説明

定量ジェルディスペンサ

組成物の供給物を保持するための供給チャンバをその中に画定する本体を含む、ディスペンサを開示する。該ディスペンサは、外部に配置され、組成物を患者の表皮に塗布するために患者の表皮を受容するのに十分に大きい、陥凹状塗布表面を有する前側を有する、塗布部分と、該組成物を該供給チャンバから該塗布表面に送達するために、該供給チャンバを該塗布表面と液体連通させる、導管と、をさらに含む。該導管は、好ましくは、陥凹状塗布表面の概して中心に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動性組成物を分注するためのディスペンサを対象とし、より具体的には、皮膚への塗布等のための流動性薬剤を分注するためのディスペンサを対象とする。
【背景技術】
【0002】
薬剤の皮膚投与は、多くの場合、クリーム、軟膏、ジェル等の形態の薬剤の塗布を含む。薬剤は、概して、局所または経皮塗布のために製剤され、表皮内に吸収することができ、またはそうでなければ、所定の期間、表皮の表面に付着することができ、その間、薬剤が組成物から表皮内に放出される。
【0003】
薬剤組成物を含む皮膚用組成物のための従来のディスペンサは、主に、1回用量を正確に制御する必要がない薬剤を目的としてきた。かかるコンテナには、抗菌性軟膏および局所ステロイドを収容するためのチューブ、またはデオドラント等のためのアプリケータを含む。しかしながら、これらのコンテナは、投与量管理、第3者ユーザによる送達される薬物への曝露に対する保護、および分注される薬物を空気または他の汚染物質への曝露から保護するためのコンテナの封止を提供しない。例えば、米国特許第4,801,052号は、自己ねじ切りナットを使用する前進機構を含む、化粧品用に設計された計量コンテナを開示する。米国特許第5,725,133号は、コンテナ内で軸方向に移動するために搭載されたエレベータと、エレベータを上昇させるための往復機構であって、また、前進された後に、エレベータをわずかに後退させることも可能にする、往復機構と、を含む、脇下用組成物等の分注可能な化学製品を保管するためのディスペンサを開示する。米国特許第6,357,945号は、薬物を含む筒型部の上に製品を分注するための押しボタン作動装置を提供することによって、ディスペンサの作動の片手使用を提供するディスペンサを開示する。さらに、米国特許第7,210,870号は、角度のついた頂面と、ディスクの移動が完了する際に、角度のついた頂面に接触するように適合されるディスクとを有する、製品を分注するためのアプリケータを開示する。
【0004】
より最近の開発は、正確な1回用量を投与することが重要事項である薬剤を含む、皮膚への塗布のための組成物をもたらしている。国際出願公開第WO2006/005135号は、薬を含み得る薬物を保有するための容器を含み、開口部を通して薬物を分注することができる開口部と、薬物の薄層を表皮上に薄く塗るための、開口部に近接するドーム形アプリケータ表面と、容器を封止するための封止部または栓を有するキャップを含む閉口部と、を有する、コンテナに関する。封止部は、封止部材を軸方向に移動させるために、カム追従表面と相互作用する、カラーの回転によって開かれる、または閉じられ得る。しかしながら、記載されるコンテナは、多くの薬の塗布に必要な1回用量制御を提供せず、さらに、コンテナの第3者ユーザによる薬物への意図的ではない曝露に対する保護をほとんど提供しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4,801,052号明細書
【特許文献2】米国特許第5,725,133号明細書
【特許文献3】米国特許第6,357,945号明細書
【特許文献4】米国特許第7,210,870号明細書
【特許文献5】国際出願公開第2006/005135号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
皮膚用薬剤の投与を改善することができ、正確な分注容量制御および安全性を可能にする装置が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態は、皮膚用流動性組成物に関する。本明細書で使用される場合、「皮膚」という用語は、表皮上への物質のあらゆる塗布を指すことが意味され、局所または経皮であることが意図される物質の塗布を含むことができる。「局所」投与は、表皮に送達するためのものであり、したがって一般的な塗布領域内に留まることを意味する、薬または薬剤等の有効成分を含む組成物を指すことが理解され、一方、「経皮」投与は、血流に入り、身体の他の部分に運ばれるように、表皮に吸収される有効成分を含む組成物を指すことが理解される。
【0008】
ディスペンサは、組成物の供給物を保持するための供給チャンバをその中に画定する本体と、患者の表皮に塗布するための組成物の所定の1回用量を保有するために、外部に配置され、供給物から外方に向く、陥凹状塗布表面を有する前側を有する、塗布部分と、組成物の所定の1回用量を、供給チャンバから塗布表面に再生可能に送達するために、供給チャンバを塗布表面と流体連通する、導管と、を含む。
【0009】
供給チャンバは、本体と一体化して形成することができ、または、本体に挿入される別個のユニットであってもよい。導管は、好ましくは、陥凹状塗布表面の概して中心に配置される。好ましい一実施形態では、塗布表面は、患者の表皮を受容して、組成物の所定の1回用量を取り出すことができるように構成および寸法決定される。さらに、塗布表面は、塗布表面が表皮に対して押し付けられる際に、患者の表皮の一部が、実質的に塗布表面全体と接触するように形状化することができる。塗布部分は、凸形状であり、塗布表面を実質的に包囲する、2次塗布部をさらに含むことができる。
【0010】
好ましい一実施形態では、塗布部分は、前記流体連通している導管を有する本体に取り外し可能に取り付けられる、アプリケータを備える。アプリケータは、好ましくは、アプリケータを本体から取り外すために、ユーザが指をその下に受容することによって、ディスペンサのユーザが、塗布表面と接触することなく、アプリケータを本体から取り外すのを支援するように構成される、アプリケータの外側縁の付近に配置される、外向きに突出するフランジを含む。本体は、塗布表面を支持するための、アプリケータと相補的な陥凹状上面を含むことができる。さらに、導管は、ノズルを含み、アプリケータは、前面から離れる方向に延在し、前側上のノズルから送達される組成物を保持するために、それと共に流体密封連結でノズルを受容するように構成される開口部を画定する、封止延長部を備える。延長部は、好ましくは、ノズルに隣接し、かつ封止するように構成および配置され、アプリケータが本体から取り外される際に、ノズルから組成物を拭き取るように構成される、内向きに曲がった部分を含む。
【0011】
本発明のさらなる実施形態は、皮膚用流動性組成物ディスペンサと共に使用するためのアプリケータに関する。アプリケータは、外部に配置され、組成物をユーザの表皮に塗布するためにユーザの表皮を受容するのに十分に大きい、陥凹状塗布表面を有する、前側と、塗布表面と連通しているアプリケータを通って形成される開口部と、アプリケータを流動性組成物ディスペンサ上に解放可能に保持するために、本体をしっかりと嵌合するための取付部分と、を含む。
【0012】
本発明にかかるディスペンサの別の実施形態は、供給チャンバ内に摺動可能に配設され、ピストンを通って形成される開口を有するピストンを有する、前進機構を含むことができる。ロッドは、開口を通過し、ロッドの回転が空洞の中心軸に沿ってピストンを直線運動させるように配設される。基部は、基部を回転することによって、ユーザがピストンを前進させることができるように、ロッドに取り付けられる。
【0013】
前進機構は、好ましくは、基部が360°の所定の因数にほぼ等しい角度回転されると、組成物の所定の1回用量が、開口部を通って供給されるように配設される。本体および基部は、好ましくは、基部を本体に対して所定の角度回すことによって、基部が所定の角度回転されると、基部の断面が本体の断面と整合するように、実質的に一致する細長い断面を有する。
【0014】
係止部材は、好ましくは、係止部材が有効状態である際に、本体に対する基部部材の運動が制限され、係止部材が無効状態である際に、係止部材が前進方向に自由に回転できるように、本体と基部との間に配置される。係止機構は、タイマー回路と、タイマーによって制御される作動装置と、をさらに含み、タイマー回路は、作動装置に、基部部材が所定の閉鎖角度回転された後、係止機構が、所定の期間、無効状態に変わるのを防止させる。
【0015】
一実施形態では、ピストンの開口は、回される際に、ナットをロッドに沿って前進させるために、ナットによって使用されるねじ山をロッド内に形成するように構成される、自己ねじ切りナットを含むことができる。好ましくは、自己ねじ切りナットは、その中のその対向する側の上に形成される、2つの開始ねじ山を有する、円柱型の内面を含む。開始ねじ山は、好ましくは、それぞれ、ロッド上に不連続のねじ山組を形成するように構成される。
【0016】
一実施形態では、ロッドは、ロッドが、基部に対して、供給チャンバの中心軸に対して平行な方向に移動可能となるように、基部上に移動可能に取り付けることができる。ロッドの一部は、好ましくは、基部が所定の角度回転中に、本体の対応する部分と相互作用して、移動方向に沿ってロッドを往復させる。
【0017】
装置は、前記開口部内に配設される、一方向、自己封止弁を有することができる。弁は、組成物の1回用量が、開口部を通って吐出されることを可能にするように構成され、そうでなければ、開口部を実質的に封止された状態に保つ。自己封止弁は、好ましくは、前記開口部と共に気密封止を作り出す。弁は、好ましくは、弾性的に変形可能な部材に対する組成物の圧力が、組成物が開口部を通って吐出されるのを可能にするのに十分に弾性的に変形可能な部材を変形させ、弾性的に変形可能な部材に対する圧力が解放されると、弾性的に変形可能な部材が封止状態に戻るような、開口部に固定される、弾性的に変形可能な部材を含む。
【0018】
