説明

害虫制御装置

害虫を制御する装置であって、第1面に沿って所定の間隔を空けて提供された複数のターゲットゾーンを有する長形テープ形式の基体を含んでおり、それぞれのターゲットゾーンは害虫誘引剤及び/又は害虫制御剤を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は害虫の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、幅広い種類の殺虫剤を作物に用いて害虫を制御しており、あらゆる害虫が殺虫剤と接触するようにしている。この方法では、有毒物質を作物と接触させることとなり、汚染や有害物質残留の危険性がある。
【0003】
フェロモン等の誘引剤も害虫の制御に用いられており、大量に使用すると害虫の自然な交尾行為を混乱させて子孫の発生を妨げることができる。この方法では殆ど作物を汚染することがないが費用がかかり、信頼性が低いという欠点がある。
【0004】
誘引剤と殺虫剤とを組み合わせる方法が行われており、これは誘引して殺す方法あるいは大量捕獲する方法である。大量捕獲方法では、誘引剤は粘着性のある糊か出口のない罠式の物理的捕獲装置との組み合わせで用いられる。誘引して殺す方法では誘引剤を殺虫剤と組み合わせて用いる。これらには殺虫剤/誘引剤を組み合わせたものを作物に直にスプレーできるスプレー式のものが含まれる。現在使用されているタイプには2形式がある。1つは少数(1ヘクターあたり50個から500個)で使用する大型装置で作物に人手で取り付けるものから成る。 この形式のものはオリーブ蠅(Bactrocera oleae)またはメッド蠅(Ceratitis capitata)等に適しているが、費用と手間がかかるという問題点がある。他の形式のものは多数(1ヘクター辺りに均等間隔で3000個以上)で使用する、さらに小型の装置から成るものである。リンゴの害虫であるコドリング蛾(Laspeyresia pomonella)を制御するためのBayer AppealやSyngenta Sirene等は、ポンプ輸送を利用して小さな小滴の状態で作物に使用される液体ペースト状である。誘引成分に反応した害虫が小滴に接触し致死量の殺虫剤を摂取する。この方法はコドリング蛾等の特に動きの少ない害虫には効果的であるが、使用方法が難しく、効き目が遅いという弱点があり、使用寿命が短く、定期的な交換を必要とする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、従来の害虫制御装置における少なくともいくつかの問題点を解決することである。
【0006】
本発明のさらに別の目的は、害虫制御のための改善された装置を提供することである。
【0007】
本発明のさらに別の目的は、労働が軽くて済む害虫の制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明により、第1面に沿って所定の間隔を空けて提供された複数のターゲットゾーンを有する長形テープ形式の基体を含んだ装置が提供される。それぞれのターゲットゾーンは害虫誘引剤及び/又は害虫制御剤を含む。
【0009】
基体はリール状に巻かれた状態であってもよい。基体及び/又はそれぞれのターゲットゾーンは生分解性あるいは生浸食性の材質であってもよい。
【0010】
本実施例では、それぞれのターゲットゾーン間のテープは接着性物質でコーティングされている。接着性物質は装置を作物に取り付けるための補助とすることができる。それぞれのターゲットゾーン間のテープは研磨性材質あるいはテープと作物間の摩擦を促進する材質であってもよく、本装置を作物に取り付ける際の補助とする。さらにこの特徴は、基体がリール状に巻かれた際に、長形テープが形状崩壊する可能性を実質的に減少させる。基体は第2面に接着性物質でコーティング処理あるいは研磨性材質で処理することもできる。
【0011】
接着剤の使用、またはテープに摩擦性を有する材質を利用して、追加の固定手段や支持手段の必要性を実質的に減少させることができる。よって、基体は固定手段あるいは支持手段であることができる。
【0012】
使用において、ターゲットゾーンを有するテープは、使用する場所で広げられる。害虫に最適な誘引性及び/又は制御性を提供するように、ターゲットゾーンは所定の間隔を空けて提供される。間隔は誘引剤の特徴に合わせて提供される。特定の作物に対して正確な分量の誘引剤及び/制御剤を提供する。装置の最終的使用者は、望むレベルの保護が達成されように、ターゲットゾーンの間隔を測る必要なく、装置を所望の位置に設置する(典型的には基体を広げた状態)だけである。使用が非常に簡単で都合がよい。
【0013】
人手による作業(スプレー作業等)または罠の設置を必要としないため、テープの使用は従来の方法よりも実質的に便利である。使用する場所(例:果樹園)で例えばモーター式乗物等を使用して、使用部分を広げた状態にするだけであるため、作業が軽減される。
【0014】
ターゲットゾーンは典型的には、誘引剤と制御剤とを含んだ積層構造体を含む。この積層構造体は、不浸透層、誘引剤層、半浸透層及び制御層を含むことが望ましい。不浸透層は基体に隣接させることが望ましいが、基体が積層体の不浸透層であってもよい。
【0015】
不浸透層は誘引剤の基体への浸透を実質的に都合よく減少させるため、制御剤でカバーされない装置の部分を通過して誘引剤が無駄になることを防ぐ。
【0016】
装置からの誘引剤の放出をコントロールするため、半浸透層を誘引剤と制御剤の間に提供することが特に望ましい。
【0017】
不浸透層及び/又は半浸透層はあらゆる既存技術によって提供されることができるが、ホットメルト接着剤スロットコーティング機等を使用して自動化することができる。不浸透層に適切なホットメルト材にはポリエステルベースフィルム等のポリエステルが含まれる。
【0018】
誘引剤はフェロモン、化学誘引剤、食物ベース誘引剤、合成誘引剤、視覚的誘引剤、ホストベース誘引剤あるいは装置によってコントロールされて害虫を誘引できるであろうあらゆる誘引剤でよい。
【0019】
