説明

宝探しゲーム用装置

【課題】狭い場所にも設置でき、しかも、人工的な川の流れを造りだし大人から子供までみんな楽しくかつ比較的容易に宝物が探索できるようにした宝探しゲーム用装置を提供する。
【解決手段】複数の通路ユニットa〜iを連続状に接続して形成され、上面が開放し適量の砂又は砂利29が充填されると共に通水される通路本体31を備え、該通路本体31内の途中に該通路本体31の高さよりも低い堰状の仕切壁6b,18を立設し、該通路本体31の高さを前記仕切壁6b,18を挟んでその上流側よりも下流側が低くなるように設定し、ポンプ28等の動力源により前記通路本体31の下流端部に至った水wを上流端部に送ることにより該水wが該通路本体31内を循環するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砂又は砂利内に宝石や貴金属等の宝を混入した状態で水を流し、手探りで前記宝を探すゲームとして使用する宝探しゲーム用装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、宝探しゲームとして、例えばイベントが開催される地で適宜場所を探索地域とし、その探索地域の所定個所に見つけにくいように宝石や貴金属といった宝を隠し、宝の隠し場所のヒントを基に応募者が足を使って探すようにしたものが有る(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−192373号公報(第7−8頁段落0018−段落0019)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記特許文献1の宝探しゲームでは、比較的広い敷地内で宝を探すことになるので、足を使わねばならずそれら宝を探索することが容易ではなく、子供の中には探し疲れてそれ以上探すことを断念してしまう者が現れるなど楽しく比較的容易に探索できるというゲーム本来の趣旨が十分に発揮されていないという課題が有った。
【0004】
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、狭い場所にも設置でき、しかも、人工的な川の流れを造りだし大人から子供までみんな楽しくかつ比較的容易に宝が探索できるようにした宝探しゲーム用装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的を達成するため本発明に係る宝探しゲーム用装置は、複数の通路ユニットを連続状に接続して形成され、上面が開放し適量の砂又は砂利が充填されると共に通水される通路本体を備え、前記通路本体内の途中に該通路本体の高さよりも低い堰状の仕切壁を立設し、前記通路本体の高さを前記仕切壁を挟んでその上流側よりも下流側が低くなるように設定し、ポンプ等の動力源により前記通路本体の下流端部に至った水を上流端部に戻すことにより該水が前記通路本体内を循環するようにしたことを特徴とする。
【0006】
この際、前記複数の通路ユニットは、分離可能に接続できるようにすることが好ましい。
【0007】
また、前記仕切壁は複数個設けられ、前記各仕切壁は下流側に進むに従い段階的に低くなるように設定されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る宝探しゲーム用装置は、狭い場所に設置でき、通路本体内に通水すると共に充填された砂又は砂利の中に宝石や貴金属等の宝を混入するようにしたので、ほとんど移動せずにその宝を手で探索することになるから、宝が比較的容易に探索できる。しかも、手で水に触れられるので、手探り状態となり宝探しの面白みが増すという効果がある。
【0009】
また、宝探しゲーム用装置は、通路本体内の途中に該通路本体の高さよりも低い堰状の仕切壁を立設すると共に、通路本体の高さを仕切壁を挟んでその上流側よりも下流側が低くなるように設定してなるので、背の高い大人は上流側、低い子供は下流側に位置すれば、宝の探索も容易に行なえる。
【0010】