組成物の所定の1回用量を患者の表皮に塗布するための好ましい方法は、アプリケータを本体に取り付けるステップを含み、本体は、組成物を保持するための空洞をその中に画定し、空洞に対して開いている排出口を含み、アプリケータは、本体に取り付けられる際に本体から実質的に外方に向き、実質的に陥凹状である、塗布表面を含み、アプリケータが本体に取り付けられる際に本体の排出口と整合される、開口部を含む。該方法は、1回用量が排出口および開口部を通過し、塗布表面上に集積するように、組成物の所定の1回用量を空洞から吐出させるステップをさらに含む。塗布表面は、中央陥凹状部分内の組成物の1回用量が、患者の表皮に実質的に移行するように、表皮が実質的に塗布表面全体と接触するように、患者の表皮と接触して定置される。また、アプリケータは、好ましくは、本体から取り外され、第2のアプリケータが本体に取り付けられる。第2のアプリケータは、好ましくは、第1のアプリケータと類似し、本体に取り付けられる際に本体から実質的に外方に向き、実質的に陥凹状であり、塗布表面を含み、アプリケータが本体に取り付けられる際に本体の排出口と整合される、開口部を含む。組成物の所定の1回用量は、1回用量が、排出口および開口部を通過し、第2のアプリケータの塗布表面上に集積するように、空洞から吐出される。排出口は、好ましくは、1回用量の塗布が完了すると、排出口上には、最小量の組成物が残存するように、塗布表面と相互作用するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に従って構成される、ディスペンサの斜視図である。
【図2】図1に示されるディスペンサの断面図である。
【図3】図1のディスペンサの一実施形態で使用することができる、自己ねじ切りナットの上面図である。
【図4】図1のディスペンサに含まれる係止機構を示す、組み立て図である。
【図5A】図1のディスペンサの一実施形態で使用することができる、ピストン往復機構の断面図である。
【図5B】図5Aの機構に含まれる、カム表面の輪郭のグラフ表示である。
【図6】図1のディスペンサに含まれる、弁の詳細を示す断面図である。
【図7】動作中の図6の弁を示す、断面図である。
【図8】代替的な弁構造の詳細を示す、断面図である。
【図9】図8の弁構造の斜視図である。
【図10】さらなる代替的な弁構造の断面図である。
【図11】さらなる代替的な係止機構の断面図である。
【図12】本発明の一実施形態にかかる、モータを有する前進機構を含む、ディスペンサの断面図である。
【図13】加熱要素をさらに含む、図1および図7に示される弁と類似する、弁の断面図である。
【図14】アプリケータ取り外し機構を含むディスペンサのさらなる実施形態の斜視図である。
【図15】さらなる代替的な弁構造の断面図である。
【図16】係止機構の代替的な実施形態の斜視図である。
【図17】係止機構の代替的な実施形態の斜視図である。
【図18】係止機構の代替的な実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
類似する参照番号が類似する特長を示す図面を参照すると、本発明の一実施形態にかかる、組成物を患者の表皮に塗布するためのディスペンサ10が図1に示される。ディスペンサ10は、本体12と、近位端16と、遠位端14と、を含む。本明細書で使用される場合、「近位」および「遠位」という用語は、装置がユーザの手中に保持される際に、装置の第3者ユーザを参照して用いられる。さらに、前述のとおり、本明細書で使用される場合、「皮膚への」という用語は、表皮上への薬物の任意の塗布を指すことが意味され、局所または経皮であることが意図される薬物の塗布を含むことができる。「局所」投与は、表皮に送達し、したがって、一般的な塗布領域内に留まる、薬または薬剤等の有効成分を含む組成物を指すことが理解され、一方、「経皮」投与は、血流に入り、身体の他の部分に運ばれるように、表皮内に吸収される有効成分を含む組成物を指すことが理解される。図2の断面に示される本体12は、遠位壁24および近位壁25に加えて、供給チャンバ20の周囲を包囲する側壁22によって画定される、その中に形成される供給チャンバ20を含む。遠位壁24は、本体12の供給チャンバ20と遠位表面70との間の液体連通を可能にする、その中に形成される導管26を含む。ピストン30は、側壁22の内面がその外周と隣接するように、供給チャンバ20内に摺動可能に適合される。
【0021】
供給チャンバ20は、その中に組成物を含むように構成される。組成物は、好ましくは、表皮に塗布される薬剤を含む、粘性液体または半固体材料の形態である。より好ましくは、組成物は、水力学的にジェルのように挙動する。半固体材料は、厳密には固体である一方、形状順応性および圧力下で流動する能力等の液体のいくつかの特性を共有する。好ましくは、組成物は、薬剤を皮膚に送達することができる、ジェル、クリーム、または別の種類の材料の形態である。また、組成物には、ペーストおよび液体/固体混合物を含むことができる。本体12は、好ましくは、ポリプロピレン(「PP」)等、ジェル組成物との接触に好適な材料から作製される。0.3mmと薄い壁厚さを有するPPのコンテナは、ジェル化合物からのエタノール蒸発に対する適切な障壁を提供することが見い出された。本体12に適切な構造を提供するために、本体12の壁厚さは、好ましくは、約1〜2mmである。また、ピストン30は、好ましくは、PPで作製され、その設計によって別途要求される場合を除き、好ましくは、約1〜2mmの厚さを有する。また、環状オレフィンコポリマー(「COC」)も、本体12またはピストン30を形成するために使用することができ、改善された障壁特性を提供するが、一般に、高価である。
【0022】
供給チャンバ20は、好ましくは、約30mL〜500mL、および好ましくは50mL〜200mLの容量を有する。一実施形態は、約100mLの容量を有し、その供給チャンバ20は、1.5mLの1回用量で60回用量の組成物、または3.0mLの1回用量で30回用量の組成物のいずれかを含む。装置は、1回用量の1ヶ月分の供給物を提供するように構成することができる。
【0023】
ディスペンサ10の外周対ディスペンサ10の高さのアスペクト比によって、1回用量の感度は、かかる1回用量の60回分を含むコンテナに関連して上述されるように、1回用量、例えば、1.5mLの1回用量の割合として、比較的に提示することができる。この比較は、プランジャ位置が、0.1mm以内と正確であることを仮定しているので、したがって、特に、本実施例の比較的大きな1.5mLの1回用量に関して、1回用量感度に大幅に影響しないと見なされる。1回用量送達の精度は、好ましくは、約20%未満の許容範囲、より好ましくは約10%未満の許容範囲であり、いくつかの実施形態では、約1%〜7%にすることができる。ピストン位置を約0.1mm以内に制御することができる、ピストン30を前進させるための機構を使用すると仮定すると、135mm〜90mmの対応する高さを有する、約100〜150mmの外周を有するディスペンサは、この基準を満たすことが発見された。かかる外周は、概して、約10cm〜12cmの面積を有する上面を有するピストン30に対応する。また、外周対高さのアスペクト比は、投与される1回用量の大きさと共に変化し得る。したがって、1回用量の容量を減少させる際、1回用量投与中にピストン30が通って移動する距離を減少させるよりも、より小さな外周を有するコンテナを使用することが望まれ得る。例えば、3.0mLの1回用量を投与するためのディスペンサは、1.5mLの1回用量を投与するためのディスペンサより、約1.4倍だけ大きい外周を有し得、2つのディスペンサは、両方とも、ピストン30を同一の距離だけ移動させることによって、規定の1回用量を投与する。好ましくは、外周は、ピストン30を少なくとも1mm、およびより好ましくは少なくとも1.2mm前進させることによって、所望の1回用量を分注するように選択される。一実施形態では、ピストン30を約5mm前進させることによって、所望の1回用量を分注することができる。好ましくは、所望の1回用量は、ピストンを、1.5〜3.0mm、およびより好ましくは約1.6mmの距離前進させることによって、分注される。
【0024】
ピストン30は、供給チャンバを、有効容量20aおよび無効容量20bに分割するように構成され、有効容量20aは、組成物を含み、無効容量20bには、好ましくは、組成物が実質的にない。ピストン30は、供給チャンバ内での軸移動によって、供給チャンバ20内の有効容量20a対無効容量20bの比率を変化させるようにさらに構成される。供給チャンバ20内のピストン30の遠位摺動による有効容量20aの容量の減少は、供給チャンバ20内の組成物の圧力を増加し、次いで、これは、導管26を通して、ある量の組成物を供給チャンバ20から排出させる。導管26を通る組成物の排出は、組成物の圧力が、一般に、導管26を通って吐出される組成物の量がピストン30の前進によってもたらされる有効容量20aの容量の減少に等しい際に生じる、平衡値に戻るまで継続する。
【0025】
供給チャンバ20内のピストン30の前進を達成するために、ピストン30を通って形成される開口34を通過するロッド32を含む、前進機構が提供される。ナット36は、開口34内に固定され、ロッド32の回転がピストン30を直線運動させるように、ロッド32を嵌合する。好ましくは、ナット36は、ロッド32の時計回りへの回転が、ピストン30を遠位方向に運動させる、典型的な左ねじ構成のものであり、好ましくは、米国特許第4,801,052号に記載されるもの等の自己ねじ切り型である。好ましくは、ロッド32は、PPから作製され、ねじ切りされていない円柱の形状である。したがって、ナット36は、好ましくは、ロッド32を前進させるために、切断などによって、ナット36に含まれるねじ山と係合するねじ山をロッド32内に形成するように構成される。かかる配設は、予めねじ切りされたロッドを用いる配設よりも改善された、ピストン30とロッド34との間の界面の封止を提供する。改善された封止は、いくつかの化合物に有害である可能性がある酸素もしくは他の汚染物質の進入、組成物の漏洩、有効容量内の圧力の損失、および組成物内の揮発性化合物の蒸発を低減または防止することができる。ロッド32とピストン30との間の界面の封止をさらに向上するために、ピストン30とロッド32との間のナット36に近接する開口34内に、封止部39を取り付けることができる。封止部39は、好ましくは、化学的耐性があり、組成物と適合する材料から形成される。封止部39は、チャネル内に置かれるO型リングであってよい。かかる封止部39に好適な材料には、ニトリルゴム、エチレンプロピレンジエンモノマーゴム(「EPDM」)、シリコンViton、熱可撓性エラストマープラスチック樹脂(「TPE」)等が挙げられる。代替的な実施形態では、予めねじ切りされたロッド上にナットを提供することができる。