誘引剤には、例えば、以下のリストから選択される化学的誘引剤(フェロモンやカイロモン誘引剤を含む)が含まれる。Z−5−デセニル アセテート,ドデカニル アセテート,Z−7−ドデセニル アセテート,E−7−ドデセニル アセテート,Z−8−ドデセニル アセテート,E−8−ドデセニル アセテート,Z−9−ドデセニル アセテート,E−9−ドデセニル アセテート,E−10−ドデセニル アセテート,11−ドデセニル アセテート,Z−9,11−ドデカジエニル アセテート,E−9,11−ドデカジエニル アセテート,Z−11−トリデセニル アセテート,E−1−トリデセニル アセテート,テトラデセニル アセテート,E−7−テトラデセニル アセテート,Z−8−テトラデセニル アセテート,E−8−テトラデセニル アセテート,Z−9−テトラデセニル アセテート,E−9−テトラデセニル アセテート,Z−10−テトラデセニル アセテート,E−10−テトラデセニル アセテート,Z−11−テトラデセニル アセテート,E−11−テトラデセニル アセテート,Z−12−ペンタデセニル アセテート,E−12−ペンタデセニル アセテート,ヘキサデセニル アセテート,Z−7−ヘキサデセニル アセテート,Z−11−ヘキサデセニル アセテート,E−11−ヘキサデセニル アセテート,オクタデセニル アセテート,E,Z−7,9−ドデカジエニル アセテート,Z,E−7,9−ドデカジエニル アセテート,E,E−7,9−ドデカジエニル アセテート,Z,Z−7,9−ドデカジエニル アセテート,E,E−8,10−ドデカジエニル アセテート,E,Z−9,12−ドデカジエニル アセテート,E,Z−4,7−トリデカジエニル アセテート,4−メトキシ−シンナアルデヒド,.ベータ.−イオノン,エストラゴール,オイゲノール,インドール,8−メチル−2−デシル プロパノエート,E,E−9,11−テトラデカジエニル アセテート,Z,Z−9,12−テトラデカジエニル アセテート,Z,Z−7,11−ヘキサデカジエニル アセテート,E,Z−7,11−ヘキサデカジエニル アセテート,Z,E−7,11−ヘキサデカジエニル アセテート,E,E−7,11−ヘキサデカジエニル アセテート,Z,E−3,13−オクタデカジエニル アセテート,E,Z−3,13−オクタデカジエニル アセテート,E,E−3,13−オクタデカジエニル アセテート,エタノール,ヘキサノール,ヘプタノール,オクタノール,デカノール,Z−6−ノネノール,E−6−ノネノール,ドデカノール,11−ドデセノール,Z−7−ドデセノール,E−7−ドデセノール,Z−8−ドデセノール,E−8−ドデセノール,E−9−ドデセノール,Z−9−ドデセノール,E−9−,11−ドデカジエノル,Z−9,11−ドデカジエノル,Z,E−5,7−ドデカジエノル,E,E−5,7−ドデカジエノル,E,E−8,10−ドデカジエノル,E,Z−8,10−ドデカジエノル,Z,Z−8,10−ドデカジエノル,Z,E−8,10−ドデカジエノル,E,Z−7,9−ドデカジエノル,Z,Z−7,9−ドデカジエノル,E−5−テトラデセノル,Z−8−テトラデセノル,Z−9−テトラデセノル,E−9−テトラデセノル,Z−10−テトラデセノル,Z−11−テトラデセノル,E−11−テトラデセノル,Z−11−ヘキサデセノル,Z,E−9,11−テトラデカジエノル,Z,E−9,12−テトラデカジエノル,Z,Z−9,12−テトラデカジエノル,Z,Z−10,12−テトラデカジエノル,Z,Z−7,11−ヘキサデカジエノル,Z,E−7,11−ヘキサデカジエニル,(E)−14−メチル−8−ヘキサデセン−1−オル,(Z)−14−メチル−8−ヘキサデセン−1−オル,E,E−10,12−ヘキサデカジエノル,E,Z−10,12−ヘキサデカジエノル,ドデカナル,,Z−9−ドデセナル,テトラデカナル,Z−7−テトラデセナル,Z−9−テトラデセナル,Z−11−テトラデセナル,E−11−テトラデセナル,E−11,13−テトラデカジエナル,E,E−8,10−テトラデカジエナル,Z,E−9,11−テトラデカジエナル,Z,E−9,12−テトラデカジエナル,ヘキサデカナル,Z−8−ヘキサデセナル,Z−9−ヘキサデセナル,Z−10−ヘキサデセナル,E−10−ヘキサデセナル,Z−11−ヘキサデセナル,E−11−ヘキサデセナル,Z−12−ヘキサデセナル,Z−13−ヘキサデセナル,(Z)−14−メチル−8−ヘキサデセナル,(E)−14−メチル−8−ヘキサデセナル,Z,Z−7,11−ヘキサデカジエナル,Z,E−7,11−ヘキサデカジエナル,Z,E−9,11−ヘキサデカジエナル,E,E−10,12−ヘキサデカジエナル,E,Z−10,12−ヘキサデカジエナル,Z,E−10,12−ヘキサデカジエナル,Z,Z−10,12−ヘキサデカジエナル,Z,Z−11,13−ヘキサデカジエナル,オクタデカナル,Z−11−オクタデセナル,E−13−オクタデセナル,Z−13−オクタデセナル,Z−5−デセニル−3−メチル−ブタノエートマイマイガ誘引物質(Disparlure):(+)シス−7,8−エポキシ−2−メチルオクタデカン,セウデノール:3−メチル−2−シクロヘキセン−1−オル,スルカトール:−メチル−5−ヘプテン−2−オル,イプセノール:2−メチル−6−メチレン−7−オクテン−4−オル,イプスジエノル:2−メチル−6−メチレン−2,7−オクタジエン−4−オル,グランドルアーI:シス−2−イソプロペニル−1−メチル−1−シクロブタンエタノール,グランドルアーII:Z,3−3−ジメチル−1−シクロヘキサンエタノール,グランドルアーIII:Z−3,3−ジメチル−1−シクロヘキサンアセタルデヒド,グランドルアーIV:E−3,3−ジメチル−1−シクロヘキサンアセタルデヒド,シス−2−ベルベノール:シス−4,6,6−トリメチルビシクロ>3,1,1 !ヘプト−3−エン−2−オル ククルビタシン,2−メチル−3−ブテン−2−オル,4−メチル−3−ヘプタノール,ククルビタシン,2−メチル−3−ブテン−2−オル,4−メチル−3−ヘプタノール,.アルファ.−ピネン:2,6,6−トリメチルビシクロ>3,1,1!ヘプト−2−エネ,.アルファ.−カリオフィレン:4,11,11−トリメチル−8−メチレンビシクロ>7,2,0!ウンデカン,Z−9−トリコセン,.アルファ.−マルチストリアチン2(2−エンド,4−エンド)−5−エチル−2,4−ジメチル−6,8−ジオキサビシクロ>3,2,1!オクタン,メチルオイゲノール:1,2−ジメトキシ−4−(2−プロペニル)フェノール,リニアチン:3,3,7−トリメチル−2,9−ジオキサトリシクロ>3,3,1,0!ノナン,カルコグラン:2−エチル−1,6−ジオキサスピロ>4,4!ノナン,フロンタリン:1,5−ジメチル−6,8−ジオキサビシクロ>3,2,1!オクタン,エンド−ブレビコミン:エンド−7−エチル−5−メチル−6,8−ジオキサビシクロ>3,2,1!オクタン,エクソ−ブレビコミン:エクソ−7−エチル−5−メチル−6,8−ジオキサビシクロ>3,2,1!オクタン,(Z)−5−(1−デセニル)ジヒドロ2−(3H)−フラノン,ファルネソル3,7−11−トリメチル−2,6−10−ドデカトリエン−1−オル,ネロリドール3,7−11−トリメチル−1,6,10−ドデカトリエン−3−オル,3−メチル,6−(1−メチルエテニル)−9−デセン−1−オル アセテート,(Z)−3−メチル−6−(1−メチルエテニル)−3,9−デカジエン−1−オル アセテート,(E)−3,9−メチル−6−(1−メチルエテニル)−5,8−デカジエン−1−オル−アセテート,3−メチレン−7−メチル−オクテン−1−オル プロピオネート,(Z)−3,7−ジメチル−2,7−オクタジエン−1−オル プロピオネート,(Z)−3,9−ジメチル−6−(1−メチルエテニル)−3,9−デカジエン−1−オル プロピオネート。
【0020】
誘引剤は貯蔵層の形態で基体に提供されることが特に望ましい(特に誘引剤がフェロモンである時に望ましい)。典型的には、誘引剤は貯蔵層を形成するようにキャリア材に混合されている。キャリア材は積層装置のフェロモンのキャリアとして作用する。
