説明

安定化α−ガラクトシダーゼおよびその使用

連結成分を介して互いに共有結合で連結された少なくとも2つのα−ガラクトシダーゼモノマーを含む多量体型タンパク質構造体、多量体型タンパク質構造体を調製するプロセス、および多量体型タンパク質構造体の投与を介した、ファブリー病を処置することを含む方法が開示される。開示された多量体型タンパク質構造体は、リソソーム条件下および血清環境中の両方における高まった活性および/またはより長く持続する活性の点で、改善された成績を示す。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結成分を介して互いに共有結合で連結された少なくとも2つのα−ガラクトシダーゼモノマーを含む多量体型タンパク質構造体であって、下記の特性からなる群から選択される特性を特徴とする多量体型タンパク質構造体:
(a)天然型α−ガラクトシダーゼをヒト血漿条件に1時間さらしたときの天然型α−ガラクトシダーゼの活性よりも少なくとも10%大きい、多量体型タンパク質構造体をヒト血漿条件に1時間さらしたときのα−ガラクトシダーゼ活性;
(b)天然型α−ガラクトシダーゼの活性が、天然型α−ガラクトシダーゼをヒト血漿条件に1時間さらしたときに低下する割合よりも少なくとも10%小さい割合で、多量体型タンパク質構造体をヒト血漿条件に1時間さらしたときに低下するα−ガラクトシダーゼ活性;
(c)多量体型タンパク質構造体をヒト血漿条件に1時間さらしたとき、実質的に変化しないままであるα−ガラクトシダーゼ活性;
(d)天然型α−ガラクトシダーゼをリソソーム条件に1週間さらしたときの天然型α−ガラクトシダーゼの活性よりも少なくとも10%大きい、多量体型タンパク質構造体をリソソーム条件に1週間さらしたときのα−ガラクトシダーゼ活性;
(e)天然型α−ガラクトシダーゼの活性が、天然型α−ガラクトシダーゼをリソソーム条件に1日間さらしたときに低下する割合よりも少なくとも10%小さい割合で、多量体型タンパク質構造体をリソソーム条件に1日間さらしたときに低下するα−ガラクトシダーゼ活性;
(f)多量体型タンパク質構造体をリソソーム条件に1日間さらしたとき、実質的に変化しないままであるα−ガラクトシダーゼ活性;
(g)多量体型タンパク質の天然型形態をリソソーム条件にさらした直後の天然型α−ガラクトシダーゼの活性よりも少なくとも10%大きい、多量体型タンパク質構造体をリソソーム条件にさらした直後のα−ガラクトシダーゼ活性;
(h)天然型α−ガラクトシダーゼを、7のpHおよび37℃の温度を有する水溶液にさらした直後の天然型α−ガラクトシダーゼの活性よりも少なくとも10%大きい、多量体型タンパク質構造体を、7のpHおよび37℃の温度を有する水溶液にさらした直後のα−ガラクトシダーゼ活性;および
(i)天然型α−ガラクトシダーゼの循環半減期よりも少なくとも20%大きい生理学的システムにおける循環半減期。
【請求項2】
多量体型タンパク質構造体をリソソーム条件に1日間さらしたとき、実質的に変化しないままである多量体型タンパク質構造体のα−ガラクトシダーゼ活性はさらに、多量体型タンパク質構造体をリソソーム条件に1週間さらしたとき、実質的に変化しないままである、請求項1に記載の多量体型タンパク質構造体。
【請求項3】
連結成分は天然型α−ガラクトシダーゼにおいて存在しない、請求項1または2に記載の多量体型タンパク質構造体。
【請求項4】
連結成分を介して互いに共有結合で連結された少なくとも2つのα−ガラクトシダーゼモノマーを含む多量体型タンパク質構造体であって、連結成分が天然型α−ガラクトシダーゼにおいて存在しない多量体型タンパク質構造体。
【請求項5】
下記の特性からなる群から選択される特性を特徴とする、請求項4に記載の多量体型タンパク質構造体:
(a)天然型α−ガラクトシダーゼをヒト血漿条件に1時間さらしたときの天然型α−ガラクトシダーゼの活性よりも少なくとも10%大きい、多量体型タンパク質構造体をヒト血漿条件に1時間さらしたときのα−ガラクトシダーゼ活性;
(b)天然型α−ガラクトシダーゼの活性が、天然型α−ガラクトシダーゼをヒト血漿条件に1時間さらしたときに低下する割合よりも少なくとも10%小さい割合で、多量体型タンパク質構造体をヒト血漿条件に1時間さらしたときに低下するα−ガラクトシダーゼ活性;
(c)多量体型タンパク質構造体をヒト血漿条件に1時間さらしたとき、実質的に変化しないままであるα−ガラクトシダーゼ活性;
(d)天然型α−ガラクトシダーゼをリソソーム条件に1週間さらしたときの天然型α−ガラクトシダーゼの活性よりも少なくとも10%大きい、多量体型タンパク質構造体をリソソーム条件に1週間さらしたときのα−ガラクトシダーゼ活性;
(e)天然型α−ガラクトシダーゼの活性が、天然型α−ガラクトシダーゼをリソソーム条件に1日間さらしたときに低下する割合よりも少なくとも10%小さい割合で、多量体型タンパク質構造体をリソソーム条件に1日間さらしたときに低下するα−ガラクトシダーゼ活性;
(f)多量体型タンパク質構造体をリソソーム条件に1日間さらしたとき、実質的に変化しないままであるα−ガラクトシダーゼ活性;
(g)天然型α−ガラクトシダーゼをリソソーム条件にさらした直後の天然型α−ガラクトシダーゼの活性よりも少なくとも10%大きい、多量体型タンパク質構造体をリソソーム条件にさらした直後のα−ガラクトシダーゼ活性;
(h)天然型α−ガラクトシダーゼを、7のpHおよび37℃の温度を有する水溶液にさらした直後の天然型α−ガラクトシダーゼの活性よりも少なくとも10%大きい、多量体型タンパク質構造体を、7のpHおよび37℃の温度を有する水溶液にさらした直後のα−ガラクトシダーゼ活性;および
