説明

安定化させた免疫原性HBcキメラ粒子

自己会合粒子の安定性強化及び前記粒子による実質的な核酸結合の欠如の両目的のために、改変操作を施したカルボキシ末端が切端されたキメラB型肝炎ウイルスヌクレオカプシド(コア)タンパク質(HBc)が開示される。前記キメラタンパク質分子は、HBcのN-末端、免疫原性ループ又はC-末端の1つ又は2つ以上にペプチド結合した1つ又は2つ以上の免疫原性エピトープを含むことができる。自己会合粒子の安定性強化は、キメラ分子のアミノ末端又はカルボキシ末端の一方又は両方近くの少なくとも1つの異種システイン残基の存在、及び天然の配列のHBc48位及び107位に存在するシステイン残基の欠如によって達成される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さが約600アミノ酸残基までのリコンビナントキメラB型肝炎コア(HBc)タンパク質分子であって、
(a)残基4位から約75位及び約85位から約140位のHBc配列を含み、48位及び107位のシステイン残基の一方又は両方が別の残基によって置換されているHBc分子のN-末端183アミノ酸残基の少なくとも約125のHBc配列を含み;
(b)場合によって、前記キメラのN-末端、約76位から約85位の間(HBcイムノドミナントループ中)、又はC-末端の1つ又は2つ以上にペプチド結合した異種アミノ酸残基を含み、ここで(i)前記HBcイムノドミナントループ中の配列の0から全ての残基が存在するかもしくは置換されており、更に免疫原を構成する前記1つから約245アミノ酸の異種アミノ酸残基配列、又は抗抗原若しくは複合ハプテンのための化学的に反応性のリンカー残基を構成する約40残基までの配列とペプチド結合されているか、又は(ii)76位から85位のHBcの配列が存在し、更に欠落及び異種残基を含まないか、又は(iii)残基76位から85位の1つ又は2つ以上が欠如しているか又は置換されれてあり;
(c)(i)HBcプレコア配列の配列以外の配列で配列番号:1のHBc配列のN-末端からアミノ酸-20位から約+1位に対応するキメラ分子のアミノ酸位の1つから3つのシステイン残基(N-末端システイン残基)、及び(ii)前記HBc配列のC-末端残基からキメラ分子のC-末端側で更に前記キメラ分子のC-末端から約30残基内の1つから3つのシステイン残基(C-末端システイン残基)の一方又は両方を含み;
前記キメラ分子が(i)HBc配列内に約20%まで置換されたアミノ酸残基を含み、(ii)発現後に自己会合して核酸結合を実質的に含まない粒子を形成する、前記リコンビナントキメラB型肝炎コアタンパク質分子。
【請求項2】
前記N-末端配列が、免疫原エピトープを含む、HBc残基2‐4の1つにペプチド結合した約75アミノ酸残基までを含む異種配列を含む、請求項1に記載のリコンビナントキメラB型肝炎コアタンパク質分子。
【請求項3】
76位から85位のHBcの配列が存在し、更に欠落及び異種残基を含まない、請求項1に記載のリコンビナントキメラB型肝炎コアタンパク質分子。
【請求項4】
76位から85位のHBc配列中の0から全ての残基が存在し、更にHBcにとって異種であり、異種エピトープを構成する1つから約245アミノ酸残基とペプチド結合している、 請求項1に記載のリコンビナントキメラB型肝炎コアタンパク質分子。
【請求項5】
残基76から85の1つ若しくは2つ以上が欠如しているか又は置換されれている、請求項1に記載のリコンビナントキメラB型肝炎コアタンパク質分子。
【請求項6】
前記C-末端配列が、HBcに対して異種である配列中に免疫原性エピトープを含む約100アミノ酸残基までを含む、請求項1に記載のリコンビナントキメラB型肝炎コアタンパク質分子。
【請求項7】
76位及び82位の各々のHBc残基がシステイン残基で置換されれる、請求項1に記載のリコンビナントキメラB型肝炎コアタンパク質分子。
【請求項8】
HBc分子のN-末端163アミノ酸残基の少なくとも約125のHBc配列を含む、請求項1に記載のリコンビナントキメラB型肝炎コアタンパク質分子。
【請求項9】
長さが約380アミノ酸残基までの、請求項1に記載のリコンビナントキメラB型肝炎コアタンパク質分子。
【請求項10】
HBc分子のN-末端163アミノ酸残基の少なくとも約135を含む、請求項1に記載のリコンビナントキメラB型肝炎コアタンパク質分子。
【請求項11】
長さが約380アミノ酸残基までのリコンビナントキメラB型肝炎コア(HBc)タンパク質分子であって、
(a)残基4位から約75位及び約85位から約140位までのHBc配列を含み、48位及び107位のシステイン残基の一方又は両方が別の残基によって置換されれているHBc分子のN-末端163アミノ酸残基の少なくとも約125のHBc配列を含み;
(b)場合によって下記の(i)、(ii)の1つ又は2つ以上を含むか:(i)前記キメラのN-末端、HBcイムノドミナントループ、及びC-末端(前記C-末端の配列は163位から天然のHBcのC-末端までのHBcの配列以外の配列である)の1つ又は2つ以上にペプチド結合した約75残基までの異種配列、(ii)存在しているか若しくは置換されれてあって、更に免疫原を構成する約75アミノ酸残基までの前記異種配列、又は抗抗原若しくは複合ハプテンのための化学的に反応性のリンカー残基を構成する1つから約40アミノ酸残基の配列とペプチド結合している約76位から約85位までの配列の0から全ての残基;又は約76位から85位のHBcの配列が存在し、更に欠落及び異種残基を含まないか、又は残基76位から85位の1つ若しくは2つ以上が欠如しているか又は置換されており;
(c)(i)HBcプレコア配列の配列以外の配列で配列番号:1のHBc配列のN-末端からアミノ酸-20位から約+1位に対応するキメラ分子のアミノ酸位に存在するか(N-末端システイン残基)、又は(ii)HBc配列のC-末端残基からキメラ分子のC-末端側で更に前記キメラ分子のC-末端から約30残基内に存在するか(C-末端システイン残基)、又は(i)及び(ii)の両方の位置に存在する1つから3つのシステイン残基を含み;
(d)前記HBc配列内に約20%まで置換されたアミノ酸残基を含み、更に
