説明

害虫防除エアゾール用組成物

【課題】優れた害虫防除効力を有するエアゾール用組成物を提供すること。
【解決手段】4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、有機溶剤及び噴射剤を含有する油性エアゾール用組成物であって、噴射剤の含有割合が、有機溶剤1重量部に対して、0.001〜0.24重量部であることを特徴とする害虫防除エアゾール用組成物は優れた害虫防除効力を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は害虫防除エアゾール用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートが害虫防除効力を有することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−2363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、優れた害虫防除効力を有するエアゾール用組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、優れた害虫防除効力を有するエアゾール用組成物を見出すべく検討の結果、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、有機溶剤及び噴射剤を含有する油性エアゾール用組成物であって、噴射剤の含有割合が、有機溶剤1重量部に対して、0.001〜0.24重量部であることを特徴とする害虫防除エアゾール用組成物が優れた害虫防除効力を有することを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、以下のものである。
〔1〕4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、有機溶剤及び噴射剤を含有する油性エアゾール用組成物であって、噴射剤の含有割合が、有機溶剤1重量部に対して、0.001〜0.24重量部であることを特徴とする害虫防除エアゾール用組成物。
〔2〕4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートの含有割合が、有機溶剤1重量部に対して、0.000001〜0.1重量部である〔1〕記載の害虫防除エアゾール用組成物。
〔3〕4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートの含有量が、0.001〜1重量パーセントであり、有機溶剤の含有量が80〜99重量パーセントであり、噴射剤の含有量が0.1〜19重量パーセントである〔1〕記載の害虫防除エアゾール用組成物。
〔4〕噴射剤が窒素ガス、圧縮空気、炭酸ガス、液化石油ガス及びジメチルエーテルからなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕いずれかに記載の害虫防除エアゾール用組成物。
〔5〕害虫が網翅目害虫である〔1〕〜〔4〕いずれかに記載の害虫防除エアゾール用組成物。
〔6〕害虫が膜翅目害虫である〔1〕〜〔4〕いずれかに記載の害虫防除エアゾール用組成物。
〔7〕害虫がハチ類である〔1〕〜〔4〕いずれかに記載の害虫防除エアゾール用組成物。
〔8〕〔1〕〜〔7〕いずれかに記載の害虫防除エアゾール用組成物の有効量を害虫または害虫の生息場所に噴霧することを特徴とする害虫防除方法。
〔9〕〔1〕〜〔7〕いずれかに記載の害虫防除エアゾール組成物を含有する害虫防除エアゾール。
【発明の効果】
【0006】
本発明の害虫防除エアゾール用組成物は優れた害虫防除効力を有する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の害虫防除エアゾール用組成物とは、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(以下、本化合物Aと記す場合もある。)、有機溶剤及び噴射剤を含有する油性エアゾール用組成物であって、噴射剤の含有割合が、有機溶剤1重量部に対して、0.001〜0.24重量部であることを特徴とする害虫防除エアゾール用組成物である。
【0008】
本化合物Aとは、例えば特開2004−2363号公報に記載される化合物であり、該公報に記載される方法により製造することができる。
本化合物Aには、シクロプロパン環上に存在する2つの不斉炭素原子及び二重結合に由来する異性体が存在するが、本発明にはその各々および任意の異性体比率である化合物を用いることができる。
【0009】
本発明の害虫防除エアゾール用組成物に含有される本化合物Aの含有量は、通常0.001〜1重量パーセントである。
【0010】
本発明の害虫防除エアゾール用組成物は、有機溶剤としては、例えば、飽和炭化水素が用いられる。かかる飽和炭化水素として通常は、例えば、初留点が150℃以上であり95パーセント留出温度が300℃以下のものが用いられるが、もちろん初留点が150℃以上であり乾点(Dry Point)が300℃以下のものであってもよい。かかる飽和炭化水素としては、例えば、アイソパーG(エクソンモービル有限会社製、初留点:160℃、乾点:176℃)、アイソパーL(エクソンモービル有限会社製、初留点:189℃、乾点:207℃)、アイソパーH(エクソンモービル有限会社製、初留点:178℃、乾点:188℃)、アイソパーM(エクソンモービル有限会社製、初留点:223℃、乾点:254℃)、ノルパー13(エクソンモービル有限会社製、初留点:222℃、乾点:242℃)、ノルパー15(エクソンモービル有限会社製、初留点:249℃、乾点:274℃)、エクソールD40(エクソンモービル有限会社製、初留点:164℃、乾点:192℃)、エクソールD60(エクソンモービル有限会社製、初留点:187℃、乾点:209℃)、エクソールD80(エクソンモービル有限会社製、初留点:208℃、乾点:243℃)、ネオチオゾール(中央化成株式会社製、初留点:225℃、乾点:247℃)、IPソルベント 2028(出光興産株式会社、初留点:213℃、95%留出温度:250℃)及び灯油が挙げられる。その他の有機溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、ミリスチン酸イソプロピル、フタル酸ジブチル等のエステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素が挙げられる。