【0021】
典型的には、貯蔵部は通常使用する温度において固体でなければならない。貯蔵部は不浸透層と半浸透層への接合を補助するように粘着性状態であることが望ましい。
【0022】
キャリア材はホットメルトあるいは感圧性接着ポリマーまたはこれらのポリマーの混合体であってもよい。キャリアとして用いられるポリマーは好適にはエチレンビニルアセテートであり、ホットメルト接着物混合体、ポリビニルアセテート(PVA)塩化ポリビニル(PVCs)及びクロスリンクアクリル酸塩等でもよく、適切な特性を有するあらゆる材料を用いることができる。
【0023】
特に望ましいキャリア材は糊ベースの混合体である。望ましいレベルの堅さと粘着性で貯蔵層を不浸透層と浸透層へ接合される。望ましい特性(粘着性を含む)を有するあらゆるポリマーベース材を使用することができる。
【0024】
典型的に(フェロモン等の)誘引剤は、誘引剤貯蔵部を形成するようにポリマー混合体に分散されている。貯蔵部を提供するため、ポリマーキャリアは加熱され溶解し均質になるように充分に攪拌される。典型的に必要量の誘引剤はその後溶解したポリマーキャリアへ加えられる。典型的に、誘引剤の分布状態を視覚的に確認するため、着色染料マーカーが使用される。望ましい量の誘引剤は貯蔵部の0.5重量%から50重量%であり、好適には1重量%から25重量%、さらに好適には1重量%から10重量%である。
【0025】
不浸透層は包装産業で商業的に販売されている蒸発防止材を含むこともできる。望ましい材質はポリマーベースフィルムである。
【0026】
半浸透層はポリマーからの制御剤の放出をコントロールする機能を有する。材質の選択(ポリマー及び厚み等)によって誘引剤(貯蔵部に溶解している)の放出量が調節される。
【0027】
制御剤は殺虫剤であってもよいが、誘引剤は制御剤として作用することもできる。例えば、誘引剤は害虫の行動を混乱させるよう多量の誘引剤を提供するために使用することができる。
【0028】
制御剤は装置付近から害虫を遠ざけるような防虫剤であることもできる。この場合は誘引剤を必要としない。
【0029】
大量捕獲装置を提供するよう、基体は制御剤であることもできる。この場合、接着剤が基体の表面に取り付けられ、害虫は基体に接触した時に捕らえるようになっている。
【0030】
本発明のさらに別の特徴によって、果樹園等の特定の領域内で害虫を制御する方法が提供される。この方法は、前述の害虫を制御する装置の提供ステップ及び装置を特定の領域内に設置するステップとを含む。
【0031】
本発明のこの特徴による装置は、装置が限られた領域内に設置される時には広げた状態とすることができるリール状か継続テープ状であることが望ましい。リールあるいはテープは実質的に前述の通りである。
【0032】
本発明による装置は、コドリング蛾(Laspeyresia pomonella)の誘引及びコントロールに特に都合がよい。この場合、制御剤はSyngentaとのライセンスで入手できるラムダシハロトリン(Lambda Cyhalothrin)であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明を添付の図面を参考にして説明する。
実験データ
半浸透層の選択
半浸透層は本装置では主となる放出制御メカニズムである。ポリマー自体と厚みの選択は制御装置の誘引成分の放出速度を決定する。異なる基体の特徴を把握するため、多くのポリマーフィルムについて評価した。4種のポリマーが試験された−36μmポリエステル(PE)、50μmポリプロピレン(PP)、100μm高密度ポリエチレン(HPDE)及び20μmポリプロピレンと80μm低密度ポリエチレン(2L)から成る100μm積層体である。2L積層体はPP層のみに小孔(〜30/cm2)を提供して製造された。
【0034】
実験のため、フェロモン混合体はPE裏張り層にコーティング処理され、別の半浸透層はフェロモン積層体を形成するようにフェロモン混合体に溶着された。
実験評価方法
温度が〜15℃と30℃の間で毎日調節された試験エリア内に、各タイプの30種の罠が設置された。フェロモンの集中を防ぐために、罠を換気し続けた。実験期間中サンプルは週単位で収集され、抽出され、標準ガスクロマトグラフィー処理で分析された。
【0035】
実験1.
実験1ではいくつかの基本構造を評価した。A 〜5%フェロモン貯蔵部が提供された(BHTが標準安定剤として追加された)。これは不浸透性PE裏張り材と、PE層または半浸透層として追加されたHDPEフィルムのいずれかに〜50gsmでコーティング処理された。これらは標準放出速度試験用にセットされた。結果は図1に示される。
【0036】
図1から分かるように、二重PEサンドイッチ構造体からフェロモン(E006)が非常に低速で放出された。フェロモン消失は遅い傾向であるようだが、サンプル間の変化性が大きいため評価は難しい。PEは本質的に不浸透性であるので、サンドイッチ構造体の端部からいくらかのフェロモン消失はあり得た。揮発性のBHTではいくつかの構造体で放出は本質的にゼロであった。
【0037】
PE/HDPE構造体の放出速度は明らかに異なっていた。全てのフェロモンは開始から25日以内に放出された。BHTは同期間におよそ50%の消失であり、さらに低速で放出した。
【0038】
これらの実験から、PE/PE構造体では放出が遅すぎる一方、PE/HDPE構造体では早すぎることが分かる。中間速度のものが必要である。
【0039】
実験2
前述の実験が繰り返されたが、今回は新しい半浸透性ポリマーフィルムが試験された。PE/PPとPE/2Lベースの積層体が製造され、放出速度が評価された。結果は図2に示す。
【0040】
本実験ではPE/2Lは、実験1のPE/HDPEの実質半分の速度でフェロモンを50日以上放出した。BHTの放出もPE/2L構造体では実質的に遅かった。この構造体は高速放出が必要な場合に適しているであろう。
【0041】
PE/PP構造体は実質的に放出が低速であった。この試験ではおよそ50%のフェロモンが75日以上の間に消失した。この構造体では150日以上放出が続く可能性がある。長期コントロールを要する生産品には理想的であろう。これらの結果に基づき、PE/PP構造体が今後の開発のベースとして選ばれた。
【0042】
貯蔵部におけるフェロモン%変化の効果
実験3
次の実験では、異なる積層構造の放出速度に基づいた、貯蔵部のフェロモン%変化の効果について評価する。異なる積層構造がフェロモン量を変えて製造された。最初の目的は2.5%と10%の構造体を試験することであった。
【0043】
