説明

家具の配線構造

【課題】機器から延設された配線を集約して纏めることのできる家具の配線構造を提供すること。
【解決手段】家具1の天板2上に配置された機器25,25に配線を行う家具1の配線構造であって、天板2の底面5側には、脚柱4とともに天板2を支持する支持フレーム3が設けられ、支持フレーム11の側面11cには、長手方向に亘って開口する溝部11dが形成され、溝部11dの少なくとも一部を閉塞することで、配線25a,25aを、支持フレーム11の長手方向に沿うように保持可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具の天板上に配置された機器に配線を行う家具の配線構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家具の配線構造として、テーブル(家具)の天板に載置された機器から延設された配線を、テーブルを下方から支持する脚柱に形成された開口内に挿通し、開口をカバー体によって閉塞することで、配線を体裁よく隠蔽しつつ案内しているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−202029号公報(第3頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のテーブルの配線構造にあっては、テーブルの天板上の複数の機器から延設された配線を開口内に挿通するには、各配線が個別に開口まで延設されるために、天板上での各配線は纏まりなく散乱してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、機器から延設された配線を集約して纏めることのできる家具の配線構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の家具の配線構造は、
家具の天板上に配置された機器に配線を行う家具の配線構造であって、
前記天板の底面側には、脚柱とともに前記天板を支持する支持フレームが設けられ、該支持フレームの側面には、長手方向に亘って開口する溝部が形成され、該溝部の少なくとも一部を閉塞することで、配線を支持フレームの長手方向に沿うように保持可能としたことを特徴としている。
この特徴によれば、天板上の機器等から延設された配線を、溝部を閉塞したことで形成された空間内の一箇所で保持することにより、配線を集約して纏めることができる。
【0007】
本発明の請求項2に記載の家具の配線構造は、請求項1に記載の家具の配線構造であって、
前記溝部には、前記配線を保持可能とする閉塞部材が、前記溝部に設けられた係合部に弾性係合することを特徴としている。
この特徴によれば、閉塞部材は係合部に弾性係合するので、配線を保持する際に、閉塞部材を溝部の任意の位置に容易に取り付けを行うことができる。
【0008】
本発明の請求項3に記載の家具の配線構造は、請求項2に記載の家具の配線構造であって、
前記係合部は、上部及び下部に一対となって設けられており、前記閉塞部材は、前記一対の係合部に係合可能な閉塞板から突設する上下一対の爪部から構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、閉塞部材が係合部に係合した際に、溝部と閉塞部材との間に支持フレームの長手方向に貫通した中空部が形成されるので、この中空部内に複数の配線を纏めることができる。
【0009】
本発明の請求項4に記載の家具の配線構造は、請求項1ないし3のいずれかに記載の家具の配線構造であって、
前記支持フレームは、平面視で枠状に形成されており、前記溝部は、前記支持フレームの内側面側が開口していることを特徴としている。
この特徴によれば、閉塞部材が家具の外面視で完全に隠蔽されるばかりか、機器から延設される配線を支持フレームによって隠蔽できるので、家具の外観を体裁よくすることができる。
【0010】
本発明の請求項5に記載の家具の配線構造は、請求項1ないし4のいずれかに記載の家具の配線構造であって、
前記溝部は、あり溝に形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、支持フレームを製作する際に、あり溝を形成することで係合部が構成できるので、製作過程の簡略化を図ることができる。
【0011】
本発明の請求項6に記載の家具の配線構造は、請求項1ないし5のいずれかに記載の家具の配線構造であって、
前記閉塞部材には、上方に開口するフック状の保持部が形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、天板上の機器が既に配線済みであっても、閉塞部材を一旦取り外して機器の配線をやり直さなくてもよく、フック状の保持部で複数の配線を容易に保持させることができる。
【0012】
本発明の請求項7に記載の家具の配線構造は、請求項1ないし6のいずれかに記載の家具の配線構造であって、
前記脚柱には、該脚柱の長手方向に前記配線を挿通可能な配線挿通部が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、閉塞部材によって纏められた複数の配線を、脚柱の配線挿通部に挿通させることで、家具の使用者の邪魔になることなく配線を行うことができるばかりか、配線をまとめて脚柱内に隠蔽されることができるので、家具の外観の体裁が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係る家具の配線構造を実施するための最良の形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0014】
