説明

官能化された高分岐のメラミン−ポリアミン−ポリマー

本発明は、両親媒性の官能化された高分岐のメラミン−ポリアミン−ポリマーの製造方法であって、メラミンと、任意に前記アミンとは異なる、少なくとも2つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1種のアミンとを、任意にさらになおも尿素及び/又は少なくとも1種の尿素誘導体とを、及び/又は少なくとも1種の少なくとも二官能性のジイソシアネートもしくはポリイソシアネートとを、及び/又は少なくとも2つのカルボキシル基を有する少なくとも1種のカルボン酸又は少なくとも1種のその誘導体とを縮合させ、任意にその際に得られるポリマーのアミノ基の一部を第四級化させ、得られたポリマーと、アミノ基と縮合反応もしくは付加反応をしうる少なくとも1種の化合物とを反応させ、そして任意に第一工程で得られたポリマーのアミノ基の少なくとも1つの部分を第四級化させることによって行う前記製造方法に関する。更に、本発明は、本発明による方法によって得られる両親媒性の官能化された高分岐のメラミン−ポリアミン−ポリマー及び該ポリマーを界面活性剤として用いる使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両親媒性の官能化された高分岐のメラミン−ポリアミン−ポリマーの製造方法であって、メラミンと、任意に前記アミンとは異なる、少なくとも2つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1種のアミンとを、任意にさらになおも尿素及び/又は少なくとも1種の尿素誘導体とを、及び/又は少なくとも1種の少なくとも二官能性のジイソシアネートもしくはポリイソシアネートとを、及び/又は少なくとも2つのカルボキシル基を有する少なくとも1種のカルボン酸又は少なくとも1種のその誘導体とを縮合させ、任意にその際に得られるポリマーセグメントのアミノ基の一部を第四級化させ、得られたポリマーセグメントと、アミノ基と縮合反応もしくは付加反応をしうる少なくとも1種の化合物とを反応させ、そして任意に第一工程で得られたポリマーセグメントのアミノ基の少なくとも1つの部分を第四級化させることによって行う前記製造方法に関する。更に、本発明は、本発明による方法によって得られる両親媒性の官能化された高分岐のメラミン−ポリアミン−ポリマー及び該ポリマーを界面活性剤として用いる使用に関する。
【0002】
両親媒性のポリマー及び該ポリマーを界面活性剤として、例えばデタージェントとして、乳化剤として、分散剤として又は可溶化剤として用いる使用は、基本的には知られている。一つの重要なクラスは、オリゴ−/ポリエチレンオキシドで又はオリゴ−/ポリプロピレンオキシドで変性されたポリエチレンイミンである。この系の一つの欠点は、該ポリマーの基礎を成すポリエチレンイミン(PEI)が非常に制限されてのみ変動できる(例えば鎖長又は分岐度の変更による)にすぎないので、EO変性されたもしくはPO変性されたポリエチレンイミンの特性も、特にその界面活性も、非常に制限されてのみ変動できるにすぎないということである。それは、もちろん、使用製品の特性の"ファインチューニング"のためには、些細ではない欠点である。
【0003】
従って、本発明の課題は、官能化されたポリマーであって、その特性、特に界面活性特性が容易に変更できるポリマー並びにその製造方法を提供することであった。
【0004】
前記課題は、以下に記載の方法によって並びに該方法により得られるポリマーによって解決される。
【0005】
本発明の対象は、両親媒性の官能化された高分岐のメラミン−ポリアミン−ポリマーの製造方法であって、以下の工程:
(i)以下の
(i.1)メラミン及び、任意に少なくとも1種のメラミン誘導体と、
(i.2)前記メラミンとは異なる、少なくとも2つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1種のアミンとを、
かつ任意に、さらになおも、
(i.3)尿素及び/又は少なくとも1種の尿素誘導体とを、及び/又は
(i.4)少なくとも1種の少なくとも二官能性のジイソシアネートもしくはポリイソシアネートとを、及び/又は
(i.5)少なくとも2つのカルボキシル基を有する少なくとも1種のカルボン酸又は少なくとも1種のその誘導体とを縮合する工程と、
(ii)任意に工程(i)で得られたポリマー(部分)のアミノ基の一部を第四級化する工程と、
(iii)工程(i)もしくは(ii)で得られたポリマー(部分)と、アミノ基と縮合反応もしくは付加反応をしうる、脂肪族モノカルボン酸もしくはその誘導体、ポリカルボン酸もしくはその誘導体、脂肪族の、脂環式のもしくは芳香族の、任意に封鎖されたイソシアネート、脂肪族モノアミン、脂肪族ポリアミン、アミン末端のポリエーテル、アルキレンオキシド、アルデヒド、ケトン及びアルデヒドとCH酸性化合物もしくはヒドロキシ芳香族化合物との組み合わせから選択される、少なくとも1種の化合物とを反応させる工程と、
(iv)とりわけ工程(ii)が実施されなかった場合に、任意に工程(i)で得られたポリマーセグメントのアミノ基の少なくとも一部を第四級化する工程と
を含む前記方法である。
【0006】
本発明の対象は、また、本発明による方法で得られるポリマーである。
【0007】
本発明の範囲において、概念"ポリマー"は広い意味を有し、かつ重合体、重付加物及び重縮合物を含む。すなわち、前記概念は、どのような経路で鎖の生長反応が進行するかを定めていない。最も頻繁には、前記概念は、本発明においては、重縮合物及び重付加物を指す。
【0008】
高分岐のポリマーとは、本発明の範囲においては、分岐構造と高官能性を有する、すなわち高密度の官能基を有するポリマーを表す。高分岐のポリマーの一般的な定義に関しては、P.J.Flori,J.Am.Chem.Soc.1952,74,2718及びH.Frey et al.,Chem.Eur.J.2000,6,No.14,2499が指摘される。当該ポリマーには、星形ポリマー、デンドリマー、構造的に及び分子的に不均一な高分岐のポリマー並びにそれらとは異なる高分子の分岐ポリマー、例えば櫛形ポリマーが含まれる。星形ポリマーは、3個以上の鎖が中心から出ているポリマーである。その中心は、1つの単独の原子又は1つの原子の基であってよい。デンドリマー(カスケードポリマー)は、高対称的な構造を有する分子的に均一なポリマーである。前記ポリマーは、構造的に星形ポリマーから誘導され、その鎖がまたしても星状に分岐している。デンドリマーは、小さい分子から出発して、繰り返される反応シーケンスによって製造される。モノマー末端基の数は、各反応段階で指数関数的に増大し、球形の樹状構造が生ずる。その均一な構造に基づき、デンドリマーは、均一な分子量を有する。
【0009】
本発明の範囲において、好ましくは、デンドリマーとは異なる高分岐のポリマーが準備される。すなわち、構造的にも分子的にも不均一な(かつ更に均一な分子量を有さず、分子量分布を有する)ポリマーが使用される。反応操作に応じて、前記ポリマーは、一方で、中心分子から出発してデンドリマーと同様であるが、不均一な鎖長の枝で構成されていてよい。他方で、前記ポリマーは、直鎖状の分子から出発してもよく、かつ分岐した官能性の側基をもって構成されていてよい。
【0010】
"高分岐"とは、本発明の範囲では、更に、分岐度(Degree of Branching,DB)が10〜99.9%、好ましくは20〜99%、特に20〜95%であることを意味する。分岐度とは、1分子当たりの樹木状の接合部の平均数と末端基の平均数とを足して、樹木状の接合部の平均数と直鎖状の接合部の平均数と末端基の平均数とからなる合計で割り算し、100を掛けたものを表す。"樹木状"とは、この関連において、分子中のこの箇所での分岐度が99.9〜100%であることを表す。分岐度の定義については、H.Frey et al.,Acta.Polym.1997,48,30も指摘される。
【0011】
本発明による高分岐のポリマーは、実質的に架橋されていない。"実質的に架橋されていない"もしくは"非架橋"とは、本発明の意味においては、15質量%未満の、好ましくは10質量%未満の架橋度が存在することを意味し、その際、前記架橋度は、ポリマーの不溶性割合を介して測定される。ポリマーの不溶性割合は、該ポリマーがどの溶剤中に可溶性であるか次第で、例えばゲル透過クロマトグラフィー(GPC)のために使用されるのと同じ溶剤、すなわち好ましくはジメチルアセトアミドもしくはヘキサフルオロイソプロパノールを用いてソックスレー装置中で4時間抽出し、そして質量が一定になるまで残留物を乾燥させた後に、残りの残留物を秤量することによって測定される。
【0012】
好ましくは、本発明による高分岐のポリマーは、少なくとも500の、例えば500〜200000の、もしくは好ましくは500〜100000の、もしくは特に好ましくは500〜50000の、もしくはより好ましくは500〜30000の、もしくはなおもより好ましくは500〜20000の、もしくは特に500〜10000の数平均分子量Mn;特に好ましくは少なくとも750の、例えば750〜200000の、もしくは好ましくは750〜100000の、もしくは特に好ましくは750〜50000の、もしくはより好ましくは750〜30000の、もしくはなおもより好ましくは750〜20000の、もしくは特に750〜10000の数平均分子量Mn;及び特に少なくとも1000の、例えば1000〜200000の、もしくは好ましくは1000〜100000の、もしくは特に好ましくは1000〜50000の、もしくはより好ましくは1000〜30000の、もしくはなおもより好ましくは1000〜20000の、もしくは特に1000〜10000の数平均分子量Mnを有する。
【0013】
好ましくは、本発明による高分岐のポリマーは、少なくとも1000の、例えば1000〜1000000の又は好ましくは1000〜500000の又は特に好ましくは1000〜300000の又はより好ましくは1000〜200000の又は特に1000〜30000の;特に有利には少なくとも1500の、例えば1500〜1000000の又は好ましくは1500〜500000の又は特に好ましくは1500〜30000のもしくはより好ましくは1500〜200000のもしくは特に1500〜30000の;及び特に少なくとも2000の、例えば2000〜1000000の及び好ましくは2000〜500000の又は特に好ましくは2000〜300000の又はより好ましくは2000〜200000又は特に2000〜30000の質量平均分子量を有する。
【0014】
多分散性(PD=Mw/Mn)は、好ましくは1.1〜250の範囲、特に好ましくは1.3〜100の範囲、より好ましくは1.4〜50の範囲、特に1.4〜50の範囲にある。
【0015】
本発明の範囲でなされる分子量(Mn、Mw)及び多分散性の記載は、ヘキサフルオロイソプロパノール、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルアセトアミドもしくは水などの好適な溶剤中でのゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を用いて、PMMA較正をもって得られた値を指す。
【0016】
本発明による方法は、両親媒性の官能化された高分岐のメラミン−ポリアミン−ポリマーの製造のために用いられる。両親媒性とは、親水性の特性も親油性の特性も有する(モノマーもしくはポリマーの)化合物を指す。両親媒性ポリマーとは、本発明の範囲においては、異なる極性を有する複数のポリマーセグメント、すなわち親水性特性を有する少なくとも1つの(好ましくは1つの)ポリマーセグメントと、親油性特性を有する少なくとも1つの(好ましくは1つの)ポリマーセグメントとを有するポリマーを表す。概念"親油性"及び"親水性"とは、本発明の範囲においては、特に述べられない限りは、相対的な概念として使用される;すなわち本発明によるポリマー中の親水性セグメントは、親油性セグメントよりも極性の高いセグメントである。極性の差は、その際に当然、ぎりぎりであってはならず、両親媒性のポリマーが生ずるほど大きくなければならない。両親媒性は、その際、ポリマーが界面活性であり、例えばデタージェント又は乳化剤として使用できるほど大きくなければならない。
【0017】
概念"ポリマーセグメント"は、ポリマー分子の一部であって、ある特定の特性の点で、ここでは所定の重合導入されたモノマーの点で、又は一般に所定の極性の点で、該ポリマーの1もしくは複数の他のポリマーセグメントと異なるものを指す。直鎖状のコポリマーの場合には、かかるセグメントは、ポリマーブロックとも呼称される;コア/シェル型ポリマーの場合は、コアとシェルは異なるポリマーセグメントを形成する。
【0018】
工程(i)及び(ii)のプロセス生成物は、本来は自体まとまったポリマーであるけれども、一部、ポリマーセグメントとも呼称される。しかしこれは、工程(iii)及び任意に工程(iv)において更に反応されて、完成したポリマーにおいてはなおその一部を表すにすぎないので、工程(i)及び(ii)において既に"セグメント"と呼ばれる。
【0019】
他の記載がない限り、本発明の範囲では、以下の一般的な定義を適用する:
1〜C4−アルキルは、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基を表す。前記基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル及びt−ブチルである。
【0020】
直鎖状のC1〜C4−アルキルは、1〜4個の炭素原子を有する直鎖状のアルキル基を表す。前記基は、メチル、エチル、n−プロピル及びn−ブチルである。
【0021】
2〜C6−アルキルは、2〜6個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基を表す。その例は、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル及びそれらの構造異性体である。
【0022】
1〜C12−アルキルは、1〜12個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基を表す。そのための例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、2−プロピルヘプチル、4−メチル−2−プロピルヘキシル、ウンデシル、ドデシル及びそれらの構造異性体である。
【0023】
1〜C20−アルキルは、1〜20個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基を表す。そのための例は、C1〜C12−で先に挙げられた基に加えて、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル及びそれらの構造異性体である。
【0024】
2〜C4−アルキルは、2〜4個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基であって、1つの水素原子が1つのヒドロキシ基によって置き換えられている基を表す。そのための例は、2−ヒドロキシエチル、2−及び3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシ−2−プロピル、2−、3−及び4−ヒドロキシブチルなどである。
【0025】
2〜C10−アルケニルは、2〜10個の炭素原子及び1個のC−C二重結合を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の脂肪族基を表す。このための例は、エテニル(ビニル)、1−プロペニル、アリル(2−プロペニル)、1−、2−もしくは3−ブテニル、1−、2−、3−もしくは4−ペンテニル、1−、2−、3−、4−もしくは5−ヘキセニル、1−、2−、3−、4−、5−もしくは6−ヘプテニル、1−、2−、3−、4−、6−もしくは7−オクテニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−ノネニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−デセニル並びにそれらの構造異性体である。
【0026】
3〜C6−シクロアルキルは、3〜6個の炭素原子を有する脂環式の飽和の基を表す。このための例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。
【0027】
アリールは、6〜14個の炭素原子を有する炭素環式の芳香族基、例えばフェニル、ナフチル、アントラセニルもしくはフェナントレニルを表す。好ましくは、アリールは、フェニルもしくはナフチル、特にフェニルを表す。
【0028】
アリール−C1〜C4−アルキルは、前記定義のC1〜C4−アルキルであって、1つの水素原子が1つのアリール基によって置き換えられている基を表す。その例は、ベンジル、フェネチルなどである。
【0029】
1〜C4−アルコキシは、1つの酸素原子を介して結合される1〜4個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基を表す。このための例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、s−ブトキシ、イソブトキシ及びt−ブトキシである。
【0030】
1〜C4−アルキレンは、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の二価のアルキル基である。その例は、−CH2−、−CH2CH2−、−CH(CH3)−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、C(CH32−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH2CH(CH3)−、−C(CH32CH2−、−CH2C(CH32−及び−CH2CH2CH2CH2CH2−である。
【0031】
直鎖状のC1〜C4−アルキレンは、1、2、3もしくは4個の炭素原子を有する直鎖状の二価のアルキル基である。それらの例は、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−及び−CH2CH2CH2CH2−である。
【0032】
2〜C3−アルキレンは、2もしくは3個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の二価のアルキル基である。それらの例は、−CH2CH2−、CH(CH3)−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、CH2CH(CH3)−及び−C(CH32−である。
【0033】
直鎖状もしくは分枝鎖状のC2〜C4−アルキレンは、2、3もしくは4個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の二価のアルキル基である。それらの例は、−CH2CH2−、−CH(CH3)−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、C(CH32−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH2CH(CH3)−、−C(CH32CH2−及び−CH2C(CH32−である。
【0034】
直鎖状のC2〜C4−アルキレンは、2、3もしくは4個の炭素原子を有する直鎖状の二価のアルキル基である。それらの例は、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−及び−CH2CH2CH2CH2−である。
【0035】
直鎖状もしくは分枝鎖状のC2〜C5−アルキレンは、2、3、4もしくは5個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の二価のアルキル基である。その例は、−CH2CH2−、−CH(CH3)−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、C(CH32−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH2CH(CH3)−、−C(CH32CH2−、−CH2C(CH32−及び−CH2CH2CH2CH2CH2−である。
【0036】
直鎖状もしくは分枝鎖状のC2〜C6−アルキレンは、2、3、4、5もしくは6個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の二価のアルキル基である。それらの例は、−CH2CH2−、−CH(CH3)−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH(CH3)−、C(CH32−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH2CH(CH3)−、−C(CH32CH2−、−CH2C(CH32−、−CH2CH2CH2CH2CH2−及び−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−である。
【0037】
直鎖状のC2〜C6−アルキレンは、2、3、4、5もしくは6個の炭素原子を有する直鎖状の二価のアルキル基である。それらの例は、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2CH2−及び−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−である。
【0038】
直鎖状もしくは分枝鎖状のC4〜C8−アルキレンは、4〜8個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の二価のアルキル基である。その例は、−CH2CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH2CH(CH3)−、−C(CH32CH2−、−CH2C(CH32−、−CH2CH2CH2CH2CH2−、−CH2C(CH32CH2−、−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−、−(CH27−、−(CH28−及びそれらの位置異性体である。
【0039】
直鎖状もしくは分枝鎖状のC4〜C10−アルキレンは、4〜10個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の二価のアルキル基である。それらの例は、C4〜C8−アルキレンで上述した基に加えて、9もしくは10個の炭素原子を有するより高級な同族体、例えばノニレン及びデシレンである。
【0040】
直鎖状もしくは分枝鎖状のC2〜C10−アルキレンは、2〜10個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の二価のアルキル基である。それらの例は、C2〜C6−アルキレンで上述した基に加えて、7〜10個の炭素原子を有するより高級な同族体、例えばヘプチレン、オクチレン、ノニレン及びデシレンである。
【0041】
直鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C10−アルキレンは、1〜10個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の二価のアルキル基である。他の一例は、C2〜C10−アルキレンで上述した基に加えて、−CH2−である。
【0042】
直鎖状もしくは分枝鎖状のC2〜C20−アルキレンは、2〜20個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の二価のアルキル基である。その例は、C2〜C5−アルキレンで上述した基に加えて、6〜20個の炭素原子を有するより高級な同族体、例えばヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、トリデシレン、テトラデシレン、ペンタデシレン、ヘキサデシレン、ヘプタデシレン、オクタデシレン、ノナデシレン及びエイコシレンである。
【0043】
アルケニレンは、例えば2〜20個のもしくは2〜10個のもしくは4〜8個の炭素原子を有する、直鎖状もしくは分枝鎖状の、脂肪族の一不飽和もしくは多不飽和の、例えば一オレフィン性不飽和もしくは二オレフィン性不飽和の二価の基である。前記基が1個より多くの炭素−炭素二重結合を有する場合に、これらは、好ましくはビシナルでない、すなわちアレン性ではない。
【0044】
アルキニレンは、例えば2〜20個のもしくは2〜10個のもしくは4〜8個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の脂肪族の二価の基であって、1個以上の、例えば1もしくは2個の炭素−炭素三重結合を含む基である。
【0045】
5〜C8−シクロアルキレンは、5〜8個の炭素環員を有する、二価の単環式の飽和の炭化水素基を表す。その例は、シクロペンタン−1,2−ジイル、シクロペンタン−1,3−ジイル、シクロヘキサン−1,2−ジイル、シクロヘキサン−1,3−ジイル、シクロヘキサン−1,4−ジイル、シクロヘプタン−1,2−ジイル、シクロヘプタン−1,3−ジイル、シクロヘプタン−1,4−ジイル、シクロオクタン−1,2−ジイル、シクロオクタン−1,3−ジイル、シクロオクタン−1,4−ジイル及びシクロオクタン−1,5−ジイルである。
【0046】
