説明

定着装置および画像形成装置

【課題】用紙Pに存在するキャリア液を効率良く除去するようにした定着装置を提供する。
【解決手段】トナーとキャリア液とを含む現像剤で現像して得たトナー像を転写させた用紙Pに接触し、用紙Pに存在するキャリア液が用紙Pの内部から表面に移動するように用紙Pを加熱する加熱ロール36と、加熱ロール36に付着するキャリア液を加熱ロール36から除去する除去ブレード38と、用紙Pの搬送方向において加熱ロール36の下流側に配置され、用紙Pに存在するトナーを用紙Pに定着させる定着部34とを備えるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、図6などに示されるように、キャリア液にトナーを分散させてなる液体現像剤を用いて形成された記録媒体上の未定着画像を加熱定着する定着装置において、記録媒体に存在するキャリア液を加熱により記録媒体の表面に移動させるためのプレ加熱部(310)と、該プレ加熱部(310)により記録媒体の内部から表面に移動させられたキャリア液を記録媒体の表面から除去するためのキャリア除去部(330)を設けることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−167456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、記録媒体に存在するキャリア液を効率良く除去するようにした定着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1の定着装置は、トナーとキャリア液とを含む現像剤で現像して得たトナー像を転写させた記録媒体に接触し、前記記録媒体に存在するキャリア液が前記記録媒体の内部から表面に移動するように前記記録媒体を加熱する加熱手段と、前記加熱手段に付着するキャリア液を前記加熱手段から除去する除去手段と、前記記録媒体の搬送方向において前記加熱手段の下流側に配置され、前記記録媒体に存在するトナーを前記記録媒体に定着させる定着手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2の定着装置は、請求項1に記載の定着装置において、前記除去手段は、前記記録媒体の搬送面に対し前記加熱手段が設けられる側に配置されるものであり、前記記録媒体の前記加熱手段に接触する面側に接触し、前記記録媒体の表面に移動したキャリア液を前記記録媒体から除去する接触除去手段、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3の定着装置は、請求項2に記載の定着装置において、前記接触除去手段は、前記記録媒体の、前記加熱手段に接触する面側であり且つ前記トナー像が形成されない面側に接触されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4の定着装置は、請求項2または請求項3に記載の定着装置において、さらに、前記接触除去手段によって除去されたキャリア液を前記加熱手段へと移行させる移行手段を備え、前記除去手段は、前記移行手段によって移行されたキャリア液を除去することを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5の定着装置は、請求項3に記載の定着装置において、前記加熱手段は、前記記録媒体の前記トナー像が形成されていない面側に接触し、前記記録媒体の搬送に伴って移動しない加熱プレートから構成されており、前記除去手段は、前記接触除去手段を兼ね、前記記録媒体の前記加熱プレートに接触する面側に接触するように設けられ、前記加熱プレートの前記記録媒体の搬送方向における下流側縁部に付着するキャリア液を前記加熱プレートから除去すると共に、前記記録媒体の表面に移動したキャリア液を前記記録媒体から除去することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項6の画像形成装置は、静電潜像が形成される像保持体と、前記像保持体に形成された静電潜像をトナーとキャリア液とを有する現像剤で現像する現像装置と、前記現像装置によって現像されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、前記転写装置によって前記記録媒体に転写されたトナー像を前記記録媒体に定着させる請求項1〜5のいずれか1項に記載の定着装置と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に記載の定着装置によれば、加熱手段に付着するキャリア液を加熱手段から除去する除去手段を備えない場合に比べて、記録媒体に存在するキャリア液を効率良く除去することができる。
【0012】
本発明の請求項2に記載の定着装置によれば、キャリア液を除去するという共通機能を有する除去手段と接触除去手段とを、記録媒体の搬送面に対して同じ側にまとめて配置することができる。
【0013】
本発明の請求項3に記載の定着装置によれば、接触除去手段が記録媒体のトナー像が形成されている面側に接触されている場合に比べて、記録媒体に存在するキャリア液をより一層効率良く除去することができる。
【0014】
