実質的に連続的に分布した吸収性粒子状ポリマー材料を有する、より良好にフィットする使い捨て吸収性物品
使い捨て吸収性物品は、セルロースを実質的に含まない吸収性コアと、トップシート及びバックシートを包含するシャーシとを包含し、前記吸収性コアは、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置されている。シャーシは、シャーシに接合した1対のサイドパネルを包含してもよく、サイドパネルは、長手方向縁部を超えて横方向外側に延伸し、各サイドパネルは、横方向にベクトル成分を有する方向に延伸可能な少なくとも1つのゾーンを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に吸収性物品に関し、更に詳細には、吸収性粒子状ポリマー材料を有する使い捨て吸収性衣類、例えばテープ型おむつ又はトレーニングパンツに関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつ、トレーニングパンツ、及び成人失禁用下着のような吸収性物品は、身体排出物を吸収し封じ込める。これらはまた、身体排出物が着用者と接触する衣類又は寝具などの他の物品をよごし、濡らし、ないしは別の方法で汚染するのを防止するように意図されている。使い捨ておむつのような使い捨て吸収性物品は、乾燥した状態又は尿が沁み込んだ状態で数時間にわたって着用されることがある。したがって、物品の吸収及び封入機能を維持又は向上する一方で、物品が乾燥しているときと物品が液体排出物で全体的又は部分的に負荷されたときの両方において、着用者に対する吸収性物品のフィット性及び快適性を改善する努力がなされてきた。
【0003】
おむつのような幾つかの吸収性物品は、吸収性粒子状ポリマー材料のような吸収性ポリマー材料(超吸収性ポリマーとしても知られる)を含有する。吸収性粒子状ポリマー材料は、液体を吸収して膨張し、最良の吸収性、フィット性、及び/又は快適性を意図する一定のパターン又は配列で吸収性物品内に配置されたときに、より効果的であることがある。それ故、吸収性粒子状ポリマー材料は、吸収性物品においてその意図された位置に留まるのが望ましいことがあり、したがって、吸収性粒子状ポリマー材料は、望ましくは、吸収性物品が乾燥しているとき及び濡れているときに吸収性粒子状ポリマー材料が不動化された状態を維持するように、吸収性物品内で不動化される。
【0004】
吸収性であることに加えて、おむつのような吸収性物品は、望ましくは、使用中の安楽性及び快適性のために、また、より便利で整ったパッケージ化及び保管のために薄く可撓性であることがある。吸収性物品は、大量に使用されることが多く、廉価であるのが望ましいこともある。吸収性物品内で吸収性粒子状ポリマー材料を不動化する幾つかの技術によって、吸収性物品の嵩(かさ)が増し、これにより、厚さが増大し、可撓性が低減し、及び/又は吸収性物品のコストが増大する。吸収性物品内で吸収性粒子状ポリマー材料を不動化するための他の技術は、吸収性物品が濡れた状態にあるときには、乾燥した状態にあるときほど不動化を維持するのに効果的でないことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、乾燥した状態及び濡れた状態における物品内での吸収性粒子状ポリマー材料の不動化を向上させた吸収性粒子状ポリマー材料を含有する、薄く、可撓性の、及び/又は廉価な吸収性物品の必要性が残っている。吸収性コアによる吸収前及び吸収中に、放出された液体排出物の有効な保持を低減することなく又は更には向上させながら、この必要性を満たすことは更に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の1つ以上の技術的問題を解決し、並びにシャーシと、吸収性粒子状ポリマー材料を含み、セルロースを実質的に含まない吸収性コアとを含んでもよい使い捨て吸収性物品を提供する。シャーシは、終縁部及び長手方向縁部を有してもよく、並びにトップシート及びバックシートを含有してもよい。吸収性コアはトップシートとバックシートとの間に配置されている。シャーシは、シャーシに接合された1対のサイドパネルを包含してもよく、サイドパネルは、長手方向縁部を超えて横方向外側に延伸し、各サイドパネルは、横方向にベクトル成分を有する方向に弾性的に延伸可能な少なくとも1つのゾーンを有する。
【0007】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の発明を実施するための形態、図面、及び特許請求の範囲を読めば明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態によるおむつの平面図。
【図2】図1に示したおむつを図1の断面線2−2に沿って切断した断面図。
【図3】本発明の一実施形態による吸収性コア層の部分断面図。
【図4】本発明の別の実施形態による吸収性コア層の部分断面図。
【図5】図3に例示された吸収性コア層の平面図。
【図6】本発明の一実施形態による第2吸収性コア層の平面図。
【図7A】図5及び6に例示された第1吸収性コア層及び第2吸収性コア層の組み合わせを含む吸収性コアの部分断面図。
【図7B】図5及び6に例示された第1吸収性コア層及び第2吸収性コア層の組み合わせを含む吸収性コアの部分断面図。
【図8】図7A及び7Bに例示された吸収性コアの平面図。
【図9】レオメーターの略図。
【図10】本発明の一実施形態による吸収性コア作製プロセスの模式図。
【図11】本発明の一実施形態による吸収性コアを作製するための装置の部分断面図。
【図12】図11に例示された印刷ロールの斜視図。
【図13】吸収性粒子状ポリマー材料リザーバを示す図12に例示された印刷ロールの部分断面図。
【図14】図12に例示された支持ロールの斜視図。
【図15】本発明の別の実施形態によるおむつの平面図であり、下層構造が見えるように一部を切り取った、観察者に面するおむつの外側表面。
【図16】本発明の1つの実施形態によるサイドパネルの代替的実施形態の断片的平面図。
【図17A】構造の詳細を示すために拡大された、図16に示される領域17Aの平面図。
【図17B】構造の詳細を示すために拡大された、図16に示される領域17Bの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以上に要約されたように、本発明は、セルロースを実質的に含まなくてもよい吸収性コアを有する、おむつのような吸収性物品を包含してもよい。セルロースを実質的に含まないコアと、弾性的に延伸可能なゾーンを有するサイドパネルとの組み合わせは、使い捨て吸収性物品からの漏れの可能性を高めずに、より大きい快適性のために、改善された柔軟性、可撓性、及び着用者の身体への適合性を有する使い捨て吸収性物品を有利に提供することがある。
【0010】
「吸収性物品」とは、身体排出物を吸収しかつ封じ込めるデバイスを指し、より具体的には、着用者の身体に接して又は近接して配置されて、身体から排出される様々な排出物を吸収しかつ封じ込めるデバイスを指す。吸収性物品としては、おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁下着、女性用衛生製品、胸パッド、ケアマット、よだれ掛け、創傷包帯製品及び同種のものを挙げてもよい。本明細書で使用するとき、用語「体液」又は「身体排出物」とは、尿、血液、膣排泄物、母乳、汗及び糞便を包含するが、これらに限定されない。
【0011】
「吸収性コア」は、吸収性物品によって受け取られた液体を吸収し封入するために、吸収性物品のトップシートとバックシートとの間に通常配置される構造体を意味し、1つ以上の基材と、1つ以上の基材上に配置された吸収性ポリマー材料と、吸収性粒子状ポリマー材料を1つ以上の基材上に不動化するための、吸収性粒子状ポリマー材料上及び1つ以上の基材の少なくとも一部分上の熱可塑性組成物とを含んでもよい。多層の吸収性コアにおいて、吸収性コアは被覆層を包含してもよい。1つ以上の基材及び被覆層は、不織布を備えてもよい。更に、吸収性コアは、実質的にセルロースを含まない。吸収性コアは、吸収性物品の捕捉システム、トップシート、又はバックシートを包含しない。特定の実施形態では、吸収性コアは、1つ以上の基材と、吸収性ポリマー材料と、熱可塑性組成物と、所望により被覆層とから本質的になる。
【0012】
「吸収性ポリマー材料」、「吸収性ゲル材料」、「AGM」、「超吸収体」、及び「超吸収性材料」は、本明細書で互換的に使用され、遠心分離器保持容量(Centrifuge Retention Capacity)試験(エダナ(Edana)441.2−01)を使用して測定されたときに、水性の0.9%食塩水溶液をその重量の少なくとも5倍吸収可能な架橋された高分子材料を指す。
【0013】
「吸収性粒子状ポリマー材料」は、乾燥した状態で流動可能なように粒子状形態である吸収性ポリマー材料を指すために本明細書で使用される。
【0014】
「吸収性粒子状ポリマー材料領域」は、本明細書で使用するとき、第1基材64及び第2基材72が多数の超吸収性粒子によって隔てられているコアの領域を指す。図8では、吸収性粒子状ポリマー材料領域の境界は、重なり合った円の外辺部によって画定される。この外辺部の外側には、第1基材64と第2基材72との間に幾つかの外部超吸収性粒子が存在してもよい。
【0015】
「エアフェルト」は、本明細書において、セルロース繊維の一形態である粉砕木材パルプを指すのに使用される。
【0016】
「含む」、「含んでいる」は制約のない用語であり、それぞれは後に続くもの、例えば、構成要素の存在を特定するが、他の特徴、例えば当該技術分野において既知の又は本明細書に開示される要素、工程、構成要素の存在を除外しない。
【0017】
本明細書において「本質的に〜からなる」とは、請求項におけるようなものの対象の範囲を、特定の材料又は工程、及び対象の基本的で新しい特徴に実質的に影響しないものに限定するのに使用される。
【0018】
「使い捨て」は、通常の意味では、様々な期間にわたって限定された使用回数、例えば、約20回未満、約10回未満、約5回未満、又は約2回未満の後に、処分される又は廃棄される物品を意味するのに使用される。
【0019】
「おむつ」とは、幼児及び失禁症状のある人によって、着用者の腰部及び脚部を取り巻くように、胴体下部の周りに一般に着用され、具体的には、尿及び糞便を受容し及び封じ込めるように適合されている吸収性物品を指す。本明細書で使用するとき、用語「おむつ」は、以下で定義されている「パンツ」も包含する。
【0020】
「弾性的」、「弾性的に延伸可能な」、及び「伸縮性のある」とは、本明細書では、おむつ又は他の使い捨て吸収性物品の材料及び/又は要素の性質であって、その材料及び/又は要素が、張力の適用時に裂け目又は壊滅的な破損なしに、その元の未延伸状態の長さの少なくとも150%まで伸長されることができ、及び張力が解除された後に、その元の長さに又はその元の長さに近い長さに実質的に戻る性質を指す。
【0021】
「繊維」及び「フィラメント」は、同じ意味で使用される。
【0022】
「不織布」は、一方向に又は不規則に配向され、摩擦及び/又は粘着及び/又は接着により固着された繊維の、人造シート、ウェブ、又はバットであるが、紙と、縫うかどうかを問わず、織られた、編まれた、房状の、糸若しくはフィラメントの結合を組み込んでステッチボンドされた、又は湿式ミリングによるフェルト加工された製品と、を除く。繊維は天然起源のものであっても人工起源のものであってもよく、ステープル又は連続フィラメントであっても、若しくはその場で形成されてもよい。市販の繊維は、約0.001mm未満から約0.2mmを超える範囲の直径を有し、いくつかの異なる形態、短繊維(ステープル繊維又は細断繊維として知られる)、連続単繊維(フィラメント又はモノフィラメント)、連続フィラメントの撚っていない束(麻くず(tow))、及び連続フィラメントの撚り束(編み糸)、によって提供される。不織布は、メルトブローイング、スパンボンディング、溶剤紡糸、電界紡糸、及びカーディングなど、多くの方法により形成できる。不織布の坪量は通常、平方メートル当たりのグラム(gsm)で表される。
【0023】
「パンツ」又は「トレーニングパンツ」は、本明細書で使用するとき、幼児又は成人の着用者用に設計された腰部開口部及び脚部開口部を有する使い捨て衣類を指す。パンツは、着用者の脚を脚部開口に挿入し、パンツを着用者の胴体下部周りの位置にまで滑らせることによって着用者の所定位置に配置されてもよい。パンツは、いかなる好適な技法によって予備形成されてもよく、これには再締結可能及び/又は再締結不可能な結合(例えば、縫い目、溶着、接着剤、粘着性結合、締結具など)を用いて物品の一部を互いに接合することが挙げられるが、これらに限定されない。パンツは、物品の周囲沿いのいずれかの箇所で(例えば、側面締結、前側腰部締結)予備形成されてもよい。用語「パンツ」又は「パンツ類」が本明細書では使用されるが、パンツはまた一般的に「密閉型おむつ」、「事前締結型(prefastened)おむつ」、「プルオンおむつ」、「トレーニングパンツ」、及び「おむつパンツ」とも呼ばれる。好適なパンツが、米国特許第5,246,433号(ハッセ(Hasse)ら、1993年9月21日発行)、同第5,569,234号(ブエル(Buell)ら、1996年10月29日発行)、同第6,120,487号(アシュトン(Ashton)、2000年9月19日発行)、同第6,120,489号(ジョンソン(Johnson)ら、2000年9月19日発行)、同第4,940,464号(バン・ゴンペル(Van Gompel)ら、1990年7月10日発行)、同第5,092,861号(ノムラ(Nomura)ら,1992年3月3日発行)、米国特許公開第2003/0233082A1号、名称「高可撓性及び低変形性締結装置(Highly Flexible And Low Deformation Fastening Device)」(2002年6月13日出願)、米国特許第5,897,545号(クライン(Kline)ら、1999年4月27日発行)、米国特許第5,957,908号(クライン(Kline)ら、1999年9月28日発行)に開示されている。
【0024】
「実質的にセルロースを含まない」とは、本明細書では、10重量%未満のセルロース繊維、5重量%未満のセルロース繊維、1重量%未満のセルロース繊維を含有する、セルロース繊維を含有しない、又は微量を超えたセルロース繊維を含有しない、吸収性コアなどの物品を述べるのに使用される。微量のセルロース繊維は、吸収性コアの薄さ、吸収性コアの柔軟性、又は吸収性コアの吸収力に実質的に影響しない。
【0025】
「実質的に連続的に分布した」は、本明細書で使用するとき、吸収性粒子状ポリマー材料領域内において、第1基材64と第2基材72が多数の超吸収性粒子によって隔てられていることを示す。吸収性粒子状ポリマー材料領域において、第1基材64と第2基材72との間に小さな偶然接触領域が存在してもよいことが認められる。第1基材64と第2基材72との間にある偶然接触領域は、意図的であっても意図的でなくてもよい(例えば人工物の製造)が、枕状体(pillows)、ポケット、管、キルトパターンなどのような幾何学的配置を形成しない。
【0026】
「熱可塑性接着剤材料」は、本明細書で使用するとき、乾燥した状態及び濡れた状態の両方において超吸収性材料を不動化する目的で超吸収性材料に塗布され、繊維が形成されるポリマー組成物を含むものと解される。本発明の熱可塑性接着剤材料は、超吸収性材料を覆って繊維性網状組織を形成する。
【0027】
「厚さ」及び「キャリパー」は、本明細書において同じ意味で使用される。
【0028】
図1は、本発明の特定の実施形態によるおむつ10の平面図である。おむつ10は、その広げられた非収縮(弾性による収縮がない)状態で示され、おむつ10の一部は、おむつ10の下層構造をより明瞭に示すために、切り取られている。着用者に接触するおむつ10の部分は、図1において観察者の方を向いている。おむつ10は、一般に、シャーシ12と、シャーシ内に配置される吸収性コア14とを含んでもよい。
【0029】
図1におけるおむつ10のシャーシ12は、おむつ10の本体を含んでもよい。シャーシ12は、液体透過性であり得るトップシート18、及び/又は液体不透過性であり得るバックシート20を包含する外側カバー16を含んでもよい。吸収性コア14は、トップシート18とバックシート20との間に包まれていることもある。シャーシ12は、サイドパネル22、弾性レッグカフ24、及び弾性ウエスト機構26を更に包含してもよい。
【0030】
レッグカフ24及び弾性ウエスト機構26は通常、弾性部材28をそれぞれ含んでもよい。おむつ10の1つの末端部は、おむつ10の第1腰部区域30として構成されてもよい。おむつ10の反対側の末端部は、おむつ10の第2腰部区域32として構成されてもよい。おむつ10の中間部分は、股部区域34として構成されてもよく、これは、第1腰部区域30と第2腰部区域32との間を長手方向に延びている。腰部区域30及び腰部区域32は、着用者のウエストの周りでギャザーを寄せて改善されたフィット性及び封入性をもたらすように、弾性要素を包含してもよい(弾性ウエスト機構26)。股部区域34は、おむつ10が着用されたとき、通常、着用者の脚の間に配置される、おむつ10の部分である。
【0031】
おむつ10は、その長手方向軸36及び横断方向軸38と共に図1に描かれている。おむつ10の外周40は、長手方向縁部42がおむつ10の長手方向軸36に対して概ね平行に延び、終縁部44がおむつ10の横断方向軸38に対して概ね平行に長手方向縁部42の間を延びる、おむつ10の外側縁部によって画定される。シャーシ12は、締結装置もまた含んでよく、これは少なくとも1つの締結部材46と、少なくとも1つの格納されたランディング領域48とを包含してもよい。
【0032】
また、当該技術分野において既知のその他の機構(前及び後耳パネル、ウエストキャップ機構、弾性体などを包含する)をおむつ20に搭載して、フィット性、封入性、美的特性を向上させてもよい。このような追加機構は当該技術分野において周知であり、例えば、米国特許第3,860,003号及び同第5,151,092号に記載されている。
【0033】
おむつ10を着用者の周りの定位置に保持するために、第1腰部区域30の少なくとも一部は、締結部材46によって第2腰部区域32の少なくとも一部に取り付けられて、脚部開口部(単数又は複数)及び物品の腰部を形成してもよい。締結するとき、締結装置が物品の腰部周辺の引張荷重を支える。締結装置により、物品のユーザーは、締結装置の1要素、例えば締結部材46を持ち、少なくとも2箇所で第1腰部区域30を第2腰部区域32に連結させることができる。これは、締結装置要素間の固着強度の操作により達成されてもよい。
【0034】
特定の実施形態によると、おむつ10は、再閉止可能な締結装置を備えてもよく、あるいは、パンツ型おむつの形態で提供されてもよい。吸収性物品がおむつである場合、おむつを着用者に固定するために、シャーシに接合した再閉止可能な締結装置を含んでもよい。吸収性物品がパンツ型おむつである場合、物品は、シャーシに、また互いに接合した少なくとも2つのサイドパネルを含み、パンツを形成してもよい。締結装置及びそのいずれの構成要素も、このような使用に好適ないずれの材料を包含してもよく、それにはプラスチック、フィルム、発泡体、不織布、織布、紙、ラミネート、繊維強化プラスチックなど、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、締結装置を構成する材料は、可撓性であり得る。可撓性により、締結装置を体の形状に適合できることがあり、ひいては締結装置が着用者の皮膚に刺激を与えたり又は傷つけたりする可能性を低減することがある。
【0035】
一体型吸収性物品の場合、シャーシ12及び吸収性コア14は、おむつの複合構造を形成するために追加される他の機構と共におむつ10の主構造を形成してもよい。トップシート18、バックシート20、及び吸収性コア14は、様々な周知の構成に組み立てることができるが、好ましいおむつ構成は、米国特許第5,554,145号(ロー(Roe)ら、1996年9月10日発行)、名称「複数の領域の構造的に弾性様のフィルムウェブの伸張可能な腰部機構を有する吸収性物品(Absorbent Article With Multiple Zone Structural Elastic-Like Film Web Extensible Waist Feature)」、同第5,569,234号(ブエル(Buell)ら、1996年10月29日発行)、名称「使い捨てプルオンパンツ(Disposable Pull-On Pant)」、及び同第6,004,306号(ローブルス(Robles)ら、1999年12月21日発行)、名称「多方向延伸性サイドパネルを有する吸収性物品(Absorbent Article With Multi-Directional Extensible Side Panels)」に概ね記載される。
【0036】
図1のトップシート18は、全体的に又は部分的に伸縮性を持たせてもよく、又は縮小してトップシート18と吸収性コア14との間に空間を提供してもよい。伸縮性の又は縮小させたトップシートを包含する代表的な構造は、米国特許第5,037,416号(アレン(Allen)ら、1991年8月6日発行)、名称「弾性的延伸性のトップシートを有する使い捨て吸収性物品(Disposable Absorbent Article Having Elastically Extensible Top sheet)」、及び同第5,269,775号(フリーランド(Freeland)ら、1993年12月14日発行)、名称「使い捨て吸収性物品用の三分割トップシート及びその三分割トップシートを有する使い捨て吸収性物品(Trisection Top sheets for Disposable Absorbent Articles and Disposable Absorbent Articles Having Such Trisection Top sheets)」に更に詳細に記載されている。
【0037】
バックシート26は、トップシート18に接合されてもよい。バックシート20は、吸収性コア14によって吸収され、おむつ10内に収容される排出物が、ベッドシーツ及び下着などの、おむつ10に接触する可能性があるその他の外部物品を汚すのを防いでもよい。特定の実施形態では、バックシート26は、液体(例えば、尿)に対して実質的に不透過性であってもよく、不織布のラミネート及び約0.012mm(0.5ミル)〜約0.051mm(2.0ミル)の厚さを有する熱可塑性フィルムのような薄いプラスチックフィルムを含んでもよい。好適なバックシートフィルムには、インディアナ州テレホート(Terre Haute)のトレデガー・インダストリーズ社(Tredegar Industries Inc.)により製造され、X15306、X10962、及びX10964の商標名で販売されるものが挙げられる。他の好適なバックシート材料としては、蒸気をおむつ10から逃がす一方で液体排出物がバックシート10を通過するのを依然として防止する通気性材料を挙げてもよい。代表的な通気性材料としては、織布ウェブ、不織布ウェブのような材料、フィルムコートされた不織布ウェブのような複合材料、及び三井東圧社(Mitsui Toatsu Co.)(日本)によりエスポワール(ESPOIR)NOの表記で製造されるような、またエクソンケミカル社(EXXSON Chemical Co.)(テキサス州ベイシティー(Bay City))によりエクサエール(EXXAIRE)の表記で製造されるようなミクロ孔質フィルムを挙げてもよい。ポリマーブレンドを含む好適な通気性複合材料は、クロペイ社(Clopay Corporation)(オハイオ州シンシナティ(Cincinnati))からハイトレル(HYTREL)ブレンドP18−3097の名称で入手できる。そのような通気性複合材料は、PCT出願WO95/16746(E.I.デュポンの名義で1995年6月22日公開)に更に詳細に記載されている。不織布ウェブ及び孔あき成形フィルムを包含する他の通気性バックシートが、米国特許第5,571,096号(ドブリン(Dobrin)ら、1996年11月5日発行)に記載されている。
【0038】
特定の実施形態において、本発明のバックシートは、WSP 70.5(08)に従って、37.8℃及び相対湿度60%で測定され、約2000g/24h/m2を超える、約3000g/24h/m2を超える、約5000g/24h/m2を超える、約6000g/24h/m2を超える、約7000g/24h/m2を超える、約8000g/24h/m2を超える、約9000g/24h/m2を超える、約10000g/24h/m2を超える、約11000g/24h/m2を超える、約12000g/24h/m2を超える、約15000g/24h/m2を超える透湿度(WVTR)を有してもよい。
【0039】
図2は、図1の断面線2−2に沿った図1の断面図を示す。着用者に面する側から順に、おむつ10は、トップシート18と、吸収性コア14の構成要素と、バックシート20と、を含んでもよい。特定の実施形態によると、おむつ10はまた、液体透過性トップシート18と吸収性コア14の着用者に面する側との間に配置される捕捉システム50を含んでもよい。捕捉システム50は、吸収性コアと直接接触していてもよい。捕捉システム50は、単一層を含んでもよく、又は、着用者の皮膚に面する上部捕捉層52及び着用者の衣類に面する下部捕捉層54などの多層を含んでもよい。特定の実施形態によると、捕捉システム50は、尿の噴出のような急増する液体を受け取るように機能してもよい。換言すれば、捕捉システム50は、吸収性コア14が液体を吸収できるまで液体の一時的なリザーバとしての機能を果たしてもよい。