(i)天然型α−ガラクトシダーゼの循環半減期よりも大きい生理学的システムにおける循環半減期。
【請求項6】
多量体型タンパク質構造体をリソソーム条件に1日間さらしたとき、実質的に変化しないままである多量体型タンパク質構造体のα−ガラクトシダーゼ活性はさらに、多量体型タンパク質構造体をリソソーム条件に1週間さらしたとき、実質的に変化しないままである、請求項5に記載の多量体型タンパク質構造体。
【請求項7】
天然型α−ガラクトシダーゼの循環半減期よりも大きい多量体型タンパク質構造体の循環半減期は、天然型α−ガラクトシダーゼの循環半減期よりも少なくとも20%大きい、請求項5または6に記載の多量体型タンパク質構造体。
【請求項8】
天然型α−ガラクトシダーゼの循環半減期よりも大きい多量体型タンパク質構造体の循環半減期は、天然型α−ガラクトシダーゼの循環半減期よりも少なくとも50%大きい、請求項7に記載の多量体型タンパク質構造体。
【請求項9】
多量体型タンパク質構造体は、多量体型タンパク質構造体を脊椎動物に投与したときの器官におけるα−ガラクトシダーゼ活性によって特徴づけられ、器官は、脾臓、心臓および腎臓からなる群から選択される、請求項1〜8のいずれかに記載の多量体型タンパク質構造体。
【請求項10】
多量体型タンパク質構造体は2つのα−ガラクトシダーゼモノマーを含み、タンパク質構造体はダイマー型タンパク質構造体である、請求項1〜9のいずれかに記載の多量体型タンパク質構造体。
【請求項11】
α−ガラクトシダーゼはヒトα−ガラクトシダーゼである、請求項1〜10のいずれかに記載の多量体型タンパク質構造体。
【請求項12】
α−ガラクトシダーゼは植物組換えα−ガラクトシダーゼである、請求項1〜10のいずれかに記載の多量体型タンパク質構造体。
【請求項13】
α−ガラクトシダーゼは、配列番号1、配列番号2および配列番号3からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する、請求項1〜12のいずれかに記載の多量体型タンパク質構造体。
【請求項14】
α−ガラクトシダーゼはアルカリ性α−ガラクトシダーゼである、請求項1〜12のいずれかに記載の多量体型タンパク質構造体。
【請求項15】
α−ガラクトシダーゼは酸性α−ガラクトシダーゼである、請求項1〜12のいずれかに記載の多量体型タンパク質構造体。
【請求項16】
連結成分はポリ(アルキレングリコール)を含む、請求項1〜15のいずれかに記載の多量体型タンパク質構造体。
【請求項17】
ポリ(アルキレングリコール)は少なくとも2つの官能基を含み、それぞれの官能基がα−ガラクトシダーゼモノマーの1つとの共有結合を形成する、請求項16に記載の多量体型タンパク質構造体。
【請求項18】
少なくとも2つの官能基はポリ(アルキレングリコール)の末端基である、請求項17に記載の多量体型タンパク質構造体。
【請求項19】
少なくとも1つの連結成分は下記一般式を有する、請求項1〜15のいずれかに記載の多量体型タンパク質構造体:
−X−(CR−CR−Y)n−X
式中、XおよびXの各々は、少なくとも1つのα−ガラクトシダーゼモノマーとの共有結合を形成する官能基であり;
YはO,SまたはNRであり;
nは1〜200の整数であり:および
,R,R,RおよびRの各々は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、チオールおよびチオアルコキシからなる群から独立して選択される。
【請求項20】
官能基の少なくとも1つがα−ガラクトシダーゼモノマーとのアミド結合を形成する、請求項17〜19のいずれかに記載の多量体型タンパク質構造体。
【請求項21】
nは5〜150の整数である、請求項19に記載の多量体型タンパク質構造体。
【請求項22】
nは40〜70の整数である、請求項19に記載の多量体型タンパク質構造体。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれかに記載の多量体型タンパク質構造体と、医薬的に許容され得る担体とを含む医薬組成物。
【請求項24】
ガラクトースをさらに含む、請求項23に記載の医薬組成物。
【請求項25】
医薬品として使用されるためのものである、請求項1〜22のいずれかに記載の多量体型タンパク質構造体。
【請求項26】
医薬品は、ファブリー病を処置するためのものである、請求項25に記載の多量体型タンパク質構造体。
【請求項27】
ファブリー病を処置する際に使用されるためのものである、請求項1〜22のいずれかに記載の多量体型タンパク質構造体。
【請求項28】
ファブリー病を処置する方法であって、請求項1〜22のいずれかに記載の多量体型タンパク質構造体の治療効果的な量をその必要性のある対象に投与し、それにより、ファブリー病を処置することを含む方法。
【請求項29】
請求項1〜22のいずれかに記載の多量体型タンパク質構造体を調製するプロセスであって、α−ガラクトシダーゼを、連結成分と、少なくとも2つの反応基とを含む架橋剤と反応させることを含むプロセス。
【請求項30】
ダイマー型α−ガラクトシダーゼを架橋剤と反応させることを含む、請求項29に記載のプロセス。
【請求項31】
反応基は脱離基を含む、請求項29または30に記載のプロセス。
【請求項32】
反応基はアミノ基と反応して、アミド結合を形成する、請求項29〜31のいずれかに記載のプロセス。
【請求項33】
反応基のそれぞれが、共有結合を、連結成分と、少なくとも1つのα−ガラクトシダーゼモノマーとの間で形成することができる、請求項29〜32のいずれかに記載のプロセス。
【請求項34】
α−ガラクトシダーゼのモノマーに対する架橋剤のモル比が5:1〜500:1の範囲にある、請求項29〜33のいずれかに記載のプロセス。
【請求項35】
モル比は75:1〜300:1の範囲にある、請求項34に記載のプロセス。

【図32A−32B】
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【図33A−33B】
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【図33C−33D】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A−12B】
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【図12C】
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【図13】
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【図14A−14B】
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【図15A−15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24A−24B】
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【図25】
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【図26A−26B】
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【図27A−27B】
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【図27C−27D】
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【図28A−28B】
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【図28C−28D】
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【図29A−29B】
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【図30A−30C】
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【図31A−31B】
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【図31C−31D】
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【図33E−33F】
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【図33G−33H】
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【図33I−33J】
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【図33K−33L】
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【図34A−34B】
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【図34C】
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【図35】
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【図36A−36B】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40A−40B】
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【図41】
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【図42】
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【図43A−43C】
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【図43D−43F】
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【図44】
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【公表番号】特表2013−520986(P2013−520986A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555542(P2012−555542)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【国際出願番号】PCT/IL2011/000209
【国際公開番号】WO2011/107990
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(505161910)プロタリクス リミテッド (8)
【Fターム(参考)】