説明

家具用脚の取付構造

【課題】 従来の家具用脚の取付構造に見られるような難点のない、天板などの部材を支持する脚取付用ブラケットに筒状の脚を取付ける新たな取付構造を提供すること。
【解決手段】 机の天板などの脚取付部位に、その取付部位において天板などを支持する脚取付用ブラケット1を設け、該ブラケット1に脚を取付けて固定する脚の取付構造において、前記ブラケット1は、脚筒体6が挿入される斜面ガイドを備えた固定部41と、該固定部の斜面ガイド41に対し摺動自在に組合されるスライド斜面51を備えた可動部5とを脚取付部54として備え、前記可動部5をそのスライド斜面51において前記固定部の斜面ガイド41に沿ってスライド手段により移動させて位置決めし、当該固定部4と可動部5による脚取付部54の外面を前記脚筒体6の内面に押付けることにより、当該ブラケットに脚を取付けるようにしたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーブルやデスクなどの家具の脚を、天板などの当該脚が取付けられる部位(以下、脚取付部位という)に設けられる取付用ブラケットに強固かつ高精度に結合して取付けるための構造に関し、より具体的には、脚筒体の内部に溶接して設けた脚取付用のネジ止めリングなどを用いないで、当該脚筒体を取付用ブラケットに強固かつ高精度に結合することができる脚取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば柱状の脚により天板を支持した構造の机においては、天板や脚を軽量化するとともに、両部材の結合強度を補うため天板裏面にフレーム部材を設け、該フレーム部材における脚取付部位と脚との結合を剛体化するために前記フレーム部材のコーナー部に、天板を支持する脚の取付用ブラケットなどの金属製部材を備えたものが知られている。
【0003】
特に、デザイン上、或は、設計上の理由から、たとえば矩形天板の四隅端縁ないしその外側を脚取付部位として脚を配置する必要がある場合には、脚の取付強度(特に横方向から作用する力に対する安定性)を維持するため、天板の下部フレーム、取付用ブラケットおよび脚を強固に一体化する必要がある。
【0004】
このための手法の一例として、脚筒体の内部に溶接等により設けたネジ止めリングによって当該脚筒体の上面に脚取付用ブラケットを固定し、これによって結合強度を確保する手法が採られている。
また、天板の脚取付部位に固定されるフランジ部と、該フランジ部の下面に脚取付用の筒部を備えた脚取付用ブラケットなども知られている(特許文献1〜3を参照)。
【0005】
しかし、公知の手法は、取付用ブラケットを螺合するネジ止めリングを脚筒体内部へ溶接する際の熱により、脚体表面へ溶接痕が生じて美観を損ない、また、特殊な断面構造の脚筒体を必要として製造コストや材料コストが高くつき、さらには、公知の脚取付用ブラケットでは、強固な脚取付け状態が維持できないなどの問題があった。
【0006】
一方、脚筒体の内部に溶接されたネジ止めリングを天板を支持する脚取付用ブラケットの螺合部に対応させて安定的に使用するには、当該リングの取付けに高い位置決め精度が要求され、この条件が満たされないと、前記ブラケットを介した天板と脚の剛性の高い一体性を得ることができず、使用中にガタつきが生じるなどの問題がある。
【0007】
また、ネジ止めリングを内部に溶接できない細い筒状脚では、そもそも上記の結合手法を採用することができず、天板下面に取付けたフレームと脚とを強固に結合して剛体化することは相当に困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特公平7−49012号公報
【特許文献2】特許第3685048号公報
【特許文献3】特許第3610035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明は、従来の家具用脚の取付構造に見られるような難点のない、天板などの部材を支持する脚取付用ブラケットに筒状の脚を取付ける新たな取付構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題の解決を目的としてなされた本発明脚取付構造の構成は、机の天板などの脚取付部位に、その取付部位において天板などを支持する脚取付用ブラケットを設け、該ブラケットに脚を取付けて固定する脚の取付構造において、前記ブラケットは、脚筒体が挿入される斜面ガイドを備えた固定部と、該固定部の斜面ガイドに対し摺動自在に組合されるスライド斜面を備えた可動部とを脚取付部として備え、前記可動部をそのスライド斜面において前記固定部の斜面ガイドに沿ってスライド手段により移動させて位置決めし、当該固定部と可動部による脚取付部の外面を前記脚筒体の内面に押付けることにより、当該ブラケットに脚を取付けるようにしたことを特徴とするものである。
