説明

害虫忌避剤組成物

【課題】
人体用又は動物用害虫忌避剤組成物が有する使用中に経時的に不快感をもたらす皮脂や汗によるべたつき感を軽減乃至排除する手段を開発すること
【解決手段】
害虫忌避剤と、無機珪酸多孔質微粒子及び(又は)イオン交換粒子とを含有する組成物であって、且つその組成物の下記一般式で表されるイオン交換特性tが1.5より大きいものである害虫忌避剤組成物
t = A−B
(但しAは組成物の精製水に対する10重量%の分散液のpH値をAとする。またBは同様に組成物の1重量%食塩水に対する10重量%分散液のpH値を示す)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は害虫忌避剤組成物に関し、更に詳しくは、害虫忌避剤と、無水珪酸多孔質微粒子及び(又は)イオン交換粒子とを主成分として成る人体用または動物用害虫忌避剤組成物に関するものである。さらに合成樹脂微粒子と共に溶媒に分散させた人体用または動物用害虫忌避剤のエアゾール製品および人体用または動物用害虫忌避剤のスプレー製品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、害虫忌避剤組成物としては、各種のものがかなり数多く開発されている。しかし乍ら従来の害虫忌避剤組成物については、いずれも人体用や動物用に使用する場合、油状忌避組成物に由来するべたつきを改善するものはあったものの、使用中の経時における皮脂や汗に起因するべたつき感を防止しようとするものは全く開発されていなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って本発明が解決しようとする課題は、従来から開発されている各種の人体用又は動物用害虫忌避剤組成物が有する使用中に経時的に不快感をもたらす皮脂や汗によるべたつき感を軽減乃至排除する手段を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するための手段は、害虫忌避剤と、無水珪酸多孔質微粒子及び(又は)イオン交換粒子とを主成分として成るものであって、且つその組成物が特定のイオン交換特性を有するものを、人体用又は動物用害虫忌避剤組成物として使用することにより解決される。但しこの特定のイオン交換特性は下記一般式
t = A−B
(但しAは組成物の精製水に対する10重量%の分散液を、マグネティツクスターラにて撹拌しながら10分後の値を読みとり、このpH値をAとする。またBは同様に組成物の1重量%食塩水に対する10重量%分散液のpH値を示す)で表わされるtが1.5よりも大きいものであることである。
【0005】
本発明者らの研究に依れば、害虫忌避剤組成物を実際に人体や動物に使用した際に、使用中に経時的に不快感をもたらす皮脂や汗によるべたつき感が生じる理由は以下の通りと考えられる。
【0006】
即ち、日本の夏は特に高温多湿になるため皮膚のべたつきが激しい。その原因は、皮脂と汗からなる不安定な成分に起因すると言われている。これに対する対策として、揮発性油剤の蒸発熱による冷感の発生、吸油性や吸水性の高い成分により、皮脂や汗等を取り込む等の手段がある。しかし、未だ実感レベルで十分に満足の得られる効果を発揮するには至っていない。
【0007】
本発明者らは、皮膚のべたつきに関して鋭意研究を行った結果、皮膚のべたつきが陽イオンに起因することを突き止め、皮膚から分泌される汗中、陽イオン就中塩化ナトリウムのナトリウムイオン(Na+)を水素イオン(H+)等とイオン交換させ、皮膚表面上の陽イオン就中ナトリウムイオンを減少させることにより、皮膚のべとつき感を防止出来ることを見いだした。
【0008】
更にこの研究をおし進め、無水珪酸多孔質微粒子が、実に驚くことにこのべつとき感を減少乃至排除する作用を有し、しかもこの無水珪酸多孔質微粒子及び(又は)イオン交換粒子が害虫忌避剤と共に使用され、且つこの際、得られるこれ等の成分からなる組成物のイオン交換特性が上記特定の値を満足するときは、著しく優れたべたつき感解消作用を発揮することを見出し、茲に本発明を完成した。
【発明の効果】
【0009】
本発明の害虫忌避剤組成物を人体用又は動物用に使用したとき、無水珪酸多孔質微粒子及び(又は)イオン交換粒子の作用により、皮膚のべたつき防止が極めて優れたものとなり、その結果べたつき感を全く又は殆んど防止することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