本発明の請求項4に記載の定着装置によれば、接触除去手段によって除去したキャリア液を加熱手段に付着するキャリア液と共に除去手段によって一括して除去することができる。
【0015】
本発明の請求項5に記載の定着装置によれば、除去手段によって、加熱プレートの下流側縁部のキャリア液を除去しつつ直接記録媒体からキャリア液を除去することができる。
【0016】
本発明の請求項6に記載の画像形成装置によれば、請求項1〜5のいずれか1項に記載の定着装置を備えない場合に比べて、定着性に優れた画像を記録媒体に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態の定着装置を備える画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】図1のキャリア液低減部の加熱ロールによって用紙を加熱した場合の用紙に存在するキャリア液の挙動を説明する図である。
【図3】用紙のおもて面および裏面に浮き出すキャリア液の割合と加熱ロールの設定温度との関係を示す図である。
【図4】図1のキャリア液低減部におけるキャリア液の移行態様を示す図である。
【図5】図1の定着装置によって定着されたトナーの定着強度グレードと定着部設定温度との関係を示すグラフである。
【図6】図1の定着装置によって定着されたトナーのテープ剥離レベルと定着部設定温度との関係を示すグラフである。
【図7】第2実施形態の定着装置を備える画像形成装置の構成を示す図である。
【図8】図7のキャリア液低減部におけるキャリア液の移行態様を示す図である。
【図9】図7のキャリア液低減部の別態様のキャリア液低減部におけるキャリア液の移行態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る定着装置および画像形成装置の実施形態について、添付の図面を用いて説明する。
【0019】
(画像形成装置)
図1は、本発明に係る定着装置を備える画像形成装置の一例としての画像形成装置1を示している。この画像形成装置1は、4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のうちの互いに異なる色の画像形成を担う4つの画像形成ユニット10Y,10M,10C,10K(以下、添え字の「Y」はイエロー用、「M」はマゼンタ用、「C」はシアン用、「K」はブラック用であることを示す)と、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kに対応して配置される4つの転写装置20Y,20M,20C,20Kと、記録媒体の一例としての連張紙(以下、単に「用紙P」という)の搬送方向(図中の矢印Aで示す方向)において画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kおよび転写装置20Y,20M,20C,20Kの下流側に設けられる定着装置30とを備えている。なお、用紙Pは、搬送方向において定着装置30の下流側に配置される搬送装置(図示省略)により予め定められた搬送速度で搬送されるようになっている。
【0020】
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは、それぞれ、像保持体の一例としての感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kと、帯電装置14Y,14M,14C,14Kと、露光装置16Y,16M,16C,16Kと、現像装置18Y,18M,18C,18Kとを備えている。感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kは、それぞれ、図中の矢印+Rで示す方向(時計回り方向)に回転駆動されている。帯電装置14Y,14M,14C,14K、露光装置16Y,16M,16C,16Kおよび現像装置18Y,18M,18C,18Kは、感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kの回転方向においてこの順番で、感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kの周囲に配置されている。
【0021】
帯電装置14Y,14M,14C,14Kは、感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kの表面(周面)を帯電するためものである。露光装置16Y,16M,16C,16Kは、帯電装置14Y,14M,14C,14Kによって帯電された感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kの表面を画像データに基づいて露光することで、感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kの表面に静電潜像を形成するためのものである。現像装置18Y,18M,18C,18Kは、露光装置16Y,16M,16C,16Kによって感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kの表面に形成された静電潜像を現像剤により現像することで可視のトナー像を得るためのものである。