本発明の実施例を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、実施例1におけるテーブルの全体像を示す斜視図であり、図2は、図1のテーブルを示す要部拡大組立斜視図であり、図3は、脚体を下方から見上げた状態を示す横断底面図であり、図4は、図3のA−A断面図であり、図5は、図3のB−B断面図であり、図6は、図4のC−C断面図であり、図7は、テーブルの角部の形状を示す斜視図であり、図8は、ケーブルカバーを示す斜視図であり、図9(a)は、図9(c)のD−D断面図であり、図9(b)は、図9(c)のE−E断面図であり、図9(c)は、脚体におけるケーブル溝の開口が閉塞されている状態を示す一部破断正面図であり、図10(a)は、図10(c)のF−F断面図であり、図10(b)は、図10(c)のG−G断面図であり、図10(c)は、脚体におけるケーブル溝が開放されている状態を示す一部破断正面図であり、図11(a)は、閉塞部材を示す斜視図であり、図11(b)は、閉塞部材が溝部に取り付けられる状態を示す断面図であり、図12は、閉塞部材が溝部に取り付けられた状態を示す斜視図である。以下、テーブルを使用する使用者側をテーブルの外側、天板の下方をテーブルの内側として説明する。
【0015】
図1の符号1は、本発明の適用された家具としてのテーブルであり、このテーブル1は、例えば企業の会議室等で使用される会議用テーブルである。図1及び図2に示すように、このテーブル1は主に、上面に複数台(2台)のノートパソコン25,25等の電子機器や会議用の書類等を載置する天板2と、この天板2を上方に支持する支持フレーム3と、床面から立設して支持フレーム3を四隅から所定の高さ位置に支持する本実施例における脚柱としての四本の脚体4と、から構成されている。尚、これら支持フレーム3及び脚体4は、ともにテーブル本体を構成するフレーム(骨組み)である。
【0016】
テーブル1の構成について詳述すると、図1に示すように、天板2は、上面が長方形状に形成された、略直方体形状の板体である。また、図2及び図4に示すように、天板下面5における外周縁部には、垂直面6と、水平面7と、垂直面6と水平面7を接続するラウンド面8と、からなる段部9がその全周に亘って形成されている。そして、段部9が形成されたことにより、天板2の周縁は水平方向に向けて凸となる肉薄外周縁部10に形成されている。尚、このような段部9は、例えば切削加工等により形成されている。
【0017】
図3及び図4に示すように、支持フレーム3は、天板2を支持可能なように平面視長方形状に配置されている。尚、支持フレーム3は、上方に天板2を支持すると、平面視において天板2によって被覆される大きさに形成されている。
【0018】
支持フレーム3は、直線状に形成され、脚体4間を連結する4本の連結フレーム11と、各脚体4の上部に取り付けられ、2本の連結フレーム11の端部が床面と平行且つ互いに直角に連結される4個のブラケット12と、によって構成されている。この連結フレーム11は、図2及び図5に示すように、アルミ材により押出成形で製造される角管形状の部材である。
【0019】
図3及び図4に示すように、この連結フレーム11の長手方向の両端部近傍の下面には、下方に向けて連結フレーム11内部の中空と連通する開口11aが形成されている。この開口11aには、ボルト12によって連結フレーム11をブラケット12に連結するためのガイド部材13が嵌合されている。このガイド部材13は、ボルト12をブラケット12に向けて斜め上方にガイドするようになっており、連結フレーム11の下面に溶接若しくは螺着等の手段により固着されている。また、連結フレーム11の長手方向の両端部は、ブラケット12の後述する連結凸部14が挿嵌される連結穴11bとして機能する。
【0020】
図2及び図5に示すように、連結フレーム11の上面外縁部には、上方に向けて突出するガイド部15が、連結フレーム11の長手方向に沿って延設されている。ガイド部15は縦断面略長方形状に形成されており、ガイド部15の上面から連結フレーム11の上面までのガイド部15の上下寸法は、天板2の肉厚部2aの下面5からラウンド面8までの垂直面6の上下寸法と略同一となっている。
【0021】
更に、ガイド部15の外側面15a上部からは、外方に向けて水平に突出する水平突条16が、連結フレーム11の長手方向に沿って延設されている。水平突条16の外側端部としての外側端面16aと天板2の肉薄外周縁部10の外側端部としての外側端面10aは、上下方向に略面一となるように位置しており、つまり、水平突条16の外側端面16aが天板2の肉薄外周縁部10の外側端面10aよりも外方に張り出さないように形成されている。更に、水平突条16の外側端面16aからは、この天板2の肉薄外周縁部10の外側端面10aと略面一となる位置で、下方を向く屈曲部18が屈曲形成されている。この屈曲部18が形成されることで、水平突条16の強度が向上するとともに、テーブル1を複数人で持ち上げて移動させる際等に、指を係止させておくことができるので、テーブル1の移動をスムーズに行うことができる。
【0022】
この水平突条16の上面における外側端面16aよりも内方位置からは、上向き突条17が形成されている。この上向き突条17は、ガイド部15と同じく、連結フレーム11の長手方向に沿って延設されている。尚、上向き突条17の上下寸法は、水平突条16の上面から天板2の肉薄外周縁部10の下面である水平面7までの上下寸法と略同一となっている。尚、水平突条16、上向き突条17、屈曲部18は、縦断面略長方形状をなす板状に形成されているとともに、その肉厚は、ブラケット12及び連結フレーム11の肉厚よりも薄肉となっている。
【0023】
また、図2及び図5に示すように、連結フレーム11の内側面11cには、連結フレーム11の長手方向の全長に亘って開口する溝部11dが設けられている。この溝部11dの上下先端部からは、凸部11e,11eが溝部11dの上下方向の中央に向って垂直に対になって突設されている。このため、溝部11dは、開口部の上下寸法が溝部11dの内部の上下寸法よりも狭くなるあり溝として形成されている。
【0024】
更に、溝部11dの上下先端部に凸部11e,11eが突設されたことにより、溝部11dの内部の上下面は、後述するように、閉塞部材26が係合される上下一対の係合部11f,11fとして構成されている。
【0025】