この実験の結果は図3と図4に示される。全体的な印象はフェロモン量の変化は構造体の寿命にさほど影響しないということである。このデータに基づくと、1.6%構造体は10%構造体と同比率のフェロモンを消失した。両者は非常に類似しているものの、前回の実験の5%構造体よりも消失が低速であった。1.6%構造体での実験には相当な誤差があり、寿命予測の正確性を評価するのは困難である。放出速度はフェロモンが消失するにつれて遅くなり、放出速度曲線が長い尾状となるのは、放出制御構造体には典型的なことである。構造体のフェロモンは少量であったため、この構造体において尾状現象が顕著であったので毎日の放出速度が遅く、寿命が延びる結果となった。
【0044】
データの分析
最適ラインは、実験された3つのフェロモン量のうち、PP/PE放出速度曲線であった。これは図5に示されている。これらの傾斜から、毎日のフェロモン放出速度と構造体寿命が予測された。この情報は表1に示されている。標準モニター用罠の放出速度曲線も適していたので、積層構造体が蛾の誘引に必要な効果を達成するためには、モニター用罠の毎日の放出速度に相当程度に合致しなければならない。モニター用罠は害虫の捕獲力を最大にするように最適な状態にされている。
【0045】
必要な当初フェロモン量を予想する別の方法は図6に示されており、フェロモン量は毎日の放出量と最適ラインに対して記入されている。

表1.放出速度データの分析
┌────────────────────────────────────┐
│構造体 量 放出傾斜 予想寿命 放出/日 │
│10%構造体 0.5mg y=-0.0023x+0.5187 225日 0.0023mg/日 │
│5%構造体 0.25mg y=-0.0015x+0.2435 160日 0.0015mg/日 │
│1.6%構造体 0.08mg y=-0.0003x+0.0598 220日 0.0003mg/日 │
│モニター用罠 1mg y=-0.0077x+0.5946 77日 0.0077mg/日 │
└────────────────────────────────────┘
積層体の毎日の放出速度はモニター用罠と同じでなければならないので、表1に基づいて、10%量構造体は1.7mgのフェロモンを含有するように対応して大きくなければならない。5%構造体は僅かに放出が遅く、積層体はさらに大きくなければならず、2.6mgのフェロモンを含有しなければならない。放出速度が遅いため、1.6%構造体は非実用的な程大きくなければならない。よって図6から、当初量はおよそ1.8mg/2平方cmであるのがよい。
【0046】
10%フェロモンが実験には都合の良い量であると決定された。前述の計算に基づいて、目標点源量がさらなる研究のために選択された。この達成のために2平方cmの装置で10%混合体は、積層フィルム間におよそ100gsmのコーティングを必要とする。従って、サンプルは100gsm、50gsm、150gsmで製造され、さらに実験を開始した。
装置に対するの害虫の反応
実験4及び5
本発明による装置を効率的に作用させるには、害虫が制御剤内のフェロモンおとりに反応し、実際に接近して致死量の殺虫剤を摂取するに充分な時間接触することが重要である。この実験はプロトタイプ装置への害虫の反応を評価するために行われた。
【0047】
材料及び方法
本装置には2つの要件がある。効果的に害虫を殺し、選択された構造体が装置の全期間有効でなければならない。Syngentaのマイクロカプセル化されたlamba cyhalothrin構造体は、オリーブ蠅の制御に用いられる別の装置において、少なくとも6ヶ月の有効期間を有することが証明されているため、本装置のための第1選択肢殺虫剤である。
【0048】
現在販売されているオリーブ蠅装置はカード辺り〜15mgから20mgの活性成分を含有する。カード当たり800cm2、1ヘクター辺り100個の装置で、1ヘクター辺りトータル3000mgの殺虫剤、またはカード1cm2辺りおよそ0.025mgとなる。本発明の装置は典型的には、それぞれの点源辺り〜2から3平方cmである。コドリング蛾の制御用として販売されている別の装置(Bayer Appeal 及び Syngenta Sirene)の実験に基づけば、1ヘクター辺りおよそ4000個の点源を必要とするであろう。
殺虫剤の製造
実験4タイプ:
次の実験用殺虫剤が死亡率試験用に製造された。
【0049】
タイプ1.1
プラスチック積層体に0.05mg/2平方cmで11%PVAコーティングしたものを使用した2002標準オリーブ蠅ターゲット
タイプ1.2
プラスチック積層体に0.05mg/2平方cmで1%PVAコーティングしたものを使用した2003年型オリーブ蠅ターゲット
タイプ1.3
植物オイル中に2%混合し、紙積層体に0.05mg/2平方cmでコーティングした技術グレードのラムダシハロトリン
タイプ1.4
植物オイル中に2%混合し、紙積層体に0.05mg/2平方cmでコーティングした技術グレードのラムダシハロトリン(高投与量)
* オイルは殺虫剤に適当な基体と希釈剤を提供した。
【0050】
実験5:
第1試験の結果に基づいて、さらに広範囲での殺虫剤が製造された。これらは第1試験からの最良選択肢と比較された。目的は、より長寿命の薬剤を開発することができるか、デマンドCSに基づいた高投与量を達成することができるかを確認することである。
【0051】
以下の薬剤が開発された:
タイプ2.1
植物オイル中に2%混合し、紙積層体に1mg/2平方cmコーティングした技術グレードのラムダシハロトリン
タイプ2.2
植物オイル中に2%とWaxolene Black中に1%混合し、紙積層体に1mg/2平方cmでコーティングした技術グレードのラムダシハロトリン
タイプ2.3
植物オイル中に2%とWaxolene Black+TiO2中に1%混合し、紙積層体に1mg/2平方cmでコーティングした技術グレードのラムダシハロトリン
タイプ2.4
紙積層体に0.2mg/2平方cmでコーティングした54.5%のマイクロカプセル化ラムダシハロトリン,0.5%のPVA及び45%の水のデマンドベースの薬剤
タイプ2.5
紙積層体に0.4mg/2平方cmでコーティングした99%のマイクロカプセル化ラムダシハロトリン,1%のPVAのデマンドベースの薬剤
害虫死亡率試験
CO2で害虫に麻酔をかけ、5秒間着地したかのように表面に足を下ろして置かれた。それぞれの実験は新しい殺虫剤領域において2バッチで行われた。
【0052】
結果及び検討:害虫死亡率試験
第1死亡率試験の結果を図7と図8に示す。図7はそれぞれの試験における総死亡率を示す。低PVA含有のタイプ1.2と高殺虫剤量のタイプ1.4では100%の死亡率を達成した。タイプ1.1は第2回目では効果があったが第1回目はコントロールと差がなかった。タイプ1.1とタイプ1.2と同率でのタイプ1.3はニート殺虫剤でコントロールと変わらなかった。
【0053】
図8は薬剤タイプよって死亡率が異なることを示す。タイプ1.2とタイプ1.4のみが第1日目に殺虫効果を発揮した。これらの殺虫効果は大部分が第2日目に発揮された。タイプ1.2では蛾に対して長時間殺虫効果が継続し、第5日目でも殺虫効果が見られた。タイプ1.1でも殺虫効果が長続きし、第2日目から第4日目まで均等に持続した。最後の2日間に殺虫効果が殆ど見られなかったため、タイプ1.3は効果的でないことが確認された。