5員もしくは6員の、飽和の、部分不飽和のもしくは芳香族の複素環であって、O、S及びNから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を環員として含む複素環は、例えばテトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、トリアゾリジニル、オキサジアゾリジニル、チアジアゾリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル;ジヒドロフラニル、ジヒドロチエニル、ピロリニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、オキサゾリニル、イソキサゾリニル、チアゾリニル、イソチアゾリニル、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、チアジアゾリニル、テトラヒドロピリジル、ジヒドロピリジル、ジヒドロピラニル、ピラニル;フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダゾニル、ピリミジル、ピラジニル及びトリアジニルを表す。
【0047】
窒素(N)を介して結合された5員もしくは6員の不飽和の非芳香族の複素環であって、付加的に1もしくは2個の更なる窒素原子又は1個の更なる硫黄原子もしくは酸素原子を環員として含んでよい複素環は、例えばピロリン−1−イル、ピラゾリン−1−イル、イミダゾリン−1−イル、2,3−ジヒドロオキサゾール−3−イル、2,3−及び2,5−ジヒドロイソキサゾール−2−イル、2,3−ジヒドロチアゾール−3−イル、2,3−及び2,5−ジヒドロイソチアゾール−2−イル、[1,2,3]−1H−トリアゾリン−1−イル、[1,2,4]−1H−トリアゾリン−1−イル、[1,3,4]−1H−トリアゾリン−1−イル、[1,2,3]−2H−トリアゾリン−2−イル、1,2−ジヒドロピリジン−1−イル、1,4−ジヒドロピリジン−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロピリジン−1−イル、1,2−ジヒドロピリダジン−1−イル、1,4−ジヒドロピリダジン−1−イル、1,6−ジヒドロピリダジン−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロピリダジン−1−イル、1,4,5,6−テトラヒドロピリダジン−1−イル、1,2−ジヒドロピリミジン−1−イル、1,4−ジヒドロピリミジン−1−イル、1,6−ジヒドロピリミジン−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン−1−イル、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−1−イル、1,2−ジヒドロピラジン−1−イル、1,4−ジヒドロピラジン−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロピラジン−1−イル、1,4−オキサジン−4−イル、2,3−ジヒドロ−1,4−オキサジン−4−イル、2,3,5,6−テトラヒドロ−1,4−オキサジン−4−イル、1,4−チアジン−4−イル、2,3−ジヒドロ−1,4−チアジン−4−イル、2,3,5,6−テトラヒドロ−1,4−チアジン−4−イル、1,2−ジヒドロ−1,3,5−トリアジン−1−イル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1,3,5−トリアジン−1−イルなどを表す。
【0048】
窒素(N)を介して結合された5員もしくは6員の不飽和の芳香族の複素環であって、付加的に1個の更なる窒素原子を環員として含んでよい複素環は、例えばピロール−1−イル、ピラゾール−1−イル、イミダゾール−1−イル及びトリアゾール−1−イルを表す。
【0049】
第一級アミノ基とは、基−NH2を表す。
【0050】
本発明による方法の好ましい態様についての、特に本発明により使用されるモノマー及び更なる反応成分についての、反応条件についての、及び該方法で得られるポリマーについての、並びにその使用についての以下になされる説明は、個別にみて単独で通用し、特にその考えられる互いの組み合わせでも通用する。
【0051】
任意に工程(i)で使用される好適なメラミン誘導体は、好ましくは、ベンゾグアナミン、置換メラミン及びメラミン縮合物並びにそれらの混合物から選択される。
【0052】
メラミン縮合物は、好ましくは、メラム、メレム、メロン及びより高級の縮合物から選択される。メラム(実験式C6911)は、2,4−ジアミノ−6−クロロ−s−トリアジンとメラミンとからなる三量体の縮合生成物である。メレム(実験式C6610)は、3個のアミノ基で置換されたトリ−s−トリアジン(1,3,4,6,7,9,9b−ヘプタアザフェナレン)である。メロン(実験式C639)は、同様にヘプタジンである。
【0053】
好ましくは、メラミン誘導体が使用されない。
【0054】
工程(i)で成分(i.2)として使用される、メラミン及び任意に使用される少なくとも1つのメラミン誘導体とは異なる、少なくとも2個の第一級のアミノ基を有するアミン並びに工程(iii)で使用される化合物は、互いに独立して、工程(ii)及び/又は(iv)が実施されるかどうかに依存して、両親媒性ポリマーが生成するように選択される。ここで、工程(i)において極性の(親水性の)アミンが使用され、かつ/又は工程(i)で得られるポリマーセグメントの極性が大きく高められる第四級化工程(ii)及び/又は(iv)が行われる場合については、工程(iii)においては、非極性の(親油性の)化合物もしくは非極性のポリマーセグメントの生成をもたらす化合物が使用されるかその逆である。
【0055】
工程(i)において成分(i.2)として使用される、メラミン及び任意に使用される少なくとも1種のメラミン誘導体とは異なる、少なくとも2個の第一級アミノ基を有するアミンは、好ましくは、
− 式I
NH2−A−NH2 (I)
[式中、
Aは、二価の、脂肪族の、脂環式の、脂肪族−脂環式の、芳香族のもしくは芳香脂肪族の基を表し、その際、上述の基は、カルボニル基によってもしくはスルホン基によって中断されていてもよく、かつ/又は1、2、3もしくは4個のC1〜C4−アルキルから選択される基によって中断されていてよく、又はAは、式
−[B−X]a−B−
(式中、
各Xは、独立して、OもしくはNRAを表し、RAは、H、C1〜C4−アルキル、C2〜C4−ヒドロキシアルキルもしくはC1〜C4−アルコキシを表し、好ましくはH、C1〜C4−アルキルもしくはC1〜C4−アルコキシを表し;
各Bは、独立して、C2〜C6−アルキレンを表し;かつ
aは、1〜100の、好ましくは1〜80の、特に1〜20の数を表す)で示される二価の基を表す]で示されるアミン、
− 式II
【化1】

[式中、
Yは、CRC、N、C2〜C6−アルキル、C3〜C6−シクロアルキル、フェニル又は5員もしくは6員の、飽和の、部分不飽和のもしくは芳香族の、N、O及びSから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を環員として有する複素環式の環を表し;
1、E2及びE3は、互いに独立して、単結合、C1〜C10−アルキレン、−NRD−C2〜C10−アルキレンもしくは−O−C1〜C10−アルキレンを表すが、但し、YがNを表す場合には、E1、E2及びE3は、単結合を表さず、かつ−NRD−C2〜C10−アルキレンを表さず、
Cは、H、C1〜C4−アルキル、C2〜C4−ヒドロキシアルキルもしくはC1〜C4−アルコキシを表し、好ましくはH、C1〜C4−アルキルもしくはC1〜C4−アルコキシを表し;かつ
B及びRDは、互いに独立して、H、C1〜C4−アルキル、C2〜C4−ヒドロキシアルキルもしくはC1〜C4−アルコキシを表し、好ましくはH、C1〜C4−アルキルもしくはC1〜C4−アルコキシを表す]で示されるアミン、
− 式III
【化2】

[式中、
Aは、Aについて示される意味を有し;
B、AC、AD及びAEは、互いに独立して、C1〜C10−アルキレンを表し;
Zは、NもしくはCRIを表し;かつ
E、RF、RG、RH及びRIは、互いに独立して、H、C1〜C4−アルキル、C2〜C4−ヒドロキシアルキルもしくはC1〜C4−アルコキシを表し、好ましくはH、C1〜C4−アルキルもしくはC1〜C4−アルコキシを表し、その際、基RE、RF、RG及びRHの少なくとも2つはHを表す]で示されるアミン、及び
− それらの混合物
から選択される。
【0056】
二価の脂肪族基は、脂環式の、芳香族のもしくは複素環式の構成要素を含まない基である。例は、アルキレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基である。
【0057】
二価の脂環式基は、1個以上の、例えば1もしくは2個の脂環式基を含んでよいが、かかる基は、芳香族のもしくは複素環式の構成要素を含まない。脂環式基は、脂肪族基によって置換されていてよいが、その際、NH2基のための結合箇所が脂環式基上に存在する。
【0058】
二価の脂肪族−脂環式の基は、少なくとも1個の二価の脂肪族基と少なくとも1個の二価の脂環式基とを含み、その際、NH2基についての2つの結合箇所は、両方が脂環式基に存在するか、もしくは両方が脂肪族基に存在するか、又は一方が脂肪族基に存在し、かつもう一方が脂環式基に存在してよい。
【0059】
二価の芳香族基は、1個以上の、例えば1もしくは2個の芳香族基を含んでよいが、かかる基は、脂環式のもしくは複素環式の構成要素を含まない。芳香族基は、脂肪族基によって置換されていてよいが、その際、NH2基のための両方の結合箇所が芳香族基上に存在する。
【0060】
二価の芳香脂肪族基は、少なくとも1個の二価の脂肪族基と少なくとも1個の二価の芳香族基とを含み、その際、NH2基についての2つの結合箇所は、両方が芳香族基に存在するか、もしくは両方が脂肪族基に存在するか、又は一方が脂肪族基に存在し、かつもう一方が芳香族基に存在してよい。
【0061】
好ましい一実施態様において、二価の脂肪族基Aは、直鎖状もしくは分枝鎖状のC2〜C20−アルキレン、特に好ましくは直鎖状もしくは分枝鎖状のC2〜C10−アルキレン、特に直鎖状もしくは分枝鎖状のC4〜C8−アルキレンである。前記の基Aが(C2〜C20−アルキレン)の意味を有する好適なアミンのための例は、1,2−エチレンジアミン、1,2−及び1,3−プロピレンジアミン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、1,5−ペンチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン、テトラデカメチレンジアミン、ペンタデカメチレンジアミン、ヘキサデカメチレンジアミン、ヘプタデカメチレンジアミン、オクタデカメチレンジアミン、ノナデカメチレンジアミン、エイコサメチレンジアミン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタメチレンジアミン、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,4−ジアミノ−4−メチルペンタンなどである。
【0062】
好ましい一実施態様においては、二価の脂環式基Aは、1、2、3もしくは4個のC1〜C4−アルキル基を有してよいC5〜C8−シクロアルキレンから選択される。基Aが前記の意味を有する好適なアミンのための例は、シクロペンチレンジアミン、例えば1,2−ジアミノシクロペンタンもしくは1,3−ジアミノシクロペンタン、シクロヘキシレンジアミン、例えば1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサンもしくは1,4−ジアミノシクロヘキサン、1−メチル−2,4−ジアミノシクロヘキサン、1−メチル−2,6−ジアミノシクロヘキサン、シクロヘプチレンジアミン、例えば1,2−ジアミノシクロヘプタン、1,3−ジアミノシクロヘプタンもしくは1,4−ジアミノシクロヘプタン並びにシクロオクチレンジアミン、例えば1,2−ジアミノシクロオクタン、1,3−ジアミノシクロオクタン、1,4−ジアミノシクロオクタンもしくは1,5−ジアミノシクロオクタンである。アミノ基(NH2基)は、互いにシス位もしくはトランス位にあってよい。
【0063】
好ましい一実施態様においては、二価の脂肪族−脂環式の基Aは、C5〜C8−シクロアルキレン−C1〜C4−アルキレン、C5〜C8−シクロアルキレン−C1〜C4−アルキレン−C5〜C8−シクロアルキレン及びC1〜C4−アルキレン−C5〜C8−シクロアルキレン−C1〜C4−アルキレンから選択され、その際、前記シクロアルキレン基は、1、2、3もしくは4個のC1〜C4−アルキル基を有してよい。基Aが前記の意味を有する好適なアミンのための例は、ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、例えば1,1−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,2−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンもしくは1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、2−アミノプロピルシクロヘキシルアミン、3(4)−アミノメチル−1−メチルシクロヘキシルアミンなどである。脂環式基に結合される基は、それぞれ互いに任意の相対位置(シス/トランス)を取りうる。
【0064】
好ましい一実施態様においては、二価の芳香族基Aは、フェニレン、ビフェニレン、ナフチレン、フェニレン−スルホン−フェニレン及びフェニレン−カルボニル−フェニレンから選択され、その際、前記のフェニレン基及びナフチレン基は、1、2、3もしくは4個のC1〜C4−アルキル基を有してよい。基Aが前記の意味を有する好適なアミンのための例は、フェニレンジアミン、例えばo−、m−及びp−フェニレンジアミン、トルイレンジアミン、例えばo−、m−及びp−トルイレンジアミン、キシリレンジアミン、ナフチレンジアミン、例えば1,2−、1,3−、1,4−、1,5−、1,8−、2,3−、2,6−及び2,7−ナフチレン、ジアミノジフェニルスルホン、例えば2,2′−、3,3′−及び4,4′−ジアミノジフェニルスルホン並びにジアミノベンゾフェノン、例えば2,2′−、3,3′−及び4,4′−ジアミノベンゾフェノンである。
【0065】
好ましい一実施態様においては、二価の芳香脂肪族の基Aは、フェニレン−C1〜C4−アルキレン及びフェニレン−C1〜C4−アルキレン−フェニレンから選択され、その際、前記のフェニレン基は、1、2、3もしくは4個のC1〜C4−アルキル基を有してよい。基Aが前記の意味を有する好適なアミンのための例は、ジアミノジフェニルメタン、例えば2,2′−、3,3′−及び4,4′−ジアミノジフェニルメタンなどである。
【0066】
好ましい一実施形態においては、Aは、−[B−X]a−B−を表し、式中、Xは、Oを表し、aは、その際好ましくは2〜100の数、特に好ましくは2〜80の数、特に2〜20の数、例えば2〜10の数もしくは2〜6の数を表す。基Aが前記の意味を有する好適なアミンのための例は、アミン末端を有するポリオキシアルキレンポリオール、例えばJeffアミン、例えば4,9−ジオキサドデカン−1,12−ジアミン及び4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジアミン、又は規則的なアミン末端を有するポリオキシアルキレンポリオール(アミン末端を有するポリアルキレングリコール;アミン末端を有するポリアルキレンオキシド)、例えばアミン末端を有するポリエチレングリコール、アミン末端を有するポリプロピレングリコールもしくはアミン末端を有するポリブチレングリコールである。3つの最後に挙げられたアミン(アミン末端を有するポリアルキレングリコール)は、好ましくは、200〜3000g/モルの分子量を有する。
【0067】
選択的な好ましい一実施形態においては、Aは、−[B−X]a−B−を表し、そしてXは、NRAを表す。RAは、その場合に、好ましくは、HもしくはC1〜C4−アルキルを表し、特に好ましくはHもしくはメチルを表し、特にHを表す。Bは、その場合に、特に、C2〜C3−アルキレン、例えば1,2−エチレン、1,2−プロピレン及び1,3−プロピレンを表し、特に1,2−エチレンを表す。aは、その場合に、好ましくは、1〜10の数を、特に好ましくは1〜8の数を、特に1〜6の数を表す。基Aが前記の意味を有する好適なアミンのための例は、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘプタエチレンオクタミン、オクタエチレンノナミン、より高級のポリエチレンイミン、ビス(3−アミノプロピル)アミン、ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、アルキレン基として混合型のエチレン基/プロピレン基を有するポリアルキレンイミンなどである。
【0068】
化合物IIにおいて、E1、E2及びE3は、YがNを表す場合については、単結合を表さず、かつ−NRD−C2〜C10−アルキレンを表さない。YがNを表す場合に、E1、E2及びE3は、好ましくはメチレン(C1−アルキレン)も表さない。YがCRCを表す場合については、好ましくは基E1、E2及びE3の少なくとも2個は、単結合を表さない。
【0069】
Yが5員もしくは6員の飽和の部分不飽和のもしくは芳香族の複素環式の環を表す場合には、3個の腕部−E1−NHRB、−E2−NHR2及び−E3−NHR2は、複素環Yの環炭素原子にも環窒素原子にも結合されていてよい。腕部−E1−NHRB、−E2−NHR2及び−E3−NHR2が環窒素原子に結合されている場合に、E1、E2及びE3は、単結合を表さず、かつ−NRD−C2〜C10−アルキレンを表さない。好ましくは、前記腕部は、複素環Yの異なる環原子に結合されている。複素環式の環Yは、好ましくは、環原子として1、2もしくは3個の窒素原子を有する5員もしくは6員の複素芳香族の環から選択される。かかるヘテロアリール環のための例は、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル及びピリダゾニルである。
【0070】
化合物IIのための例は、N,N−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)プロパン−1,3−ジアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、トリス(2−アミノプロピル)アミン、トリス(3−アミノプロピル)アミン、トリス(2−アミノブチル)アミン、トリス(3−アミノブチル)アミン、トリス(4−アミノブチル)アミン、トリス(5−アミノペンチル)アミン、トリス(6−アミノヘキシル)アミン、トリスアミノヘキサン、トリスアミノノナン、4−アミノメチル−1,8−オクタメチレンジアミンなどから選択される。
【0071】
化合物IIIは、2個の第一級アミノ基と、第一級もしくは第二級である2個の更なるアミノ基とを有するアミンである。
【0072】
化合物IIIにおいて、AAは、好ましくは、Aについて好ましいものとして示された意味の一つを有する。特に、AAは、C2〜C6−アルキレン、特に好ましくは直鎖状のC2〜C6−アルキレン、例えば1,2−エチレン、1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、ペンタメチレン及びヘキサメチレンを表す。
【0073】
Zは、好ましくはNを表す。
【0074】
B、AC、AD及びAEは、好ましくは、C2〜C6−アルキレンを表し、特に好ましくは、直鎖状のC2〜C6−アルキレン、例えば1,2−エチレン、1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、ペンタメチレン及びヘキサメチレンを表し、特に直鎖状のC2〜C4−アルキレン、例えば1,2−エチレン、1,3−プロピレン及び1,4−ブチレンを表す。
【0075】
E、RF、RG、RH及びRIは、好ましくはHを表す。
【0076】
化合物IIIについての例は、N,N,N′,N′−テトラ(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラ(3−アミノプロピル)−1,4−ブチレンジアミンなどである。
【0077】
成分(i.2)としては、種々のアミンの混合物を使用してもよい。成分(i.3)の尿素誘導体は、好ましくは以下の:
− 式R12N−C(=O)−NR34
[式中、
1、R2、R3及びR4は、互いに独立して、水素、C1〜C12−アルキル、アリール及びアリール−C1〜C4−アルキルから選択され、その際、前記基R1、R2、R3及びR4の少なくとも1個は、水素を表さない;又は
1及びR2及び/又はR3及びR4は、それぞれ一緒になって、C2〜C5−アルキレンを表し、その際、1個のメチレン基(すなわちアルキレン鎖中の1個の基CH2)は、任意に1個のカルボニル基によって置き換えられていてよい;又は
1及びR3は、一緒になって、C2〜C5−アルキレンを表し、その際、1個のメチレン基(すなわちアルキレン鎖中の1個の基CH2)は、任意に1個のカルボニル基によって置き換えられていてよい;又は
1及びR2及び/又はR3及びR4は、それぞれ、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、5員もしくは6員の不飽和の芳香族もしくは非芳香族の環であって、1もしくは2個の更なる窒素原子又は1個の硫黄原子もしくは酸素原子を環員として含んでよい環を形成する(すなわちR1及びR2もしくはR3及びR4は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、Nを介して結合された5員もしくは6員の不飽和の芳香族もしくは非芳香族の環であって、1もしくは2個の更なる窒素原子又は1個の硫黄原子もしくは酸素原子を環員として含んでよい環を表す)]の置換された尿素;
− ビウレット;
− チオ尿素;
− 式R56N−C(=S)−NR78
[式中、
5、R6、R7及びR8は、互いに独立して、水素、C1〜C12−アルキル、アリール及びアリール−C1〜C4−アルキルから選択され、その際、前記基R5、R6、R7及びR8の少なくとも1個は、水素を表さない;又は
5及びR6及び/又はR7及びR8は、それぞれ一緒になって、C2〜C5−アルキレンを表し、その際、1個のメチレン基(すなわちアルキレン鎖中の1個の基CH2)は、任意に1個のカルボニル基によって置き換えられていてよい;又は
5及びR7は、一緒になって、C2〜C5−アルキレンを表し、その際、1個のメチレン基(すなわちアルキレン鎖中の1個の基CH2)は、任意に1個のカルボニル基によって置き換えられていてよい;又は
5及びR6及び/又はR7及びR8は、それぞれ、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、5員もしくは6員の不飽和の芳香族もしくは非芳香族の環であって、1もしくは2個の更なる窒素原子又は1個の硫黄原子もしくは酸素原子を環員として含んでよい環を形成する(すなわちR5及びR6もしくはR7及びR8は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、Nを介して結合された5員もしくは6員の不飽和の芳香族もしくは非芳香族の環であって、1もしくは2個の更なる窒素原子又は1個の硫黄原子もしくは酸素原子を環員として含んでよい環を表す)]の置換されたチオ尿素;
− グアニジン;
− 式R910N−C(=NR11)−NR1213
[式中、
9、R10、R11、R12及びR13は、互いに独立して、水素、C1〜C12−アルキル、アリール及びアリール−C1〜C4−アルキルから選択され、その際、前記基R9、R10、R11、R12及びR13の少なくとも1個は、水素を表さない;又は
9及びR10及び/又はR12及びR13は、それぞれ一緒になって、C2〜C5−アルキレンを表し、その際、1個のメチレン基(すなわちアルキレン鎖中の1個の基CH2)は、任意に1個のカルボニル基によって置き換えられていてよい;又は
9及びR12は、一緒になって、C2〜C5−アルキレンを表し、その際、1個のメチレン基(すなわちアルキレン鎖中の1個の基CH2)は、任意に1個のカルボニル基によって置き換えられていてよい;又は
9及びR10及び/又はR12及びR13は、それぞれ、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、5員もしくは6員の不飽和の芳香族もしくは非芳香族の環であって、付加的に1個の更なる窒素原子、硫黄原子もしくは酸素原子を環員として含んでよい環を形成する(すなわちR9及びR10もしくはR12及びR13は、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、Nを介して結合された5員もしくは6員の不飽和の芳香族もしくは非芳香族の環であって、1もしくは2個の更なる窒素原子又は1個の硫黄原子もしくは酸素原子を環員として含んでよい環を表す)]の置換されたグアニジン;並びに
− 式R14−O−CO−O−R15
[式中、
14及びR15は、互いに独立して、C1〜C12−アルキル、アリール及びアリール−C1〜C4−アルキルから選択されるか、又はR14及びR15は、一緒になってC2〜C5−アルキレンを表す]の炭酸エステル;
から選択される。
【0078】
当然のように、種々の尿素誘導体の混合物を使用してもよい。
【0079】
好ましい一実施態様において、置換された尿素において、R2及びR4は、水素を表し、かつR1及びR3は、同一もしくは異なって、C1〜C12−アルキル、アリールもしくはアリール−C1〜C4−アルキルを表す。そのための例は、N,N′−ジメチル尿素、N,N′−ジエチル尿素、N,N′−ジプロピル尿素、N,N′−ジイソプロピル尿素、N,N′−ジ−n−ブチル尿素、N,N′−ジイソブチル尿素、N,N′−ジ−s−ブチル尿素、N,N′−ジ−t−ブチル尿素、N,N′−ジペンチル尿素、N,N′−ジヘキシル尿素、N,N′−ジヘプチル尿素、N,N′−ジオクチル尿素、N,N′−ジデシル尿素、N,N′−ジドデシル尿素、N,N′−ジフェニル尿素、N,N′−ジナフチル尿素、N,N′−ジトリル尿素、N,N′−ジベンジル尿素、N−メチル−N′−フェニル尿素及びN−エチル−N′−フェニル尿素である。
【0080】
