で接合することにより、容器の末端部3に固定され得る。
容器2、エンド・ピース5およびカラー7が、図1および2に示されるように、一つの単一体から作られるとき、該単一体は、射出成形により作り出され、例えば、シクロオレフィン重合体及、シクロオレフィン共重合体およびその混合物から選択される材料から作られ得る。そのような材料は、プラスチック材料であり、該プラスチック材料は、もしそれがたまたま壊れた場合にも危険がほとんどないというガラス以上の利点を有する。さらに、そのような材料は、それが容器の高圧にさらされるとき、薬剤の視覚管理に対する高度の透明性および高度の幾何学的安定性を示す。このことは、容器が注射筒である場合、特に有用である。
【0035】
図1および2の薬剤送出装置1は、末端部11および基端部12を有する管状壁10をさらに備えている。末端部11には、2つの対向する外部耳13が設けられている。該2つの外部耳13それぞれには、基部スカート(a proximal skirt)14が設けられ、管状壁10に連結される不連続なリングを形成している。基部スカート14それぞれの内側面14aには、長手方向に延びる突起15が設けられている。
【0036】
示されていない実施形態においては、外部耳は、管状壁の周囲に沿って全体に及んでおり、管状壁に連結される連続したリングを形成していてもよい。
【0037】
管状壁10の内側面10aには、ネジ山16が設けられている。管状壁10の外側面10bには、軸方向に規則的に互いに対して間隔をあけて配置され、カラー7の内側面7aとの係合のための管状壁10の境界面を画定する4つの外部リム17が設けられている。以下の記載から見えてくるように、各外部リム17を隣接する外部リム17から切り離している空間は、カラー7の内側面7aのネジ山8の螺旋状ネジに対応する。結果として、管状壁10の境界面、すなわち、外部リム17は、ネジ留め手段を画定する。
【0038】
図1〜4に示される実施例において、管状壁10は、管状壁10をカラー7内にネジ留めすることにより容器2の末端部3に固定される。この観点から考えると、管状壁10の基端部12は、カラー7内に係合する。ネジ留めステップ中において、4つの外部リム17がカラー7のネジ山8と協同する。このステップ中において、また、各スカート14の内側面14aの長手方向に延びる突起15は、カラー7に対する管状壁10のネジ留め方向への移動を可能とし、ネジを外す方向へのそのような移動を妨げるために、長手方向に延びる隆起部9、特に、傾斜面9aと協同する。
【0039】
したがって、図3および4に示されるように、ネジ留めステップの終わりにおいて、管状壁10は、カラー7に確実に接続される。長手方向に延びる突起15は、カラー7の外側面の少なくとも一部に係合可能な係合手段を形成する。長手方向に延びる突起15および長手方向に延びる隆起部9の傾斜面9aとの協同は、管状壁10がネジを外されるまたはカラー7からネジ的に取り外されることを妨げる停止手段を形成する。また、この構成においては、管状壁10は、カラー7に対し軸方向へ移動することが妨げられる。
【0040】
管状壁10がカラー7に接続されると、図3に示されるように、管状壁10の境界面、言い換えれば、外部リム17は、カラー7の内側面7aに係合する。さらに、この位置において、また、耳13のスカート14の内側面14aの長手方向に延びる突起15は、カラー7の外側面7bの末端領域の少なくとも一部に係合し、該突起15は、接続器が容器に連結されるとき容器の末端部3に加えられる力の一部を吸収することができる保持用留め金を形成する。保持用留め金および管状壁は、したがって、薬剤送出装置のエンド・ピースに接続器を連結するために、カラーに接続される接続手段を形成する。
【0041】
結果として、カラー7は、特によく保護され、強化される。そして、容器2の末端部3は、また、接続器を経由してのIVラインへの製品の輸送を完了するために、容器2の末端部3に連結されることを意図されている接続器(不図示)をいつでも受け入れることができる。通常、接続器には、管状壁10の内側面10aのネジ山16と協同することができる外側ネジ山が設けられている。
【0042】
特に、管状壁10は、好ましくは、例えば、ポリエチレン、鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンおよびそれらの混合物から成るグループから選択されるポリオレフィンから選択される材料から作られるので、その完全性(its integrity)は、使用者による容器2のパージの完了に関連する製品の不注意による滴りの影響を受けることがない。
【0043】
また、外部リム17は、より抵抗力があり、接続器が容器2の末端部3に接続され、または取り外されるときに壊れることがないカラー7の補強を提供する。
【0044】
結果として、管状壁10は、接続器を薬剤創出装置1のエンド・ピース5に連結する接続手段の一部を形成する。その構造は、カラーが壊れるという非常に限定されたリスクを伴う接続器のエンド・ピースへの連結および取り外しを可能とする。特に、接続器が管状壁10内でネジ留めされるとき、薬剤送出装置1の末端部に加えられる力がどんなものであれ、接続手段、言い換えれば、管状壁10および耳13とスカート14から形成される保持用留め金が加えられるストレスを吸収し、カラー7が傷つけられたり、または壊れたりすることを防止する。