本発明の害虫防除エアゾール用組成物に含有される有機溶剤の含有量は、通常80〜99重量パーセントである。
【0011】
本発明の害虫防除エアゾール用組成物に含有される噴射剤としては、例えば、窒素ガス、圧縮空気、炭酸ガス、液化石油ガス(LPG)及びジメチルエーテルが挙げられる。本発明の害虫防除エアゾール用組成物に含有される噴射剤は、1種のみ用いてもよいし2種以上用いてもよい。本発明の害虫防除エアゾール用組成物に含有される噴射剤の含有量は、通常0.1〜19重量パーセントである。
【0012】
本発明の害虫防除エアゾール用組成物には、本化合物Aと有機溶剤とが有機溶剤1重量部に対して、本化合物Aが通常0.000001〜0.1重量部となる割合で含有される。
また有機溶剤と噴射剤とが有機溶剤1重量部に対して、噴射剤が通常0.001〜0.24重量部となる割合で含有される。
より具体的には、本発明の害虫防除エアゾール用組成物には、通常は有機溶剤1重量部に対して、本化合物Aが0.000001〜0.1重量部の割合かつ噴射剤が0.001〜0.24重量部の割合で含有される。
【0013】
本発明の害虫防除エアゾール用組成物には、必要により、他の害虫防除成分、忌避剤、共力剤、香料等の1種以上を適宜配合することができる。
他の害虫防除成分としては、例えば、ジクロルボス、フェニトロチオン、テトラクロロビンホス、フェンチオン、クロルピリホス、ダイアジノン等の有機燐化合物、プロポキサー、カルバリル、メトキサジアゾン、フェノブカルブ等のカーバメート化合物、ルフェヌロン、クロルフルアズロン、ヘキサフルムロン、ジフルベンズロン、シロマジン、1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−3−[2−フルオロ−4−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]ウレア等のキチン形成阻害物質、ピリプロキシフェン、メトプレン、ハイドロプレン、フェノキシカルブ等の幼若ホルモン様物質、ネオニコチノイド系化合物、N−フェニルピラゾール系化合物が挙げられる。
【0014】
忌避剤としては、例えば、N,N−ジエチル−m−トルアミド、リモネン、リナロール、シトロネラール、メントール、メントン、ヒノキチオール、ゲラニオール、ユーカリプトール、インドキサカルブ、カラン−3,4−ジオール、MGK−R−326、MGK−R−874及びBAY−KBR−3023が挙げられる。
共力剤としては、例えば、5−〔2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシメチル〕−6−プロピル−1,3−ベンゾジオキソール、N−(2−エチルヘキシル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、オクタクロロジプロピルエーテル、チオシアノ酢酸イソボルニル、N−(2−エチルへキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ[2.2.2]オクト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドが挙げられる。
安定剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ−ル等のフェノ−ル系酸化防止剤等が挙げられる。
【0015】
本発明の害虫防除エアゾール用組成物は、例えば、本化合物A及び有機溶剤、並びに、必要に応じて適宜配合される他の害虫防除成分、忌避剤、共力剤、安定剤等をエアゾール容器に充填し、該容器にエアゾールバルブを装着し、噴射剤をステムを通して該容器中に充填し、振とうした後、アクチュエーターを装着することにより本発明の害虫防除エアゾール用組成物を含有する害虫防除エアゾールとして製造することができる。アクチュエーターとしては、例えば、ボタン式、トリガー式のものが挙げられる。
【0016】
本発明の害虫防除エアゾール用組成物は、例えば、害虫、害虫の通り道及び/又は害虫の生息場所で、害虫防除のために有効量の本発明の害虫防除エアゾール用組成物を含有する害虫防除エアゾールを噴霧することにより施用される。その際の施用量は、面上に処理する場合は、処理面積1m2当たり、本化合物Aの換算量として通常0.001〜1000mg程度であり、空間に処理する場合は、適用空間1m3当たり、本化合物Aの換算量として通常0.001〜1000mg程度である。
【0017】
本発明の害虫防除エアゾール用組成物により防除できる害虫としては、例えば昆虫やダニ等の節足動物が挙げられ、具体的には例えば以下の害虫等が挙げられる。
【0018】
鱗翅目害虫:ニカメイガ、コブノメイガ、ノシメコクガ等のメイガ類、ハスモンヨトウ、アワヨトウ、ヨトウガ等のヨトウ類、モンシロチョウ等のシロチョウ類、コカクモンハマキ等のハマキガ類、シンクイガ類、ハモグリガ類、ドクガ類、ウワバ類、カブラヤガ、タマナヤガ等のアグロティス属害虫(Agrotis spp.)、ヘリコベルパ属害虫(Helicoverpa spp.)、ヘリオティス属害虫(Heliothis spp.)、コナガ、イチモンジセセリ、イガ、コイガ等
【0019】