選択的に好ましい一実施態様においては、R1、R2、R3及びR4は、同一であって、直鎖状のC1〜C4−アルキルを表す。そのための例は、N,N,N′,N′−テトラメチル尿素及びN,N,N′,N′−テトラエチル尿素である。
【0081】
選択的に好ましい一実施態様においては、R1及びR2並びにR3及びR4は、それぞれ一緒になって、C2〜C5−アルキレンを表し、その際、アルキレン鎖中の1個のメチレン基(CH2)は、1個のカルボニル基(CO)によって置き換えられていてよい。すなわち、R1及びR2は、一緒になって、C2〜C5−アルキレン基であって、該基中でアルキレン鎖中の1個のメチレン基(CH2)が1個のカルボニル基(CO)によって置き換えられていてよい基を形成し、かつR3及びR4は、一緒になって、C2〜C5−アルキレン基であって、該基中でアルキレン鎖中の1個のメチレン基(CH2)が1個のカルボニル基(CO)によって置き換えられていてよい基を形成する。そのための例は、ジ(テトラヒドロ−1H−ピロール−1−イル)メタノン、ビス(ペンタメチレン)尿素及びカルボニルビス−カプロラクタムである。
【0082】
選択的に好ましい一実施態様においては、R2及びR4は、水素を表し、かつR1及びR3は、一緒になって、C2〜C5−アルキレン基を形成し、その際、1個のメチレン基は、1個のカルボニル基によって置き換えられていてよい。そのための例は、エチレン尿素並びに1,2−もしくは1,3−プロピレン尿素である。
【0083】
選択的に好ましい一実施態様においては、R1及びR2並びにR3及びR4は、それぞれ、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、上記定義の不飽和の芳香族もしくは非芳香族の複素環を形成する。そのための例は、カルボニルジピラゾール及びカルボニルジイミダゾールである。
【0084】
好ましい一実施態様において、置換されたチオ尿素において、R6及びR8は、水素を表し、かつR5及びR7は、同一もしくは異なって、C1〜C12−アルキル、アリールもしくはアリール−C1〜C4−アルキルを表す。そのための例は、N,N′−ジメチルチオ尿素、N,N′−ジエチルチオ尿素、N,N′−ジプロピルチオ尿素、N,N′−ジイソプロピルチオ尿素、N,N′−ジ−n−ブチルチオ尿素、N,N′−ジイソブチルチオ尿素、N,N′−ジ−s−ブチルチオ尿素、N,N′−ジ−t−ブチルチオ尿素、N,N′−ジペンチルチオ尿素、N,N′−ジヘキシルチオ尿素、N,N′−ジヘプチルチオ尿素、N,N′−ジオクチルチオ尿素、N,N′−ジデシルチオ尿素、N,N′−ジドデシルチオ尿素、N,N′−ジフェニルチオ尿素、N,N′−ジナフチルチオ尿素、N,N′−ジトリルチオ尿素、N,N′−ジベンジルチオ尿素、N−メチル−N′−フェニルチオ尿素及びN−エチル−N′−フェニルチオ尿素である。
【0085】
選択的に好ましい一実施態様においては、R5、R6、R7及びR8は、同一であって、直鎖状のC1〜C4−アルキルを表す。そのための例は、N,N,N′,N′−テトラメチルチオ尿素及びN,N,N′,N′−テトラエチルチオ尿素である。
【0086】
選択的に好ましい一実施態様においては、R5及びR6並びにR7及びR8は、それぞれ一緒になって、C2〜C5−アルキレンを表し、その際、アルキレン鎖中の1個のメチレン基(CH2)は、1個のカルボニル基(CO)によって置き換えられていてよい。すなわち、R5及びR6は、一緒になって、C2〜C5−アルキレン基であって、該基中でアルキレン鎖中の1個のメチレン基(CH2)が1個のカルボニル基(CO)によって置き換えられていてよい基を形成し、かつR7及びR8は、一緒になって、C2〜C5−アルキレン基であって、該基中でアルキレン鎖中の1個のメチレン基(CH2)が1個のカルボニル基(CO)によって置き換えられていてよい基を形成する。そのための例は、ジ(テトラヒドロ−1H−ピロール−1−イル)メタンチオン、ビス(ペンタメチレン)チオ尿素及びチオカルボニルビス−カプロラクタムである。
【0087】
選択的に好ましい一実施態様においては、R6及びR8は、水素を表し、かつR5及びR7は、一緒になって、C2〜C5−アルキレン基を形成し、その際、1個のメチレン基は、1個のチオカルボニル基によって置き換えられていてよい。そのための例は、エチレンチオ尿素並びに1,2−もしくは1,3−プロピレンチオ尿素である。
【0088】
選択的に好ましい一実施態様においては、R5及びR6並びにR7及びR8は、それぞれ、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、上記定義の不飽和の芳香族もしくは非芳香族の複素環を形成する。そのための例は、チオカルボニルジピラゾール及びチオカルボニルジイミダゾールである。
【0089】
グアニジンは、グアニジン塩、例えばグアニジン硝酸塩もしくは特にグアニジン炭酸塩の形で使用することもできる。
【0090】
好ましい一実施態様において、置換されたグアニジンにおいて、R10、R11及びR13は、水素を表し、かつR9及びR12は、同一もしくは異なって、C1〜C12−アルキル、アリールもしくはアリール−C1〜C4−アルキルを表す。そのための例は、N,N′−ジメチルグアニジン、N,N′−ジエチルグアニジン、N,N′−ジプロピルグアニジン、N,N′−イソプロピルグアニジン、N,N′−ジ−n−ブチルグアニジン、N,N′−ジイソブチルグアニジン、N,N′−ジ−s−ブチルグアニジン、N,N′−ジ−t−ブチルグアニジン、N,N′−ジペンチルグアニジン、N,N′−ジヘキシルグアニジン、N,N′−ジヘプチルグアニジン、N,N′−ジオクチルグアニジン、N,N′−ジデシルグアニジン、N,N′−ジドデシルグアニジン、N,N′−ジフェニルグアニジン、N,N′−ジナフチルグアニジン、N,N′−ジトリルグアニジン、N,N′−ジベンジルグアニジン、N−メチル−N′−フェニルグアニジン及びN−エチル−N′−フェニルグアニジンである。
【0091】
選択的に好ましい一実施態様においては、R9、R10、R12及びR13は、同一であって、直鎖状のC1〜C4−アルキルを表し、かつR11は、Hもしくはメチル、特にHを表す。そのための例は、N,N,N′,N′−テトラメチルグアニジン及びN,N,N′,N′−テトラエチルグアニジンである。
【0092】
選択的に好ましい一実施態様においては、R9及びR10並びにR12及びR13は、それぞれ一緒になって、C2〜C5−アルキレンを表し、その際、1個のメチレン基(CH2)は、1個のカルボニル基(CO)によって置き換えられていてよい。すなわち、R9及びR10は、一緒になって、C2〜C5−アルキレン基であって、該基中で1個のメチレン基(CH2)が1個のカルボニル基(CO)によって置き換えられていてよい基を形成し、かつR12及びR13は、一緒になって、C2〜C5−アルキレン基であって、該基中で1個のメチレン基(CH2)が1個のカルボニル基(CO)によって置き換えられていてよい基を形成し、かつR11は、Hもしくはメチル、特にHを表す。そのための例は、ジ(テトラヒドロ−1H−ピロール−1−イル)イミン、ビス(ペンタメチレン)グアニジン及びイミノビスカプロラクタムである。
【0093】
選択的に好ましい一実施態様においては、R10、R11及びR13は、水素を表し、かつR9及びR12は、一緒になって、C2〜C5−アルキレン基を形成し、その際、1個のメチレン基は、任意に1個のカルボニル基によって置き換えられていてよい。そのための例は、エチレングアニジン並びに1,2−もしくは1,3−プロピレングアニジンである。
【0094】
選択的に好ましい一実施態様においては、R9及びR10並びにR12及びR13は、それぞれ、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、上記定義の不飽和の芳香族もしくは非芳香族の複素環を形成し、かつR11は、Hもしくはメチル、特にHを表す。そのための例は、イミノジピラゾール及びイミノジイミダゾールである。
【0095】
好ましい一実施態様においては、R14及びR15は、C1〜C4−アルキルを表す。特に好ましくは、両方の基は同一である。そのための例は、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジ−s−ブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネート及びジ−t−ブチルカーボネートである。この中でも、ジメチルカーボネート及びジエチルカーボネートが好ましい。
【0096】
選択的に好ましい一実施態様においては、R14及びR15は、一緒になって、C2〜C5−アルキレン及び好ましくはC2〜C3−アルキレンを表す。かかるカーボネートのための例は、エチレンカーボネート並びに1,2−及び1,3−プロピレンカーボネートである。
【0097】
尿素誘導体は、特に好ましくは、上述の置換された尿素、ビウレット、チオ尿素、上述の置換されたチオ尿素及び上述の炭酸エステルから選択される。
【0098】
上述の尿素誘導体のうち、置換された尿素、チオ尿素、置換されたチオ尿素及び炭酸エステルがより好ましい。なおもより好ましいのは、置換された尿素、チオ尿素及び炭酸エステルである。その中でも、チオ尿素、N,N′−ジメチル尿素、N,N′−ジエチル尿素、N,N′−ジ−n−ブチル尿素、N,N′−ジイソブチル尿素、N,N,N′,N′−テトラメチル尿素、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート及び1,2−プロピレンカーボネートが好ましい。
【0099】
好ましくは、成分(i.3)として、尿素又は式R12N−C(=O)−NR34[式中、R1、R2、R3及びR4は、互いに独立して、前記定義の通りである]の置換された尿素が使用される。好ましくは、R1及びR3は、HもしくはC1〜C4−アルキル、とりわけメチルもしくはエチルを表し、かつR2及びR4は、C1〜C4−アルキル、特にメチルもしくはエチルを表す。特に、成分(i.3)として、尿素自体が、任意に上述の尿素誘導体と組み合わせて使用され、殊に尿素のみが使用される。
【0100】
少なくとも二官能性のジイソシアネートもしくはポリイソシアネート(i.4)としては、先行技術により公知の、かつ以下に例示的に挙げられる脂肪族の、脂環式の、芳香脂肪族の及び芳香族のジイソシアネートもしくはポリイソシアネートが該当する。挙げられるのは、ここで好ましくは、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、モノマーのジフェニルメタンジイソシアネートとオリゴマーのジフェニルメタンジイソシアネート(ポリマーMDI)とからなる混合物、テトラメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート三量体、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート三量体、イソホロンジイソシアネート三量体、4,4′−メチレン−ビス(シクロヘキシル)ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ドデシルジイソシアネート、リジンアルキルエステルジイソシアネート(アルキルはC1〜C10−アルキルを表す)、1,4−ジイソシアナトシクロヘキサンもしくは4−イソシアナトメチル−1,8−オクタメチレンジイソシアネートである。
【0101】
特に好ましいのは、種々の反応性のNCO基を有するジイソシアネートもしくはポリイソシアネートである。挙げられるのは、ここで、2,4−トルイレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4′−MDI)、トリイソシアナトトルエン、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、2−ブチル−2−エチルペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2−イソシアナトプロピルシクロヘキシルイソシアネート、3(4)−イソシアナトメチル−1−メチルシクロヘキシルイソシアネート、1,4−ジイソシアナト−4−メチルペンタン、2,4′−メチレンビス(シクロヘキシル)ジイソシアネート及び4−メチルシクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート(H−TDI)である。
【0102】
更に、ジイソシアネートもしくはポリイソシアネートであって、そのNCO基が最初は同じ反応性であるが、一方のNCO基での反応物の最初の付加によって第二のNCO基での反応性の低下を誘発できる、ジイソシアネートもしくはポリイソシアネートが適している。そのための例は、イソシアネートであって、そのNCO基が非局在化されたπ電子系を介して結合されているもの、例えば1,3−及び1,4−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、トルイジンジイソシアネートもしくは2,6−トルイレンジイソシアネートである。
【0103】
更に、上述のジイソシアネートもしくはポリイソシアネート又はそれらの混合物から、ウレタン構造、アロファネート構造、尿素構造、ビウレット構造、ウレットジオン構造、アミド構造、イソシアヌレート構造、カルボジイミド構造、ウレトンイミン構造、オキサジアジントリオン構造又はイミノオキサジアジンジオン構造による結合によって製造できるオリゴイソシアネートもしくはポリイソシアネートを使用してよい。
【0104】
一実施態様においては、成分(i.4)としては、封鎖された(ブロックト)ジイソシアネートもしくはポリイソシアネートが使用される。封鎖されたもしくはブロックトのジイソシアネートもしくはポリイソシアネートにおいて、イソシアネート基は、別の官能基へと可逆的に変換され、その基はまた好適な条件下でイソシアネート基に変換されて戻ることができる。好ましくは、該イソシアネート基は、アルコール、好ましくはモノアルコールと反応して、ウレタン基となる。アルコールは、一般に、工程(i)におけるブロックトのジイソシアネートもしくはポリイソシアネート[と一般にアミン(i−2)と]の反応に際して容易に開裂される。イソシアネート基のブロックによって、イソシアネートの非常に高い反応性が低められ、アミン(iii.2)との制御された反応、ひいてはポリ尿素の制御された合成が可能となる。
【0105】
NCO基のための他のブロック化試薬は、一般に160℃未満の温度でのイソシアネート基の熱的な可逆的なブロックを保証するという点で優れている。かかるブロック化は、一般に、熱的に硬化可能な一成分のポリウレタン系で使用されるイソシアネートの変性のために使用される。前記のブロック化剤は、例えばZ.W.Wicks著のProg.Org.Coat.3(1975)73−99及びProg.Org.Coat.9(1981),3−28、D.A.WicksとZ.W.Wicks著のProg.Org.Coat.36(1999),148−172及びProg.Org.Coat.41(2001),1−83並びにHouben−Weyl,Methoden der Organischen Chemie,XIV/2巻,61頁以降,Georg Thieme Verlag,Stuttgart 1963に詳細に記載されている。好ましくは、かかるブロック化剤は、フェノール、カプロラクタム、1H−イミダゾール、2−メチルイミダゾール、1,2,4−トリアゾール、3,5−ジメチルピラゾール、マロン酸ジアルキルエステル、アセトアニリド、アセトンオキシム及びブタノンオキシムから選択される。
【0106】
少なくとも2個のカルボキシル基を有する少なくとも1種のカルボン酸(i.5)は、脂肪族の、脂環式のもしくは芳香族のジカルボン酸もしくはトリカルボン酸又はポリカルボン酸であってよい。
【0107】
脂肪族のジカルボン酸は、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン−α,ω−二酸及びドデカン−α,ω−二酸である。更に、それには、また、不飽和の脂肪族ジカルボン酸、例えばマレイン酸、フマル酸及びソルビン酸が該当する。
【0108】
脂環式のジカルボン酸は、例えばシス−及びトランス−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、シス−及びトランス−シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、シス−及びトランス−シクロペンタン−1,4−ジカルボン酸並びにシス−及びトランス−シクロペンタン−1,3−ジカルボン酸である。
【0109】
芳香族のジカルボン酸は、例えばフタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸である。
【0110】
脂肪族のトリカルボン酸のための一例は、アコニット酸(E−1,2,3−プロペントリカルボン酸)である。
【0111】
脂環式のトリカルボン酸のための一例は、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸である。
【0112】
芳香族のトリカルボン酸は、例えば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸及び1,3,5−ベンゼントリカルボン酸である。
【0113】
3個より多くのカルボキシル基を有するカルボン酸のための例は、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリト酸)、1,2,3,4,5,6−ベンゼンヘキサカルボン酸(メリト酸)及び低分子のポリアクリル酸もしくはポリメタクリル酸である。
【0114】
カルボン酸は、また、C1〜C20−アルキル、C3〜C6−シクロアルキル、C2〜C10−アルケニル及びアリールから選択される1個以上の基を有してもよい。そのための例は、2−メチルマロン酸、2−エチルマロン酸、2−フェニルマロン酸、2−メチルコハク酸、2−エチルコハク酸、C18−アルケニルコハク酸、2−フェニルコハク酸、イタコン酸及び3,3−ジメチルグルタル酸である。
【0115】
それらのカルボン酸は、そのままでも、又は好適な誘導体の形でも使用することができる。好適な誘導体は、それぞれの無水物及びモノエステル、ジエステルもしくはポリエステル、好ましくはモノ−、ジ−もしくはポリ−C1〜C4−アルキルエステル、特にモノ−、ジ−もしくはポリメチル−もしくは−エチルエステル、更にまた、モノ−、ジ−もしくはポリビニルエステル及び混合エステルである。
【0116】
成分(i.5)としては、また、種々のカルボン酸及び/又は種々のカルボン酸誘導体の混合物を使用することもできる。
【0117】
好ましくは、成分(i.5)として、少なくとも1種のジカルボン酸もしくは少なくとも1種のジカルボン酸誘導体又はそれらの混合物が使用される。
【0118】
中でも好ましいのは、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、1,2−、1,3−もしくは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びモノ−及びジアルキルエステル、特に上述の酸のモノ−及びジ−C1〜C4−アルキルエステルである。
【0119】
工程(iii)で使用される、アミノ基と縮合反応もしくは付加反応をしうる少なくとも1種の化合物は、脂肪族モノカルボン酸もしくはその誘導体、ポリカルボン酸もしくはその誘導体、脂肪族の、脂環式のもしくは芳香族の、任意に封鎖されたイソシアネート、脂肪族モノアミン、脂肪族ポリアミン、アミン末端のポリエーテル、アルキレンオキシド、アルデヒド、ケトン及びアルデヒドとCH酸性化合物もしくはヒドロキシ芳香族化合物との組み合わせから選択される。
【0120】
脂肪族のモノカルボン酸は、好ましくは、1〜22個の炭素原子を有するもの、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エルカ酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、エラエオステアリン酸、アラキドン酸、クルパノドン酸及びドコサヘキサエン酸である。
【0121】
好適なカルボン酸誘導体は、工程(i)もしくは(ii)からのポリマーのアミノ基と反応してアミド結合とするのに適したあらゆる誘導体である。それには、ハロゲン化物、特に酸塩化物、無水物及びエステルが該当する。
【0122】
無水物は、対称性無水物であっても、不斉無水物であってもよい。後者は、"外来の"酸基が、工程(i)もしくは(ii)からのポリマーのアミノ基によって容易に押しのけられうるように選択される。上述のカルボン酸が好適な混合無水物を形成しうる好適な酸誘導体は、例えばクロロギ酸のエステル、例えばイソプロピルクロロホルミエート及びイソブチルクロロホルミエート又はクロロ酢酸のエステルである。
【0123】
好適なエステルは、特にC1〜C4−アルキルエステル、例えばメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、s−ブチルエステル、イソブチルエステル又はt−ブチルエステルである。しかしながらまた、C2〜C6−ポリオール、例えばグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール及びソルビトールから誘導されるエステルも適しており、その際、グリセリンエステルが好ましい。ポリオールエステルが使用される場合に、混合エステルを、すなわち種々のカルボン酸基を有するエステルを使用してよい。更に、形式上、酸と、活性エステル形成性のアルコール、例えばp−ニトロフェノール、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、N−ヒドロキシスクシンイミド又はOPfp(ペンタフルオロフェノール)との反応によって得られる活性エステルが適している。
【0124】
好ましくは、カルボン酸自体(すなわちその誘導体ではない)が使用される。
【0125】
好適なポリカルボン酸及びその誘導体は、例えばα,β−ジカルボン酸又はその誘導体、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ソルビン酸、ポリアルキレン置換されたコハク酸及びそれらの誘導体である。ポリアルキレン置換されたコハク酸は、好ましくは、ポリイソブチレン置換されたコハク酸であって、例えばポリイソブテンと無水マレイン酸とをエン反応の反応条件下で反応させることによって得られるものである。ポリアルケニル基、特にポリイソブテニル基は、その際、好ましくは100〜5000の、特に好ましくは200〜1000の数平均分子量Mnを有する。好適な酸誘導体に関しては、上述の実施態様が指摘される。好ましくは、ジカルボン酸の場合に、酸無水物、好ましくは内部無水物(すなわち無水コハク酸、無水マレイン酸、無水アジピン酸など)が使用される。
【0126】
好適な脂肪族の、脂環式の又は芳香族の、任意に封鎖されたイソシアネートは、例えば、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ペンチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネートなどである。
【0127】
好適な脂肪族のモノアミンは、好ましくは第一級もしくは第二級であり、特に好ましくは第一級である。そのための例は、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、[3−(2−エチルヘキシル)プロピル]アミンなどである。
【0128】
好適な脂肪族のポリアミンは、例えばポリエチレンイミン、ポリプロピレンポリアミン、ポリブチレンポリアミン、ポリペンチレンポリアミンなどである。
【0129】
好適なアルキレンオキシドは、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ペンチレンオキシド、スチレンオキシドなどである。
【0130】
好適なアミン末端のポリエーテルは、例えばアミン末端のポリエチレングリコールエーテル(NH2−[(CH22−O]p−(CH22−NH2;p=1〜5000)、ポリプロピレングリコールエーテル(NH2−[(CH23−O]p−(CH23−NH2;NH2−[CH2−CH(CH3)−O]p−CH2−CH(CH3)−NH2;p=1〜5000)及びアミン末端のポリテトラヒドロフラン(NH2−[(CH24−O]p−(CH24−NH2;p=1〜5000)であって、200〜360000の分子量を有するものであるが、また不規則なアミン末端のポリエチレングリコールエーテル、例えばJeffアミン(以下の実施形態A及びBも参照のこと)である。
【0131】
好適なケトン又はアルデヒドは、例えばアセトアルデヒド、プロパナール、ブタナール、ペンタナール、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ベンズアルデヒド、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノンなどである。
【0132】
少なくとも1種のCH酸性化合物又は少なくとも1種のヒドロキシ芳香族化合物と組み合わせて使用される好適なアルデヒドは、工程(i)又は(ii)からのポリマーのアミノ基とマンニッヒ反応をしうるアルデヒドである。アルデヒドとしては、好ましくはホルムアルデヒドが使用される。CH酸性化合物としては、例えばアセトアルデヒド、プロパナール、ブタナール、ペンタナール、ヘキサナールなどが適している。ヒドロキシ芳香族化合物としては、例えばフェノール、クレゾール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、例えば2−もしくは4−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、例えば4−t−ブチルフェノール及びポリアルケニル置換されたフェノール、例えばポリイソブチル(PIB)置換されたフェノール、例えば100〜5000の、例えば200〜1000の数平均分子量を有するPIB基を有するものが適している。