更に本発明の害虫忌避剤組成物について若干説明すると次の通りである。
本発明の害虫忌避組成物は、(イ)害虫忌避剤及び無水珪酸多孔質微粒子とを主成分とするもの、又は(ロ)これ等ニ成分に更にイオン交換粒子が配合されたものであって、且つその組成物のイオン交換特性が、前記一般式t=A−B(但し、A及びBは前記に同じ)で表されるtが1.5より大きいものである。
【0011】
そして更に上記(イ)及び(ロ)の組成物に、合成樹脂微粒子が配合されたものも包含される。
【0012】
本発明に於いて使用される無水珪酸多孔質微粒子とは、無水珪酸から成っていて、球形であり、所謂、界面反応法によって製造することができる。この界面反応法は無機化合物水溶液の中で、有機溶媒と界面活性剤により油中水滴型乳濁液(エマルション)をつくり、これを別の水溶液と混合することにより、水滴界面で沈殿反応を起こさせ、無機質殻を形成した後、反応副生成物や界面活性剤などを除去することにより、中空または中空部を有しない(すなわち非中空の)無機多孔質微粒子を得るものである。既に商品化されているものとしては、鈴木油脂工業株式会社製の無水珪酸多孔質微粒子(商品名:ゴッドボール)を例示することができる。
【0013】
この無水珪酸多孔質微粒子は、中空および非中空を含め、次のような特徴をもっている。すなわち、粒径は0.1〜25μm、平均粒子径0.5〜30.0μm、平均表面細孔直径は20〜150Å、比表面積は100〜800m2 /gである。
【0014】
無機多孔質微粒子にあっては、液状の害虫忌避剤または溶媒に溶解または分散した害虫忌避剤を10〜400ml/100g内包させることができ、非中空の無機多孔質微粒子にあっては、溶媒に溶解または分散した害虫忌避剤を10〜320ml/100g含浸させることができる。
【0015】
害虫忌避剤を担持した無機多孔質微粒子の概略断面構造を、図1に示した。図示したものは壁物質が無水珪酸からなる中空の無機多孔質微粒子内に、害虫忌避剤が内包すなわちカプセル化されているものであり、壁面に存在する無数の空孔より害虫忌避剤が徐々に浸み出し、害虫忌避剤がもつ作用を、長時間にわたって持続させることができる。なお、図2に示しているような、非中空の無水珪酸多孔質微粒子の空隙部に前記害虫忌避剤を含浸させることもできる。
本発明に於いて害虫忌避剤を主成分として成る本発明組成物を調製するに際しては、好ましくは無水珪酸多孔質微粒子のもつ細孔容積部に有効成分である害虫忌避剤を含浸させることであり、たとえば真空法または直接吸収法により、害虫忌避剤を無水珪酸多孔質微粒子の細孔容積内に充填することが好ましい。
【0016】
本発明に於いて使用されるイオン交換粒子としては、べとつきの主な原因である陽イオンをイオン交換反応に依り除去出来るものが広く使用される。
【0017】
更に詳しくはナトリウムイオン(Na+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)、カリウムイオン(K+)などの陽イオンをイオン交換反応により除去することが出来るものが広く使用される。上記陽イオンをイオン交換反応により除去する能力が高い物質であるならば、特に限定されないが、好ましくは、シラノール基を有する水分散性の高い無水珪酸や、塩酸等にて処理したゼオライトなどが挙げられる。
【0018】
また本発明に於いて好ましく使用される塩酸等で処理したゼオライトとしては、通常人工または天然の多孔質な鉱物質で、シリカ、アルミナなどの金属酸化物よりなるもので、シリカ4面体層と金属8面体層が交互に重なったような層状化合物、正6面体の合成ゼオライト、3層構造を有するモンモリロナイト、セピオライト、モルデナイト、クリノプチロライト、不定形な天然ゼオライト 、等を含むケイ酸塩化合物、複合酸化物またはこれらの混合物、等であり、一般化学組成式で(Zn6−nAl)(Si4−nAl)O10(OH)/SiO・nHOで表わされるアルミノケイ酸塩を例示出来る。
【0019】
更にはまた陽イオン交換体およひ両イオン交換体も使用出来、その例として、たとえばIXE−200(Sn系),IXE−300(Sb系),IXE−400(Ti系)、両イオン交換体IXE−600(Sb,Bi系),IXE−6107(Zr,Bi系)等(東亞合成化学(株))、等のものが使用される。
【0020】