【0022】
現像装置18Y,18M,18C,18Kにおいて用いられる現像剤は、粉体のトナーをキャリア液に分散させて得た液状タイプの現像剤(トナーとキャリア液とを含む現像剤)である。キャリア液とは、例えばパラフィン系オイル、エーテル系オイル、シリコーン系オイルおよび植物系オイルなどであり、沸点が170℃から300℃の範囲のもの(水の沸点(100℃)よりも高いもの)が選ばれる。
【0023】
転写装置20Y,20M,20C,20Kは、中間転写ロール22Y,22M,22C,22Kとバックアップロール24Y,24M,24C,24Kとを具備している。中間転写ロール22Y,22M,22C,22Kは、感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kの回転方向において帯電装置14Y,14M,14C,14Kの上流側であって現像装置18Y,18M,18C,18Kの下流側の1次転写位置X1において感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kに接触し、矢印−Rで示す方向(反時計回り方向)に従動回転する。感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kの表面に形成されたトナー像は、1次転写位置X1において中間転写ロール22Y,22M,22C,22Kへと1次転写される。トナー像が1次転写される際、キャリア液も中間転写ロール22Y,22M,22C,22Kへと移行する。なお、感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kと中間転写ロール22Y,22M,22C,22Kとの間には、1次転写電圧(バイアス電圧)が印加されるようになっている。
【0024】
バックアップロール24Y,24M,24C,24Kは、感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kとは反対側において中間転写ロール22Y,22M,22C,22Kに対向して配置され、中間転写ロール22Y,22M,22C,22Kとバックアップロール24Y,24M,24C,24Kとの間において搬送される用紙Pに接触しながら矢印+Rで示す方向に回転される。中間転写ロール22Y,22M,22C,22Kと用紙Pとが接触する位置が2次転写位置X2であり、この2次転写位置X2において中間転写ロール22Y,22M,22C,22Kに1次転写されたトナー像が用紙Pへと2次転写される。トナー像が2次転写される際、キャリア液も用紙Pへと移行する。なお、中間転写ロール22Y,22M,22C,22Kとバックアップロール24Y,24M,24C,24Kとの間には、2次転写電圧(バイアス電圧)が印加されるようになっている。
【0025】
この画像形成装置1では、以下のようにして画像が形成される。
【0026】
まず、画像形成ユニット10Yにおいて、感光体ドラム12Yが図中の矢印+Rで示す方向に回転し、帯電装置14Yでその表面が帯電される。次いで、帯電された感光体ドラム12Yの表面を露光装置16Yによって露光走査することで、感光体ドラム12Yの表面には第1色(Y)の静電潜像が形成される。
【0027】
この静電潜像は現像装置18Yにより供給される現像剤によって現像され、感光体ドラム12Yの表面には可視化されたトナー像が形成される。トナー像は、感光体ドラム12Yの回転により1次転写位置X1に至り、感光体ドラム12Yと中間転写ロール22Yとの間に1次転写電圧を印加することで中間転写ロール22Yに1次転写される。なお、この際、現像剤のキャリア液も中間転写ロール22Yへと移行する。
【0028】
中間転写ロール22Yに転写されたトナー像は、中間転写ロール22Yの回転で2次転写位置X2に至り、中間転写ロール22Yとバックアップロール24Yとの間に2次転写電圧を印加することで、この間において搬送される用紙Pに2次転写される。なお、この際、現像剤のキャリア液も用紙Pへと移行する。
【0029】
同様にして画像形成ユニット10M,10C,10Kによって形成される第2色(M)のトナー像、第3色(C)のトナー像および第4色(K)のトナー像が、中間転写ロール22M,22C,22Kを介して用紙Pにおいて重ね合わせられるように順次転写される。用紙Pにおいて各色のトナー像がずれないように、用紙Pの搬送速度と感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kの回転速度とが同期されている。それにより、用紙Pには多重トナー像が形成されることとなる。
【0030】
多重トナー像が転写された用紙Pは次に詳説する定着装置30に向けて搬送され、加熱加圧処理により多重トナー像は用紙Pに定着し永久画像とされる。
【0031】
なお、トナー像の中間転写ロール22Y,22M,22C,22Kへの1次転写が終了した感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kの表面は感光体ドラムクリーナー(図示省略)により清掃され、表面に残留している現像液が除去される。また、トナー像の用紙Pへの2次転写が終了した中間転写ロール22Y,22M,22C,22Kの表面も中間転写ロールクリーナー(図示省略)により清掃され、表面に残留している現像液が除去される。