【0133】
工程(iii)における好適な反応条件に関しては、以下の実施形態Aに相応の実施形態が指摘される。
【0134】
本発明による方法は、両親媒性の官能化された高分岐のメラミン−ポリアミン−ポリマーの製造のために用いられる。両親媒性とは、親水性の特性も親油性の特性も有する(モノマーもしくはポリマーの)化合物を指す。
【0135】
好ましくは、本発明によるポリマーは、コア・シェル構造を有する。その際に、好ましくは、工程(i)で、かつ実施される場合には工程(ii)で製造されるポリマーは、コアを構成し、そして工程(iii)で縮合される化合物は、シェルを構成する。
【0136】
好ましい一実施形態においては、工程(i)で、かつ実施される場合には工程(ii)で得られるポリマー(好ましくは本発明によるポリマーのコアを構成する)は、親水性の特性を有し(工程(ii)が実施される場合には、この工程で得られるポリマーは決まって親水性の特性を示す)、一方で、工程(iii)での縮合反応によって生成される(かつ好ましくは本発明によるポリマーのシェルを構成する)ポリマー中の部分は、親油性の特性を示す。
【0137】
別の好ましい一実施形態においては、工程(i)で得られるポリマー(好ましくは本発明によるポリマーのコアを構成する)は、親油性の特性を有し、一方で、工程(iii)での縮合反応によって生成される(かつ好ましくは本発明によるポリマーのシェルを構成する)ポリマー中の部分は、親水性の特性を有する。
【0138】
概念"親油性"及び"親水性"は、本発明の範囲では、特に述べられない限りは、相対的な概念として使用される。すなわち、本発明によるポリマーの親水性の部分(例えばコア又は選択的にシェル)は、親油性の部分(例えばシェル又は選択的にコア)よりも極性が高い部分である。極性の差は、その際に当然、ぎりぎりであってはならず、両親媒性のポリマーが生ずるほど大きくなければならない。両親媒性は、その際、ポリマーが界面活性であり、例えばデタージェント又は乳化剤として使用できるほど大きくなければならない。
【0139】
本発明の好ましい実施形態A
この実施形態においては、工程(i)もしくは任意の工程(ii)で、親水性のポリマーが製造される。
【0140】
相応して、本発明の好ましい一実施形態は、方法Aであって、以下の工程:
(A−i)以下の
(A−i.1)メラミン及び、任意に少なくとも1種のメラミン誘導体と、
(A−i.2)前記メラミンとは異なる、少なくとも2つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1種のアミンとを、
かつ任意に、さらになおも、
(A−i.3)尿素及び/又は少なくとも1種の尿素誘導体とを、及び/又は
(A−i.4)少なくとも1種の少なくとも二官能性のジイソシアネートもしくはポリイソシアネートとを、及び/又は
(A−i.5)少なくとも2つのカルボキシル基を有する少なくとも1種のカルボン酸又は少なくとも1種のその誘導体とを縮合する工程と、
(A−ii)任意に工程(A−i)で得られたポリマーセグメントのアミノ基の一部を第四級化する工程と、
(A−iii)工程(A−i)もしくは(A−ii)で得られたポリマーセグメントと、アミノ基と縮合反応もしくは付加反応をしうる、疎水性のポリマーセグメントの形成をもたらす少なくとも1種の化合物とを反応させる工程と、
その際、前記化合物は、脂肪族モノカルボン酸もしくはその誘導体、ポリカルボン酸もしくはその誘導体、脂肪族の、脂環式のもしくは芳香族の、任意に封鎖されたイソシアネート、脂肪族モノアミン、脂肪族ポリアミン、アミン末端のポリエーテル、アルキレンオキシド、アルデヒド、ケトン及びアルデヒドとCH酸性化合物もしくはヒドロキシ芳香族化合物との組み合わせから選択される、
(A−iv)任意に工程(A−i)で得られたポリマーセグメントのアミノ基の少なくとも一部を第四級化する工程と
を含み、工程(A−i)、(A−ii)又は(A−iv)で親水性のポリマーセグメントが得られる前記方法に関する。
【0141】
この目的のために、工程(A−i)で使用される、メラミン又はメラミン誘導体とは異なる少なくとも1種のアミン(A−i.2)は、親水性であり、かつ好ましくは
− 1,2−エチレンジアミン、
− 1,2−プロピレンジアミン、
− 1,3−プロピレンジアミン、
− 2つの第一級アミノ基及び少なくとも1つの第二級もしくは第三級アミノ基及び/又は少なくとも1つのエーテル酸素原子を有するポリアミンであって、全てのアミノ基及びエーテル酸素原子が互いに線状に配置されており、かつポリアミン中に含まれる炭素原子の数とポリアミン中に含まれる窒素原子及び任意に含まれる酸素原子の数との比率が、2.5以下:1、好ましくは2.3以下:1、特に2以下:1であるポリアミン、及び
− 少なくとも2つの第一級アミノ基、1つの更なる第一級もしくは第二級アミノ基及び任意に少なくとも1つの更なる第一級、第二級もしくは第三級のアミノ基及び/又は任意に少なくとも1つのエーテル酸素原子を有するポリアミンであって、少なくとも3つのアミノ基が互いに線状に配置されておらず、かつポリアミン中に含まれる炭素原子の数とポリアミン中に含まれる窒素原子及び任意に含まれる酸素原子の数との比率が、3以下:1、好ましくは2.5以下:1、特に2.3以下:1であるポリアミン、
から選択される。
【0142】
2つの第一級アミノ基を有するポリアミンであって、該分子中の炭素原子の数と該分子中の全てのヘテロ原子(N及びO)の合計の数との比率が、2.5未満:1であるポリアミンか、あるいは少なくとも3つの第一級アミノ基を有するポリアミンであって、該分子中の炭素原子の数と該分子中の全てのヘテロ原子(N及びO)の合計の数との比率が、3未満:1であるポリアミンは、工程(A−i)で親水性の特性を有するポリマーとなるために十分に極性である。工程(A−ii)が実施される場合には、親水性は更に高められる。
【0143】
2つの第一級アミノ基及び少なくとも1つの第二級もしくは第三級のアミノ基及び/又は少なくとも1つのエーテル酸素原子を有するポリアミンは、全てのアミノ基及び全ての任意に存在するエーテル基が互いに線状に配置されているアミンである。線状に配置されているとは、この文脈では、全てのアミノ基及び全てのエーテル酸素原子が分子の最長の鎖に配置されていることを意味する。かかるポリアミンの好ましい一実施形態は、以下に記載される式I.1のアミンである。
【0144】
少なくとも2つの第一級のアミノ基、1つの更なる第一級もしくは第二級のアミノ基及び任意に少なくとも1つの更なる第二級もしくは第三級のアミノ基及び/又は任意に少なくとも1つのエーテル酸素原子を有するポリアミンにおいて、少なくとも3つのアミノ基は互いに線状に配置されていない。すなわち、前記ポリアミンは、好ましくは少なくとも1つの分岐点を含み、そこから少なくとも3つのアミノ基が直接的にもしくは間接的に分岐する。かかる非線状の配置についての好ましい一例は、以下に記載される式II.1のアミンである。
【0145】
本発明の好ましい一実施形態においては、工程(i)もしくは(A−i)で使用されるアミン(A−i.2)は、2つの第一級のアミノ基を有する。
【0146】
工程(A−i)で使用されるアミン(A−i.2)は、好ましくは、式I.1
NH2−[A1−X1m−A1−NH2 (I.1)
[式中、
各A1は、独立して、1,2−エチレン、1,3−プロピレン又は1,2−プロピレンを表し、その際、mが0を表さない場合については、式Iの化合物に含まれる1,2−エチレン単位A1の数は、式Iの化合物中に含まれる1,3−及び1,2−プロピレン単位A1の全数に対して、少なくとも1:1である;
各X1は、独立して、O又はNRaを表す;
aは、H、C1〜C4−アルキル、C2〜C4−ヒドロキシアルキル又はC1〜C4−アルコキシを表す;及び
mは、0〜100の数を表す]のアミンから選択される。
【0147】
好ましい一実施態様においては、X1は、Oを表す。mは、その場合、好ましくは、2〜100の数を、好ましくは2〜80の数を、特に3〜60の数を、例えば3〜50の数もしくは3〜20の数を表す。
【0148】
基X1がOを表す好適なアミンのための例は、アミン末端のポリオキシアルキレンジオール、例えばJeffアミン、例えば4,9−ジオキサドデカン−1,12−ジアミン及び4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジアミン、式
【化3】

[式中、
yは、1〜100の、好ましくは2〜80の、特に好ましくは2〜60の、特に2〜50の、例えば2〜40の数を表す;
x及びyは、互いに独立して、0〜55の、好ましくは1〜10の、特に1〜7の、例えば1〜6の数を表す;
その際、yとx及びzの合計との比率は、少なくとも1.7:1、例えば1.7:1〜10:1、好ましくは1.7:1〜8:1、特に1.7:1〜8:1であり、x、y及びzの合計は、1〜100、好ましくは2〜80、特に好ましくは3〜60、特に3〜50である]のJeffアミン、又はより規則的なアミン末端のポリオキシアルキレンポリオール、例えばアミン末端のポリエチレングリコールである。最後に挙げられたアミン(アミン末端のポリエチレングリコール)は、好ましくは、200〜3000g/モルの分子量を有する。
【0149】
別の好ましい一実施態様においては、X1は、NRaを表す。Raは、その場合に、好ましくは、HもしくはC1〜C4−アルキルを表し、特に好ましくはHもしくはメチルを表し、特にHを表す。各A1は、その際、好ましくは1,2−エチレン又は1,3−プロピレンを表し、その際、式Iの化合物中に含まれる1,2−エチレン単位A1の数は、式Iの化合物中に含まれる1,3−プロピレン単位A1の全数に対して、少なくとも1:1であり、mが、その際好ましくは0〜20の、特に好ましくは1〜10の、より好ましくは1〜8の、特に2〜6の、例えば2、3もしくは4の数を表すという条件が当てはまる。
【0150】
1がNRaを表す好適なアミンのための例は、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘプタエチレンオクタミン、オクタエチレンノナミン、より高級のポリエチレンイミン、ビス(3−アミノプロピル)アミン、ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルアミン、N,N′−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、ポリアルキレンイミンであってアルキレン基として混合型のエチレン基/プロピレン基を有するものなどである。
【0151】
選択的に、工程(A−i)で使用されるアミン(A−i.2)は、好ましくは、式II.1
【化4】

[式中、
Yは、CRb、N又は5員もしくは6員の、飽和の、部分不飽和のもしくは芳香族の、N、O及びSから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を環員として有する複素環式の環を表す;
1、E2及びE3は、互いに独立して、単結合、−[A2−X2n−A2−、−NRc−A2−もしくは−O−A2−を表すが、但し、E1、E2及びE3は、YがNを表す場合に、単結合を表さず、かつ−NRc−A2−を表さない;
各A2は、独立して、1,2−エチレン、1,3−プロピレン又は1,2−プロピレンを表す;
各X2は、独立して、O又はNRdを表し、
bは、H、C1〜C4−アルキル、C2〜C4−ヒドロキシアルキル又はC1〜C4−アルコキシを表す;
c及びRdは、互いに独立して、H、C1〜C4−アルキル、C2〜C4−ヒドロキシアルキル又はC1〜C4−アルコキシを表す;及び
nは、0〜10の数を表す]のアミンから選択される。
【0152】
式II.1の化合物において、Rb、Rc及びRdは、互いに独立して、好ましくは、HもしくはC1〜C4−アルキルを表し、特に好ましくはHもしくはメチルを表し、特にHを表す。
【0153】
式II.1の化合物において、Yは、好ましくはNを表す。E1、E2及びE3は、互いに独立して、好ましくは、基−[A2−X2n−A2−を表す。その際、好ましくは、nは、0を表す。
【0154】
特に好適なアミン(A−i.2)のための例は、1,2−エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘプタエチレンオクタミン、オクタエチレンノナミン、ビス(3−アミノプロピル)アミン、ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)プロパン−1,3−ジアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、トリス(2−アミノプロピル)アミン、トリス(3−アミノプロピル)アミン、トリスアミノヘキサン、式I.1で示され、その式中、X1がNRaを表し、少なくとも1つのA1が1,3−プロピレンもしくは1,2−プロピレンを表し、かつmが1〜100の数を表す化合物及び式I.1で示され、その式中、X1がOを表し、かつmが2〜100の数を表す化合物である。
【0155】
好ましくは、工程(A−i)において、式I.1のアミン、好ましくは式I.1で示され、その式中、X1がNRaを表し、その際、Raが、好ましくはHもしくはメチルを表し、特にHを表すアミン;特に好ましくは式I.1で示され、その式中、X1がNRaを表し、その際、Raが、好ましくはHもしくはメチルを表し、特にHを表し、かつA1が1,2−エチレンを表すアミン、特に式I.1で示され、その式中、X1がNRaを表し、その際、Raが、好ましくはHもしくはメチルを表し、特にHを表し、A1が1,2−エチレンを表し、かつmが、1〜100の、好ましくは1〜20の、特に1〜10の、殊に2〜6の数を表すアミンが使用される。
【0156】
特に、工程(A−i)において、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘプタエチレンオクタミン、オクタエチレンノナミン、より高級のポリエチレンイミン、ビス(3−アミノプロピル)アミン、ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルアミン及びN,N′−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン並びにテトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘプタエチレンオクタミン及びオクタエチレンノナミンから選択されるさらなる特定のアミンから選択されるアミンが使用される。特に、工程(A−i)において、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘプタエチレンオクタミン及びオクタエチレンノナミンから、並びにさらに特にトリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン及びヘキサエチレンヘプタミンから選択されるアミンが使用される。
【0157】
好ましい実施形態Aの範囲において、親水性のポリマーは、しかしながらまた、工程(A−i)で任意のアミン(i−2)を使用し、次いで工程(A−ii)を実施する、すなわちアミノ基の一部を第四級化することによっても製造できる。成分(i−2)の好適なアミンは、例えば上記定義の式I、II及びIIIのアミンである。
【0158】
しかしながら、好ましくは、本発明の実施形態Aの前記別形において、工程(A−i)で、
− 1,2−エチレンジアミン、
− 1,2−プロピレンジアミン、
− 1,3−プロピレンジアミン、
− 2つの第一級アミノ基及び少なくとも1つの第二級もしくは第三級アミノ基及び/又は少なくとも1つのエーテル酸素原子を有するポリアミンであって、全てのアミノ基及びエーテル酸素原子が互いに線状に配置されており、かつポリアミン中に含まれる炭素原子の数とポリアミン中に含まれる窒素原子及び任意に含まれる酸素原子の数との比率が、2.5未満:1、好ましくは2.3以下:1、特に2以下:1であるポリアミン、
− 少なくとも2つの第一級アミノ基、少なくとも1つの更なる第一級もしくは第二級アミノ基及び任意に少なくとも1つの更なる第一級、第二級もしくは第三級のアミノ基及び/又は任意に少なくとも1つのエーテル酸素原子を有するポリアミンであって、少なくとも3つのアミノ基が互いに線状に配置されておらず、かつポリアミン中に含まれる炭素原子の数とポリアミン中に含まれる窒素原子及び任意に含まれる酸素原子の数との比率が、3以下:1、好ましくは2.5以下:1、特に2.3以下:1であるポリアミン、及び
− 式IV
NH2−[A3−X3o−A3−NH2 (IV)
[式中、
各A3は、独立して、直鎖状もしくは分枝鎖状のC3〜C10−アルキレンを表す;
3は、OもしくはNReを、好ましくはNReを表す;
eは、H、C1〜C4−アルキル、C2〜C4−ヒドロキシアルキルもしくはC1〜C4−アルコキシを表す;及び
oは、0〜100の数を表す;
但し、A3は、oが0を表す場合には、直鎖状もしくは分枝鎖状のC4〜C10−アルキレンを表す]のポリアミン
から選択されるアミンが使用される。
【0159】
2つの第一級アミノ基及び少なくとも1つの第二級もしくは第三級アミノ基及び/又は少なくとも1つのエーテル酸素原子を有する好適かつ好ましいポリアミンであって、該ポリアミン中に含まれる炭素原子の数と該ポリアミン中に含まれる窒素及び任意に含まれる酸素原子の数との比率が2.5未満:1であるポリアミンに関しては、並びに少なくとも2つの第一級アミノ基、少なくとも1つの更なる第一級もしくは第二級アミノ基及び任意に少なくとも1つの更なる第一級、第二級もしくは第三級のアミノ基及び/又は任意に少なくとも1つのエーテル酸素原子を有する好適かつ好ましいポリアミンであって、該ポリアミン中に含まれる炭素原子の数と該ポリアミン中に含まれる窒素原子及び任意に含まれる酸素原子の数との比率が3以下:1であるポリアミンに関しては、上述の実施態様が引き合いに出される。
【0160】
式IVのポリアミンにおいて、oが0を表さない場合については、好ましくは、各A3は、独立して、C3〜C4−アルキレンを、特に1,2−プロピレン、1,3−プロピレン又は1,4−ブチレンを表す。oが0を表す場合に、A3は、直鎖状もしくは分枝鎖状のC4〜C10−アルキレンを表す。
【0161】
eは、好ましくは、HもしくはC1〜C4−アルキルを表し、特に好ましくはHもしくはメチルを表し、特にHを表す。
【0162】
式IVの好適なアミンのための例は、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、1,5−ペンチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,4−ジアミノ−4−メチルペンタン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、テトラプロピレンペンタミン、ペンタプロピレンヘキサミン、ヘキサプロピレンヘプタミン、ヘプタプロピレンオクタミン及びより高級なポリプロピレンポリアミン、ジブチレントリアミン、トリブチレンテトラミン、テトラブチレンペンタミン、ペンタブチレンヘキサミン、ヘキサブチレンヘプタミン、ヘプタブチレンオクタミン及びより高級なポリブチレンポリアミンである。
【0163】
特に好ましくは、oは、0を表す。好適なアミンIVであって、oが0を表すものの例は、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、1,5−ペンチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン及び1,4−ジアミノ−4−メチルペンタンである。このうち、1,4−ブチレンジアミン、1,5−ペンチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン及びデカメチレンジアミンが好ましい。
【0164】
本発明の実施形態Aの好ましい一実施形態においては、工程(A−i)において、成分(A−i.1)及び(A−i.2)のみが縮合される;すなわち、成分(A−i.3)、(A−i.4)及び(A−i.5)は使用されない。
【0165】
工程(i)もしくは(A−i)においては、アミン(i.2)もしくは(A−i.2)と成分(i.1)もしくは(A−i.1)とのモル比は、好ましくは、該アミン(i.2)もしくは(A−i.2)中に含まれる第一級アミノ基の数と成分(i.1)もしくは(A−i.1)中に含まれる第一級アミノ基の数との比率が少なくとも1:1であるように選択される。特に好ましくは、アミン(i.2)もしくは(A−i.2)中に含まれる第一級アミノ基の数と成分(i.1)もしくは(A−i.1)中に含まれる第一級アミノ基の数との比率は、1:1〜10:1、より好ましくは1:1〜5:1、例えば1.1:1〜5:1又は好ましくは1.2:1〜5:1、さらに1:1〜3:1、例えば1.1:1〜3:1又は好ましくは1.2:1〜3:1又は特に好ましくは1.3:1〜3:1、特に1:1〜2:1、例えば1.1:1〜2:1又は好ましくは1.2:1〜2:1又は特に好ましくは1.3:1〜2:1、特に1.5:1〜2:1である。
【0166】
成分(i.3)、(i.4)及び/又は(i.5)もしくは成分(A−i.3)、(A−i.4)及び/又は(A−i.5)が使用される場合には、全ての成分(i.3)、(i.4)及び(i.5)と成分(i.1)とのモル比、あるいは全ての成分(A−i.3)、(A−i.4)及び(A−i.5)と成分(A−i.1)とのモル比は、好ましくは50:1〜1:50、特に好ましくは10:1〜1:10、より好ましくは8:1〜1:8、さらにより好ましくは4:1〜1:8、特に2:1〜1:5、特に1:1〜1:5である。
【0167】
工程(i)もしくは(A−i)による反応は、基本的に公知であり、例えばWO2009/080787号、WO2005/044897号、WO2005/075541号、WO03/066702号(成分(i.4)もしくは(A−i.4)の使用について)及びWO2009/021986号(成分(i.5)もしくは(A−i.5)の使用について)に記載され、それらは、参照をもってその全範囲が開示されたものとする。
【0168】
その製造は、一般に、高められた温度において、成分(i.1)及び(i.2)及び、任意に(i.3)、(i.4)及び/又は(i.5)の反応によって、あるいは成分(A−i.1)及び(A−i.2)及び、任意に(A−i.3)、(A−i.4)及び/又は(A−i.5)の反応によって行われる。
【0169】
好ましくは、該反応温度は、40〜300℃、特に好ましくは100〜250℃、特に150〜230℃である。
【0170】
該反応は、しばしば、好適な触媒の存在下で行われる。好適な触媒は、ブレンステッド酸又はルイス酸である。好適なブレンステッド酸は、無機酸、例えば鉱酸などの無機酸、例えばフッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸もしくはアミドスルホン酸、しかしながらまたアンモニウム塩、例えばフッ化アンモニウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウムもしくは硫酸アンモニウムも、また有機酸、例えばメタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸及びp−トルエンスルホン酸もそうである。好適なブレンステッド酸は、また、有機アミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、アニリン、ベンジルアミンもしくはメラミンのアンモニウム塩と、また尿素のアンモニウム塩もそうである。
【0171】
好適なルイス酸は、あらゆる金属又は半金属のハロゲン化物であって、該金属又は半金属が電子対ギャップ(Elektronenpaarluecke)を有するものである。そのための例は、BF3、BCl3、BBr3、AlF3、AlCl3、AlBr3、エチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、TiF4、TiCl4、TiBr4、VCl5、FeF3、FeCl3、FeBr3、ZnF2、ZnCl2、ZnBr2、Cu(I)F、Cu(I)Cl、Cu(I)Br、Cu(II)F2、Cu(II)Cl2、Cu(II)Br2、Sb(III)F3、Sb(V)F5、Sb(III)Cl3、Sb(V)Cl5、Nb(V)Cl5、Sn(II)F2、Sn(II)Cl2、Sn(II)Br2、Sn(IV)F4、Sn(IV)Cl4及びSn(IV)Br4である。
【0172】
しかしながら、好ましくはブレンステッド酸が使用される。そのうち、無機酸及び、特にアンモニウム塩、例えば塩化アンモニウム又は臭化アンモニウムが好ましい。特に、塩化アンモニウムが使用される。
【0173】
該反応は、常圧でも、高められた圧力でも行うことができる。例えば1〜20バールの圧力で又は1〜15バールの圧力もしくは10〜15バールの圧力で行うことができる。その際、圧力は、しばしば、成分(i.1)及び(i.2)もしくは(A−i.1)及び(A−i.2)の縮合に際しての反応の経過で遊離されるアンモニアのみによって生成される;すなわち、圧力は、反応の進行に伴って上昇し、次いで所望の値にまで調整することができる。反応が高められた圧力で行われるべき場合には、しかしながら、圧力は、不活性ガスを介しても、例えば窒素、アルゴン又は二酸化炭素、好ましくは窒素の導入によって構成することができる。それは、反応が、最初から、すなわち主に言うに値する圧力が形成されるアンモニアによって生じうる前に、高められた圧力下で実施されるべき場合に特に適している。該反応圧力は、特に使用されるアミン(成分i.2もしくはA−i.2)の種類によって予め決められる。ここで、該反応は、使用されるアミンの少なくとも1つが、反応温度を上回る沸点を有する場合に、常圧で実施することができる。それに対して沸点が反応温度を下回る場合には、当然、反応を高められた圧力で実施することが好ましい。しかしながらまた、反応温度を上回る沸点を有するアミンの場合には、任意に、例えば、より高い反応速度を達成するために、該反応を過圧下で行うことも好ましいことがある。