図3及ぶ図4に示すように、ブラケット12は、アルミ材により構成された上面及び下面が平面視正方形状に形成された、略直方体形状の部材である。このブラケット12の水平方向から連結フレーム11が連結される2つの内側面12gには、連結フレーム11の連結穴11bの補形を成す連結凸部14が突設されている。この連結凸部14が設けられている2つの連結面は、連結フレーム11のB−B断面視の外形と同形状に形成されている。
【0026】
連結凸部14の先端部には、ボルト12が螺着される螺着孔14aが形成されており、この螺着孔14aは、ガイド部材13によって斜め上方にガイドされるボルト12を螺着可能なように、斜め下方に向けて傾斜して形成されている。
【0027】
また、図2及び図6に示すように、ブラケット12における2つの外側面12hには、連結フレーム11に設けられたものと同一構成であるガイド部15と、水平突条16と、上向き突条17と、屈曲部18とが、内側面12g方向から延設されて外側角部12eにおいて互いに連設されており、ブラケット12上面において平面視直角に形成されている。
【0028】
ブラケット12の外側面12h側に位置している外側角部12eからは、テーブル1外方に突出する垂直突条20が、ブラケット12の上下方向に亘って形成されている。この垂直突条20は、平面視正方形であるブラケット12の内側面12gに位置する内側角部12dと、外側角部12eを結ぶ対角線の延長上に向けて突設されている。
【0029】
垂直突条20の先端部は、一対の外側面である垂直面20aとして平面視直角に形成されており、図5〜図7に示すように、この一対の垂直面20aの上端は、ブラケット12の外側縁部の上部において、直角を形成している一対の水平突条16の外側端面16aと連続して略面一に形成されている。
【0030】
つまり、図1に示されるように、支持フレーム3の水平凸状6の外側端面16a及び該支持フレーム3に隣り合う脚体4それぞれの一方の垂直面20aにより、テーブル1の四方側面それぞれに、下向きコ字形をなす細帯状の端面(連続面(図6参照))が連続形成される。
【0031】
さらに、これら細帯状の連続面の内側には、連結フレーム11における横方向に延びる外側面15a、ブラケット12における外側面12h、脚柱4における縦方向に延びる外側面により、下向きコ字形をなす帯状の外側面(図6参照)が連続形成されるため、テーブル1の四方側面それぞれの外観を同形態とすることができるため、使用者に違和感を与えることがない。
【0032】
図4及び図6に示すように、連結フレーム11とブラケット12を連結させるには、ブラケット12の連結凸部14を連結フレーム11の連結穴11bに挿嵌する。そして、使用者が連結フレーム11の下面側からガイド部材13を介して螺着孔14aにボルト12を締めることで、ブラケット12と連結フレーム11が連結される。このとき、螺着孔14aが斜め下方に向けて傾斜していることで、使用者は螺着孔14aが水平である場合に比べて容易にボルト12を締めて連結フレーム11とブラケット12を連結させることができる。
【0033】
このとき、ブラケット12側と連結フレーム11側のガイド部15と、水平突条16と、上向き突条17と、屈曲部18とが、ブラケット12と連結フレーム11とが連結されたことにより、それぞれ連結されて、支持フレーム3の一部として一体に形成される。
【0034】
また、図4に示すように、ブラケット12の下面には、ブラケット12と脚体4の連結を行う、後述するロングボルト23の先端部が螺着される上下方向を向く螺着孔12aが形成されている。更に、図2に示すように、ブラケット12のテーブル1内方側には、天板2を下方から支持する天板支持部12bが設けられており、ブラケット12に連結フレーム11が連結されると、これらブラケット12と、連結フレーム11と、天板支持部12bと、の上面が面一となって天板下面5を支持する水平な天板支持面19を構成する。
【0035】
天板支持面19は平面視四角枠状に形成されており、その水平方向の寸法は、天板下面5の水平寸法と略同一を成している。尚、図2に示すように、天板支持部12bには、天板2が支持フレーム3の天板支持面19上に載置された際に天板2を支持フレーム3に固定するボルトを挿通可能なボルト孔12cが形成されている。
【0036】
また、図9に示すように、ブラケット12の下面の内側角部12d内側には、後述するケーブルカバー21の上端部に挿嵌する固定ガイド突起12fが設けられており、この固定ガイド突起12fは、ケーブルカバー21が水平方向に回動しやすいように略円筒形状に形成されている。
【0037】
脚体4は、図1に示すように、支持フレーム3の四隅であるブラケット12の下面に上端を連結される部材であって、下端に設けられたアジャスタ22を調整することでテーブル1の高さを調整することができる。尚、本実施例で使用するアジャスタ22は、特に図示しないが、上部にボルト部が設けられており、アジャスタ22を回動させることで、このボルト部22aを脚体4に対して締緩させることでテーブル1の高さ調整を行う。
【0038】
脚体4は内部が中空であり、アルミ材により押出成形で製造される角管形状の部材であり、図4及び図6に示すように横断面視で略正方形状に形成されている。脚体4内における一本の対角線上には、脚体4の下面からアジャスタ22のボルト部22aが螺入される円筒状のアジャスタ溝4aと、脚体4の下面からロングボルト23を挿通可能な円筒状のボルト溝4bと、天板2上のノートパソコン25,25等の配線ケーブル25a,25aを収納可能な本実施例における配線挿通部としての円筒状のケーブル溝4cと、が脚体4の長手方向にわたり上下方向に延設されている。尚、配線ケーブル25a,25aは、後述するように、一旦連結フレーム11の内側面11cで保持された後にケーブル溝4cに収納される。
【0039】
図6及び図9に示すように、ケーブル溝4cは、脚体4の内側角部12dに上下方向に沿うように形成された所定幅寸法の開口4dと、この開口4dの内側に連設された横断面視略C字形状に形成された周壁4eと、から構成されている。つまり、開口4dは、脚体4の内側角部4fを上下方向に切り欠くことにより該脚体4の上端から下端にかけて形成されており、その水平幅はケーブル溝4cの直径よりも幅狭に形成されている。