【0011】
本発明では、上記脚取付部の構成において、固定部の斜面ガイドとこのガイドに対応する可動部のスライド斜面を、凸状と凹状の組合せによる摺動可能な遊嵌状態におき、固定部に対し可動部が接近するように移動させることによって、組合せた固定部と可動部の外周径を大きくする楔作用を果すようにした。
【0012】
前記脚取付部における固定部は、その上部に、脚筒体上端部の内周面の全周に当接する受け周縁と、当該脚筒体の上端面が当接するフランジ部を形成したものであることが好ましい。
【0013】
また、上記の脚取付構造において、脚筒体の固定部に当接する部位には、当該脚筒体の壁面の一部を内面側へ膨出させた構成にし、固定部の外周面(脚筒体の内面の当接部位)に付けられた型抜きのための抜きテーパー部による脚筒体の傾きが生じないようにした。
【0014】
さらに、本発明取付構造においては、可動部を移動させるスライド手段の一例として、取付用ブラケットの外側から固定部と可動部に貫通して設けられ、かつ、当該可動部に螺装されたネジ部材を用いる。可動部を固定部側に引寄せる(スライドさせる)他の手段の例としては、可動部に結合したワイヤなどの索を固定部に貫通して螺設したネジの下端部に自在連結し、該ネジを上昇させる回転でワイヤを引張り上げ可動部を固定部に近付けることもできる。
【0015】
上記の本発明取付構造に用いる脚取付用ブラケットは、脚筒体に挿入される斜面ガイドを備えた固定部と、該固定部の斜面ガイドに対し摺動自在に組合されるスライド斜面を備えた可動部とを脚取付部として備え、前記可動部を、そのスライド斜面において前記固定部の斜面ガイドに沿ってスライド手段により移動させて位置決めすることによって、当該固定部と可動部による脚取付部全体の外面を脚筒体内面に強力に押付けるようにした構成を具備しているものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の脚取付構造は、机の天板などの脚取付部に、その取付部において天板などを支持する取付用ブラケットを設け、該ブラケットに脚を取付けて固定する脚の取付構造において、前記取付用ブラケットは、脚筒体に挿入される斜面ガイドを備えた固定部と、該固定部の斜面ガイドに対し摺動自在に組合されるスライド斜面を備えた可動部とを脚取付部として備え、前記可動部をそのスライド斜面において前記固定部の斜面ガイドに沿ってスライド手段により移動させて位置決めし、当該固定部と可動部による脚取付部の外面を脚筒体内面に押付けることにより、取付用ブラケットに脚筒体を取付けるようにしたので、天板などを支持する取付用ブラケットの脚取付部(固定部と可動部)の外面を脚筒体内面に強固に押圧して固定することができる。
【0017】
特に、本発明脚取付構造では、脚筒体の固定部背面に当接する側(壁面)に、当該脚筒体の内側に少し膨出した当接部を形成したので、固定部の外周面が型抜きのために抜きテーパー状に形成されていても、当該脚筒体を高精度の垂直度で強固に取付用ブラケットに固定することができる。
【0018】
さらに、本発明はネジ止めリングを溶接できないような細い脚筒体に対しても、容易かつ確実に、脚取付用ブラケットに脚を強固に取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明脚取付構造の一例を分解して示した側面図。
【図2】図1の本発明脚取付構造を組立てた状態の拡大側面図。
【図3】図2の脚取付構造において脚筒体を断面で表わした右側面図。
【図4】図2の可動部を省略した脚取付部を脚筒体の下端側から見た底面図。
【図5】図1〜図4の本発明脚取付構造に用いた脚筒体の右側面図。
【図6】本発明に用いる脚取付用ブラケットの第二例を裏返した状態の分解斜視図。
【図7】図7のブラケットの固定部と可動部が組立てられて脚取付部を構成した斜視図。
【図8】図7,図8の取付用ブラケットに脚筒体が取付けられた状態の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態例について、図を参照して説明する。