【0174】
該反応は、所望であれば、好適な溶剤中で実施することができる。好適な溶剤は不活性である。すなわち、該溶剤は、所定の反応条件下で、出発物質、中間生成物又は生成物と反応せず、それ自体も所定の反応条件下で、例えば熱分解によって分解されない。好適な溶剤のための例は、塩素化された脂肪族もしくは芳香族の炭化水素、例えば塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、クロロトルエン及びo−ジクロロベンゼン、開鎖エーテル及び環状エーテル、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、t−ブチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン及び1,4−ジオキサン、極性非プロトン性溶剤、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド及びアセトニトリル並びに極性プロトン性溶剤、例えばポリオールもしくはポリエーテルポリオール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール又はポリエチレングリコールである。しかしながら、好ましくは、該反応は、そのままで(in Substanz)、すなわち付加的な溶剤を用いずに行われる。この場合に、しばしば成分i.2のアミンは、特にそれが液状であり、過剰に使用される場合には溶剤として用いられる。
【0175】
該反応は、全ての成分同士を混ぜて、所望の反応温度に加熱することによって反応させることで行うことができる。選択的に、それらの成分の一部をまず添加して、残りの成分をゆっくりと供給することもでき、その際、添加の順序は、それほど重要ではない。しかしながら、難溶性の成分、例えば尿素又はメラミンを完全に供することなく、ゆっくりと連続的に又は少しずつ供給することが有効であると実証された。好ましくは、個々の反応物の添加は、それらの完全な溶解が保証され、それと共にその反応が縮合反応においてできるだけ完全であるようにして行われる。
【0176】
その反応の実施は、一般に、かかる縮合反応に慣用の反応容器中で、例えば加熱可能な撹拌型反応器、圧力撹拌容器又は撹拌型オートクレーブ中で行われる。
【0177】
該反応混合物は、一般に、所望の最大粘度に達するまで反応させる。粘度は、サンプル採取と通常の方法による測定、例えば粘度計による測定によって測定できる;しかし、しばしば、目で見て既に、反応過程において、粘度が激しく高まる場合に、例えば反応混合物の発泡によって明らかになる。
【0178】
好ましくは、該反応は、反応混合物が、最大で100000mPasの、例えば250〜100000mPasのもしくは500〜100000mPasのもしくは好ましくは750〜100000mPasの(75℃で)、特に好ましくは最大で50000mPasの、例えば250〜50000mPasのもしくは500〜50000mPasのもしくは好ましくは750〜50000mPasの(75℃で)、特に最大で25000mPasの、例えば250〜25000mPasのもしくは500〜25000mPasのもしくは好ましくは750〜25000mPasの(75℃で)粘度を有する場合に中断される。
【0179】
反応混合物の粘度を更に高めるべきでない場合に、反応を中断する。該反応は、好ましくは温度低下によって、好ましくは100℃未満に、例えば20℃〜100℃未満に、好ましくは50℃未満に、例えば20〜50℃未満に温度低下させることによって中断される。
【0180】
事情によっては、得られた反応混合物を後処理し、精製することが必要とされるかもしくは所望されることがある。前記の後処理/精製は、通常の方法によって、例えば触媒の失活もしくは除去によって、及び/又は溶剤及び未反応の出発物質の除去によって実施することができる。しかしながら、一般に、得られた重縮合物の純度は十分なので、更なる後処理もしくは後精製は行う必要はなく、該生成物は、1もしくは複数の更なる反応工程に直接的に供給することができる。
【0181】
成分(i.4)もしくは(A−i.4)が使用され、かつそれが封鎖/ブロックトイソシアネートでない場合に、縮合反応に、中断のために停止試薬を加えなければならない。
【0182】
不足官能性(NCO基)のフォーカル基、すなわち末端基は、所望の転化率の程度に、従って分子量に達した後に、イソシアネートに対して反応性の一官能性の化合物の添加によって、例えばモノアミン、アミノアルコールもしくはまたアルコールの添加によって停止させることができる。この場合に、アミノ基を含む停止試薬が好ましい。それというのも、当該試薬は更なる反応を、例えばアルコールよりも迅速に中断し、従って得られた生成物が十分に定義されたものであるからである。
【0183】
好適なモノアミンのための例は、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、s−ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、イソプロパノールアミン、ペンタノールアミン、(2−メトキシエチル)アミン、(2−エトキシエチル)アミン、(3−メトキシプロピル)アミン、(3−エトキシプロピル)アミン、[3−(2−エチルヘキシル)プロピル]アミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、シクロヘキシルアミン、アミノメチルシクロヘキサン、アニリン、ベンジルアミンなどである。
【0184】
更に、イソシアネートに対して反応性の基を2個もしくは2個より多く含む停止化合物の添加も可能である。この場合には、次いで、収束合成経路によれば、2個以上のポリマーアームが二官能性以上の停止化合物に付加する。これは、ポリマーの平均モル質量の急激な増加へと、明らかに停止剤添加の時点でのポリマーの平均モル質量を介して導く。
【0185】
好適な二官能性もしくは多官能性のアミンは、例えば1もしくは複数の第二級及び/又は第三級のアミノ基を有する第一級アミン(既に前記に(i.2)もしくは(A−i.2)として記載した)などである。
【0186】
好ましくは、停止試薬としては、第一級モノアミン、すなわち1個の単独の第一級アミノ基を有し、他の第二級もしくは第三級のアミノ官能基を有さないアミンが使用される。
【0187】
工程(i)もしくは(A−i)で得られる生成物は、高分岐であり、本質的に架橋されていない。
【0188】
任意工程(ii)もしくは(A−ii)における第四級化は、工程(i)もしくは(A−i)で得られるポリマーの第四級化剤での反応によって行われる。好適な第四級化剤は、第二級の及び第三級のアミノ基をプロトン化するのに十分に高い酸強度を有するブレンステッド酸及びアルキル化剤である。好適な酸は、例えば鉱酸、例えばフッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸又はアミドスルホン酸並びに有機酸、例えばトリフルオロ酢酸及びp−トルエンスルホン酸である。好適なアルキル化剤は、例えばアルキルハロゲン化物、例えば塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、臭化エチル又はヨウ化エチル、ベンジルハロゲン化物、例えば塩化ベンジルもしくは臭化ベンジル、ジアルキルスルフェート、例えばジメチルスルフェートもしくはジエチルスルフェート並びにオキソニウム塩、例えばトリメチルオキソニウムクロリド、トリメチルオキソニウムブロミド、トリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート、トリエチルオキソニウムクロリド、トリエチルオキソニウムブロミド及びトリエチルオキソニウムテトラフルオロボレートである。好ましくは、第四級化のためにアルキル化剤が使用される。好ましいアルキル化剤は、上述のアルキルハロゲン化物及びジアルキルスルフェートである。
【0189】
第四級化は、通常の方法によれば、工程(i)もしくは(A−i)で得られるポリマーと第四級化剤との反応によって行われる。該反応は、一般に、−40〜100℃の範囲の温度で、好ましくは−20〜50℃の範囲の温度で、特にほぼ室温で行われる。
【0190】
第四級化は、一般に好適な溶剤中で行われる。好適な溶剤は、不活性である。すなわち該溶剤は、所定の反応条件下で出発物質もしくは生成物と反応しない。特に、前記溶剤は、それ自身がアルキル化もしくはプロトン化されない。アルキル化による第四級化のために適した溶剤のための例は、塩素化された脂肪族もしくは芳香族の炭化水素、例えば塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、クロロトルエン及びo−ジクロロベンゼン並びに極性非プロトン性溶剤、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド又はジメチルスルホキシドである。プロトン化による第四級化のためには、更になおも、開鎖の及び環状のエーテル、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、t−ブチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン及び1,4−ジオキサン、アセトニトリル並びに極性プロトン性溶剤、例えばポリオールもしくはポリエーテルポリオール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール又はポリエチレングリコールが溶剤として適している。
【0191】
第四級化剤は、工程(i)もしくは(A−i)で得られるポリマーの第一級及び/又は第二級のアミノ基の一部が第四級化されない量で使用される。好ましくは、工程(ii)もしくは(A−ii)において、ポリマー中に含まれる第一級の及び第二級のアミノ基の多くても80%かつ少なくとも5%が、例えば5〜80%が又は10〜80%が又は20〜80%が、特に好ましくは多くても60%かつ少なくとも5%が、例えば5〜60%が又は10〜60%が又は20〜60%が、特に多くても50%かつ少なくとも5%が、例えば5〜50%が又は10〜50%が又は20〜50%が第四級化される。
【0192】
プロトン化反応及びアルキル化反応は、十分な反応時間で一般に定量的に進行するので、第四級化剤の好適な量は、ポリマー中に理論上含まれる第一級の及び第二級のアミノ基をもとに計算される。選択的に、アミン官能性の数は、分析により測定でき、かつそれをもとに第四級化剤の量を計算できる。
【0193】
プロトン化/アルキル化が完了した後に、得られた反応混合物を後処理し、精製することが必要とされるかもしくは所望されることがある。後処理/精製は、通常の方法によって、例えば溶剤及び未反応の出発物質の除去によって行うことができる。一般に、得られた重縮合物の純度は十分なので、更なる後精製は行う必要はなく、該生成物は、1もしくは複数の更なる反応工程に直接的に供給することができる。
【0194】
実施形態Aにおいては、工程(A−iii)で使用される少なくとも1種の化合物であって、工程(A−i)もしくは(A−ii)で得られるポリマーのアミノ基と縮合反応もしくは付加反応をしうる化合物は、工程(A−iii)における反応によって親油性のポリマーセグメントが、好ましくは親油性のシェルが生ずるように選択される。
【0195】
相応して、工程(A−iii)で使用される少なくとも1種の化合物は、好ましくは十分に親油性の特性を有する。
【0196】
工程(A−iii)で使用される好ましい化合物は、
− 脂肪族のC4〜C22−モノカルボン酸もしくはそれらの誘導体;
− 少なくとも6個の炭素原子を有するα,β−ジカルボン酸もしくはそれらの誘導体;
− 脂肪族の、脂環式のもしくは芳香族の、任意に封鎖されたイソシアネート;
− 少なくとも6個の炭素原子を有する脂肪族のモノアミン;
− 全てのアミノ基が互いに線状に配置されている、ポリアミン中に含まれる炭素原子の数と、含まれる窒素原子の数との比率が少なくとも2.5:1、好ましくは少なくとも2.7:1である脂肪族ポリアミン;
− 少なくとも3個の炭素原子を有するアルキレンオキシド;
− 式V
NH2−[A4−O]p−A4−NH2 (V)
[式中、
各A4は、独立して、直鎖状のもしくは分枝鎖状のC3〜C4−アルキレンを表し、かつ
pは、1〜5000の数、好ましくは3〜5000の数、特に10〜5000の数を表す]で示されるポリエーテルアミン;
− 少なくとも6個の炭素原子を有するケトンもしくはアルデヒド;
− アルデヒドと、少なくとも4個の炭素原子を有する少なくとも1種のヒドロキシ芳香族化合物との、もしくは少なくとも4個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族基を置換基として有する少なくとも1種のヒドロキシ芳香族化合物との組み合わせ
から選択され、その際、工程(A−iii)で使用される少なくとも1種の化合物が、少なくとも3個の炭素原子を有するアルキレンオキシドから選択される場合については、前記の少なくとも1種のアルキレンオキシドとの反応に先だって、エチレンオキシドとの反応を行うことができる。
【0197】
最後の事例においては、親水性のシェルは、先行する工程で形成されたエチレンオキシド−ポリマーブロックをも含む。
【0198】
4〜22個の炭素原子を有する脂肪族のモノカルボン酸は、例えば酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エルカ酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、エラエオステアリン酸、アラキドン酸、クルパノドン酸及びドコサヘキサエン酸である。脂肪族のC6〜C22−モノカルボン酸又はそれらの誘導体、例えばカプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エルカ酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、エラエオステアリン酸、アラキドン酸、クルパノドン酸及びドコサヘキサエン酸並びにそれらの誘導体が好ましい。脂肪族のC8〜C22−モノカルボン酸又はそれらの誘導体、例えばカプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エルカ酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、エラエオステアリン酸、アラキドン酸、クルパノドン酸及びドコサヘキサエン酸並びにそれらの誘導体がより好ましい。脂肪族のC10〜C22−モノカルボン酸又はそれらの誘導体、例えばカプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エルカ酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、エラエオステアリン酸、アラキドン酸、クルパノドン酸及びドコサヘキサエン酸並びにそれらの誘導体がさらにより好ましい。脂肪族のC10〜C20−モノカルボン酸又はそれらの誘導体、例えばカプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エラエオステアリン酸及びアラキドン酸並びにそれらの誘導体が特に好ましい。
【0199】
好適なカルボン酸誘導体は、工程(A−i)もしくは(A−ii)からのポリマーのアミノ基と反応してアミド結合とするのに適したあらゆる誘導体である。それには、ハロゲン化物、特に酸塩化物、無水物及びエステルが該当する。
【0200】
無水物は、対称性無水物であっても、不斉無水物であってもよい。後者は、"外来の"酸基が、工程(A−i)もしくは(A−ii)からのポリマーのアミノ基によって容易に押しのけられうるように選択される。上述のカルボン酸が好適な混合無水物を形成しうる好適な酸誘導体は、例えばクロロギ酸のエステル、例えばイソプロピルクロロホルミエート及びイソブチルクロロホルミエート又はクロロ酢酸のエステルである。
【0201】
好適なエステルは、特にC1〜C4−アルキルエステル、例えばメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、s−ブチルエステル、イソブチルエステル又はt−ブチルエステルである。しかしながらまた、C2〜C6−ポリオール、例えばグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール及びソルビトールから誘導されるエステルも適しており、その際、グリセリンエステルが好ましい。ポリオールエステルが使用される場合に、混合エステルを、すなわち種々のカルボン酸基を有するエステルを使用してよい。更に、形式上、酸と、活性エステル形成性のアルコール、例えばp−ニトロフェノール、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、N−ヒドロキシスクシンイミド又はOPfp(ペンタフルオロフェノール)との反応によって得られる活性エステルが適している。
【0202】
好ましくは、カルボン酸自体(すなわちその誘導体ではない)が使用される。
【0203】
モノカルボン酸もしくはそれらの好適な誘導体は、工程(A−iii)において、それらが工程(A−i)もしくは(A−ii)からのポリマーのアミノ基とアミド結合を形成する条件下で反応される。好適な反応条件は、通常のアミド結合条件に相当し、例えばJerry March,Advanced Organic Chemistry,第3版 John Wiley&Sons,1985,第370頁以降及びそこに引用される文献に記載されている。
【0204】
ここで、該反応は、一般に、高められた温度で、好ましくは80〜250℃の温度で、特に好ましくは100〜220℃の温度で、特に110〜200℃の温度で行われる。前記反応は、全体的に前記温度において進行させることが可能であり、その際、この場合には、反応温度は、好ましくは100〜220℃であり、特に110〜200℃であり、又はしかしながらその代わりに反応物をまず、より低い温度で、例えば80〜160℃の温度で、好ましくは100〜150℃の温度で反応させ、まずは引き続いて更に先に示される範囲にまで、例えば160〜200℃にまで高めることが可能である。
【0205】
好ましくは、反応の間に高められた温度で、形成された反応水(カルボン酸が使用された場合)もしくは形成されたハロゲン化水素(酸ハロゲン化物が使用された場合)、形成されたアルコール(エステルが使用された場合)又は形成された酸(無水物が使用された場合)は、アミド化反応を促進するために除去される。
【0206】
該反応は、不活性ガス流下で、例えば窒素流下で行うことができる。
【0207】
該反応は、好適な溶剤の存在下で行なうことができる。好適な溶剤は、ポリマーのアミノ基とカルボン酸(誘導体)の反応に悪影響を及ぼさないものである。これには、芳香族化合物、例えばベンゼン及びトルエン、エーテル、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン並びに塩素化された脂肪族化合物、例えば塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンなどが該当する。しかし、特に、反応は、溶剤の不在下で行なわれる。
【0208】
モノカルボン酸もしくはそれらの誘導体は、工程(A−iii)において、成分(A−i.2)のアミンに含まれる第一級の及び第二級のアミノ基の全数と、カルボン酸もしくはそれらの誘導体とのモル比が、好ましくは1:2〜300:1、特に好ましくは1:1〜200:1、より好ましくは1:1〜100:1、例えば1.5:1〜100:1又は好ましくは2:1〜100:1又は特に10:1〜100:1である量で使用される。
【0209】
好適な、少なくとも6個の炭素原子を有するα,β−ジカルボン酸又はそれらの誘導体は、例えばアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ソルビン酸、ポリアルキレン置換されたコハク酸及びそれらの誘導体である。ポリアルキレン置換されたコハク酸は、好ましくは、ポリイソブチレン置換されたコハク酸であって、例えばポリイソブテンと無水マレイン酸とをエン反応の反応条件下で反応させることによって得られるものである。ポリアルケニル基、特にポリイソブテニル基は、その際、好ましくは100〜5000の、特に好ましくは200〜1000の数平均分子量Mnを有する。そのうち、少なくとも10個の炭素原子を有するα,β−ジカルボン酸又はそれらの誘導体、例えばセバシン酸及びポリアルキレン置換された、特にポリイソブチレン置換されたコハク酸及びそれらの誘導体が好ましい。好適な酸誘導体に関して、上述の説明が指摘される。その際、好ましくはジハロゲン化物ではない。好ましくは、2つの酸基が、アミド化に関して異なる反応速度を有する誘導体、例えばモノエステル又は内部無水物(すなわち2つのカルボン酸基の互いの無水物)が使用される。このように、ジアミドの形成はできる限り抑えるべきであり、できる限りモノアミドだけしか生じないべきである。特に好ましくは、ジカルボン酸の場合に、内部酸無水物(すなわち無水コハク酸、無水アジピン酸など)が使用される。
【0210】
ジカルボン酸もしくはそれらの好適な誘導体は、工程(A−i)において、それらが工程(A−i)もしくは(A−ii)からのポリマーのアミノ基とアミド結合もしくはイミド結合を形成する条件下で反応される。好ましくは、既に述べたように、ジアミドの形成はできる限り回避すべきであり、そのことは、特に好適な出発物質の選択によって行われる(上記参照)。好適な反応条件は、通常のアミド結合条件に相当し、例えばJerry March,Advanced Organic Chemistry,第3版 John Wiley&Sons,1985,第370頁以降及びそこに引用される文献に記載されている。
【0211】
ここで、該反応は、一般に、高められた温度で、好ましくは80〜250℃の温度で、特に好ましくは100〜220℃の温度で、特に110〜200℃の温度で行われる。前記反応は、全体的に前記温度において進行させることが可能であり、その際、この場合には、反応温度は、好ましくは100〜220℃であり、特に110〜200℃であり、又はしかしながらその代わりに反応物をまず、より低い温度で、例えば80〜160℃の温度で、好ましくは100〜150℃の温度で反応させ、まずは引き続いて更に先に示される範囲にまで、例えば160〜200℃にまで高めることが可能である。
【0212】
好ましくは、反応の間に高められた温度で、形成された反応水(カルボン酸が使用された場合)もしくは形成されたハロゲン化水素(酸ハロゲン化物が使用された場合)、形成されたアルコール(エステルが使用された場合)又は形成された酸(無水物が使用された場合)は、アミド化反応を促進するために除去される。
【0213】
該反応は、不活性ガス流下で、例えば窒素流下で行うことができる。
【0214】
該反応は、好適な溶剤の存在下で行なうことができる。好適な溶剤は、ポリマーのアミノ基とカルボン酸(誘導体)の反応に悪影響を及ぼさないものである。これには、芳香族化合物、例えばベンゼン及びトルエン、エーテル、例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、テトラヒドロフラン及びジオキサン並びに塩素化された脂肪族化合物、例えば塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンなどが該当する。しかし、特に、反応は、溶剤の不在下で行なわれる。
【0215】
ジカルボン酸もしくはそれらの誘導体は、工程(A−iii)において、成分(A−i.2)のアミンに含まれる第一級の及び第二級のアミノ基の全数と、カルボン酸もしくはそれらの誘導体とのモル比が、好ましくは1:2〜300:1、特に好ましくは1:1〜200:1、より好ましくは1:1〜100:1、例えば1.5:1〜100:1又は好ましくは2:1〜100:1又は殊に10:1〜100:1である量で使用される。
【0216】
好適な脂肪族の、脂環式の又は芳香族の、任意に封鎖されたイソシアネートは、例えば、ブチルイソシアネート、ペンチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネートなどである。
【0217】
脂肪族の、脂環式のもしくは芳香族の、任意に封鎖されたイソシアネートは、工程(A−iii)において、それらが工程(A−i)もしくは(A−ii)からのポリマーのアミノ基と尿素基を形成する条件下で反応される。好適な反応条件は、アミンのイソシアネートへの付加のために慣用の条件に相当し、例えばJerry March,Advanced Organic Chemistry,第3版 John Wiley&Sons,1985,第802頁以降及びそこに引用される文献に記載されている。
【0218】
前記イソシアネートは、工程(A−iii)において、成分(A−i.2)のアミンに含まれる第一級の及び第二級のアミノ基の全数と、該イソシアネートとのモル比が、好ましくは1:2〜300:1、特に好ましくは1:1〜200:1、より好ましくは1:1〜100:1、例えば1.5:1〜100:1又は好ましくは2:1〜100:1又は殊に10:1〜100:1である量で使用される。
【0219】
好適な、少なくとも6個の炭素原子を有する脂肪族のモノアミンは、好ましくは第一級もしくは第二級であり、特に好ましくは第一級である。そのための例は、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、[3−(2−エチルヘキシル)プロピル]アミンなどである。
【0220】
ポリアミン中に含まれる炭素原子の数と、含まれる窒素原子の数との比率が少なくとも2.5:1である好適な脂肪族ポリアミンは、例えばペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ポリブチレンポリアミン、ポリペンチレンポリアミンなどである。
【0221】