【0040】
特定の実施形態では、捕捉システム50は、化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよい。このような架橋されたセルロース繊維は、望ましい吸収力特性を有してもよい。代表的な化学的に架橋されたセルロース繊維は、米国特許第5,137,537号に開示されている。特定の実施形態では、化学的に架橋されたセルロース繊維は、グルコース単位に基づいて、約0.5モル%〜約10.0モル%のC2〜C9ポリカルボン酸架橋剤、又は約1.5モル%〜約6.0モル%のC2〜C9ポリカルボン酸架橋剤により架橋される。クエン酸は、代表的な架橋剤である。他の実施形態では、ポリアクリル酸が使用されてもよい。更に、特定の実施形態によると、架橋されたセルロース繊維は、約25〜約60、又は約28〜約50、又は約30〜約45の保水度を有する。保水度を決定するための方法は、米国特許第5,137,537号に開示されている。特定の実施形態によると、架橋されたセルロース繊維は、捲縮されるか、撚り合わされるか、又はカールされてもよく、あるいは、捲縮、撚り合わせ、及びカールを包含するそれらの組み合わせであってもよい。
【0041】
特定の実施形態では、上部捕捉層52及び下部捕捉層54の一方又は両方は、親水性であり得る不織布を含んでもよい。更に、特定の実施形態によると、上部捕捉層52及び下部捕捉層54の一方又は両方が化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよく、これらセルロース繊維は不織布材料の一部を形成しても形成しなくてもよい。代表的な実施形態によると、上部捕捉層52は、架橋されたセルロース繊維を有さない不織布を含んでもよく、下部捕捉層54は、化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよい。更に、一実施形態によると、下部捕捉層54は、天然又は合成高分子繊維などの他の繊維と混合された、化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよい。代表的な実施形態によると、このような他の天然又は合成高分子繊維には、表面積の大きな繊維、熱可塑性結合繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、PET繊維、レーヨン繊維、リオセル繊維、及びこれらの混合物が含まれてもよい。特定の実施形態によると、下部捕捉層54は、全乾燥重量を有し、架橋されたセルロース繊維は、上部捕捉層において乾燥重量基準で下部捕捉層54の約30重量%〜約95重量%の量で存在しており、また、他の天然又は合成高分子繊維は、下部捕捉層54において乾燥重量基準で下部捕捉層54の約70重量%〜約5重量%の量で存在している。別の実施形態によると、架橋されたセルロース繊維は、第1捕捉層において乾燥重量基準で下部捕捉層54の約80重量%〜約90重量%の量で存在しており、また、他の天然又は合成高分子繊維は、下部捕捉層54において乾燥重量基準で下部捕捉層54の約20重量%〜約10重量%の量で存在している。
【0042】
特定の実施形態によると、下部捕捉層54は、望ましくは高い流体吸い上げ能力を有する。流体吸い上げは、吸収性材料のグラム当たりに吸収された流体のグラムにより測定されて、「最大吸い上げ」値により表される。したがって、高い流体吸い上げは、材料の高い容量に対応しており、捕捉材料により吸収されるべき流体の完全な捕捉を確実にするので、有益である。代表的な実施形態によると、下部捕捉層54は、約10g/gの最大吸い上げを有する。
【0043】
上部捕捉層54の関連属性は、その中間脱着圧(MDP)である。MDPは、2068Pa(0.3psi)が印加された機械的圧力の下で、0cmの毛管吸引高さにおいて、その容量の約50%まで下部捕捉層54を脱水するのに必要な毛管圧の測定値である。一般に、比較的より低いMDPが有用であってもよい。より低いMDPによって、下部捕捉層54は、上部捕捉材料からより効果的に排液させることが可能になってもよい。理論に束縛されるものではないが、所与の分配材料は、規定可能な(definable)毛管吸引力を有してもよい。下部捕捉層54が毛管力によって液体を縦方向に移動させる能力は、重力、及び上部捕捉層の脱着と関連した対向する毛管力によって直接的に影響される。これらの毛管力を最小限に抑えると、下部捕捉層54の性能に好影響を与えることがある。しかしながら、特定の実施形態では、下部捕捉層54はまた、上方の層(特に上部捕捉層52及びトップシート18)から排液するために、また、液体が吸収性コア構成要素によって離隔されるまで液体を一時的に保持するために、適切な毛管吸収吸引を有してもよい。したがって、特定の実施形態では、下部捕捉層54は、5cmを超える最小MDPを有してもよい。更に、代表的な実施形態によると、下部捕捉層54は、急速な捕捉を提供するために、約2010Pa(20.5cm H2O)未満、又は約1863Pa(19cm H2O)未満、又は約1765Pa(18cm H2O)未満のMDP値を有する。
【0044】
MDP及び最大吸い上げを決定するための方法は、米国特許出願11/600,691(フロール(Flohr)ら)に開示されている。例えば、第1実施形態によると、下部捕捉層54は、約70重量%の化学的に架橋されたセルロース繊維、約10重量%のポリエステル(PET)、及び約20重量%の未処理のパルプ繊維を含んでもよい。第2実施形態によると、下部捕捉層54は、約70重量%の化学的に架橋されたセルロース繊維、約20重量%のリオセル繊維、及び約10重量%のPET繊維を含んでもよい。第3実施形態によると、下部捕捉層54は、約68重量%の化学的に架橋されたセルロース繊維、約16重量%の未処理のパルプ繊維、及び約16重量%のPET繊維を含んでもよい。一実施形態では、下部捕捉層54は、約90〜100重量%の化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよい。
【0045】
上部捕捉層52及び下部捕捉層54に好適な不織布材料としては、スパンボンド層と、メルトブロウン層と、更なるスパンボンド層とを含むSMS材料が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、永久的に親水性の不織布、特に耐久的に親水性のコーティングを備えた不織布が望ましい。別の好適な実施形態は、SMMS構造を含む。特定の実施形態では、不織布は多孔質である。
【0046】
特定の実施形態では、好適な不織布材料としては、PE、PET、及びPPなどの合成繊維を挙げてもよいが、これらに限定されない。不織布の製造に使用されるポリマーは、本来的に疎水性であり得るため、親水性コーティングによってコーティングされてもよい。耐久的に親水性のコーティングを用いて不織布を製造するための1つの方法は、同時係属中の米国特許公開第2005/0159720号に記載されているように、親水性モノマー及びラジカル重合反応開始剤を不織布上に塗り、紫外線で活性化して重合を起こすことによって、不織布の表面に化学結合したモノマーを生成させるものである。耐久的に親水性のコーティングを用いて不織布を製造するためのもう1つの方法は、同時係属出願米国特許第7,112,621号(ロールボウ(Rohrbaugh)ら)及びPCT出願公開WO02/064877に記載されているように、親水性のナノ粒子を用いて不織布をコーティングすることである。
【0047】
典型的には、ナノ粒子は、750nm未満の最大寸法を有する。2〜750nmの範囲の寸法を有するナノ粒子が、経済的に製造されてもよい。ナノ粒子の利点は、その多くが水溶液中で容易に分散して、不織布上にコーティング塗布可能であり、典型的には透明なコーティングを形成し、また、水溶液から塗布されたコーティングは、典型的には水への曝露に対して十分に耐久性があることである。ナノ粒子は、有機又は無機、合成又は天然であり得る。無機ナノ粒子は、一般に酸化物、ケイ酸塩、及び/又は炭酸塩として存在する。好適なナノ粒子の典型例は、層状粘土鉱物(例えば、サザンクレイプロダクツ社(Southern Clay Products, Inc.)(米国)からのラポナイト(LAPONITE)(商標)、及びベーマイト(Boehmite)アルミナ(例えば、ノースアメリカンセイソル社(North American Sasol. Inc.)からのディスペラル(Disperal)P2(商標))である。特定の実施形態によると、好適なナノ粒子コーティング不織布は、同時係属特許出願第10/758,066号、名称「耐久性のある親水性コアラップを含む使い捨て吸収性物品(Disposable absorbent article comprising a durable hydrophilic core wrap)」(エカテリナ・アナトリエブナ・ポノマレンコ(Ekaterina Anatolyevna Ponomarenko)及びマティアスNMNシュミット(Mattias NMN Schmidt))に開示されたものである。
【0048】
更に有用な不織布は、米国特許第6,645,569号(クラーマー(Cramer))ら、同第6,863,933号(クラーマー(Cramer))ら、同第7,112,621号(ロールボウ(Rohrbaugh))ら、並びに同時係属特許出願10/338,603(クラーマー(Cramer))ら、及び同10/338,610(クラーマー(Cramer)ら)に記載されている。
【0049】
場合によっては、不織布表面は、ナノ粒子のコーティングを適用する前に、高エネルギー処置(コロナ、プラズマ)で前処理され得る。高エネルギーの前処理は、典型的には低表面エネルギー表面(PPなど)の表面エネルギーを一時的に増大して、その結果、水中のナノ粒子の分散による不織布のより良好な濡れを可能にする。
【0050】
特に、永久的に親水性の不織布は、吸収性物品の他の部分にも有用である。例えば、上記のような永久的に親水性の不織布を含むトップシート及び吸収性コア層は、うまく働くことが判明した。
【0051】
特定の実施形態によると、上部捕捉層52は、外部圧力が加えられて取り除かれるときに良好な回復をもたらす材料を含んでもよい。更に、特定の実施形態によると、上部捕捉層52は、例えば、上述した高分子繊維の種類から選択される、異なる繊維のブレンドを含んでもよい。幾つかの実施形態では、繊維の少なくとも一部分は、螺旋形状を有するスパイラル捲縮を呈してもよい。幾つかの実施形態では、上部捕捉層52は、異なる程度又は異なるタイプの捲縮、又は両方の捲縮を有する繊維を含んでもよい。例えば、1つの実施形態は、約3.1〜約4.7クリンプ毎センチメートル(約8〜約12クリンプ毎インチ(cpi))又は約3.5〜約3.9クリンプ毎センチメートル(約9〜約10cpi)を有する繊維と、約1.6〜約3.1クリンプ毎センチメートル(約4〜約8cpi)又は約2〜約2.8クリンプ毎センチメートル(約5〜約7cpi)を有する他の繊維との混合物を包含してもよい。異なる種類の捲縮としては、2D捲縮又は「平らな捲縮」、及び3D又はスパイラル捲縮が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態によると、繊維は、異なる材料、通常は第1及び第2の高分子材料をそれぞれが含む個別の繊維である、バイコンポーネント繊維を包含してもよい。並列バイコンポーネント繊維の使用は、繊維にスパイラル捲縮を付与するのに有益であると考えられる。
【0052】
特定の実施形態では、上部捕捉層52は、ラテックス結合剤、例えば、スチレン−ブタジエンラテックス結合剤(SBラテックス)によって安定化されてもよい。そのような格子状構造を得る方法は、例えば、欧州特許EP第149880号(クウォク(Kwok))とUS第2003/0105190号(ディール(Diehl)ら)から既知である。特定の実施形態では、結合剤は、約12重量%、約14重量%、又は約16重量%を超えて上部捕捉層52に存在していてもよい。特定の実施形態のために、SBラテックスは、商標名ゲンフロ(GENFLO)(商標)3160(オムノバ・ソリューションズ社(OMNOVA Solutions Inc.);オハイオ州アクロン(Akron))により入手可能である。
【0053】
図1〜8における吸収性コア14は、概してトップシート18とバックシート20との間に配置され、2つの層、第1吸収層60及び第2吸収層62を含む。図3に最良に示されるように、吸収性コア14の第1吸収層60は、基材64と、基材64上の吸収性粒子状(particular)ポリマー材料66と、第1基材64上の吸収性粒子状ポリマー材料66を覆い不動化するための接着剤としての、吸収性粒子状ポリマー材料66上及び第1基材64の少なくとも一部上の熱可塑性組成物68とを含む。図4に例示された別の実施形態によると、吸収性コア14の第1吸収層60はまた、熱可塑性組成物68上の被覆層70を包含してもよい。
【0054】
同様に、図2に最良に例示されるように、吸収性コア14の第2吸収層62もまた、基材72と、第2基材72上の吸収性粒子状ポリマー材料74と、第2基材72上の吸収性粒子状ポリマー材料74を不動化するための、吸収性粒子状ポリマー材料74上及び第2基材72の少なくとも一部分上の熱可塑性組成物66とを包含してもよい。例示されないが、第2吸収層62もまた、図4に例示された被覆層70のような被覆層を包含してもよい。
【0055】
第1吸収層60の基材64はダスティング層と呼ばれることがあり、おむつ10のバックシート20に面する第1表面78と、吸収性粒子状ポリマー材料66に面する第2表面80とを有する。同様に、第2吸収層62の基材72はコアカバーと呼ばれることがあり、おむつ10のトップシート18に面する第1表面82と、吸収性粒子状ポリマー材料74に面する第2表面84とを有する。第1基材64及び第2基材72は、外周の周辺部で接着剤により互いに付着して、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を吸収性コア14内に保持するための包みを、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の周りに形成してもよい。
【0056】
特定の実施形態によると、第1吸収層60の基材64及び第2吸収層62の基材72は、上述した不織布材料などの不織布材料であってもよい。特定の実施形態では、不織布は多孔質であり、一実施形態では、約32マイクロメートルの孔径を有する。
【0057】
図1〜8に例示されるように、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74は、各々、第1吸収層60の基材64及び第2吸収層62の基材72上に粒子の塊90になって付着され、ランド領域94とランド領域94の間の接合領域96とを含むグリッドパターン92を形成する。本明細書で定義されたように、ランド領域94は、熱可塑性接着剤材料が不織布基材又は補助接着剤と直接的に接触しない領域であり、接合領域96は、熱可塑性接着剤材料が不織布基材又は補助接着剤と直接的に接触する領域である。グリッドパターン92内の接合領域96は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を殆ど又は全く含有しない。ランド領域94及び接合領域96は、様々な形状を有することができ、それには円形、楕円形、正方形、矩形、三角形などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0058】
図8に示したグリッドパターンは、ランド領域の規則的な間隔と寸法を有する正方形のグリッドである。六角形、菱形、斜方晶形(orthorhombic)、平行四辺形、三角形、矩形、及びこれらの組み合わせを包含する他のグリッドパターンも使用されてもよい。グリッド線の間の間隔は、規則的であっても不規則であってもよい。
【0059】
グリッドパターン92内のランド領域94の寸法は、様々であってもよい。特定の実施形態によると、グリッドパターン92内のランド領域94の幅119は、約8mm〜約12mmの範囲である。特定の実施形態では、ランド領域94の幅は、約10mmである。その一方、接合領域96は、特定の実施形態では、約5mm未満、約3mm未満、約2mm未満、約1.5mm未満、約1mm未満、又は約0.5mm未満の幅又はより大きな範囲を有する。
【0060】
図8に示すように、吸収性コア14は、後端102から前端104まで延びる長手方向軸100と、長手方向軸100に対して垂直な、第1縁部108から第2縁部110まで延びる横断方向軸106とを有する。吸収性粒子状ポリマー材料の塊90のグリッドパターン92は、ランド領域94及び接合領域96の配列によって形成されたグリッドパターン92がパターン角度112を形成するように、各吸収層60の基材64及び吸収層62の基材72上に配列される。パターン角度112は、0度、0度を超える、又は15〜30度、又は約5〜約85度、又は約10〜約60度、又は約15〜約30度であってもよい。
【0061】
図7A、7B、及び8に最良に見られるように、第1層60及び第2層62が、組み合わされて吸収性コア14を形成してもよい。吸収性コア14は、パターンの長さ116及びパターンの幅118によって境界付けされた、吸収性粒子状ポリマー材料領域114を有する。吸収性粒子状ポリマー材料領域114の範囲及び形状は、吸収性コア14の所望の用途、及び組み込まれ得る特定の吸収性物品に応じて、様々であってもよい。しかしながら、特定の実施形態では、吸収性粒子状ポリマー材料領域114は、図8に例示されているように、吸収性コア14の実質的に全体にわたって延びる。
【0062】
第1吸収層62及び第2吸収層64の各々のグリッドパターン92が吸収性コア14の長さ及び/又は幅に沿って互いにオフセットするように、第1吸収層60及び第2吸収層62は、共に組み合わされて吸収性コア14を形成してもよい。各グリッドパターン92は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74が吸収性粒子状ポリマー領域114にわたって実質的に連続的に分布するように、オフセットされてもよい。特定の実施形態では、個々のグリッドパターン92が第1基材64及び第2基材72にわたって塊90になって不連続的に分布している吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を含むにもかかわらず、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74は、吸収性粒子状ポリマー材料領域114にわたって実質的に連続的に分布している。特定の実施形態では、グリッドパターンは、第1吸収層60のランド領域94が第2吸収層62の接合領域96に面し、第2吸収層62のランド領域が第1吸収層60の接合領域96に面するように、オフセットされてもよい。ランド領域94及び接合領域96が適切に寸法設定されて配列される場合、その結果生じる吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の組み合わせは、吸収性コア14の吸収性粒子状ポリマー材料領域114にわたる吸収性粒子状(particular)ポリマー材料の実質的に連続的な層である(即ち、第1基材64及び第2基材72は、それらの間に吸収性粒子状ポリマー材料66の塊90をそれぞれが有する複数のポケットを形成しない)。特定の実施形態では、第1吸収層60及び第2吸収層62の各グリッドパターン92は、実質的に同じであってもよい。
【0063】
図8に例示されるような特定の実施形態では、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の量は、グリッドパターン92の長さ116に沿って様々であってもよい。特定の実施形態では、グリッドパターンは、吸収性領域120、122、124、及び126に分割されてもよく、これらの領域において、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の量は、領域によって様々である。本明細書で使用するとき、「吸収性領域」は、図8に示した長手方向軸に対して垂直な境界を有する吸収性粒子状ポリマー材料領域の区域を指す。吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の量は、特定の実施形態では、複数の吸収性領域120、122、124、及び126のうちの一領域から別の領域へ漸進的に推移してもよい。吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の量のこの漸進的な推移により、吸収性コア14における亀裂形成の可能性が低減され得る。
【0064】
吸収性コア14内に存在する吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の量は、様々であり得るが、特定の実施形態では、吸収性コアの約80重量%を超える、又は吸収性コアの約85重量%を超える、又は吸収性コアの約90重量%を超える、又はコアの約95重量%を超える量で、吸収性コア内に存在する。特定の実施形態では、吸収性コア14は、第1基材64及び第2基材72、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74、並びに熱可塑性接着性組成物68及び熱可塑性接着性組成物76から本質的になる。一実施形態では、吸収性コア14は、実質的にセルロースを含まなくてもよい。
【0065】
特定の実施形態によると、少なくとも1つの自由に選択された1cm×1cm測定の第1正方形内の吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の重量は、少なくとも1つの自由に選択された1cm×1cm測定の第2正方形内の吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の重量より少なくとも約10%、又は20%、又は30%、40%又は50%高くてもよい。特定の実施形態では、第1及び第2正方形は、長手方向軸の中央に位置する。
【0066】
吸収性粒子状ポリマー材料領域は、代表的な実施形態によると、着用時の快適性を増大するために、吸収性物品の股部領域において比較的狭い幅を有してもよい。故に、吸収性粒子状ポリマー材料領域は、一実施形態によると、吸収性物品の前縁部及び後縁部まで等間隔に位置する横断方向線に沿って測定したとき、約100mm、90mm、80mm、70mm、60mm未満、又は更に約50mm未満の幅を有してもよい。
【0067】
おむつなどの殆どの吸収性物品に関して、液体の排出は、主におむつの前側半分において生じることが判明した。したがって、吸収性コア14の前側半分は、コアの吸収能力の大部分を含むべきである。それ故、特定の実施形態によると、前記吸収性コア14の前側半分は、超吸収性材料の約60%超、又は超吸収性材料の約65%、70%、75%、80%、85%、又は90%超を含んでもよい。
【0068】
特定の実施形態では、吸収性コア14は、一般的に圧縮性であり、適合性があり、着用者の皮膚に刺激がなく、かつ尿及び他の特定の身体排出物などの液体を吸収し保持することのできる、あらゆる吸収性材料を更に含んでもよい。このような実施形態では、吸収性コア14は、一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプ、捲縮セルロース塊(creped cellulose wadding)、コフォームを包含するメルトブローポリマー、化学的に剛化、変性、若しくは架橋されたセルロース繊維、ティッシュラップとティッシュラミネートを包含するティッシュ、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、又は他のあらゆる既知の吸収性材料若しくは材料の組み合わせなど、使い捨ておむつ及び他の吸収性物品において一般に使用される多種多様の液体吸収性材料を含んでもよい。吸収性コア14は、少量(通常約10%未満)の材料、例えば、接着剤、ワックス、油などを更に含んでもよい。
【0069】
吸収性組立体として使用される代表的な吸収性構造体は、米国特許第4,610,678号(ワイズマン(Weisman)ら)、同第4,834,735号(アレメニー(Alemany)ら)、同第4,888,231号(アングスタット(Angstadt))、同第5,260,345号(デスマレイス(DesMarais)ら)、同第5,387,207号(ダイアー(Dyer)ら)、同第5,397,316号(ラボン(LaVon)ら)、及び同第5,625,222号(デスマレイス(DesMarais)ら)に記載される。
【0070】
熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を覆い、少なくとも部分的に不動化するのに役立つことがある。本発明の一実施形態では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74内で前記ポリマー間に本質的に均一に配置され得る。しかしながら、特定の実施形態では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74と少なくとも部分的に接触しており、第1吸収層60及び第2吸収層62の基材層64及び基材層72と部分的に接触している、繊維性層として提供されてもよい。図3、4、及び7は、このような構造体を示しており、この構造体において、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74は、不連続な層として提供され、また繊維性熱可塑性接着剤材料68及び繊維性熱可塑性接着剤材料76の層は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の層の上に置かれ、その結果、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74と直接接触しているが、基材64の第2表面80及び基材72の第2表面84とも直接接触しており、基材は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74によって覆われていない。このことは、それ自体が本質的に長さ方向及び幅方向の寸法に比べて比較的小さい厚さの二次元構造体である熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76の繊維性層に、本質的に三次元の構造体を付与する。換言すれば、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料68及び吸収性粒子状ポリマー材料76、並びに基材64及び基材72の第2表面の間で波状である。
【0071】
これにより、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を覆うための空洞を提供してもよく、これにより、この材料を不動化する。更なる態様では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、基材64及び基材72に結合し、その結果、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を基材64及び基材72に固着させる。したがって、特定の実施形態によると、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、濡れたときに吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を不動化し、それによって、吸収性コア14は、本明細書に記載の湿潤不動化試験に従って約70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%以下の吸収性粒子状ポリマー材料の損失を達成する。幾つかの熱可塑性接着剤材料はまた、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74と基材64及び基材72との両方に浸透し、その結果、更なる不動化及び固着をもたらす。勿論、本明細書に開示される熱可塑性接着剤材料は、湿潤不動化(即ち、物品が濡れた状態であるとき又は少なくとも部分的に負荷されたときの吸収性材料の不動化)を大きく改善する一方、これらの熱可塑性接着剤材料は、吸収性コア14が乾燥状態であるときにも吸収性材料を非常に良好に不動化する。熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、ホットメルト接着剤と呼ばれることもある。
【0072】
理論に束縛されるものではないが、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を不動化するのに最も有用な熱可塑性接着剤材料は、良好な粘着挙動及び良好な接着挙動を組み合わせたものであることが判明した。良好な接着は、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76と、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74並びに基材64及び基材72との間の良好な接触を促進することがある。良好な粘着により、接着剤は、特に外力に反応して、即ち、ひずみに反応して破断する可能性が低下する。吸収性コア14が液体を吸収するとき、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74は膨張し、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76が外力を受ける。特定の実施形態では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、破断を伴わずに、また吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の膨張を抑制する過度に多くの圧縮力を付与せずに、このような膨張を可能にすることがある。
【0073】
特定の実施形態によると、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、ASTM法D−36−95「環球法(Ring and Ball)」によって決定されるように、50℃〜300℃の範囲の軟化点を有する単一熱可塑性ポリマー又は熱可塑性ポリマーのブレンドをそっくりそのまま含んでもよく、又は別の方法としては、熱可塑性接着剤材料は、粘着付与樹脂、可塑剤、及び酸化防止剤などの添加剤などの他の熱可塑性希釈剤と組み合わせた少なくとも1つの熱可塑性ポリマーを含む、ホットメルト接着剤であってもよい。特定の実施形態では、熱可塑性ポリマーは、典型的には10,000を超える分子量(Mw)、及び通常は室温未満又は−6℃>Tg<16℃のガラス転移温度(Tg)を有する。特定の実施形態では、ホットメルト中のポリマーの典型的な濃度は、約20〜約40重量%の範囲内である。特定の実施形態では、熱可塑性ポリマーは、非感水性であってもよい。代表的なポリマーは、A−B−A三元ブロック構造、A−B二元ブロック構造、及び(A−B)n放射状ブロックコポリマー構造を包含する(スチレン)ブロックコポリマーであり、Aブロックは、典型的にはポリスチレンを含む非エラストマーポリマーブロックであり、またBブロックは、不飽和接合したジエン又はその(部分的に)水素添加したバージョンである。Bブロックは典型的には、イソプレン、ブタジエン、エチレン/ブチレン(水素添加ブタジエン)、エチレン/プロピレン(水素添加イソプレン)、及びこれらの混合物である。
【0074】
使用してもよい他の好適な熱可塑性ポリマーは、メタロセンポリオレフィンであり、これは、シングルサイト又はメタロセン触媒を使用して調製されるエチレンポリマーである。その中で、少なくとも1つのコモノマーは、エチレンと重合されて、コポリマー、ターポリマー、又はより高い次数のポリマーを作製することができる。同様に適用可能なものは、C2〜C8のαオレフィンのホモポリマー、コポリマー、又はターポリマーである、非晶質ポリオレフィン又は非晶質ポリαオレフィン(APAO)である。
【0075】
代表的な実施形態では、粘着付与樹脂は、典型的には5,000未満のMw及び通常は室温を超えるTgを有し、ホットメルト中の樹脂の典型的な濃度は、約30〜約60%の範囲内であり、可塑剤は、通常1,000未満の低いMw及び室温未満のTgを有し、約0〜約15%の典型的な濃度を有する。
【0076】
特定の実施形態では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、繊維の形態で存在する。幾つかの実施形態では、繊維は、約1〜約50マイクロメートル又は約1〜約35マイクロメートルの平均厚さ、及び約5mm〜約50mm、又は約5mm〜約30mmの平均長さを有する。基材64及び基材72又はいずれかの他の層、特にいずれかの他の不織布層に対する熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76の接着を改善するため、このような層は、補助接着剤で前処理されてもよい。
【0077】
特定の実施形態では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、以下のパラメーターの少なくとも1つ、又は幾つか、又は全てを満たす。
【0078】
代表的な熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、少なくとも30,000Pa、及び300,000Pa未満、又は200,000Pa未満、又は140,000Pa〜200,000Pa、又は100,000Pa未満の、20℃で測定される貯蔵弾性率G’を有してもよい。更なる態様では、35℃で測定される貯蔵弾性率G’は、80,000Paを超えてもよい。更なる態様では、60℃で測定される貯蔵弾性率G’は、300,000Pa未満、及び18,000Pa超、又は24,000Pa超、又は30,000Pa超、又は90,000Pa超であってもよい。更なる態様では、90℃で測定される貯蔵弾性率G’は、200,000Pa未満、及び10,000Pa超、又は20,000Pa超、又は30,000Pa超であってもよい。60℃及び90℃で測定される貯蔵弾性率は、高い室温での熱可塑性接着剤材料の形状安定性に関する測定値であってもよい。60℃及び90℃での貯蔵弾性率G’が十分に高くない場合、熱可塑性接着剤材料がその一体性を失うことになる暑い気候で吸収性製品が使用される場合、この値は、特に重要である。
【0079】
G’は、一般的な説明だけのために図9に概略的に示したようなレオメーターを使用して測定される。レオメーター127は、接着剤に剪断応力を加え、一定温度で生じたひずみ(剪断変形)応答を測定することができる。接着剤は、下部固定プレート128として作用するペルチエ素子と、例えば10mmの半径Rを有する上部プレート129との間に配置され、これは、剪断応力を生成するためにモータの駆動軸に接続される。両方のプレート間の間隙は、例えば1500マイクロメートルの高さHを有する。ペルチエ素子により、材料の温度制御が可能になる(+0.5℃)。ひずみ速度及び頻度は、全ての測定が直線状の粘弾性区域内で行われるように選択されるべきである。
【0080】
吸収性コア14はまた、図面に例示されていない補助接着剤を含んでもよい。吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の適用前に、各基材64及び基材72に対する吸収性粒子状ポリマー材料66及び74並びに熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76の接着性を向上させるために、補助接着剤が、第1吸収層60及び第2吸収層62の各々の第1基材64及び第2基材72上に付着されてもよい。補助の糊はまた、吸収性粒子状ポリマー材料66及び74を不動化するのを助けることがあり、以上に記載されたものと同じ熱可塑性接着剤材料を含んでもよいし、又はH.B.フラー社(H. B. Fuller Co.)(ミネソタ州セントポール(St. Paul))製品番号HL−1620−Bのような噴霧可能なホットメルト接着剤が挙げられるがこれらに限定されない、他の接着剤も含んでもよい。補助の糊は、あらゆる好適な手段によって基材64及び基材72に塗布されてもよいが、特定の実施形態によると、約0.5〜約2mm離隔した幅約0.5〜約1mmのスロットで塗布されてもよい。
【0081】
図4に示した被覆層70は、基材64及び基材72と同じ材料を含んでもよく、あるいは異なる材料を含んでもよい。特定の実施形態では、被覆層70に好適な材料は、不織布材料、典型的には基材64及び基材72に有用な上述の材料である。
【0082】
本発明の別の態様では、終縁部と長手方向縁部とを有し、及び(i)トップシートと、(ii)バックシートと、(iii)トップシートとバックシートとの間に配置されている吸収性コアとを包含するシャーシを含み、この吸収性コアが吸収性粒子状ポリマー材料を含みかつセルロースを実質的に含まない、使い捨て吸収性物品が提供される。1対のサイドパネルがシャーシに接合し、このサイドパネルは、長手方向縁部を超えて横方向外側に延伸し、各サイドパネルは、改善されたフィット及び封じ込めを提供するために、横方向にベクトル成分を有する方向に弾性的に延伸可能な少なくとも1つのゾーンを有する。特定の実施形態では、延伸性サイドパネルは、より良好にフィットするテープ型おむつ又はパンツを提供し、これは改善されたガスケッティングを有利に提供することがあり、それはセルロースを実質的に含まない吸収性コアが尿及び他の液体排出物を吸収するための時間を与えることを可能にする。
【0083】
シャーシの一部分又は全体は、シャーシを作る材料又は材料類の固有の延伸性を超える程度まで、延伸可能に作られてもよい。着用者が動いている間にシャーシを着用者の身体に適合させるため、更なる延伸性が望ましいことがある。例えば、特定の大きさを有するシャーシを包含するおむつのユーザーが、延伸前に、シャーシの前側腰部領域、後側腰部領域、又は両方の腰部領域を延伸して、その腰部周囲が所定の範囲内に入る個々の着用者の腰部を取り囲めるようにするため、即ちおむつを個々の着用者にぴったり合わせるために、更なる延伸性が望ましいこともある。腰部領域又は領域類のこうした延伸は、股領域が腰部領域又は領域類より相対的に少ない程度に延伸される限り、おむつにほぼ砂時計の形状を与えることがあり、及びそれが着用されたときに、ぴったり合った外観をおむつに付与することがある。加えて、材料が、記載されるように延伸性に作製されるときには、着用者の所与のサイズに適切にフィットできるおむつを作製するために、より少量の材料が必要となることがある。
【0084】
サイドパネルは、弾性的に伸縮性の耳パネルと呼ばれることもあるが、弾性材料によって作製される別個の部品であってもよく、これは後側及び/又は前側腰部領域中のシャーシの長手方向縁部に取り付けられる。あるいは、サイドパネルは、バックシート又はトップシートの一体部分であってもよい。
【0085】
図15は、おむつ202の特定の実施形態を示し、これはシャーシ212を包含する。シャーシ212は、終縁部244及び長手方向縁部242を有する。シャーシ212は、トップシート218、ボトムシート220、及びトップシート218とボトムシート220との間に配置されている吸収性コア214を包含する。
【0086】
特定の実施形態では、吸収性コア214は、セルロースを実質的に含まず、及び吸収性粒子状ポリマー材料を包含する。例えば、吸収性コア214は、以上に記載されたような、及び以下に記載されたように作製された、第1及び第2吸収性層を含んでもよい。例えば、第1吸収性層は第1基材を包含してもよく、及び第2吸収性層は第2基材を包含してもよく、第1及び第2吸収性層は更に、第1及び第2基材上に付着された吸収性粒子状ポリマー材料並びにそれぞれの第1及び第2基材上の吸収性粒子状ポリマー材料を被覆する熱可塑性材料を包含する。第1吸収性層及び第2吸収性層は、第1吸収性層の熱可塑性材料の少なくとも一部分が、第2吸収性層の熱可塑性材料の少なくとも一部分に接触するように共に組み合わされ、並びに吸収性粒子状ポリマー材料は、吸収性粒子状ポリマー材料区域内の第1及び第2基材の間に配置される。吸収性粒子状ポリマー材料は、吸収性粒子状ポリマー材料区域にわたって実質的に連続的に分布してもよい。
【0087】
シャーシ212は更に、シャーシ212に接合された1対のサイドパネル222を包含する。サイドパネル222は、長手方向縁部242を超えて横方向外側に延伸し、各サイドパネル222は、横方向にベクトル成分を有する方向に弾性的に延伸可能な少なくとも1つのゾーンを有する。
【0088】
サイドパネル222は、多くの異なる大きさ及び形状を有してもよい。図15に示される、1つの実施形態では、サイドパネル222は、矩形の形状を有する。典型的な「大きい」(8kg〜14kg)乳児用おむつのために、サイドパネルは、例えば、横方向に約63mm及び長手方向に約80mmの大きさを有してもよい。
【0089】
サイドパネル222は、多くの構成において及び多くの異なる材料から構築されてもよい。サイドパネルは、従来の弾性材料又は機械的に引き延ばされたラミネート、例えばゼロ歪ストレッチラミネートを含んでもよい。特定の実施形態では、サイドパネルは、米国特許第5,518,801号(チャペル(Chappell)らに発行)に記載されるようなSELFウェブを含む。図17A及び17Bは、サイドパネル270のSELFウェブ形成ゾーンを示す。
【0090】
弾性をラミネートウェブに付与するための方法は、例えば、米国特許第5,143,679号(ウェーバー(Weber)ら)、同第5,156,793号(ブエル(Buell)ら)、及び同第5,167,897号(ウェーバー(Weber)ら)に記載されている。
【0091】
サイドパネル222は、シャーシ212に取り付けられた別個の要素を含んでもよいし、又はおむつの他の要素、例えばバックシート220若しくはトップシート218、若しくはトップシート218及びバックシート220の両方の延伸として構築されることができる。図15に示される実施形態では、サイドパネル222の各々が、シャーシ212に接合された別個のウェブを含む。サイドパネル222は、後側腰部領域においてシャーシ212に接合されてもよく、及び長手方向縁部242を超えて横方向外側に延伸してもよい。
【0092】
サイドパネル222は、異なる弾性的延伸性を有する複数のゾーンを有してもよい。例えば、本明細書に組み込まれる米国特許第6,132,411号(フーバー(Huber)ら)は、複数ゾーンのサイドパネルの特定の実施形態を記載している。サイドパネル222は、少なくとも脚部ゾーン250及び腰部ゾーン252を含む、複数ゾーン構造物を有する。脚部ゾーン250は、シャーシ212の長手方向縁部242に隣接して位置付けられる。腰部ゾーン252は、脚部ゾーン250から横方向外側に位置付けられる。脚部ゾーン250は、横方向にベクトル成分を有する方向、例えば横方向に弾性的に延伸可能である。腰部ゾーン252は、横方向にベクトル成分を有する方向、例えば横方向に弾性的に延伸可能である。1つの実施形態では、脚部ゾーン250は、腰部ゾーン252より高い又は低い延伸力を有するように設計され、延伸力が異なる。脚部ゾーン250の延伸力は、1つの実施形態では、可能な限り低くてもよい。特定の実施形態では、脚部ゾーン250の延伸力は、50%延伸において約10g/cm未満、例えば約5g/cm未満であってもよい。1つの実施形態では、各サイドパネルの脚部ゾーン250は、50%延伸において約2g/cm〜約10g/cmの延伸力を有してもよい。特定の実施形態では、腰部ゾーン252の延伸力は、50%延伸において約10g/cm〜約30g/cm、例えば約15g/cm〜約20g/cmであってもよい。
【0093】
図15に示される実施形態では、脚部ゾーン250は、腰部ゾーン252から、分離ゾーン251によって分離されている。分離ゾーン251は、非延伸性であってもよいし、伸長性のみ(即ち、非弾性)であってもよいし、又は腰部ゾーン若しくは脚部ゾーンのものとは異なる延伸度を有して延伸性であってもよい。分離ゾーン251は、脚部ゾーン250を腰部ゾーン252から区別する境界の線であってもよい。1つの実施形態では、分離ゾーン251は、脚部ゾーン250を腰部ゾーン252から物理的に分離する非延伸性ゾーンである。非延伸性分離ゾーン251は、タイルサイドパネルの様々な層を、それらを非延伸性(即ち、弾性的に延伸性でない)にするような方法で共に結合する、熱/圧力結合、超音波結合、又は機械的結合の使用により形成されてもよい。分離ゾーン251はまた、追加の材料をサイドパネルに接合することにより形成されて、その部分を非延伸性にしてもよい。
【0094】
サイドパネル222は各々が、腰部ゾーン252から横方向外側に配置される把持ゾーン254を包含する。把持ゾーン254は堅い材料であってもよく、これは非延伸性であり、サイドパネル212をユーザーが便利に把持して締結部材256を補強ストリップ248に適用できるように機能する。
【0095】
図15に示される実施形態では、脚部ゾーン250、腰部ゾーン252、分離ゾーン251、及び把持ゾーン254は、各々が同じ材料を含むが、各ゾーンはそれ自体の独自の力/延伸の程度を有する。前述の米国特許第5,518,801号(チャペル(Chappell)らに発行)に記載されるようなSELFウェブの使用は、各ゾーンの力/延伸特性が具体的に設計され得るようにする。
【0096】
脚部ゾーン250は、多くの異なる大きさ及び形状を有してもよい。図15に示される実施形態では、脚部ゾーン250は三角形の形状を有する。腰部ゾーン252もまた、多くの異なる大きさ及び形状を有してもよい。図15に示される実施形態では、腰部ゾーン252は三角形の形状を有する。
【0097】
低い力及び独自の三角形形状を有する脚部ゾーン250は、サイドパネル222が、相対的に低い力で着用者の脚の動きと共に拡大できるようにする。この機構は、力が小さいほどより低い張力が着用者の脚に作用するため、着用者の皮膚に赤い印が付くのを減少するという利益を提供する。腰部ゾーン252は、改善された初期のフィット及び持続するフィットを提供するおむつの腰部区域内の高い力の連続的輪を維持する。この高い力のゾーンは、おむつ202の終縁部にわたって延伸し、初期にフィットさせて使用中ずっとこのフィットを持続するために必要な張力の輪を提供する。
【0098】
図15に示されるように、脚部ゾーン250は、サイドパネル222の上部終縁部の部分を形成しないことがあるが、一方腰部ゾーン252は、サイドパネル222の下部終縁部の部分を形成しない。
【0099】
図16は、サイドパネル270(同様なパネルの1対)の代替的実施形態を示す。サイドパネル270は、シャーシ212に接合された別個の部材であってもよい。サイドパネル270は、シャーシ212の長手方向縁部242を超えて横方向外側に延伸する。サイドパネル270は、脚部ゾーン272、腰部ゾーン274、及び分離ゾーン276を包含する。締結部材278は、サイドパネル270が把持ゾーンを包含しないとき、腰部ゾーン274に接合される。脚部ゾーン272は、三角形の側面が第2(下部)縁部292の実質的な部分を形成する三角形の形状を有する。腰部ゾーン274は、三角形の側面が第1(上部)終縁部294の実質的な部分を形成する三角形の形状を有する。サイドパネル270は、シャーシ212に、それがシャーシ212の終縁部244から距離をあけるように接合される。第1終縁部294は、終縁部244から290として表示される距離をあけられる。距離290は、約2cm未満、例えば約1cm未満である。サイドパネル270の第1終縁部294は、おむつ202の終縁部296の一部分を効果的に形成する。
【0100】
代替的実施形態では(図示されず)、脚部ゾーンは、上部及び下部終縁部の両方の一部分を形成する。別の代替的実施形態では(図示されず)、脚部ゾーンが上部及び下部終縁部の両方の一部分を形成する一方で、腰部ゾーンは上部終縁部の一部分を形成するが、下部終縁部の部分を形成しない。更に別の代替的実施形態では(図示されず)、サイドパネルは、腰部ゾーンが上部終縁部及び下部終縁部の両方の一部分を形成する一方で、脚部ゾーンは下部終縁部の一部分を形成するが、上部終縁部の部分を形成しないように設計されてもよい。
【0101】
サイドパネル222は、シャーシ212に、接着剤、熱/圧力結合、超音波結合、又は機械的結合によることが挙げられる、当該技術分野において既知であるような多くの異なる方法で接合されてもよい。サイドパネル222は、シャーシ212に、図15に示されるように、機械的結合を介して結合されてもよい。
【0102】
1つの実施形態では、吸収性物品は、延伸性腰部機構を更に包含してもよいおむつである。延伸性腰部機構は、シャーシ、例えばそれぞれの腰部縁部から長手方向外側に延伸してもよく、及びおむつの終縁部の少なくとも一部分を一般に形成する。腰部機構は、シャーシに結合された別個の要素として、又はおむつの他の要素の延伸(即ち、一体型)として構築されてもよい。腰部機構は、シャーシの他の要素、例えばバックシート、トップシート、又は両方の延伸として構築されてもよい。
【0103】
図15に示されるように、おむつ202は、延伸性後側腰部機構230を備えていてもよい。延伸性後側腰部機構230は延伸部材を提供してもよく、これは初めにおむつを着用者に合わせてフィットさせてこのフィットを着用の期間中ずっと、おむつが排出物によって負荷されたときを十分に過ぎても持続することによって、より快適な及び輪郭に合ったフィットを提供するが、それは延伸性後側腰部機構がおむつを拡大及び1つの実施形態では収縮できるようにするためである。更に、延伸性後側腰部機構230は、閉止システムによって発現され及び維持される張力を高めておむつを着用者の上に維持し、並びに着用者の腰部の周りのおむつのフィットを高める着用力(張力)を発現しかつ維持する。おむつの着用者が、適用中に延伸性後側腰部機構の1つのサイドパネルを他方より遠くへ(非対称的に)引っ張る場合でさえ、おむつは着用中に「自己調整」するので、延伸性後側腰部機構230は更に、おむつのより有効な適用を提供することがある。
【0104】
図15に示されるように、おむつ202はまた、延伸性前側腰部機構232を備えていてもよい。延伸性前側腰部機構232は、着用者の前側腹部の胴体の周囲にフィットして、前側腹部におけるおむつのフィット及び封じ込めを改善するように設計される。延伸性前側腰部機構232は、シャーシ212から、典型的には吸収性コア214の腹部縁部から、長手方向外側に延伸し、前側腹部領域中のおむつ202の終縁部244の少なくとも一部分を一般に形成する。
【0105】
