説明

安定な形態のリフォルマツキー試薬およびその製造方法

【課題】下記一般式(I)で表されるステロイドC17,20リアーゼ阻害剤の工業的に有利な製造方法、ならびにその製造方法に適した安定な形態のリフォルマツキー試薬の提供。
【解決手段】特定のカルボニル化合物からリフォルマツキー反応により得られた特定のβ−ヒドロキシエステル化合物誘導体またはその塩を、金属水素錯化合物および金属ハロゲン化物の存在下還元し、次いで、閉環反応に付すことによって、一般式(I)
【化1】


〔式中、各記号は前記定義と同意義をそれぞれ示す。〕で表される化合物を得る。上記リフォルマツキー反応において、BrZnCHCOOCで表される化合物の安定な溶液または(BrZnCHCOOC・THF)で表される化合物の結晶を用いるのが有用である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(IV):
【化1】

[式中、Xは臭素原子またはヨウ素原子を表し;および
11およびR12は、それぞれ同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、R10はエステル残基を表すか;または
11は水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、R10およびR12はそれらが結合する原子と一緒になって置換基を有していてもよいラクトン環を形成する。]
で表される化合物を、2−メチル−テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテルおよびテトラヒドロフランよりなる群から選択される1の有機溶媒中、または、2以上のそれら有機溶媒の組合わせからなる混合溶媒中、活性化剤の存在下で亜鉛と反応させ、ここに、亜鉛は一般式(IV)で表される化合物に対して過剰量存在することを特徴とする一般式(V):
【化2】

[式中、X、R10、R11およびR12は上記定義と同じ。]
で表される化合物の製造方法。
【請求項2】
一般式(IV):
【化3】

[式中、Xは臭素原子またはヨウ素原子を表し;および
11およびR12は水素原子を表し、R10はエステル残基を表すか;または
11は水素原子を表し、R10およびR12はそれらが結合する原子と一緒になって置換基を有していてもよいラクトン環を形成する。]
で表される化合物を、2−メチル−テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテルおよびテトラヒドロフランよりなる群から選択される1の有機溶媒中、または、2以上のそれら有機溶媒の組合わせからなる混合溶媒中、活性化剤の存在下で亜鉛と反応させ、ここに、亜鉛は一般式(IV)で表される化合物に対して過剰量存在することを特徴とする一般式(V):
【化4】

[式中、X、R10、R11およびR12は上記定義と同じ。]
で表される化合物の製造方法。
【請求項3】
一般式(IV):
【化5】

[式中、Xは臭素原子またはヨウ素原子を表し;および
11およびR12は水素原子を表し、R10はC1−8アルキルまたはメンチルを表すか;または
11は水素原子を表し、R10およびR12はそれらが結合する原子と一緒になってラクトン環を形成する。]
で表される化合物を、2−メチル−テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテルおよびテトラヒドロフランよりなる群から選択される1の有機溶媒中、または、2以上のそれら有機溶媒の組合わせからなる混合溶媒中、活性化剤の存在下で亜鉛と反応させ、ここに、亜鉛は一般式(IV)で表される化合物に対して過剰量存在することを特徴とする一般式(V):
【化6】

[式中、X、R10、R11およびR12は上記定義と同じ。]
で表される化合物の製造方法。
【請求項4】
前記一般式(IV)で表される化合物がブロモ酢酸メチルであって、前記一般式(V)で表される化合物がブロモ亜鉛酢酸メチルである請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記一般式(IV)で表される化合物がブロモ酢酸エチルであって、前記一般式(V)で表される化合物がブロモ亜鉛酢酸エチルである請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記一般式(IV)で表される化合物がブロモ酢酸n−プロピルであって、前記一般式(V)で表される化合物がブロモ亜鉛酢酸n−プロピルである請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記一般式(IV)で表される化合物がブロモ酢酸tert−ブチルであって、前記一般式(V)で表される化合物がブロモ亜鉛酢酸tert−ブチルである請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
前記一般式(IV)で表される化合物がブロモ−γ−ブチロラクトンであって、前記一般式(V)で表される化合物がブロモ亜鉛−γ−ブチロラクトンである請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
前記一般式(IV)で表される化合物がブロモ酢酸メンチルであって、前記一般式(V)で表される化合物がブロモ亜鉛酢酸メンチルである請求項1に記載の製造方法。
【請求項10】
前記一般式(IV)で表される化合物がブロモ酢酸(−)−メンチルであって、前記一般式(V)で表される化合物がブロモ亜鉛酢酸(−)−メンチルである請求項1に記載の製造方法。
【請求項11】
11における置換基、R12における置換基、またはR10およびR12が結合する原子と一緒になって形成するラクトン環における置換基が、
(i)ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基およびC7−11アルキルアリール基から選ばれた置換基で置換されていてもよい低級アルキル基、
(ii)C1−6アルキルスルホニル、
(iii)ベンゼンスルホニル、
(iv)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシカルボニル基、
(v)フェニル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシカルボニル基、
(vi)アリール、
(vii)アラルキル、
(viii)アリールアルケニル、
(ix)複素環基、または
(x)ニトロ基である請求項1または2記載の製造方法。
【請求項12】
エステル残基が、C1−8アルキル、C2−8アルコキシアルキル、C4−82−オキサシクロアルキル、C3−8アルケニル、C6−12アリール、C7−19アラルキル、C2−15アルカノイルオキシアルキルまたはC3−15アルコキシカルボニルオキシアルキルである請求項1または2記載の製造方法。
【請求項13】
一般式(IV)で表される化合物1モル量に対して、1グラム原子より多く50グラム原子以下の量の亜鉛が存在する請求項1−10記載の製造方法。
【請求項14】
10がメチル基またはエチル基である請求項1−3記載の製造方法。
【請求項15】
溶媒がシクロペンチルメチルエーテルである請求項1−10記載の製造方法。
【請求項16】
溶媒がテトラヒドロフランである請求項1−10記載の製造方法。
【請求項17】
活性化剤がハロゲン、ハロゲン化銅、ハロゲン化銀、1,2−ジハロゲンエタン、ハロゲンアルキルシランおよびモレキュラーシーブよりなる群から選択され、ここに、ハロゲンは塩素、臭素またはヨウ素である請求項1−10記載の製造方法。
【請求項18】
活性化剤がハロゲンアルキルシランである請求項17記載の製造方法。
【請求項19】
活性化剤がクロロトリメチルシランである請求項18記載の製造方法。
【請求項20】
一般式(V):
【化7】