前記のモノアミン又はポリアミンは、工程(A−iii)において、それらが、アンモニアもしくはアミンをSn反応において抑えつつ、工程(A−i)もしくは(A−ii)からのポリマーのアミノ基と反応する条件下で反応される。
【0222】
前記モノアミン/ポリアミンは、工程(A−iii)において、成分(A−i.2)のアミンに含まれる第一級の及び第二級のアミノ基の全数と、該モノアミン/ポリアミンとのモル比が、好ましくは1:2〜300:1、特に好ましくは1:1〜200:1、より好ましくは1:1〜100:1、例えば1.5:1〜100:1又は好ましくは2:1〜100:1又は殊に10:1〜100:1である量で使用される。
【0223】
好適な、少なくとも3個の炭素原子を有するアルキレンオキシドは、例えばプロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ペンチレンオキシド、スチレンオキシドなどである。そのうち、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド及びペンチレンオキシドが好ましい。プロピレンオキシド及びブチレンオキシドがより好ましい。特にプロピレンオキシドが使用される。
【0224】
アルキレンオキシドは、工程(A−iii)において、それらが工程(A−i)もしくは(A−ii)からのポリマーのアミノ基に付加してポリエーテロール基を形成する条件下で反応される。
【0225】
アルキレンオキシドは、工程(A−iii)において、成分(A−i.2)のアミン中に含まれる第一級の、第二級の及び第三級のアミノ基の全数と、アルキレンオキシドとのモル比が、好ましくは1:1〜1:500、特に好ましくは1:1〜1:300、より好ましくは1:2〜1:200、なおもより好ましくは1:3〜1:100、特に1:3〜1:50である量で使用される。
【0226】
アルキレンオキシドとの反応は、公知のアルコキシル化法と同様にして行うことができる。ここで、例えば工程(A−i)又は(A−ii)で得られる生成物は、第一工程において、アルコキシル化のために全体として予定されるアルキレンオキシドの一部とのみ、例えば成分(A−i.2)のアミンの第一級の、第二級の及び第三級のアミノ基1モル当たりに、約1モルのアルキレンオキシドとだけ反応しうる。この第一工程は、触媒を用いずに行うことができる。該反応は、一般に水溶液中で行われる。反応温度は、一般に、70〜200℃、有利には80〜160℃である。前記の大抵のアルキレンオキシドは前記温度において気体状であるので、該反応は、一般に過圧下で、例えば1バール超ないし10バールで、好ましくは1バール超ないし8バールで行われる。第二工程において、残りのアルキレンオキシドとの反応が行われる。前記反応は、好ましくは好適な触媒の存在下に行われる。好適な触媒は、塩基、例えばアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム、アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化カルシウムもしくは水酸化マグネシウム、アルカリ金属アルコキシド、例えばナトリウムメタノレート、ナトリウムエタノレートもしくはカリウム−t−ブトキシド、アルカリ金属水素化物、例えば水素化リチウムもしくは水素化ナトリウム、アルカリ土類金属水素化物、水素化カルシウム及びアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウムである。そのうち、上述のアルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属アルコキシドが好ましい。特に、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが使用される。塩基性の触媒は、使用されるポリマー及びアルキレンオキシドの全質量に対して、好ましくは0.05〜10質量%の量で、特に好ましくは0.5〜2質量%の量で使用される。第二のアルコキシル化工程は、そのままで又は好適な溶剤中で行うことができる。好適な溶剤は、前記の工程については、特に非プロトン性有機溶剤、例えば極性非プロトン性溶剤、例えばエーテル、特に環状エーテル、例えばテトラヒドロフラン及びジオキサン、アミド、例えばN,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミド及びラクタム、例えばN−メチルピロリドン又は非極性溶剤、例えば脂肪族炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン及びヘプタン、脂環式の炭化水素、例えばシクロヘキサン及び芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン及びキシレンである。また、好適なものは、上述の溶剤の混合物である。好ましくは、トルエン又はキシレンが使用される。2つの実施形態に際して、まず第一の工程において溶剤として使用される水は除去せねばならず、これは、例えば蒸留により行うことができる。その他に、該アルコキシル化は、一般に、第一工程について記載したように実施される。
【0227】
少なくとも3個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルキレンオキシドとの反応に先立って、さらにエチレンオキシドとの反応が行われ、こうして親水性のコアが、エチレンオキシド−ポリマーブロックによって拡張される場合に、エチレンオキシドとの反応は、上記の様式と同様に行われる。
【0228】
式Vの好適なポリエーテルアミンは、例えばアミン末端を有するポリプロピレングリコールエーテル(NH2−[(CH23−O]p−(CH23−NH2;NH2−[(CH2−CH(CH3)−O]p−(CH2−CH(CH3)−NH2)及びアミン末端を有するポリテトラヒドロフラン(NH2−[(CH24−O]p−(CH24−NH2)であって、分子量200〜360000を有するものである。
【0229】
式Vのポリエーテルアミンは、工程(A−iii)において、それらが、アンモニアもしくはアミンをSn反応において抑えつつ、工程(A−i)もしくは(A−ii)からのポリマーのアミノ基と反応する条件下で反応される。
【0230】
前記ポリエーテルアミンは、工程(A−iii)において、成分(A−i.2)のアミンに含まれる第一級の及び第二級のアミノ基の全数と、該ポリエーテルアミンとのモル比が、好ましくは1:2〜300:1、特に好ましくは1:1〜200:1、より好ましくは1:1〜100:1、例えば1.5:1〜100:1又は好ましくは2:1〜100:1又は殊に10:1〜100:1である量で使用される。
【0231】
少なくとも6個の炭素原子を有する好適なケトン又はアルデヒドは、例えばヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ベンゾアルデヒド、メチルブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノンなどである。
【0232】
前記のケトンもしくはアルデヒドは、工程(A−iii)において、それらが工程(A−i)もしくは(A−ii)からのポリマーのアミノ基と反応してアゾメチンもしくはエナミンを形成する条件下で反応される。
【0233】
前記ケトン/アルデヒドは、工程(A−iii)において、成分(A−i.2)のアミンに含まれる第一級の及び第二級のアミノ基の全数と、該ケトン/アルデヒドとのモル比が、好ましくは1:2〜300:1、特に好ましくは1:1〜200:1、より好ましくは1:1〜100:1、例えば1.5:1〜100:1又は好ましくは2:1〜100:1又は殊に10:1〜100:1である量で使用される。
【0234】
少なくとも4個の炭素原子を有する少なくとも1種のCH酸性化合物又は少なくとも4個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族基を置換基として有する少なくとも1種のヒドロキシ芳香族化合物と組み合わされる好適なアルデヒドは、工程(i)又は(ii)からのポリマーのアミノ基とマンニッヒ反応をしうるアルデヒドである。アルデヒドとしては、好ましくはホルムアルデヒドが使用される。CH酸性化合物としては、例えばブタナール、ペンタナール、ヘキサナールなどが適している。ヒドロキシ芳香族化合物としては、例えばブチルフェノール、例えば2−もしくは4−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、例えば4−t−ブチルフェノール及びポリアルケニル置換されたフェノール、例えばポリイソブチル(PIB)置換されたフェノール、例えば100〜5000の、例えば200〜1000の数平均分子量Mnを有するPIB基を有するものが適している。
【0235】
アルデヒドと、少なくとも4個の炭素原子を有する少なくとも1種のCH酸性化合物との又は少なくとも4個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族基を置換基として有する少なくとも1種のヒドロキシ芳香族化合物との組み合わせは、工程(A−iii)において、これらが工程(A−i)もしくは(A−ii)からのポリマーのアミノ基とマンニッヒ反応で反応する条件下で反応される。好適な反応条件は、マンニッヒ反応に慣用の条件に相当し、例えばJerry March,Advanced Organic Chemistry,第3版 John Wiley&Sons,1985,第800頁以降及びそこに引用される文献に記載されている。
【0236】
特に好ましくは、少なくとも1つの工程(A−iii)で使用される化合物は、芳香族のC10〜C22−モノカルボン酸もしくはそれらの誘導体並びに少なくとも10個の炭素原子を有するα,β−ジカルボン酸から選択される。
【0237】
工程(A−ii)を実施しなかった場合に、工程(A−iii)は、内側シェルの親水性がさらに高められるべきである場合については、さらに工程(A−iv)に続きうる。しかし、この任意の第四級化工程は、もちろんのこと、工程(A−iii)で導入された親油性のシェルが第四級化可能な基を含まない場合にのみ考慮に入れられる。それというのも、その他に、前記のシェルは、その親油性を無くし、又は少なくとも親油性を減らすからである。特に、工程(A−iii)において、ジアミン、ポリアミン又はポリエーテルアミンを使用してはならない;マンニッヒ反応は起こってはならず、また使用されるその他の化合物(モノカルボン酸/ジカルボン酸、イソシアネート、アルデヒド/ケトンなど)もアミノ基を含んではならない。好適な第四級化剤及びその条件に関しては、上述の工程(A−ii)についての実施形態が指摘される。
【0238】
本発明の好ましい実施形態B
この実施形態においては、工程(i)もしくは任意の工程(ii)で、親油性のポリマーが製造される。
【0239】
従って、本発明の好ましい一実施形態は、以下の工程:
(B−i)以下の
(B−i.1)メラミン及び任意に少なくとも1種のメラミン誘導体と、
(B−i.2)それとは異なる、少なくとも2個の第一級のアミノ基を有する少なくとも1種のアミンとを、
かつ任意に、さらになおも
(B−i.3)尿素及び/又は少なくとも1種の尿素誘導体;及び/又は
(B−i.4)少なくとも1種の少なくとも二官能性のジイソシアネートもしくはポリイソシアネート;及び/又は
(B−i.5)少なくとも2個のカルボキシル基を有する少なくとも1種のカルボン酸又は少なくとも1種のそれらの誘導体とを縮合させる工程(その際、工程(B−i)で疎水性のポリマーセグメントが得られる)と、
(B−iii)工程(B−i)で得られる疎水性のポリマーセグメントと、アミノ基と縮合反応もしくは付加反応をすることができかつ親水性のポリマーセグメントの形成をもたらす少なくとも1種の化合物とを反応させる工程(その際、前記化合物は、脂肪族ポリアミン、アミン末端を有するポリエーテル及びエチレンオキシドから選択され、その際、エチレンオキシドとの反応に先立って、他のアルキレンオキシドとの反応を行ってよい)と
を含む方法Bに関する。
【0240】
このためには、工程(B−i)で使用される、メラミン及びメラミン誘導体とは異なる少なくとも1種のアミン(B−i.2)は、好ましくは、
− 式VI
NH2−A5−NH2 (VI)
[式中、
5は、二価の、脂肪族の、脂環式の、脂肪族−脂環式の、芳香族のもしくは芳香脂肪族の基を表し、その際、前記の脂肪族の基及び脂環式の基は、少なくとも4個の炭素原子を有する]で示されるジアミン;及び
− 2個の第一級アミノ基及び少なくとも1個の第二級のもしくは第三級のアミノ基及び/又は少なくとも1個のエーテル酸素原子を有するポリアミンであって、全てのアミノ基及びエーテル酸素原子が互いに線状に配置されており、かつポリアミン中に含まれる炭素原子の数と、含まれる窒素原子と任意に含まれる酸素原子の数との比率が、少なくとも2.5:1、好ましくは少なくとも2.7:1である前記ポリアミン
から選択される。
【0241】
この実施形態Bにおいて、本発明による方法は、当然のように工程(ii)を含まない。
【0242】
既に述べたように、二価の脂肪族基は、脂環式の、芳香族のもしくは複素環式の構成要素を含まない基である。例は、アルキレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基である。
【0243】
好ましい一実施態様において、二価の脂肪族基A5は、直鎖状もしくは分枝鎖状のC4〜C20−アルキレン、特に好ましくは直鎖状もしくは分枝鎖状のC4〜C10−アルキレン、特に直鎖状もしくは分枝鎖状のC〜C8−アルキレンである。
【0244】
前記の基A5が(C4〜C20−アルキレン)の意味を有する好適なアミンのための例は、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、1,5−ペンチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン、テトラデカメチレンジアミン、ペンタデカメチレンジアミン、ヘキサデカメチレンジアミン、ヘプタデカメチレンジアミン、オクタデカメチレンジアミン、ノナデカメチレンジアミン、エイコサメチレンジアミン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタメチレンジアミン、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,4−ジアミノ−4−メチルペンタンなどである。
【0245】
その中でも特に好ましいのは、A5が直鎖状もしくは分枝鎖状のC4〜C10−アルキレンを表すアミン、例えば2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、1,5−ペンチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,4−ジアミノ−4−メチルペンタンなどである。
【0246】
その中でもより好ましいのは、A5が直鎖状もしくは分枝鎖状のC5〜C10−アルキレンを表すアミン、例えば2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,5−ペンチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,4−ジアミノ−4−メチルペンタンなどである。
【0247】
その中でも特に好ましいのは、A5が直鎖状もしくは分枝鎖状のC6〜C8−アルキレンを表すアミン、例えばヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,4−ジアミノ−4−メチルペンタンなどである。特定の一実施形態においては、Aが直鎖状のC6〜C8−アルキレンを表すアミンが使用される。かかるアミンのための例は、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン及びオクタメチレンジアミンである。
【0248】
既に述べたように、二価の脂環式基は、1個以上の、例えば1もしくは2個の脂環式基を含んでよいが、かかる基は、芳香族のもしくは複素環式の構成要素を含まない。脂環式基は、脂肪族基によって置換されていてよいが、その際、NH2基のための結合箇所が脂環式基上に存在する。
【0249】
好ましい一実施態様においては、二価の脂環式基A5は、1、2、3もしくは4個のC1〜C4−アルキル基を有してよいC5〜C8−シクロアルキレンから選択される。基A5が前記の意味を有する好適なアミンのための例は、シクロペンチレンジアミン、例えば1,2−ジアミノシクロペンタンもしくは1,3−ジアミノシクロペンタン、シクロヘキシレンジアミン、例えば1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサンもしくは1,4−ジアミノシクロヘキサン、1−メチル−2,4−ジアミノシクロヘキサン、1−メチル−2,6−ジアミノシクロヘキサン、シクロヘプチレンジアミン、例えば1,2−ジアミノシクロヘプタン、1,3−ジアミノシクロヘプタンもしくは1,4−ジアミノシクロヘプタン並びにシクロオクチレンジアミン、例えば1,2−ジアミノシクロオクタン、1,3−ジアミノシクロオクタン、1,4−ジアミノシクロオクタンもしくは1,5−ジアミノシクロオクタンである。アミノ基(NH2基)は、互いにシス位もしくはトランス位にあってよい。
【0250】
既に述べたように、二価の脂肪族−脂環式の基は、少なくとも1個の二価の脂肪族基と少なくとも1個の二価の脂環式基とを含み、その際、NH2基についての2つの結合箇所は、両方が脂環式基に存在するか、もしくは両方が脂肪族基に存在するか、又は一方が脂肪族基に存在し、かつもう一方が脂環式基に存在してよい。
【0251】
好ましい一実施態様においては、二価の脂肪族−脂環式の基A5は、C5〜C8−シクロアルキレン−C1〜C4−アルキレン、C5〜C8−シクロアルキレン−C1〜C4−アルキレン−C5〜C8−シクロアルキレン及びC1〜C4−アルキレン−C5〜C8−シクロアルキレン−C1〜C4−アルキレンから選択され、その際、前記シクロアルキレン基は、1、2、3もしくは4個のC1〜C4−アルキル基を有してよい。基A5が前記の意味を有する好適なアミンのための例は、ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、例えば1,1−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,2−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンもしくは1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、2−アミノプロピルシクロヘキシルアミン、3(4)−アミノメチル−1−メチルシクロヘキシルアミンなどである。脂環式基に結合される基は、それぞれ互いに任意の相対位置(シス/トランス)を取りうる。
【0252】
既に述べたように、二価の芳香族基は、1個以上の、例えば1もしくは2個の芳香族基を含んでよいが、かかる基は、脂環式のもしくは複素環式の構成要素を含まない。芳香族基は、脂肪族基によって置換されていてよいが、その際、NH2基のための両方の結合箇所が芳香族基上に存在する。
【0253】
好ましい一実施態様においては、二価の芳香族基A5は、フェニレン、ビフェニレン、ナフチレン、フェニレン−スルホン−フェニレン及びフェニレン−カルボニル−フェニレンから選択され、その際、前記のフェニレン基及びナフチレン基は、1、2、3もしくは4個のC1〜C4−アルキル基を有してよい。基A5が前記の意味を有する好適なアミンのための例は、フェニレンジアミン、例えばo−、m−及びp−フェニレンジアミン、トルイレンジアミン、例えばo−、m−及びp−トルイレンジアミン、キシリレンジアミン、ナフチレンジアミン、例えば1,2−、1,3−、1,4−、1,5−、1,8−、2,3−、2,6−及び2,7−ナフチレン、ジアミノジフェニルスルホン、例えば2,2′−、3,3′−及び4,4′−ジアミノジフェニルスルホン並びにジアミノベンゾフェノン、例えば2,2′−、3,3′−及び4,4′−ジアミノベンゾフェノンである。
【0254】
既に述べたように、二価の芳香脂肪族基は、少なくとも1個の二価の脂肪族基と少なくとも1個の二価の芳香族基とを含み、その際、NH2基についての2つの結合箇所は、両方が芳香族基に存在するか、もしくは両方が脂肪族基に存在するか、又は一方が脂肪族基に存在し、かつもう一方が芳香族基に存在してよい。
【0255】
好ましい一実施態様においては、二価の芳香脂肪族の基A5は、フェニレン−C1〜C4−アルキレン及びフェニレン−C1〜C4−アルキレン−フェニレンから選択され、その際、前記のフェニレン基は、1、2、3もしくは4個のC1〜C4−アルキル基を有してよい。基A5が前記の意味を有する好適なアミンのための例は、ジアミノジフェニルメタン、例えば2,2′−、3,3′−及び4,4′−ジアミノジフェニルメタンなどである。
【0256】
好ましくは、式VIのアミンにおいて、A5は、二価の脂肪族基を表し、その際、該脂肪族基は、少なくとも4個の、好ましくは少なくとも5個の、特に少なくとも6個の炭素原子を有する。好ましくは、前記脂肪族基は、直鎖状もしくは分枝鎖状のC4〜C20−アルキレン、特に好ましくは直鎖状もしくは分枝鎖状のC4〜C10−アルキレン、より好ましくは直鎖状もしくは分枝鎖状のC5〜C10−アルキレン、特に直鎖状もしくは分枝鎖状のC6〜C8−アルキレンである。
【0257】
2個の第一級アミノ基及び少なくとも1個の更なる第二級もしくは第三級のアミノ基及び/又は少なくとも1個のエーテル酸素原子を有するポリアミンであって、該ポリアミン中に含まれる炭素原子の数と、含まれる窒素原子及び任意に含まれる酸素原子の数との比率が、少なくとも2.5:1である前記ポリアミンにおいて、全てのアミノ基及び全ての任意に存在するエーテル基は互いに線状に配置されている。線状に配置されているとは、この文脈では、全てのアミノ基及び全てのエーテル酸素原子が分子の最長の鎖中に存在することを意味する。このための例は、ポリプロピレンポリアミン、ポリブチレンポリアミン、アミン末端を有するポリプロピレングリコール及びアミン末端を有するポリブチレングリコールである。
【0258】
変法Bの好ましい一実施形態においては、工程(B−i)で使用されるアミン(B−i.2)は、2個の第一級のアミノ基を有する。
【0259】
特に好ましくは、工程(B−i)で使用されるアミン(B−i.2)は、
− 式(VI.1)
NH2−A5a−NH2 (VI.1)
[式中、
5aは、少なくとも5個の、好ましくは少なくとも6個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレン基を表す]で示されるアミン;及び
− 式VII
NH2−[A6−O]q−A6−NH2 (VII)
[式中、
各A6は、独立して、直鎖状もしくは分枝鎖状のC3〜C4−アルキレンを表し;かつ
qは、1〜5000の、好ましくは3〜5000の、特に好ましくは5〜5000の、特に10〜5000の数を表す]で示されるポリエーテルアミン
から選択される。
【0260】
好ましくは、A5aは、直鎖状もしくは分枝鎖状のC5〜C20−アルキレン、特に好ましくは直鎖状もしくは分枝鎖状のC5〜C10−アルキレン、より好ましくは直鎖状もしくは分枝鎖状のC6〜C10−アルキレン、特に直鎖状もしくは分枝鎖状のC6〜C8−アルキレンを表す。
【0261】
前記の基A5aが(C5〜C20−アルキレン)の意味を有する好適なアミンのための例は、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,5−ペンチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン、テトラデカメチレンジアミン、ペンタデカメチレンジアミン、ヘキサデカメチレンジアミン、ヘプタデカメチレンジアミン、オクタデカメチレンジアミン、ノナデカメチレンジアミン、エイコサメチレンジアミン、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタメチレンジアミン、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,4−ジアミノ−4−メチルペンタンなどである。
【0262】
その中でも特に好ましいのは、A5aが直鎖状もしくは分枝鎖状のC5〜C10−アルキレンを表すアミン、例えば2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,5−ペンチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,4−ジアミノ−4−メチルペンタンなどである。
【0263】
その中でもより好ましいのは、A5aが直鎖状もしくは分枝鎖状のC6〜C10−アルキレンを表すアミン、例えばヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,4−ジアミノ−4−メチルペンタンなどである。
【0264】
その中でも特に好ましいのは、A5aが直鎖状もしくは分枝鎖状のC6〜C8−アルキレンを表すアミン、例えばヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,4−ジアミノ−4−メチルペンタンなどである。特定の一実施形態においては、Aが直鎖状のC6〜C8−アルキレンを表すアミンが使用される。かかるアミンのための例は、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン及びオクタメチレンジアミンである。
【0265】
式VIIのポリエーテルアミンは、例えば分子量240〜360000を有するアミン末端を有するポリプロピレングリコール及びアミン末端を有するポリブチレングリコールである。
【0266】
本発明の実施形態Bの好ましい一実施形態においては、工程(B−i)において、成分(B−i.1)及び(B−i.2)のみが縮合される;すなわち、成分(B−i.3)、(B−i.4)及び(B−i.5)は使用されない。