【0054】
試験から、マイクロカプセル化ラムダシハロトリン薬剤はタイプ1.1とタイプ1.2の両方で殺虫剤の効果を向上させ、同率の活性剤のタイプ1.3より優れていることがわかった。これはタイプ1.4中の活性剤20倍の量の増加で補うことができる。PVAのレベル(殺虫組成物を基体に接合させるために用いる)もPVA含有量が少ないタイプ1.2の死亡率に影響し、タイプ1.1よりも優れている。
【0055】
タイプ5は最終薬剤に使用できそうな新物質を加えて、タイプ4からの最良選択肢で行われた。2通りの方法が調査された。第1は試験されたマイクロカプセル化ラムダシハロトリン薬剤を最適化することであった。第2は殺虫剤にできることを確かめることであった。総死亡率の結果は図9に、薬剤別の殺虫率は図10と図11に示す。
【0056】
マイクロカプセル化ラムダシハロトリン薬剤:
タイプ1.2は実験4タイプのうちの良好なものの繰り返しであり、第2回目では再び良い結果が得られたが、第1回目より劣った。タイプ2.4とタイプ2.5は本方法を改良したものである。全体的な死亡率は3つとも非常に類似していた。タイプ1.2では0.05mg/2平方cmの殺虫剤量をタイプ2.4では0.2mgに、タイプ2.5では0.4mgに増加させたがこの結果であった。他の顕著な変化としてはタイプ1.2でのプラスチック積層体をタイプ2.4とタイプ2.5では紙積層体に変えたことであり、タイプ2.4とタイプ2.5の間にはPVA含有量に違いがあった。
【0057】
方法間には死亡率の違いが見られ、タイプ2.5はタイプ1.2より殺虫効果が早く、タイプ1.2はタイプ2.4よりも早かった。死亡率はタイプ4の時よりも早かったようである。試験の条件あるいは害虫の状態に関係すると思われる。
【0058】
殺虫剤量を増加させても死亡率が上昇しなかった理由は不明である。表面が滑らかなプラスチック積層体から紙積層体への変更が1つの原因かもしれない。害虫が麻痺するにつれて殺虫剤カプセルへのアクセスが減少し、足根での表面の捕獲が充分でなかったのであろう。PVAもまた大きな原因である可能性がある。PVAは他の滑らかな非接着性のプラスチック積層体表面に殺虫剤カプセルを接着させるため、オリーブ蠅薬剤に追加されたものである。カプセルは接合剤無しでも紙の表面に接着するであろうし、PVAの存在が害虫による剥離を抑制しているのかもしれない。
【0059】
一連の実験では、10%活性デマンド薬剤への投与量制限のため、大量の活性剤をデマンドベース薬剤に適用することは非現実的であった。
【0060】
技術活性ベース薬剤(図11)では、死亡率、殺虫率のどちらにも殆ど違いはなかった。害虫の大部分は2日以内に死亡し、残りは3日目に死亡した。高い殺虫剤率からすれば驚くことではないであろう。
【0061】
安定剤の追加は薬剤の効力に殆ど関係ないと思われる。
【0062】
実験4と実験5から、技術活性ベース薬剤は本装置には効果的な選択肢であることは明らかであろう。高濃度殺虫剤の使用は容易なため魅力的な選択肢であるようである。もちろん、これらは実験の範囲での短期間の結果であり、長期間にわたる農場での技術薬剤の効果については分からない。継続価値のある実験かもしれないが、マイクロカプセル化ラムダシハロトリンベース薬剤を放棄することはできない。オリーブ蠅の実験に基づいた長期間安定性並びに効能性についての明らかな証拠があるからである。
【0063】
害虫の老化実験
実験6
本発明による装置はシーズンを通して効果が継続することを目的としている。コドリング蛾の場合、地中海の夏季条件では最長5ヶ月間となる。最初の試験では農場での寿命を測るため、信頼性のある殺虫剤を評価した。
【0064】
材料及び方法
適当な最終基体にコーティング処理された異なる殺虫剤のサンプルがアグリセンス(AgriSense)の農場外の木に取り付けられ、通常の環境におかれた。試験は2月初めから開始した。サンプルが定期的に収集され、総殺虫剤含有量と劣化組成物をガスクロマトグラフィーで分析した。
【0065】
評価した4種の薬剤は実験5で、タイプ2.1、タイプ2.2、タイプ2.3及びタイプ2.4と同定された。
【0066】
結果及び検討
試験は比較的寒く湿った季節に行われたため、サンプルのUVレベルと総雨量は通常の条件を反映していない可能性がある。試験結果は図12に示す。全てのタイプで試験期間中に活性成分の緩やかな消失が見られる。予想通り、UVブロックがないタイプ2.1薬剤が最も活性成分を消失した。マイクロカプセル化デマンド薬剤ベースのタイプ2.4薬剤は開始時点に急速に消失するようであったが、その後緩やかになって殆ど消失しなかった。開始時点での緩んだマイクロカプセルの流出が影響している可能性があり、このタイプには良好な接着剤が必要かもしれない。タイプ2.2とタイプ2.3の間には殆ど違いは見られない。
【0067】
実験は少なくとも試験された薬剤は全て良好な雨に対する定着性を示していることを表している。低温及び低日照条件であったため、本実験では薬剤のUV及び熱安定性に関する情報をあまり得られなかった。この点については通常の農場条件で後日試験する必要がある。
【0068】
発明装置(システム)に対する害虫反応の評価
本発明による装置を効率的に作用させるには、虫がフェロモンおとりに反応し、実際に接近して致死量の殺虫剤を摂取するに充分な時間接触することが重要である。この実験は本発明によるプロトタイプのフェロモン排出装置への虫の反応を評価するために行われた。
【0069】
材料及び方法
羽化した蛾を選別して雄のみを誘引試験で使用した。試験前、餌と水を与えて〜20℃で飼育した。
【0070】
最初の実験は虫の羽化から1、2日以内に開始され、引き続き2日間行われた。試験は150×30×30cmの風洞で行われた。試験わなは風洞の風上端部のワイヤに取り付けられ、風下の入口で虫を放した。実験はそれぞれ3分以上実行された。害虫の行動を観察した。害虫がフェロモン源に3分以内にたどり着かなければ反応がないものとして数えた。フェロモンわなへの接触と総接触時間を記録した。
【0071】
結果並びに検討
本実験の結果を表2と図13に示す。フェロモン源への到達率は第1日目に2平方cmでの60%が最低であったが、以後全てのタイプで80%以上であった。
【0072】
表2.異なる大きさのエコタペフェロモン (Ecotape pheromone)排出装置へのコドリング蛾の反応
┌──────────────────────────────────┐
│わな面積 0.5平方.cm 1平方.cm 2平方.cm 5平方.cm │
│03/02/03 │
│滞在時間 19.4 35.75 65.3 │
│(秒) │
│+/−SE 3.6 13.0 10.2 │
│到達% 100% 80% 60% │
│ │
│フェロモン源 │
│04/02/03 │
│滞在時間 14.8 42.4 41 37.2 │
│(秒) │
│+/−SE 3.2 26.3 6.6 21.5 │
│源への到達% 100% 100% 80% 100% │