延伸性前側腰部機構232は、弾性機構の既知の構成のいずれか又は本明細書で記載されるような弾性的に延伸可能な機構のいずれかを含んでもよい。延伸性の後側腰部機構は、多くの構成でまた多くの異なる材料から構築されてもよい。例えば、延伸性後側腰部機構は、そこに弾性部材、例えば当該技術分野において既知の、並びに米国特許第4,515,595号(キエヴィト(Kievit)らに発行)、同第5,151,092号(ブエル(Buell)らに発行)、及び同第5,628,741号(ブエル(Buell)らに発行)に開示されるような伸縮性腰部バンドを動作可能に接合することにより伸縮性であってもよい。したがって、延伸性後側腰部機構は、ストレッチラミネート、例えば米国特許第5,151,092号(ブエル(Buell)ら)に記載されるようなゼロ歪ストレッチラミネートであってもよい。特定の実施形態では、延伸性後側腰部機構は、米国特許第5,518,801号(チャペル(Chappell)らに発行)に記載されるような構造的弾性様フィルムSELFウェブを含む。使い捨て吸収性物品の構成要素、例えばサイドパネルとして使用するために不織布繊維ウェブを改良するための方法は、米国特許第6,383,431号(ドブリン(Dobrin)ら)に記載されている。
【0106】
ウェブ材料は、同じ材料組成から構成される少なくとも2つの別個の、及び異種の領域を有するひずみ可能な網状組織を包含してもよい。第1領域は、第2領域の実質的な部分がいずれかの実質的な分子レベルの変形を経験する前に、伸長軸に対して実質的に平行な方向に適用された軸伸長に応答して分子レベルの変形を経験するように、伸長の軸に対して実質的に平行に配向される。本明細書で使用されるとき、用語「実質的に平行」とは、2軸間の配向であって、2軸又は2軸の延伸によって形成される内在角が45°未満である配向を指す。曲線状要素の場合には、曲線状要素の平均を表す線状軸を使用することが、より便利なことがある。第2領域は、軸に対して実質的に平行な方向に適用された伸長に応答して、実質的に幾何学的な変形を初めに経験する。
【0107】
シャーシ212は更に、液体及び他の身体排出物の改善された封じ込めを提供するために、延伸性脚部カフ224を___てもよい。各延伸可能脚部カフ224は、脚部領域中の身体排出物の漏れを低減するために、幾つかの異なる実施形態を含んでもよい。(脚部カフはまた、脚部バンド、脚部フラップ、バリアカフ、又は弾性カフと称することができ、また場合によってはそのように称されることもある。)米国特許第3,860,003号(ブエル(Buell)、1975年1月14日発行)は、伸縮性脚部カフ(ガスケッティングカフ)を提供するために、脚部フラップ及び1つ以上の弾性部材を有する収縮可能な脚部開口部を提供する使い捨ておむつを記載している。米国特許第4,909,803号(アジズ(Aziz)ら、1990年3月20日発行)は、脚部領域の封じ込めを改善する「スタンドアップ」伸縮性フラップ(バリアカフ)を有する使い捨ておむつを記載している。米国特許第4,695,278号(ローソン(Lawson)、1987年9月22日発行)は、ガスケッティングカフ及びバリアカフを包含する二重カフを有する使い捨ておむつを記載している。米国特許第4,704,115号(ブエル(Buell)、1987年11月3日発行)は、放出された液体を衣類内に封じ込めるように構成された、側縁部漏れガード溝を有する使い捨ておむつ又は失禁用衣類を開示している。米国特許第5,032,120号(フリーランド(Freeland)ら、1991年7月16日発行)は、例えば、低接触力差材料(low contact force differential material)により達成された相対的に高い伸長において相対的に低い最終接触力を有するレッグカフを有する吸収性物品を開示している。米国特許第5,087,255号(シムズ(Sims)1992年2月11日発行)は、ヒップ/臀部の周りにより良好なフィットを提供するために、1つの腰部領域中の近位縁の外側、及びもう1つの内側に位置付けられた遠位縁を有する、曲げられたバリアカフを有する吸収性物品を開示している。
【0108】
おむつ202はまた、おむつを着用者の上にフィットさせるための閉止システムを備えていてもよい。閉止システムは、多くの構成、例えば、接着テープタブ、機械的閉止テープタブ、固定位置締結具、トレーニングパンツ用には側面シーム、又は当該技術分野において既知であるようないずれかの他の閉止手段を採用してもよい。図16に示されるように、閉止システムには、1対のテープタブ締結部材256、及びランディング部材、例えば、おむつ202の前側腰部領域中に位置付けられた、図15のような補強ストリップ248か、又は代替的には、バックシートの一部分を包含する接着テープタブ締結装置を挙げてもよい。好適な接着テープタブ締結装置の例は、米国特許第3,848,594号(ブエル(Buell)、1974年11月19日発行)、及び同第4,662,875号(ヒロツ(Hirotsu)及びロバートソン(Robertson)、1987年5月5日発行)に開示されている。本発明に有用な、機械的閉止システムを包含する他の閉止システムの例は、米国特許第4,869,724号(スクリップス(Scripps)、1989年9月26日発行)、同第4,848,815号(スクリップス(Scripps)、1989年7月11日発行)に開示されており、2点締結装置は、同第5,242,436号(ウェイル(Weil)、ブエル(Buell)、クリア(Clear)、及びファルコン(Falcone)、1993年9月7日発行)に記載されている。
【0109】
おむつ202は、後側腰部領域を着用者の背中の下に位置付け、及び前側腰部領域が着用者の前側にわたって位置付けられるように、おむつの残部を着用者の脚の間に引っ張ることにより、着用者に適用されてもよい。テープタブ256のタブ部分は、次に取り外し位置から取り外される。おむつ着用者は次に、タブ部分をなお把持しながら、サイドパネル222を着用者の周囲に巻き付ける。サイドパネルは、典型的には、着用者の大きさ及び形状に適合するように、この動作中に延伸され及び引っ張られる。テープタブ256は、シャーシ212上の補強ストリップ248、即ちランディング部材に固定されて、側面閉止をもたらす。プロセスは次に、他のテープタブを用いて繰り返される。したがって、おむつは着用者の上で閉止され、並びに延伸性後側腰部機構及び他の要素は、提供される場合には、本明細書に開示されるようなフィット及び閉じ込めの利益を提供する。あるいは、おむつは、それがパンツとして使用されてもよいように、着用者の上にフィットされる前に締結されてもよい。いずれの構成においても、パンツ又はおむつは、締結具を外すことにより又はパンツであるかのようにそれを取り除くことによって、取り除かれてもよい。
【0110】
特定の実施形態では、使い捨て吸収性物品は、セルロースを実質的に含まない吸収性コアと、改善されたフィット及び快適性のために弾性的に延伸可能なサイドパネルとを有する使い捨てトレーニングパンツである。サイドパネル及びシャーシを構築する例は、米国特許第5,246,433号(ハッセ(Hasse)ら)及び同第5,591,155号(ニシカワ(Nishikawa)ら)に記載されている。
【0111】
本発明の一実施形態による吸収性コア14を作製するための印刷システム130は、図10に例示されており、吸収性コア14の第1吸収層60を形成するための第1印刷ユニット132と、吸収性コア14の第2吸収層62を形成するための第2印刷ユニット134とを概ね含んでもよい。
【0112】
第1印刷ユニット132は、補助接着剤を不織布ウェブであってもよい基材64に塗布するための第1補助接着剤塗布装置136と、基材64を受けるための第1回転自在支持ロール140と、吸収性粒子状ポリマー材料66を保持するためのホッパー142と、吸収性粒子状ポリマー材料66を基材64に移動するための印刷ロール144と、熱可塑性接着剤材料68を基材64及びその上の吸収性粒子状ポリマー66材料に塗布するための熱可塑性接着剤材料塗布装置146とを含んでもよい。
【0113】
第2印刷ユニット134は、補助接着剤を第2基材72に塗布するための第2補助接着剤塗布装置148と、第2基材72を受けるための第2回転自在支持ロール152と、吸収性粒子状ポリマー材料74を保持するための第2ホッパー154と、吸収性粒子状ポリマー材料74をホッパー154から第2基材72へ移動するための第2印刷ロール156と、熱可塑性接着剤材料76を第2基材72及びその上の吸収性粒子状ポリマー材料74に塗布するための第2熱可塑性接着剤材料塗布装置158とを含んでもよい。
【0114】
印刷システム130はまた、第1回転自在支持ロール140と第2回転自在支持ロール152との間のニップ162から形成された吸収性コアを案内するためのガイドローラ160を包含する。
【0115】
第1補助塗布装置136及び第2補助塗布装置148、並びに第1熱可塑性接着剤材料塗布装置146及び第2熱可塑性接着剤材料塗布装置158は、比較的薄いが幅広い熱可塑性接着剤材料のカーテンを提供できるノズルシステムであってもよい。
【0116】
図11を参照すると、第1ホッパー142と、第1支持ロール140と、第1印刷ロール144との一部が例示されている。図14においても示されるように、第1回転自在支持ロール140は、第2回転自在支持ロール152と同一の構造を有しており、回転自在ドラム164と、第1基材64を受けるための外周部通気式支持グリッド166とを含む。
【0117】
また図12に例示されているように、第1印刷ロール144は、第2印刷ロール156と同一の構造を有しており、回転自在ドラム168と、該ドラム168の外周面172における複数の吸収性粒子状ポリマー材料リザーバ170とを含む。図13に最良に例示されるリザーバ170は、円筒形、円錐形、又は他のあらゆる形状を包含する種々の形状を有してもよい。リザーバ170は、ドラム168内の空気通路174に通じており、リザーバ内に接着剤粒子状ポリマー材料66を保持し、接着剤粒子状ポリマー材料66が空気通路174内に落下するか又は引き込まれるのを防ぐための通気式カバー176を含んでもよい。
【0118】
運転する際、印刷システム130は、第1基材64及び第2基材72を第1印刷ユニット132及び第2印刷ユニット134の各々内に受け、第1基材64は、第1補助接着剤を第1基材64に上記のようなパターンで塗布する第1補助接着剤塗布装置136を越えて、回転する第1支持ロール140によって引き寄せられる。第1支持ロール140内部の真空(図示せず)は、第1基材64を縦方向支持グリッド166に対して引き寄せ、第1基材64を第1支持ロール140に対して保持する。このことにより、第1基材64上に非平坦表面が提供される。重力により、又は真空手段を使用することにより、基材64は、非平坦表面の輪郭をたどり、これにより基材64は、山及び谷の形をとる。吸収性粒子状ポリマー材料66は、基材64によって提供される谷に蓄積されてもよい。次いで、第1支持ロール140は、第1基材64を回転する第1印刷ロール144を越えて担送し、この回転する第1印刷ロール144が、吸収性粒子状ポリマー材料66を第1ホッパー142から第1基材64へ、図5及び6に最良に例示されるグリッドパターン92で移動する。第1印刷ロール144内の真空(図示せず)は、吸収性粒子状ポリマー材料66を第1基材64に供給する時まで、吸収性粒子状ポリマー材料66をリザーバ170内に保持してもよい。次いで、吸収性粒子状ポリマー材料66をリザーバから第1基材64上に排出するために、真空が解除されてもよく、あるいは、空気通路174を通って流れる空気が逆流してもよい。吸収性粒子状ポリマー材料66は、基材64によって提供される谷に蓄積されてもよい。次いで、支持ロール140は、印刷された第1基材64を熱可塑性接着剤材料塗布装置136を越えて担送し、この熱可塑性接着剤材料塗布装置136が、熱可塑性接着剤材料68を塗布して、第1基材64上で吸収性粒子状ポリマー材料66を覆う。
【0119】
故に、支持ロール140及び支持ロール152の通気式支持グリッド166の非平坦表面は、吸収性コア14全体にわたる吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の分布を決定し、また同様に、接合領域96のパターンを決定する。
【0120】
その一方、第2回転自在支持ロールは、第2基材72を第2補助接着剤塗布装置148を越えて引き寄せ、この第2補助接着剤塗布装置148が、補助接着剤を第2基材72に上記のようなパターンで塗布する。次いで、第2回転自在支持ロール152は、第2基材72を第2印刷ロール156を越えて担送し、この第2印刷ロール156が、吸収性粒子状ポリマー材料74を第2ホッパー154から第2基材72へ移動し、上記の第1印刷ユニット132に関して説明したのと同じ方法で、吸収性粒子状ポリマー材料74を第2基材72上にグリッドパターン92で付着させる。次いで、第2熱可塑性接着剤材料塗布装置158は、熱可塑性接着剤材料76を塗布して、第2基材72上で吸収性粒子状ポリマー材料74を覆う。次いで、第1吸収層60及び第2吸収層62を共に圧縮して吸収性コア14を形成するために、印刷された第1基材64及び第2基材72は、第1支持ロール140と第2支持ロール152との間のニップ162を通過する。
【0121】
任意の更なるプロセス工程では、被覆層70は、基材64及び基材72上、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74上、並びに熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76上に配置されてもよい。別の実施形態では、被覆層70及び各々の基材64及び基材72は、単一のシート材料から提供されてもよい。次いで、被覆層70を基材64及び基材72の各々の上に配置することには、単一の材料片の折り畳みが含まれてもよい。
【0122】
後述の試験方法及び装置は、本発明の実施形態を試験するのに有用であってもよい。
【0123】
湿潤不動化試験
機器
・メスシリンダー
・ストップウォッチ(±0.1秒)
・はさみ
・ライトボックス
・ペン
・試験溶液:37℃の0.90%食塩水溶液
・NIST、DIN、JIS又はその他の同等の国家規格に準拠している金属定規
・内側が平らな表面であり、測定されるコアバッグの長さの最小長が(n)及び最大長がn+30mm、幅が105±5mm、高さが30〜80mm、又はその等価値である、PVC/金属皿
・電子フォースゲージ(0〜50kgの範囲)
・湿潤不動化衝撃試験機(Wet Immobilization Impact Tester Equipment)(WAIIT)、デザインパッケージ番号BM−00112.59500−R01、T.M.G.Technisches Buero Manfred Grunaから入手可能
【0124】
設備:
標準実験室条件、温度:23℃±2℃、相対湿度:55%未満
試料の調製
1.トップシート側を上にして、製品を開ける。
2.おむつを広げ、およそ2.5cm毎にカフの弾性体を切って、シャーシの張力を無効にする。
3.プルアップ製品に関しては、サイドシームを開け、腰バンドを取り除く。
4.コアバッグを平らに長方形のトップシート側を上にして折り目なしにライトボックスの表面上に置く。
5.ライトボックスをオンにして、吸収性コアの外側縁部を明確に特定する。
6.定規を用いて、前部吸収性コア外側縁部及び後部吸収性コア外側縁部で線を引く。
7.2つの標線の間の距離(A)を測り、その値を2で割ると、距離(B)が計算される。
8.前部標線からコアバッグの中央に向かって、計算された距離(B)を測り、印をつける。この標線で横断方向に線を引く。
【0125】
試験手順
WAIIT較正:
1.スライド板が下部位置にあることを確認する。WAIIT試験機の前扉を開き、フォースゲージのフックをWAIITの上部サンプルクランプに接続させる。ばね秤を接続する前に、クランプが閉じていることを確認する。
2.ばね秤に両手を使って、スライド板を上部位置に向かって継続的に、またできるだけゆっくりと持ち上げる。実行中の平均値(m1)を0.02kg単位で記録する。
3.スライド板を下部位置までできるだけゆっくりと下ろし、実行中に読み取られた平均値(m2)を0.02kg単位で記録する。
4.m1−m2のΔを計算し、0.01kgの単位で報告する。Δが0.6kg±0.3kgであるなら、測定を継続する。そうでない場合は、スライド板の調整が必要である。スライド板が下部位置にあることを確認し、汚染又は損傷に関してスライド通路を点検する。スライド通路に対するスライド板の位置が正しく調節されているかどうかを、板を振動させることによって点検する。容易な滑走のためには、いくらかの隙間が必要である。もしなければ、システムを再調整する。
【0126】
WAIIT試験設定:
・落高は50cmである。
・おむつの負荷(lD)はコア容量(cc)の73%である。lD=0.73×cc。
・コア容量(cc)は、cc=mSAP×SAPGVとして計算され、式中、mSAPは、おむつに存在する超吸収性ポリマー(SAP)の質量であり、SAPGVは、超吸収性ポリマーの自由膨潤容量である。超吸収性ポリマーの自由膨潤容量は、国際公開第2006/062258号に記載の方法で決定される。おむつに存在する超吸収性ポリマーの質量は、10個の製品に存在する平均質量である。
【0127】
試験実施:
1.はかりを0にリセットし(風袋)、乾燥コアバッグをはかりに載せ、計量し0.1g単位で報告する。
2.メスシリンダーで適切な量の生理食塩水(脱イオン水中0.9%NaCl)を計る。
3.コアバッグをトップシート側を上にして平らにPVC皿内に置く。生理食塩水を均等にコアバッグの上に注ぐ。
4.PVC皿を取り、様々な方向に傾けて保持して、遊離した液体を吸収させる。ポリバックシートを有する製品は、バックシート下の液体が吸収されることができるように、2分間の最低待機時間後にひっくり返す必要がある。10分間(±1分間)待機して生理食塩水全てを吸収させる。何滴かはPVC皿に留まってもよい。均質の液体分配及びより少ない保留液体を確実にするために、規定されたPVC/金属皿のみを使用する。
5.はかりを0にリセットし(風袋)、湿潤コアバッグをはかりに載せる。計量し0.1g単位で報告する。はかり上に納まるように、コアバッグを1回だけ折る。湿潤コアバッグの重量が限界(「乾燥コアバッグの重量+おむつの負荷±4mL」として規定)外かどうかを確かめる。例えば、12gの乾燥コアバッグの重量+150mL負荷=162gの湿潤コアバッグの重量。はかり上の実際の湿潤重量が、158gと166gの間であるなら、そのパッドを振動に使用することができる。そうでなければ、そのパッドを廃棄し、次のパッドを使用する。
6.負荷されたコアバッグを取り、パッドを標線に沿って横断方向に切る。
7.湿潤コアバッグの後部をはかりの上に載せる(m1)。それを計量し0.1g単位で報告する。
8.湿潤コアを取り、末端封止側をWAIITのサンプルホルダーの上部クランプに固定する(コアの開放端は下に向く)。次に、製品が製品の全長に沿ってサンプルホルダーに固定されていることを確認しながら、コアの両側をサンプルホルダーの側部クランプで固定する。吸収性コア(不織布のみ)を固定しないよう確認するが、それは、一部の製品に関して、バリアレッグカフのみで製品を固定することを意味するためである。
9.スライド板が係合するまで、両手を使ってスライド板を上部位置まで持ち上げる。
10.安全前扉を閉め、スライドブレードを解放する。
11.はかりを0にリセットし(風袋)、試験されたコアバッグをWAIITから取り出し、はかりに載せる(m2)。重量を0.1g単位で報告する。
12.工程7〜11を湿潤コアバッグの前部で繰り返す。
【0128】
報告:
1.乾燥コアバッグの重量を0.1g単位で記録する。
2.試験前(m1前部/後部)及び試験後(m2前部/後部)の湿潤重量を、両方とも0.1g単位で記録する。
3.平均重量損失(Δm)を計算し、0.1g単位で報告する:Δm=(m1前部+m1後部)−(m2前部+m2後部)
4.重量損失をパーセントで計算し、1%単位で報告する:(Δmrel):(Δmrel)=(((m1前部+m1後部)−(m2前部+m2後部))×100)/(m1前部+m1後部)
5.湿潤不動化(WI)をWI=100%−Δmrelとして計算し報告する。
【0129】
プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Company)に譲渡された特許及び特許出願のうち、本明細書で引用する特許及び特許出願(明細書に記載されている特許も含む)は、本明細書と矛盾しない範囲で本明細書に参考として組み入れる。
【0130】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく限定されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40ミリメートル」として開示される寸法は、「約40ミリメートル」を意味するものである。
【0131】
「発明を実施するための形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0132】
以上、本発明の特定の実施形態を図示、説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変を行うことが可能である点は当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に吸収性物品に関し、更に詳細には、吸収性粒子状ポリマー材料を有する使い捨て吸収性衣類、例えばテープ型おむつ又はトレーニングパンツに関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつ、トレーニングパンツ、及び成人失禁用下着のような吸収性物品は、身体排出物を吸収し封じ込める。これらはまた、身体排出物が着用者と接触する衣類又は寝具などの他の物品をよごし、濡らし、ないしは別の方法で汚染するのを防止するように意図されている。使い捨ておむつのような使い捨て吸収性物品は、乾燥した状態又は尿が沁み込んだ状態で数時間にわたって着用されることがある。したがって、物品の吸収及び封入機能を維持又は向上する一方で、物品が乾燥しているときと物品が液体排出物で全体的又は部分的に負荷されたときの両方において、着用者に対する吸収性物品のフィット性及び快適性を改善する努力がなされてきた。
【0003】
おむつのような幾つかの吸収性物品は、吸収性粒子状ポリマー材料のような吸収性ポリマー材料(超吸収性ポリマーとしても知られる)を含有する。吸収性粒子状ポリマー材料は、液体を吸収して膨張し、最良の吸収性、フィット性、及び/又は快適性を意図する一定のパターン又は配列で吸収性物品内に配置されたときに、より効果的であることがある。それ故、吸収性粒子状ポリマー材料は、吸収性物品においてその意図された位置に留まるのが望ましいことがあり、したがって、吸収性粒子状ポリマー材料は、望ましくは、吸収性物品が乾燥しているとき及び濡れているときに吸収性粒子状ポリマー材料が不動化された状態を維持するように、吸収性物品内で不動化される。
【0004】
吸収性であることに加えて、おむつのような吸収性物品は、望ましくは、使用中の安楽性及び快適性のために、また、より便利で整ったパッケージ化及び保管のために薄く可撓性であることがある。吸収性物品は、大量に使用されることが多く、廉価であるのが望ましいこともある。吸収性物品内で吸収性粒子状ポリマー材料を不動化する幾つかの技術によって、吸収性物品の嵩(かさ)が増し、これにより、厚さが増大し、可撓性が低減し、及び/又は吸収性物品のコストが増大する。吸収性物品内で吸収性粒子状ポリマー材料を不動化するための他の技術は、吸収性物品が濡れた状態にあるときには、乾燥した状態にあるときほど不動化を維持するのに効果的でないことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、乾燥した状態及び濡れた状態における物品内での吸収性粒子状ポリマー材料の不動化を向上させた吸収性粒子状ポリマー材料を含有する、薄く、可撓性の、及び/又は廉価な吸収性物品の必要性が残っている。吸収性コアによる吸収前及び吸収中に、放出された液体排出物の有効な保持を低減することなく又は更には向上させながら、この必要性を満たすことは更に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の1つ以上の技術的問題を解決し、並びにシャーシと、吸収性粒子状ポリマー材料を含み、セルロースを実質的に含まない吸収性コアとを含んでもよい使い捨て吸収性物品を提供する。シャーシは、終縁部及び長手方向縁部を有してもよく、並びにトップシート及びバックシートを含有してもよい。吸収性コアはトップシートとバックシートとの間に配置されている。シャーシは、シャーシに接合された1対のサイドパネルを包含してもよく、サイドパネルは、長手方向縁部を超えて横方向外側に延伸し、各サイドパネルは、横方向にベクトル成分を有する方向に弾性的に延伸可能な少なくとも1つのゾーンを有する。
【0007】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の発明を実施するための形態、図面、及び特許請求の範囲を読めば明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態によるおむつの平面図。
【図2】図1に示したおむつを図1の断面線2−2に沿って切断した断面図。
【図3】本発明の一実施形態による吸収性コア層の部分断面図。
【図4】本発明の別の実施形態による吸収性コア層の部分断面図。
【図5】図3に例示された吸収性コア層の平面図。
【図6】本発明の一実施形態による第2吸収性コア層の平面図。
【図7A】図5及び6に例示された第1吸収性コア層及び第2吸収性コア層の組み合わせを含む吸収性コアの部分断面図。
【図7B】図5及び6に例示された第1吸収性コア層及び第2吸収性コア層の組み合わせを含む吸収性コアの部分断面図。
【図8】図7A及び7Bに例示された吸収性コアの平面図。
【図9】レオメーターの略図。
【図10】本発明の一実施形態による吸収性コア作製プロセスの模式図。