(e)発現後に自己会合して、採集、精製及び溶解時に280nmから260nmで0.9から約1.7の吸収比を示す粒子を形成する、前記リコンビナントキメラB型肝炎コアタンパク質分子。
【請求項12】
1つから3つのC-末端システイン残基を含む、請求項11に記載のリコンビナントキメラB型肝炎コアタンパク質分子。
【請求項13】
HBcのN-末端163アミノ酸残基の少なくとも約135を含む、請求項11に記載のリコンビナントキメラB型肝炎コアタンパク質分子。
【請求項14】
HBc分子のN-末端156アミノ酸残基の少なくとも約135のHBc配列を含む、請求項13に記載のリコンビナントキメラB型肝炎コアタンパク質分子。
【請求項15】
76位及び82位の各々のHBcの残基が、システイン残基によって置換されている、請求項11に記載のリコンビナントキメラB型肝炎コアタンパク質分子。
【請求項16】
約75残基までの前記ペプチド結合配列が、存在する、請求項11に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項17】
約75残基までの前記ペプチド結合配列が、前記キメラのN-末端に結合している、請求項16に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項18】
約75残基までの前記ペプチド結合配列が、前記キメラのHBcイムノドミナントループに結合して存在する、請求項16に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項19】
約75残基までの前記ペプチド結合配列が、前記キメラのC-末端に結合している、請求項16に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項20】
約75残基までの前記第一ペプチド結合配列が結合した位置とは異なる位置で、前記キメラのN-末端、HBcイムノドミナントループ又はC-末端と結合して存在する約75残基までの第二のペプチド結合配列を含む、請求項16に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項21】
約75残基までの前記第一のペプチド結合配列が、B細胞エピトープを含む、請求項20に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項22】
約75残基までの前記第二のペプチド結合配列が、T細胞エピトープを含む、請求項21に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項23】
48位及び107位の両システイン残基が別の残基で置換されている、請求項11に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項24】
各システインのための置換残基が、グルタミン、アスパラギン、セリン、アラニン、スレオニン及びリジンから成る群から選択される、請求項23に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項25】
約135から約365アミノ酸残基の長さを有し、更にドメインI、II、III及びIVと称されるN-末端からの4つのペプチド結合アミノ酸残基配列ドメインを含むリコンビナントB型肝炎ウイルスコア(HBc)タンパク質キメラ分子であって、ここで、
ドメインIは約72から約150アミノ酸残基を含み、その配列は、
(i)少なくともHBcの4位から75位までの残基の配列、
(ii)48位のシステイン残基の別の残基による置換、
(iii)HBcプレコア配列の配列以外の配列において配列番号:1のHBc配列のN-末端からアミノ酸-20位から約+1に対応するキメラ分子のアミノ酸位の0から3つのシステイン残基(N-末端システイン残基)、
(iv)HBc残基2‐4の1つにペプチド結合した、約75アミノ酸残基までを含む随意の免疫原性エピトープ、
を含み;
ドメインIIは、ドメインIのHBc残基75とペプチド結合した約85アミノ酸残基までを含み、ドメインIIでは、
(i)HBcの約76位から約85位の配列中の0から全ての残基が存在しているか又は置換されており、更にHBcループとは異種で免疫原を構成する1つから約75アミノ酸残基、又は抗抗原若しくは複合ハプテンのための化学的に反応性のリンカー残基を構成する1つから約40アミノ酸残基までの配列とペプチド結合しているか、又は
(ii)76位から85位のHBcの配列が存在し、更に欠落及び異種残基の付加を含まず;
ドメインIIIは、ドメインIIの残基85にペプチド結合した86位から135位までのHBc配列であり、前記ドメインでは107位のシステインが別の残基で置換されており;
ドメインIVは、
(i)ドメインIIIの135位の残基とペプチド結合した、約136位から約163位までのHBcアミノ酸残基配列の5から約30残基、
(ii)キメラ分子のC-末端から約30残基内の0から3つのシステイン残基(C-末端システイン残基)、
(iii)165位からC-末端までのHBcに存在する配列以外の配列中の0から約75アミノ酸残基、
を含み、
HBc150位からキメラ分子のC-末端までのキメラ分子の配列は、約10より少ないアルギニン、リジン残基又は両残基の混合物を含み;
前記キメラ分子は、(i)キメラのHBc配列の約10%までのアミノ酸残基が置換されているアミノ酸残基配列を有し、(ii)ドメインI及びIVの前記0から3つのシステイン残基に由来する少なくとも1つのシステイン残基を有し、更に(iii)宿主細胞による発現時に自己会合して粒子を形成し、そのようにして形成された粒子は実質的に核酸との結合を含まず、更に48位及び107位の両方のシステイン残基を含みその他の点では同一のHBcキメラ分子から形成された粒子よりも、20mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)で37℃で1ヶ月間保存された後でより安定である、前記リコンビナントB型肝炎ウイルスコア(HBc)タンパク質キメラ分子。
【請求項26】