双翅目害虫:アカイエカ、コガタアカイエカ、ネッタイイエカ等のイエカ類、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類、シナハマダラカ、ガンビエハマダラカ(Anopheles gambiae)等のハマダラカ類、ユスリカ類、イエバエ、オオイエバエ、ヒメイエバエ等のイエバエ類、クロバエ類、ニクバエ類、タネバエ、タマネギバエ等のハナバエ類、ミバエ類、ショウジョウバエ類、チョウバエ類、ノミバエ類、アブ類、ブユ類、サシバエ類、ヌカカ類等
【0020】
網翅目害虫:チャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、コワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ、コバネゴキブリ等
【0021】
膜翅目害虫:アリ類、ハチ類(フタモンアシナガバチ、トガリフタモンアシナガバチ、セグロアシナガバチ、キアシナガバチ、キボシアシナガバチ、コアシナガバチ、ヤマトアシナガバチ等のアシナガバチ類、オオスズメバチ、キイロスズメバチ、コガタスズメバチ、モンスズメバチ、ヒメスズメバチ、クロスズメバチ、シダクロスズメバチ、キオビホオナガスズメバチ等のスズメバチ類、アリガタバチ類、クマバチ、ベッコウバチ、ジガバチ、ドロバチ等)
【0022】
隠翅目害虫:イヌノミ、ネコノミ、ヒトノミ等
【0023】
シラミ目害虫:ヒトジラミ、ケジラミ、アタマジラミ、コロモジラミ等
【0024】
等翅目害虫:ヤマトシロアリ、イエシロアリ等
【0025】
半翅目害虫:ヒメトビウンカ、トビイロウンカ、セジロウンカ等のウンカ類、ツマグロヨコバイ、タイワンツマグロヨコバイ等のヨコバイ類、アブラムシ類、カメムシ類、コナジラミ類、カイガラムシ類、グンバイムシ類、キジラミ類、トコジラミ類等
【0026】
鞘翅目害虫:ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ、ウエスタンコーンルートワーム、サザンコーンルートワーム等のコーンルートワーム類、ドウガネブイブイ、ヒメコガネ等のコガネムシ類、コクゾウムシ、イネミズゾウムシ、ワタミゾウムシ、アズキゾウムシ等のゾウムシ類、チャイロコメノゴミムシダマシ、コクヌストモドキ等のゴミムシダマシ類、イネドロオイムシ、キスジノミハムシ、ウリハムシ等のハムシ類、シバンムシ類、ニジュウヤホシテントウ等のエピラクナ属(Epilachna spp.)、ヒラタキクイムシ類、ナガシンクイムシ類、カミキリムシ類、アオバアリガタハネカクシ等
【0027】
総翅目害虫:ミナミキイロアザミウマ、ミカンキイロアザミウマ、ハナアザミウマ等
【0028】
直翅目害虫:ケラ、バッタ等
【0029】
ダニ類:コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ等のヒョウヒダニ類、ケナガコナダニ、ムギコナダニ等のコナダニ類、チリニクダニ、イエニクダニ、サナアシニクダニ等のニクダニ類、クワガタツメダニ、フトツメダニ等のツメダニ類、ホコリダニ類、マルニクダニ類、イエササラダニ類、ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ等のハダニ類、フタトゲチマダニ等のマダニ類。
【実施例】
【0030】
以下、本発明を製剤例及び試験例等の実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
【0031】
まず、本発明の害虫防除エアゾール用組成物を含有するエアゾールの製剤例を示す。なお、部は重量部を表す。
【0032】
製剤例1
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=1R−トランス−3−(2−シアノ−1−プロペニル(E/Z=5/95))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 0.05部及びエクソールD80 89.5部をエアゾール缶に入れ、缶にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)10部を充填して害虫防除エアゾール用組成物 100部を含有するエアゾール製剤1を得た。
【0033】
製剤例2
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=1R−トランス−3−(2−シアノ−1−プロペニル(E/Z=1/9))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 0.1部及びネオチオゾール80.9部をエアゾール缶に入れ、缶にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(ジメチルエーテル/液化石油ガス1/1混合物) 19部を充填して害虫防除エアゾール用組成物 100部を含有するエアゾール製剤2を得る。
【0034】
製剤例3
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=1R−トランス−3−(2−シアノ−1−プロペニル(E/Z=1/9))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 0.1部及びネオチオゾール89.9部をエアゾール缶に入れ、缶にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤として液化石油ガス9.5部及び窒素ガス0.5部 を充填して害虫防除エアゾール用組成物 100部を含有するエアゾール製剤3を得る。
【0035】
製剤例4