【0026】
好ましい一実施形態では、ナット36は、図3Aに示されるような対開始自己ねじ切りナットである。かかる構成では、ナット36は、ナット36がロッド34上を前進する際に、ロッド34内に2つの別個のねじ山の組が形成されるように、その中に形成される、2つの開始ねじ山37a、37bを有する。かかる配設は、ロッド34に嵌合されるねじ山の数を同一に維持する一方で、ナット36の高さを50%と大きく減少させることができ、これは、ディスペンサ10の寸法の全体的な減少をもたらすことができるため、ディスペンサ10で使用される際に有利である可能性がある。さらに、対開始37a、37bの使用は、ロッド34の両側にねじ支持部を提供することによって、およびナット36がロッド34上を前進中に、ロッド34の両側に切断力を提供することによって、使用中にピストン20およびロッド34の両方に対し、周方向および軸方向の両方に印加される力のより均等な平衡度を提供する。
【0027】
供給チャンバ20の封止は、ピストン30の周囲に封止部を提供することによって、さらに強化される。好ましくは、封止特長は、例えば、EPDMから形成される、O型リング38の形態をとり、ピストン30の周辺に形成されるチャネル40内に置かれる。O型リング38のための他の許容可能な材料には、シリコンゴム、ニトリルゴム、Viton、または他の類似材料を挙げることができる。代替的に、封止特長は、封止特長と一体化して形成されるピストン30の周辺から突出している薄いフランジから成る、リップ封止部の形状であってもよい。さらに、ピストン30は、異なる種類のピストンの複数の封止特長を有することができる。ロッド32と、ロッド32が通過する、本体12の近位壁25内に形成される穴44との間に、追加の封止部を提供することができる。
【0028】
基部46は、ロッド32に取り付けられ、ロッド32を回してピストン30を前進させるのを容易にするために使用される。一実施形態では、基部46は、PPからのロッド32と一体化して形成されるが、しかしながら、好ましい一実施形態では、ロッド32は、ロッド32を基部46上に組み立てる前に、ピストン30をロッド32の近位端上に組み立てることができるように、基部46とは別に形成される。基部46は、てこ作用を増加し、ディスペンサ10のユーザに拡大された掴み表面を提供することによって、ロッド32を回すのを支援する、拡大された特長を提供する。好ましくは、基部46は、ディスペンサ10内に保持される組成物の適切な投薬を促す形状を有する。好ましくは、基部46および本体12は、少なくとも基部46および本体12が交わる領域内で、一致する側輪郭を有する。選択される輪郭は、基部46および本体12の輪郭が、投薬動作の開始および終了で整合するような輪郭であるべきである。図1に示される実施形態では、基部46および本体12の形状は、基部46が180°の回転間隔毎に輪郭が整合するような、長円形である。ユーザが基部46を本体12に対して回し始める際、輪郭は、整合していない状態となり、基部46を180°回し終わるまでそのままである。本配設は、投薬量の完了に関する可視的かつ触知的なフィードバックを与え、ユーザが完全な1回用量を分注することを促す。180°の整合配設では、前進機構は、好ましくは、基部46を180°回すことによって、所定の量の組成物を分注するように構成される。したがって、ナット36のねじ山のピッチは、所望の投薬量またはその所望の一部分を分注するために、180°の投薬回転によって、供給チャンバ20内のピストン30の適切な前進を提供するべきである。ピストン30の要求される移動距離は、供給チャンバの断面積の関数であり、供給チャンバの断面積に反比例して変化する。好ましい一実施形態では、基部46を180°回すことによって、結果として基部46および本体12が実質的に整合され、約1.5mLの組成物が分注される。しかしながら、所望の1回用量は、組成物内の薬剤の濃度、および投与される薬剤の量に依存する。この好ましい実施形態では、基部を、連続して2回180°回転することによって、組成物の3.0mLの投薬量を投与することができることに留意されたい。
【0029】
基部46および本体12の一致する側輪郭の追加の構成が可能である。上述される整合原理は、360°の因数である角度の回転によって整合する輪郭に塗布することができる。例えば、120°の回転で整合し得る三角形輪郭、90°毎に整合し得る四角形状等のように、上述される180°整合配設は、この原理内に適合する。さらに、360°毎に整合するように、その中に形成されるノッチを有する円形等の非円形輪郭を使用することができる。投薬動作毎に吐出される組成物の量に影響する、上述されるパラメータは、適切な投薬を達成するために、所望の整合角度によって調整され得る。所望の投薬量を投与するための角度回転は、好ましくは、可視的かつ触知的なフィードバックの所望の品質を維持するために、前進機構の許容範囲を管理可能なレベルに保つのに十分に大きい。
【0030】
特に本体12に関する、かかる非円形構成は、さらに、ロッド32の回転中に、ピストン30が供給チャンバ20内で回転するのを防止する働きをする。供給チャンバ20内でのピストン30の回転は、特に、本明細書に記載される、規定の投薬行為によって達成される所定の1回用量投与を用いる投薬に不利である可能性がある。したがって、供給チャンバ20は、好ましくは、壁22の周囲に、本体12の外の非円形側輪郭と実質的に一致する側輪郭を有し、ピストン30は、供給チャンバ20と一致し、供給チャンバ20内に摺動可能に適合する、側輪郭を有する。しかしながら、軸力および回転力の平衡度が、システム内の軸移動および回転移動に抵抗する相対摩擦力に適切であるという条件で、供給チャンバ20の円形構成が可能である。
【0031】
好ましい一実施形態では、ディスペンサ10は、基部46と本体12との間の相対運動を制限する、係止機構を含む。好ましい係止機構は、基部46と本体12との間の回転が防止される有効状態、および基部46を本体12に対して回転することができる無効状態を含むように構成される。好ましい係止機構は、投薬行為を実施するために、ディスペンサ10のユーザによって実施される、上述されるねじり投薬行為等の追加行為を必要とする。係止機構の係止機能は、好ましくは、不慮の、または意図的ではない投薬を防止するように構成され、不慮の2倍投薬を阻止する。
【0032】
図2および図4に示される実施形態では、係止機構50は、基部46内に配置される押しボタン52を含む。押しボタン52は、基部46に対する軸方向に移動可能となるが、基部46に対する回転が制限されるように、基部46に取り付けられる。換言すれば、押しボタン52は、基部を上方に押すことによって、基部に対して押し下げることができるが、装置10の投薬動作中、基部42が回転する際に、押しボタンもともに回転するように、押しボタン52および基部46は、互いに対して回転可能ではない。したがって、本体12と相互作用することに加えて、押しボタンは、基部46に、より具体的にはボタン52の内部分58に延在する、本体12の一部内に形成されるカムトラック56と相互作用する、一対のカム追従部54を含む。カム追従部54は、腕60の端部に形成され、バネ62によって、放射状に内向き方向に付勢される。
【0033】
カムトラック56は、2つの異なる部分、作動部分64と、戻り部分67と、を含む。カム追従部54は、カムトラック56によって規定される特定の経路72に沿う運動に制限されるように構成され、作動部分64および戻り部分67のそれぞれに含まれる。ボタン52が2つのカム追従部55を有する、示される配設では、カムトラック56は、形状が類似し、本体12上に反対に配置され、連続する経路を形成するように相互接続される、2つの作動部分64と、2つの戻り部分66と、を含む。
【0034】
係止機構50の初期位置では、カム追従部54は、それぞれ、作動部分64の下端部68に位置される。カムトラック45の配向は、カム追従部54が、本体12に対して横方向に移動することを防止され、垂直にのみ移動できるような配向である。これは、押しボタン52、したがって基部46は、本体12に対してねじることができないことを意味し、これは、投薬機構の後方移動に加えて、装置10の投薬を防止する。この位置での押しボタン52の唯一可能な移動は、押しボタン52を基部46に押し下げることであり、これは、カム追従部54を傾斜65上で移動させ、戻り部分67の端部72に導く。
【0035】
いったん戻り部分67内になると、カム追従部54は、本体42に対して横方向に移動することができるが、ピストン30の前進方向に対応する、一方向にのみである。したがって、また、ユーザは、基部46も前進方向に移動させることができる。戻り部分67の輪郭は、カムトラック56のもう一方の作動部分64の下位部分69で終了するような輪郭である。したがって、ユーザが、組成物の1回用量を提供するために、基部46を前進方向に回転する際、ボタンは、カムトラック内のカム追従部54の移動によって外向きに付勢され、それによって、作動部分64の下端部68に位置されるように、カム追従部が傾斜77にスナップオーバーする際に、押しボタン52を元の位置に戻す。
【0036】