【図11】本発明の一実施形態による吸収性コアを作製するための装置の部分断面図。
【図12】図11に例示された印刷ロールの斜視図。
【図13】吸収性粒子状ポリマー材料リザーバを示す図12に例示された印刷ロールの部分断面図。
【図14】図12に例示された支持ロールの斜視図。
【図15】本発明の別の実施形態によるおむつの平面図であり、下層構造が見えるように一部を切り取った、観察者に面するおむつの外側表面。
【図16】本発明の1つの実施形態によるサイドパネルの代替的実施形態の断片的平面図。
【図17A】構造の詳細を示すために拡大された、図16に示される領域17Aの平面図。
【図17B】構造の詳細を示すために拡大された、図16に示される領域17Bの平面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以上に要約されたように、本発明は、セルロースを実質的に含まなくてもよい吸収性コアを有する、おむつのような吸収性物品を包含してもよい。セルロースを実質的に含まないコアと、弾性的に延伸可能なゾーンを有するサイドパネルとの組み合わせは、使い捨て吸収性物品からの漏れの可能性を高めずに、より大きい快適性のために、改善された柔軟性、可撓性、及び着用者の身体への適合性を有する使い捨て吸収性物品を有利に提供することがある。
【0010】
「吸収性物品」とは、身体排出物を吸収しかつ封じ込めるデバイスを指し、より具体的には、着用者の身体に接して又は近接して配置されて、身体から排出される様々な排出物を吸収しかつ封じ込めるデバイスを指す。吸収性物品としては、おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁下着、女性用衛生製品、胸パッド、ケアマット、よだれ掛け、創傷包帯製品及び同種のものを挙げてもよい。本明細書で使用するとき、用語「体液」又は「身体排出物」とは、尿、血液、膣排泄物、母乳、汗及び糞便を包含するが、これらに限定されない。
【0011】
「吸収性コア」は、吸収性物品によって受け取られた液体を吸収し封入するために、吸収性物品のトップシートとバックシートとの間に通常配置される構造体を意味し、1つ以上の基材と、1つ以上の基材上に配置された吸収性ポリマー材料と、吸収性粒子状ポリマー材料を1つ以上の基材上に不動化するための、吸収性粒子状ポリマー材料上及び1つ以上の基材の少なくとも一部分上の熱可塑性組成物とを含んでもよい。多層の吸収性コアにおいて、吸収性コアは被覆層を包含してもよい。1つ以上の基材及び被覆層は、不織布を備えてもよい。更に、吸収性コアは、実質的にセルロースを含まない。吸収性コアは、吸収性物品の捕捉システム、トップシート、又はバックシートを包含しない。特定の実施形態では、吸収性コアは、1つ以上の基材と、吸収性ポリマー材料と、熱可塑性組成物と、所望により被覆層とから本質的になる。
【0012】
「吸収性ポリマー材料」、「吸収性ゲル材料」、「AGM」、「超吸収体」、及び「超吸収性材料」は、本明細書で互換的に使用され、遠心分離器保持容量(Centrifuge Retention Capacity)試験(エダナ(Edana)441.2−01)を使用して測定されたときに、水性の0.9%食塩水溶液をその重量の少なくとも5倍吸収可能な架橋された高分子材料を指す。
【0013】
「吸収性粒子状ポリマー材料」は、乾燥した状態で流動可能なように粒子状形態である吸収性ポリマー材料を指すために本明細書で使用される。
【0014】
「吸収性粒子状ポリマー材料領域」は、本明細書で使用するとき、第1基材64及び第2基材72が多数の超吸収性粒子によって隔てられているコアの領域を指す。図8では、吸収性粒子状ポリマー材料領域の境界は、重なり合った円の外辺部によって画定される。この外辺部の外側には、第1基材64と第2基材72との間に幾つかの外部超吸収性粒子が存在してもよい。
【0015】
「エアフェルト」は、本明細書において、セルロース繊維の一形態である粉砕木材パルプを指すのに使用される。
【0016】
「含む」、「含んでいる」は制約のない用語であり、それぞれは後に続くもの、例えば、構成要素の存在を特定するが、他の特徴、例えば当該技術分野において既知の又は本明細書に開示される要素、工程、構成要素の存在を除外しない。
【0017】
本明細書において「本質的に〜からなる」とは、請求項におけるようなものの対象の範囲を、特定の材料又は工程、及び対象の基本的で新しい特徴に実質的に影響しないものに限定するのに使用される。
【0018】
「使い捨て」は、通常の意味では、様々な期間にわたって限定された使用回数、例えば、約20回未満、約10回未満、約5回未満、又は約2回未満の後に、処分される又は廃棄される物品を意味するのに使用される。
【0019】
「おむつ」とは、幼児及び失禁症状のある人によって、着用者の腰部及び脚部を取り巻くように、胴体下部の周りに一般に着用され、具体的には、尿及び糞便を受容し及び封じ込めるように適合されている吸収性物品を指す。本明細書で使用するとき、用語「おむつ」は、以下で定義されている「パンツ」も包含する。
【0020】
「弾性的」、「弾性的に延伸可能な」、及び「伸縮性のある」とは、本明細書では、おむつ又は他の使い捨て吸収性物品の材料及び/又は要素の性質であって、その材料及び/又は要素が、張力の適用時に裂け目又は壊滅的な破損なしに、その元の未延伸状態の長さの少なくとも150%まで伸長されることができ、及び張力が解除された後に、その元の長さに又はその元の長さに近い長さに実質的に戻る性質を指す。
【0021】
「繊維」及び「フィラメント」は、同じ意味で使用される。
【0022】
「不織布」は、一方向に又は不規則に配向され、摩擦及び/又は粘着及び/又は接着により固着された繊維の、人造シート、ウェブ、又はバットであるが、紙と、縫うかどうかを問わず、織られた、編まれた、房状の、糸若しくはフィラメントの結合を組み込んでステッチボンドされた、又は湿式ミリングによるフェルト加工された製品と、を除く。繊維は天然起源のものであっても人工起源のものであってもよく、ステープル又は連続フィラメントであっても、若しくはその場で形成されてもよい。市販の繊維は、約0.001mm未満から約0.2mmを超える範囲の直径を有し、いくつかの異なる形態、短繊維(ステープル繊維又は細断繊維として知られる)、連続単繊維(フィラメント又はモノフィラメント)、連続フィラメントの撚っていない束(麻くず(tow))、及び連続フィラメントの撚り束(編み糸)、によって提供される。不織布は、メルトブローイング、スパンボンディング、溶剤紡糸、電界紡糸、及びカーディングなど、多くの方法により形成できる。不織布の坪量は通常、平方メートル当たりのグラム(gsm)で表される。
【0023】
「パンツ」又は「トレーニングパンツ」は、本明細書で使用するとき、幼児又は成人の着用者用に設計された腰部開口部及び脚部開口部を有する使い捨て衣類を指す。パンツは、着用者の脚を脚部開口に挿入し、パンツを着用者の胴体下部周りの位置にまで滑らせることによって着用者の所定位置に配置されてもよい。パンツは、いかなる好適な技法によって予備形成されてもよく、これには再締結可能及び/又は再締結不可能な結合(例えば、縫い目、溶着、接着剤、粘着性結合、締結具など)を用いて物品の一部を互いに接合することが挙げられるが、これらに限定されない。パンツは、物品の周囲沿いのいずれかの箇所で(例えば、側面締結、前側腰部締結)予備形成されてもよい。用語「パンツ」又は「パンツ類」が本明細書では使用されるが、パンツはまた一般的に「密閉型おむつ」、「事前締結型(prefastened)おむつ」、「プルオンおむつ」、「トレーニングパンツ」、及び「おむつパンツ」とも呼ばれる。好適なパンツが、米国特許第5,246,433号(ハッセ(Hasse)ら、1993年9月21日発行)、同第5,569,234号(ブエル(Buell)ら、1996年10月29日発行)、同第6,120,487号(アシュトン(Ashton)、2000年9月19日発行)、同第6,120,489号(ジョンソン(Johnson)ら、2000年9月19日発行)、同第4,940,464号(バン・ゴンペル(Van Gompel)ら、1990年7月10日発行)、同第5,092,861号(ノムラ(Nomura)ら,1992年3月3日発行)、米国特許公開第2003/0233082A1号、名称「高可撓性及び低変形性締結装置(Highly Flexible And Low Deformation Fastening Device)」(2002年6月13日出願)、米国特許第5,897,545号(クライン(Kline)ら、1999年4月27日発行)、米国特許第5,957,908号(クライン(Kline)ら、1999年9月28日発行)に開示されている。
【0024】
「実質的にセルロースを含まない」とは、本明細書では、10重量%未満のセルロース繊維、5重量%未満のセルロース繊維、1重量%未満のセルロース繊維を含有する、セルロース繊維を含有しない、又は微量を超えたセルロース繊維を含有しない、吸収性コアなどの物品を述べるのに使用される。微量のセルロース繊維は、吸収性コアの薄さ、吸収性コアの柔軟性、又は吸収性コアの吸収力に実質的に影響しない。
【0025】
「実質的に連続的に分布した」は、本明細書で使用するとき、吸収性粒子状ポリマー材料領域内において、第1基材64と第2基材72が多数の超吸収性粒子によって隔てられていることを示す。吸収性粒子状ポリマー材料領域において、第1基材64と第2基材72との間に小さな偶然接触領域が存在してもよいことが認められる。第1基材64と第2基材72との間にある偶然接触領域は、意図的であっても意図的でなくてもよい(例えば人工物の製造)が、枕状体(pillows)、ポケット、管、キルトパターンなどのような幾何学的配置を形成しない。
【0026】
「熱可塑性接着剤材料」は、本明細書で使用するとき、乾燥した状態及び濡れた状態の両方において超吸収性材料を不動化する目的で超吸収性材料に塗布され、繊維が形成されるポリマー組成物を含むものと解される。本発明の熱可塑性接着剤材料は、超吸収性材料を覆って繊維性網状組織を形成する。
【0027】
「厚さ」及び「キャリパー」は、本明細書において同じ意味で使用される。
【0028】
図1は、本発明の特定の実施形態によるおむつ10の平面図である。おむつ10は、その広げられた非収縮(弾性による収縮がない)状態で示され、おむつ10の一部は、おむつ10の下層構造をより明瞭に示すために、切り取られている。着用者に接触するおむつ10の部分は、図1において観察者の方を向いている。おむつ10は、一般に、シャーシ12と、シャーシ内に配置される吸収性コア14とを含んでもよい。
【0029】
図1におけるおむつ10のシャーシ12は、おむつ10の本体を含んでもよい。シャーシ12は、液体透過性であり得るトップシート18、及び/又は液体不透過性であり得るバックシート20を包含する外側カバー16を含んでもよい。吸収性コア14は、トップシート18とバックシート20との間に包まれていることもある。シャーシ12は、サイドパネル22、弾性レッグカフ24、及び弾性ウエスト機構26を更に包含してもよい。
【0030】
レッグカフ24及び弾性ウエスト機構26は通常、弾性部材28をそれぞれ含んでもよい。おむつ10の1つの末端部は、おむつ10の第1腰部区域30として構成されてもよい。おむつ10の反対側の末端部は、おむつ10の第2腰部区域32として構成されてもよい。おむつ10の中間部分は、股部区域34として構成されてもよく、これは、第1腰部区域30と第2腰部区域32との間を長手方向に延びている。腰部区域30及び腰部区域32は、着用者のウエストの周りでギャザーを寄せて改善されたフィット性及び封入性をもたらすように、弾性要素を包含してもよい(弾性ウエスト機構26)。股部区域34は、おむつ10が着用されたとき、通常、着用者の脚の間に配置される、おむつ10の部分である。
【0031】
おむつ10は、その長手方向軸36及び横断方向軸38と共に図1に描かれている。おむつ10の外周40は、長手方向縁部42がおむつ10の長手方向軸36に対して概ね平行に延び、終縁部44がおむつ10の横断方向軸38に対して概ね平行に長手方向縁部42の間を延びる、おむつ10の外側縁部によって画定される。シャーシ12は、締結装置もまた含んでよく、これは少なくとも1つの締結部材46と、少なくとも1つの格納されたランディング領域48とを包含してもよい。
【0032】
また、当該技術分野において既知のその他の機構(前及び後耳パネル、ウエストキャップ機構、弾性体などを包含する)をおむつ20に搭載して、フィット性、封入性、美的特性を向上させてもよい。このような追加機構は当該技術分野において周知であり、例えば、米国特許第3,860,003号及び同第5,151,092号に記載されている。
【0033】
おむつ10を着用者の周りの定位置に保持するために、第1腰部区域30の少なくとも一部は、締結部材46によって第2腰部区域32の少なくとも一部に取り付けられて、脚部開口部(単数又は複数)及び物品の腰部を形成してもよい。締結するとき、締結装置が物品の腰部周辺の引張荷重を支える。締結装置により、物品のユーザーは、締結装置の1要素、例えば締結部材46を持ち、少なくとも2箇所で第1腰部区域30を第2腰部区域32に連結させることができる。これは、締結装置要素間の固着強度の操作により達成されてもよい。
【0034】
特定の実施形態によると、おむつ10は、再閉止可能な締結装置を備えてもよく、あるいは、パンツ型おむつの形態で提供されてもよい。吸収性物品がおむつである場合、おむつを着用者に固定するために、シャーシに接合した再閉止可能な締結装置を含んでもよい。吸収性物品がパンツ型おむつである場合、物品は、シャーシに、また互いに接合した少なくとも2つのサイドパネルを含み、パンツを形成してもよい。締結装置及びそのいずれの構成要素も、このような使用に好適ないずれの材料を包含してもよく、それにはプラスチック、フィルム、発泡体、不織布、織布、紙、ラミネート、繊維強化プラスチックなど、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、締結装置を構成する材料は、可撓性であり得る。可撓性により、締結装置を体の形状に適合できることがあり、ひいては締結装置が着用者の皮膚に刺激を与えたり又は傷つけたりする可能性を低減することがある。
【0035】
一体型吸収性物品の場合、シャーシ12及び吸収性コア14は、おむつの複合構造を形成するために追加される他の機構と共におむつ10の主構造を形成してもよい。トップシート18、バックシート20、及び吸収性コア14は、様々な周知の構成に組み立てることができるが、好ましいおむつ構成は、米国特許第5,554,145号(ロー(Roe)ら、1996年9月10日発行)、名称「複数の領域の構造的に弾性様のフィルムウェブの伸張可能な腰部機構を有する吸収性物品(Absorbent Article With Multiple Zone Structural Elastic-Like Film Web Extensible Waist Feature)」、同第5,569,234号(ブエル(Buell)ら、1996年10月29日発行)、名称「使い捨てプルオンパンツ(Disposable Pull-On Pant)」、及び同第6,004,306号(ローブルス(Robles)ら、1999年12月21日発行)、名称「多方向延伸性サイドパネルを有する吸収性物品(Absorbent Article With Multi-Directional Extensible Side Panels)」に概ね記載される。
【0036】
図1のトップシート18は、全体的に又は部分的に伸縮性を持たせてもよく、又は縮小してトップシート18と吸収性コア14との間に空間を提供してもよい。伸縮性の又は縮小させたトップシートを包含する代表的な構造は、米国特許第5,037,416号(アレン(Allen)ら、1991年8月6日発行)、名称「弾性的延伸性のトップシートを有する使い捨て吸収性物品(Disposable Absorbent Article Having Elastically Extensible Top sheet)」、及び同第5,269,775号(フリーランド(Freeland)ら、1993年12月14日発行)、名称「使い捨て吸収性物品用の三分割トップシート及びその三分割トップシートを有する使い捨て吸収性物品(Trisection Top sheets for Disposable Absorbent Articles and Disposable Absorbent Articles Having Such Trisection Top sheets)」に更に詳細に記載されている。
【0037】
バックシート26は、トップシート18に接合されてもよい。バックシート20は、吸収性コア14によって吸収され、おむつ10内に収容される排出物が、ベッドシーツ及び下着などの、おむつ10に接触する可能性があるその他の外部物品を汚すのを防いでもよい。特定の実施形態では、バックシート26は、液体(例えば、尿)に対して実質的に不透過性であってもよく、不織布のラミネート及び約0.012mm(0.5ミル)〜約0.051mm(2.0ミル)の厚さを有する熱可塑性フィルムのような薄いプラスチックフィルムを含んでもよい。好適なバックシートフィルムには、インディアナ州テレホート(Terre Haute)のトレデガー・インダストリーズ社(Tredegar Industries Inc.)により製造され、X15306、X10962、及びX10964の商標名で販売されるものが挙げられる。他の好適なバックシート材料としては、蒸気をおむつ10から逃がす一方で液体排出物がバックシート10を通過するのを依然として防止する通気性材料を挙げてもよい。代表的な通気性材料としては、織布ウェブ、不織布ウェブのような材料、フィルムコートされた不織布ウェブのような複合材料、及び三井東圧社(Mitsui Toatsu Co.)(日本)によりエスポワール(ESPOIR)NOの表記で製造されるような、またエクソンケミカル社(EXXSON Chemical Co.)(テキサス州ベイシティー(Bay City))によりエクサエール(EXXAIRE)の表記で製造されるようなミクロ孔質フィルムを挙げてもよい。ポリマーブレンドを含む好適な通気性複合材料は、クロペイ社(Clopay Corporation)(オハイオ州シンシナティ(Cincinnati))からハイトレル(HYTREL)ブレンドP18−3097の名称で入手できる。そのような通気性複合材料は、PCT出願WO95/16746(E.I.デュポンの名義で1995年6月22日公開)に更に詳細に記載されている。不織布ウェブ及び孔あき成形フィルムを包含する他の通気性バックシートが、米国特許第5,571,096号(ドブリン(Dobrin)ら、1996年11月5日発行)に記載されている。
【0038】
特定の実施形態において、本発明のバックシートは、WSP 70.5(08)に従って、37.8℃及び相対湿度60%で測定され、約2000g/24h/m2を超える、約3000g/24h/m2を超える、約5000g/24h/m2を超える、約6000g/24h/m2を超える、約7000g/24h/m2を超える、約8000g/24h/m2を超える、約9000g/24h/m2を超える、約10000g/24h/m2を超える、約11000g/24h/m2を超える、約12000g/24h/m2を超える、約15000g/24h/m2を超える透湿度(WVTR)を有してもよい。
【0039】
図2は、図1の断面線2−2に沿った図1の断面図を示す。着用者に面する側から順に、おむつ10は、トップシート18と、吸収性コア14の構成要素と、バックシート20と、を含んでもよい。特定の実施形態によると、おむつ10はまた、液体透過性トップシート18と吸収性コア14の着用者に面する側との間に配置される捕捉システム50を含んでもよい。捕捉システム50は、吸収性コアと直接接触していてもよい。捕捉システム50は、単一層を含んでもよく、又は、着用者の皮膚に面する上部捕捉層52及び着用者の衣類に面する下部捕捉層54などの多層を含んでもよい。特定の実施形態によると、捕捉システム50は、尿の噴出のような急増する液体を受け取るように機能してもよい。換言すれば、捕捉システム50は、吸収性コア14が液体を吸収できるまで液体の一時的なリザーバとしての機能を果たしてもよい。
【0040】
特定の実施形態では、捕捉システム50は、化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよい。このような架橋されたセルロース繊維は、望ましい吸収力特性を有してもよい。代表的な化学的に架橋されたセルロース繊維は、米国特許第5,137,537号に開示されている。特定の実施形態では、化学的に架橋されたセルロース繊維は、グルコース単位に基づいて、約0.5モル%〜約10.0モル%のC2〜C9ポリカルボン酸架橋剤、又は約1.5モル%〜約6.0モル%のC2〜C9ポリカルボン酸架橋剤により架橋される。クエン酸は、代表的な架橋剤である。他の実施形態では、ポリアクリル酸が使用されてもよい。更に、特定の実施形態によると、架橋されたセルロース繊維は、約25〜約60、又は約28〜約50、又は約30〜約45の保水度を有する。保水度を決定するための方法は、米国特許第5,137,537号に開示されている。特定の実施形態によると、架橋されたセルロース繊維は、捲縮されるか、撚り合わされるか、又はカールされてもよく、あるいは、捲縮、撚り合わせ、及びカールを包含するそれらの組み合わせであってもよい。
【0041】
特定の実施形態では、上部捕捉層52及び下部捕捉層54の一方又は両方は、親水性であり得る不織布を含んでもよい。更に、特定の実施形態によると、上部捕捉層52及び下部捕捉層54の一方又は両方が化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよく、これらセルロース繊維は不織布材料の一部を形成しても形成しなくてもよい。代表的な実施形態によると、上部捕捉層52は、架橋されたセルロース繊維を有さない不織布を含んでもよく、下部捕捉層54は、化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよい。更に、一実施形態によると、下部捕捉層54は、天然又は合成高分子繊維などの他の繊維と混合された、化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよい。代表的な実施形態によると、このような他の天然又は合成高分子繊維には、表面積の大きな繊維、熱可塑性結合繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、PET繊維、レーヨン繊維、リオセル繊維、及びこれらの混合物が含まれてもよい。特定の実施形態によると、下部捕捉層54は、全乾燥重量を有し、架橋されたセルロース繊維は、上部捕捉層において乾燥重量基準で下部捕捉層54の約30重量%〜約95重量%の量で存在しており、また、他の天然又は合成高分子繊維は、下部捕捉層54において乾燥重量基準で下部捕捉層54の約70重量%〜約5重量%の量で存在している。別の実施形態によると、架橋されたセルロース繊維は、第1捕捉層において乾燥重量基準で下部捕捉層54の約80重量%〜約90重量%の量で存在しており、また、他の天然又は合成高分子繊維は、下部捕捉層54において乾燥重量基準で下部捕捉層54の約20重量%〜約10重量%の量で存在している。
【0042】
特定の実施形態によると、下部捕捉層54は、望ましくは高い流体吸い上げ能力を有する。流体吸い上げは、吸収性材料のグラム当たりに吸収された流体のグラムにより測定されて、「最大吸い上げ」値により表される。したがって、高い流体吸い上げは、材料の高い容量に対応しており、捕捉材料により吸収されるべき流体の完全な捕捉を確実にするので、有益である。代表的な実施形態によると、下部捕捉層54は、約10g/gの最大吸い上げを有する。
【0043】
上部捕捉層54の関連属性は、その中間脱着圧(MDP)である。MDPは、2068Pa(0.3psi)が印加された機械的圧力の下で、0cmの毛管吸引高さにおいて、その容量の約50%まで下部捕捉層54を脱水するのに必要な毛管圧の測定値である。一般に、比較的より低いMDPが有用であってもよい。より低いMDPによって、下部捕捉層54は、上部捕捉材料からより効果的に排液させることが可能になってもよい。理論に束縛されるものではないが、所与の分配材料は、規定可能な(definable)毛管吸引力を有してもよい。下部捕捉層54が毛管力によって液体を縦方向に移動させる能力は、重力、及び上部捕捉層の脱着と関連した対向する毛管力によって直接的に影響される。これらの毛管力を最小限に抑えると、下部捕捉層54の性能に好影響を与えることがある。しかしながら、特定の実施形態では、下部捕捉層54はまた、上方の層(特に上部捕捉層52及びトップシート18)から排液するために、また、液体が吸収性コア構成要素によって離隔されるまで液体を一時的に保持するために、適切な毛管吸収吸引を有してもよい。したがって、特定の実施形態では、下部捕捉層54は、5cmを超える最小MDPを有してもよい。更に、代表的な実施形態によると、下部捕捉層54は、急速な捕捉を提供するために、約2010Pa(20.5cm H2O)未満、又は約1863Pa(19cm H2O)未満、又は約1765Pa(18cm H2O)未満のMDP値を有する。
【0044】