【0040】
また、ケーブル溝4c内には、ノートパソコン25,25等の配線ケーブル25a,25aを収納可能なケーブルカバー21が水平方向に回動自在に挿嵌されている。図8及び図9に示すように、ケーブルカバー21は樹脂やゴム等で押出成形により製造された筒状の部材であり、ケーブル溝4cの周壁4eの内周面に摺接可能な摺接面としての外周面21aが、周壁4eの内周面に沿うように、上下方向に延びる開口部21bが形成された横断面視略C字形状に形成されている。つまりこのケーブルカバー21の外周面21aは、ボルト溝4bの周壁4e内周面とほぼ同一曲率に形成されている。
【0041】
ケーブルカバー21の上端部及び下端部には、開口部21bと連通した切欠21cが形成されており、平面視略C字形状を形成するケーブルカバー21の一端部は上下方向に突設された当接片21dに形成されている。尚、ケーブルカバー21の平面視における外径は、ケーブル溝4cの内径と略同一に形成されており、ケーブルカバー21の内径は、固定ガイド突起12fの外径と略同一に形成されている。
【0042】
ボルト溝4bは、略正方形状の中央に配置されており、アジャスタ溝4aとケーブル溝4cとは、ボルト溝4bを挟んで、それぞれが略正方形の対角線を成している対向角である内側角部4fと外側角部4g側に配置されている。更に、アジャスタ溝4aの近傍である外側角部4gには、正方形の対角線上に向けて突設される垂直突条20が、脚体4の長手方向である上下方向に亘って形成されている。尚、この垂直突条20は、ブラケット12に形成された垂直突条20と同一の寸法と形状を有している。
【0043】
脚体4とブラケット12を連結させる際には、先ず、脚体4の上面とブラケット12の下面を当接させる。そして、ブラケット12下面の固定ガイド突起12fにケーブル溝4c内のケーブルカバー21の上端部を挿嵌させることで脚体4の上面を閉塞し、図4に示すように、ロングボルト23をブラケット12に螺着した後に、脚体4の下面を下部蓋体としてのカバー体24によって閉塞する。
【0044】
このカバー体24は、特に図示はしないが、脚体4の下面形状とほぼ同一形状に形成されており、ロングボルト23とアジャスタ溝4aの下方に位置する部分には開口24aが形成されているとともに、ケーブルカバー21の下端開口から嵌合される軸部としての固定ガイド突起24bが設けられており(図9及び図10参照)、開口24aを通してアジャスタ22のボルト部22aをアジャスタ溝4aに螺着させる。
【0045】
尚、カバー体24に形成された固定ガイド突起24bはブラケット12下面の固定ガイド突起12fと同形状に形成されており、脚体4の下面を閉塞する際に、ケーブルカバー21の下端開口に摺動自在に嵌合する。このようにすることで、ケーブルカバー21はカバー体24により下端が支持されているため、ケーブル溝4c内に離脱不能に配置される。ケーブルカバー21がケーブル溝4c内に配置された状態において、当接片21dは開口4dに配置されており、ケーブルカバー21が水平方向に回動すると当接片21dがケーブル溝4cの端部に当接して、ケーブルカバー21の水平方向の回動を規制している。
【0046】
また、脚体4の垂直突条20先端部及び、各連結凸部14の背面側には、カバー体24を脚体4の下面に係止するための係止溝4hが形成されており、カバー体24の上面に突設された上向き係止片24c(図4及び図6参照)を係止溝4hに挿嵌することにより、脚体4の下面に取り付けられる。
【0047】
次に、前述のように構成されたテーブル1の組み付け状況について説明すると、まず、4本の脚体4により四隅が下方から支持フレーム3の天板支持面19上に天板2を載置する。具体的には、図4及び図5に示すように、天板下面5を支持フレーム3の内方位置に構成された天板支持面19に上方から載置する。
【0048】
このように天板2の肉厚部2aの下面5を、支持フレーム3上に形成された四角枠状の天板支持面19上に載置した状態において、肉厚部2aの側面である垂直面6が天板支持面19の外周に亘って形成されたガイド部15の内側面と対向することにより、天板2の水平方向の移動が規制されて位置決めされる。つまり、天板2は、肉厚部2aを枠状のガイド部15の内側に嵌合し、肉厚部2aの下面5が枠状の天板支持面19上に載置されることで、支持フレーム3上に支持される。
【0049】
そして、肉薄外周縁部10の下面である水平面7には、上向き突条17の上面が当接する。この状態において、上向き突条17が天板2のラウンド面8よりも外方に位置しているため、段部9、すなわち、肉厚部2aの側面がその全周に亘って外面視から隠蔽されるため、前述したように切削加工等により形成された切削面(肉厚部2aの側面)が外部に露呈されることがなく、また、切削面を仕上げ加工する手間が省ける。
【0050】
さらに、水平突条16の上面を隆起させてその上面を水平面7に近接させることなく、板状の上向き突条17を水平突条16の幅方向略中央位置から突設して近接させることで、上向き突条17の内側と肉厚部2aの側面との間に空間部が形成されるため(図4参照)、天板2を天板支持面19上に載置する際において、水平突条16の上面とラウンド面8や段部9等が接触することがなく、切削面の成型誤差等が空間部により許容されるため、下面5を確実に天板支持面19上に載置させることができる。
【0051】
また、水平突条16の上面と水平面7とが上下方向に離間して配置されることで、肉薄外周縁部10の下面である水平面7と水平突条16との間に、側方に開放する水平な長溝、つまり目地が形成されるため、肉薄外周縁部10の薄さが際立つ。
【0052】
天板2を支持フレーム3に載置した後、天板支持部12bのボルト孔12cに下方から挿通されたボルトによって天板2を支持フレーム3に対して螺着し、天板2を支持フレーム3と一体に固定してテーブル1の組立が完了する。
【0053】