【0045】
図5〜7を参照すると、本発明の薬剤送出装置1の第2の実施形態が示されている。この実施形態においては、容器2は、図1〜4に示される容器と全く一致しており、同様の言及が維持される。
【0046】
これらの図の実施形態において、薬剤送出装置1に末端方向に引き延ばされている管状壁20が設けられるとともに、長手方向に延びる先端部21に、上記エンド・ピース5の長手方向の軸Aに整列される導管22及び先端部21を取り囲む外部リング23が設けられる。
【0047】
その基端部において、管状壁20には、カラー7のネジ山8と協同することができる、示される実施例におけるネジ留め手段である、管状壁20の境界面を画定する外部フランジ24が設けられている。管状壁20には、また、基端方向に延在する2つの対向するスカート26が設けられた外部環状壁25が設けられている。スカート26の内側面には、図1〜4の実施形態に関して説明されたと同様の方法で、管状壁20のカラー7内へのネジ留め動作を可能とし、管状壁20のカラー7からの取り外し動作を妨げるために、長手方向に延びる隆起部9およびそれらの傾斜面9aと協同することができる長手方向に延びる突起27が設けられている。長手方向に延びる突起27は、したがって、カラー7の外側面の少なくとも一部に係合可能な係合手段を形成する。環状壁25には、さらに、末端方向に延在し、管状壁20がカラー7内でネジ的に接続されるときに使用者の指に対する把持面を形成する外部突起29が設けられている。
【0048】
外部リング23には、管状壁20により部分的に形成される接続手段を介して容器2の末端部3に連結されることを意図されている接続器(不図示)の外側ネジ山と協同することを意図されているネジ山28がその内側面に設けられる。
【0049】
一旦、管状壁20がカラー7にネジ的に接続されると、2つの通路、すなわち、エンド・ピース5および先端部21それぞれの通水路6および導管22は、一線上に整列され(図6参照)、一旦、接続器が管状壁20を介して容器の末端部3に接続されると、製品が接続器を通って容器2からIVラインへ輸送されることが可能となるだろう。
【0050】
図1〜4の実施形態と同様に、管状壁20がカラー7に接続されると、管状壁20の境界面、言い換えれば、フランジ24は、カラー7の内側面7aに係合する。さらに、この位置において、また、スカート26の長手方向に延びる突起27は、カラー7の外側面7bの末端領域の少なくとも一部に係合し、該突起27は、接続器が容器2に連結されると、容器2の末端部3に加えられる力の一部を吸収することができる保持用留め金を形成する。保持用留め金および管状壁は、したがって、接続器を薬剤送出装置のエンド・ピースに連結するために、カラーに接続される接続手段を形成する。
【0051】
特に、管状壁20は、例えば、ポリエチレン、鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンおよびそれらの混合物から成るグループから選択されるポリオレフィンから選択される材料から作られることが好ましいので、その完全性は、使用者による容器2のパージの完了に関連する製品の不注意による滴りの影響を受けることがない。
【0052】
管状壁20は、したがって、接続器を薬剤創出装置1のエンド・ピース5に連結する接続手段の一部を形成する。その構造は、カラーが壊れるという非常に限定されたリスクを伴う、エンド・ピースへの接続器の連結および取り外しを可能とする。特に、接続器が管状壁20内でネジ留めされるとき、薬剤送出装置1の末端部に加えられる力がどんなものであれ、接続手段、言い換えれば、管状壁20およびスカート26から形成される保持用留め金が、加えられるストレスを吸収し、カラー7が傷つけられたり、または壊れたりすることを防止する。
【0053】
したがって、本発明は、接続器がエンド・ピースに連結されまたはそれから取り外されるとき、あるいは、接続ステップを完了するために使用者により加えられ得る力の強度の変動にかかわらず、また、接続ステップの前に潜在的に劣化している製品がカラーに接触したといる事実にかかわらず、使用中のいずれかにおいて、カラーが壊れるという非常に限定されたリスクを伴う、カラーにより取り囲まれているエンド・ピースを有する薬剤送出装置を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品が入っている容器(2)を画定している薬剤送出装置(1)であって、
該薬剤送出装置は、
前記容器から前記製品を輸送するための通路を提供する通水路を画定しているエンド・ピース(5)、および
前記エンド・ピース(5)を接続器に連結する連結手段を備え、
該連結手段は、
前記エンド・ピース(5)の一部を取り囲むように画定され、末端部(3)から延在しているカラー(7)を備え、さらに
前記カラー(7)に接続可能であり、前記エンド・ピース(5)を接続器に連結する接続手段(10;20)を備え、
該接続手段(10;20)は、