│ │
│05/02/03 │
│滞在時間 27 42.75 33.2 52.4 │
│(秒) │
│+/−SE 10.5 16.9 12.4 24.7 │
│源への到達% 100% 80% 100% 100% │
└──────────────────────────────────┘
滞在時間はわなの大きさが0.5平方cmから1平方cmへ増加すると共に長くなるようであり、その後は比較的一定である。試験された高濃度における防虫剤あるいは混乱剤の効果についての証拠はない。0.5平方cmのわな以外では滞在時間は全て30秒間以上であり、それらにおいても害虫が平均して〜20秒間滞在した。この種は高濃度フェロモンでわなへの進入が抑制されることがよく知られている。現在のところ最大サイズでも放出率は上方限界値に到達しなかった。
【0073】
図13は異なる大きさのフェロモン排出装置に対するコドリング蛾の滞在時間をグラフで表したものである。
【0074】
結論:あらゆるフェロモンわなのサイズ、放出率において、害虫はフェロモンわなに非常によく反応し、フェロモン源に比較的長時間接触していた。フェロモンわなの大きさが最小のものでの滞在時間でさえ、害虫が最終装置で致死量の殺虫剤を摂取するに充分である。従って、シーズン始めのフェロモン放出量と、わなが劣化してフェロモン量が減少しているシーズン終わりのフェロモン放出量をマッチさせるようにするための装置の大きさや放出量の選択肢が広がる。
【0075】
本発明による装置に対する害虫の反応の測定
実験8
装置が効果的に作動するには害虫がフェロモンわなに反応し、実際に接近して致死量の殺虫剤を摂取するに充分な時間接触することが重要である。前述の実験はシステムの別構成部の作用を評価するものである。最終実験では完成プロトタイプのフェロモン/殺虫剤装置の効能を評価する。
【0076】
材料と方法
昆虫はウエルスボーン(HRI)の園芸リサーチインターナショナルによって実験飼育されたものから供給された。さなぎの状態で受け渡され、羽化させた。羽化した蛾を選別して雄のみを誘引実験に使用した。蛾には餌と水が与えられ〜20℃で試験前まで飼育された。
【0077】
実験手順
最初の実験は羽化してから1、2日以内に開始され、引き続き4日間行われた。試験は150×30×30cmのNRI風洞内で行われた。試験用わなは風洞の風上端部のワイヤに取り付けられ、虫は風下の入口で放された。試験はそれぞれ3分間以上実行された。虫の行動を観察した。害虫がフェロモン源に3分以内にたどり着かなければ反応がないものとして数えた。フェロモンわなへの接触時間を記録し、虫を収集して分けてケージに入れ、餌と水を与えて22時間以上かけて生存状態について観察した。5時間と22時間の間隔で生存、瀕死、死亡かどうかについて評価した。
【0078】
殺虫剤の製造
前述のフェロモンわな誘引試験及び殺虫剤死亡率試験に基づいて、本試験用に3つの方法を選択した。フェロモン試験からはPP100がフェロモンわな成分として選択された。これはコントロールとして単独で(殺虫剤なしで)、さらに実験5においてタイプ2.2及びタイプ2.5と特定された次の2種の殺虫剤との組み合わせで使用された。
【0079】
結果及び検討
実験結果を表3に示す。結果によるとタイプ2.2殺虫剤は装置フェロモン源と接触する害虫の数と接触時間を減少させることがわかる。一方、タイプ2.5は実質的には接触には影響がなく、接触時間を増加させるようである。
【0080】
フェロモン源との接触後、フェロモンのみの虫で不都合な影響を示すものはないようである。瀕死状態の虫もおり、少数がおそらく自然に、あるいは実験で扱われることによって24時間後に死亡した。タイプ2.2では5時間後にはかなりの虫が瀕死状態となったが、死んだものは殆どなかった。5時間後で瀕死状態のようであった虫のいくつかが22時間までに回復したかあるいは死亡したことは明らかである。虫が殺虫剤の表面に置かれた前の実験での高レベルには達しなかったが瀕死状態の虫のいくつかは死亡したので、死亡数は以後17時間に増加する。
【0081】
タイプ2.5は非常に高い死亡率を示し、5時間後には5%の瀕死状態のものを除いて全ての虫が死亡した。22時間後、瀕死状態の虫は回復あるいは死亡した。実験で生き残った虫のみが実験プログラムの最初の2日間に試験された。その後実験が行われ、引き続き4日間で5時間後の死亡率は100%であった。この効果の理由は不明である。実験の誤差か、あるいは(全ての実験に同じ装置を使用したため)虫の殺虫剤摂取に影響する試験装置の表面特徴の変化を反映した可能性がある。
【0082】
表3 死亡率試験の結果
┌──────────────────────────────────────┐
│薬剤 100PP 100PP/2.2 100PP/2.5 │
│ (フェロモンのみ) │
│源への接触% 63% 47% 61% │
│平均接触秒 24.9+/-30.4 15.1+/-11.7 38.2+/-42.5 │
│+/-標準装置 │
│接触効果 5時間 22時間 5時間 22時間 5時間 22時間 │
│生存 100% 79% 50% 40% 5% 20% │
│瀕死 0% 16% 43% 33% 26% 10% │
│死亡 0% 5% 7% 27% 69% 70% │
└──────────────────────────────────────┘
結論
前に実験のみが行われた殺虫剤では、タイプ2.2薬剤はタイプ2.5薬剤よりも僅かに優位性を示し、害虫に装置の周りを自然の状態で行動させた最終実験では、タイプ2.5薬剤は明らかな優位性を示した。害虫の殺虫剤への接触時間を減少させた殺虫剤の作用効果によるものである可能性が高く、害虫がフェロモン源と交わる方法に影響したと思われる。タイプ2.5のマイクロカプセル化デマンド薬剤では活性成分が活性化されて害虫を追い払う前に、害虫が致死量を摂取した。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】図1は第1実験における本発明の装置のPE/HDPEとPE/PEの放出率を表すグラフである。
【図2】図2は第2実験における本発明の装置のポリプロピレン及び2層材料の放出率を表すグラフである。
【図3】図3は1.6%量積層体からのコドリング蛾フェロモンの放出率を表すグラフである。
【図4】図4は10%量積層体からのコドリング蛾フェロモンの放出率を表すグラフである。
【図5】図5は試験薬剤の実際の放出率を特定するグラフである。
【図6】図6は2cm2ポリプロピレン/ポリエステル積層体のわな薬剤量と毎日の放出量との相互関係を表している。
【図7】図7は実験3中の2試験での異なる殺虫剤の総死亡率を特定するグラフである。
【図8】8は実験4における異なる殺虫剤の殺虫率を特定するグラフである。
【図9】図9は実験4中の2試験での異なる殺虫剤の総死亡率を特定するグラフである。
【図10】図10は異なるデマンド殺虫剤の殺虫率を特定するグラフである。
【図11】図11は実験4における異なる技術殺虫剤の殺虫率を示すグラフである。