図16および図17に示される代替的な実施形態では、押しボタン152は、近位壁125の外表面から突出するタブ154に取り付けられる。押しボタン152は、係止機構が有効状態である(図16)際に、基部146内に形成される穴156に適合し、それを通って延在するように配設される。係止機構150が無効状態である(図17)際、基部146が本体112に対して回転できるように、タブ154は、内向きに曲げられ、押しボタン152は、穴156の内向きに離間される。基部146の本体112に対するねじりによって影響を受ける投薬を実施するために、係止機構150は、最初に解放されなければならない。これは、押しボタンを押し下げ、係止機構を無効状態に変化させることによって行われる。いったん基部146の回転が、穴156を押しボタン152とずれるように移動させると(図17)、係止機構は、穴156が押しボタン152との整合位置に移動して戻る(図16)まで、無効状態に維持される。無効状態の間、タブ154は、曲げられ、押しボタン152が基部146に対して力を及ぼすようにする。いったん穴156が、好ましくは、投薬行為の終了時に起こる、押しボタン152と再整合した状態になると、タブ154は除荷され、押しボタン152を、穴156を通って延在させ、それによって係止機構を有効状態に戻す。使用の容易さを改善するために、押しボタン152の遊離端は、好ましくは、押しボタン152の外端を内向きに配置する導入端を提供するように曲げられる。これは、ユーザが基部146を回せるようにするために、押しボタンが押し下げられなければならない距離を減少させ、使用の容易さを改善する。
【0037】
図16および図17に示されるように、係止機構は、ポスト152、タブ154、および穴156の2つの組を含むことができ、それぞれの組は、基部146の反対側にある。かかる配設は、それぞれの1回用量後に、係止機構が有効状態に自動的に戻ることを可能にするため、投薬が基部146を180°回すことを伴う際に好ましい。かかる一実施形態では、係止機構150は、2つのポスト152および2つの穴156を含む必要はなく、むしろ1つの穴および2つのポスト、または2つの穴および1つのポストを含むことができることに留意されたい。しかしながら、2つのそれぞれのポスト152および穴156は、より強固な機構をもたらすことができる。さらに、図18に示される代替的な配設では、押しボタン152およびタブは、基部146に取り付けることができ、穴156は、本体112内に形成することができる。本係止機構150の動作は、図16および図17に関して記載される動作と実質的に同一である。120°回すことによって投薬が実施されるディスペンサ110の一実施形態では、3つのタブ154に取り付けられる3つのポスト152は、1つの穴156と相互作用して、例えば、それぞれの1回用量後に自動再係止を提供することができる。他の投薬角度のために、上述される原理に従う、他の係止機構および配設が考慮される。さらなる実施形態では、係止機構は、追加として、または代替として、基部146の本体112への移動等の第2の解除行為を必要とする場合がある。
【0038】
これらの実施形態では、また、ディスペンサ110は、好ましくは、後退防止機構を含む。図16に示されるように、かかる後退防止機構は、基部146の内表面の外周の周囲に形成される、複数のラチェット歯162を含むことができる。また、後退防止機構は、ラチェット歯162のうちの少なくとも1つと嵌合する、本体112から下向きに突出する爪164も含むことができる。好ましくは、ラチェット歯162および爪164は、基部146を、本体112に対して前進方向に回転できるようにするが、基部146が本体112に対して前進方向とは反対方向に回転するのを防止するように、相互作用する。これは、空気が供給チャンバ120に引き込まれるのを防止するのに役立ち、ディスペンサ110内の圧力の漏洩または損失を低減することができる。また、これは、投薬精度を改善し、投薬中に可聴的かつ触知的なフィードバックを提供することもできる。
【0039】
図11に示される一実施形態では、係止機構はまた、電源に接続され、押しボタン52の移動を係止するため、および解除するためにタブ54を後退するために、タブ54の内側表面に延在および接触するように配設される、作動装置53を制御するように構成される、タイマー回路51も含むことができる。タイマー回路51は、装置のユーザが、所定の期間内に、1回用量の設定数を超えて分注できなくするように、プログラムすることができる。例えば、タイマー回路は、24時間以内に、1回用量が2回以上投与されることを防止するようにプログラムすることができる。
【0040】
また、前進機構の代替的な配設も考慮される。例えば、投薬は、有効容量20aを加圧するためにねじった後、投薬ボタンを押し下げることをさらに要求することができる。投薬ボタンは、塗布表面が患者の表皮に接触される際に、1回用量が放出されるように、塗布表面70と関連付けることができる。さらに、投薬ダイヤルは、ディスペンサ10の遠位端上にあってよく、または投薬ボタンは、ディスペンサ10の近位端上にあってよい。さらに、投薬ダイヤルおよび投薬ボタンは、異なる行為に基づき、両方の機能を実施することができるように、単一要素内に形成することができる。
【0041】
図12に示されるように、ディスペンサ310の一実施形態は、本体312に回転不可能に取り付けられる、基部330内に取り付けられるモータ359を含むことができる。モータ359は、電源に電気的に接続され、装置のユーザがモータ352をオンおよびオフにできるようにする、スイッチ352にさらに接続される。モータ352は、モータ352をオンにすることで、ロッド332が前進方向に回転され、組成物が分注されるように、モータ352の出力端部で、ロッド332に取り付けられる。また、ディスペンサ310は、装置のユーザが、所定の期間内に、1回用量の設定数を超えて分注できなくするようにプログラムすることができる、その中に含まれるタイマー回路も有することができる。例えば、タイマー回路は、24時間以内に、1回用量が2回以上投与されることを防止するようにプログラムすることができる。
【0042】
図5Aおよび図5Bに示される一実施形態では、ロッド32は、ロッド32の中心軸に沿う方向に移動可能となるように、基部46に移動可能に取り付けられる。本配設では、ロッド32は、基部46を回すことで、ロッド32が回るように、中心軸に沿ってのみ移動可能であり、基部46に対するねじりを防止するように、基部46に取り付けられるように構成される。他の配設が可能であるが、図5Aに示される特定の配設では、ロッド32は、押しボタン52に移動可能に取り付けられ、次いで、上述のとおり、これは、基部46取り付けられる。装置10の投薬行為中に、ロッド32、したがってピストン30に往復作用を付与するために、ロッド32の基部46への移動可能な配設が利用される。図5Aおよび図5Bに示されるように、本体42は、上位カム78と、下位カム79とを含み、ロッド32は、上位カム追従部73と、下位カム追従部74とを有する、下位部分33を含む。上位カム71および下位カム72は、図5Bの描写に対して、下位カム79の表面が下方を向き、上位カム78の表面が上方を向く、2次元表示で図5Bに示される。カム71、72は、投薬運動(例示的に180°として図5Bに示される)の大部分にわたり、その初期位置76の上の所定の高さ79までロッド32を上昇させ、次いで、投薬運動の終了までに、ロッド32をその初期位置76まで戻すように構成される。
【0043】
本配設の影響は、上昇圧力によって、投薬運動が終了する前に、所望の1回用量が吐出されるように、投薬中に不均等な圧力レベルを提供し、次いで、投薬運動が完了する際に、供給チャンバ20内の圧力を低減することである。投薬運動間のこの圧力減少は、好ましくは、装置10が保管されている間、供給チャンバ20内に含まれる液体薬剤の圧力を実質的に排除または開放するのに十分である。使用間での薬剤の圧力の開放は、装置10が耐用期間にわたって受けるひずみのレベルを低減し、保管中に漏洩する危険性を低減する。また、圧力減少は、開口部86に関連して使用されるいずれの弁システムも、より低い最小開口部圧力を使用できるようにし、装置10をより容易に使用できるようにし、特に、投薬移動をより容易に実施できるようにする。例示的な弁配設を以下に記載する。
【0044】
図1および図2に戻り、供給チャンバ20の遠位壁24は、好ましくは、遠位方向に幅が狭くなる、概して円錐形である。遠位壁24の円錐形状は、そうでなければ供給チャンバ20内に閉じ込められる場合がある気泡が脱出できるようにするという点で、供給チャンバ20を組成物で充填することに役立つ。かかる構造は、遠位端壁24が本体12の残りの部分から取り外すことができる別個の端部キャップ66上に形成される一実施形態において、有用である可能性がある。かかる一実施形態では、端部キャップ66は、端部キャップ66が取り外される際に形成される上位リム68の下まで供給チャンバ20を充填できるようにする。次いで、端部キャップ66を付け、例えば、ピストン30の遠位移動によって、結果として生じるヘッドスペースをパージすることができる。端部キャップ24の円錐形状がないと、空気が閉じ込められる場合があり、または供給チャンバ20が真空中で充填される場合、真空が解放される際に空気を引き込む可能性がある空隙を形成する可能性がある。好ましくは、ピストン30の上面は、供給チャンバ20から実質的にすべての組成物が吐出されるようにするために、遠位壁内に実質的に適合する形状を有する。好ましくは、供給チャンバ20内のピストン30を完全に前進させることによって、最大98%の組成物を供給チャンバ20から吐出できる。ねじフィット等の他の取付具も考慮されるが、好ましくは、端部キャップ66は、スナップフィットによって、本体12の残りの部分に取り付けられる。
【0045】
遠位表面70の中央部分に塗布表面71が形成される。好ましくは、導管26は、塗布表面71の中央の近くに位置し、投薬中に吐出される、ある量の組成物が、塗布表面71上に流れるように、塗布表面71と供給チャンバ20との間に液体連通を提供する。好ましくは、アプリケータ表面71は、形状が陥凹状であり、ディスペンサ10が立位にある際に、投薬中に供給チャンバ20から吐出される所定量の組成物を、アプリケータ表面71によって形成される凹部内に保持できるのに十分な寸法である。したがって、好ましくは、アプリケータ表面の上位リム72によって囲まれる、アプリケータ表面71内に形成される凹部の容量は、好ましくは、所定の1回用量の容量以上である。さらに、アプリケータ表面71は、好ましくは、組成物が表皮に塗布される際、患者の表皮が実質的に陥凹状アプリケータ表面71全体に接触できるように形状化される。
【0046】