前記カラーの内側面(7a)との係合のためにそこに画定されている境界面(17;24)を有する管状壁部分を備え、さらに
前記接続手段(10;20)が前記カラー(7)に接続されると、前記カラー(7)の外側面(7b)の少なくとも一部に係合可能な係合手段(15;27)を有する保持用留め金(13;26)を備えていることを特徴とする薬剤送出装置。
【請求項2】
前記接続手段(10;20)は、ポリエチレン、鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンおよびそれらの混合物から成るグループから選択されるポリオレフィン材料から作られることを特徴とする請求項1に記載の薬剤送出装置。
【請求項3】
前記境界面(17;24)は、オーバーモールド手段、スナップ留め手段、ネジ留め手段、溶接手段、圧力嵌め手段、およびこれらの組み合わせから成るグループから選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の薬剤送出装置。
【請求項4】
前記カラーは、シクロオレフィン重合体及、シクロオレフィン共重合体およびその混合物から選択される材料から作られることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薬剤送出装置。
【請求項5】
前記保持用留め金(13;26)は、前記管状壁から延在し、前記接続手段(10;20)が前記カラー(7)に接続されると、前記カラーの外側面(7b)の末端領域の一部を覆う不連続なリングであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薬剤送出装置。
【請求項6】
前記保持用留め金は、前記管状壁から延在し、前記接続手段が前記カラーに接続されると、前記カラーの外側面の末端領域の一部を覆う連続したリングであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薬剤送出装置。
【請求項7】
前記カラーの内側面は、前記境界面(17;24)に係合可能な、前記カラーの内側面に画定されるネジ山(8)を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の薬剤送出装置。
【請求項8】
前記接続手段は、そこを貫通するように画定されている導管(22)を有する先端部(21)、および前記先端部(21)を取り囲むように画定されている外部リング(23)をさらに備え、前記導管(22)は、前記接続手段(10;20)が前記カラー(7)に接続されると、前記通水路(6)に軸方向に整列されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の薬剤送出装置。
【請求項9】
前記外部リングの内側面は、そこに画定されているネジ山(28)を有することを特徴とする請求項8に記載の薬剤送出装置。
【請求項10】
前記接続手段(10;20)は、前記カラー(7)にネジ的に接続可能であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の薬剤送出装置。
【請求項11】
前記外側面(7b)は、前記接続手段(10;20)が前記カラー(7)に接続されると、前記接続手段(10;20)の前記カラー(7)からの取り外しを防止する、前記外側面(7b)に画定されている停止手段(9、9a)を有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の薬剤送出装置。
【請求項12】
前記外側面(7b)は、前記接続手段(10;20)が前記カラー(7)にネジ的に接続されることが可能となるように、また、前記接続装置(10;20)が前記カラー(7)からネジ的に取り外されることを防止するように、保持用留め金(14;26)に画定されている長手方向に延びる突起(15;27)に係合可能な傾斜面(9a)を有する、前記外側面(7b)に画定されている長手方向に延びる隆起部(9)を有することを特徴とする請求項11に記載の薬剤送出装置。
【請求項13】
前記容器(2)、エンド・ピース(5)およびカラー(7)は、シクロオレフィン重合体及、シクロオレフィン共重合体およびその混合物から選択される材料から単一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の薬剤送出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−521093(P2013−521093A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556597(P2012−556597)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【国際出願番号】PCT/IB2010/000943
【国際公開番号】WO2011/110888
【国際公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(310021434)ベクトン ディキンソン フランス (21)
【Fターム(参考)】