MDP及び最大吸い上げを決定するための方法は、米国特許出願11/600,691(フロール(Flohr)ら)に開示されている。例えば、第1実施形態によると、下部捕捉層54は、約70重量%の化学的に架橋されたセルロース繊維、約10重量%のポリエステル(PET)、及び約20重量%の未処理のパルプ繊維を含んでもよい。第2実施形態によると、下部捕捉層54は、約70重量%の化学的に架橋されたセルロース繊維、約20重量%のリオセル繊維、及び約10重量%のPET繊維を含んでもよい。第3実施形態によると、下部捕捉層54は、約68重量%の化学的に架橋されたセルロース繊維、約16重量%の未処理のパルプ繊維、及び約16重量%のPET繊維を含んでもよい。一実施形態では、下部捕捉層54は、約90〜100重量%の化学的に架橋されたセルロース繊維を含んでもよい。
【0045】
上部捕捉層52及び下部捕捉層54に好適な不織布材料としては、スパンボンド層と、メルトブロウン層と、更なるスパンボンド層とを含むSMS材料が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、永久的に親水性の不織布、特に耐久的に親水性のコーティングを備えた不織布が望ましい。別の好適な実施形態は、SMMS構造を含む。特定の実施形態では、不織布は多孔質である。
【0046】
特定の実施形態では、好適な不織布材料としては、PE、PET、及びPPなどの合成繊維を挙げてもよいが、これらに限定されない。不織布の製造に使用されるポリマーは、本来的に疎水性であり得るため、親水性コーティングによってコーティングされてもよい。耐久的に親水性のコーティングを用いて不織布を製造するための1つの方法は、同時係属中の米国特許公開第2005/0159720号に記載されているように、親水性モノマー及びラジカル重合反応開始剤を不織布上に塗り、紫外線で活性化して重合を起こすことによって、不織布の表面に化学結合したモノマーを生成させるものである。耐久的に親水性のコーティングを用いて不織布を製造するためのもう1つの方法は、同時係属出願米国特許第7,112,621号(ロールボウ(Rohrbaugh)ら)及びPCT出願公開WO02/064877に記載されているように、親水性のナノ粒子を用いて不織布をコーティングすることである。
【0047】
典型的には、ナノ粒子は、750nm未満の最大寸法を有する。2〜750nmの範囲の寸法を有するナノ粒子が、経済的に製造されてもよい。ナノ粒子の利点は、その多くが水溶液中で容易に分散して、不織布上にコーティング塗布可能であり、典型的には透明なコーティングを形成し、また、水溶液から塗布されたコーティングは、典型的には水への曝露に対して十分に耐久性があることである。ナノ粒子は、有機又は無機、合成又は天然であり得る。無機ナノ粒子は、一般に酸化物、ケイ酸塩、及び/又は炭酸塩として存在する。好適なナノ粒子の典型例は、層状粘土鉱物(例えば、サザンクレイプロダクツ社(Southern Clay Products, Inc.)(米国)からのラポナイト(LAPONITE)(商標)、及びベーマイト(Boehmite)アルミナ(例えば、ノースアメリカンセイソル社(North American Sasol. Inc.)からのディスペラル(Disperal)P2(商標))である。特定の実施形態によると、好適なナノ粒子コーティング不織布は、同時係属特許出願第10/758,066号、名称「耐久性のある親水性コアラップを含む使い捨て吸収性物品(Disposable absorbent article comprising a durable hydrophilic core wrap)」(エカテリナ・アナトリエブナ・ポノマレンコ(Ekaterina Anatolyevna Ponomarenko)及びマティアスNMNシュミット(Mattias NMN Schmidt))に開示されたものである。
【0048】
更に有用な不織布は、米国特許第6,645,569号(クラーマー(Cramer))ら、同第6,863,933号(クラーマー(Cramer))ら、同第7,112,621号(ロールボウ(Rohrbaugh))ら、並びに同時係属特許出願10/338,603(クラーマー(Cramer))ら、及び同10/338,610(クラーマー(Cramer)ら)に記載されている。
【0049】
場合によっては、不織布表面は、ナノ粒子のコーティングを適用する前に、高エネルギー処置(コロナ、プラズマ)で前処理され得る。高エネルギーの前処理は、典型的には低表面エネルギー表面(PPなど)の表面エネルギーを一時的に増大して、その結果、水中のナノ粒子の分散による不織布のより良好な濡れを可能にする。
【0050】
特に、永久的に親水性の不織布は、吸収性物品の他の部分にも有用である。例えば、上記のような永久的に親水性の不織布を含むトップシート及び吸収性コア層は、うまく働くことが判明した。
【0051】
特定の実施形態によると、上部捕捉層52は、外部圧力が加えられて取り除かれるときに良好な回復をもたらす材料を含んでもよい。更に、特定の実施形態によると、上部捕捉層52は、例えば、上述した高分子繊維の種類から選択される、異なる繊維のブレンドを含んでもよい。幾つかの実施形態では、繊維の少なくとも一部分は、螺旋形状を有するスパイラル捲縮を呈してもよい。幾つかの実施形態では、上部捕捉層52は、異なる程度又は異なるタイプの捲縮、又は両方の捲縮を有する繊維を含んでもよい。例えば、1つの実施形態は、約3.1〜約4.7クリンプ毎センチメートル(約8〜約12クリンプ毎インチ(cpi))又は約3.5〜約3.9クリンプ毎センチメートル(約9〜約10cpi)を有する繊維と、約1.6〜約3.1クリンプ毎センチメートル(約4〜約8cpi)又は約2〜約2.8クリンプ毎センチメートル(約5〜約7cpi)を有する他の繊維との混合物を包含してもよい。異なる種類の捲縮としては、2D捲縮又は「平らな捲縮」、及び3D又はスパイラル捲縮が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態によると、繊維は、異なる材料、通常は第1及び第2の高分子材料をそれぞれが含む個別の繊維である、バイコンポーネント繊維を包含してもよい。並列バイコンポーネント繊維の使用は、繊維にスパイラル捲縮を付与するのに有益であると考えられる。
【0052】
特定の実施形態では、上部捕捉層52は、ラテックス結合剤、例えば、スチレン−ブタジエンラテックス結合剤(SBラテックス)によって安定化されてもよい。そのような格子状構造を得る方法は、例えば、欧州特許EP第149880号(クウォク(Kwok))とUS第2003/0105190号(ディール(Diehl)ら)から既知である。特定の実施形態では、結合剤は、約12重量%、約14重量%、又は約16重量%を超えて上部捕捉層52に存在していてもよい。特定の実施形態のために、SBラテックスは、商標名ゲンフロ(GENFLO)(商標)3160(オムノバ・ソリューションズ社(OMNOVA Solutions Inc.);オハイオ州アクロン(Akron))により入手可能である。
【0053】
図1〜8における吸収性コア14は、概してトップシート18とバックシート20との間に配置され、2つの層、第1吸収層60及び第2吸収層62を含む。図3に最良に示されるように、吸収性コア14の第1吸収層60は、基材64と、基材64上の吸収性粒子状(particular)ポリマー材料66と、第1基材64上の吸収性粒子状ポリマー材料66を覆い不動化するための接着剤としての、吸収性粒子状ポリマー材料66上及び第1基材64の少なくとも一部上の熱可塑性組成物68とを含む。図4に例示された別の実施形態によると、吸収性コア14の第1吸収層60はまた、熱可塑性組成物68上の被覆層70を包含してもよい。
【0054】
同様に、図2に最良に例示されるように、吸収性コア14の第2吸収層62もまた、基材72と、第2基材72上の吸収性粒子状ポリマー材料74と、第2基材72上の吸収性粒子状ポリマー材料74を不動化するための、吸収性粒子状ポリマー材料74上及び第2基材72の少なくとも一部分上の熱可塑性組成物66とを包含してもよい。例示されないが、第2吸収層62もまた、図4に例示された被覆層70のような被覆層を包含してもよい。
【0055】
第1吸収層60の基材64はダスティング層と呼ばれることがあり、おむつ10のバックシート20に面する第1表面78と、吸収性粒子状ポリマー材料66に面する第2表面80とを有する。同様に、第2吸収層62の基材72はコアカバーと呼ばれることがあり、おむつ10のトップシート18に面する第1表面82と、吸収性粒子状ポリマー材料74に面する第2表面84とを有する。第1基材64及び第2基材72は、外周の周辺部で接着剤により互いに付着して、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を吸収性コア14内に保持するための包みを、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の周りに形成してもよい。
【0056】
特定の実施形態によると、第1吸収層60の基材64及び第2吸収層62の基材72は、上述した不織布材料などの不織布材料であってもよい。特定の実施形態では、不織布は多孔質であり、一実施形態では、約32マイクロメートルの孔径を有する。
【0057】
図1〜8に例示されるように、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74は、各々、第1吸収層60の基材64及び第2吸収層62の基材72上に粒子の塊90になって付着され、ランド領域94とランド領域94の間の接合領域96とを含むグリッドパターン92を形成する。本明細書で定義されたように、ランド領域94は、熱可塑性接着剤材料が不織布基材又は補助接着剤と直接的に接触しない領域であり、接合領域96は、熱可塑性接着剤材料が不織布基材又は補助接着剤と直接的に接触する領域である。グリッドパターン92内の接合領域96は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を殆ど又は全く含有しない。ランド領域94及び接合領域96は、様々な形状を有することができ、それには円形、楕円形、正方形、矩形、三角形などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0058】
図8に示したグリッドパターンは、ランド領域の規則的な間隔と寸法を有する正方形のグリッドである。六角形、菱形、斜方晶形(orthorhombic)、平行四辺形、三角形、矩形、及びこれらの組み合わせを包含する他のグリッドパターンも使用されてもよい。グリッド線の間の間隔は、規則的であっても不規則であってもよい。
【0059】
グリッドパターン92内のランド領域94の寸法は、様々であってもよい。特定の実施形態によると、グリッドパターン92内のランド領域94の幅119は、約8mm〜約12mmの範囲である。特定の実施形態では、ランド領域94の幅は、約10mmである。その一方、接合領域96は、特定の実施形態では、約5mm未満、約3mm未満、約2mm未満、約1.5mm未満、約1mm未満、又は約0.5mm未満の幅又はより大きな範囲を有する。
【0060】
図8に示すように、吸収性コア14は、後端102から前端104まで延びる長手方向軸100と、長手方向軸100に対して垂直な、第1縁部108から第2縁部110まで延びる横断方向軸106とを有する。吸収性粒子状ポリマー材料の塊90のグリッドパターン92は、ランド領域94及び接合領域96の配列によって形成されたグリッドパターン92がパターン角度112を形成するように、各吸収層60の基材64及び吸収層62の基材72上に配列される。パターン角度112は、0度、0度を超える、又は15〜30度、又は約5〜約85度、又は約10〜約60度、又は約15〜約30度であってもよい。
【0061】
図7A、7B、及び8に最良に見られるように、第1層60及び第2層62が、組み合わされて吸収性コア14を形成してもよい。吸収性コア14は、パターンの長さ116及びパターンの幅118によって境界付けされた、吸収性粒子状ポリマー材料領域114を有する。吸収性粒子状ポリマー材料領域114の範囲及び形状は、吸収性コア14の所望の用途、及び組み込まれ得る特定の吸収性物品に応じて、様々であってもよい。しかしながら、特定の実施形態では、吸収性粒子状ポリマー材料領域114は、図8に例示されているように、吸収性コア14の実質的に全体にわたって延びる。
【0062】
第1吸収層62及び第2吸収層64の各々のグリッドパターン92が吸収性コア14の長さ及び/又は幅に沿って互いにオフセットするように、第1吸収層60及び第2吸収層62は、共に組み合わされて吸収性コア14を形成してもよい。各グリッドパターン92は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74が吸収性粒子状ポリマー領域114にわたって実質的に連続的に分布するように、オフセットされてもよい。特定の実施形態では、個々のグリッドパターン92が第1基材64及び第2基材72にわたって塊90になって不連続的に分布している吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を含むにもかかわらず、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74は、吸収性粒子状ポリマー材料領域114にわたって実質的に連続的に分布している。特定の実施形態では、グリッドパターンは、第1吸収層60のランド領域94が第2吸収層62の接合領域96に面し、第2吸収層62のランド領域が第1吸収層60の接合領域96に面するように、オフセットされてもよい。ランド領域94及び接合領域96が適切に寸法設定されて配列される場合、その結果生じる吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の組み合わせは、吸収性コア14の吸収性粒子状ポリマー材料領域114にわたる吸収性粒子状(particular)ポリマー材料の実質的に連続的な層である(即ち、第1基材64及び第2基材72は、それらの間に吸収性粒子状ポリマー材料66の塊90をそれぞれが有する複数のポケットを形成しない)。特定の実施形態では、第1吸収層60及び第2吸収層62の各グリッドパターン92は、実質的に同じであってもよい。
【0063】
図8に例示されるような特定の実施形態では、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の量は、グリッドパターン92の長さ116に沿って様々であってもよい。特定の実施形態では、グリッドパターンは、吸収性領域120、122、124、及び126に分割されてもよく、これらの領域において、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の量は、領域によって様々である。本明細書で使用するとき、「吸収性領域」は、図8に示した長手方向軸に対して垂直な境界を有する吸収性粒子状ポリマー材料領域の区域を指す。吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の量は、特定の実施形態では、複数の吸収性領域120、122、124、及び126のうちの一領域から別の領域へ漸進的に推移してもよい。吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の量のこの漸進的な推移により、吸収性コア14における亀裂形成の可能性が低減され得る。
【0064】
吸収性コア14内に存在する吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の量は、様々であり得るが、特定の実施形態では、吸収性コアの約80重量%を超える、又は吸収性コアの約85重量%を超える、又は吸収性コアの約90重量%を超える、又はコアの約95重量%を超える量で、吸収性コア内に存在する。特定の実施形態では、吸収性コア14は、第1基材64及び第2基材72、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74、並びに熱可塑性接着性組成物68及び熱可塑性接着性組成物76から本質的になる。一実施形態では、吸収性コア14は、実質的にセルロースを含まなくてもよい。
【0065】
特定の実施形態によると、少なくとも1つの自由に選択された1cm×1cm測定の第1正方形内の吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の重量は、少なくとも1つの自由に選択された1cm×1cm測定の第2正方形内の吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の重量より少なくとも約10%、又は20%、又は30%、40%又は50%高くてもよい。特定の実施形態では、第1及び第2正方形は、長手方向軸の中央に位置する。
【0066】
吸収性粒子状ポリマー材料領域は、代表的な実施形態によると、着用時の快適性を増大するために、吸収性物品の股部領域において比較的狭い幅を有してもよい。故に、吸収性粒子状ポリマー材料領域は、一実施形態によると、吸収性物品の前縁部及び後縁部まで等間隔に位置する横断方向線に沿って測定したとき、約100mm、90mm、80mm、70mm、60mm未満、又は更に約50mm未満の幅を有してもよい。
【0067】
おむつなどの殆どの吸収性物品に関して、液体の排出は、主におむつの前側半分において生じることが判明した。したがって、吸収性コア14の前側半分は、コアの吸収能力の大部分を含むべきである。それ故、特定の実施形態によると、前記吸収性コア14の前側半分は、超吸収性材料の約60%超、又は超吸収性材料の約65%、70%、75%、80%、85%、又は90%超を含んでもよい。
【0068】
特定の実施形態では、吸収性コア14は、一般的に圧縮性であり、適合性があり、着用者の皮膚に刺激がなく、かつ尿及び他の特定の身体排出物などの液体を吸収し保持することのできる、あらゆる吸収性材料を更に含んでもよい。このような実施形態では、吸収性コア14は、一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプ、捲縮セルロース塊(creped cellulose wadding)、コフォームを包含するメルトブローポリマー、化学的に剛化、変性、若しくは架橋されたセルロース繊維、ティッシュラップとティッシュラミネートを包含するティッシュ、吸収性フォーム、吸収性スポンジ、又は他のあらゆる既知の吸収性材料若しくは材料の組み合わせなど、使い捨ておむつ及び他の吸収性物品において一般に使用される多種多様の液体吸収性材料を含んでもよい。吸収性コア14は、少量(通常約10%未満)の材料、例えば、接着剤、ワックス、油などを更に含んでもよい。
【0069】
吸収性組立体として使用される代表的な吸収性構造体は、米国特許第4,610,678号(ワイズマン(Weisman)ら)、同第4,834,735号(アレメニー(Alemany)ら)、同第4,888,231号(アングスタット(Angstadt))、同第5,260,345号(デスマレイス(DesMarais)ら)、同第5,387,207号(ダイアー(Dyer)ら)、同第5,397,316号(ラボン(LaVon)ら)、及び同第5,625,222号(デスマレイス(DesMarais)ら)に記載される。
【0070】
熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を覆い、少なくとも部分的に不動化するのに役立つことがある。本発明の一実施形態では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74内で前記ポリマー間に本質的に均一に配置され得る。しかしながら、特定の実施形態では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74と少なくとも部分的に接触しており、第1吸収層60及び第2吸収層62の基材層64及び基材層72と部分的に接触している、繊維性層として提供されてもよい。図3、4、及び7は、このような構造体を示しており、この構造体において、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74は、不連続な層として提供され、また繊維性熱可塑性接着剤材料68及び繊維性熱可塑性接着剤材料76の層は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の層の上に置かれ、その結果、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74と直接接触しているが、基材64の第2表面80及び基材72の第2表面84とも直接接触しており、基材は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74によって覆われていない。このことは、それ自体が本質的に長さ方向及び幅方向の寸法に比べて比較的小さい厚さの二次元構造体である熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76の繊維性層に、本質的に三次元の構造体を付与する。換言すれば、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料68及び吸収性粒子状ポリマー材料76、並びに基材64及び基材72の第2表面の間で波状である。
【0071】
これにより、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を覆うための空洞を提供してもよく、これにより、この材料を不動化する。更なる態様では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、基材64及び基材72に結合し、その結果、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を基材64及び基材72に固着させる。したがって、特定の実施形態によると、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、濡れたときに吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を不動化し、それによって、吸収性コア14は、本明細書に記載の湿潤不動化試験に従って約70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%以下の吸収性粒子状ポリマー材料の損失を達成する。幾つかの熱可塑性接着剤材料はまた、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74と基材64及び基材72との両方に浸透し、その結果、更なる不動化及び固着をもたらす。勿論、本明細書に開示される熱可塑性接着剤材料は、湿潤不動化(即ち、物品が濡れた状態であるとき又は少なくとも部分的に負荷されたときの吸収性材料の不動化)を大きく改善する一方、これらの熱可塑性接着剤材料は、吸収性コア14が乾燥状態であるときにも吸収性材料を非常に良好に不動化する。熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、ホットメルト接着剤と呼ばれることもある。
【0072】
理論に束縛されるものではないが、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74を不動化するのに最も有用な熱可塑性接着剤材料は、良好な粘着挙動及び良好な接着挙動を組み合わせたものであることが判明した。良好な接着は、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76と、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74並びに基材64及び基材72との間の良好な接触を促進することがある。良好な粘着により、接着剤は、特に外力に反応して、即ち、ひずみに反応して破断する可能性が低下する。吸収性コア14が液体を吸収するとき、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74は膨張し、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76が外力を受ける。特定の実施形態では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、破断を伴わずに、また吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の膨張を抑制する過度に多くの圧縮力を付与せずに、このような膨張を可能にすることがある。
【0073】
特定の実施形態によると、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、ASTM法D−36−95「環球法(Ring and Ball)」によって決定されるように、50℃〜300℃の範囲の軟化点を有する単一熱可塑性ポリマー又は熱可塑性ポリマーのブレンドをそっくりそのまま含んでもよく、又は別の方法としては、熱可塑性接着剤材料は、粘着付与樹脂、可塑剤、及び酸化防止剤などの添加剤などの他の熱可塑性希釈剤と組み合わせた少なくとも1つの熱可塑性ポリマーを含む、ホットメルト接着剤であってもよい。特定の実施形態では、熱可塑性ポリマーは、典型的には10,000を超える分子量(Mw)、及び通常は室温未満又は−6℃>Tg<16℃のガラス転移温度(Tg)を有する。特定の実施形態では、ホットメルト中のポリマーの典型的な濃度は、約20〜約40重量%の範囲内である。特定の実施形態では、熱可塑性ポリマーは、非感水性であってもよい。代表的なポリマーは、A−B−A三元ブロック構造、A−B二元ブロック構造、及び(A−B)n放射状ブロックコポリマー構造を包含する(スチレン)ブロックコポリマーであり、Aブロックは、典型的にはポリスチレンを含む非エラストマーポリマーブロックであり、またBブロックは、不飽和接合したジエン又はその(部分的に)水素添加したバージョンである。Bブロックは典型的には、イソプレン、ブタジエン、エチレン/ブチレン(水素添加ブタジエン)、エチレン/プロピレン(水素添加イソプレン)、及びこれらの混合物である。