リム72の下方の塗布表面71の最大深さは、リム72内に画定される塗布表面71の面積に対応し得、追加として、または代替として、塗布表面71の短軸の長さと共に変化し得る。図2に示される実施形態では、リム72は、実質的に平面的であり、塗布表面は、好ましくは、5cm〜15cm、およびより好ましくは約8cm〜10cmの面積を有し、塗布表面71は、1mm〜7mmの対応する最大深さを有する。一実施形態では、塗布表面71は、約3mmの最大深さを有する。リム72が鞍形状等の実質的に非平面的な構成を有する、他の実施形態が考慮される。
【0047】
好ましくは、塗布表面71は、本体12の好ましい楕円形状と実質的に一致するように、実質的に長円形状または楕円形状を有する。好ましくは、アプリケータ表面71の楕円形状は、短軸の少なくとも約1.1倍の長さ、およびより好ましくは短軸の約1.2倍の長さである長軸を有する。いくつかの実施形態では、長軸の長さは、短軸の約2倍であってもよいが、好ましくは、短軸の長さの1.5倍以下である。さらに好ましくは、楕円形状の長軸は、約35mm〜45mmの長さを有する。一実施形態では、長軸は、約38mmの長さを有し、短軸は、28mm〜38mmの長さを有する。一実施形態では、長軸は、約38mmの長さを有し、短軸は、約32mmの長さを有する。さらなる実施形態では、短軸は、約32mmの長さを有し、塗布表面71は、約2mm〜5mmの深さを有する。
【0048】
好ましい一実施形態では、2次表面74は、遠位表面70内に形成され、陥凹状塗布表面71を包囲する。2次表面74は、好ましくは、塗布表面71から離れて傾斜され、より好ましくは、凸形状である。2次表面74は、組成物を表皮に均一に塗布すること、および組成物を塗布表面71付近に保持するのに役立ち得る。さらに、いくつかの薬剤は、熱、超音波(フォノフォレシス/ソノフォレシス支援皮膚送達)、または電流(イオントフォレシス支援皮膚送達)の適用によって、表皮への吸収が助長される。そのような場合、それぞれ、これに対して熱、超音波、または電流を提供するために、外表面70の真下に、加熱要素75(図13)、または熱、超音波、もしくは電流を発生する源を配置することができる。また、遠位表面70が患者の表皮に接触する際に、熱、超音波、または電流源を稼動させるために、アプリケータ表面内またはその下方に、圧力スイッチを含むことがきる。同様に、アプリケータ表面は、極微針、極小突出部、または他の種類の研磨特長もしくは材料を含むことができ、これらの機能は、無痛の角質層の微視破壊を生成し、それによって、表皮のこの最外層の障壁特性を回避することである。かかる研磨特長は、アプリケータ表面71と一体化して形成することができ、または別個に形成され、次いで、アプリケータ表面に取り付けられてもよく、これは、米国特許第6,136,008号に記載される、一般的原理に従って行われ得る。塗布表面71は、表面積1cm当たり、300もの微小突出部を含むことができる。個々の微小突出部または極微針は、好ましくは、それぞれ、200μm未満の長さを有する。
【0049】
図1および図2に示されるように、塗布表面71、および好ましくは2次表面74を含む、遠位表面70は、取り外し可能なアプリケータ80上に形成することができる。取り外し可能なアプリケータ80は、好ましくは、PPから形成され、使い捨てとして構成され、それによって、組成物の1回用量を表皮に投与した後のディスペンサ10の掃除に役立つ。アプリケータ80は、使用後、本体12から取り外し、掃除することなく廃棄することができる。これは、使用の容易さを改善し、特に、患者以外の人によって1回用量が投与される際の汚染の危険性を低減する。上述のとおり、アプリケータ80は、その上に形成される微小突出部または極微針を有する遠位表面70を含むように構造化することができる。アプリケータ80は、組成物が塗布表面71上に流れることを可能にするように、導管26と液体連通する、その中に形成される開口部86を有するディスペンサのヘッドの上に適合するように構成される、薄壁成型品であってよい。薄型設計は、費用削減を提供し、構成要素のパッケージ化において、小さくまとめて入れることができるようにする。例えば、アプリケータ当たり約5mmのアプリケータを30個、または1ヶ月分の供給量を積み重ねた積み重ね高さは、組み合わせて約150mmの高さとなるであろう。好ましくは、アプリケータの供給は、それぞれのアプリケータを、1回の1回用量の塗布で使用し、次いで廃棄することができ、その後のそれぞれの1回用量の塗布に新しいアプリケータが使用されるように、供給チャンバ20内の所定の1回用量の数と等しく、ディスペンサとともに提供される。
【0050】
アプリケータ80は、好ましくは、ジェルの塗布が完了する際に容易に取り外すことを可能にする一方、ディスペンサに最適に保持されるように設計される。アプリケータ80は、激しい塗布中に適所に留まるのに十分に本体12と嵌合するが、意図される際に本体12から外れる。投薬後のアプリケータの取り外しを容易にするために、アプリケータ80の周辺から主フランジ82が突出する。ディスペンサ内に含まれる組成物は、それらが第3者の表皮に接触する場合、かかる第3者に有害である場合がある、ホルモンまたは他の薬剤(例えば、癌、パーキンソン病またはアルツハイマー病等の中枢神経系の痛みまたは疾患、鬱および気分障害、注意力欠如障害または多動性障害等の治療に使用される薬剤)を含み得る。したがって、アプリケータ80の取り外しにおける支援を提供することに加え、フランジ82は、ユーザが、組成物と接触することなくアプリケータ80を取り外すことができるように、好ましくは、遠位表面70上に存在する組成物の相当部分が、フランジ82の外縁に到達するのを防止するのに十分な長さだけ、遠位表面70の縁を越えて延在する。アプリケータ80は、その対向する両側から突出する一対のフランジ82を有することができ、または、図1に示されるように、アプリケータ80の周囲全体に形成される、1つのフランジ82を含むことができる。かかる連続するフランジ82は、指定の掴み領域84に、追加長さだけ延在することができる。
【0051】
さらに、薬剤に触れることなくアプリケータ80を取り外すために、下からユーザの指を受容するように寸法決定および構成される、掴みフランジ83等によって、掴み表面を提供することができる。掴みフランジ83は、握るのを容易にするために、弓形であってよく、本体12内の凹み21と整合し、ユーザがフランジ83を握るための予備空間を与えることができる。好ましくは、フランジ82は、アプリケータ80の外側囲いを少なくとも1mm越えて延在する。さらに好ましくは、掴みフランジ83は、少なくとも意図される掴み領域内に、3mm〜6mm、およびより好ましくは約5mm延在する。さらに、掴みフランジ83は、外向きに延在することに加えて、または代替的に、内向きに延在することができ、本体12内に形成される凹み21の領域内、またはアプリケータ80の延在部分内等、本体12より幅が広いアプリケータ80の一部の下側に存在してもよい。
【0052】
アプリケータ80は、共に、本体12とアプリケータ80との間にスナップフィットを提供する、アプリケータ80の周囲から内向きの係合突出部85と共に、その遠位端近くの本体12の外周辺に沿ってリッジ29を含むことによって、本体12に取り付けることができる。アプリケータ80の突出部85は、フランジ82上の力がアプリケータ80を変形させ、これが、突出部をリッジから解放するように、掴みフランジ83の領域内にあってよい。同様の原理に従う、代替的な取付配設が可能である。例えば、本体12は、アプリケータ80の内表面上に形成される溝または凹み内に受容される、レッジまたは突出部を含むことができる。追加として、または代替として、導管26を、ノズル27上に形成することができ、開口部86の内部は、ノズル27と実質的に係合し、それらの間に圧力フィットを形成する、延長部88を含むことができる。また、延長部88は、延長部88とノズル27との間に1次接触界面を提供する、内向きに曲がった端部分89を含むことができる。
【0053】
アプリケータ80が本体から取り外される際、端部分89は、好ましくは、ノズル27に沿って摺動し、拭き取り作用、またはスキージ効果を提供し、これは、ノズル27の表面上に存在する、組成物の残留物の少なくとも一部、およびより好ましくは、いかなる残留物もすべてまたは実質的にすべて除去する。好ましい実施形態では、アプリケータ80とノズル27との間の界面は、少なくともノズル27の放射状表面を拭き取る。さらに、図14に示されるように、ディスペンサ410の一実施形態では、本体412は、摺動部材425の遠位方向への移動が、アプリケータ480を本体412から引き離すように、アプリケータ480の内側表面と接触する端部を有する、摺動部材425を含むことができる。代替として、延長部88およびノズル27は、その間の取付を容易にするように、係合するねじ切り部分を含むことができる。好ましくは、本体12の遠位端は、それを支持するために、アプリケータ80の内表面と実質的に係合する、支持表面28を含み、好ましくは、アプリケータ80の下側に対応する形状を有する。
【0054】
弁90(図7)は、好ましくは、材料の供給チャンバからの意図されない脱出、および供給チャンバの外部からの汚染物質の進入の両方から供給チャンバ20を実質的に封止するように、導管26に関連して含まれる。さらに、ディスペンサ10を使用して表皮に塗布されることが意図される組成物は、保管中または従来のコンテナを用いる使用中のいずれかで、蒸発する可能性がある、揮発性化合物を含み得る。揮発性化合物の蒸発は、投薬精度および表皮への薬剤投与の両方に悪影響を及ぼし得る。また、弁90は、組成物内に存在する揮発性化合物の蒸発を防止するのに好適であり得る。一般に、かかる揮発性化合物は、供給チャンバ内の平衡蒸気圧が到達されるまで、組成物から蒸発する。弁90が蒸気圧に耐えることができない場合、組成物から解放された気体形態の揮発性化合物は、弁から抜け出し、これは、組成物からの揮発性化合物のさらなる蒸発、およびさらなる漏洩を引き起こす。したがって、弁90は、妥当な温度範囲で、その中に含まれる所与の揮発性化合物または化合物の蒸気圧に耐えられるべきである。装置10を使用して投与される組成物に含まれ得る種々の揮発性化合物の気化エンタルピーが、表1に示され、これは、弁90が耐えるのに適切な圧力を導くために使用することができる。好ましくは、弁90は、少なくとも0℃の温度で正常に機能するように構成される。好ましくは、弁90は、45℃未満の温度で正常に機能するようにさらに構成され、さらに好ましくは、弁90は、約15〜35℃の温度で機能するように構成される。さらに、供給チャンバ20に入らないようにすることが意図される汚染物質には、空気を含む。