図1〜図5に示した例において、1は、天板裏面にネジ止め定着される平板状の天板取付部2を具備すると共に、該取付部2の下面に短梁部3を一体に具備し、当該短梁部3の先端側に下向きに形成された固定部4と該固定部4と組合されて協働する可動部5を備えた本発明脚取付用ブラケット(以下、単に「ブラケット」という)の第一例である。なお、6は前記の固定部4と可動部5が収装される丸パイプ状の脚筒体である。また、図1〜図5のブラケット1における短梁部3の後端には、天板裏面に取付けられる角パイプなどによる天板フレーム(図示せず)の隅部を収めて取付けるため、平面角90度の側断面略L状をなすフレーム取付部3bが形成されている。
【0021】
前記ブラケット1は、固定部4と可動部5を脚筒体6に挿入した状態において、スライド手段の一例であるネジ杆7を操作して脚筒体6を結合するため、該ネジ杆7の挿通孔8が、固定部4に対応した位置の短梁部3の上面から固定部4を貫通し、可動部5にネジ7の雄ネジ部7aを螺入する雌ネジ部5aが形成されている。
この構成により、前記短梁部3と一体の固定部4と該固定部4に組合されて協働する可動部5がブラケット1における脚取付部54として機能する。
【0022】
すなわち、脚取付部54は、脚筒体6に対して前記固定部4と可動部5を、当該可動部5に設けた雌ネジ5aにネジ杆7の雄ネジ部7aを浅く螺入し、そのネジ杆7で緩く連結した状態で脚筒体6に挿入し、当該ネジ杆7を締結することにより、この脚筒体6の内部に固定的に取付られるのである。
【0023】
前記固定部4は、上述のとおり、スライド手段の一例である前記ネジ杆7が可動部5に設けた雌ネジ部5aに螺入されることにより、可動部5と組合せ協働するように結合される。このため固定部4には、前記可動部5がネジ杆7の正逆回転によって上下にスライドできるようにテーパー状に形成された凸状の斜面ガイド41が設けられている。また、当該斜面ガイド41は、図1(図2,図5も参照)に示すように、平断面略山形をなすテーパー状のガイド面41aを具備する。一方、この固定部4に組合せる可動部5には、前記ガイド面41aに対応するように逆テーパー状に形成された平断面略凹状をなす被ガイド溝51が形成され、該溝51の表面が前記ガイド面41aに対応してスライド面51aとして作用する。なお、本発明においては、固定部4に設けた凸状の斜面ガイド41と可動部に設けた凹状の被ガイド溝51とを、上記実施例とは逆に、それぞれ相手側に設けることもできる。
【0024】
前記固定部4と可動部5は、テーパー状のガイド面41aと逆テーパー状のスライド面51aのほか、次の構成を備えている。
すなわち、固定部4におけるガイド面41aの反対側(短梁部3の側)は、脚筒体6の内壁面に当接する略円弧状の断面をなす円弧状当接面42に形成されている。そして、当該当接面42の略中央部位の下部には、固定部4の下端面から下方へ突出した舌片状当接面43が形成されている。
【0025】
一方、前記舌片状当接面43に対応する可動部5の部位には、当該当接面43を受け入れる受入れ凹部53が形成されていると共に、スライド面51aの背後(図1では右側面)の外周面は、脚筒体6の内周面へ接する円弧状当接面52に形成されている。
【0026】
上記の構成を備えた固定部4と可動部5によって脚取付部54を形成する。そして、脚取付部54における固定部4と可動部5の上記構成により、ネジ杆7を回転させると可動部5を固定部4に対して上方または下方にスライドさせることができる。これにより脚取付部54は、固定部4と可動部5のそれぞれが脚筒体6の内壁面に当接する円弧状当接面42と52、および、舌片状当接面43がそれら全体で形成する外径ないし幅を大きくし、または小さくすることができる。即ち、ネジ杆7の回転により、可動部5を固定部4に対し、より接近するようにスライドさせることによって、脚取付部54を脚筒体6の内面に圧接することが可能になるのである。
【0027】
脚取付部54において、固定部4は、上記の基本的構成に加え、次の構成を備えている。すなわち、固定部4の上端部は、短梁部3と一体化されている部位を除き、脚筒体6の外径に見合う外径のフランジ状部44に形成されているとともに、該フランジ状部44の下面側に、脚筒体6の上端部内面6aと密接する受け周縁44aが形成されている。
また、固定部4に結合された部位の短梁部3の下面には、前記フランジ状部44の下面44bと平行な内側縁3aが形成されている。
【0028】
一方、前記固定部4に外嵌される脚筒体6の上端部は、当該脚筒体6において固定部4と短梁部3が結合して下方に膨出した部位(内側縁3aを有する部位)を受け入れるため凹状の切欠部6bが形成されている(図1,図5参照)。また、脚筒体6の上部には、上記切欠部6bの下方に、固定部4に嵌挿される当該脚筒体6を仮に位置決め固定するためのビス挿通孔6eが形成され、この孔6eを通して固定部4に位置決めビス9(図8参照)を螺入するためのビス穴45が設けられている。