更に、複数の通路ユニットを分離可能に接続できるようにしているので、通路ユニットを適宜組み合わせることにより宝探しゲーム用装置の平面的な形状を変更することができ、これにより設置スペースが有効に利用できる。更にまた、前記通路本体内に立設される複数の仕切壁が下流側に進むに従い段階的に低くなるように設定してなるので、これにより人工的な川の流れを造りだすことができ、恰も川の中で探索している気分になって、面白みが一段と増すという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る宝探しゲーム用装置の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明に係る宝探しゲーム用装置の斜視図、図2は同平面図、図3は同長手方向に沿った中央側面断面図である。宝探しゲーム用装置Aは、複数の通路ユニットa〜i(本発明にあっては例えば9個に分割区画されている。)からなり、それら通路ユニットa〜iを連続的に接続して構成される。これにより、人工的な川が形成できるようにしている。
【0012】
すなわち、複数の通路ユニットa〜iは、上流端通路ユニットaと上流側通路ユニットb、中流側コーナー通路ユニットcと中流側第一通路ユニットdと中流側コーナー通路ユニットeと中流側第二通路ユニットf、下流側コーナー通路ユニットgと下流側通路ユニットhと下流端通路ユニットiからなる。これら通路ユニットa〜iは、金属製であって上部の通路部材1と該通路部材1を下から保持する枠部材2とから構成される。通路部材1は、横断面凹型に形成され接続端面は開口している。また、枠部材2は、略直方体形状に形成される。なお、通路ユニットa〜iは、他に木製であっても良く、水が漏れない構造であれば材質を自由に選択できる。
【0013】
例えば、上流端通路ユニットaにおける上部の通路部材1は、上流端面が上流端壁3により塞がれ、接続面側を残して外周縁の上端に外側へ水平に折曲がり枠部材2に支持される鍔片4が周設されている。そして、通路部材1内の底壁5上面に堰状の上流仕切壁6aが立設される。これにより、上流端壁3と上流仕切壁6aとの間に泥溜室7が形成される。上流端通路ユニットaと上流側通路ユニットbの高さ、すなわち両通路部材1,1における両側壁8,8の高さは同じであるが、上流仕切壁6aの高さはそれら側壁8,8の高さよりも低く設定されている。前記泥溜室7の底壁5には、その内部に溜まる泥を外部へ排出するためその途中に開閉弁10を取着した排出パイプ9が設けられている。
【0014】
上流端通路ユニットaにおける下部の枠部材2は、角パイプにより長手方向に沿った両側が方形状に枠組みされ、それらの上部杆2a,2aで通路部材1が支持される。また、両下部杆2b,2bには、図4、図5に示すようにそれら両端部にそれぞれ鉛直な螺子孔11が貫設され、該各螺子孔11に上流端通路ユニットaの高さや水平度を調節するための調整ボルト12が螺合し、各下部杆2bの上下面で各調整ボルト12にナット13,13が螺合される。そして、これらナット13,13を緩めて各調整ボルト12を回動させつつ上下に移動させることにより、上流端通路ユニットaの高さや水平度を調節するようにしている。
【0015】
上流端通路ユニットaにおける接続側であってその両側の鉛直杆2c,2cとその間に差し渡される中杆2dとの接続面に、連結ボルト14を挿通するためのボルト挿通孔15が複数貫設される。また、両鉛直杆2c,2cの上部と中杆2dとの接続面に、コ字型の防水パッキン16が取着される。この防水パッキン16は、通路部材1の接続面側における両側縁と下縁とを囲うように配置され、前記各ボルト挿通孔15に対応位置して同じボルト挿通孔17が貫設されている。
【0016】
次に、上流端通路ユニットaに隣接してその下流側に位置する上流側通路ユニットbについて説明する。この上流側通路ユニットbは、比較的長く形成され、通路部材1内の下流側に位置して堰状の上流仕切壁6bが立設される。これにより、その上流仕切壁6bを挟んで底壁5上面を含め通路部材1の高さが、上流側よりも下流側が低くなるように設定される。この上流仕切壁6bは、上流端通路ユニットaの上流仕切壁6aと同じ高さを有し、かつ、通路部材1の側壁8,8の高さよりも低く設定される。
【0017】