【0055】
【表1】

【0056】
弁90は、好ましくは、自己封止する、換言すれば、停止している間、弁は、好ましくは、気密封止を形成することによって、必然的に供給チャンバを封止された状態に保つべきである。自己封止弁を使用することによって、ディスペンサ10を使用して、液体を保管し、分注することがさらに可能となる。さらに、弁は、装置が稼動される際に、組成物の所定の1回用量が供給チャンバ20から導管26を通って脱出できるようにし、いったん投薬が完了すると、封止された状態に自動的に戻るべきである。好ましい一実施形態では、弁は、機械的部品の相対運動なく、弁が機能できるように、変形可能部材91を含む。変形可能部材91を使用する弁90は、投薬行為によって提供される供給チャンバ20内の組成物の圧力が、上述のとおり、1回用量が吐出されることを可能にする、変形可能部材の変形をもたらすように構造化されるべきである。いったん組成物の1回用量の排出が供給チャンバ内および変形可能部材上の圧力を軽減すると、変形可能部材は、導管26が封止される、元の形状に戻る。弁90は、好ましくは、供給チャンバ内の所定の圧力で、組成物の1回用量が排出されるように構造化される。かかる所定の圧力は、少なくとも80kPa、および好ましくは約120kPa未満である。好ましい一実施形態では、弁90は、約100kPaの圧力で、組成物の1回用量を放出するように構造化される。
【0057】
図2、図6、および図7に示される弁構造は、ノズル27の周囲に適合する、弾性スリーブの形態等の変形可能部材91を含む。導管26は、ノズル27を通過し、それに沿う少なくとも1つの場所で、ノズルの側面に対して開いている。スリーブ91は、好ましくは、導管26の近位でノズル27に取り付けられ、導管26を被覆するように遠位に延在する。示される実施形態では、スリーブは、圧力フィットによって支持表面28と端部キャップ34との間の適所に保持される、スリーブから外向きに延在する、スカート93を含む。他の実施形態では、スリーブ91は、接着剤、溶接等によって、ノズル27に取り付けることができる。図7に示されるように、スリーブ91に対する組成物の上昇した圧力は、スリーブ91を導管26から離れて外向きに変形させ、組成物が、スリーブ91を通過し、開口部86を通って塗布表面71上に出ることを可能にする。所定の1回用量が導管26を通って吐出された際、スリーブ91は、元の形状に戻り、導管26の上に封止を形成する。
【0058】
弾性スリーブ91を含む弁構造は、図6に示されるように、取り外し可能なアプリケータ80と相互作用して、スリーブ91とノズル27との間、またはスリーブ91の外側上に集積する可能性がある、組成物の残留物を除去することができる。アプリケータ80は、好ましくは、アプリケータ80が本体12から取り外される際に、端部分89が、ノズル27または弁90の目詰まりを防止することができる、スリーブ91の外表面から組成物を実質的に除去する拭き取り作用を提供するように、端部分89がスリーブ91の外表面と接触するように構成される。さらに、拭き取り作用によって印加される圧力は、スリーブ91とノズル27との間に保持される組成物のいずれも、その遠位端から外に出すことができる。
【0059】
図15に示される実施形態では、ノズル327は、好ましくは、組成物がノズル327の側面から横方向に分注されるように構成される。かかる配設は、拭き取り作用を提供するために、ノズル327内に形成される流動体排出口を通り過ぎる端部分89をもたらす。かかる拭き取り作用は、目詰まりにつながり得る、ノズル327の排出口の上への残留組成物の乾燥を防止する。本実施形態では、弾性スリーブ391の端部は、好ましくは、それに近接し、それと隣接する、ノズル327の頂部の下方で終端し、ノズル327は、ノズル329の排出口に好ましい場所を提供するために、組成物の流れを放射状に向ける、外側フランジ395を含む。スリーブ391の好ましい厚さは、端部分89が、排出口に露出されたままであり得る組成物のいずれも、または大部分を拭き取ることができるように、フランジ395の側面に対して概して滑らかな移行を提供するように選択される。本実施形態では、排出口は、ノズル327を包囲するリング形状である一方、他の実施形態は、異なる形状または不連続の排出口を有する。
【0060】
代替として、延長部88は、ノズル27とスリーブ91との間が適合するように構造化することができる。この適合は、ノズル27をその遠位端で先細にすることによって、またはスリーブ91をその遠位端で口を広げることによって、容易にすることができる。本配設は、組成物がスリーブ91の外側に到達するのを阻止し、アプリケータ80が本体12から取り外される際に、拭き取り部分89とノズル27の表面との間に拭き取り作用を提供する。拭き取り部分89は、好ましくは、ノズル27が受ける、ノズル27に対する圧力を増加するため、および拭き取り作用を改善するために、近接する延長部88と比較して、放射方向に大きくなっている。
【0061】
図8および図9に示される、変形可能部材291を含む弁290の代替的な実施形態は、傘型弁の形状をとり、概して傘型形状の変形可能部材291を含む。傘291は、近位端292と、遠位端294と、近位端292および遠位端294を接合する中央部分296と、を含む。傘291は、好ましくは、TPEまたはシリコンゴム等の弾性材料から形成される。一般に、傘290は、必要な変形を達成し、所望の封止を提供することができることに加え、組成物内の化学物質に対して許容可能な耐性を呈する材料から形成されるべきであり、かつ表皮接触に適切であるべきである。導管226は、好ましくは、その中に傘291を保持するのに役立つように、中央部分296が導管226を通過できるように形状化される。近位部分292および遠位部分294は、傘291が導管226内に固定されるように、好ましくは、導管226より幅が広くなるように形状化される。中央部分296の長さは、遠位部分294がノズル227の端部に対して保持され、所望の封止を提供するように、傘291が導管226内の適所にある際に、中央部分296にわずかに張力がかかるような長さであるべきである。一実施形態では、中央部分294は、組成物が間から脱出することを可能にするように、導管226の直径よりわずかに小さい直径を有する。
【0062】
代替として、図10に示されるように、中央部分296は、導管226の内径221と実質的に一致する、または必然的にわずかに大きい直径を有する。導管226は、材料がチャネル229を通って遠位部分294に流れることを可能にするように、その中に形成されるチャネル229を含む。さらに代替的な方法では、中央部分は、導管226内に実質的に適合する直径を有し、組成物が流れることを可能にするように、その中に形成されるチャネル(図11のチャネル396を参照)を有する。近位部分292は、組成物が通路を通過して導管226に入ることを可能にするように、その中に形成される、例えば、スロットまたは穴298であってよい、少なくとも1つの通路を含む。規定の投薬動作が供給チャンバ内の組成物の圧力を上昇させる際、近位部分292によって中央部分296と導管226との間に提供される液体連通は、組成物が遠位部分294の内表面に圧力を印加するようにし、次いでこれは、傘291、特に遠位部分294を、遠位部分294に覆われるノズル227の端部から離れて変形させる。この変形は、組成物が導管226を通って塗布表面270上に脱出できるようにする。図10に示される代替的な配設では、導管326は、その中に改良傘型弁390を適合させることが可能となるように構造化することができる。この種類の傘型弁390は、組成物からの圧力下で主に内向きに変形することによって機能する。
【0063】
また、ディスペンサ10は、図1および図2に示される投薬標示を含むことができる。投薬標示は、供給チャンバ20内のピストン30の位置を示す配設を含むことができる。好ましくは、ピストン30の一部は、本体12内に形成される窓15を通して可視的である。示される実施形態では、好ましくはO型リング38であるが、また、リップであってもよい、供給チャンバ20の内表面と直接接触するピストン30の一部は、窓15を通して可視的である。窓15は、本体12に取り付けられる透明なプラスチックの、別個に成型または組み立てられる部分であってよい。しかしながら、封止目的のために、本体12全体は、ピストン30の少なくとも一部を可視的にすることを可能にするために、好ましくは、透明または半透明の材料から形成される。窓15は、完全に透明である必要はなく、ピストン30の一部を可視的に識別するのに十分なだけ透明であるべきである。透明な本体12を含む一実施形態では、窓15の所望の領域内が透明であってもよい、または窓15の所望の場所の周囲に適合する切り抜きを含むことができる、粘着ステッカーの形態であってもよい、ラベル17等の層またはフィルムが、本体12の外表面に適用される。また、かかるラベル17は、組み立て(例えば、本体12上への端部キャップ66の)または成型による、本体12内のいかなるシームも封止するのを支援することができる。ラベル17は、本体12に障壁を提供するようにさらに構造化することができる。紫外線への曝露は、ディスペンサ10によって送達され得るいくつかの有効成分にとって有害である可能性がある。そのような場合、および特に本体12が透明な材料で形成される際、ラベル17は、紫外線を遮断する材料、または紫外線遮断コーティングが塗布されている材料から形成することができる。そうすることによって、ラベル17の適用は、供給チャンバ20に入る紫外線を遮断するための障壁を提供する。追加として、または代替として、ラベル17は、組成物が側壁に、もしくはそれを通って進入するのを防止することができる、または汚染物質が装置10の外から側壁22を通過して供給チャンバ20に入ることを防止することができる材料で形成することができる。かかる障壁層を形成するラベルは、側壁22の内部に適用することができ、透明な本体12の外から可視的であってもよい。
【0064】
