説明

定量のアルコール飲料を分配するための装置

アルコール飲料を分配するための装置は、バルブ制御される、容器からのアルコール飲料の注入口(12)及びアルコール飲料の吐出口(10)、を有する予め定められた容積のシンブルを備える。シヤー(28)を備える、容器とシンブルとの接続部は、シヤーの一方側において、アルコール飲料がシンブルに流れ込むようになっており、アルコール飲料がシンブルに流れ込むときに、他方側において、シンブルから容器に空気が流れ込むようにされている。バルブ制御された空気抜き(50)は、シンブルから流れ出すアルコール飲料と置き換わるようシンブル内に空気を入れる。アルコール飲料の前記容器からの注入口、及び、アルコール飲料の吐出口のためのバルブ(14,16)は、共通シャフト(20)に取り付けられ、注入口(12)が開放されたときには吐出口(10)が閉鎖され、注入口が閉鎖されたときには吐出口が開放されるようにされている。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の技術分野]
本発明は、アルコール飲料及びその他の液体を、定量(tot)(あるいはshot、あるいはnip、もしくは、peg)計量して分配する装置に関する。
【0002】
本明細書において、語句「tot」は、米国における同義の語句「shot」、あるいは、アルコール飲料が、予め定められた量に計量される量として、他の国々で用いられているような語句「nip」もしくは「peg」を意味することも意図している。
[背景技術]
従来の定量計量装置は、予め定められた容積(例えば、アルコール飲料用の一般的な定量計量器に相当する25ml)のシンブル(thimble)を備えている。このシンブルは、容器からアルコール飲料が注入される注入口と、シンブルからアルコール飲料が吐出される吐出口と、を有し、注入口と吐出口の両方とも、適切なバルブ手段により制御されている。これらのバルブ手段は、電磁的、電気光学的、あるいは、機械的な手段によって操作されうる。機械的な手段によって操作される場合、シンブルは、満杯にされた第1状態から、シンブルの全内容物が吐出される第2の限界状態に変動されうる。この動作は、飲料用のタンブラーの縁によって作動されるようにしてもよく、その結果、水あるいはミキサーで希釈される準備がされたタンブラー内に、定量が注がれる。次に、シンブルが第1状態に変動し、その間に次回に吐出されるアルコール飲料が補充される。
【0003】
シンブルの注入口と、容器と、は密着して嵌合されているため、シンブル内の空気が容器内のアルコール飲料の液面の上部に放出された場合にのみ、アルコール飲料がシンブルに満たされうる。容器内のアルコール飲料の液面の上の位置まで、さらには、大気まで延出する空気抜きが、この目的のために用いられてきた。空気抜き内のアルコール飲料の液面が容器内のアルコール飲料の液面に対応するため、シンブル内のアルコール飲料が吐出されるとき、空気抜き内のアルコール飲料の量が流出する流れに引き入れられる。それゆえに、定量(tot)の総量が、予め定められた量を超えることになる。容器内のアルコール飲料の液面が低下すると空気抜き内のアルコール飲料の液面も低下するため、容器の内容物が減るにしたがって、吐出される定量(tot)の実際の量が減少する。このように定量(tot)の総量が、予め定められた量を超えたり、徐々に減少することが問題になる組織(establishments)もあり、また国によっては、定量(tot)の総量が予め定められた量を超えうるために、法律に反することもある。
【0004】
この欠点を回避するため、シンブルから大気への空気抜きと、容器内の低い位置から大気へ通じる第2の空気抜きを備えた容器と、を提供することが提案された(南アフリカ共和国特許出願2004/4411参照)。提案されたものによれば、容器内におけるアルコール飲料の液面がどのような状態であっても、第2の空気抜きの下端が第1の空気抜き内のアルコール飲料の液面を決定する。
【0005】
夜の業務が終了して空調装置の電源が切られると、分配装置が設置されているバー、あるいは、その他の部屋で問題が発生しうる。室温が上昇して、容器内の温度、ひいては、容器内のアルコール飲料の液面上の空気の圧力が上昇することにより、第2の空気抜き内のアルコール飲料の液面が上昇し、アルコール飲料の損失や、汚れを引き起こすように、アルコール飲料が溢れ出ることが起こりうる。
【0006】
本発明の1つの目的は、上記の問題を回避する、あるいは、少なくとも大幅に抑制する装置を提供することである。
[発明の開示]
本発明の分配装置によれば、容器と、予め定められた容積のシンブルと、を備え、このシンブルが、容器からの注入口、及び、吐出口であり、バルブ制御されるアルコール飲料用の注入口及び吐出口を有する、アルコール飲料を分配するための装置であって、シンブルと容器との接続部がシヤー(shear)を備え、シヤーの一方側は、アルコール飲料がシンブルに流れ込むようにされており、他方側は、アルコール飲料がシンブルに流れ込むときに、シンブルから容器に空気が流れ込むようにされており、バルブ制御された空気抜きが、シンブルから流れ出すアルコール飲料と置き換わるようにシンブル内に空気を入れ、アルコール飲料の容器からの注入口、及び、アルコール飲料の吐出口のためのバルブが、共通シャフトに取り付けられ、注入口が開放されたときには吐出口が閉鎖され、注入口が閉鎖されたときには吐出口が開放されることを特徴とする。
【0007】
本発明の一形態において、バルブ制御された空気抜きは、シャフトから作動可能であり、バルブ制御された空気抜きは、シャフトに連結されたアームを備えていてもよく、アームが、シャフトの方向あるいは運動に従って、バルブの軸を上下させる。従って、空気抜きは、シンブルがアルコール飲料を吐出するときには開放され、シンブルにアルコール飲料が補充されるときには閉鎖されなければならない。
【0008】