【0074】
使用してもよい他の好適な熱可塑性ポリマーは、メタロセンポリオレフィンであり、これは、シングルサイト又はメタロセン触媒を使用して調製されるエチレンポリマーである。その中で、少なくとも1つのコモノマーは、エチレンと重合されて、コポリマー、ターポリマー、又はより高い次数のポリマーを作製することができる。同様に適用可能なものは、C2〜C8のαオレフィンのホモポリマー、コポリマー、又はターポリマーである、非晶質ポリオレフィン又は非晶質ポリαオレフィン(APAO)である。
【0075】
代表的な実施形態では、粘着付与樹脂は、典型的には5,000未満のMw及び通常は室温を超えるTgを有し、ホットメルト中の樹脂の典型的な濃度は、約30〜約60%の範囲内であり、可塑剤は、通常1,000未満の低いMw及び室温未満のTgを有し、約0〜約15%の典型的な濃度を有する。
【0076】
特定の実施形態では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、繊維の形態で存在する。幾つかの実施形態では、繊維は、約1〜約50マイクロメートル又は約1〜約35マイクロメートルの平均厚さ、及び約5mm〜約50mm、又は約5mm〜約30mmの平均長さを有する。基材64及び基材72又はいずれかの他の層、特にいずれかの他の不織布層に対する熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76の接着を改善するため、このような層は、補助接着剤で前処理されてもよい。
【0077】
特定の実施形態では、熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、以下のパラメーターの少なくとも1つ、又は幾つか、又は全てを満たす。
【0078】
代表的な熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76は、少なくとも30,000Pa、及び300,000Pa未満、又は200,000Pa未満、又は140,000Pa〜200,000Pa、又は100,000Pa未満の、20℃で測定される貯蔵弾性率G’を有してもよい。更なる態様では、35℃で測定される貯蔵弾性率G’は、80,000Paを超えてもよい。更なる態様では、60℃で測定される貯蔵弾性率G’は、300,000Pa未満、及び18,000Pa超、又は24,000Pa超、又は30,000Pa超、又は90,000Pa超であってもよい。更なる態様では、90℃で測定される貯蔵弾性率G’は、200,000Pa未満、及び10,000Pa超、又は20,000Pa超、又は30,000Pa超であってもよい。60℃及び90℃で測定される貯蔵弾性率は、高い室温での熱可塑性接着剤材料の形状安定性に関する測定値であってもよい。60℃及び90℃での貯蔵弾性率G’が十分に高くない場合、熱可塑性接着剤材料がその一体性を失うことになる暑い気候で吸収性製品が使用される場合、この値は、特に重要である。
【0079】
G’は、一般的な説明だけのために図9に概略的に示したようなレオメーターを使用して測定される。レオメーター127は、接着剤に剪断応力を加え、一定温度で生じたひずみ(剪断変形)応答を測定することができる。接着剤は、下部固定プレート128として作用するペルチエ素子と、例えば10mmの半径Rを有する上部プレート129との間に配置され、これは、剪断応力を生成するためにモータの駆動軸に接続される。両方のプレート間の間隙は、例えば1500マイクロメートルの高さHを有する。ペルチエ素子により、材料の温度制御が可能になる(+0.5℃)。ひずみ速度及び頻度は、全ての測定が直線状の粘弾性区域内で行われるように選択されるべきである。
【0080】
吸収性コア14はまた、図面に例示されていない補助接着剤を含んでもよい。吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の適用前に、各基材64及び基材72に対する吸収性粒子状ポリマー材料66及び74並びに熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76の接着性を向上させるために、補助接着剤が、第1吸収層60及び第2吸収層62の各々の第1基材64及び第2基材72上に付着されてもよい。補助の糊はまた、吸収性粒子状ポリマー材料66及び74を不動化するのを助けることがあり、以上に記載されたものと同じ熱可塑性接着剤材料を含んでもよいし、又はH.B.フラー社(H. B. Fuller Co.)(ミネソタ州セントポール(St. Paul))製品番号HL−1620−Bのような噴霧可能なホットメルト接着剤が挙げられるがこれらに限定されない、他の接着剤も含んでもよい。補助の糊は、あらゆる好適な手段によって基材64及び基材72に塗布されてもよいが、特定の実施形態によると、約0.5〜約2mm離隔した幅約0.5〜約1mmのスロットで塗布されてもよい。
【0081】
図4に示した被覆層70は、基材64及び基材72と同じ材料を含んでもよく、あるいは異なる材料を含んでもよい。特定の実施形態では、被覆層70に好適な材料は、不織布材料、典型的には基材64及び基材72に有用な上述の材料である。
【0082】
本発明の別の態様では、終縁部と長手方向縁部とを有し、及び(i)トップシートと、(ii)バックシートと、(iii)トップシートとバックシートとの間に配置されている吸収性コアとを包含するシャーシを含み、この吸収性コアが吸収性粒子状ポリマー材料を含みかつセルロースを実質的に含まない、使い捨て吸収性物品が提供される。1対のサイドパネルがシャーシに接合し、このサイドパネルは、長手方向縁部を超えて横方向外側に延伸し、各サイドパネルは、改善されたフィット及び封じ込めを提供するために、横方向にベクトル成分を有する方向に弾性的に延伸可能な少なくとも1つのゾーンを有する。特定の実施形態では、延伸性サイドパネルは、より良好にフィットするテープ型おむつ又はパンツを提供し、これは改善されたガスケッティングを有利に提供することがあり、それはセルロースを実質的に含まない吸収性コアが尿及び他の液体排出物を吸収するための時間を与えることを可能にする。
【0083】
シャーシの一部分又は全体は、シャーシを作る材料又は材料類の固有の延伸性を超える程度まで、延伸可能に作られてもよい。着用者が動いている間にシャーシを着用者の身体に適合させるため、更なる延伸性が望ましいことがある。例えば、特定の大きさを有するシャーシを包含するおむつのユーザーが、延伸前に、シャーシの前側腰部領域、後側腰部領域、又は両方の腰部領域を延伸して、その腰部周囲が所定の範囲内に入る個々の着用者の腰部を取り囲めるようにするため、即ちおむつを個々の着用者にぴったり合わせるために、更なる延伸性が望ましいこともある。腰部領域又は領域類のこうした延伸は、股領域が腰部領域又は領域類より相対的に少ない程度に延伸される限り、おむつにほぼ砂時計の形状を与えることがあり、及びそれが着用されたときに、ぴったり合った外観をおむつに付与することがある。加えて、材料が、記載されるように延伸性に作製されるときには、着用者の所与のサイズに適切にフィットできるおむつを作製するために、より少量の材料が必要となることがある。
【0084】
サイドパネルは、弾性的に伸縮性の耳パネルと呼ばれることもあるが、弾性材料によって作製される別個の部品であってもよく、これは後側及び/又は前側腰部領域中のシャーシの長手方向縁部に取り付けられる。あるいは、サイドパネルは、バックシート又はトップシートの一体部分であってもよい。
【0085】
図15は、おむつ202の特定の実施形態を示し、これはシャーシ212を包含する。シャーシ212は、終縁部244及び長手方向縁部242を有する。シャーシ212は、トップシート218、ボトムシート220、及びトップシート218とボトムシート220との間に配置されている吸収性コア214を包含する。
【0086】
特定の実施形態では、吸収性コア214は、セルロースを実質的に含まず、及び吸収性粒子状ポリマー材料を包含する。例えば、吸収性コア214は、以上に記載されたような、及び以下に記載されたように作製された、第1及び第2吸収性層を含んでもよい。例えば、第1吸収性層は第1基材を包含してもよく、及び第2吸収性層は第2基材を包含してもよく、第1及び第2吸収性層は更に、第1及び第2基材上に付着された吸収性粒子状ポリマー材料並びにそれぞれの第1及び第2基材上の吸収性粒子状ポリマー材料を被覆する熱可塑性材料を包含する。第1吸収性層及び第2吸収性層は、第1吸収性層の熱可塑性材料の少なくとも一部分が、第2吸収性層の熱可塑性材料の少なくとも一部分に接触するように共に組み合わされ、並びに吸収性粒子状ポリマー材料は、吸収性粒子状ポリマー材料区域内の第1及び第2基材の間に配置される。吸収性粒子状ポリマー材料は、吸収性粒子状ポリマー材料区域にわたって実質的に連続的に分布してもよい。
【0087】
シャーシ212は更に、シャーシ212に接合された1対のサイドパネル222を包含する。サイドパネル222は、長手方向縁部242を超えて横方向外側に延伸し、各サイドパネル222は、横方向にベクトル成分を有する方向に弾性的に延伸可能な少なくとも1つのゾーンを有する。
【0088】
サイドパネル222は、多くの異なる大きさ及び形状を有してもよい。図15に示される、1つの実施形態では、サイドパネル222は、矩形の形状を有する。典型的な「大きい」(8kg〜14kg)乳児用おむつのために、サイドパネルは、例えば、横方向に約63mm及び長手方向に約80mmの大きさを有してもよい。
【0089】
サイドパネル222は、多くの構成において及び多くの異なる材料から構築されてもよい。サイドパネルは、従来の弾性材料又は機械的に引き延ばされたラミネート、例えばゼロ歪ストレッチラミネートを含んでもよい。特定の実施形態では、サイドパネルは、米国特許第5,518,801号(チャペル(Chappell)らに発行)に記載されるようなSELFウェブを含む。図17A及び17Bは、サイドパネル270のSELFウェブ形成ゾーンを示す。
【0090】
弾性をラミネートウェブに付与するための方法は、例えば、米国特許第5,143,679号(ウェーバー(Weber)ら)、同第5,156,793号(ブエル(Buell)ら)、及び同第5,167,897号(ウェーバー(Weber)ら)に記載されている。
【0091】
サイドパネル222は、シャーシ212に取り付けられた別個の要素を含んでもよいし、又はおむつの他の要素、例えばバックシート220若しくはトップシート218、若しくはトップシート218及びバックシート220の両方の延伸として構築されることができる。図15に示される実施形態では、サイドパネル222の各々が、シャーシ212に接合された別個のウェブを含む。サイドパネル222は、後側腰部領域においてシャーシ212に接合されてもよく、及び長手方向縁部242を超えて横方向外側に延伸してもよい。
【0092】
サイドパネル222は、異なる弾性的延伸性を有する複数のゾーンを有してもよい。例えば、本明細書に組み込まれる米国特許第6,132,411号(フーバー(Huber)ら)は、複数ゾーンのサイドパネルの特定の実施形態を記載している。サイドパネル222は、少なくとも脚部ゾーン250及び腰部ゾーン252を含む、複数ゾーン構造物を有する。脚部ゾーン250は、シャーシ212の長手方向縁部242に隣接して位置付けられる。腰部ゾーン252は、脚部ゾーン250から横方向外側に位置付けられる。脚部ゾーン250は、横方向にベクトル成分を有する方向、例えば横方向に弾性的に延伸可能である。腰部ゾーン252は、横方向にベクトル成分を有する方向、例えば横方向に弾性的に延伸可能である。1つの実施形態では、脚部ゾーン250は、腰部ゾーン252より高い又は低い延伸力を有するように設計され、延伸力が異なる。脚部ゾーン250の延伸力は、1つの実施形態では、可能な限り低くてもよい。特定の実施形態では、脚部ゾーン250の延伸力は、50%延伸において約10g/cm未満、例えば約5g/cm未満であってもよい。1つの実施形態では、各サイドパネルの脚部ゾーン250は、50%延伸において約2g/cm〜約10g/cmの延伸力を有してもよい。特定の実施形態では、腰部ゾーン252の延伸力は、50%延伸において約10g/cm〜約30g/cm、例えば約15g/cm〜約20g/cmであってもよい。
【0093】
図15に示される実施形態では、脚部ゾーン250は、腰部ゾーン252から、分離ゾーン251によって分離されている。分離ゾーン251は、非延伸性であってもよいし、伸長性のみ(即ち、非弾性)であってもよいし、又は腰部ゾーン若しくは脚部ゾーンのものとは異なる延伸度を有して延伸性であってもよい。分離ゾーン251は、脚部ゾーン250を腰部ゾーン252から区別する境界の線であってもよい。1つの実施形態では、分離ゾーン251は、脚部ゾーン250を腰部ゾーン252から物理的に分離する非延伸性ゾーンである。非延伸性分離ゾーン251は、タイルサイドパネルの様々な層を、それらを非延伸性(即ち、弾性的に延伸性でない)にするような方法で共に結合する、熱/圧力結合、超音波結合、又は機械的結合の使用により形成されてもよい。分離ゾーン251はまた、追加の材料をサイドパネルに接合することにより形成されて、その部分を非延伸性にしてもよい。
【0094】
サイドパネル222は各々が、腰部ゾーン252から横方向外側に配置される把持ゾーン254を包含する。把持ゾーン254は堅い材料であってもよく、これは非延伸性であり、サイドパネル212をユーザーが便利に把持して締結部材256を補強ストリップ248に適用できるように機能する。
【0095】
図15に示される実施形態では、脚部ゾーン250、腰部ゾーン252、分離ゾーン251、及び把持ゾーン254は、各々が同じ材料を含むが、各ゾーンはそれ自体の独自の力/延伸の程度を有する。前述の米国特許第5,518,801号(チャペル(Chappell)らに発行)に記載されるようなSELFウェブの使用は、各ゾーンの力/延伸特性が具体的に設計され得るようにする。
【0096】
脚部ゾーン250は、多くの異なる大きさ及び形状を有してもよい。図15に示される実施形態では、脚部ゾーン250は三角形の形状を有する。腰部ゾーン252もまた、多くの異なる大きさ及び形状を有してもよい。図15に示される実施形態では、腰部ゾーン252は三角形の形状を有する。
【0097】
低い力及び独自の三角形形状を有する脚部ゾーン250は、サイドパネル222が、相対的に低い力で着用者の脚の動きと共に拡大できるようにする。この機構は、力が小さいほどより低い張力が着用者の脚に作用するため、着用者の皮膚に赤い印が付くのを減少するという利益を提供する。腰部ゾーン252は、改善された初期のフィット及び持続するフィットを提供するおむつの腰部区域内の高い力の連続的輪を維持する。この高い力のゾーンは、おむつ202の終縁部にわたって延伸し、初期にフィットさせて使用中ずっとこのフィットを持続するために必要な張力の輪を提供する。
【0098】
図15に示されるように、脚部ゾーン250は、サイドパネル222の上部終縁部の部分を形成しないことがあるが、一方腰部ゾーン252は、サイドパネル222の下部終縁部の部分を形成しない。
【0099】
図16は、サイドパネル270(同様なパネルの1対)の代替的実施形態を示す。サイドパネル270は、シャーシ212に接合された別個の部材であってもよい。サイドパネル270は、シャーシ212の長手方向縁部242を超えて横方向外側に延伸する。サイドパネル270は、脚部ゾーン272、腰部ゾーン274、及び分離ゾーン276を包含する。締結部材278は、サイドパネル270が把持ゾーンを包含しないとき、腰部ゾーン274に接合される。脚部ゾーン272は、三角形の側面が第2(下部)縁部292の実質的な部分を形成する三角形の形状を有する。腰部ゾーン274は、三角形の側面が第1(上部)終縁部294の実質的な部分を形成する三角形の形状を有する。サイドパネル270は、シャーシ212に、それがシャーシ212の終縁部244から距離をあけるように接合される。第1終縁部294は、終縁部244から290として表示される距離をあけられる。距離290は、約2cm未満、例えば約1cm未満である。サイドパネル270の第1終縁部294は、おむつ202の終縁部296の一部分を効果的に形成する。
【0100】
代替的実施形態では(図示されず)、脚部ゾーンは、上部及び下部終縁部の両方の一部分を形成する。別の代替的実施形態では(図示されず)、脚部ゾーンが上部及び下部終縁部の両方の一部分を形成する一方で、腰部ゾーンは上部終縁部の一部分を形成するが、下部終縁部の部分を形成しない。更に別の代替的実施形態では(図示されず)、サイドパネルは、腰部ゾーンが上部終縁部及び下部終縁部の両方の一部分を形成する一方で、脚部ゾーンは下部終縁部の一部分を形成するが、上部終縁部の部分を形成しないように設計されてもよい。
【0101】
サイドパネル222は、シャーシ212に、接着剤、熱/圧力結合、超音波結合、又は機械的結合によることが挙げられる、当該技術分野において既知であるような多くの異なる方法で接合されてもよい。サイドパネル222は、シャーシ212に、図15に示されるように、機械的結合を介して結合されてもよい。
【0102】
1つの実施形態では、吸収性物品は、延伸性腰部機構を更に包含してもよいおむつである。延伸性腰部機構は、シャーシ、例えばそれぞれの腰部縁部から長手方向外側に延伸してもよく、及びおむつの終縁部の少なくとも一部分を一般に形成する。腰部機構は、シャーシに結合された別個の要素として、又はおむつの他の要素の延伸(即ち、一体型)として構築されてもよい。腰部機構は、シャーシの他の要素、例えばバックシート、トップシート、又は両方の延伸として構築されてもよい。
【0103】
図15に示されるように、おむつ202は、延伸性後側腰部機構230を備えていてもよい。延伸性後側腰部機構230は延伸部材を提供してもよく、これは初めにおむつを着用者に合わせてフィットさせてこのフィットを着用の期間中ずっと、おむつが排出物によって負荷されたときを十分に過ぎても持続することによって、より快適な及び輪郭に合ったフィットを提供するが、それは延伸性後側腰部機構がおむつを拡大及び1つの実施形態では収縮できるようにするためである。更に、延伸性後側腰部機構230は、閉止システムによって発現され及び維持される張力を高めておむつを着用者の上に維持し、並びに着用者の腰部の周りのおむつのフィットを高める着用力(張力)を発現しかつ維持する。おむつの着用者が、適用中に延伸性後側腰部機構の1つのサイドパネルを他方より遠くへ(非対称的に)引っ張る場合でさえ、おむつは着用中に「自己調整」するので、延伸性後側腰部機構230は更に、おむつのより有効な適用を提供することがある。
【0104】
図15に示されるように、おむつ202はまた、延伸性前側腰部機構232を備えていてもよい。延伸性前側腰部機構232は、着用者の前側腹部の胴体の周囲にフィットして、前側腹部におけるおむつのフィット及び封じ込めを改善するように設計される。延伸性前側腰部機構232は、シャーシ212から、典型的には吸収性コア214の腹部縁部から、長手方向外側に延伸し、前側腹部領域中のおむつ202の終縁部244の少なくとも一部分を一般に形成する。
【0105】
延伸性前側腰部機構232は、弾性機構の既知の構成のいずれか又は本明細書で記載されるような弾性的に延伸可能な機構のいずれかを含んでもよい。延伸性の後側腰部機構は、多くの構成でまた多くの異なる材料から構築されてもよい。例えば、延伸性後側腰部機構は、そこに弾性部材、例えば当該技術分野において既知の、並びに米国特許第4,515,595号(キエヴィト(Kievit)らに発行)、同第5,151,092号(ブエル(Buell)らに発行)、及び同第5,628,741号(ブエル(Buell)らに発行)に開示されるような伸縮性腰部バンドを動作可能に接合することにより伸縮性であってもよい。したがって、延伸性後側腰部機構は、ストレッチラミネート、例えば米国特許第5,151,092号(ブエル(Buell)ら)に記載されるようなゼロ歪ストレッチラミネートであってもよい。特定の実施形態では、延伸性後側腰部機構は、米国特許第5,518,801号(チャペル(Chappell)らに発行)に記載されるような構造的弾性様フィルムSELFウェブを含む。使い捨て吸収性物品の構成要素、例えばサイドパネルとして使用するために不織布繊維ウェブを改良するための方法は、米国特許第6,383,431号(ドブリン(Dobrin)ら)に記載されている。
【0106】
ウェブ材料は、同じ材料組成から構成される少なくとも2つの別個の、及び異種の領域を有するひずみ可能な網状組織を包含してもよい。第1領域は、第2領域の実質的な部分がいずれかの実質的な分子レベルの変形を経験する前に、伸長軸に対して実質的に平行な方向に適用された軸伸長に応答して分子レベルの変形を経験するように、伸長の軸に対して実質的に平行に配向される。本明細書で使用されるとき、用語「実質的に平行」とは、2軸間の配向であって、2軸又は2軸の延伸によって形成される内在角が45°未満である配向を指す。曲線状要素の場合には、曲線状要素の平均を表す線状軸を使用することが、より便利なことがある。第2領域は、軸に対して実質的に平行な方向に適用された伸長に応答して、実質的に幾何学的な変形を初めに経験する。
【0107】
シャーシ212は更に、液体及び他の身体排出物の改善された封じ込めを提供するために、延伸性脚部カフ224を___てもよい。各延伸可能脚部カフ224は、脚部領域中の身体排出物の漏れを低減するために、幾つかの異なる実施形態を含んでもよい。(脚部カフはまた、脚部バンド、脚部フラップ、バリアカフ、又は弾性カフと称することができ、また場合によってはそのように称されることもある。)米国特許第3,860,003号(ブエル(Buell)、1975年1月14日発行)は、伸縮性脚部カフ(ガスケッティングカフ)を提供するために、脚部フラップ及び1つ以上の弾性部材を有する収縮可能な脚部開口部を提供する使い捨ておむつを記載している。米国特許第4,909,803号(アジズ(Aziz)ら、1990年3月20日発行)は、脚部領域の封じ込めを改善する「スタンドアップ」伸縮性フラップ(バリアカフ)を有する使い捨ておむつを記載している。米国特許第4,695,278号(ローソン(Lawson)、1987年9月22日発行)は、ガスケッティングカフ及びバリアカフを包含する二重カフを有する使い捨ておむつを記載している。米国特許第4,704,115号(ブエル(Buell)、1987年11月3日発行)は、放出された液体を衣類内に封じ込めるように構成された、側縁部漏れガード溝を有する使い捨ておむつ又は失禁用衣類を開示している。米国特許第5,032,120号(フリーランド(Freeland)ら、1991年7月16日発行)は、例えば、低接触力差材料(low contact force differential material)により達成された相対的に高い伸長において相対的に低い最終接触力を有するレッグカフを有する吸収性物品を開示している。米国特許第5,087,255号(シムズ(Sims)1992年2月11日発行)は、ヒップ/臀部の周りにより良好なフィットを提供するために、1つの腰部領域中の近位縁の外側、及びもう1つの内側に位置付けられた遠位縁を有する、曲げられたバリアカフを有する吸収性物品を開示している。
【0108】
おむつ202はまた、おむつを着用者の上にフィットさせるための閉止システムを備えていてもよい。閉止システムは、多くの構成、例えば、接着テープタブ、機械的閉止テープタブ、固定位置締結具、トレーニングパンツ用には側面シーム、又は当該技術分野において既知であるようないずれかの他の閉止手段を採用してもよい。図16に示されるように、閉止システムには、1対のテープタブ締結部材256、及びランディング部材、例えば、おむつ202の前側腰部領域中に位置付けられた、図15のような補強ストリップ248か、又は代替的には、バックシートの一部分を包含する接着テープタブ締結装置を挙げてもよい。好適な接着テープタブ締結装置の例は、米国特許第3,848,594号(ブエル(Buell)、1974年11月19日発行)、及び同第4,662,875号(ヒロツ(Hirotsu)及びロバートソン(Robertson)、1987年5月5日発行)に開示されている。本発明に有用な、機械的閉止システムを包含する他の閉止システムの例は、米国特許第4,869,724号(スクリップス(Scripps)、1989年9月26日発行)、同第4,848,815号(スクリップス(Scripps)、1989年7月11日発行)に開示されており、2点締結装置は、同第5,242,436号(ウェイル(Weil)、ブエル(Buell)、クリア(Clear)、及びファルコン(Falcone)、1993年9月7日発行)に記載されている。
【0109】
