説明

家具における可動部材の操作装置

【課題】別部材としての付勢手段を別途設けることなく、操作部とこれに連係された可動部材とを、それぞれ原位置と定位置に確実に復帰させうるようにし、部品点数や組付工数を削減する。
【解決手段】操作装置1を、長手方向の基端部が可動部材12に回動不能に連係された非可撓性の操作部14と、この操作部14と離間して対向するように、基端部15に一体的に連設され、操作部14を押動操作することにより、天板5の下面と面接触して弾性変形し、操作部14とそれに連係された可動部材12とを、それぞれ原位置と定位置に向かって付勢するようにした板状の可撓部16とを備えるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば折り畳み式テーブルや昇降式テーブル、椅子等の家具の可動部材に連係させて使用することにより、この可動部材を、定位置から作動位置まで移動させるようにした家具における可動部材の操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
前述のような折り畳み式テーブルにおいては、天板を使用位置にロックしたり、ロックを解除したりする可動部材が、また昇降式テーブルには、天板を昇降させるガススプリングの突栓を押動する可動部材がそれぞれ設けられ、また椅子においては、座の前後位置や高さを調節したりする調節機構、背凭れのリクライニング機構等に連係された可動部材が設けられており、このような可動部材は、これを定位置から作動位置まで移動させる操作レバーに連係されているのが一般的である。
【0003】
また、可動部材と操作レバーとを、それぞれ定位置と原位置(非操作位置)に復帰させるための付勢手段を設けて、操作レバーを操作したとき以外は可動部材が妄りに作動位置に移動することのないようにしている。
【0004】
例えば、特許文献1及び2に記載の折り畳み式テーブルにおいては、天板を使用位置にロックしたり、このロックを解除したりする可動部材を定位置に復帰させるための付勢手段に、引っ張りばねが用いられ、この引っ張りばねの付勢力により、可動部材に連係された操作レバーが原位置に復帰されるようにしている。
【0005】
また、例えば、特許文献3に記載の昇降式テーブルにおいては、操作レバー自体に弾性変形可能な可撓片を連設し、この可撓片の弾性復元力により、常に操作レバーが原位置に復帰させられるになっている。
【0006】
なお、椅子においては、特に特許文献は挙げないが、回動ロッド等よりなる可動部材を、捩りばね等をもって、定位置に保持または復帰させるようにし、回動ロッドに連係した操作レバーも、捩りばねの付勢力により原位置に復帰させられるようにしたものが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−136343号公報
【特許文献2】特開2004−202056号公報
【特許文献3】特開平10−211027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特許文献1及び2に記載されているものにおいては、可動部材及びそれに連係した操作レバーを、それぞれ定位置と原位置に復帰させる付勢手段に、別部材としての引っ張りばねを用いているので、部品点数や組付工数が増える。また、椅子においても、別部材である捩りばねを用いているので、前記と同様の問題がある。
【0009】
一方、特許文献3に記載のものにおいては、操作レバー自体に弾性変形可能な可撓片を設けて、操作レバーが原位置に復帰させられるになっているので、前述のような問題は起きない。しかしながら、可撓片が薄肉で長さも短いので、操作レバーを原位置に復帰させる付勢力が弱いという問題がある。また、合成樹脂よりなる可撓片が局部的に繰り返し弾性変形するので、長期間使用すると、経時変化等により可撓片の弾性復元力が低下することがあり、このようになったときには、操作レバー全体を交換する必要があるため、コスト高となる。
【0010】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、別部材としての付勢手段を別途設けることなく、操作部とこれに連係された可動部材とを、それぞれ原位置と定位置に確実に復帰させうるようにすることにより、部品点数や組付工数を削減し、かつ耐久性を高めてコスト低減が図れるようにした家具等の操作装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明の家具における可動部材の操作装置は、
回動させることにより、家具に設けた可動部材を、定位置から作動位置まで移動させるようにした家具における可動部材の操作装置であって、
長手方向の基端部が前記可動部材に回動不能に連係された非可撓性の操作部と、この操作部と離間して対向するように前記基端部に一体的に連設され、前記操作部を押動操作することにより、前記家具の不動部材と面接触して弾性変形し、前記操作部とそれに連係された前記可動部材とを、それぞれ原位置と定位置に向かって付勢するようにした板状の可撓部とを備えることを特徴としている。