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=1R−トランス−3−(2−シアノ−1−プロペニル(E/Z=1/9))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 0.1部及びネオチオゾール89.9部をエアゾール缶に入れ、缶にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤として液化石油ガス9.5部及び炭酸ガス0.5部 を充填して害虫防除エアゾール用組成物 100部を含有するエアゾール製剤4を得る。
【0036】
製剤例5
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=1R−トランス−3−(2−シアノ−1−プロペニル(E/Z=1/9))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 0.1部及びネオチオゾール89.9部をエアゾール缶に入れ、缶にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤として液化石油ガス9.5部及び圧縮空気0.5部 を充填して害虫防除エアゾール用組成物 100部を含有するエアゾール製剤5を得る。
【0037】
製剤例6
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=1R−トランス−3−(2−シアノ−1−プロペニル(E/Z=1/9))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 0.1部及びアイソパーG80.9部をエアゾール缶に入れ、缶にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(ジメチルエーテル/液化石油ガス1/1混合物) 19部を充填して害虫防除エアゾール用組成物 100部を含有するエアゾール製剤6を得る。
【0038】
製剤例7
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=1R−トランス−3−(2−シアノ−1−プロペニル(E/Z=1/9))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 0.1部及びアイソパーG89.9部をエアゾール缶に入れ、缶にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤として液化石油ガス9.5部及び窒素ガス0.5部 を充填して害虫防除エアゾール用組成物 100部を含有するエアゾール製剤7を得る。
【0039】
製剤例8
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=1R−トランス−3−(2−シアノ−1−プロペニル(E/Z=1/9))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 0.1部及びアイソパーG89.9部をエアゾール缶に入れ、缶にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤として液化石油ガス9.5部及び炭酸ガス0.5部 を充填して害虫防除エアゾール用組成物 100部を含有するエアゾール製剤8を得る。
【0040】
製剤例9
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=1R−トランス−3−(2−シアノ−1−プロペニル(E/Z=1/9))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 0.1部及びアイソパーG89.9部をエアゾール缶に入れ、缶にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤として液化石油ガス9.5部及び圧縮空気0.5部 を充填して害虫防除エアゾール用組成物 100部を含有するエアゾール製剤9を得る。
【0041】
製剤例10
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=1R−トランス−3−(2−シアノ−1−プロペニル(E/Z=5/95))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 0.05部及びアイソパーG 89.5部をエアゾール缶に入れ、缶にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)10部を充填して害虫防除エアゾール用組成物 100部を含有するエアゾール製剤10を得る。
【0042】
製剤例11
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=1R−トランス−3−(2−シアノ−1−プロペニル(E/Z=1/9))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 0.1部及びネオチオゾール94.9部をエアゾール缶に入れ、缶にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤として窒素ガス5.0部を充填して害虫防除エアゾール用組成物 100部を含有するエアゾール製剤11を得る。
【0043】
製剤例12
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=1R−トランス−3−(2−シアノ−1−プロペニル(E/Z=1/9))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 0.1部及びネオチオゾール94.9部をエアゾール缶に入れ、缶にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤として炭酸ガス5.0部を充填して害虫防除エアゾール用組成物 100部を含有するエアゾール製剤12を得る。
