説明

家庭用薄葉紙収納容器

【課題】家庭用薄葉紙を容易に取出部に挿入することができる家庭用薄葉紙収納容器を提供する。
【解決手段】開口部を有し、内側に家庭用薄葉紙を収納する容器本体11と、開口部を閉塞するように容器本体11に着脱自在に取り付けられ、容器本体11に収納された家庭用薄葉紙を取り出すための取出部141が形成された蓋体12とを備える家庭用薄葉紙収納容器100であって、蓋体12は、容器本体11に取り付けられた状態で家庭用薄葉紙の取り出し方向に貫通した貫通口が形成された貫通部132を有する蓋体本体13と、蓋体本体13の貫通部132に着脱自在に取り付けられ、取出部141を構成する取出部材14と、を備えている。取出部材14は、蓋体本体13に取り付けられた状態で家庭用薄葉紙の取り出し方向に貫通する取出孔141aを備え、取出孔141aを貫通方向と直交する方向に分割可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットシート等の家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄用紙収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家屋の床やトイレ、或いは人体などを拭くための家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器が知られている。
【0003】
このような家庭用薄葉紙収納容器として、例えば、蓋体に設けられた取出孔の孔壁の上端部から下端部にわたって四本の切込みを放射線状に形成した容器が知られている(特許文献1参照)。この容器では、取出孔から家庭用薄葉紙を引き出すと、孔壁と切込みによって家庭用薄葉紙が摩擦抵抗を受け、ミシン目で後続のウェットシートと切断分離される。
また、例えば、山高帽子状弾性部材の頭部の先端に、ウェットティッシュの引き出し穴を備え、この頭部を蓋体に設けられた穴の内側から嵌入して固定した容器が知られている(特許文献2参照)。
【0004】
ところで、中身の詰め替え時や、次に取り出す家庭用薄葉紙が取出部において保持されずに容器内部に落ちてしまった場合には、使用者が、家庭用薄葉紙の一枚目を取出部の内側から外側に通す必要がある。
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2の容器では、蓋体に比べて取出部が小さく、蓋体を持ちながら家庭用薄葉紙を取出部に挿入するのが困難であるという問題があった。
【0005】
そこで、蓋体に形成したハウジングに、紙布取出し用口栓を取り付けた容器が知られている(特許文献3参照)。この容器では、中身の詰め替えに際して、蓋体から取出し用口栓を取り外し、取出し用口栓を手に持ちながら家庭用薄葉紙を取出部に挿入する作業を行うことができるため、蓋体を手に持ちながら家庭用薄葉紙を取出部に挿入する作業を行う場合と比較して作業の容易化を図ることができる。
【特許文献1】特開2000−51117号公報
【特許文献2】実公平7−12310号公報
【特許文献3】実願平5−29936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献3のように、取出し用口栓が蓋体本体から取り外し可能な場合であっても、取出部としての穴が小さいため、家庭用薄葉紙を穴に通しづらく、家庭用薄葉紙を取出部に挿入する作業が困難であることに変わりはない。
【0007】
そこで、本発明の課題は、家庭用薄葉紙を容易に取出部に挿入することができる家庭用薄葉紙収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、開口部を有し、内側に家庭用薄葉紙を収納する容器本体と、前記開口部を閉塞するように前記容器本体に着脱自在に取り付けられ、前記容器本体に収納された家庭用薄葉紙を取り出すための取出部が形成された蓋体と、を備えた家庭用薄葉紙収納容器であって、
前記蓋体は、
前記容器本体に取り付けられた状態で前記家庭用薄葉紙の取り出し方向に貫通した貫通口が形成された貫通部を有する蓋体本体と、
前記蓋体本体の前記貫通部に着脱自在に取り付けられ、前記取出部を構成する取出部材と、
を備え、
前記取出部材は、前記蓋体本体に取り付けられた状態で前記家庭用薄葉紙の取り出し方向に貫通する取出孔を備え、当該取出孔を貫通方向と直交する方向に分割可能に構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、開口部を有し、内側に家庭用薄葉紙を収納する容器本体と、前記開口部を閉塞するように前記容器本体に着脱自在に取り付けられ、前記容器本体に収納された家庭用薄葉紙を取り出すための取出部が形成された蓋体と、を備えた家庭用薄葉紙収納容器であって、
前記蓋体は、
前記容器本体に取り付けられた状態で前記家庭用薄葉紙の取り出し方向に貫通した貫通口が形成された貫通部を有する蓋体本体と、
前記蓋体本体の前記貫通部に着脱自在に取り付けられ、前記取出部を構成する取出部材と、
を備え、