【図12】図12は室外の自然条件においたサンプルの殺虫剤劣化を特定するグラフである。
【図13】図13は異なる大きさの装置に対するコドリング蛾の滞在時間を図示している。
【図14】図14は本発明による装置の概略図である。
【図15】図15は本発明によるターゲットゾーンの概略図である。
【0084】
図14の符号1は虫誘引装置を示す。接着テープの基体2はリール状に巻かれている。ターゲットゾーン4は基体2の長手方向に沿って間隔を空けて断続的に提供されている。
【0085】
図5にはターゲットゾーン4が示されており、類似符号は図14の類似部分を示す。ターゲットゾーン4は基体(図14には示されていない)の積層構造部である。積層体は不浸透裏張り層II、フェロモン貯蔵部12,半浸透層13及び殺虫剤コーティング層14を含んでいる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
害虫を制御する装置であって、
第1面に沿って所定の間隔を空けて提供された複数のターゲットゾーンを有する長形テープ形式の基体を含んでおり、
それぞれの前記ターゲットゾーンは害虫誘引剤及び/又は害虫制御剤を含んでいることを特徴とする装置。
【請求項2】
基体はリール状に巻かれていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
第1面あるいは第2面は接着性物質でコーティング処理されていることを特徴とする請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
第1面あるいは第2面は摩擦性物質から製造されていることを特徴とする請求項1または2記載の装置。
【請求項5】
ターゲットゾーンは害虫誘引剤及び害虫制御剤を含む積層構造体を含んでいることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
積層構造体は不浸透層、虫誘引層、半浸透層及び虫制御層を含むことを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項7】
不浸透層は基体に隣接することを特徴とする請求項5または6記載の装置。
【請求項8】
基体は積層体の不浸透層であることを特徴とする請求項5または6記載の装置。
【請求項9】
不浸透層及び/または半浸透層はホットメルト接着剤スロットコーティング機を利用して提供されることを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
不浸透層はポリエステルベースフィルム等のポリエステルを含むことを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
虫誘引剤は化学誘引剤、食品ベース誘引剤、合成誘引剤、視覚的誘引剤あるいはホストベース誘引剤を含むことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
虫誘引剤は、Z−5−デセニル アセテート,ドデカニル アセテート,Z−7−ドデセニル アセテート,E−7−ドデセニル アセテート,Z−8−ドデセニル アセテート,E−8−ドデセニル アセテート,Z−9−ドデセニル アセテート,E−9−ドデセニル アセテート,E−10−ドデセニル アセテート,11−ドデセニル アセテート,Z−9,11−ドデカジエニル アセテート,E−9,11−ドデカジエニル アセテート,Z−11−トリデセニル アセテート,E−1−トリデセニル アセテート,テトラデセニル アセテート,E−7−テトラデセニル アセテート,Z−8−テトラデセニル アセテート,E−8−テトラデセニル アセテート,Z−9−テトラデセニル アセテート,E−9−テトラデセニル アセテート,Z−10−テトラデセニル アセテート,E−10−テトラデセニル アセテート,Z−11−テトラデセニル アセテート,E−11−テトラデセニル アセテート,Z−12−ペンタデセニル アセテート,E−12−ペンタデセニル アセテート,ヘキサデセニル アセテート,Z−7−ヘキサデセニル アセテート,Z−11−ヘキサデセニル アセテート,E−11−ヘキサデセニル アセテート,オクタデセニル アセテート,E,Z−7,9−ドデカジエニル アセテート,Z,E−7,9−ドデカジエニル アセテート,E,E−7,9−ドデカジエニル アセテート,Z,Z−7,9−ドデカジエニル アセテート,E,E−8,10−ドデカジエニル アセテート,E,Z−9,12−ドデカジエニル アセテート,E,Z−4,7−トリデカジエニル アセテート,4−メトキシ−シンナアルデヒド,.ベータ.−イオノン,エストラゴール,オイゲノール,インドール,8−メチル−2−デシル プロパノエート,E,E−9,11−テトラデカジエニル アセテート,Z,Z−9,12−テトラデカジエニル アセテート,Z,Z−7,11−ヘキサデカジエニル アセテート,E,Z−7,11−ヘキサデカジエニル アセテート,Z,E−7,11−ヘキサデカジエニル アセテート,E,E−7,11−ヘキサデカジエニル アセテート,Z,E−3,13−オクタデカジエニル アセテート,E,Z−3,13−オクタデカジエニル アセテート,E,E−3,13−オクタデカジエニル アセテート,エタノール,ヘキサノール,ヘプタノール,オクタノール,デカノール,Z−6−ノネノール,E−6−ノネノール,ドデカノール,11−ドデセノール,Z−7−ドデセノール,E−7−ドデセノール,Z−8−ドデセノール,E−8−ドデセノール,E−9−ドデセノール,Z−9−ドデセノール,E−9−,11−ドデカジエノル,Z−9,11−ドデカジエノル,Z,E−5,7−ドデカジエノル,E,E−5,7−ドデカジエノル,E,E−8,10−ドデカジエノル,E,Z−8,10−ドデカジエノル,Z,Z−8,10−ドデカジエノル,Z,E−8,10−ドデカジエノル,E,Z−7,9−ドデカジエノル,Z,Z−7,9−ドデカジエノル,E−5−テトラデセノル,Z−8−テトラデセノル,Z−9−テトラデセノル,E−9−テトラデセノル,Z−10−テトラデセノル,Z−11−テトラデセノル,E−11−テトラデセノル,Z−11−ヘキサデセノル,Z,E−9,11−テトラデカジエノル,Z,E−9,12−テトラデカジエノル,Z,Z−9,12−テトラデカジエノル,Z,Z−10,12−テトラデカジエノル,Z,Z−7,11−ヘキサデカジエノル,Z,E−7,11−ヘキサデカジエニル,(E)−14−メチル−8−ヘキサデセン−1−オル,(Z)−14−メチル−8−ヘキサデセン−1−オル,E,E−10,12−ヘキサデカジエノル,E,Z−10,12−ヘキサデカジエノル,ドデカナル,,Z−9−ドデセナル,テトラデカナル,Z−7−テトラデセナル,Z−9−テトラデセナル,Z−11−テトラデセナル,E−11−テトラデセナル,E−11,13−テトラデカジエナル,E,E−8,10−テトラデカジエナル,Z,E−9,11−テトラデカジエナル,Z,E−9,12−テトラデカジエナル,ヘキサデカナル,Z