次に、配線ケーブル25a,25aを収納するケーブル溝4cとケーブルカバー21について説明すると、先ず、図9及び図10に示すように、ケーブルカバー21をケーブル溝4c内において水平方向に回動させることにより、開口4dが開閉されるようになっている。
【0054】
具体的には、使用者がケーブルカバー21の当接片21dを把持することでケーブルカバー21を回動させることができるようになっており、この回動範囲は当接片21dによって開口4dの水平幅に規制されている。そして、この回動範囲内において、図9に示す開口4dがケーブルカバー21の外周面21aによって閉塞された状態と、図10に示す開口4dと開口部21bが連通された状態を切り換えることができる。
【0055】
また、使用者は、図10に示す状態でケーブルカバー21内に配線ケーブル25a,25aを収納した後に、当接片21dを把持し、ケーブルカバー21を回動させることで開口4dを閉塞し、ケーブルカバー21内に収納された配線ケーブル25a,25aを外面視から隠蔽する。
【0056】
更に、図9に示す配線ケーブル25a,25aがケーブルカバー21内に収納された状態においては、再び使用者が当接片21dを把持してケーブルカバー21を回動させることで容易に配線ケーブル25a,25aをケーブルカバー21内から取り出すことができる。また、ケーブルカバー21は周壁4e内周面に沿って回動するとともに、回動軸心等がケーブル溝4c内に存在しないため、回動時に配線が邪魔になることがない。そして、開口4dの水平幅はケーブル溝4cの直径よりも幅狭に形成されている為に、配線ケーブル25a,25aにテーブル内方側への力が働く場合であっても、安定して配線ケーブル25a,25aをケーブルカバー21内に収納することができる。
【0057】
このように、ケーブルカバー21の外周面21a(摺接面)が周壁4eの内周面によりガイドされることで、周壁4e内に挿嵌されたケーブルカバー21が軸心周りに回動されるため、脚柱4の外面に形成された開口4dをケーブルカバー21により簡単に開閉することができるばかりか、開口4dの左右幅分の開閉ストロークを行うだけで、開口4dを長手方向にわたり開閉することができる。また、周壁4e内にケーブルカバー21を挿嵌するだけで周壁4e内からのケーブルカバー21の逸脱が規制されるため、係止片等を用いることなく、周壁4e内にケーブルカバー21を確実に保持しておくことができる。
【0058】
また、周壁4eの下端開口を閉塞する下部蓋体であるカバー体24が脚柱4の下端に取り付けられているで、ケーブルカバー21の周壁4e内からの落下を防止されるとともに、カバー体24には、ケースカバー21の下端開口内に摺動自在に嵌合する固定ガイド突起24bが突設されていることで、ケースカバー21の下端が安定して回動自在に支持される。
【0059】
また、配線挿通部であるケーブル溝4cの上端開口が支持フレーム3を構成するブラケット12により閉塞されることで、支持フレーム3を利用してケーブル溝4cの上端開口を閉塞することができる。また、ケーブルカバー21における開口部21bの両端縁部のうち少なくとも一方に、脚柱4の開口4d端縁部に当接する当接片21dが延設されていることで、当接片21dが開口時における当接規制片となるとともに、ケーブルカバー21の回動操作片として使用できる。
【0060】
次に、連結フレーム11の内側面11cに設けられた溝部11d内の係合部11f,11fに係合される閉塞部材26について説明する。閉塞部材26は、テーブル1の天板2上に載置されたノートパソコン25,25等に配線を行う部材であって、エボキシ樹脂や、ゴム等の弾性部材の押出成形により製造される。この閉塞部材26は、図11(a)に示すように、上下方向にラウンド(湾曲)された板状をなす閉塞板26aと、この閉塞板26aの上下端部近傍から水平方向に突設され、係合部11f,11fに係合可能な爪部26b,26cと、から構成されている。尚、閉塞部材26は側面視で略C字形状を成している。更に尚、本実施例の閉塞部材26は、横幅がL1、縦幅がL2の長さを有しており、縦幅L2が横幅L1よりも大きくなるL2>L1となる縦長の形状に形成されている。
【0061】
これら爪部26b,26cのうち、上部側の爪部26bには、図11(b)に示すように、先端部から上方に向けて係合部11fと略同形を成す嵌合凸部26dが突設されている。また、下部側の爪部26cには、先端部から閉塞板26a側にかけて下方に傾斜を成すテーパ部26eが設けられている。また、これら嵌合凸部26d及びテーパ部26eの閉塞板26a側には、爪部26b,26cが係合部11f,11fに係合した際に、爪部26b,26cが係合部11f,11fから落脱することを防止するかえし部26f,26fが形成されている。
【0062】
前述した構成の閉塞部材26を溝部11dに取り付ける際には、図11(b)に示すように、爪部26bの嵌合凸部26dを上方の係合部11fに嵌合させながら、爪部26cのテーパ部26eを下方の凸部11eに当接させる。そして、閉塞部材26の下方を連結フレーム11側に押圧することで、凸部11eがテーパ部26eにより爪部26cを閉塞部材の上方向に弾性変形させつつ、爪部26cを下方の係合部11fに係合させる。尚、係合部11f,11fは上下共に同一の形状に形成されているため、閉塞部材26の上下を逆にして溝部11dに対して取り付けを行ってもよい。
【0063】
更に、閉塞部材26と溝部11dが取り付けられたことにより連結フレーム11の長手方向に貫通形成された中空部27に、天板2上に載置されたノートパソコン25,25から延設された配線ケーブル25a,25aを挿通する。このとき、図12に示すように、配線ケーブル25a,25aは、中空部27に挿通された後に、脚体4の開口4dからケーブル溝4cに収納されることによって連結フレーム11の長手方向に沿うように閉塞部材26によって保持される。尚、配線ケーブル25a,25aを、脚体4の開口4dからケーブル溝4cに収納させた後に、閉塞部材26を溝部11dに取り付けて、中空部27内に配線ケーブル25a,25aが保持されるようにしてもよい。
【0064】