その他イオン交換微粒子の一例として、特開平05−032417に開示されている五酸化アンチモン水和物を例示出来る。この製法は三塩化アンチモンを塩素化して五塩化アンチモンとする塩素化工程と、得られた五塩化アンチモンに水/五塩化アンチモン重量比(H2O/SbCl5)0.15〜1の水を添加して部分的加水分解を行う部分的加水分解工程と、得られた部分的加水分解生成物を生成五塩化アンチモン容量の10〜50倍量の水で完全に加水分解する完全加水分解工程と、得られた加水分解生成物を常圧又は加圧下に80〜150℃及び1〜10時間の条件で加熱して結晶化させる結晶化工程と、得られた結晶化処理物を洗浄する洗浄工程とを有する製法であって、結晶質五酸化アンチモン水和物が得られる。
【0021】
またその他特開平06−106077に記載の粒状無機イオン交換体も使用出来る。これは含水五酸化アンチモン及びヒドロゾルを含有する混合物の粒状体を、300℃以上かつ550℃以下の温度で焼成してなるものである。
【0022】
本発明に於いて、害虫忌避剤、無水珪酸多孔質微粒子及び(又は)イオン交換粒子の割合は得られる目的物組成物のイオン交換特定が、前記tで表される値として1.5より大きくなるような割合で配合される。好ましくは、このtが1.5よりも高くなればなる程好ましい配合と云うことが出来る。従って、本発明に於いては、すでに述べた通り、害虫忌避剤と珪酸多孔質微粒子との二者の配合の場合や、これ等ニ成分にイオン交換粒子を配合した場合があり、夫々tが1.5よりも大きい配合割合であれば良い。
【0023】
本発明に於いて必要に応じ合成樹脂微粒子も配合できる。たとえばポリエチレン、テトラフロロエチレン、ナイロン、ポリメチルメタアクリレート、ポリスチレン、ポリアセタール、ポリプロピレン、エチレン・アクリル酸共重合体などの合成樹脂を球形にしたものを挙げることが出来る。合成樹脂微粒子の直径は、その分布が無水珪酸多孔質微粒子の直径分布と略同等であることが望ましい。すなわち、合成樹脂微粒子の直径は0.1〜50μm、好ましくは2〜20μm、さらに好ましくは2〜15μmである。また、合成樹脂微粒子は電気的に無水珪酸と同一の電荷であって、それぞれのもつ荷電特性が相反的であり、形状的にも離反し易い形状である、物理的に非密着性のものが良い。また、合成樹脂微粒子は、柔らかく弾力性をもっているので、無水珪酸多孔質微粒子及び(又は)イオン交換粒子の硬さをカバーしている。すなわち、人体の表面に本発明の忌避剤組成物を使用したときにサラサラ感とスベスベ感を共に演出する。
【0024】
本発明の害虫忌避剤を調製するに際しては、害虫忌避剤を無水珪酸多孔質微粒子に担持させた後、イオン交換粒子と混合し、これに必要に応じ溶媒その他の成分を加え、忌避剤組成物を調製する。
【0025】
本発明にいう分散剤とは、界面活性剤のように、分散液のなかでパウダー相を均一に分散させる役目をもつ。
【0026】
本発明にいう溶媒とは合成樹脂微粒子と無水珪酸多孔質微粒子及び(又は)イオン交換微粒子とは通常均一に混合しているが、これらの粒子を凝集させないように分散させる作用をもつのが溶媒であって、溶媒としてはエチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール類、およびその水溶液を例示することができる。
【0027】
この際のその他の成分としては、たとえば保湿剤、香料、除放剤等を例示出来、これ等としては、従来から使用されて来たものが、適宜に使用出来る。
【0028】
本発明の組成物はその使用に際しては、各種の形態として使用することが出来、たとえば粉状、粒状、液状、等ばかりでなく、エアゾールやスプレーの状態としても良い。
本発明にいう噴射剤とは、エアゾール缶に入れてその圧力を利用して原液を噴霧させる作用をもつ薬剤をいい、プロパン、ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル、フロンF134a、などの液化ガス、窒素ガス、炭酸ガス、笑気ガス、空気、ヘリウム、などの圧縮ガス、を例示することができる。
本発明にいうエアゾール組成物とは、原液と噴射剤とで構成されており、原液は製品の目的を果たすための成分を含み、噴射剤は原液と混合されて良好な噴射状態を形成する性格のものである。このエアゾール組成物をエアゾール缶に収容し、製品としたものがエアゾール製品である。
【0029】