好ましくは、ラベル17は、投薬に関する可視標示、好ましくは、供給チャンバ20内の残りの1回用量の数を提供する、数字の形態であってよい標示を含む。残りの1回用量の数は、ピストン30の位置によって判定される。好ましくは、数は、O型リング38と並ぶ矢印19に対応し、ラベル17上に印刷することができ、または本体12の外表面に一体成型することができる。矢印19の一体形成は、ラベル位置許容範囲の影響を低減することができる。さらに、また、標示は、1回用量が投与される曜日に関連することができ、曜日を適正に表示するために、投薬が所定の日に開始しない場合に使用することができる、取り外し可能な、または追加の部分を含むことができる。また、ラベル19は、特定の組成物および特定の用途に必要とされる医薬品情報を含むこともでき、使用上の指示をさらに含むことができる。ラベル19上に、最後数回用量の「レッドゾーン」を示すことができる。好ましくは、ラベル19は、障壁層として機能し、投薬標示を含む。
【0065】
組成物の1回用量を投与する際、組成物が薄層で塗布されることが好ましい。かかる投与を達成するために、例えば、1日当たりの所望の投薬量を、1日を通して時間間隔を空けて、複数のより少ない1回用量を同一領域に塗布すること、または、複数のより少ない1回用量を、1回に、身体の異なる領域に塗布することが望ましい。特定の用途では、間隔を空けた投薬、および複数部位への投薬の組み合わせが使用され得る。例えば、治療期間、それぞれの1日中に、約1.6gの組成物の薄層を、時間間隔を空けて3回、身体の単一領域に塗布することによって、1日当たり5gの1回用量を投与することができる。さらに、組成物の3gの1回用量を、組成物の1.5gの分割用量として、患者の身体の2つの異なる領域、例えば、患者の両方の前腕に実質的に同時に塗布することができる。
【0066】
さらに組成物の出荷または保管中、装置の供給チャンバ20内に保持される組成物をさらに保護するために、装置は、いったん充填されると、封止可能なバッグに入れることができる。封止可能なバッグは、好ましくは、汚染物質がディスペンサと接触するのを防止するために、汚染物質に対する障壁を提供する。好ましくは、かかる封止可能なバッグは、いずれかの酸素が供給チャンバに到達して組成物を汚染することを防止するために、真空封止され、または中に存在するいかなる酸素も吸収することができる、窒素もしくは他の化学物質を含み得る。
【実施例】
【0067】
実施例1:
本明細書に開示されるディスペンサの供給チャンバには、米国特許出願第11/120,306号の実施例1または2による、オキシブチニンを含む、約100mLの経皮ジェル製剤が提供される。この量は、1.4gの約60回用量のジェル、または2.8gの約30回用量のジェルに相当する。1日1回塗布した場合、ディスペンサは、患者に、約60日間(1回用量が1.4gのジェルを1日1回)、または約30日間(1回用量が2.8gのジェルを1日1回)の過活動膀胱および急迫性尿失禁の治療を提供する。
【0068】
実施例2:
本明細書に開示されるディスペンサの供給チャンバには、米国特許第5,891,462号の実施例1、4、13、14、15、16、または17による、エストロゲンおよびプロゲスチンの組み合わせを含む、約60mLの経皮ジェル製剤が提供される。この量は、0.75gの約60回用量のジェル、または2.5gの約30回用量のジェルに相当する。1日1回塗布した場合、ディスペンサは、患者に約60日間(1回用量が0.75gのジェルを1日1回)、または約30日間(1回用量が1.5gのジェルを1日1回)のホルモン補充療法治療または避妊を提供する。
【0069】
実施例3:
本明細書に開示されるディスペンサの供給チャンバには、米国特許第7,198,801号の実施例2の表1による、エストラジオールを含む、約90mLの経皮ジェル製剤が提供される。この量は、0.6gの約120回用量のジェル、1.25gの約60回用量のジェル、または2.5gの約30回用量のジェルに相当する。1日1回塗布した場合、ディスペンサは、約120日間(1回用量が0.6gのジェルを1日1回)、約60日間(1回用量が1.25gのジェルを1日1回)、または約30日間(1回用量が2.5gのジェルを1日1回)の、女性患者における更年期障害に関連する、中等度から重度のほてりの治療を提供する。
【0070】
実施例4:
本明細書に開示されるディスペンサの供給チャンバには、米国特許第7,198,801号の表2による、テストステロンを含む、約50mLの経皮ジェル製剤が提供される。この量は、0.2gの約120回用量のジェル、0.4gの約60回用量のジェル、または0.8gの約30回用量のジェルに相当する。1日1回塗布した場合、ディスペンサは、約120日間(1回用量が0.2gのジェルを1日1回)、約60日間(1回用量が0.4gのジェルを1日1回)、または約30日間(1回用量が0.8gのジェルを1日1回)の、女性患者における更年期障害に関連する、中等度から重度のほてりの治療を提供する。
【0071】
実施例5:
本明細書に開示されるディスペンサの供給チャンバには、米国特許第7,214,381号の実施例23による、アルプラゾラムを含む、約100mLの経皮ジェル製剤が提供される。この量は、1.0gの約90回用量のジェル、2.0gの約45回用量のジェル、または3.0gの約30回用量のジェルに相当する。1日1回塗布した場合、ディスペンサは、約90日間(1回用量が1.0gのジェルを1日1回)、約45日間(1回用量が2.0gのジェルを1日1回)、または約30日間(1回用量が3.0gのジェルを1日1回)のパニック発作の治療を提供する。
【0072】
実施例6:
本明細書に開示されるディスペンサの供給チャンバには、米国特許第7,214,381号の実施例38による、アムロジピンを含む、約100mLの経皮ジェル製剤が提供される。この量は、3.0gの約30回用量のジェルに相当する。1日1回塗布した場合、ディスペンサは、約30日間(1回用量が3.0gのジェルを1日1回)の高血圧の治療を提供する。
【0073】
実施例7:
本明細書に開示されるディスペンサの供給チャンバには、米国特許第7,214,381号の実施例31による、Lチロキシンを含む、約85mLの経皮ジェル製剤が提供される。この量は、2.5gの約30回用量のジェルに相当する。1日1回塗布した場合、ディスペンサは、約30日間(1回用量が2.5gのジェルを1日1回)の甲状腺機能低下症の治療を提供する。
【0074】
実施例8:
本明細書に開示されるディスペンサの供給チャンバには、米国特許出願第11/371,042号の実施例5による、テストステロンを含む、約85mLの経皮ジェル製剤が提供される。この量は、2.5gの約30回用量のジェルに相当する。1日1回塗布した場合、ディスペンサは、約30日間(1回用量が2.5gのジェルを1日1回)の男性性腺機能低下症の治療を提供する。
【0075】
実施例9:
本明細書に開示されるディスペンサの供給チャンバには、米国特許出願第11/371,042号の実施例22による、フェンタニルを含む、約70mLの経皮ジェル製剤が提供される。この量は、2.0gの約30回用量のジェルに相当する。1日1回塗布した場合、ディスペンサは、約30日間(1回用量が2.0gのジェルを1日1回)の癌に関連する痛みの治療を提供する。
【0076】
実施例10:
本明細書に開示されるディスペンサの供給チャンバには、米国特許出願第11/770,194号の実施例17による、プラミペキソールを含む、約50mLの経皮ジェル製剤が提供される。この量は、0.5gの約90回用量のジェルに相当する。1日1回塗布した場合、ディスペンサは、約90日間(1回用量が0.5gのジェルを1日1回)のパーキンソン病の治療を提供する。
【0077】
実施例11:
本明細書に開示されるディスペンサの供給チャンバには、米国特許出願第11/492,568号の実施例17による、ニコチンを含む、約150mLの経皮ジェル製剤が提供される。この量は、1.5gの約90回用量のジェル、または3.0gの約45回用量のジェルに相当する。1日1回塗布した場合、ディスペンサは、約90日間(1回用量が1.5gのジェルを1日1回)、または約45日間(1回用量が3.0gのジェルを1日1回)の禁煙に関連する治療を提供する。
【0078】
実施例12:
本明細書に開示されるディスペンサの供給チャンバには、米国特許出願第11/755,923号の実施例Fによる、セレギリンを含む、約45mLの経皮ジェル製剤が提供される。この量は、0.5gの約60回用量のジェル、または1.0gの約30回用量のジェルに相当する。1日1回塗布した場合、ディスペンサは、約60日間(1回用量が0.5gのジェルを1日1回)、または約30日間(1回用量が1.0gのジェルを1日1回)のパーキンソン病の治療を提供する。
【0079】
実施例13:
本明細書に開示されるディスペンサの供給チャンバには、米国特許出願第11/755,923号の実施例Gによる、ペルゴリドを含む、約150mLの経皮ジェル製剤が提供される。この量は、5.0gの約30回用量のジェルに相当する。1日1回塗布した場合、ディスペンサは、約1ヶ月のパーキンソン病の治療を提供する。
【0080】
実施例14:
本明細書に開示されるディスペンサの供給チャンバには、米国特許出願第11/755,923号の実施例Cによる、リバスティグミンを含む、約100mLの経皮ジェル製剤が提供される。この量は、1.0gの約90回用量のジェル、2.0gの約60回用量のジェル、または3.0gの約30回用量のジェルに相当する。1日1回塗布した場合、ディスペンサは、約90日間(1回用量が1.0gのジェルを1日1回)、約60日間(1回用量が2.0gのジェルを1日1回)、または約30日間(1回用量が3.0gのジェルを1日1回)のアルツハイマー病の治療を提供する。
【0081】
実施例15:
本明細書に開示されるディスペンサの供給チャンバには、米国特許出願第11/755,923号の実施例Jによる、グラニセトロンを含む、約35mLの経皮ジェル製剤が提供される。この量は、1.0gの約30回用量のジェル、または2.0gの約15回用量のジェルに相当する。1日1回塗布した場合、ディスペンサは、約30日間(1回用量が1.0gのジェルを1日1回)、または約15日間(1回用量が2.0gのジェルを1日1回)の吐き気の治療を提供する。
【0082】