このように、連結フレーム11の内側面11cには、長手方向に亘って開口する溝部11dが形成され、溝部11dの少なくとも一部を閉塞することで、配線ケーブル25a,25aを連結フレーム11の長手方向に沿うように支持可能となるので、天板2上のノートパソコン25,25から延設された配線25a,25aを、溝部11dを閉塞したことで形成された中空部27内の一箇所で保持することにより、配線ケーブル25a,25aを集約して纏めることができる。
【0065】
また、溝部11dには、配線ケーブル25a,25aを保持可能とする閉塞部材26が、溝部26に設けられた係合部11f,11fに弾性係合するので、配線ケーブル25a,25aを保持する際に、閉塞部材26を溝部11dの任意の位置に容易に取り付けを行うことができる。
【0066】
また、係合部11f,11fは、上部及び下部に一対となって設けられており、閉塞部材26は、一対の係合部11f,11fに係合可能な閉塞板26aから突設する上下一対の爪部26b,26cから構成されているので、閉塞部材26が係合部11f,11fに係合した際に、溝部11dと閉塞部材26間に連結フレーム11の長手方向に貫通した中空部27が形成されるので、この中空部27内に複数の配線ケーブル25a,25aを纏めることができる。
【0067】
また、支持フレーム3は、平面視枠状に形成されており、溝部11dは、支持フレーム3の内側面11c側が開口しているので、閉塞部材26がテーブル1の外面視から完全に隠蔽されるばかりか、ノートパソコン25,25から延設される配線ケーブル25a,25aを隠蔽できるので、テーブル1の外観を体裁よくすることができる。
【0068】
また、溝部は、あり溝に形成されているので、連結フレーム11を製作する際に、あり溝を形成できることで、係合部11f,11fが構成できるので、製作過程の簡略化を図ることができる。
【0069】
また、脚体4には、脚体4の長手方向に配線ケーブル25a,25aを挿通可能なケーブル溝4cが設けられているので、閉塞部材26によって纏められた複数の配線ケーブル25a,25aをケーブル溝4cに挿通させることで、テーブル1の使用者の邪魔になることなく配線を行うことができるばかりか、配線ケーブル25a,25aをまとめて脚体4内に隠蔽されることができるので、テーブル1の外観の体裁が向上する。
【実施例2】
【0070】
次に、実施例2に係る家具の配線構造につき、図13(a)及び図13(b)を参照して説明する。尚、前記実施例1と同一構成で重複する構成を省略する。図13(a)は、実施例2における閉塞部材の斜視図であり、図13(b)は、閉塞部材が溝部に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【0071】
図13(a)に示すように、実施例2における閉塞部材28は、閉塞板28aの上下端部から水平に爪部28b,28cが突設されており、これら上下の爪部28b,28cは同一構成となっている。具体的には、爪部28b,28cの先端部は、爪部28b,28cの先端部から閉塞板28a側にかけて上下方向に傾斜を成すテーパ部28d,28dを有している。
【0072】
また、テーパ部28d,28dの閉塞板28a側には、爪部28b,28cが係合部11f,11fに係合した際に、爪部28b,28cが係合部11f,11fから落脱することを防止するかえし部28e,28eが形成されている。更に、本実施例における閉塞部材28は、前記実施例1と同様に横幅L1、縦幅L2の長さを有する縦長に形成されている。
【0073】
前述の閉塞部材28を溝部11dに取り付ける際には、先ず、溝部11dの上下先端部の凸部11e,11eに閉塞部材28の上下のテーパ部28d,28dを当接させる。そして、閉塞部材28を溝部11d側に押し込むことにより、凸部11e,11eがテーパ部28d,28dにより爪部28b,28cを閉塞部材28の上下方向に弾性変形させつつ、爪部28b,28cを係合部11f,11fに係合させる。
【0074】
以上により閉塞部材26が溝部11dに取り付けられる。この後、閉塞部材28と溝部11dとで形成された中空部27に配線ケーブル25a,25aが挿通され、これら配線ケーブル25a,25aを閉塞部材28で保持する。尚、配線ケーブル25a,25aを、脚体4の開口4dからケーブル溝4cに収納させた後に、閉塞部材28を溝部11dに取り付けて、中空部27内に配線ケーブル25a,25aが保持されるようにしてもよい。
【実施例3】
【0075】
次に、実施例3に係る家具の配線構造につき、図14(a)及び図14(b)を参照して説明する。尚、前記実施例1と同一構成で重複する構成を省略する。図14(a)は、実施例3における閉塞部材の斜視図であり、図14(b)は、閉塞部材が溝部に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【0076】
図14(a)に示すように、実施例3における閉塞部材29は、閉塞板29aの上下端部から閉塞部材29を溝部11dに取り付ける際に連結フレーム11の内側面11cに当接する当接片29b,29aが水平に突設されている。上方の爪部29cは上方の当接片29bの下方近傍から水平に突設されるとともに、下方の爪部29dは下方の当接片29bの上方近傍から水平に突設される。また、本実施における閉塞部材29は、横幅L3、縦幅L4の長さを有しており、横幅L3が縦幅L4よりも長くなるL3>L4である横長の形状、つまり、連結フレーム11の長手方向に沿う形状に形成されている。
【0077】
前述の閉塞部材29を溝部11dに取り付ける際には、前記実施例1のように、溝部11dの上下先端部の凸部11e,11eに爪部29c,29dのテーパ部29e,29dを当接させた後、閉塞部材29を溝部11d側に押し込む。
【0078】
このとき、当接片29b,29aの先端部が連結フレーム11の内側面に当接することにより、閉塞部材29によって保持される配線ケーブル25a,25aからテーブル1の内方側の向きに力が加わっても、閉塞部材29が落脱することを抑止できる。
【0079】
