説明

宛先指定されていない郵送物の仕分け方法

複数のスタックに置かれている宛先指定されていない郵送物の仕分け方法は、郵送物の画像に関する基準となる特徴を少なくとも一つ記録することによって、各スタックを推定、登録して、その特徴を仕分けプランと関連付けることと、それに続くすべてのスタックの仕分けの際に、各スタックを新たに記録して、その基準となる特徴を識別し、その仕分けプランにもとづき配分することとにより記述される。それにより、例えば、指紋にもとづくような、宛先指定されていない広告発送物の効率的な仕分け方法が実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、請求項1の上位概念にもとづく宛先指定されていない郵送物を仕分けるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
広告郵便物は、郵送物(メール)の中で数が益々多くなってきており、規定通りに宛先指定されたメイルの日々の流れに組み込まれなければならない。これまで、そのようなメールの流れは、規定通りに宛先指定されたメールの流れと並行して扱われてきたが、そのことは、郵便局の処理コストを高めることとなっている。
【0003】
更に、そのような広告メールの発送者/作成者は、彼らの顧客に特に呼び掛けたいと思っている。彼らは、特に、そのような広告メールをすべての世帯ではなく、選定した世帯に発送するとともに、そのようなメールの発送時点を所定の日に設定したいと思っている。
【0004】
そのことから、郵便業務の仕分けプロセス(例えば、配送ルートへの仕分け)に関して、一つ以上のスタックの宛先指定されていないメールを所定の時点に所定の既知の配達地点に仕分けるという新しい需要が生じる。異なるスタックの宛先指定されていないメールは、通常様々な数の配達地点に配送される、即ち、例えば、小さい子供用品に関する広告発送物は、恐らく乗馬用品に関する広告発送物とは全く異なる配達地点(世帯)に配分される。
【0005】
特に、そのようなスタックの広告発送物を所定の日に世帯に配達する必要が有る場合、郵便業務に関して、そのようなプロセスを効率的に実行するという課題が生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の課題は、宛先指定されていない郵送物を仕分けるための効率的な方法を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、この発明にもとづき、請求項1の特徴によって解決される。
【0008】
この場合、複数のスタックに置かれている宛先指定されていない郵送物を仕分けるための方法は、
・スタックを一義的に規定する(即ち、そのスタックを他のスタックと明らかに区別する)郵送物の画像に関する基準となる特徴を少なくとも一つ記録することによって、各スタックを推定し、登録することと、
・その画像に関する基準となる特徴を、宛先指定されていない郵便物のスタックとそれに対応する仕分けプランとに関連付けることと、
・それに続くすべてのスタックの仕分けの際に、各スタックを新たに記録して、その基準となる特徴を識別し、その仕分けプランにもとづき、場合によっては最終配達地点にまで配分することと、
により記述される。
【0009】
この発明の有利な実施形態は、従属請求項に詳しく記載されている。
【0010】
その場合、先ずは各スタックの少数のサンプルを記録することによって、一定の時点に送り出すべき異なるスタックの広告発送物を検出する。従って、各スタックに関して、例えば、10個の電子的な画像が得られる。ここで、この数量から、例えば、10個の画像の中間値演算によって、画像に関する代表例を算出する。この代表例は、正に画像に関する基準となる特徴を構成する。
【0011】
即ち、基準となる特徴は、有利には、スタックの同様な郵送物の記録した領域を平均することによって、スタックに置かれている複数の郵送物の記録から検出される。これらの領域は、画像又は広告文を含むことができ、それは、この発明の核心に影響を与えるものではない。
【0012】
この記録は、スキャナーなどのデジタル手段を用いて、有利には、白黒、グレースケール又はカラーによる符号値にもとづき行われる。これらの設定形態間の選択は、スタック内の広告発送物の画像的な特徴により決定される。白黒による符号化の利点は、所要のメモリ量が最小となることである。それにより、基準となる特徴と所定のスタックの広告発送物間の関連付けを電子的に作成して、提供可能な登録データベースに保存する。
【0013】
ここで、郵便仕分けプロセスにおいて、スタックが、任意の時点で仕分け機に供給される。そして、それらの発送物の画像が、すべての基準となる特徴又は代表例と比較される。それにより、指紋(フィンガープリント)にもとづく識別法と同様に、ちょうど仕分けすべき発送物が、どのスタックの広告発送物であるかを決定する。ここで、これらの識別した発送物は、それぞれ代表例と関連付けられた仕分けプランにもとづき、正しい配達地点(世帯)に仕分けることができる。
【0014】
この発明の利点は、任意のスタックの宛先指定されていないメールを発送者の条件にもとづき目的通り世帯に配達することができることと、このプロセスを従来の郵便仕分けプロセスにシームレスに統合して、手動による追加的な作業工程を不要とすることとにある。
【0015】
更に、異なるスタックを登録する際に、どの程度良好に代表例を区別して、それにより次の識別プロセスで異なるスタックのサンプルを非常に容易に区別することが可能であるのかを自動的に検査することができることが有利である。(自動的に)大き過ぎる程の類似性が認められる場合、使用者は、類似した代表例の実際に異なる領域に印を付けることによって、この区別する課題を手動により支援することができる。
【0016】
同様に、スタックの仕分けに必要な一定数のサンプルを表示することができる。より一般的には、スタックと関連付けられた基準となる特徴の知識にもとづき、スタックの配達に関する仕分けの物流形態が簡単化され、加速される。更に、画像に関する基準となる特徴と配達地点間の関連付けは、リモートから提供することも可能である。そのことは、例えば、仕分け地点から離れた所から、基準となる特徴を伝送して、取り出し、そこのスタックをどこに配達すべきかを制御することが可能であることを意味する。また、特別な利点は、仕分け地点から世帯に至るまで、スタックを常に識別することが可能であることに有る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
・郵送物の画像に関する基準となる特徴を少なくとも一つ記録することによって、各スタックを登録することと、
・その画像に関する基準となる特徴を仕分けプランと関連付けることと、
・それに続くすべてのスタックの仕分けの際に、各スタックを新たに記録して、その基準となる特徴を識別し、その仕分けプランにもとづき配分することと、
による、宛先指定されていない郵送物が置かれている複数のスタックを仕分けるための方法。
【請求項2】
当該の基準となる特徴を、スタックに置かれている複数の郵送物の記録から、有利には、同様な郵送物の記録した領域を平均することによって検出することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
当該の記録を、デジタル式に、有利には、白黒、グレースケール又はカラーによる符号値にもとづき行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
スタックの仕分けに必要な一定数のサンプルを表示することを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
当該の画像に関する基準となる特徴と配達地点間の関連付けが、リモートから提供することが可能であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の方法。

【公表番号】特表2008−505764(P2008−505764A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531771(P2007−531771)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【国際出願番号】PCT/EP2006/007941
【国際公開番号】WO2007/022879
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(591209109)シーメンス アクチェンゲゼルシャフト (29)
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】