本発明にいうポンプスプレーとは、スプレー製品に使われるもので、スプレー噴霧する機構をもったものである。スプレー製品とは、ポンプ製品ともいわれるもので、内容液をポンプ式のスプレヤーで、指による上下のアクションで吸い上げ、加圧して霧状に噴霧する製品をいう。例えば指による上下運動で内容液を吸い上げてスプレーするものである。ポンプスプレーを使って製品化すれば、それがスプレー製品である。
本発明の概要について説明する。害虫忌避剤を無機珪酸多孔質微粒子及び(又は)イオン交換粒子とを含有する組成物に担持させた後、合成樹脂微粒子と混合し、これに溶媒その他の成分を加え、忌避剤組成物を生成する。この忌避剤組成物と噴射剤をエアゾール用耐圧容器に充填し、エアゾール製品とする。あるいは、この忌避剤組成物を容器に収容し、ポンプスプレーを取り付けてスプレー製品とするものである。
【0030】
本発明の詳細を実施例に基づいて説明するが、本発明の趣旨はこれに限定されるものではない。
【実施例1】
【0031】
N−ジエチル−m−トルアミド(三菱ガス化学株式会社製)7.0g、無水珪酸多孔質微粒子(鈴木油脂工業株式会社製ゴッドボールDY−25C)3.0g、および濃グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)3.0gに99%変性アルコールを加え、全量を100gとし、これを害虫忌避剤用原液とした。
【実施例2】
【0032】
レモングラスオイル 7.0g、無水珪酸多孔質微粒子(鈴木油脂工業株式会社製ゴッドボールDY−25C)2.5g、正6面体の合成ゼオライト2.5g、ポリエチレン末(住友精化株式会社製フロービーズCL−2080)0.8g、および1,3−ブチレングリコ−ル(ダイセル化学工業株式会社製)2.5gに99%エチルアルコールを加え、全量を100gとし、これを害虫忌避剤用原液とした。
【実施例3】
【0033】
サイネピリン500、7.0g、無水珪酸多孔質微粒子(鈴木油脂工業株式会社製ゴッドボールE−6CK)2.5g、IXE−600(Sb、Bi系)(東亞合成化学(株))、3.0g、ポリエチレン末(住友精化株式会社製フロービーズCL−2080)0.8g、濃グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)2.5g、に政府所定変性99%エチルアルコールを加え、全量を100gとし、これを害虫忌避剤用原液とした。
【実施例4】
【0034】
レモンユーカリオイル3.0g、N−ジエチル−m−トルアミド 4.0g、無水珪酸多孔質微粒子(鈴木油脂工業株式会社製ゴッドボールE−6CK)3.0g、モンモリロナイト2g、1,3−ブチレングリコ−ル(阪本薬品工業株式会社製)3.0g、ポリオキシエチレンオレイルエーテル燐酸ナトリウム(日光ケミカル株式会社製)2.0g、に99%変性アルコールを加え、全量を100gとし、これを害虫忌避剤用原液とした。
(実施例5)アレスリン 8.0g、無水珪酸多孔質微粒子(鈴木油脂工業株式会社製ゴッドボールE−6CK)3.0g、合成ゼオライト粉末4g、ポリエチレン末(住友精化株式会社製会社製)0.6g、濃グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)2.5g、界面活性剤としてポリオキシエチレンオレイルエーテル燐酸ナトリウム(東邦化学工業株式会社製、ホスファノールRO−720N)2.0gおよび精製水10.0gに95%変性アルコールを加え、全量を100gとし、これを害虫忌避剤用原液とした。
【0035】
(比較例1)N−ジエチル−m−トルアミド(三菱ガス化学株式会社製)7.0g、無水珪酸多孔質微粒子(洞海化学工業(株)サンフェアーNP100)3.0g、および濃グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)3.0gに99%変性アルコールを加え、全量を100gとし、これを害虫忌避剤用原液とした。
【0036】
(比較例2)レモングラスオイル 7.0g、無水珪酸多孔質微粒子(富士シリシア化学(株)製 サイシリア310)2.5g、ポリエチレン末(住友精化株式会社製フロービーズCL−2080)0.8g、および1,3−ブチレングリコ−ル(ダイセル化学工業株式会社製)2.5gに99%エチルアルコールを加え、全量を100gとし、これを害虫忌避剤用原液とした。
【0037】
(比較例3)サイネピリン500、7.0g、無水珪酸多孔質微粒子(洞海化学工業)2.5g、IXE−100(Zn系)(東亞合成化学(株))、3.0g、ポリエチレン末(住友精化株式会社製フロービーズCL−2080)0.8g、濃グリセリン(阪本薬品工業株式会社製)2.5g、に政府所定変性99%エチルアルコールを加え、全量を100gとし、これを害虫忌避剤用原液とした。