また、実施例2における閉塞部材29では、連結フレーム11の長手方向に沿う形状に形成されているため、長い距離で配線ケーブル25a,25aを外面視から隠蔽することができる。
【実施例4】
【0080】
次に、実施例4にかかる家具の配線構造につき、図15(a)及び図15(b)を参照して説明する。尚、前記実施例3と同一構成で重複する構成を省略する。図15(a)は、実施例4における閉塞部材の斜視図であり、図15(b)は、閉塞部材が溝部に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【0081】
図15(a)に示すように、実施例4における閉塞部材30は、実施例3における閉塞部材29と同じく横幅L3が縦幅L4よりも長くなる(L3>L4)横長形状となっており、連結フレーム11の長手方向に沿う形状に形成されている。また、閉塞板30aの上下端部から突設されている当接片30b,30bの左右端部からは、閉塞部材30の上下方向に向かって隠蔽片30c,30cが設けられている。
【0082】
この隠蔽片30c,30cは、図15(b)に示すように、閉塞部材30を溝部11dに取り付けた際に、連結フレーム11の外面視から爪部30d,30eの係合部11f,11fと係合していない部分を隠蔽可能な長さを有している。つまり、閉塞部材30が溝部11dに取り付けられた連結フレーム11の外観を、爪部30d,30eの一部を隠蔽することによって体裁良く保つことができる。
【0083】
尚、本実施例では、連結フレーム11における内方側に溝部11dが設けられているが、隠蔽片30c,30cが設けられた閉塞部材30は、連結フレーム11における外方側に溝部11dが設けられ、その溝部11dに取り付けられる場合に特に体裁良く保つ効果が得られる。
【実施例5】
【0084】
次に、実施例5にかかる家具の配線構造につき図16(a)及び図16(b)を参照して説明する。尚、前記実施例1と同一構成で重複する構成を省略する。図16(a)は、実施例5における閉塞部材の斜視図であり、図16(b)は、閉塞部材が溝部に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【0085】
図16(a)に示すように、実施例5における閉塞部材31は、閉塞板31aの上下端部から水平に当接片31b,31bが突設されている。上方の爪部31cは上方の当接片31bの下方近傍から水平に突設されるとともに、下方の爪部31dは下方の当接片31bの上方近傍から水平に突設される。また、本実施例での閉塞部材31は、前記実施例1及び2と同じく縦幅L2が横幅L1よりも大きい縦長に形成されている。
【0086】
更に、閉塞部材31が溝部11dに取り付けられた際に、閉塞板31aのテーブル1内方を向く面には、配線ケーブル25a,25aを保持可能な保持部31fが設けられている。この保持部31fは、図16(a)に示すように、閉塞板31aにおける当接片31b,31b及び爪部31c,31dが突設されている面とは、反対側の面の下端部から上方に湾曲して設けられている。尚、この保持部31fは、閉塞板31aと共に上方に開口するフック状に形成されている。
【0087】
また、前述したように構成された閉塞部材31は、図16(b)に示すように、溝部11dに取り付けられた後、既にテーブル1の天板2上のノートパソコン25から延設されて、脚体4のケーブル溝4c内に収納されている配線ケーブル25a,25a以外の配線ケーブル(図示略)を、保持部31fによって保持することができる。つまり配線ケーブル(図示略)を保持部31fに上方から載置するようになっている。
【0088】
尚、配線ケーブル25a,25a支持されてなかった箇所を、纏めて保持部31fに支持させることもできる。閉塞部材31と、溝部11dによって形成された中空部27に配線ケーブル(図示略)を挿通する手間を省いて、保持部31fによって保持させることができる。
【0089】
このように、天板2上のノートパソコン25,25の配線ケーブル25a,25aが既に配線済みであっても、ノートパソコン25,25の配線をやり直さなくてもよく、フック状の保持部31fで複数の配線ケーブル25a,25aを容易に保持させることができる。
【0090】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更加があっても本発明に含まれる。
【0091】
例えば、前記実施例では、支持フレーム3を、平面視長方形を成す方形枠状に形成したが、例えばテーブル1を円卓とし、平面視円形状の天板を支持可能なように、支持フレームを平面視円形を成す枠状に形成してもよい。つまり、支持フレーム3は平面視枠状に配置されるものであれば、その形状は任意に変更可能である。
【0092】
また、前記実施例では、1個の閉塞部材26を溝部11dに取り付けることによって配線ケーブル25a,25aを保持していたが、閉塞部材26を連結フレーム11の長手方向に複数個連ねて溝部11dに取り付けることにより、中空部27で配線ケーブル25a,25aを確実に外面視より隠蔽できるようにしてもよい。
【0093】
また、前記実施例では、1個の閉塞部材26を溝部11dに取り付けることによって配線ケーブル25a,25aを保持していたが、溝部11dの一部で上下の凸部11e,11e間を連結させ、溝部11dの一部を断面視環状に形成することにより、この環内に配線コード25a,25aを挿通させることで、配線コード25a,25aを保持可能としてもよい。
【0094】
また、前記実施例では、支持フレーム3が、連結フレーム11とブラケット12とから構成されていたが、これらは一体で形成されていてもよいし、あるいは、ブラケット12が脚柱4の上部に一体に形成され、該脚柱4の上端と連結フレーム11とで支持フレーム3が構成されるようにしてもよい。
【0095】
また、前記実施例では、家具(テーブル1等)本体を構成するフレームの一例である脚体4に配線挿通部としてのケーブル溝4cが設けられていたが、このような配線挿通部及びケーブルカバー21は、家具本体を構成するフレームであれば、例えば連結フレーム11等、脚体4(脚フレーム)以外のフレームに設けてもよく、さらに、テーブル1以外の家具の本体を構成するフレームにも、本発明の配線挿通部及びケーブルカバーを適用可能である。