【0044】
製剤例13
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=1R−トランス−3−(2−シアノ−1−プロペニル(E/Z=1/9))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 0.1部及びネオチオゾール94.9部をエアゾール缶に入れ、缶にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤として圧縮空気5.0部を充填して害虫防除エアゾール用組成物 100部を含有するエアゾール製剤13を得る。
【0045】
製剤例14
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=1R−トランス−3−(2−シアノ−1−プロペニル(E/Z=1/9))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 0.1部及びアイソパーG94.9部をエアゾール缶に入れ、缶にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤として窒素ガス5.0部を充填して害虫防除エアゾール用組成物 100部を含有するエアゾール製剤14を得る。
【0046】
製剤例15
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=1R−トランス−3−(2−シアノ−1−プロペニル(E/Z=1/9))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 0.1部及びアイソパーG94.9部をエアゾール缶に入れ、缶にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤として炭酸ガス5.0部を充填して害虫防除エアゾール用組成物 100部を含有するエアゾール製剤15を得る。
【0047】
製剤例16
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=1R−トランス−3−(2−シアノ−1−プロペニル(E/Z=1/9))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート 0.1部及びアイソパーG94.9部をエアゾール缶に入れ、缶にバルブ部分を取付け、該バルブ部分を通じて噴射剤として圧縮空気5.0部を充填して害虫防除エアゾール用組成物 100部を含有するエアゾール製剤16を得る。
【0048】
次に、本発明の害虫防除エアゾール用組成物を含有するエアゾールが優れた害虫防除効力を有することを試験例に示す。
【0049】
試験例
コガタスズメバチ成虫5頭をステンレス製ケージ(立方体、25cm×25cm×25cm、16メッシュ金網張り)内に入れ、該ケージを試験用チャンバー(4m×3m×2.3m)内に、該チャンバー上面から金属製の鎖で底面からの高さ100cmの位置に設置した。
該ケージ側面より200cm離れた距離からエアゾール製剤1を4秒間噴霧した。
その結果、エアゾール製剤1は、コガタスズメバチに対し、優れたノックダウン効果を示した。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の害虫防除エアゾール用組成物は、優れた害虫防除効力を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、有機溶剤及び噴射剤を含有する油性エアゾール用組成物であって、噴射剤の含有割合が、有機溶剤1重量部に対して、0.001〜0.24重量部であることを特徴とする害虫防除エアゾール用組成物。
【請求項2】
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートの含有割合が、有機溶剤1重量部に対して、0.000001〜0.1重量部である請求項1記載の害虫防除エアゾール用組成物。
【請求項3】
4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル=3−(2−シアノ−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートの含有量が、0.001〜1重量パーセントであり、有機溶剤の含有量が80〜99重量パーセントであり、噴射剤の含有量が0.1〜19重量パーセントである請求項1記載の害虫防除エアゾール用組成物。
【請求項4】
噴射剤が窒素ガス、圧縮空気、炭酸ガス、液化石油ガス及びジメチルエーテルからなる群より選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項記載の害虫防除エアゾール用組成物。
【請求項5】
害虫が網翅目害虫である請求項1〜4いずれか一項記載の害虫防除エアゾール用組成物。
【請求項6】
害虫が膜翅目害虫である請求項1〜4いずれか一項記載の害虫防除エアゾール用組成物。
【請求項7】
害虫がハチ類である請求項1〜4いずれか一項記載の害虫防除エアゾール用組成物。
【請求項8】
請求項1〜7いずれか一項記載の害虫防除エアゾール用組成物の有効量を害虫または害虫の生息場所に噴霧することを特徴とする害虫防除方法。
【請求項9】
請求項1〜7いずれか一項記載の害虫防除エアゾール組成物を含有する害虫防除エアゾール。

【公開番号】特開2011−144150(P2011−144150A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7953(P2010−7953)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】