1つから3つのC-末端システイン残基を含む、請求項25に記載のリコンビナントキメラB型肝炎コアタンパク質分子。
【請求項27】
HBcのN-末端156アミノ酸残基の少なくとも約135を含む、請求項25に記載のリコンビナントキメラB型肝炎コアタンパク質分子。
【請求項28】
HBc分子のN-末端149アミノ酸残基の少なくとも約135のHBc配列を含む、請求項27に記載のリコンビナントキメラB型肝炎コアタンパク質分子。
【請求項29】
76位及び82位の各々のHBc残基がシステイン残基によって置換されている、請求項25に記載のリコンビナントキメラB型肝炎コアタンパク質分子。
【請求項30】
約75残基までのペプチド結合配列が存在する、請求項25に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項31】
前記約75残基までのペプチド結合配列が前記キメラのN-末端で結合している、請求項30に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項32】
前記約75残基までのペプチド結合配列が前記キメラのHBcイムノドミナントループ内で結合して存在する、請求項30に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項33】
前記約75残基までのペプチド結合配列が前記キメラのC-末端に結合している、請求項30に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項34】
約75残基までの前記第一のペプチド結合配列が結合した位置とは異なる位置で、前記キメラのN-末端、HBcイムノドミナントループ又はC-末端と結合している約75残基までの第二のペプチド結合配列を含む、請求項30に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項35】
約75残基までの前記第一のペプチド結合配列が、B細胞エピトープを含む、請求項34に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項36】
前記B細胞エピトープが、アミノ酸残基76と85の間のHBc配列のある位置でペプチド結合し、更に76位から85位のHBc配列の少なくとも5残基が存在する、請求項35に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項37】
アミノ酸残基76と85の間のHBc配列は存在するが、前記B細胞エピトープによって中断されている、請求項36に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項38】
約75残基までの前記第二のペプチド結合配列が、T細胞エピトープを含む、請求項35に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項39】
前記T細胞免疫原性エピトープが、C-末端のHBcアミノ酸残基とペプチド結合している、請求項38に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項40】
前記C-末端システイン残基の少なくとも1つが存在する、請求項39に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項41】
前記キメラが、4位から少なくとも140位までの中断されていないHBcアミノ酸残基配列とともにHBcキメラタンパク質分子のC-末端のシステイン残基を含む、請求項25に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項42】
前記キメラが、4位から149位までの中断されていないHBcアミノ酸残基配列を含む、請求項41に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項43】
前記キメラが、HBcイムノドミナントループ内に存在する複合エピトープのための異種リンカー残基を含む、請求項25に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項44】
前記複合エピトープのための異種リンカー残基が、アミノ酸残基76と85の間のHBc配列のある位置でペプチド結合し、更に76位から85位までのHBc配列の少なくとも4残基が存在する、請求項43に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項45】
アミノ酸残基76と85の間のHBc配列は存在するが、前記複合エピトープのための異種リンカー残基によって中断されている、請求項44に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。
【請求項46】
48位及び107位の各システインを置換する残基が、グルタミン、アスパラギン、セリン、アラニン、スレオニン及びリジンからなる群から独立に選択される、請求項25に記載のリコンビナントHBcキメラタンパク質分子。

【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図4−3】
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【図4−4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−509026(P2006−509026A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−558622(P2004−558622)
【出願日】平成15年12月10日(2003.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2003/039164
【国際公開番号】WO2004/053091
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
リナックス
【出願人】(503372060)ロランティス リミテッド (6)
【Fターム(参考)】