また、枠部材2の上流側の接続面には、上流端通路ユニットaと同様に両側の鉛直杆2c,2cとその間に差し渡される中杆2dとの接続面に、連結ボルト14を挿通するためのボルト挿通孔15が複数貫設される。更に、両鉛直杆2c,2cの上部と中杆2dとの接続面に、コ字型の防水パッキン16が取着される。この防水パッキン16も、通路部材1の接続面側における両側縁と下縁とを囲うように配置され、前記各ボルト挿通孔15に対応位置して同じボルト挿通孔17が貫設されている。説明は省略するが、前記枠部材2の下流側の接続面も同様にボルト挿通孔15が貫設され、また、防水パッキン16が取着される。
【0018】
残りの中流側コーナー通路ユニットc,eや下流側コーナー通路ユニットgは、平面L字型に形成され、中流側第二通路ユニットfにおける通路部材1内の下流側に堰状の中流仕切壁18が立設される。また、下流端通路ユニットiにおける通路部材1の下流端面が下流端壁19により塞がれており、その通路部材1内に上流側と下流側とに位置して一対の第一・第二下流仕切壁20a,20bが立設されている。これら第一・第二下流仕切壁20a,20bは通路部材1の高さよりも低いが共に同じ高さを有し、その間に泥溜室21が形成される。該泥溜室21の底壁5にも、その内部に溜まる泥を排出するため途中に開閉弁10を取着した排出パイプ9が設けられる。
【0019】
第二下流仕切壁20bと下流端壁19との間には、水汲み上げ室22が形成される。この水汲み上げ室22内に、後記する循環パイプ27の一端が差し込まれる。これら構成以外は、前記上流端通路ユニットaや上流側通路ユニットbと同じ構成を採っているので、同じ部位は同じ番号を附すことにより詳しい説明は省略する。
【0020】
そこで、例えば上流端通路ユニットaと上流側通路ユニットbとを連結するには、図4に示すように互いの接続面を対向位置させ、これらを当接した状態で各ボルト挿通孔15,17に連結ボルト14を挿通し、図5に示すようにナット23を螺締する。この際、当接される両通路部材1,1間には、防水パッキン16,16が介装されるので、その接合部の隙間から水が漏れることはない。以下同様にして通路ユニットc〜iを接続する。このようにして、各通路ユニットa〜iがそれぞれ分離可能に接続できることになる。そして、図2に示すように宝探しゲーム用装置Aが配置される。この状態で、各調整ボルト12の上下のナット13,13を緩めてそれら調整ボルト12を上下動させ、他の通路ユニットc〜iの高さや水平度をしっかりと設定する。これにより、各通路部材1,1…が連続状に接続されて通路本体31が形成される。
【0021】
次に、上流端通路ユニットaの泥溜室7の上方に、水道管(図示せず。)から引き込んだ供給パイプ24の一端を臨ませる。この供給パイプ24には、その途中に温水器25が接続され、その先端部に水の流量を調節するハンドル26が取着される。また、循環パイプ27の一端を下流端通路ユニットiの水汲み上げ室22内に差し込み、他端を前記泥溜室7に上から臨ませる。この循環パイプ27には、動力源としてのポンプ28が接続される。
【0022】
これにより、通路本体31、詳しくは両側壁8,8上端は、上流仕切壁6bと中流仕切壁18を境として下流側へ進むに従いその高さが段階的に低くなるように形成される。これに伴い、上流仕切壁6と中流仕切壁18を境としてその底壁5上面も下流側へ進むに従いその高さが段階的に低くなるように形成される。また、上流仕切壁6bと中流仕切壁18自体も上流仕切壁6bより中流仕切壁18の方が低くなるように設定されている。
【0023】
最後に、通路本体31内に、適量の砂又は砂利29を敷き詰めると共にその中に宝石又は貴金属等の宝30を混入させる。但し、両泥溜室7,21と水汲み上げ室22内には、砂又は砂利29を充填しない。この状態で、供給パイプ24から水wを供給する。これにより、泥溜室7に溜まった水wは、上流仕切壁6aを乗り越えて通路本体31内を順次下流側へ流れ、下流端部の泥溜室21、更には水汲み上げ室22内に達して一杯になる。ここで、供給パイプ24からの水wの供給を停止する。
【0024】
本発明に係る宝探しゲーム用装置Aは上記構成からなり、次にその使用方法について説明する。