【0029】
本発明においては、脚筒体6の前記ビス挿通孔6eの下方に、当該脚筒体6の壁面を筒体の内側へ膨出させた当接膨出部6fが形成されている。この当接膨出部6fは、固定部4の舌片状当接面43が設けられた面に形成された型抜きのための浅い抜きテーパー面に当接して、固定部4と可動部5による脚取付部45に嵌入される脚筒体6が垂直姿勢で固定されることを確保する。因みに、この膨出部6fがないと、ネジ杆7を回転させて締結し固定部4に可動部5を呼び込むと、前記抜きテーパー面の作用で脚筒体6の下半側が外に開き加減(図1の左方に傾く)になるという問題がある。
【0030】
以上の構成によって、ブラケット1に脚筒体6を取付けて固定するとき、(イ)固定部4の内側縁3aと脚筒体6上端の切欠き部6b、(ロ)固定部4の円弧状当接面42および可動部5の円弧状当接面52と脚筒体6の内周面、(ハ)固定部4のフランジ状部44の下面44bおよびその下方の受け周縁44aと脚筒体6の上端部における上端面6cおよび内面6aが、それぞれ相互に協働作用し、脚筒体6の内外方向(図1、図2の左右方向)のガタつきを確実かつ効果的に抑制することができる。しかも、ネジ杆7の回転によって可動部5を固定部4の側に呼び込むとき、(ニ)脚筒体6に設けた当接膨出部6fが固定部4の舌片状当接面43の近傍に当接するので、ネジ杆7を締込んでも、脚筒体6が固定部4の抜きテーパーの作用で傾く(外側に開く)ことがない。
【0031】
一方、脚筒体6の左右方向(図1、図2の紙面に対し垂直方向)のガタつきに対しては、(ホ)固定部4におけるフランジ状部44の下面44bおよび受け周縁44aの外周面の左右側(図1、図2では紙面の手前側と向こう側)と脚筒体6の上端部における上端面6cおよび内面6aの左右側、(ヘ)脚筒体6の切欠き部6bの垂直な切欠き側縁6dと該側縁6dに抱持される短梁部3における内側縁3aの上方に位置した短梁部3と固定部の垂直な接合部3cが相互に協働作用し、上記と同様にブラケット1と脚筒体6の間のガタつきを抑制することができる。
【0032】
本発明では、上記(イ)〜(ヘ)の構成を備えていることにより、脚筒体6の脚取付部54に対する当該脚筒体6の全周方位でのガタつきをほぼ完全といえるレベルで防止することができると共に、取付けられる脚筒体6の垂直度を確保することができるので、脚筒体6をブラケット1に垂直かつ強固に固定することが可能となる。
【0033】
次に、本実施例における取付用ブラケット1の取付手順の一例につき、図1〜図5、並びに、図6〜図8も参照しつつ説明する。なお、図6〜図8のブラケット1は、図1〜図5に示したブラケット1が有するフレーム取付部3bを備えない本発明におけるブラケットの第二例である。
まず、図6において分離している固定部4と可動部5を、挿通孔8を通してネジ穴5aに緩く螺入したネジ杆7により、予め一体に連結した状態にする(図7参照、図6〜図8では本発明脚取付用ブラケットを裏返した状態で示している)。つづいて、この固定部4と可動部5が一体となった脚取付部54に、脚筒体6の上部開口を挿入する(図8参照)。図7では脚筒体6が倒立した状態で表わされている。
【0034】
脚取付部54に脚筒体6を挿入するとき、脚筒体6のビス挿通孔6eと固定部4のビス穴45を貫通状態に位置決めしてビス穴45に位置決め用ネジ9を螺入締着することにより、当該脚取付部54に脚筒体6を位置決めする。
【0035】
ここで、前記位置決め用ネジ9は、脚取付部54における固定部4のビス穴45に螺着されるので、仮にも、固定部4と可動部5を緊締しているネジ杆7が何らかの要因で緩んでも、脚筒体6がその取付部54から脱落することはない。
【0036】
次いで、天板取付部2と固定部4を貫通した挿通孔8を通してネジ穴5aに緩く螺入されている前記ネジ杆7を適宜の螺入手段によってきつく締め上げ、可動部5を、その被ガイド溝51において固定部4に備わるガイド面41に沿ってスライド上昇させると、固定部4と可動部5との協働作用によって、固定部4の舌片状当接面43を含む当接面42と、可動部5の当接面52とによって形成される外径を大きくするので、脚取付部54の外面が脚筒体6の内壁面に強固に押付けられ、この脚取付部54に脚筒体6を垂直姿勢で固定することができることとなる。
【0037】
上述した本発明脚取付構造は、上述の実施例に限られるものではなく、机や椅子をはじめとする家具、例えば、キャビネットや椅子などの脚取付部位に脚や脚状の支柱を取付けるための構造として実施することができる。
【0038】