【0032】
また、用紙に単色画像を形成する場合には、例えば黒色(K)の画像を形成する場合には、画像形成ユニット10Kにより形成されたトナー像のみが中間転写ロール22Kを介して用紙Pに転写されるように、その他の画像形成ユニット10Y,10M,10Cは中間転写ロール22Y,22M,22Cからリトラクト(離間)される。
【0033】
(第1実施形態の定着装置)
第1実施形態の定着装置30は、キャリア液低減部32と、用紙Pの搬送方向においてキャリア液低減部32の下流側に配置される定着手段の一例としての定着部34とを含んで構成されている。
【0034】
キャリア液低減部32は、用紙Pの搬送に伴って回転する加熱手段の一例としての加熱ロール36と、加熱ロール36に接触される除去手段の一例としての除去ブレード38と、用紙Pの搬送方向における加熱ロール36の下流側において用紙Pに接触される接触除去手段の一例としての除去ロール40と、加熱ロール36の回転方向における除去ブレード38の上流側において除去ロール40および加熱ロール36に接触される移行手段の一例としての移行ロール42と、移行ロール42と加熱ロール36とが接触される部位の近傍において移行ロール42に接触される移行補助ブレード44とを含んで構成されている。
【0035】
加熱ロール36は、その内部に熱源45を有しており、その外周面の温度が100℃から160℃の範囲内において予め定められた温度となるように温度調整されている。そして、加熱ロール36は、その外周面に巻き掛けられる用紙Pを加熱しつつ矢印+Rで示す方向に回転するようになっている。具体的には、加熱ロール36は、用紙Pのトナー像が形成されている面(おもて面Pa)とは反対側の面(裏面Pb)において用紙Pに接触しながら回転し、裏面Pbから用紙Pを加熱する構成とされている。別言すれば、用紙Pは加熱ロール36の外周面に半周分巻き掛けられ折り返されるように搬送され、加熱ロール36で半周分搬送される間に加熱されるようになっている。
加熱ロール36の外周面の温度は、後段の定着部34に先行して用紙Pを予備的に加熱するのに必要十分な程度に適宜設定される。加熱ロール36と用紙Pとの接触長さについても同様であり、必要に応じて、用紙Pを加熱ロール36の外周面に半周分より長く巻き掛けて用紙Pを加熱する構成も採用されうる。
【0036】
除去ブレード38は、例えばゴム材などの弾性材から構成されており、その先端部が加熱ロール36の外周面に接触されることで、加熱ロール36の外周面に付着するキャリア液を掻き取り加熱ロール36からキャリア液を除去する。除去ブレード38の下方には、加熱ロール36から掻き取られたキャリア液を収容するための収容トレイ46が配置されている。
【0037】
除去ロール40は、キャリア液をはじめとする液体を吸着可能な材料、例えばレーヨン不織布、ポリプロピレン、ポリエチレン、ヤシ殻活性炭、EVA樹脂およびPET不織布などから構成されており、その外周面が用紙Pのトナー像が形成されていない裏面Pbに接触されており、用紙Pに接触しながら回転することで後述するように用紙Pの裏面Pbに浮き出たキャリア液を吸着して用紙Pからキャリア液を除去する。
【0038】
移行ロール42は、除去ロール40に比してキャリア液の吸着性に優れた材料から構成されており、その外周面が除去ロール40および加熱ロール36に接触されており、除去ロール40および加熱ロール36に接触しながら回転することで除去ロール40に吸着されたキャリア液を加熱ロール36へと移行させる。
【0039】
移行補助ブレード44は、例えばゴム材などの弾性材から構成されており、その先端部が移行ロール42と加熱ロール36とが接触される部位の近傍において移行ロール42に接触されており、移行ロール42からキャリア液を掻き取ると共に移行ロール42と加熱ロール36とが接触される部位の近傍にキャリア液を滞在させ易くすることで、移行ロール42から加熱ロール36へのキャリア液の移行を補助する。
なお、除去ロール40、移行ロール42、除去ブレード38は、画像形成を行っていないタイミングで加熱ロール36および用紙Pから離間して、付着したキャリア液を図示しないクリーナーによって除去される。
【0040】
定着部34は、定着ロール48と押圧ロール50とが対向配置される定着ユニット52を複数個(例えば6個)具備している。複数個の定着ユニット52は、用紙Pの搬送方向に沿って配設されている。各定着ロール48は、熱源54を内蔵している。各押圧ロール50は、付勢部材(図示省略)によって定着ロール48に向けて付勢されている。これら定着ロール48と押圧ロール50との間において用紙Pが搬送されることで加熱加圧処理され、用紙Pに存在するトナーが用紙に定着することとなる。なお、定着部34において定着ユニット52を複数備える構成としているのは、各定着ユニット52での加熱加圧処理の条件を独立して設定可能とすることで、トナーの定着性を調整するためである。
【0041】