この特徴によれば、操作部及びそれに連係した可動部材とをそれぞれ原位置と定位置に向かって付勢する可撓部を、操作部に一体的に連設してあるので、従来のような別部材としての付勢手段を別途設ける必要がなく、部品点数や組付工数が削減される。また、可撓部は平板状をなし、家具の不動部材と面接触して弾性変形し、局部的に弾性変形することがないので、可撓部の耐久性が向上する。その結果、操作装置を交換する必要がなくなるので、コスト低減が図れる。
【0012】
本発明の家具における可動部材の操作装置は、
可撓部を、操作部とほぼ等しい長さの第1可撓片と、この第1可撓片における操作部との対向面側に先端部が当接する第2可撓片とにより構成したことを特徴としている。
この特徴によれば、可撓部は2枚構造となり、その弾性反発力が大となるので、操作部及びそれに連係された可動部材の原位置及び定位置への復帰力を大きくすることができる。
【0013】
本発明の家具における可動部材の操作装置は、
可撓部を、操作部とほぼ等しい長さの外側可撓片と、この外側可撓片の先端部より操作部側に折り返され、かつ外側可撓片との対向面の間隔が操作部の基端部に向かって漸次大となるように、先端が操作部の基端部に結合された内側可撓片とにより構成したことを特徴としている。
この特徴によれば、可撓部が、互いに連続する外側可撓片と内側可撓片とからなり、可撓部の撓み剛性が大となるので、弾性変形量が少なくても、操作部及びそれに連係されるロックレバーの復帰力を大きくすることができる。
【0014】
本発明の家具における可動部材の操作装置は、
操作部と可撓部とのなす形状を、側面視ほぼU字状としたことを特徴としている。
この特徴によれば、可撓部が弾性変形し易くなり、操作部と可撓部との間を確実に大きく離間させることができる。
【0015】
本発明の家具における可動部材の操作装置は、
操作部と可撓部との対向面の間隔を、先端に向かって漸次大としたことを特徴としている。
この特徴によれば、可撓部の弾性変形量を大として弾性反発力を大きくすることができるので、操作部の原位置への復帰力を大としうるとともに、復帰力の調整の自由度も増す。
【0016】
本発明の家具における可動部材の操作装置は、
操作部と可撓部との対向面の間隔を、先端に向かって漸次小としたことを特徴としている。
この特徴によれば、可撓部の撓み量が制限され、過大に弾性変形することがなくなくなるので、その耐久性が向上する。
【0017】
本発明の家具における可動部材の操作装置は、
可撓部を、基端部の外側面より、それと離れる方向に斜めに延出する第1可撓部と、この第1可撓部の先端より、操作部側にこれと離間して対向するように延出する第2可撓部と、この第2可撓部の先端より、操作部の先端側に斜めに延出し、先端が操作部の先端部に結合された第3可撓部とからなるものとしたことを特徴としている。
この特徴によれば、可撓部の両端が、基端部と操作部の先端部に結合されているので、第1可撓部を外側方に弾性変形させつつ、第2可撓部と第3可撓部とを操作部と接近する方向に比較的大きく弾性変形させることができるとともに、撓み剛性も大となる。従って、操作部及びそれに連係された可動部材の復帰力を大きくすることができる。
【0018】
本発明の家具における可動部材の操作装置は、
操作部の先端に、可撓部側に延出し、先端が家具の不動部材に当接することにより、操作部の最大回動量を規制するストッパ部を連設したことを特徴としている。
この特徴によれば、可撓部が必要以上に弾性変形するのが防止されるので、可撓部にへたりが生じたり、切損したりする恐れがなく、その耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例1の操作装置を備える折り畳みテーブルの斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う拡大縦断側面図である。
【図3】同じく、操作装置を操作して、天板を折り畳み位置に起立させたときの拡大縦断側面図である。
【図4】本発明の実施例1の操作装置の拡大側面図である。
【図5】同じく、斜視図である。
【図6】本発明の実施例2の操作装置の拡大側面図である。
【図7】本発明の実施例3の操作装置の拡大側面図である。
【図8】本発明の実施例4の操作装置の拡大側面図である。
【図9】同じく、斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る家具における可動部材の操作装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の実施例1の操作装置を備える家具、すなわち折り畳みテーブルを斜め前方より見た斜視図で、この折り畳みテーブル1は、上端部の対向面同士が横連結杆2により連結された左右1対の脚体3、3と、両脚体3の上端部に回動可能に取り付けられた左右1対のブラケット4、4に、水平をなす使用位置と、脚体3の後側において起立する折り畳み位置との間を回動しうるように取り付けられた天板5とを備えている。