まず、宝探しゲーム用装置Aの通路本体31に沿ってその両側の適宜位置に、遊技者を配置させる。この場合、通路本体31の上流側が高くその底壁5上面も高いことから、その部位には背の高い大人を配置させるのが好ましい。一方、通路本体31の下流側は低くその底壁5上面も低いことから、その部位には背の低い子供を配置させるのが好ましい。
【0025】
この状態で、循環パイプ27に連結したポンプ28を駆動させ、通路本体31内の水wを循環させる。なお、この際、水の供給は必要に応じて適宜追加するようにする。そして、遊技者は、砂又は砂利29内に手を入れて宝30を探して楽しむ。このように、ほとんど移動せずに宝30を手で探索することになるから、宝30が比較的容易に探索できる。しかも、手で水に触れられるので、ほとんど手探り状態となり宝探しの面白みが増す。また、通路本体31内の途中に該通路本体31の高さよりも低い堰状の仕切壁6b,18を立設すると共に、通路本体31の高さを仕切壁6b,18を挟んでその上流側よりも下流側が低くなるように設定してなるので、背の高い大人は上流側、低い子供は下流側に位置すれば、宝30の探索も容易に行なえる。
【0026】
また、複数の通路ユニットa〜iを分離可能に接続できるようにしているので、通路ユニットa〜iを適宜組み合わせることにより宝探しゲーム用装置Aの平面的な形状を変更することができ、これにより設置スペースが有効に利用できる。更にまた、通路本体31内に立設される複数の仕切壁が下流側に進むに従い段階的に低くなるように設定されるので、これにより人工的な川の流れを造りだすことができ、恰も川の中で探索している気分になって、面白みが一段と増す。
【0027】
稼働中に、泥溜室7,21内に砂やゴミが溜まったときは、排出パイプ9の開閉弁10を緩めて泥などを外に排出する。これにより、常にきれいな水を使用することができて清潔であり気持ちが良い。しかも、通路本体31内の水wをポンプ28により循環するようにしているので、水道の使用量が節約できる。また、冬など寒い時期には温水器25を作動させて水wを温め、温水を使用するようにすれば、遊技者も手が冷たくならず楽しさを殺がれることはない。
【0028】
図6は通路ユニットa〜iの他の接続方法を示したものであり、このように接続方法を変更することで、宝探しゲーム用装置Aの平面的な形状が変えられ、設置スペースに合わせて配置できる。
【0029】
宝30としては、宝石や貴金属に限らず、他にコイン、化石でも良く、また、子供を対象としたときは、小さいおもちゃであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る宝探しゲーム用装置の斜視図。
【図2】同平面図。
【図3】同長手方向に沿った中央側面断面図。
【図4】通路ユニットの接続部の拡大分解斜視図。
【図5】同接続状態を示す側面断面図。
【図6】宝探しゲーム用装置の他の実施の形態を示す平面図。
【符号の説明】
【0031】
6b 仕切壁(上流仕切壁)
18 仕切壁(中流仕切壁)
28 ポンプ
29 砂又は砂利
31 通路本体
A 宝探しゲーム用装置
a〜i 通路ユニット
w 水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通路ユニットを連続状に接続して形成され、上面が開放し適量の砂又は砂利が充填されると共に通水される通路本体を備え、前記通路本体内の途中に該通路本体の高さよりも低い堰状の仕切壁を立設し、前記通路本体の高さを前記仕切壁を挟んでその上流側よりも下流側が低くなるように設定し、ポンプ等の動力源により前記通路本体の下流端部に至った水を上流端部に戻すことにより該水が前記通路本体内を循環するようにしたことを特徴とする宝探しゲーム用装置。
【請求項2】
前記複数の通路ユニットは、分離可能に接続できるようにした請求項1記載の宝探しゲーム用装置。
【請求項3】
前記仕切壁は複数個設けられ、前記各仕切壁は下流側に進むに従い段階的に低くなるように設定されている請求項1又は2記載の宝探しゲーム用装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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