用紙Pには現像装置18Y,18M,18C,18Kから感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kおよび中間転写ロール22Y,22M,22C,22Kを介して移行してきたキャリア液が存在するが、キャリア液低減部32により、用紙Pに存在するキャリア液の一部を液状のまま除去することで用紙Pに存在するキャリア液が低減されるようになっている。
【0042】
図2は、キャリア液低減部32の加熱ロール36によって用紙Pを加熱した場合の用紙Pに存在するキャリア液の挙動を説明する図である。
【0043】
図2の(A)は、転写装置20Y,20M,20C,20Kによって用紙Pにトナー像が転写された時点での状態を模式的に示している。図中の符号Tはトナーを、符号Kはキャリア液を、符号Wは用紙に本来的に存在する水分を示している。トナーTは、2層ほど積み重なった状態で用紙Pのおもて面Paに付着している。キャリア液Kおよび水分Wは、用紙Pの内部に存在している。
【0044】
図2の(B)は、加熱ロール36によって用紙Pが加熱され始めた時点での状態を模式的に示している。トナーTは、加熱ロール36の加熱により流動開始温度以上であって融点以下の温度とされ、半溶融の状態となる(図中において、トナーTが固化している状態をハッチングで示し、半溶融となっている状態をドットで示す)。用紙Pに存在する水分Wは、加熱ロール36の加熱により膨張し、気化し始める。
【0045】
図2の(C)は、加熱ロール36による用紙Pの加熱が進んだ時点での状態を模式的に示している。加熱ロール36の加熱により気化した水分は、その放出力により、用紙Pに存在するキャリア液Kを液状のまま用紙Pのおもて面Paおよび裏面Pbに向けて押し出すように移動させる。即ち、キャリア液Kは用紙Pのおもて面Paおよび裏面Pbに移動させられ、用紙Pのおもて面Paおよび裏面Pbに浮き出た状態となる。
【0046】
図3は、用紙Pのおもて面Paおよび裏面Pbに浮き出すキャリア液Kの割合と加熱ロール36の設定温度との関係を示している。
【0047】
加熱ロール36によって用紙Pをトナー像が形成されていない裏面Pbから加熱する場合、図3に示すように用紙Pのおもて面Paに浮き出すキャリア液Kよりも裏面Pbに浮き出すキャリア液Kの方が多くなる。また、用紙Pの裏面Pbに浮き出すキャリア液Kの割合は、加熱ロール36の設定温度が高くなるに従って増加する。
【0048】
図4は、キャリア液低減部32におけるキャリア液Kの移行態様を示している。
【0049】
図4に示すように、用紙Pが加熱ロール36に接触しながら搬送されることで用紙Pが次第に加熱され、用紙Pが加熱ロール36の頂上付近に至ると用紙Pのおもて面Paにはキャリア液Kが浮き出しはじめる。なお、トナーTも固化している状態から半溶融の状態となる。用紙Pのおもて面Paに浮き出したキャリア液Kは、用紙Pがその搬送方向における除去ロール40の下流側において冷却しはじめることで、用紙Pの内部に戻る。なお、トナーTも冷却しはじめることで再度固化する。
【0050】
一方、用紙Pの裏面Pbからはキャリア液Kが、用紙Pが加熱ロール36から離れる位置において浮き出し、裏面Pbに浮き出したキャリア液Kのうちの一部は加熱ロール36に付着し加熱ロール36の方に移行する。
【0051】
加熱ロール36の方に移行せずに用紙Pの裏面Pbに残ったキャリア液Kは、除去ロール40によって吸着され、用紙Pの裏面Pbから除去される。除去ロール40によって吸着されたキャリア液Kは移行ロール42を経て加熱ロール36へと移行させられる。なお、移行補助ブレード44は、移行ロール42からキャリア液Kを掻き取ると共に移行ロール42と加熱ロール36とが接触される部位の近傍にキャリア液Kを滞在させ易くし、移行ロール42から加熱ロール36へのキャリア液Kの移行を促している。
【0052】
加熱ロール36に移行されたキャリア液Kは、加熱ロール36の回転方向における移行ロール42の下流側において、除去ブレード38によって掻き取られ、加熱ロール36から除去される。
【0053】
このように、この定着装置30にあっては、キャリア液低減部32において用紙Pの裏面Pbに浮き出すキャリア液Kを除去し、用紙Pに存在するキャリア液Kを低減させている。そして、用紙Pに存在するキャリア液Kを低減させた後に定着部34においてトナーTを用紙Pに定着させている。
【0054】
図5は、定着装置30によって定着されたトナーTの定着強度グレードと定着部34の設定温度(以下、単に「定着部設定温度」という)との関係を示すグラフであり、キャリア液低減部32を作動させて(即ち、加熱ロール36を加熱して)キャリア低減を行った場合とキャリア液低減部32を作動させず(即ち、加熱ロール36を加熱せず)キャリア低減を行わなかった場合とを比較して示している。
【0055】
定着強度グレードとは、トナーT同士の凝集性を評価する際の基準を定めたものである。定着強度グレードは、その数値が小さいほどトナーT同士の凝集性が良好であり、定着性が優れていることを示す。具体的に、定着強度グレードは、ベタ画像を定着させた用紙Pを折り曲げ、折り曲げ部を予め定められた加圧力で加圧した後、折り曲げ部における画像の抜け幅に基づいて定められる。例えば、抜け幅が0mmの場合には定着強度グレードはG0、抜け幅が0.1mmの場合には定着強度グレードはG20、抜け幅が0.2mmの場合には定着強度グレードはG40、抜け幅が0.4mmの場合には定着強度グレードはG60、抜け幅が0.6mmの場合には定着強度グレードはG80、抜け幅が0.8mmの場合には定着強度グレードはG110、抜け幅が1.0mmの場合には定着強度グレードはG160とされる。