シンブルの有効容積、ひいては、吐出されるアルコール飲料の量は、シンブル内に配置可能であり、互いに異なる容積を有する交換可能な複数のフロートによって特定されうる。
【0009】
シヤーが、好ましくは、容器からシンブルへの流路内に配置され、本発明の改良型においては、アルコール飲料用の流路が、空気用の流路より大きくなるように、シヤーが流路の中心から偏心している。
[発明を実施するための最良の形態]
本発明の実施形態が、本発明による装置の側断面図である添付の図面を参照して、以下に説明されている。
【0010】
互いに対応する吐出口用のバルブ14及び注入口用のバルブ16が、フロート22をも支持する共通シャフト20に支持されている。フロート22は、これから吐出されるシンブル内のアルコール飲料を、上述したように予め定められた量にするために、体積計算されている。
【0011】
本装置は、手動で、あるいは、電気光学的に操作するようにしてもよいが、本装置の操作は、ソレノイド24を用いて行われることが好ましい。
容器とシンブルとの接続部は、図示されているように偏心的に配置されたシヤー(shear)28を含む流路26であり、小さい方の流路30は空気用であり、大きい方の流路32はアルコール飲料用である。ブラケット34は、シヤー28を正しい位置に保持する。
【0012】
シヤーの脚部40は、アルコール飲料及び空気が円滑に通過するための湾曲部42を有する。
空気抜き50は、シンブルの側方に位置し、ワッシャ56の上に載置されるキャップ部54を有するロッド52を備えている‐図1参照。ロッドの下端部は、シャフトに直接取り付けられたアーム62に設けられた開口部60を通過する細い部分58を備えている。前記ロッドは、圧縮ばね66によって、ロッドの閉鎖位置へと付勢される。図1においては空気抜きが閉じているが、図2においては、シャフトの移動によって、アームが、ショルダー68と係合するまでロッドの細い部分を上にスライドし、それにより、空気が流出することを許容するように、ロッドがワッシャから引き上げられる。
【0013】
シンブルの吐出口10は、タンパーノズル(tamper nozzle)のような混入防止(tamperproof)手段70を備えている。また、シンブルの吐出口10は、吐出時に、アルコール飲料に旋回運動を与えるように、ねじれていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】アルコール飲料用の吐出口10が閉鎖され、容器(図示なし)からのアルコール飲料用の注入口12が開放されている状態における装置を示す。
【図2】図1と反対の形態、つまり、吐出口が開放され、注入口が閉鎖された状態における装置を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、
予め定められた容積のシンブルと、
を備え、
前記シンブルは、
前記容器からの注入口、及び、吐出口であり、バルブ制御されるアルコール飲料用の前記注入口及び前記吐出口、を有する
アルコール飲料を分配するための装置であって、
前記シンブルと前記容器との接続部がシヤー(shear)を備え、前記シヤーの一方側は、アルコール飲料が前記シンブルに流れ込むようにされており、他方側は、アルコール飲料が前記シンブルに流れ込むときに、前記シンブルから前記容器に空気が流れ込むようにされており、
バルブ制御された空気抜きが、前記シンブルから流れ出すアルコール飲料と置き換わるように前記シンブル内に空気を入れ、
前記アルコール飲料の前記容器からの注入口、及び、前記アルコール飲料の吐出口のためのバルブが、共通シャフトに取り付けられ、前記注入口が開放されたときには前記吐出口が閉鎖され、前記注入口が閉鎖されたときには前記吐出口が開放されることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアルコール飲料を分配するための装置であって、
前記バルブ制御された空気抜きが、前記シャフトから作動可能であり、前記バルブ制御された空気抜きが、前記シャフトに連結されたアームを備えていてもよく、前記アームが、前記シャフトの方向あるいは運動に従って、前記バルブの軸を上下させることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のアルコール飲料を分配するための装置であって、
前記シンブルの有効容積、ひいては、吐出されるアルコール飲料の量が、前記シンブル内に配置可能であり、互いに異なる容積を有する交換可能な複数のフロートによって特定されうることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のアルコール飲料を分配するための装置であって、
前記シヤーが、前記容器から前記シンブルへの流路内に配置され、本発明の改良型においては、アルコール飲料用の流路が、空気用の流路より大きくなるように、前記シヤーが前記流路の中心から偏心していることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のアルコール飲料を分配するための装置であって、
前記シヤーが、前記アルコール飲料用の流路及び前記空気用の流路に対応する湾曲部を有する脚部を備えることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−506956(P2009−506956A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529383(P2008−529383)
【出願日】平成17年8月29日(2005.8.29)
【国際出願番号】PCT/ZA2005/000129
【国際公開番号】WO2007/028174
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(508064713)ディジトット インターナショナル (ピーティーワイ) リミテッド (1)
【Fターム(参考)】