【0267】
工程(B−i)において、アミン(B−i.2)及び成分(B−i.1)のモル比は、好ましくは、アミン(B−i.2)中に含まれる第一級アミノ基と、成分(B−i.1)中に含まれる第一級アミノ基との比率が、少なくとも1:1であるように選択される。特に好ましくは、アミン(B−i.2)中に含まれる第一級アミノ基の数と、成分(B−i.1)中に含まれる第一級アミノ基の数との比率は、1:1〜10:1、例えば1.1:1〜10:1、より好ましくは1:1〜5:1、例えば1.1:1〜5:1、好ましくは1.2:1〜5:1;さらにより好ましくは1:1〜3:1、例えば1.1:1〜3:1又は好ましくは1.2:1〜3:1又は特に好ましくは1.3:1〜3:1;殊に1:1〜2:1、例えば1.1:1〜2:1又は好ましくは1.2:1〜2:1又は特に好ましくは1.3:1〜2:1又は特に1.4:1〜2:1である。
【0268】
成分(B−i.3)、(B−i.4)及び/又は(B−i.5)が使用される場合に、全ての成分(B−i.3)、(B−i.4)及び(B−i.5)と、成分(B−i.1)とのモル比は、好ましくは50:1〜1:50、特に好ましくは10:1〜1:10、より好ましくは8:1〜1:8、なおもより好ましくは4:1〜1:8、特に2:1〜1:5、殊に1:1〜1:5である。
【0269】
工程(B−i)での反応のための方法措置に関しては、実施形態Aのために述べたものが引き合いに出される。
【0270】
実施形態Bにおいては、工程(B−iii)で使用される少なくとも1種の化合物であって、工程(B−i)もしくは(B−ii)で得られるポリマーのアミノ基と縮合反応もしくは付加反応をしうる化合物は、工程(B−iii)における反応によって親水性のポリマーセグメントが、好ましくは親水性のシェルが生ずるように選択される。
【0271】
相応して、工程(B−iii)で使用される少なくとも1種の化合物は、好ましくは十分に親水性の特性を有する。
【0272】
工程(B−iii)で使用される好ましい化合物は、
− 2個の第一級のアミノ基及び少なくとも1個の第二級もしくは第三級のアミノ基及び/又は少なくとも1個のエーテル酸素原子を有するポリアミンであって、全てのアミノ基及びエーテル酸素原子が互いに線状に配置されかつ前記ポリアミン中に含まれる炭素原子の数と、含まれる窒素原子及び任意に含まれる酸素原子の数との比率が、2.5以下:1、好ましくは2.3以下:1、特に2以下:1である前記ポリアミン;及び
− エチレンオキシド
から選択され、その際、工程(B−iii)で使用される化合物の少なくとも1つの化合物がエチレンオキシドである場合については、エチレンオキシドとの反応に先立って、少なくとも3個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルキレンオキシドとの反応を行うことができる。
【0273】
最後の事例においては、親油性のシェルは、先行する工程で形成されたアルキレンオキシド−ポリマーブロックをも含む。
【0274】
2個の第一級のアミノ基及び少なくとも1個の第二級もしくは第三級のアミノ基及び/又は少なくとも1個のエーテル酸素原子を有するポリアミンであって、全てのアミノ基及びエーテル酸素原子が互いに線状に配置されており、かつ前記ポリアミン中に含まれる炭素原子の数と、含まれる窒素原子及び任意に含まれる酸素原子の数との比率が2.5以下:1である好適かつ好ましいポリアミンは、実施態様Aで工程(A−i)に関して好適かつ好ましいと記載されているものに相当する。
【0275】
前記のポリアミンは、工程(B−iii)において、それらが、アンモニアもしくはアミンをSn反応において抑えつつ、工程(B−i)もしくは(B−ii)からのポリマーのアミノ基と反応する条件下で反応される。
【0276】
エチレンオキシドは、工程(B−iii)において、それらが工程(B−i)もしくは(B−ii)からのポリマーのアミノ基に付加してポリエーテロール基を形成する条件下で反応される。
【0277】
エチレンオキシドとの反応に先立って、さらに少なくとも3個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルキレンオキシドとの反応が行われ、こうして親水性のコアが、少なくとも3個の炭素原子を有するアルキレンオキシドからなるポリマーブロックによって拡張される場合に、前記アルキレンオキシドとの反応は、上記の様式と同様に行われる。
【0278】
好適な、少なくとも3個の炭素原子を有するアルキレンオキシドは、例えばプロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ペンチレンオキシド、スチレンオキシドなどである。そのうち、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、ペンチレンオキシドが好ましい。プロピレンオキシド及びブチレンオキシドがより好ましい。特にプロピレンオキシドが使用される。
【0279】
特に好ましくは、工程(B−iii)でエチレンオキシドが使用される。殊に、エチレンオキシドとの反応に先だって、少なくとも1種の上述のアルキレンオキシドとの反応が行われる。
【0280】
工程(B−iii)で形成される親水性のポリマーセグメントは、工程(B−iii)による反応後に、得られたポリマー中に含まれる第二級及び/又は第一級のアミノ基の少なくとも一部が第四級化され、かつ/又はエチレンオキシドと反応する場合にさらにより高く親水化することができる(後者は、当然、工程(B−iii)で既にエチレンオキシドが使用されていない場合にのみ当てはまる)。しかしながら、そのことは、工程(B−i)においてアミン(B−i.2)としてジアミンが使用される場合に(すなわちポリアミンが使用されない、またアミン末端を有するポリエーテルが使用されない場合に)のみ合理的である。
【0281】
好適かつ好ましい第四級化剤及び好適な方法措置に関して、実施形態Aで工程(A−ii)についてした説明が引き合いに出される。
【0282】
更なる誘導体化のために、特に親水性の更なる向上のために、代わりに又は加えて、工程(B−iii)による反応後に、得られたポリマー中に含まれる第二級及び/又は第一級のアミノ基の少なくとも一部を、カルボベタイン基、スルホベタイン基及び/又はホスホベタイン基に変換することができる。この措置はまた、工程(B−i)においてアミン(B−i.2)としてジアミンが使用される場合に(すなわちポリアミンが使用されない、またアミン末端を有するポリエーテルが使用されない場合に)のみ合理的である。
【0283】
工程(B−iii)においてエチレンオキシドが使用された場合に、更なる親水性化のために、工程(B−iii)による反応後に得られるポリマーを、スルフェート基もしくはホスフェート基で末端化することができる。
【0284】
工程(B−iii)で得られるポリマーの(厳密に言えば、ポリエチレングリコールセグメントの末端アルコール基の)硫酸化は、その硫酸化剤との反応によって行うことができる。
【0285】
好適な硫酸化剤は、例えば硫酸(好ましくは75〜100%の、特に好ましくは85〜98%の硫酸)、発煙硫酸、SO3、クロロスルホン酸、塩化スルフリル、アミドスルホン酸などである。塩化スルフリルが使用される場合に、第二の塩素原子は、硫酸化反応の後に加水分解的に除去せねばならない。
【0286】
硫酸化剤は、大抵は等モルで又は若干過剰に(例えばポリマー中のOH基1モル当たり1〜1.5モル)使用される;しかしながら、所望の親水化の程度に応じて、過少量でも使用できる。
【0287】
硫酸化は、溶剤の存在下で又は共沸添加剤、例えばトルエンの存在下で行うことができる。
【0288】
硫酸化によってまず得られる硫酸半エステルをスルフェート基に変換するために、硫酸化されたポリマーを好適な塩基で中和する。好適な塩基は、例えば無機塩基、例えばアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化カルシウムもしくは水酸化マグネシウム、アルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウムもしくは炭酸カリウム、アルカリ土類金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウムもしくは炭酸マグネシウム、アルカリ金属炭酸水素塩、例えば炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウムもしくは炭酸水素カリウム、又はアルカリ土類金属炭酸水素塩、例えば炭酸水素カルシウムもしくは炭酸水素マグネシウム、しかしながらまた幾つかの有機塩基、例えばアルカリ金属アルコレート、例えばナトリウムメタノレート、カリウムメタノレート、ナトリウムエタノレート、カリウムエタノレート、ナトリウムブチレート及びカリウム−t−ブチレートである。
【0289】
しかしながら、スルフェート基の導入は、スルフェート移動反応を介して行うこともできる。このためには、工程(B−iii)で得られるポリマー(厳密に言うと、アミノ官能)は、硫酸ジメチル又は硫酸ジエチルで第四級化される。引き続き、対アニオン(硫酸半エステルのアニオン、メトスルフェート)は、メタノール又はエタノールを脱離しつつポリエチレングリコールセグメントの末端アルコール基とエステル交換される。必要であれば、硫酸半エステルをスルフェート基に変換することは、上記のようにして行うことができる。
【0290】
工程(B−iii)で得られるポリマーの(厳密に言えば、ポリエチレングリコールセグメントの末端アルコール基の)リン酸化は、そのリン酸化剤との反応によって行うことができる。
【0291】
好適なリン酸化剤は、例えばリン酸、ポリリン酸、五酸化リン、POCl3などである。POCl3が使用される場合に、第二の塩素原子は、リン酸化反応の後に加水分解的に除去せねばならない。
【0292】
リン酸化剤は、大抵は等モルで又は若干過剰に(例えばポリマー中のOH基1モル当たり1〜1.5モル)使用される;しかしながら、所望の親水化の程度に応じて、過少量でも使用できる。
【0293】
硫酸化によってまず得られる硫酸半エステルをスルフェート基に変換するために、硫酸化されたポリマーを好適な塩基で中和する。好適な塩基は、例えば無機塩基、例えばアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化カルシウムもしくは水酸化マグネシウム、アルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウムもしくは炭酸カリウム、アルカリ土類金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウムもしくは炭酸マグネシウム、アルカリ金属炭酸水素塩、例えば炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウムもしくは炭酸水素カリウム、又はアルカリ土類金属炭酸水素塩、例えば炭酸水素カルシウムもしくは炭酸水素マグネシウム、しかしながらまた幾つかの有機塩基、例えばアルカリ金属アルコレート、例えばナトリウムメタノレート、カリウムメタノレート、ナトリウムエタノレート、カリウムエタノレート、ナトリウムブチレート及びカリウム−t−ブチレートである。
【0294】
本発明の更なる対象は、本発明による方法によって得られる、官能化された、高分岐のメラミン−ポリアミン−ポリマーである。
【0295】
本発明によるポリマーの特性に関して、上述の説明が指摘される。
【0296】
本発明の更なる対象は、本発明によるポリマーを、表面活性剤として又は有機材料もしくは無機材料の表面改質のために用いる使用である。
【0297】
表面活性剤(界面活性剤とも呼ぶ)は、材料、例えば溶剤の表面張力の減少をもたらす物質である。これらの化合物は、一般に、極性の(親水性の)及び非極性の(疎水性の)部分の組み合わせを含む。ここで、前記化合物は、異なる極性の2つの媒体の間の相界面に[すなわち、互いに混和しえない2つの相を分ける界面に(気−液、気−固、液−固、液−液、固−固)]、例えば水相と有機相との間に並ぶか、又はそのためにもはや場所がない場合には、それらの化合物は集まってミセルを形成する。しかしながら、表面活性剤とは、該剤で処理された材料の表面を改変する、例えば親水化又は疎水化する物質をも指す。
【0298】
表面改質とは、本発明の範囲においては、本発明によるポリマーを加えた媒体の界面活性特性の改変を表すべきである。この場合、界面(相界面)とは、2つの混合できない相を相互に分離する面(気−液、気−固、固−液、液−液、固−固)であると解釈される。これには、適用媒体の接着作用、固定作用又は封止作用、柔軟性、耐引掻性又は破断強さ、湿潤性及び濡れ性、潤滑性、摩擦力、腐食性、着色性、印刷適性及びガス透過性が挙げられる。相応して、本発明によるポリマーは、好ましくは、親水化剤、親油化剤(疎水化剤)、腐蝕防止剤、減摩剤、乳化剤、分散剤、定着剤、湿潤剤、湿潤防止剤、揮発剤又は印刷インキ添加物として使用される。
【0299】
本発明によるポリマーは、例えば、改質していない表面と比較して、水及び水含有の液体に対する基材表面の親和性を変更するために適している。このために本発明により使用されたポリマーは、一方で、これにより処理された表面の、水に対する親和性を改善(親水化)する化合物、及び他方で、これにより処理された表面の親和性を減少(疎水化)する分子部分を有する。基材の表面の親水性/疎水性を判断するための適当な基準は、それぞれの表面上での水の接触角の測定である(例えばRoempp,Chemielexikon,第9版,第372頁"Benetzung",Georg−Thieme−Verlag(1995)参照)。本発明の場合に、"疎水性表面"とは、水の接触角が>90゜の表面であると解釈される。"親水性表面"とは、水の接触角が≦90゜の表面であると解釈される。親水化するポリマーは、それにより処理された表面において、改質されていない表面と比較して接触角の低下を生じさせる。疎水化に作用するポリマーは、それにより処理された表面において、改質されていない表面と比較して接触角の増加を生じさせる。
【0300】
本発明によるポリマーを用いた表面改質するために適した有機材料は、例えばプラスチック、特にポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブテン及びポリイソプレン、及びポリ芳香族化合物、例えばポリスチレン、更に、これらのコポリマー及び混合物(その際、前記プラスチックは、有利にシート又は成形品の形で存在する)、セルロース(例えば紙又は厚紙の形)、天然又は合成繊維からなる紡織物、皮革、木材、石油製品、例えば燃料、プラスチック又は潤滑材、及びこの種の石油製品用の添加物、例えば潤滑性改善剤及び冷間流動改善剤である。適当な無機材料は、例えば無機顔料、金属、ガラス、塩基性無機材料、例えばセメント、石膏又は炭酸カルシウムである。
【0301】
しかしながら、好ましくは、本発明によるポリマーは、界面活性剤、デタージェント、湿潤剤、湿潤防止剤、乳化剤、解乳化剤、分散剤、保護コロイド、定着剤、起泡剤、レオロジー調節剤、増粘剤、ポリマー用の溶融粘度低下剤、腐蝕防止剤、減摩剤、粘着剤用の、接着剤用のもしくは樹脂用の液化剤、分散液化剤、粘着剤用の、接着剤用のもしくは樹脂用の結合剤、テキスタイル用の結合剤、架橋剤、可溶化剤、カプセル化剤、後なめし剤、疎水化剤又は親水化剤として使用される。
【0302】
本発明を、ここで以下の実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0303】
実施例
アミン価は、DIN 53176に従って測定した。粘度は、レオメーター(Physica MCR51、Anton Paar GmbH社製、グラーツ、オーストリア)を使用して測定した。溶解度の測定のために、生成物と溶剤とを10:90の質量比で混合し、ヒートガン(Heizpistole)で加熱した。生成物は、冷却時に沈殿しない場合に可溶性と見なす。
【0304】
分子量(Mn、Mw)は、好適な溶剤、例えばヘキサフルオロイソプロパノール、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルアセトアミド又は水においてPMMA較正で得られた値を指す。前記の測定法は、本願のポリマーでは相対的な値だけしかもたらさないことに留意すべきである;すなわち、類似の極性を有する構造的に類似した系だけを比較することができる。
【0305】
1. 高分岐のメラミン−ポリアミン−ポリマーの製造
1.1 高分岐のメラミン−テトラエチレンペンタミン−ポリマーの製造
2.8モルのテトラエチレンペンタミンを装入し、そこに0.65モルの塩化アンモニウムを触媒として加え、そして軽い窒素流を加えた。1モルのメラミンを、0.25モルを4部で添加した。その際、各メラミン添加の後に、反応混合物を、メラミンが溶解するまで、200℃に加熱し、撹拌した。溶解後に、該混合物をまず100℃に冷却してから、次の部を添加した。最後の部の添加の後に、該反応混合物を、200℃で、粘度が更に高まらなくなるまで(75℃で約20000mPas)撹拌した。冷却した後に、触媒を50%の苛性ソーダ液で中和し、その際に形成された水酸化ナトリウムを90℃で圧力ヌッチェを介して濾別した。黄色のポリマーが得られ、それは以下の特性を有していた:
粘度(75℃)η=1500mPas
溶解度:HFIP(=ヘキサフルオロイソプロパノール)、水
アミン価:757mg KOH/g
【0306】
1.2 高分岐のメラミン−ペンタエチレンヘキサミン−ポリマーの製造
2.8モルのペンタエチレンヘキサミンを装入し、そこに0.65モルの塩化アンモニウムを触媒として加え、そして軽い窒素流を加えた。1モルのメラミンを、0.25モルを4部で添加した。その際、各メラミン添加の後に、反応混合物を、メラミンが溶解するまで、200℃に加熱し、撹拌した。溶解後に、該混合物をまず100℃に冷却してから、次の部を添加した。最後の部の添加の後に、該反応混合物を、200℃で、粘度が更に高まらなくなるまで(75℃で約20000mPas)撹拌した。冷却した後に、触媒を50%の苛性ソーダ液で中和し、その際に形成された水酸化ナトリウムを90℃で圧力ヌッチェを介して濾別した。ポリマーが得られ、それは以下の特性を有していた:
粘度(75℃)η=3250mPas
n=6300
w=24400
溶解度:HFIP(=ヘキサフルオロイソプロパノール)、水
アミン価:665mg KOH/g
【0307】
2. 高分岐のメラミン−ポリアミン−ポリマーの官能化
2.1 実施例1.1からのポリマーの、オレイン酸との反応による官能化
実施例1.1で得られたポリマーを、フラスコ中に装入し、そこに0.2モルのオレイン酸を加えた。該混合物を120℃に加熱し、そして生じた反応水を蒸留により除去した。温度は、その際段階的に180℃に高まった。更なる水がもはや形成されなくなった後で、さらに1時間にわたり180℃で撹拌した。暗黄色でハチミツ状の流動性のポリマーが得られ、それは以下の特性を有していた:
粘度(75℃)η=1500mPas
溶解度:HFIP(=ヘキサフルオロイソプロパノール)、水
該生成物は、水中で0.5%の低い濃度で既に安定なフォームを形成する。
CMC(臨界ミセル濃度)値(25℃):0.12g/l
【0308】
2.2 実施例1.2からのポリマーの、オレイン酸との反応による官能化
実施例1.2で得られたポリマーを、フラスコ中に装入し、そこに0.2モルのオレイン酸を加えた。該混合物を120℃に加熱し、そして生じた反応水を蒸留により除去した。温度は、その際段階的に180℃に高まった。更なる水がもはや形成されなくなった後で、さらに1時間にわたり180℃で撹拌した。暗黄色でハチミツ状の流動性のポリマーが得られ、それは以下の特性を有していた:
粘度(75℃)η=1000mPas
溶解度:HFIP(=ヘキサフルオロイソプロパノール)、水
該生成物は、水中で0.05%の低い濃度で既に安定なフォームを形成する。
CMC(臨界ミセル濃度)値(25℃):0.11g/l
【0309】
2.3 実施例1.2からのポリマーの、ラウリン酸との反応による官能化
実施例1.2で得られたポリマーを、フラスコ中に装入し、そこに0.2モルのラウリン酸を加えた。該混合物を120℃に加熱し、そして生じた反応水を蒸留により除去した。温度は、その際段階的に180℃に高まった。更なる水がもはや形成されなくなった後で、さらに1時間にわたり180℃で撹拌した。暗黄色でハチミツ状の流動性のポリマーが得られ、それは以下の特性を有していた:
粘度(75℃)η=2500mPas
溶解度:HFIP(=ヘキサフルオロイソプロパノール)、水
該生成物は、水中で0.05%の低い濃度で既に安定なフォームを形成する。
CMC(臨界ミセル濃度)値(25℃):0.7g/l
【0310】
2.4 実施例1.2からのポリマーの、ポリイソブテニル置換された無水コハク酸(PIBSA;ポリイソブテニル基のMn:550)との反応による官能化
実施例1.2で得られたポリマーを、フラスコ中に装入し、そこに0.2モルのポリイソブテニル置換された無水コハク酸(PIBSA;ポリイソブテニル基のMn:550)を加えた。該混合物を120℃に加熱し、そして生じた反応水を蒸留により除去した。温度は、その際段階的に180℃に高まった。更なる水がもはや形成されなくなった後で、さらに1時間にわたり180℃で撹拌した。帯褐色で粘性のポリマーが得られ、それは以下の特性を有していた:
粘度(75℃)η=10800mPas
溶解度:HFIP(=ヘキサフルオロイソプロパノール)、水
該生成物は、水中で0.05%の低い濃度で既に安定なフォームを形成する。
n=3700
w=9350
PD=2.5
【0311】
2.5 実施例1.1からのポリマーの、エチレンオキシドとの、それに引き続くプロピレンオキシドとの反応による官能化
実施例1.1と同様にして得られたメラミン及びテトラエチレンペンタミンからなるポリマー(水中90.9%)100gを、オートクレーブ中で80℃で装入し、そして反応容器を窒素で不活性化した。110℃で、42.1g(0.96モル)のエチレンオキシドを、10分以内で計量供給し、引き続き5時間にわたり後撹拌した。4.07gのKOH(水中50%)の添加の後に、120℃及び10ミリバール真空未満で2時間にわたり脱水した。次いで、温度を140℃に高め、800gのエチレンオキシド(18.2モル)を16時間以内で計量供給した。計量供給が終わった後に、140℃で更に10時間にわたり後撹拌した。揮発性成分を、真空中で除去した。NH官能1つ当たり20.3個のエチレンオキシド単位を有するメラミン−テトラエチレンペンタミン縮合物947gが暗色の液状物質として得られた。
n=3300
w=125000
アミン価:84mg KOH/g
【0312】
エチレンオキシドで官能化されたポリマー300gを、オートクレーブ中に装入した。窒素で不活性化した後に、温度を140℃に高め、282g(4.85モル)のプロピレンオキシドを、6時間以内で質量計量により添加した。引き続き、140℃で7時間にわたり後撹拌した。冷却した後に、揮発性成分を真空中で除去した。NH官能1つ当たり20.3個のエチレンオキシド単位と17.0個のプロピレンオキシド単位とを有するメラミン−テトラエチレンペンタミン縮合物600gが得られた。
n=1200
w=260000
アミン価:41mg KOH/g
【0313】
2.6 実施例1.1からのポリマーの、プロピレンオキシドとの反応による官能化
実施例1.1と同様にして得られたメラミン及びテトラエチレンペンタミンからなるポリマー(水中98%)120gを、オートクレーブ中で80℃で装入し、そして反応容器を窒素で不活性化した。100℃で、86.0g(1.47モル)のプロピレンオキシドを、10分以内で計量供給し、引き続き18時間にわたり後撹拌した。得られた生成物133gに、3.8gのカリウム−t−ブチレートを入れ、そして温度を130℃に高めた。675gのプロピレンオキシド(11.6モル)を、6.5時間以内で配量した。計量供給が終わった後に、130℃で更に10時間にわたり後撹拌した。揮発性成分を、真空中で除去した。NH官能1つ当たり10.0個のプロピレンオキシド単位を有するメラミン−テトラエチレンペンタミン縮合物818gが暗色の液状物質として得られた。
n=2020
w=2940
アミン価:89.6mg KOH/g

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両親媒性の官能化された高分岐のメラミン−ポリアミン−ポリマーの製造方法であって、以下の工程:
(I)以下の
(i.1)メラミン及び、任意に少なくとも1種のメラミン誘導体と、
(i.2)前記メラミン及びメラミン誘導体とは異なる、少なくとも2つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1種のアミンとを、
かつ任意に、さらになおも、
(i.3)尿素及び/又は少なくとも1種の尿素誘導体とを、及び/又は
(i.4)少なくとも1種の少なくとも二官能性のジイソシアネートもしくはポリイソシアネートとを、及び/又は
(i.5)少なくとも2つのカルボキシル基を有する少なくとも1種のカルボン酸又は少なくとも1種のその誘導体とを縮合する工程と、
(ii)任意に、工程(i)で得られたポリマーセグメントのアミノ基の一部を第四級化する工程と、
(iii)工程(i)もしくは(ii)で得られたポリマーセグメントと、アミノ基と縮合反応もしくは付加反応をしうる、かつ脂肪族モノカルボン酸もしくはその誘導体、ポリカルボン酸もしくはその誘導体、脂肪族の、脂環式のもしくは芳香族の、任意に封鎖されたイソシアネート、脂肪族モノアミン、脂肪族ポリアミン、アミン末端のポリエーテル、アルキレンオキシド、アルデヒド、ケトン及びアルデヒドとCH酸性化合物もしくはヒドロキシ芳香族化合物との組み合わせから選択される、少なくとも1種の化合物とを反応させる工程と、
(iv)任意に、工程(i)で得られたポリマーセグメントのアミノ基の少なくとも一部を第四級化する工程と
を含む前記方法。
【請求項2】
以下の工程:
方法A
(A−i)以下の