【0056】
図5に示すように、定着部設定温度の各温度域において、キャリア低減を行った場合の方が、定着強度グレードは小さく、トナーT同士の凝集性は良好であり、定着性は優れている。キャリア低減を行った場合、特に定着部設定温度が80℃から110℃の範囲においては目標値であるG40を上回る結果となる。
【0057】
キャリア液低減部32を作動させずに用紙Pに存在するキャリア液Kを低減しない場合には、トナーT同士の間にキャリア液Kが介在する状態で定着部34においてトナーTの定着が行われ易く、そのためトナーT同士の凝集性が良好とならず、定着性が悪くなる。これに対し、キャリア液低減部32を作動させて用紙Pに存在するキャリア液Kを低減する場合には、トナーT同士の間にキャリア液Kが介在しない状態で定着部34においてトナーTの定着が行われ易く、そのためトナーT同士の凝集性が良好となり、定着性が良くなる。
【0058】
図6は、定着装置30によって定着されたトナーTのテープ剥離レベルと定着部設定温度との関係を示すグラフであり、キャリア液低減部32を作動させてキャリア低減を行った場合とキャリア液低減部32を作動させずキャリア低減を行わなかった場合とを比較して示している。
【0059】
テープ剥離レベルとは、トナーTと用紙Pとの密着性を評価する際の基準を定めたものである。テープ剥離レベルは、その数値が大きいほどトナーTと用紙Pとの密着性が良好であり、定着性が優れていることを示す。具体的に、テープ剥離レベルは、ベタ画像を定着させた用紙Pに対して予め定められた方法で粘着性テープを貼り付け、そして剥がした場合のベタ画像の剥離程度に基づいて定められる。例えば、全く剥離しない場合にはテープ剥離レベルはL6、点状で剥離する場合にはテープ剥離レベルはL5、粒状で剥離する場合にはテープ剥離レベルはL4、2割以上5割未満の面積が剥離する場合にはテープ剥離レベルはL3、5割以上8割未満の面積が剥離する場合にはテープ剥離レベルはL2、8割以上10割未満の面積が剥離する場合にはテープ剥離レベルはL1、10割すなわち全て剥離する場合にはテープ剥離レベルはL0とされる。
【0060】
図6に示すように、定着部設定温度の各温度域において、キャリア低減を行った場合の方が、テープ剥離レベルは大きく、トナーTと用紙Pとの密着性は良好であり、定着性は優れている。キャリア低減を行った場合、特に定着部設定温度が100℃から110℃の範囲においては目標値であるL5.5(L5とL6の間のテープ剥離レベル)を上回る結果となる。
【0061】
キャリア液低減部32を作動させずに用紙Pに存在するキャリア液Kを低減しない場合には、トナーTと用紙Pとの間にキャリア液Kが介在する状態で定着部34においてトナーTの定着が行われ易く、そのためトナーTと用紙Pとの密着性が良好とならず、定着性が悪くなる。これに対し、キャリア液低減部32を作動させて用紙Pに存在するキャリア液Kを低減する場合には、トナーTと用紙Pとの間にキャリア液Kが介在しない状態で定着部34においてトナーTの定着が行われ易く、そのためトナーTと用紙Pとの密着性が良好となり、定着性が良くなる。
【0062】
なお、キャリア液低減部32を作動させずに用紙Pに存在するキャリア液Kを低減しない場合、定着部設定温度を100℃以上として定着部34においてトナーTの定着を行うと、トナー像が用紙側から定着ロール側へと逆転移する現象(いわゆるオフセット現象)が生じる。これに対し、キャリア液低減部32を作動させて用紙Pに存在するキャリア液Kを低減する場合、定着部設定温度を100℃以上として定着部34においてトナーTの定着を行ってもオフセット現象は生じない。
【0063】
以上の如く、この定着装置30にあっては、キャリア液低減部32において用紙Pに存在するキャリア液Kを低減させてから定着部34においてトナーTを用紙Pに定着させることで、トナーTの定着性を向上させられる。従って、この定着装置30を備える画像形成装置1にあっては、定着性に優れた画像が用紙Pに形成される。
【0064】
また、用紙Pに接触しながら用紙Pを加熱する加熱ロール36に付着するキャリア液Kを除去ブレード38によって加熱ロール36から除去することで、加熱ロール36に付着したキャリア液Kが再び用紙Pに付着することがないため、用紙Pに存在するキャリア液Kが効率良く除去される。
【0065】
また、除去ロール40を用紙Pに接触させ用紙Pの裏面Pbに浮き出たキャリア液Kを用紙Pから直接除去するように構成したので、用紙Pに存在するキャリア液Kが一層効率良く除去される。
【0066】
また、除去ロール40を用紙Pの加熱ロール36が接触する裏面Pbに接触させることで、用紙Pの裏面Pbにおいて多く浮き出るキャリア液Kが除去されるため、用紙Pに存在するキャリア液Kがより一層効率良く除去される。
【0067】