また、上述した実施例では、本発明の脚取付用ブラケット1を机などの天板に適用するため、脚取付部54(可動部4と固定部5)には、平板状の天板取付部2と脚取付部54における固定部5とを結合一体化するための短梁部3が設けられていた。しかし、本発明では、前記取付部2やそれと一体の短梁部3を、図示しないが、例えば、固定部5と直交する短柱状部に形成し、当該短柱状部に当該柱状部を嵌入できる管状横部材(例えば、パイプ状梁など)を嵌入結合することにより、垂直向きのパイプ状の脚筒体と水平向きのパイプ状などの横部材を、直交的乃至交叉的に結合するためのブラケットとして展開することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は以上のとおりであって、机の天板などの脚の取付構造において、前記脚取付用ブラケットを、脚筒体に挿入される斜面ガイドを備えた固定部と、該固定部の斜面ガイドに対し摺動自在に組合されるスライド斜面を備えた可動部とを脚取付部として備え、前記可動部をそのスライド斜面において前記固定部の斜面ガイドに沿ってスライド手段により移動させて位置決めし、当該固定部と可動部による脚取付部の外面を脚筒体内面に押付けることにより、取付用ブラケットに脚を取付けるように構成したから、天板を支持する取付用ブラケットの脚取付部(固定部と可動部)の外面を脚筒体内面に強固に押圧して固定することができる。特に、本発明脚取付構造では、脚筒体の固定部背面に当接する側(壁面)に、当該脚筒体の内側に少し膨出した当接部を形成したので、固定部の外周面が型抜きのために抜きテーパー状に形成されていても、当該脚筒体を高精度の垂直度で強固に取付用ブラケットに固定することができるという効果が得られ、従って、家具の脚取付構造としてきわめて有用である。
【符号の説明】
【0040】
1 脚取付用ブラケット
2 天板取付部
3 短梁部
4 固定部
5 可動部
54 脚取付部
44a 受け周縁
41 固定部4の斜面ガイド
51 可動部5のスライド斜面
6 脚筒体
6f 当接膨出部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
机の天板などの脚取付部位に、その取付部位において天板などを支持する脚取付用ブラケットを設け、該ブラケットに脚を取付けて固定する脚の取付構造において、前記ブラケットは、脚筒体が挿入される斜面ガイドを備えた固定部と、該固定部の斜面ガイドに対し摺動自在に組合されるスライド斜面を備えた可動部とを脚取付部として備え、前記可動部をそのスライド斜面において前記固定部の斜面ガイドに沿ってスライド手段により移動させて位置決めし、当該固定部と可動部による脚取付部の外面を前記脚筒体の内面に押付けて固定することにより、前記ブラケットに脚を取付けるようにしたことを特徴とする家具の脚取付構造。
【請求項2】
脚筒体の固定部に当接する部位には、当該脚筒体の壁面の一部を内面側へ膨出させた当接部を設けた請求項1の脚取付構造。
【請求項3】
固定部には、位置決め用のネジ穴を脚筒体のネジ挿通孔を通して設け、当該ネジ穴にネジ挿通孔を通して位置決め用ネジを螺入することにより、前記固定部と脚筒体を位置決めするようにした請求項1又は2の脚取付構造。
【請求項4】
脚筒体に設けた膨出当接部とネジ挿通孔は、当該脚筒体の背面側に位置付けた請求項2又は3の脚取付構造。
【請求項5】
天板などに取付けられる取付部と、該取付部と一体で脚筒体に挿入されるテーパー状の斜面ガイドを備えた固定部と、該固定部の斜面ガイドに対し摺動自在に組合される逆テーパー状のスライド斜面を備えた可動部とを備え、当該固定部と可動部を脚取付部として備えたことを特徴とする脚取付用ブラケット。
【請求項6】
固定部の斜面ガイドとそのガイドに対応する可動部のスライド斜面は、凸状部と凹状部の摺動可能な遊嵌状態に組合せ、可動部を固定部に接近するように移動させることにより、組合せた固定部と可動部による脚取付部の外周径が大きくなり、脚筒体の内面に圧着される楔作用をするように形成した請求項5の脚取付用ブラケット。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−213803(P2010−213803A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62050(P2009−62050)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【出願人】(390005452)伊藤喜オールスチール株式会社 (35)
【Fターム(参考)】