おむつ202は、後側腰部領域を着用者の背中の下に位置付け、及び前側腰部領域が着用者の前側にわたって位置付けられるように、おむつの残部を着用者の脚の間に引っ張ることにより、着用者に適用されてもよい。テープタブ256のタブ部分は、次に取り外し位置から取り外される。おむつ着用者は次に、タブ部分をなお把持しながら、サイドパネル222を着用者の周囲に巻き付ける。サイドパネルは、典型的には、着用者の大きさ及び形状に適合するように、この動作中に延伸され及び引っ張られる。テープタブ256は、シャーシ212上の補強ストリップ248、即ちランディング部材に固定されて、側面閉止をもたらす。プロセスは次に、他のテープタブを用いて繰り返される。したがって、おむつは着用者の上で閉止され、並びに延伸性後側腰部機構及び他の要素は、提供される場合には、本明細書に開示されるようなフィット及び閉じ込めの利益を提供する。あるいは、おむつは、それがパンツとして使用されてもよいように、着用者の上にフィットされる前に締結されてもよい。いずれの構成においても、パンツ又はおむつは、締結具を外すことにより又はパンツであるかのようにそれを取り除くことによって、取り除かれてもよい。
【0110】
特定の実施形態では、使い捨て吸収性物品は、セルロースを実質的に含まない吸収性コアと、改善されたフィット及び快適性のために弾性的に延伸可能なサイドパネルとを有する使い捨てトレーニングパンツである。サイドパネル及びシャーシを構築する例は、米国特許第5,246,433号(ハッセ(Hasse)ら)及び同第5,591,155号(ニシカワ(Nishikawa)ら)に記載されている。
【0111】
本発明の一実施形態による吸収性コア14を作製するための印刷システム130は、図10に例示されており、吸収性コア14の第1吸収層60を形成するための第1印刷ユニット132と、吸収性コア14の第2吸収層62を形成するための第2印刷ユニット134とを概ね含んでもよい。
【0112】
第1印刷ユニット132は、補助接着剤を不織布ウェブであってもよい基材64に塗布するための第1補助接着剤塗布装置136と、基材64を受けるための第1回転自在支持ロール140と、吸収性粒子状ポリマー材料66を保持するためのホッパー142と、吸収性粒子状ポリマー材料66を基材64に移動するための印刷ロール144と、熱可塑性接着剤材料68を基材64及びその上の吸収性粒子状ポリマー66材料に塗布するための熱可塑性接着剤材料塗布装置146とを含んでもよい。
【0113】
第2印刷ユニット134は、補助接着剤を第2基材72に塗布するための第2補助接着剤塗布装置148と、第2基材72を受けるための第2回転自在支持ロール152と、吸収性粒子状ポリマー材料74を保持するための第2ホッパー154と、吸収性粒子状ポリマー材料74をホッパー154から第2基材72へ移動するための第2印刷ロール156と、熱可塑性接着剤材料76を第2基材72及びその上の吸収性粒子状ポリマー材料74に塗布するための第2熱可塑性接着剤材料塗布装置158とを含んでもよい。
【0114】
印刷システム130はまた、第1回転自在支持ロール140と第2回転自在支持ロール152との間のニップ162から形成された吸収性コアを案内するためのガイドローラ160を包含する。
【0115】
第1補助塗布装置136及び第2補助塗布装置148、並びに第1熱可塑性接着剤材料塗布装置146及び第2熱可塑性接着剤材料塗布装置158は、比較的薄いが幅広い熱可塑性接着剤材料のカーテンを提供できるノズルシステムであってもよい。
【0116】
図11を参照すると、第1ホッパー142と、第1支持ロール140と、第1印刷ロール144との一部が例示されている。図14においても示されるように、第1回転自在支持ロール140は、第2回転自在支持ロール152と同一の構造を有しており、回転自在ドラム164と、第1基材64を受けるための外周部通気式支持グリッド166とを含む。
【0117】
また図12に例示されているように、第1印刷ロール144は、第2印刷ロール156と同一の構造を有しており、回転自在ドラム168と、該ドラム168の外周面172における複数の吸収性粒子状ポリマー材料リザーバ170とを含む。図13に最良に例示されるリザーバ170は、円筒形、円錐形、又は他のあらゆる形状を包含する種々の形状を有してもよい。リザーバ170は、ドラム168内の空気通路174に通じており、リザーバ内に接着剤粒子状ポリマー材料66を保持し、接着剤粒子状ポリマー材料66が空気通路174内に落下するか又は引き込まれるのを防ぐための通気式カバー176を含んでもよい。
【0118】
運転する際、印刷システム130は、第1基材64及び第2基材72を第1印刷ユニット132及び第2印刷ユニット134の各々内に受け、第1基材64は、第1補助接着剤を第1基材64に上記のようなパターンで塗布する第1補助接着剤塗布装置136を越えて、回転する第1支持ロール140によって引き寄せられる。第1支持ロール140内部の真空(図示せず)は、第1基材64を縦方向支持グリッド166に対して引き寄せ、第1基材64を第1支持ロール140に対して保持する。このことにより、第1基材64上に非平坦表面が提供される。重力により、又は真空手段を使用することにより、基材64は、非平坦表面の輪郭をたどり、これにより基材64は、山及び谷の形をとる。吸収性粒子状ポリマー材料66は、基材64によって提供される谷に蓄積されてもよい。次いで、第1支持ロール140は、第1基材64を回転する第1印刷ロール144を越えて担送し、この回転する第1印刷ロール144が、吸収性粒子状ポリマー材料66を第1ホッパー142から第1基材64へ、図5及び6に最良に例示されるグリッドパターン92で移動する。第1印刷ロール144内の真空(図示せず)は、吸収性粒子状ポリマー材料66を第1基材64に供給する時まで、吸収性粒子状ポリマー材料66をリザーバ170内に保持してもよい。次いで、吸収性粒子状ポリマー材料66をリザーバから第1基材64上に排出するために、真空が解除されてもよく、あるいは、空気通路174を通って流れる空気が逆流してもよい。吸収性粒子状ポリマー材料66は、基材64によって提供される谷に蓄積されてもよい。次いで、支持ロール140は、印刷された第1基材64を熱可塑性接着剤材料塗布装置136を越えて担送し、この熱可塑性接着剤材料塗布装置136が、熱可塑性接着剤材料68を塗布して、第1基材64上で吸収性粒子状ポリマー材料66を覆う。
【0119】
故に、支持ロール140及び支持ロール152の通気式支持グリッド166の非平坦表面は、吸収性コア14全体にわたる吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74の分布を決定し、また同様に、接合領域96のパターンを決定する。
【0120】
その一方、第2回転自在支持ロールは、第2基材72を第2補助接着剤塗布装置148を越えて引き寄せ、この第2補助接着剤塗布装置148が、補助接着剤を第2基材72に上記のようなパターンで塗布する。次いで、第2回転自在支持ロール152は、第2基材72を第2印刷ロール156を越えて担送し、この第2印刷ロール156が、吸収性粒子状ポリマー材料74を第2ホッパー154から第2基材72へ移動し、上記の第1印刷ユニット132に関して説明したのと同じ方法で、吸収性粒子状ポリマー材料74を第2基材72上にグリッドパターン92で付着させる。次いで、第2熱可塑性接着剤材料塗布装置158は、熱可塑性接着剤材料76を塗布して、第2基材72上で吸収性粒子状ポリマー材料74を覆う。次いで、第1吸収層60及び第2吸収層62を共に圧縮して吸収性コア14を形成するために、印刷された第1基材64及び第2基材72は、第1支持ロール140と第2支持ロール152との間のニップ162を通過する。
【0121】
任意の更なるプロセス工程では、被覆層70は、基材64及び基材72上、吸収性粒子状ポリマー材料66及び吸収性粒子状ポリマー材料74上、並びに熱可塑性接着剤材料68及び熱可塑性接着剤材料76上に配置されてもよい。別の実施形態では、被覆層70及び各々の基材64及び基材72は、単一のシート材料から提供されてもよい。次いで、被覆層70を基材64及び基材72の各々の上に配置することには、単一の材料片の折り畳みが含まれてもよい。
【0122】
後述の試験方法及び装置は、本発明の実施形態を試験するのに有用であってもよい。
【0123】
湿潤不動化試験
機器
・メスシリンダー
・ストップウォッチ(±0.1秒)
・はさみ
・ライトボックス
・ペン
・試験溶液:37℃の0.90%食塩水溶液
・NIST、DIN、JIS又はその他の同等の国家規格に準拠している金属定規
・内側が平らな表面であり、測定されるコアバッグの長さの最小長が(n)及び最大長がn+30mm、幅が105±5mm、高さが30〜80mm、又はその等価値である、PVC/金属皿
・電子フォースゲージ(0〜50kgの範囲)
・湿潤不動化衝撃試験機(Wet Immobilization Impact Tester Equipment)(WAIIT)、デザインパッケージ番号BM−00112.59500−R01、T.M.G.Technisches Buero Manfred Grunaから入手可能
【0124】
設備:
標準実験室条件、温度:23℃±2℃、相対湿度:55%未満
試料の調製
1.トップシート側を上にして、製品を開ける。
2.おむつを広げ、およそ2.5cm毎にカフの弾性体を切って、シャーシの張力を無効にする。
3.プルアップ製品に関しては、サイドシームを開け、腰バンドを取り除く。
4.コアバッグを平らに長方形のトップシート側を上にして折り目なしにライトボックスの表面上に置く。
5.ライトボックスをオンにして、吸収性コアの外側縁部を明確に特定する。
6.定規を用いて、前部吸収性コア外側縁部及び後部吸収性コア外側縁部で線を引く。
7.2つの標線の間の距離(A)を測り、その値を2で割ると、距離(B)が計算される。
8.前部標線からコアバッグの中央に向かって、計算された距離(B)を測り、印をつける。この標線で横断方向に線を引く。
【0125】
試験手順
WAIIT較正:
1.スライド板が下部位置にあることを確認する。WAIIT試験機の前扉を開き、フォースゲージのフックをWAIITの上部サンプルクランプに接続させる。ばね秤を接続する前に、クランプが閉じていることを確認する。
2.ばね秤に両手を使って、スライド板を上部位置に向かって継続的に、またできるだけゆっくりと持ち上げる。実行中の平均値(m1)を0.02kg単位で記録する。
3.スライド板を下部位置までできるだけゆっくりと下ろし、実行中に読み取られた平均値(m2)を0.02kg単位で記録する。
4.m1−m2のΔを計算し、0.01kgの単位で報告する。Δが0.6kg±0.3kgであるなら、測定を継続する。そうでない場合は、スライド板の調整が必要である。スライド板が下部位置にあることを確認し、汚染又は損傷に関してスライド通路を点検する。スライド通路に対するスライド板の位置が正しく調節されているかどうかを、板を振動させることによって点検する。容易な滑走のためには、いくらかの隙間が必要である。もしなければ、システムを再調整する。
【0126】
WAIIT試験設定:
・落高は50cmである。
・おむつの負荷(lD)はコア容量(cc)の73%である。lD=0.73×cc。
・コア容量(cc)は、cc=mSAP×SAPGVとして計算され、式中、mSAPは、おむつに存在する超吸収性ポリマー(SAP)の質量であり、SAPGVは、超吸収性ポリマーの自由膨潤容量である。超吸収性ポリマーの自由膨潤容量は、国際公開第2006/062258号に記載の方法で決定される。おむつに存在する超吸収性ポリマーの質量は、10個の製品に存在する平均質量である。
【0127】
試験実施:
1.はかりを0にリセットし(風袋)、乾燥コアバッグをはかりに載せ、計量し0.1g単位で報告する。
2.メスシリンダーで適切な量の生理食塩水(脱イオン水中0.9%NaCl)を計る。
3.コアバッグをトップシート側を上にして平らにPVC皿内に置く。生理食塩水を均等にコアバッグの上に注ぐ。
4.PVC皿を取り、様々な方向に傾けて保持して、遊離した液体を吸収させる。ポリバックシートを有する製品は、バックシート下の液体が吸収されることができるように、2分間の最低待機時間後にひっくり返す必要がある。10分間(±1分間)待機して生理食塩水全てを吸収させる。何滴かはPVC皿に留まってもよい。均質の液体分配及びより少ない保留液体を確実にするために、規定されたPVC/金属皿のみを使用する。
5.はかりを0にリセットし(風袋)、湿潤コアバッグをはかりに載せる。計量し0.1g単位で報告する。はかり上に納まるように、コアバッグを1回だけ折る。湿潤コアバッグの重量が限界(「乾燥コアバッグの重量+おむつの負荷±4mL」として規定)外かどうかを確かめる。例えば、12gの乾燥コアバッグの重量+150mL負荷=162gの湿潤コアバッグの重量。はかり上の実際の湿潤重量が、158gと166gの間であるなら、そのパッドを振動に使用することができる。そうでなければ、そのパッドを廃棄し、次のパッドを使用する。
6.負荷されたコアバッグを取り、パッドを標線に沿って横断方向に切る。
7.湿潤コアバッグの後部をはかりの上に載せる(m1)。それを計量し0.1g単位で報告する。
8.湿潤コアを取り、末端封止側をWAIITのサンプルホルダーの上部クランプに固定する(コアの開放端は下に向く)。次に、製品が製品の全長に沿ってサンプルホルダーに固定されていることを確認しながら、コアの両側をサンプルホルダーの側部クランプで固定する。吸収性コア(不織布のみ)を固定しないよう確認するが、それは、一部の製品に関して、バリアレッグカフのみで製品を固定することを意味するためである。
9.スライド板が係合するまで、両手を使ってスライド板を上部位置まで持ち上げる。
10.安全前扉を閉め、スライドブレードを解放する。
11.はかりを0にリセットし(風袋)、試験されたコアバッグをWAIITから取り出し、はかりに載せる(m2)。重量を0.1g単位で報告する。
12.工程7〜11を湿潤コアバッグの前部で繰り返す。
【0128】
報告:
1.乾燥コアバッグの重量を0.1g単位で記録する。
2.試験前(m1前部/後部)及び試験後(m2前部/後部)の湿潤重量を、両方とも0.1g単位で記録する。
3.平均重量損失(Δm)を計算し、0.1g単位で報告する:Δm=(m1前部+m1後部)−(m2前部+m2後部)
4.重量損失をパーセントで計算し、1%単位で報告する:(Δmrel):(Δmrel)=(((m1前部+m1後部)−(m2前部+m2後部))×100)/(m1前部+m1後部)
5.湿潤不動化(WI)をWI=100%−Δmrelとして計算し報告する。
【0129】
プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Company)に譲渡された特許及び特許出願のうち、本明細書で引用する特許及び特許出願(明細書に記載されている特許も含む)は、本明細書と矛盾しない範囲で本明細書に参考として組み入れる。
【0130】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく限定されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40ミリメートル」として開示される寸法は、「約40ミリメートル」を意味するものである。
【0131】
「発明を実施するための形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0132】
以上、本発明の特定の実施形態を図示、説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変を行うことが可能である点は当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップシートとバックシートとを包含するシャーシであって、前記シャーシが終縁部と長手方向縁部とを有するシャーシと、
吸収性粒子状ポリマー材料を含み、セルロースを実質的に含まない吸収性コアであって、前記吸収性コアが、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置されている吸収性コアと、
前記シャーシに接合した1対のサイドパネルであって、前記サイドパネルが、前記長手方向縁部を超えて横方向外側に延伸し、各サイドパネルが、前記横方向のベクトル成分を有する方向に弾性的に延伸可能な少なくとも1つのゾーンを有する1対のサイドパネルと、
を備えた使い捨て吸収性物品であって、
各サイドパネルが、前記横方向のベクトル成分を有する方向に弾性的に延伸可能な脚部ゾーンと、前記横方向のベクトル成分を有する方向に弾性的に延伸可能な腰部ゾーンと、前記脚部ゾーンと前記腰部ゾーンとを分離する分離ゾーンとを有する、使い捨て吸収性物品。
【請求項2】
前記分離ゾーンが非弾性的に延伸可能である、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項3】
各サイドパネルが更に、前記腰部ゾーンから横方向外側に配置された把持ゾーンを含む、請求項1又は2のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項4】
前記脚部ゾーン及び前記腰部ゾーンは、延伸力が異なっている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項5】
各サイドパネルの前記脚部ゾーンが、50%延伸において2g/cm〜10g/cmの延伸力を有し、各サイドパネルの前記腰部ゾーンが、50%延伸において10g/cm〜30g/cmの延伸力を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項6】
吸収性コアが、第1の吸収性層及び第2の吸収性層を含み、前記第1の吸収性層が第1の基材を包含し、前記第2の吸収性層が第2の基材を包含し、前記第1の吸収性層及び第2の吸収性層が更に、前記第1の基材及び第2基材上に付着された前記吸収性粒子状ポリマー材料並びに前記それぞれの第1の基材及び第2の基材上の前記吸収性粒子状ポリマー材料を被覆する熱可塑性接着剤材料を包含し、前記第1の吸収性層の前記熱可塑性接着剤材料の少なくとも一部分が、前記第2の吸収性層の前記熱可塑性接着剤材料の少なくとも一部分と接触するように、前記第1の吸収性層及び第2の吸収性層が共に組み合わされ、前記吸収性粒子状ポリマー材料が、吸収性粒子状ポリマー材料区域内の前記第1の基材及び第2の基材間に配置され、前記吸収性粒子状ポリマー材料が、前記吸収性粒子状ポリマー材料区域にわたって実質的に連続的に分布される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収性粒子状ポリマー材料が、前記第1の基材及び第2の基材上に不連続に分布されるように、前記吸収性粒子状ポリマー材料が、前記第1の基材及び第2の基材上に、ランド区域及び前記ランド区域間の接合区域のそれぞれのパターンにおいて付着され、前記吸収性粒子状ポリマー材料のそれぞれのパターンが互いにオフセットするように、前記第1の吸収性層及び第2の吸収性層が共に組み合わされ、好ましくは前記吸収性コアが、後端から前端まで延伸する長さ、並びに第1の縁部から第2の縁部まで延伸し前記長さに直交する幅を有し、前記それぞれのパターンが前記長さに対して平行な方向及び前記幅に対して平行な方向の両方において互いにオフセットする、請求項6に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項8】
前記吸収性コアが、前端及び後端と、前記後端から前記前端まで延伸する長手方向軸と、複数個の吸収性ゾーンとを有し、前記複数個の吸収性ゾーンの各々が、異なる量で存在する吸収性粒子状ポリマー材料、及び前記複数個の吸収性ゾーンの内の1つから別のゾーンへの吸収性粒子状ポリマー材料の量の段階的推移を有する、請求項6に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項9】
前記吸収性物品がおむつであり、前記1対のサイドパネルが、前記おむつを着用者に固定するための再閉止可能な締結装置を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項10】
前記吸収性物品がパンツ型おむつであり、及び前記1対のサイドパネルが、パンツを形成するために互いに接合される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項1】
トップシートとバックシートとを包含するシャーシであって、前記シャーシが終縁部と長手方向縁部とを有するシャーシと、
吸収性粒子状ポリマー材料を含み、セルロースを実質的に含まない吸収性コアであって、前記吸収性コアが、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置されている吸収性コアと、
前記シャーシに接合した1対のサイドパネルであって、前記サイドパネルが、前記長手方向縁部を超えて横方向外側に延伸し、各サイドパネルが、前記横方向のベクトル成分を有する方向に弾性的に延伸可能な少なくとも1つのゾーンを有する1対のサイドパネルと、
を備えた使い捨て吸収性物品であって、
各サイドパネルが、前記横方向のベクトル成分を有する方向に弾性的に延伸可能な脚部ゾーンと、前記横方向のベクトル成分を有する方向に弾性的に延伸可能な腰部ゾーンと、前記脚部ゾーンと前記腰部ゾーンとを分離する分離ゾーンとを有する、使い捨て吸収性物品。
【請求項2】
前記分離ゾーンが非弾性的に延伸可能である、請求項1に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項3】
各サイドパネルが更に、前記腰部ゾーンから横方向外側に配置された把持ゾーンを含む、請求項1又は2のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項4】
前記脚部ゾーン及び前記腰部ゾーンは、延伸力が異なっている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項5】
各サイドパネルの前記脚部ゾーンが、50%延伸において2g/cm〜10g/cmの延伸力を有し、各サイドパネルの前記腰部ゾーンが、50%延伸において10g/cm〜30g/cmの延伸力を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項6】
吸収性コアが、第1の吸収性層及び第2の吸収性層を含み、前記第1の吸収性層が第1の基材を包含し、前記第2の吸収性層が第2の基材を包含し、前記第1の吸収性層及び第2の吸収性層が更に、前記第1の基材及び第2基材上に付着された前記吸収性粒子状ポリマー材料並びに前記それぞれの第1の基材及び第2の基材上の前記吸収性粒子状ポリマー材料を被覆する熱可塑性接着剤材料を包含し、前記第1の吸収性層の前記熱可塑性接着剤材料の少なくとも一部分が、前記第2の吸収性層の前記熱可塑性接着剤材料の少なくとも一部分と接触するように、前記第1の吸収性層及び第2の吸収性層が共に組み合わされ、前記吸収性粒子状ポリマー材料が、吸収性粒子状ポリマー材料区域内の前記第1の基材及び第2の基材間に配置され、前記吸収性粒子状ポリマー材料が、前記吸収性粒子状ポリマー材料区域にわたって実質的に連続的に分布される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項7】
前記吸収性粒子状ポリマー材料が、前記第1の基材及び第2の基材上に不連続に分布されるように、前記吸収性粒子状ポリマー材料が、前記第1の基材及び第2の基材上に、ランド区域及び前記ランド区域間の接合区域のそれぞれのパターンにおいて付着され、前記吸収性粒子状ポリマー材料のそれぞれのパターンが互いにオフセットするように、前記第1の吸収性層及び第2の吸収性層が共に組み合わされ、好ましくは前記吸収性コアが、後端から前端まで延伸する長さ、並びに第1の縁部から第2の縁部まで延伸し前記長さに直交する幅を有し、前記それぞれのパターンが前記長さに対して平行な方向及び前記幅に対して平行な方向の両方において互いにオフセットする、請求項6に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項8】
前記吸収性コアが、前端及び後端と、前記後端から前記前端まで延伸する長手方向軸と、複数個の吸収性ゾーンとを有し、前記複数個の吸収性ゾーンの各々が、異なる量で存在する吸収性粒子状ポリマー材料、及び前記複数個の吸収性ゾーンの内の1つから別のゾーンへの吸収性粒子状ポリマー材料の量の段階的推移を有する、請求項6に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項9】
前記吸収性物品がおむつであり、前記1対のサイドパネルが、前記おむつを着用者に固定するための再閉止可能な締結装置を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【請求項10】
前記吸収性物品がパンツ型おむつであり、及び前記1対のサイドパネルが、パンツを形成するために互いに接合される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使い捨て吸収性物品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【公表番号】特表2010−529878(P2010−529878A)
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511777(P2010−511777)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【国際出願番号】PCT/IB2008/052365
【国際公開番号】WO2008/155710
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【国際出願番号】PCT/IB2008/052365
【国際公開番号】WO2008/155710
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]