安全手摺

【課題】握掴力の弱い老人や子供等にとって握り易く、滑り難い安全手摺を提供すること。
【解決手段】手摺の外周に多数の滑り止めのための凹部を２列に形成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、建築物や建造物の屋内外の歩行通路や浴室やトイレ等の壁面に使用される安全手摺に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来の建築物や建造物の屋内外の壁面等に設けられる個別手摺や連続手摺は、各種の握掴構造のものが採用され、その殆どが、手で握り易く、滑り難くするために手摺の外周に多数の滑り止めのための凹部を形成したものが市販されている。
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
然しながら、従来のこの種の手摺にあっては、手摺外周の多数の滑り止めのための凹部は一列に形成されていたため、手摺を握って掴む力即ち握掴力の弱い老人や子供等にとっては指の一箇所だけが凹部に入って掛かりが悪く、矢張り滑り易いという問題点があった。
【０００４】
そこで、手摺外周に形成する凹部の列を２列にして複数の老人で試験したところ、二列の凹部それぞれに指と掌の二個所が入り、握り易いだけでなく、滑りが殆どなくなり、安全手摺としての手で握り易く、滑り難いという所期の目的を達成するに至った。
【発明の目的】
【０００５】
本発明の第１の目的は、握掴力の弱い老人や子供等にとって握り易く、滑り難い安全手摺を提供することにある。
【０００６】
本発明の第２の目的は、手摺が木製であっても強度的に優れ、握掴力の弱い老人や子供等にとって握り易く、滑り難い安全手摺を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の請求項１に係る安全手摺は、手摺の外周に多数の滑り止めのための凹部を２列に形成したことを特徴とするものである。
【０００８】
本発明の請求項２に係る安全手摺は、円柱状の木製手摺の外周に多数の滑り止めのための凹部を２列に形成し、各凹部の深さを手摺の直径に対して７〜１５％としたことを特徴とするものである。
【発明の作用】
【０００９】
請求項１に係る安全手摺では、２列の凹部に指と掌の二個所が入り、手で握り易く、滑り難くなる。
【００１０】
請求項２に係る安全手摺では、２列に凹部を形成しても、手摺の強度が低下することがない。
【発明の実施の態様】
【００１１】
本発明の請求項２に対応する安全手摺の実施の態様を図面について具体的に説明する。
【００１２】
図１は、本発明に係る安全手摺の正面図、図２は、図１のＡ−Ａ線における断面図である。
【００１３】
図１、２において、１は、円柱状で木製の手摺本体であって、手摺本体１の外周に滑り止めのための多数の凹部２・・・２が９０°の角度だけずらして２列に形成されている。
【００１４】
具体的には手摺本体１の直径ａは３５ｍｍ、各凹部２の深さｂは０．４５ｍｍで、各凹部２の深ｂさに対する手摺本体１の直径ａの比率ｂ／ａは略１２％となっており、滑り止めに有効な深さｂは２．５ｍｍで、手摺本体１の材質にもよるが、強度上深さｂは５．５ｍｍ迄とするのが好ましく、各凹部２の深ｂさに対する手摺本体１の直径ａの比率ｂ／ａは０．７〜１５％が好ましい。
【００１５】
また、凹部２、２間の間隔ｃは握り易い２０ｍｍに設定するのが好ましい。
【発明の効果】
【００１６】
以上述べた如く、本発明の請求項１に係る安全手摺は、手摺の外周に多数の滑り止めのための凹部を２列に形成したものであるから、２列の凹部に指と掌の二個所が入り、手で握り易く、滑り難くなり、安全性が高まるものである。
【００１７】
また、本発明の請求項２に係る安全手摺は、円柱状の木製手摺の外周に多数の滑り止めのための凹部を２列に形成し、各凹部の深さを手摺の直径に対して７〜１５％としたものであるから、請求項１に係る安全手摺の効果の他に丸棒の木製手摺において、２列に凹部を形成しても、手摺の強度が低下することがないもので、安心して手摺を製作することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【００１８】
【図１】本発明に係る安全手摺の正面図である。
【図２】図１のＡ−Ａ線における断面図である。
【符号の説明】
【００１９】
１手摺本体
２凹部

【特許請求の範囲】
【請求項１】
手摺の外周に多数の滑り止めのための凹部を２列に形成したことを特徴とする安全手摺。
【請求項２】
円柱状の木製手摺の外周に多数の滑り止めのための凹部を２列に形成し、各凹部の深さを手摺の直径に対して７〜１５％としたことを特徴とする安全手摺。

【図１】