【0022】
左右の脚体3、3は、斜め前上方を向いて傾斜する上下方向の後脚6と、その上下方向の中間部の外側面に、側面視ほぼ「人」の字状をなすように上端部(後端部)が固着された斜め前下方を向く前脚7とからなり、後脚6と前脚7の下端には、キャスタ8が取付けられている。
【0023】
図1のII−II線に沿う拡大縦断側面図である図2及び図3に示すように、左右のブラケット4には、天板5の左右方向を向く支軸9の両側端部が回転自在に支持されている。なお、ブラケット4は、後述するロックレバー12と操作装置13との連係状態を分かり易くするために、2点鎖線で示してある。脚体3における後脚6の内側面の上端部には、補強板10が固着され、この補強板10には、前記横連結杆2の両側端部が固着されている。
【0024】
左右のブラケット4のやや前方寄りの上端部には、左右方向を向く作動軸11の両側端部が回動可能に支持され、この作動軸11の両側端部に形成された角軸部11aには、天板5を使用位置にロックしたり、ロックを解除したりする可動部材としてのロックレバー12の上端部が、相対回動不能に嵌合されている。
【0025】
また、角軸部11aにおける左右のブラケット4より突出する軸端部には、本発明の実施例1の左右1対の操作装置13が回動不能に取り付けられている。なお、左右の操作装置13は、左右対称で同一構造であるので、以下の説明は、左方の操作装置13についてのみ行なう。
【0026】
図4及び図5に拡大して示すように、操作装置13は、前後方向(図4の左方が前)に長い平板状の操作部14と、その後端部に連設された斜め後上方を向く厚肉の基端部15の上端部前面に、操作部14の上面と離間して対向するように連設された弾性変形可能な可撓部16とを備え、全体がポリアミド系の合成樹脂により一体成形されている。基端部15には、前記作動軸11の角軸部11aが圧嵌される四角形の軸孔17が形成されている。
【0027】
操作部14の前端には、上端(先端)が天板5の下面に当接することにより、操作部14の最大上向き回動量を規制するストッパ部18が、上向きに連設されている。このようなストッパ部18を設けると、可撓部16が必要以上に弾性変形するのが防止されるので、可撓部16にへたりが生じたり、切損したりする恐れがなく、その耐久性が向上する。なお、可撓部16の前後寸法は、その前端部下面にストッパ部18の上端が当接しない長さとしてある。
【0028】
また、可撓部16の遊端部近傍で、可撓部16の傾斜角度が若干変化するように形成されており、可撓部16の遊端部の上面が天板5の下面に当接するようになっている。更に、可撓部16が弾性変形する際には、可撓部16の基端部近傍の部位αを支点として弾性されるようになっている。
【0029】
操作部14の中央部上面には、前後方向を向き、かつ前後両端が基端部15とストッパ部18との対向面に結合された補強片19が、一体的に上向き突設され、操作部14の撓み剛性を高めて、可撓部16のみを効果的に弾性変形させうるようにしてある。操作部14の撓み剛性を高められる分、操作部14の左右方向の幅を大きくできるようになり、操作部14を天板5の左右側端部に配置した際に操作性が向上する。
【0030】
可撓部16は、これと操作部14との対向面の間隔が前端(先端)に向かって漸次大となるように、斜め前上方に向かって傾斜するとともに、操作部14と可撓部16とは、側面視ほぼ前向きU字状をなすようにしてある。
【0031】
このようにすると、可撓部16の下向き弾性変形量を大として弾性反発力を大きくすることができるので、操作部14の原位置(非操作位置)への復帰力を大としうるとともに、復帰力の調整の自由度も増す。そして、可撓部16が弾性変形し易くなり、操作部14と可撓部16との間を確実に大きく離間させることができる。なお、図示は省略するが、可撓部16と操作部14との対向面の間隔を、前述のものとは反対に、前端に向かって漸次小とするようにしてもよく、このようにすると、可撓部16の下方への撓み量が制限されるので、可撓部16が過大に弾性変形することがなくなり、その耐久性が向上する。
【0032】
図2に示すように、操作装置13の基端部15は、可撓部16の前端部上面が天板5の下面に圧接するように、初期付勢力が付与された状態で作動軸11に連結されている。従って、操作部14は、可撓部16の弾性反発力により下方(反時計方向)に付勢され、原位置に保持されている。
【0033】
また、同じく角軸部11aに回動不能に嵌合されているロックレバー12も、可撓部16の弾性反発力により反時計方向に付勢され、定位置であるロック位置に保持されている。これにより、ロックレバー12の下端部の上面に形成された円弧状のロック溝20が、補強板10の内側面に突設されたロックピン21と係合し、天板5は使用位置にロックされている。
【0034】