(A−i.1)メラミン及び、任意に少なくとも1種のメラミン誘導体と、
(A−i.2)前記メラミン及びメラミン誘導体とは異なる、少なくとも2つの第一級アミノ基を有する、少なくとも1種のアミンとを、
かつ任意に、さらになおも、
(A−i.3)尿素及び/又は少なくとも1種の尿素誘導体とを、及び/又は
(A−i.4)少なくとも1種の少なくとも二官能性のジイソシアネートもしくはポリイソシアネートとを、及び/又は
(A−i.5)少なくとも2つのカルボキシル基を有する少なくとも1種のカルボン酸又は少なくとも1種のその誘導体とを縮合する工程と、
(A−ii)任意に工程(A−i)で得られたポリマーセグメントのアミノ基の一部を第四級化する工程と、
(A−iii)工程(A−i)もしくは(A−ii)で得られたポリマーセグメントと、アミノ基と縮合反応もしくは付加反応をしうる、かつ疎水性のポリマーセグメントの形成をもたらす少なくとも1種の化合物とを反応させる工程と、
その際、前記化合物は、脂肪族モノカルボン酸もしくはその誘導体、ポリカルボン酸もしくはその誘導体、脂肪族の、脂環式のもしくは芳香族の、任意に封鎖されたイソシアネート、脂肪族モノアミン、脂肪族ポリアミン、アミン末端のポリエーテル、アルキレンオキシド、アルデヒド、ケトン及びアルデヒドとCH酸性化合物もしくはヒドロキシ芳香族化合物との組み合わせから選択される、
(A−iv)任意に、工程(A−i)で得られたポリマーセグメントのアミノ基の少なくとも一部を第四級化する工程と
を含み、工程(A−i)、(A−ii)又は(A−iv)で親水性のポリマーセグメントが得られ、又は
方法B
以下の工程:
(B−i)以下の
(B−i.1)メラミン及び任意に少なくとも1種のメラミン誘導体と、
(B−i.2)前記メラミン及びメラミン誘導体とは異なる、少なくとも2個の第一級のアミノ基を有する少なくとも1種のアミンとを、
かつ任意に、さらになおも
(B−i.3)尿素及び/又は少なくとも1種の尿素誘導体;及び/又は
(B−i.4)少なくとも1種の少なくとも二官能性のジイソシアネートもしくはポリイソシアネート;及び/又は
(B−i.5)少なくとも2個のカルボキシル基を有する少なくとも1種のカルボン酸又は少なくとも1種のそれらの誘導体とを縮合させる工程(その際、工程(B−i)で疎水性のポリマーセグメントが得られる)と、
(B−iii)工程(B−i)で得られる疎水性のポリマーセグメントと、アミノ基と縮合反応もしくは付加反応をすることができかつ親水性のポリマーセグメントの形成をもたらす少なくとも1種の化合物とを反応させる工程(その際、前記化合物は、脂肪族ポリアミン、アミン末端を有するポリエーテル及びエチレンオキシドから選択され、その際、エチレンオキシドとの反応に先立って、他のアルキレンオキシドとの反応を行ってよい)と
を含む前記方法。
【請求項3】
工程(i)又は(A−i)で使用される、メラミン又はメラミン誘導体とは異なる少なくとも1種のアミン(i.2)又は(A−i.2)が、
− 1,2−エチレンジアミン、
− 1,2−プロピレンジアミン、
− 1,3−プロピレンジアミン、
− 2つの第一級アミノ基及び少なくとも1つの第二級もしくは第三級アミノ基及び/又は少なくとも1つのエーテル酸素原子を有するポリアミンであって、全てのアミノ基及びエーテル酸素原子が互いに線状に配置されており、かつポリアミン中に含まれる炭素原子の数とポリアミン中に含まれる窒素原子及び任意に含まれる酸素原子の数との比率が、2.5未満:1、特に2以下:1であるポリアミン、及び
− 少なくとも2つの第一級アミノ基、少なくとも1つの更なる第一級もしくは第二級アミノ基及び任意に少なくとも1つの更なる第一級、第二級もしくは第三級のアミノ基及び/又は任意に少なくとも1つのエーテル酸素原子を有するポリアミンであって、少なくとも3つのアミノ基が互いに線状に配置されておらず、かつポリアミン中に含まれる炭素原子の数とポリアミン中に含まれる窒素原子及び任意に含まれる酸素原子の数との比率が、3以下:1、好ましくは2.5以下:1であるポリアミン、
から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
工程(i)又は(A−i)において使用されるアミン(i.2)又は(A−i.2)が2個の第一級アミノ基を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
工程(i)又は(A−i)で使用されるアミン(i.2)又は(A−i.2)が、式I.1
NH2−[A1−X1m−A1−NH2 (I.1)
[式中、
各A1は、独立して、1,2−エチレン、1,3−プロピレン又は1,2−プロピレンを表し、その際、mが0を表さない場合については、式Iの化合物に含まれる1,2−エチレン単位A1の数は、式Iの化合物中に含まれる1,3−及び1,2−プロピレン単位A1の全数に対して、少なくとも1:1である;
各X1は、独立して、O又はNRaを表す;
aは、H、C1〜C4−アルキル、C2〜C4−ヒドロキシアルキル又はC1〜C4−アルコキシを表す;及び
mは、0〜100の数を表す]のアミンから選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
工程(i)又は(A−i)で使用されるアミン(i.2)又は(A−i.2)が、式II.1
【化1】

[式中、
Yは、CRb、N又は5員もしくは6員の、飽和の、部分不飽和のもしくは芳香族の、N、O及びSから選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を環員として有する複素環式の環を表す;
1、E2及びE3は、互いに独立して、単結合、基−[A2−X2n−A2−、−NRc−A2−もしくは−O−A2−を表すが、但し、E1、E2及びE3は、YがNを表す場合に、単結合を表さず、かつ−NRc−A2−を表さない;
各A2は、独立して、1,2−エチレン、1,3−プロピレン又は1,2−プロピレンを表す;
各X2は、独立して、O又はNRdを表し、
bは、H、C1〜C4−アルキル、C2〜C4−ヒドロキシアルキル又はC1〜C4−アルコキシを表す;
c及びRdは、互いに独立して、H、C1〜C4−アルキル、C2〜C4−ヒドロキシアルキル又はC1〜C4−アルコキシを表す;及び
nは、0〜10の数を表す]のアミンから選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
YがNを表し、かつE1、E2及びE3が、互いに独立して、基−[A2−X2n−A2−を表し、nは、0を表す、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
工程(i)又は(A−i)で使用される、メラミン及びメラミン誘導体とは異なる少なくとも1種のアミン(i.2)又は(A−i.2)が、1,2−エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘプタエチレンオクタミン、オクタエチレンノナミン、ビス(3−アミノプロピル)アミン、ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)プロパン−1,3−ジアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、トリス(2−アミノプロピル)アミン、トリス(3−アミノプロピル)アミン、トリスアミノヘキサン、式I.1で示され、その式中、X1がNRaを表し、その際、少なくとも1つのA1が1,3−プロピレンもしくは1,2−プロピレンを表し、かつmが1〜100の数を表す化合物及び式I.1で示され、その式中、X1がOを表し、かつmが2〜100の数を表す化合物から選択され、かつ好ましくはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘプタエチレンオクタミン及びオクタエチレンノナミンから選択される、請求項3から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
工程(i)もしくは(A−i)で使用される少なくとも1種の、メラミン及びメラミン誘導体とは異なるアミン(i.2)もしくは(A−i.2)は、請求項3から8までのいずれか1項で定義されるポリアミン及び式IV
NH2−[A3−X3o−A3−NH2 (IV)
[式中、
各A3は、独立して、直鎖状もしくは分枝鎖状のC3〜C10−アルキレンを表す;
3は、OもしくはNReを表す;
eは、H、C1〜C4−アルキル、C2〜C4−ヒドロキシアルキルもしくはC1〜C4−アルコキシを表す;及び
oは、0〜100の数を表す;
但し、A3は、oが0を表す場合には、C4〜C10−アルキレンを表す]のポリアミンから選択され、かつ
工程(i)もしくは(A−i)の後に工程(ii)もしくは(A−ii)においてアミノ基の一部が第四級化され、又は工程(ii)もしくは(A−ii)が実施されず、かつ工程(iii)もしくは(A−iii)において、アミノ基と縮合反応もしくは付加反応をしうる化合物として第四級化可能な基を有さない化合物のみが使用される場合については、工程(iii)もしくは(A−iii)の後に工程(iv)もしくは(A−iv)においてアミノ基の一部が第四級化される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
工程(iii)もしくは(A−iii)で使用される少なくとも1種の化合物が、
− 脂肪族のC4〜C22−モノカルボン酸もしくはそれらの誘導体;
− 少なくとも6個の炭素原子を有するα,β−ジカルボン酸もしくはそれらの誘導体;
− 脂肪族の、脂環式のもしくは芳香族の、任意に封鎖された、少なくとも6個の炭素原子を有するイソシアネート;
− 少なくとも6個の炭素原子を有する脂肪族のモノアミン;
− 全てのアミノ基が互いに線状に配置されている、ポリアミン中に含まれる炭素原子の数と、含まれる窒素原子の数との比率が少なくとも2.5:1である脂肪族ポリアミン;
− 少なくとも3個の炭素原子を有するアルキレンオキシド;
− 式V
NH2−[A4−O]p−A4−NH2 (V)
[式中、
各A4は、独立して、直鎖状のもしくは分枝鎖状のC3〜C4−アルキレンを表し、かつ
pは、1〜5000の数を表す]で示されるポリエーテルアミン;
− 少なくとも6個の炭素原子を有するケトンもしくはアルデヒド;
− アルデヒドと、少なくとも4個の炭素原子を有する少なくとも1種のCH酸性化合物との、もしくは少なくとも4個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族基を置換基として有する少なくとも1種のヒドロキシ芳香族化合物との組み合わせ
から選択され、その際、工程(iii)又は(A−iii)で使用される少なくとも1種の化合物が、少なくとも3個の炭素原子を有するアルキレンオキシドから選択される場合については、前記の少なくとも1種のアルキレンオキシドとの反応に先だって、エチレンオキシドとの反応を行うことができる、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
工程(iii)もしくは(A−iii)で使用される少なくとも1種の化合物が、
− 脂肪族のC10〜C22−モノカルボン酸もしくはそれらの誘導体;
− 少なくとも10個の炭素原子を有するα,β−ジカルボン酸;
− 少なくとも3個の炭素原子を有するアルキレンオキシド
から選択され、その際、前記の少なくとも1種の少なくとも3個の炭素原子を有するアルキレンオキシドとの反応に先だって、エチレンオキシドとの反応を行うことができる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
工程(i)もしくは(B−i)で使用される、メラミン及びメラミン誘導体とは異なる少なくとも1種のアミン(i.2)もしくは(B−i.2)が、
− 式VI
NH2−A5−NH2 (VI)
[式中、
5は、二価の、脂肪族の、脂環式の、脂肪族−脂環式の、芳香族のもしくは芳香脂肪族の基を表し、その際、前記の脂肪族の基及び脂環式の基は、少なくとも4個の炭素原子を有する]で示されるジアミン;及び
− 2個の第一級アミノ基及び少なくとも1個の更なる第二級のもしくは第三級のアミノ基及び/又は少なくとも1個のエーテル酸素原子を有するポリアミンであって、全てのアミノ基及びエーテル酸素原子が互いに線状に配置されており、かつ前記ポリアミン中に含まれる炭素原子の数と、含まれる窒素原子と任意に含まれる酸素原子の数との比率が、少なくとも2.5:1である前記ポリアミン
から選択され、その際、該方法が工程(ii)を含まない、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項13】
工程(i)もしくは(B−i)で使用されるアミン(i.2)もしくは(B−i.2)が、
− 式(VI.1)
NH2−A5a−NH2 (VI.1)
[式中、
5aは、少なくとも5個の、好ましくは少なくとも6個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレン基を表す]で示されるアミン;及び
− 式VII
NH2−[A6−O]q−A6−NH2 (VII)
[式中、
各A6は、独立して、直鎖状もしくは分枝鎖状のC3〜C4−アルキレンを表し;かつ
qは、1〜5000の数を表す]で示されるポリエーテルアミン
から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
工程(iii)もしくは(B−iii)で使用される少なくとも1種の化合物が、
− 2個の第一級のアミノ基及び少なくとも1個の更なるアミノ基及び/又は少なくとも1個のエーテル酸素原子を有するポリアミンであって、前記ポリアミン中に含まれる炭素原子の数と、含まれる窒素原子及び任意に含まれる酸素原子の数との比率が、2.5未満:1である前記ポリアミン;及び
− エチレンオキシド
から選択され、その際、工程(iii)又は(B−iii)で使用される少なくとも1種の化合物がエチレンオキシドである場合については、エチレンオキシドとの反応に先立って、少なくとも3個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルキレンオキシドとの反応を行うことができる、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
工程(iii)もしくは(B−iii)においてジアミンが使用された場合に、工程(iii)もしくは(B−iii)による反応の後に、得られたポリマー中に含まれるアミノ基の少なくとも一部が第四級化され、かつ工程(iii)もしくは(B−iii)においてエチレンオキシドが使用されなかった場合に、工程(iii)もしくは(B−iii)による反応の後に得られた生成物がエチレンオキシドと反応される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
工程(iii)もしくは(B−iii)においてジアミンが使用された場合に、工程(iii)もしくは(B−iii)による反応の後に、得られたポリマー中に含まれるアミノ基の少なくとも一部が、カルボベタイン基、スルホベタイン基及び/又はホスホベタイン基に変換される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
工程(iii)もしくは(B−iii)によるエチレンオキシドとの反応の後に得られるポリマーが、スルフェート基もしくはホスフェート基で末端化される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
工程(i)において、アミン(i.2)と成分(i.1)とのモル比が、アミン(i.2)に含まれる第一級アミノ基の数と成分(i.1)中に含まれる第一級アミノ基の数との比率が少なくとも1:1であるように選択され、もしくは
成分(A−i)において、アミン(A−i.2)と成分(A−i.1)とのモル比が、アミン(A−i.2)に含まれる第一級アミノ基の数と成分(A−i.1)に含まれる第一級アミノ基の数との比率が少なくとも1:1であるように選択され、もしくは
工程(B−i)において、アミン(B−i.2)と成分(B−i.1)とのモル比が、アミン(B−i.2)に含まれる第一級アミノ基の数と成分(B−i.1)に含まれる第一級アミノ基の数との比率が少なくとも1:1であるように選択される、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
成分(i.1)、(A−i.1)もしくは(B−i.1)に任意に含まれるメラミン誘導体が、ベンゾグアナミン、置換メラミン及びメラミン縮合物から選択される、請求項1から18までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
成分(i.3)、(A−i.3)もしくは(B−i.3)の尿素誘導体が、
− 式R12N−C(=O)−NR34
[式中、
1、R2、R3及びR4は、互いに独立して、水素、C1〜C12−アルキル、アリール及びアリール−C1〜C4−アルキルから選択され、その際、前記基R1、R2、R3及びR4の少なくとも1個は、水素を表さない;又は
1及びR2及び/又はR3及びR4は、それぞれ一緒になって、C2〜C5−アルキレンを表し、その際、1個のメチレン基は、任意に1個のカルボニル基によって置き換えられていてよい;又は
1及びR3は、一緒になって、C2〜C5−アルキレンを表し、その際、1個のメチレン基は、任意に1個のカルボニル基によって置き換えられていてよい;又は
1及びR2及び/又はR3及びR4は、それぞれ、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、5員もしくは6員の不飽和の芳香族もしくは非芳香族の環であって、付加的に1もしくは2個の更なる窒素原子又は1個の硫黄原子もしくは酸素原子を環員として含んでよい環を形成する]の置換された尿素;
− ビウレット;
− チオ尿素;
− 式R56N−C(=S)−NR78
[式中、
5、R6、R7及びR8は、互いに独立して、水素、C1〜C12−アルキル、アリール及びアリール−C1〜C4−アルキルから選択され、その際、前記基R5、R6、R7及びR8の少なくとも1個は、水素を表さない;又は
5及びR6及び/又はR7及びR8は、それぞれ一緒になって、C2〜C5−アルキレンを表し、その際、1個のメチレン基は、任意に1個のカルボニル基によって置き換えられていてよい;又は
5及びR7は、一緒になって、C2〜C5−アルキレンを表し、その際、1個のメチレン基は、任意に1個のカルボニル基によって置き換えられていてよい;又は
5及びR6及び/又はR7及びR8は、それぞれ、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、5員もしくは6員の不飽和の芳香族もしくは非芳香族の環であって、付加的に1もしくは2個の更なる窒素原子又は1個の硫黄原子もしくは酸素原子を環員として含んでよい環を形成する]の置換されたチオ尿素;
− グアニジン;
− 式R910N−C(=NR11)−NR1213
[式中、
9、R10、R11、R12及びR13は、互いに独立して、水素、C1〜C12−アルキル、アリール及びアリール−C1〜C4−アルキルから選択され、その際、前記基R9、R10、R11、R12及びR13の少なくとも1個は、水素を表さない;又は
9及びR10及び/又はR12及びR13は、それぞれ一緒になって、C2〜C5−アルキレンを表し、その際、1個のメチレン基は、任意に1個のカルボニル基によって置き換えられていてよい;又は
9及びR12は、一緒になって、C2〜C5−アルキレンを表し、その際、1個のメチレン基は、任意に1個のカルボニル基によって置き換えられていてよい;又は
9及びR10及び/又はR12及びR13は、それぞれ、それらが結合されている窒素原子と一緒になって、5員もしくは6員の不飽和の芳香族もしくは非芳香族の環であって、付加的に1もしくは2個の更なる窒素原子もしくは硫黄原子もしくは酸素原子を環員として含んでよい環を形成する]の置換されたグアニジン;並びに
− 式R14−O−CO−O−R15
[式中、
14及びR15は、互いに独立して、C1〜C12−アルキル、アリール及びアリール−C1〜C4−アルキルから選択されるか、又はR14及びR15は、一緒になってC2〜C5−アルキレンを表す]の炭酸エステル;
から選択される、請求項1から19までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
式中、
− R2及びR4は、水素を表し、かつR1及びR3は、同一であり、C1〜C12−アルキル、アリール及びアリール−C1〜C4−アルキルから選択され、又はR1、R2、R3及びR4は、同一であり、直鎖状のC1〜C4−アルキルを表すか、又はR1及びR2並びにR3及びR4は、それぞれ一緒になって、C2〜C5−アルキレンを表し、その際、1個のメチレン基は、任意に1個のカルボニル基によって置き換えられていてよい;又はR2及びR4は、水素を表し、かつR1及びR3は、一緒になってC2〜C5−アルキレンを表し、その際、1個のメチレン基は、任意に1個のカルボニル基によって置き換えられていてよい;又はR1及びR2並びにR3及びR4は、それぞれそれらが結合されている窒素原子と一緒になって、5員もしくは6員の不飽和の芳香族もしくは非芳香族の環であって、付加的に1個の更なる窒素原子、硫黄原子もしくは酸素原子を環員として含んでよい環を形成する;
− R6及びR8は、水素を表し、かつR5及びR7は、同一であり、C1〜C12−アルキル、アリール及びアリール−C1〜C4−アルキルを表すか、又はR5、R6、R7及びR8は、同一であり、直鎖状のC1〜C4−アルキルを表すか、又はR5及びR6並びにR7及びR8は、それぞれ一緒になって、C2〜C5−アルキレンを表し、その際、1個のメチレン基は、任意に1個のカルボニル基によって置き換えられていてよい;又はR6及びR8は、水素を表し、かつR5及びR7は、一緒になってC2〜C5−アルキレンを表し、その際、1個のメチレン基は、任意に1個のカルボニル基によって置き換えられていてよい;又はR5及びR6並びにR7及びR8は、それぞれそれらが結合されている窒素原子と一緒になって、5員もしくは6員の不飽和の芳香族もしくは非芳香族の環であって、付加的に1個の更なる窒素原子、硫黄原子もしくは酸素原子を環員として含んでよい環を形成する;
− R10、R11及びR13は、水素を表し、かつR9及びR12は、同一であり、C1〜C12−アルキル、アリールもしくはアリール−C1〜C4−アルキルを表し、又はR9、R10、R12及びR14は、同一であり、直鎖状のC1〜C4−アルキルを表し、かつR11は、Hもしくはメチルを表すか、又はR9及びR10並びにR12及びR13は、それぞれ一緒になって、C2〜C5−アルキレンを表し、その際、1個のメチレン基は、任意に1個のカルボニル基によって置き換えられていてよく、かつR11は、Hもしくはメチルを表すか、又はR10、R11及びR13は、水素を表し、かつR9及びR12は、一緒になってC2〜C5−アルキレンを表し、その際、1個のメチレン基は、任意に1個のカルボニル基によって置き換えられていてよい;又はR9及びR10並びにR12及びR13は、それぞれそれらが結合されている窒素原子と一緒になって、5員もしくは6員の不飽和の芳香族もしくは非芳香族の環であって、付加的に1個の更なる窒素原子、硫黄原子もしくは酸素原子を環員として含んでよい環を形成し、かつR11は、Hもしくはメチルを表す;
− R14及びR15は同一であり、かつC1〜C4−アルキルを表す、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
工程(i)、(A−i)もしくは(B−i)での縮合を、酸性触媒の存在下で実施する、請求項1から21までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
工程(i)、(A−i)もしくは(B−i)での縮合を、40〜300℃の温度で実施する、請求項1から22までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
工程(i)、(A−i)もしくは(B−i)での縮合を、反応生成物の粘度が250〜100000mPas(100℃)になるまで実施する、請求項1から23までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
第四級化を、ブレンステッド酸及び/又はアルキル化剤との反応によって行う、請求項1から24までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
請求項1から25までのいずれか1項に記載の方法によって得られる、官能化された高分岐のメラミン−ポリアミン−ポリマー。
【請求項27】
本質的に架橋されていない、請求項26に記載のポリマー。
【請求項28】
500〜200000の数平均分子量Mnを有する、請求項26又は27に記載のポリマー。
【請求項29】
請求項26から28までのいずれか1項に記載のポリマーを、表面活性剤として用いる使用。
【請求項30】
請求項29に記載の使用であって、界面活性剤、デタージェント、湿潤剤、乳化剤、解乳化剤、分散剤、保護コロイド、定着剤、起泡剤、レオロジー調節剤、増粘剤、ポリマー用の溶融粘度低下剤、粘着剤用の、接着剤用のもしくは樹脂用の液化剤、分散液化剤、粘着剤用の、接着剤用のもしくは樹脂用の結合剤、テキスタイル用の結合剤、架橋剤、可溶化剤、カプセル化剤、後なめし剤、疎水化剤又は親水化剤として用いる前記使用。

【公表番号】特表2013−514405(P2013−514405A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543714(P2012−543714)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【国際出願番号】PCT/EP2010/069735
【国際公開番号】WO2011/073246
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】