前述の実施例は、本発明のディスペンサで使用するのに好ましいジェルおよび前記ジェルの好ましい薬濃度を例証するが、所望により、先行特許および特許出願に言及される他のジェルのいずれも、これらのディスペンサで使用され得る。したがって、本明細書で参照されるそれぞれの特許および特許出願は、それらに記載されるジェルの開示について参照することによって、明確に組み込まれ、本発明は、本明細書に記載されるディスペンサにおけるそれぞれのかかるジェルの組み合わせを網羅する。
【0083】
本明細書に開示される、本発明の説明に役立つ実施形態は、上述の目的を達成することが明白である一方、当業者によって、多数の修正および他の実施形態が考案され得ることが理解される。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の精神および範囲内である、すべてのかかる修正および実施形態を網羅することが意図されることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚用流動性組成物ディスペンサであって、
前記組成物の供給物を保持するための供給チャンバをその中に画定する、本体と、
患者の表皮に塗布するための前記組成物の所定の1回用量を保有するために、外部に配置され、前記供給物から外方に向く、陥凹状塗布表面を有する前側を有する、塗布部分と、
前記組成物の前記所定の1回用量を、前記供給チャンバから前記塗布表面に再生可能に送達するために、前記供給チャンバを前記塗布表面と流体連通させる、導管と、
を備える、皮膚用流動性組成物ディスペンサ。
【請求項2】
前記導管は、前記塗布表面の概して中心に配置され、前記塗布表面は、前記患者の表皮を受容して、前記組成物の前記所定の1回用量を取り出すことができるように構成および寸法決定され、前記陥凹状塗布表面は、前記塗布表面全体が前記患者の表皮に対して押し付けられる際に、前記塗布表面全体が前記患者の表皮と接触するように形状化される、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項3】
前記塗布部分は、前記流体連通している前記導管を有する前記本体に取り外し可能に取り付けられるアプリケータを備える、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項4】
前記アプリケータを前記本体から取り外すために、ユーザの指をその下に受容することによって、前記ディスペンサのユーザが、前記塗布表面と接触することなく、前記アプリケータを前記本体から取り外すのを支援するように構成される、前記アプリケータの外側縁の付近に配置される、外向きに突出するフランジを備える、アプリケータ取り外し機構をさらに備える、請求項3に記載のディスペンサ。
【請求項5】
前記導管は、ノズルを備え、前記アプリケータは、前記前面から外向きに延在し、前記前側上の前記ノズルから送達される前記組成物を保持するために、それと共に流体密封連結で前記ノズルを受容するように構成される開口部を画定する、封止延長部を備え、前記封止延長部は、前記ノズルに隣接し、かつ封止するように構成および配置され、前記アプリケータが前記本体から取り外される際に、前記ノズルから前記組成物を拭き取るように構成される、内向きに曲がった部分を含む、請求項3に記載のディスペンサ。
【請求項6】
前記排出開口部に組み込まれる、一方向、自己封止弁をさらに備え、前記弁は、前記組成物の前記1回用量が、前記開口部を通って吐出されることを可能にするように構成され、あるいは、前記本体内の前記組成物の揮発性成分から蒸発したいかなる蒸気も含むように、前記開口部を実質的に封止された状態に保つ、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項7】
前記弁は、弾性的に変形可能な部材に対する前記組成物の圧力が、前記組成物が前記開口部を通って吐出されるのを可能にするのに十分に前記弾性の変形可能部材を変形させるように、および前記弾性的に変形可能な部材に対する圧力が解放されると、前記弾性の変形可能部材が封止状態に戻るように、前記開口部に固定される、弾性的に変形可能な部材を含む、請求項6に記載のディスペンサ。
【請求項8】
ピストンの前記開口部に向かう運動が、前記供給チャンバ内の圧力を増加させ、前記組成物の所定の1回用量を前記開口部を通して吐出させるように、空洞内に配設される前記ピストンを有する、駆動機構をさらに備える、請求項7に記載のディスペンサ。
【請求項9】
前記弾性的に変形可能な部材は、近位部分と、前記開口部を被覆する遠位部分と、を含み、前記開口部を通って移動する前記組成物は、前記組成物の前記1回用量を吐出することを可能にするように、前記弾性的に変形可能な部材の前記遠位部分を、前記開口部から離れて外向きに変形させる、請求項6に記載のディスペンサ。
【請求項10】
前記弾性的に変形可能な部材の前記近位部分は、前記排出開口部の直径より大きな直径を有し、前記組成物が前記開口部に流れることを可能にするように、その中に形成される、少なくとも1つのチャネルを含む、請求項6に記載のディスペンサ。
【請求項11】
前記患者の表皮に刺激を提供するために、前記塗布部分に組み込まれた、電子送達支援要素をさらに含む、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項12】
前記本体は、前記組成物の供給物を保持するための供給チャンバを画定し、その中に中心軸を有する、非円形外側輪郭を有し、前記供給チャンバ内に、摺動可能に配設され、それを通って形成される開口を有する、ピストンを含む、前進機構と、前記開口を通過し、ロッドの回転が、前記供給チャンバの前記中心軸に沿って前記ピストンを直線運動させるように配設される、ロッドと、前記本体の外側の前記非円形輪郭と実質的に一致する、外側の非円形輪郭を画定し、ユーザが、前記基部を回転することによって、前記ピストンを前進させることができるように、前記ロッドに取り付けられている、基部と、をさらに備え、前記前進機構は、前記基部が360°の所定の整数因数にほぼ等しい角度回転すると、前記組成物の所定の1回用量が、前記導管を通って供給され、かつ前記基部が前記所定の角度回転すると、前記基部の前記非円形輪郭が、前記本体の前記非円形外側輪郭と整合するが、他の回転位置ではそれとずれているように、配設される、請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項13】
前記本体と前記基部との間に配置される、係止機構をさらに備え、前記係止機構は、前記係止部材が有効状態である際に、前記本体に対する前記基部部材の運動が制限され、前記係止部材が無効状態である際に、前記基部が前進方向に自由に回転できるように、有効状態と無効状態との間で移動可能である、請求項12に記載のディスペンサ。
【請求項14】
前記係止部材は、ユーザによって作動されるように構成される、押しボタンを含み、前記押しボタンの作動は、前記係止機構を前記有効状態から前記無効状態に変える、請求項13に記載のディスペンサ。
【請求項15】
前記基部部材の前記本体に対する前進方向への回転を可能にするが、前記基部部材の後退方向への回転を防止するための機構をさらに備える、請求項13に記載のディスペンサ。
【請求項16】
前記本体の表面に取り付けられ、前記組成物を保護するために、障壁として構成される、層をさらに備え、前記層および前記本体は、前記ピストンの一部が透明な部分を通して可視的であるように、それに沿って縦方向に延在する、相互整合する透明な部分を含み、前記層は、分注された、または前記供給チャンバ内に残存する、前記組成物の1回用量の数を示すために、前記透明な部分に関連付けられる複数の可視標示をさらに含み、前記層は、任意選択的に、紫外線遮断特性または化学物質遮断特性を有する、請求項12に記載のディスペンサ。
【請求項17】
前記ピストンは、自己ねじ切り要素を含み、前記駆動機構は、前記自己ねじ切り要素と前記ロッドとの間の封止連結を保持する一方、前記ピストンを前記ロッドに沿って前進させるために、前記ロッドと前記自己ねじ切り要素との間の相対的回転が、前記自己ねじ切り要素に、前記ロッド上にねじ山を生成させるように、前記自己ねじ切り要素と嵌合されるロッドを含む、請求項12に記載のディスペンサ。
【請求項18】
前記自己ねじ切り要素は、その中に形成されるその対向する側上に2つの開始ねじ山を有する、円柱型の内面を含み、前記開始ねじ山は、それぞれ、前記ロッド上に別個のねじ山組を形成するように構成される、請求項17に記載のディスペンサ。
【請求項19】
気泡が脱出できるようにすることによって、前記組成物の前記供給チャンバへの充填を容易にするために、前記排出開口部に向かって狭くなる先細の断面を有する、前記供給チャンバの遠位部分をさらに含み、前記ピストンは、吐出することができる組成物の量を最大にするために、前記供給チャンバの前記先細の断面と実質的に一致する、先細の断面を有する、請求項12に記載のディスペンサ。
【請求項20】
前記ロッドは、前記ロッドが、前記基部に対して、前記供給チャンバの前記中心軸に対して平行な移動方向に移動可能であるように、前記基部に移動可能に取り付けられ、前記ロッドの一部は、前記基部の前記所定の角度回転中に、前記本体の対応する部分と相互作用して、前記ロッドを前記移動方向に沿って往復させる、請求項12に記載のディスペンサ。
【請求項21】
前記基部の回転中の前記ロッドの前記往復移動は、前記組成物の前記所定の1回用量が供給された後に、前記供給チャンバ内の前記圧力を減少させる、請求項20に記載のディスペンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2011−502656(P2011−502656A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533339(P2010−533339)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/083196
【国際公開番号】WO2009/064762
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(510129473)アンタレス ファーマ アイピーエル アーゲー (1)
【Fターム(参考)】