[式中、Xは臭素原子またはヨウ素原子を表し;および
11およびR12は、それぞれ同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、R10はエステル残基を表すか;または
11は水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、R10およびR12はそれらが結合する原子と一緒になって置換基を有していてもよいラクトン環を形成する。]
で表される化合物の1,2−ジメトキシエタンまたはシクロペンチルメチルエーテル溶液。
【請求項21】
一般式(V):
【化8】

[式中、Xは臭素原子またはヨウ素原子を表し;および
11およびR12は水素原子を表し、R10はエステル残基を表すか;または
11は水素原子を表し、R10およびR12はそれらが結合する原子と一緒になって置換基を有していてもよいラクトン環を形成する。]
で表される化合物の1,2−ジメトキシエタンまたはシクロペンチルメチルエーテル溶液。
【請求項22】
一般式(V):
【化9】

[式中、Xは臭素原子またはヨウ素原子を表し;および
11およびR12は水素原子を表し、R10はC1−8アルキルまたはメンチルを表すか;または
11は水素原子を表し、R10およびR12はそれらが結合する原子と一緒になってラクトン環を形成する。]
で表される化合物の1,2−ジメトキシエタンまたはシクロペンチルメチルエーテル溶液。
【請求項23】
11における置換基、R12における置換基、またはR10およびR12が結合する原子と一緒になって形成するラクトン環における置換基が、
(i)ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基およびC7−11アルキルアリール基から選ばれた置換基で置換されていてもよい低級アルキル基、
(ii)C1−6アルキルスルホニル、
(iii)ベンゼンスルホニル、
(iv)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシカルボニル基、
(v)フェニル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシカルボニル基、
(vi)アリール、
(vii)アラルキル、
(viii)アリールアルケニル、
(ix)複素環基、または
(x)ニトロ基である請求項20または21記載の製造方法。
【請求項24】
エステル残基が、C1−8アルキル、C2−8アルコキシアルキル、C4−82−オキサシクロアルキル、C3−8アルケニル、C6−12アリール、、C7−19アラルキル、C2−15アルカノイルオキシアルキルまたはC3−15アルコキシカルボニルオキシアルキルである請求項20または21記載の溶液。
【請求項25】
ブロモ亜鉛酢酸エチルの1,2−ジメトキシエタンまたはシクロペンチルメチルエーテル溶液。
【請求項26】
1,2−ジメトキシエタンまたはシクロペンチルメチルエーテルを用いて、一般式(V):
【化10】

[式中、Xは臭素原子またはヨウ素原子を表し;および
11およびR12は、それぞれ同一または異なって、水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、R10はエステル残基を表すか;または
11は水素原子、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表し、R10およびR12はそれらが結合する原子と一緒になって置換基を有していてもよいラクトン環を形成する。]
で表される化合物を安定化する方法。
【請求項27】
一般式(V):
【化11】

[式中、Xは臭素原子またはヨウ素原子を表し;および
11およびR12は水素原子を表し、R10はエステル残基を表すか;または
11は水素原子を表し、R10およびR12はそれらが結合する原子と一緒になって置換基を有していてもよいラクトン環を形成する。]
で表される化合物を安定化する方法。
【請求項28】
一般式(V):
【化12】

[式中、Xは臭素原子またはヨウ素原子を表し;および
11およびR12は水素原子を表し、R10はC1−8アルキルまたはメンチルを表すか;または
11は水素原子を表し、R10およびR12はそれらが結合する原子と一緒になってラクトン環を形成する。]
で表される化合物を安定化する方法。
【請求項29】
11における置換基、R12における置換基、またはR10およびR12が結合する原子と一緒になって形成するラクトン環における置換基が、
(i)ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基およびC7−11アルキルアリール基から選ばれた置換基で置換されていてもよい低級アルキル基、
(ii)C1−6アルキルスルホニル、
(iii)ベンゼンスルホニル、
(iv)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシカルボニル基、
(v)フェニル基で置換されていてもよいC1−6アルコキシカルボニル基、
(vi)アリール、
(vii)アラルキル、
(viii)アリールアルケニル、
(ix)複素環基、または
(x)ニトロ基である請求項26または27記載の製造方法。
【請求項30】
エステル残基が、C1−8アルキル、C2−8アルコキシアルキル、C4−82−オキサシクロアルキル、C3−8アルケニル、C6−12アリール、、C7−19アラルキル、C2−15アルカノイルオキシアルキルまたはC3−15アルコキシカルボニルオキシアルキルである請求項26または27記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2007−182454(P2007−182454A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−80801(P2007−80801)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【分割の表示】特願2003−3231(P2003−3231)の分割
【原出願日】平成15年1月9日(2003.1.9)
【出願人】(000002934)武田薬品工業株式会社 (396)
【Fターム(参考)】