また、移行ロール42によって除去ロール40によって除去されたキャリア液Kを加熱ロール36に移行させるように構成したので、除去ロール40によって除去したキャリア液Kを除去ロール40に付着するキャリア液Kと共に除去ブレード38によって一括して除去可能となる。
【0068】
なお、第1実施形態の定着装置においては、除去手段として除去ブレード38を用いたが、要するに加熱ロール36に付着するキャリア液Kを除去可能であればよく、例えばポリエステルやレーヨンなどの帯状の繊維体(クリーニングウェブ)によってキャリア液Kを拭き取るように構成してもよい。
【0069】
また、第1実施形態の定着装置においては、接触除去手段として除去ロール40を用いたが、要するに用紙Pの裏面Pbに浮き出たキャリア液Kを除去可能であればよく、例えばポリエステルやレーヨンなどの帯状の繊維体(クリーニングウェブ)によってキャリア液Kを拭き取るように構成してもよい。この場合、移行ロール40は除去してもよい。
【0070】
(第2実施形態の定着装置)
第2実施形態の定着装置60について説明する。
【0071】
図7は、第2実施形態の定着装置60を有する画像形成装置1の構成を示している。第2実施形態の定着装置60は、第1実施形態の定着装置30のキャリア液低減部32をキャリア液低減部62に変更した点で第1実施形態の定着装置30と相違する。
【0072】
図7に示すように、第2実施形態の定着装置60のキャリア液低減部62は、用紙Pの搬送に伴って移動しない加熱手段の一例としての加熱プレート64と、用紙Pの搬送方向における加熱プレート64の下流側に配置される除去手段の一例としての除去ユニット66とを含んで構成されている。
【0073】
加熱プレート64は、半円筒状を呈しており、その内部に熱源68を有している。そして、熱源68によって加熱プレート64の外周面の温度が100℃から160℃の範囲内において予め定められた温度となるように温度調整されている。加熱プレート64の外周面には用紙Pが巻き掛けられており、用紙Pはトナー像が形成されている面(おもて面Pa)とは反対側の面(裏面Pb)において加熱プレート64に接触され、裏面Pbから加熱されている。別言すれば、用紙Pは加熱プレート64の外周面に巻き掛けられ折り返されるように搬送され、加熱プレート64の外周面に沿って搬送される間に加熱されるようになっている。
【0074】
除去ユニット66は、加熱プレート64の用紙Pの搬送方向における下流側の縁部70の近傍において用紙Pに接触するように設けられる除去ロール72と、除去ロール72に接触する中間ロール74と、中間ロール74に接触する除去ブレード76とを含んで構成されている。
【0075】
除去ロール72は、キャリア液Kをはじめとする液体を吸着可能な材料、例えばレーヨン不織布、ポリプロピレン、ポリエチレン、ヤシ殻活性炭、EVA樹脂およびPET不織布などから構成されており、その外周面が用紙Pのトナー像が形成されていない裏面Pb側に接触されており、用紙Pに接触しながら回転することで用紙Pの裏面Pbに浮き出たキャリア液Kを吸着して用紙Pからキャリア液Kを除去する。
【0076】
中間ロール74は、除去ロール72に比べてキャリア液Kの吸着性に優れた材料から構成されており、その外周面が除去ロール72に接触されており、除去ロール72に接触しながら回転することで除去ロール72に吸着されたキャリア液Kを自身へと移行させる。
【0077】
除去ブレード76は、例えばゴム材などの弾性材から構成されており、その先端部が中間ロール74の外周面に接触されることで、中間ロール74の外周面に吸着されているキャリア液Kを掻き取り中間ロール74からキャリア液Kを除去する。除去ブレード76の下方には、中間ロール74から掻き取られたキャリア液Kを収容するための収容トレイ78が配置されている。
【0078】
図8は、キャリア液低減部62におけるキャリア液Kの移行態様を示している。
【0079】
図8に示すように、用紙Pが加熱プレート64に接触しながら搬送されることで用紙Pが次第に加熱され、用紙Pが加熱プレート64の頂上付近に至ると用紙Pのおもて面Paにはキャリア液Kが浮き出しはじめる。なお、トナーTも固化している状態から半溶融の状態となる。用紙Pのおもて面Paに浮き出したキャリア液Kは、用紙Pがその搬送方向における除去ロール72の下流側において冷却しはじめることで、用紙Pの内部に戻る。なお、トナーTも冷却しはじめることで再度固化する。
【0080】
一方、用紙Pの裏面Pbからはキャリア液Kが、用紙Pが加熱プレート64から離れる位置において浮き出す。用紙Pの裏面Pbに浮き出したキャリア液Kは除去ロール72によって吸着され用紙Pの裏面Pbから除去される。また、用紙Pの裏面Pbに浮き出したキャリア液Kは加熱プレート64の縁部70に付着するが、除去ロール72が加熱プレート64の縁部70の近傍に設けられることから、加熱プレート64の縁部70に付着したキャリア液Kも除去ロール72によって除去される。
【0081】
除去ロール72によって吸着されたキャリア液Kは中間ロール74の方へ移行される。そして、中間ロール74の方へ移行されたキャリア液Kは、除去ブレード76によって掻き取られ、中間ロール74から除去される。
【0082】