この状態で、可撓部16を弾性変形させつつ操作部14を上向きに回動操作すると、作動軸11と共にロックレバー12が時計方向に回動し、定位置から作動位置まで回動させられることにより、ロックレバー12のロック溝20がロックピン21より離脱する。これにより、天板5のロックが解除され、図3に示すように、天板5を折り畳み位置まで上向きに回動させることができる。この状態で操作部14から手を離すと、可撓部16の弾性反発力により、操作部14と共にロックレバー12が元の定位置まで回動させられることにより、ロックレバー12のロック溝20が補強板10の上端部に設けたロックピン21と係合し、天板5は折り畳み位置にロックされる。
【0035】
天板5の折り畳み位置において、再度操作部14を回動操作してロックを解除し、天板5を水平位置まで回動させて操作部14から手を離すと、可撓部16の弾性反発力により、操作部14と共にロックレバー12が反時計方向に回動させられ、ロックレバー12のロック溝20が下部のロックピン21と係合するため、天板5は使用位置にロックされる。
【0036】
以上説明したように、本発明の実施例1の操作装置13においては、操作部14を原位置に付勢して復帰させるとともに、これに連係したロックレバー12を定位置に付勢して復帰させる可撓部16を、操作部14に一体的に連設してあるので、従来のような別部材としての付勢手段を別途設ける必要がなく、部品点数や組付工数が削減される。
【0037】
また、可撓部14は平板状をなし、天板5の下面と面接触して全体が弾性変形し、局部的に弾性変形することがないので、可撓部14の耐久性が向上し、操作装置13を交換する必要がなくなるのでコスト低減が図れる。
【実施例2】
【0038】
図6は、本発明の実施例2の操作装置22の側面図である。なお、前記実施例1の操作装置13と同様の部材には、同じ符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0039】
この実施例2の操作装置22の可撓部23は、操作部14の基端部15の上端に斜め前上方を向くように一体的に連設された、操作部14とほぼ同じ長さの平板状の第1可撓片23aと、この第1可撓片23aの下方において、基端部15の前面に斜め前上方を向くように傾斜させて一体的に連設され、先端部(前端部)が第1可撓片23aの中間部下面に当接する、第1可撓片23aよりも短寸の平板状の第2可撓片23bとからなっている。なお、この実施例2においても、操作部14と可撓部23との対向面の間隔を、先端に向かって漸次大としてある。
【0040】
この実施例2の操作装置22においても、前記実施例1の操作装置13と同様の作用効果を奏することができるとともに、可撓部23を第1可撓片23aと第2可撓片23bとの2枚構造としてあるので、可撓部23の弾性反発力が大となり、操作部14及びそれに連係されるロックレバー12の原位置及び定位置への復帰力を大きくすることができる。
【実施例3】
【0041】
図7は、本発明の実施例3の操作装置24の側面図で、この実施例3の可撓部25は、基端部15の後面下部に一体的に連設され、基端部15を囲むようにして前方に延出する板状の外側可撓片25aと、この外側可撓片25aの先端部より操作部14側に円弧状に折り返され、かつ外側可撓片25aとの対向面の間隔が基端部15に向かって漸次大となるようにして、後端が基端部15の前面に結合された内側可撓片25bとからなっている。なお、この実施例3においても、操作部14と可撓部25との対向面の間隔を、先端に向かって漸次大としてある。
【0042】
この実施例3の操作装置24においても、前記実施例1の操作装置13と同様の作用効果を奏することができるとともに、可撓部25が、互いに連続する外側可撓片25aと内側可撓片25bとからなり、可撓部25の撓み剛性が大となるので、弾性変形量が少なくても、操作部14及びそれに連係されるロックレバー12の復帰力を大きくすることができる。
【実施例4】
【0043】
図8及び図9は、本発明の実施例4の操作装置26の側面図と斜視図をそれぞれ示す。この実施例4の操作装置26の操作部27は、上面が波形状の凹凸面をなし、かつその側面に、上方に起立する補強片28が連設されている。
【0044】
また、操作部27の後部の基端部29の上下寸法は、前記各実施例のものよりやや小さく、かつ操作部27の前端には、その左右幅のほぼ半分のストッパ部30が連設されている。
【0045】
この実施例4の操作装置26の可撓部31は、下端が基端部29の後面(外側面)の中間部に結合された斜め後上方を向く板状の第1可撓部31aと、この第1可撓部31aの上端に前向き円弧状に折曲され、操作部27と離間して対向するように若干斜め前上方に向かって延出する第2可撓部31bと、この第2可撓部31bの前端より、操作部27側に向かって斜め前下方に延出し、前端(先端)がストッパ部30の上下方向の中間部後面に結合された第3可撓部31cとからなっている。
【0046】