【0038】
(試験例1)
分散液における水素イオン濃度変化の測定
1)サンプルの精製水に対する10重量%分散液を、マグネティックスターラにて攪拌しながら、10分後の値を読み取り、そのpH値を(A)とする。
2)同様にサンプルの1重量%食塩水に対する10重量%分散液のpH値を(B)とする。
3) t=(A)−(B)をした時、t>1.5となること。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

(試験例2)
べたつき感の評価
実施例1〜5および比較例1〜3で得られた原液各45mlを耐圧ガラス瓶に入れ、バルブを装着して炭酸ガスで5.5kg/cm2に充填した。また、このとき内容物を男女各6名の人の肌に噴射して、32〜35℃ 湿度80〜100RH%恒温恒湿室にて30分後の肌触りを調べた。
結果、使用感におけるべとつき感およびサラサラ感は、実施例1〜5を用いた方が比較例1〜3を用いたものより優れていた。
原液及びエアゾール充填物の分散度およひ使用感
【0041】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の害虫忌避剤を内包した中空の無水珪酸多孔質微粒子の一例を表す断面図
【図2】本発明の害虫忌避剤を含浸した非中空の無水珪酸多孔質微粒子の一例を表す断面図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
害虫忌避剤と、無機珪酸多孔質微粒子及び(又は)イオン交換粒子とを含有する組成物であって、且つその組成物の下記一般式で表されるイオン交換特性tが1.5より大きいものである害虫忌避剤組成物
t = A−B
(但しAは組成物の精製水に対する10重量%の分散液のpH値をAとする。またBは同様に組成物の1重量%食塩水に対する10重量%分散液のpH値を示す)
【請求項2】
害虫忌避剤及び無機珪酸多孔質微粒子とを含有する請求項1に記載の害虫忌避組成物
【請求項3】
害虫忌避剤、無機珪酸多孔質微粒子及びイオン交換粒子を含有する請求項1に記載の害虫忌避剤組成物
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の無水珪酸多孔質微粒子が、粒径0.1〜50μm、平均粒子径0.5〜30.0μm、平均表面細孔直径20〜150Å、比表面積100〜800m2 /gである、非中空多孔質シリカ球形粒子または中空多孔質シリカ球形粒子である害虫忌避剤組成物。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の無水珪酸多孔質微粒子が、界面反応法で得られたものであり、且つ平均表面細孔直径が20〜150Åのものが全体の40〜90%を占めるものである害虫忌避剤組成物。
【請求項6】
合成樹脂微粒子を更に含有する請求項1乃至5のいずれかに記載の害虫忌避剤組成物。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の害虫忌避剤組成物を人体用または動物用に使用する害虫忌避剤組成物。
【請求項8】
請求項1から7の少なくとも1項に記載の忌避剤組成物と噴射剤をエアゾール用耐圧容器に充填し、密閉した、人体用または動物用忌避剤のエアゾール製品。
【請求項9】
請求項8に記載の噴射剤が液化石油ガス、ジメチルエーテルなどの液化ガス、窒素ガス、炭酸ガスなどの圧縮ガス、の中から選ばれた1種または2種以上の混合ガスである人体用または動物用忌避剤のエアゾール製品。
【請求項10】
請求項1から7の少なくとも1項に記載の忌避剤組成物を容器に収容し、ポンプスプレーを取り付けてなる人体用または動物用忌避剤のスプレー製品

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−22920(P2007−22920A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−202586(P2005−202586)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(391034891)鈴木油脂工業株式会社 (13)
【出願人】(591230619)株式会社ナリス化粧品 (200)
【Fターム(参考)】