このように、この定着装置60のキャリア液低減部62にあっては、用紙Pの裏面Pbに浮き出すキャリア液Kを除去し、用紙Pに存在するキャリア液Kを低減させている。
【0083】
以上の如く、第2実施形態の定着装置にあっては、キャリア液低減部62において除去ロールを加熱プレート64の縁部70の近傍において用紙Pに接触するように設け、用紙Pの裏面Pbに浮き出たキャリア液Kを用紙Pから直接除去すると共に加熱プレート64の縁部70に付着するキャリア液Kを加熱プレート64から除去することで、用紙Pに存在するキャリア液Kが一層効率良く除去される。
【0084】
なお、図9に示すように、加熱プレート64に開口部80を設け、開口部80から望む用紙Pの裏面Pbに一端が接触し他端が中間ロール74に接触する除去ブレード82によって、用紙Pの裏面Pbに浮き出したキャリア液Kおよび加熱プレート64の開口部80における縁部84に付着したキャリア液Kを除去するように構成してもよい。
【0085】
第2実施形態の定着装置60においては、除去手段として除去ユニット66を用いたが、要するに用紙Pの裏面Pbに浮き出たキャリア液Kを除去すると共に加熱プレート64の縁部70,84に付着するキャリア液Kを除去可能であればよく、例えばポリエステルやレーヨンなどの帯状の繊維体(クリーニングウェブ)によってキャリア液Kを拭き取るように構成してもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 画像形成装置
10Y,10M,10C,10K 画像形成ユニット
12Y,12M,12C,12K 感光体ドラム(像保持体の一例)
14Y,14M,14C,14K 帯電装置
16Y,16M,16C,16K 露光装置
18Y,18M,18C,18K 現像装置
20Y,20M,20C,20K 転写装置
30 定着装置
32 キャリア液低減部
34 定着部(定着手段の一例)
36 加熱ロール(加熱手段の一例)
38 除去ブレード(除去手段の一例)
40 除去ロール(接触除去手段の一例)
42 移行ロール(移行手段の一例)
60 定着装置
62 キャリア液低減部
64 加熱プレート(加熱手段の一例)
66 除去ユニット(除去手段の一例)
70 縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーとキャリア液とを含む現像剤で現像して得たトナー像を転写させた記録媒体に接触し、前記記録媒体に存在するキャリア液が前記記録媒体の内部から表面に移動するように前記記録媒体を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段に付着するキャリア液を前記加熱手段から除去する除去手段と、
前記記録媒体の搬送方向において前記加熱手段の下流側に配置され、前記記録媒体に存在するトナーを前記記録媒体に定着させる定着手段と、
を備える定着装置。
【請求項2】
前記除去手段は、前記記録媒体の搬送面に対し前記加熱手段が設けられる側に配置されるものであり、
前記記録媒体の前記加熱手段に接触する面側に接触し、前記記録媒体の表面に移動したキャリア液を前記記録媒体から除去する接触除去手段、
を備える請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
前記接触除去手段は、前記記録媒体の、前記加熱手段に接触する面側であり且つ前記トナー像が形成されない面側に接触されている請求項2に記載の定着装置。
【請求項4】
さらに、前記接触除去手段によって除去されたキャリア液を前記加熱手段へと移行させる移行手段を備え、
前記除去手段は、前記移行手段によって移行されたキャリア液を除去する請求項2または請求項3に記載の定着装置。
【請求項5】
前記加熱手段は、前記記録媒体の前記トナー像が形成されていない面側に接触し、前記記録媒体の搬送に伴って移動しない加熱プレートから構成されており、
前記除去手段は、前記接触除去手段を兼ね、前記記録媒体の前記加熱プレートに接触する面側に接触するように設けられ、前記加熱プレートの前記記録媒体の搬送方向における下流側縁部に付着するキャリア液を前記加熱プレートから除去すると共に、前記記録媒体の表面に移動したキャリア液を前記記録媒体から除去する請求項3に記載の定着装置。
【請求項6】
静電潜像が形成される像保持体と、
前記像保持体に形成された静電潜像をトナーとキャリア液とを有する現像剤で現像する現像装置と、
前記現像装置によって現像されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
前記転写装置によって前記記録媒体に転写されたトナー像を前記記録媒体に定着させる請求項1〜5のいずれか1項に記載の定着装置と、
を備える画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−101298(P2013−101298A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−290286(P2011−290286)
【出願日】平成23年12月29日(2011.12.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】