この実施例4の操作装置26においては、可撓部31の前端と後端とが、ストッパ部30と基端部29とに結合されているので、操作部27を上向きに回動操作すると、第1可撓部31aを後方に弾性変形させつつ、第2可撓部31bと第3可撓部31cとが操作部27と接近するように下方に弾性変形する。従って、可撓部31の弾性変形量が比較的大きく、かつ撓み剛性も大となるので、操作部27及びそれに連係されるロックレバー12の復帰力を大きくすることができる。なお、前記第3可撓部31cを若干長くして、その前端を、操作部27の前端部に結合してもよい。
【0047】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0048】
例えば、前記実施例では、本発明の操作装置を、折り畳みテーブル1のロックレバー12に連係した例を説明したが、これ以外に、昇降式テーブルの天板を昇降させるガススプリングを作動させる可動部材や、椅子における座の前後位置や高さを調節する調節機構、背凭れのリクライニング機構等の可動部材に、本発明の操作装置を連係して、それらの可動部材を定位置に付勢することもできる。
【符号の説明】
【0049】
1 折り畳みテーブル(家具)
3 脚体
5 天板
6 後脚
7 前脚
11 作動軸
12 ロックレバー(可動部材)
13 操作装置
14 操作部
15 基端部
16 可撓部
17 軸孔
18 ストッパ部
19 補強片
22 操作装置
23 可撓部
23a 第1可撓片
23b 第2可撓片
24 操作装置
25 可撓部
25a 外側可撓片
25b 内側可撓片
26 操作装置
27 操作部
28 補強片
29 基端部
30 ストッパ部
31 可撓部
31a 第1可撓部
31b 第2可撓部
31c 第3可撓部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動させることにより、家具に設けた可動部材を、定位置から作動位置まで移動させるようにした家具における可動部材の操作装置であって、
長手方向の基端部が前記可動部材に回動不能に連係された非可撓性の操作部と、この操作部と離間して対向するように前記基端部に一体的に連設され、前記操作部を押動操作することにより、前記家具の不動部材と面接触して弾性変形し、前記操作部とそれに連係された前記可動部材とを、それぞれ原位置と定位置に向かって付勢するようにした板状の可撓部とを備えることを特徴とする家具における可動部材の操作装置。
【請求項2】
可撓部を、操作部とほぼ等しい長さの第1可撓片と、この第1可撓片における操作部との対向面側に先端部が当接する第2可撓片とにより構成したことを特徴とする請求項1に記載の家具における可動部材の操作装置。
【請求項3】
可撓部を、操作部とほぼ等しい長さの外側可撓片と、この外側可撓片の先端部より操作部側に折り返され、かつ外側可撓片との対向面の間隔が操作部の基端部に向かって漸次大となるように、先端が操作部の基端部に結合された内側可撓片とにより構成したことを特徴とする請求項1に記載の家具における可動部材の操作装置。
【請求項4】
操作部と可撓部とのなす形状を、側面視ほぼU字状としたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の家具における可動部材の操作装置。
【請求項5】
操作部と可撓部との対向面の間隔を、先端に向かって漸次大としたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の家具における可動部材の操作装置。
【請求項6】
操作部と可撓部との対向面の間隔を、先端に向かって漸次小としたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の家具における可動部材の操作装置。
【請求項7】
可撓部を、基端部の外側面より、それと離れる方向に斜めに延出する第1可撓部と、この第1可撓部の先端より、操作部側にこれと離間して対向するように延出する第2可撓部と、この第2可撓部の先端より、操作部の先端側に斜めに延出し、先端が操作部の先端部に結合された第3可撓部とからなるものとしたことを特徴とする請求項1に記載の家具における可動部材の操作装置。
【請求項8】
操作部の先端に、可撓部側に延出し、先端が家具の不動部材に当接することにより、操作部の最大回動量を規制するストッパ部を連設したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の家具における可動部材の操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−90753(P2012−90753A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−240411(P2010−240411)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】