【0096】
また、前記実施例5では、閉塞部材31に設けられた保持部31fに配線ケーブルを保持させるようにしている。そのためテーブル1の天板2上で使用する機器によっては、複数種類の機器から延設される配線ケーブルを中空部27と保持部31fとで分別して支持することにより、配線構造をすっきりとしたものにすることもできる。
【0097】
また、前記実施例では、家具の一例であるテーブル1の連結フレーム11の溝部11dに閉塞部材26を取り付け、これら閉塞部材26と溝部により形成された中空部27に配線ケーブル25a,25aを挿通して、配線ケーブル25a,25aを連結フレーム11の長手方向に沿うように支持可能としたが、このような配線構造は、例えば家具の他の例である机やワゴン等の脚体にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】実施例1におけるテーブルの全体像を示す斜視図である。
【図2】図1のテーブルを示す要部拡大組立斜視図である。
【図3】脚体を下方から見上げた状態を示す横断底面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】図3のB−B断面図である。
【図6】図4のC−C断面図である。
【図7】テーブルの角部の形状を示す斜視図である。
【図8】ケーブルカバーを示す斜視図である。
【図9】(a)は、図9(c)のD−D断面図であり、(b)は、図9(c)のE−E断面図であり、(c)は脚体におけるケーブル溝の開口が閉塞されている状態を示す一部破断正面図である。
【図10】(a)は、図10(c)のF−F断面図であり、(b)は、図10(c)のG−G断面図であり、(c)は、脚体におけるケーブル溝が開放されている状態を示す一部破断正面図である。
【図11】(a)は、閉塞部材を示す斜視図であり、(b)は、閉塞部材が溝部に取り付けられる状態を示す断面図である。
【図12】閉塞部材が溝部に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図13】(a)は、実施例2における閉塞部材の斜視図であり、(b)は、閉塞部材が溝部に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図14】(a)は、実施例3における閉塞部材の斜視図であり、(b)は、閉塞部材が溝部に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図15】(a)は、実施例4における閉塞部材の斜視図であり、(b)は、閉塞部材が溝部に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図16】(a)は、実施例5における閉塞部材の斜視図であり、(b)は、閉塞部材が溝部に取り付けられた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0099】
1 テーブル(家具)
2 天板
3 支持フレーム(フレーム,連結フレーム)
4 脚体(脚柱,フレーム,脚フレーム)
4c ケーブル溝(配線挿通部)
11 連結フレーム(フレーム,支持フレーム)
11c 内側面
11d 溝部(あり溝)
11e 凸部
11f 係合部
25 ノートパソコン(機器)
25a 配線ケーブル
26 閉塞部材
26b,26c 爪部
26d 嵌合凸部
27 中空部
28 閉塞部材
28b,28c 爪部
29 閉塞部材
29b 当接片
29c,29d 爪部
30 閉塞部材
30a 閉塞板
30b 当接片
30c 隠蔽片
30d,30e 爪部
31b 当接片
31c,31d 爪部
31f 保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具の天板上に配置された機器に配線を行う家具の配線構造であって、
前記天板の底面側には、脚柱とともに前記天板を支持する支持フレームが設けられ、該支持フレームの側面には、長手方向に亘って開口する溝部が形成され、該溝部の少なくとも一部を閉塞することで、配線を支持フレームの長手方向に沿うように保持可能としたことを特徴とする家具の配線構造。
【請求項2】
前記溝部には、前記配線を保持可能とする閉塞部材が、前記溝部に設けられた係合部に弾性係合することを特徴とする請求項1に記載の家具の配線構造。
【請求項3】
前記係合部は、上部及び下部に一対となって設けられており、前記閉塞部材は、前記一対の係合部に係合可能な閉塞板から突設する上下一対の爪部から構成されていることを特徴とする請求項2に記載の家具の配線構造。
【請求項4】
前記支持フレームは、平面視で枠状に形成されており、前記溝部は、前記支持フレームの内側面側が開口していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の家具の配線構造。
【請求項5】
前記溝部は、あり溝に形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の家具の配線構造。
【請求項6】
前記閉塞部材には、上方に開口するフック状の保持部が形成されていることを特徴とする1ないし5のいずれかに記載の家具の配線構造。
【請求項7】
前記脚柱には、該脚柱の長手方向に前記配線を挿通可能な配線挿通部が設けられていることを特徴とする1ないし6のいずれかに記載の家具の配線構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−153887(P2009−153887A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−337934(P2007−337934)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】