−8−ヘキサデセナル,Z−9−ヘキサデセナル,Z−10−ヘキサデセナル,E−10−ヘキサデセナル,Z−11−ヘキサデセナル,E−11−ヘキサデセナル,Z−12−ヘキサデセナル,Z−13−ヘキサデセナル,(Z)−14−メチル−8−ヘキサデセナル,(E)−14−メチル−8−ヘキサデセナル,Z,Z−7,11−ヘキサデカジエナル,Z,E−7,11−ヘキサデカジエナル,Z,E−9,11−ヘキサデカジエナル,E,E−10,12−ヘキサデカジエナル,E,Z−10,12−ヘキサデカジエナル,Z,E−10,12−ヘキサデカジエナル,Z,Z−10,12−ヘキサデカジエナル,Z,Z−11,13−ヘキサデカジエナル,オクタデカナル,Z−11−オクタデセナル,E−13−オクタデセナル,Z−13−オクタデセナル,Z−5−デセニル−3−メチル−ブタノエートマイマイガ誘引物質(Disparlure):(+)シス−7,8−エポキシ−2−メチルオクタデカン,セウデノール:3−メチル−2−シクロヘキセン−1−オル,スルカトール:−メチル−5−ヘプテン−2−オル,イプセノール:2−メチル−6−メチレン−7−オクテン−4−オル,イプスジエノル:2−メチル−6−メチレン−2,7−オクタジエン−4−オル,グランドルアーI:シス−2−イソプロペニル−1−メチル−1−シクロブタンエタノール,グランドルアーII:Z,3−3−ジメチル−1−シクロヘキサンエタノール,グランドルアーIII:Z−3,3−ジメチル−1−シクロヘキサンアセタルデヒド,グランドルアーIV:E−3,3−ジメチル−1−シクロヘキサンアセタルデヒド,シス−2−ベルベノール:シス−4,6,6−トリメチルビシクロ>3,1,1 !ヘプト−3−エン−2−オル ククルビタシン,2−メチル−3−ブテン−2−オル,4−メチル−3−ヘプタノール,ククルビタシン,2−メチル−3−ブテン−2−オル,4−メチル−3−ヘプタノール,.アルファ.−ピネン:2,6,6−トリメチルビシクロ>3,1,1!ヘプト−2−エネ,.アルファ.−カリオフィレン:4,11,11−トリメチル−8−メチレンビシクロ>7,2,0!ウンデカン,Z−9−トリコセン,.アルファ.−マルチストリアチン2(2−エンド,4−エンド)−5−エチル−2,4−ジメチル−6,8−ジオキサビシクロ>3,2,1!オクタン,メチルオイゲノール:1,2−ジメトキシ−4−(2−プロペニル)フェノール,リニアチン:3,3,7−トリメチル−2,9−ジオキサトリシクロ>3,3,1,0!ノナン,カルコグラン:2−エチル−1,6−ジオキサスピロ>4,4!ノナン,フロンタリン:1,5−ジメチル−6,8−ジオキサビシクロ>3,2,1!オクタン,エンド−ブレビコミン:エンド−7−エチル−5−メチル−6,8−ジオキサビシクロ>3,2,1!オクタン,エクソ−ブレビコミン:エクソ−7−エチル−5−メチル−6,8−ジオキサビシクロ>3,2,1!オクタン,(Z)−5−(1−デセニル)ジヒドロ2−(3H)−フラノン,ファルネソル3,7−11−トリメチル−2,6−10−ドデカトリエン−1−オル,ネロリドール3,7−11−トリメチル−1,6,10−ドデカトリエン−3−オル,3−メチル,6−(1−メチルエテニル)−9−デセン−1−オル アセテート,(Z)−3−メチル−6−(1−メチルエテニル)−3,9−デカジエン−1−オル アセテート,(E)−3,9−メチル−6−(1−メチルエテニル)−5,8−デカジエン−1−オル−アセテート,3−メチレン−7−メチル−オクテン−1−オル プロピオネート,(Z)−3,7−ジメチル−2,7−オクタジエン−1−オル プロピオネート,(Z)−3,9−ジメチル−6−(1−メチルエテニル)−3,9−デカジエン−1−オル プロピオネートから選択されることを特徴とする請求項12記載の装置。
【請求項13】
誘引剤は貯蔵層の形態で基体に提供されることを特徴とする請求項1から12記載の装置。
【請求項14】
誘引剤は貯蔵層を形成するようにキャリア材に混合されていることを特徴とする請求項13記載の装置。
【請求項15】
貯蔵部は通常の使用温度では固体であることを特徴とする請求項15記載の装置。
【請求項16】
キャリア材はホットメルトあるいは感圧性接着ポリマーまたはこれらのポリマーの混合体であることを特徴とする請求項14または15記載の装置。
【請求項17】
キャリア材とはエチレンビニルアセテート、ホットメルト接着物混合体、ポリビニルアセテート(PVA)、塩化ポリビニル(PVCs)及びクロスリンクアクリル酸塩を含むことを特徴とする請求項16記載の装置。
【請求項18】
キャリア材はDurotak接着剤(National Starch製)とFutura(Beardo Adams製)の接着剤ベース混合体であることを特徴とする請求項16記載の装置。
【請求項19】
害虫誘引剤は誘引剤貯蔵部を形成するようにポリマー混合体に分散されていることを特徴とする請求項13から18記載の装置。
【請求項20】
害虫誘引剤の分布状態を視覚的に確認するため、貯蔵部はさらに着色染料マーカーを含むことを特徴とする請求項12から19記載の装置。
【請求項21】
害虫誘引剤は貯蔵部の0.5重量%から50重量%で存在し、1重量%から25重量%が特に望ましいことを特徴とする請求項13から20記載の装置。
【請求項22】
不浸透層はポリマーベースフィルム等の蒸発防止材を含むことを特徴とする請求項6から21記載の装置。
【請求項23】
半浸透層は装置からの害虫制御剤の放出をコントロールすることを特徴とする請求項6から22記載の装置。
【請求項24】
害虫制御剤は殺虫剤であることを特徴とする請求項1から23記載の装置。
【請求項25】
基体は大量捕獲装置を提供するように制御剤として作用することを特徴とする請求項1から24記載の装置。
【請求項26】
接着剤が基体の表面に提供されており、虫が前記基体に接触した時に捕らえるようになっていることを特徴とする請求項25記載の装置。
【請求項27】
制御される虫はコドリング蛾(Laspeyresia pomonella)であり、制御剤はラムダシハロトリンであることを特徴とする請求項1から26記載の装置。
【請求項28】
特定領域内で虫を制御する方法であって、請求項1から28のいずれかに記載の装置を1以上提供するステップと、前記特定領域内に前記装置を配置するステップとを含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2006−521108(P2006−521108A)
【公表日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506018(P2006−506018)
【出願日】平成16年3月24日(2004.3.24)
【国際出願番号】PCT/GB2004/001289
【国際公開番号】WO2004/086866
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(505339265)アグリセンス−ビーシーエス リミテッド (1)
【Fターム(参考)】