前記取出部材は、前記蓋体本体から取り外された状態で、帯状に展開可能に構成されるとともに、ロール状に丸められた状態で前記蓋体本体に取り付けられることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、前記貫通口は、前記容器本体側から反対側に漸次縮径する形状となっていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、前記取出部材の長手方向に沿った一方の縁部が鋸歯形状となっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、家庭用薄葉紙収納容器において、開口部を有し、内側に家庭用薄葉紙を収納する容器本体と、開口部を閉塞するように容器本体に着脱自在に取り付けられ、容器本体に収納された家庭用薄葉紙を取り出すための取出部が形成された蓋体と、が備わり、蓋体には、容器本体に取り付けられた状態で家庭用薄葉紙の取り出し方向に貫通した貫通口が形成された貫通部を有する蓋体本体と、蓋体本体の貫通部に着脱自在に取り付けられ、取出部を構成する取出部材と、が備わる。また、取出部材には、蓋体本体に取り付けられた状態で家庭用薄葉紙の取り出し方向に貫通する取出孔が備わり、取出孔を貫通方向と直交する方向に分割可能に構成されている。
即ち、家庭用薄葉紙を取り出すための取出部を構成する取出部材は、蓋体本体から取り外し可能であり、更に、家庭用薄葉紙の取り出し方向に貫通する取出孔を、貫通方向と直交する方向に分割することができる。したがって、蓋体本体から取り外した取出部材の取出孔を分割して、分割された取出孔に家庭用薄葉紙を配置した後に、取出孔を合体させて取出部材を蓋体本体に取り付けることにより、家庭用薄葉紙が取出部に挿通された状態とすることができる。よって、取出部の穴が小さい場合であっても、家庭用薄葉紙を容易に取出部に挿入することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、家庭用薄葉紙収納容器において、開口部を有し、内側に家庭用薄葉紙を収納する容器本体と、開口部を閉塞するように容器本体に着脱自在に取り付けられ、容器本体に収納された家庭用薄葉紙を取り出すための取出部が形成された蓋体と、が備わり、蓋体には、容器本体に取り付けられた状態で家庭用薄葉紙の取り出し方向に貫通した貫通口が形成された貫通部を有する蓋体本体と、蓋体本体の貫通部に着脱自在に取り付けられ、取出部を構成する取出部材と、が備わる。また、取出部材は、蓋体本体から取り外された状態で、帯状に展開可能に構成されるとともに、ロール状に丸められた状態で蓋体本体に取り付けられる。
即ち、家庭用薄葉紙を取り出すための取出部を構成する取出部材は、蓋体本体から取り外し可能であり、更に、蓋体本体から取り外された状態で帯状に展開可能であるとともに、ロール状に丸められた状態で蓋体本体に取り付けられる。したがって、蓋体本体から取り外した取出部材を帯状に展開して、展開された取出部材に家庭用薄葉紙を配置した後に、取出部材をロール状に丸めて蓋体本体に取り付けることにより、家庭用薄葉紙が取出部に挿通された状態とすることができる。よって、取出部の穴が小さい場合であっても、家庭用薄葉紙を容易に取出部に挿入することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、貫通口は、容器本体側から反対側に漸次縮径する形状となっている。
したがって、ロール状に丸めた取出部材を蓋体本体に容器本体側から取り付けた後に、家庭用薄葉紙を引き出す際、取出部材を貫通口で係止させることができることとなって、貫通口から家庭用薄葉紙のみを取り出すことができる。よって、取出部材の貫通部への固定が容易となり、家庭用薄葉紙収納容器の使い勝手が向上することとなる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は3に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、取出部材の長手方向に沿った一方の縁部が鋸歯形状となっている。
したがって、家庭用薄葉紙を引き出す際に、鋸歯形状の縁部によって家庭用薄葉紙が摩擦抵抗を受け、後続の家庭用薄葉紙を好適に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、図面を参照して、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器の具体的な態様を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0017】
[実施形態1]
まず、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器の実施形態1について説明する。
図1は、本発明を適用した好適な実施形態1として例示する家庭用薄葉紙収納容器を正面上方から見た斜視図であり、図2は、図1におけるII−II断面を含む蓋体の横断面図である。図3及び図4は、取出部材の斜視図である。図5は、図1の家庭用薄葉紙収納容器において、蓋体本体から取出部材が取り外された状態を示す図である。図6〜図9は、実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器における取出部に家庭用薄葉紙を挿通させる作業を説明するための図である。
【0018】
本実施形態1に係る家庭用薄葉紙収納容器100は、例えば、図1〜図9に示すように、内側にロール状の家庭用薄葉紙P(例えば、ロール状に巻かれたウェットシートやウェットティッシュ等のロールペーパー)を収納する容器本体11と、この容器本体11に設けられた開口部11aを閉塞するように容器本体11に着脱自在に取り付けられ、容器本体11に収納された家庭用薄葉紙Pを取り出すための取出部141が形成された蓋体12と、取出部141を開閉するようにして蓋体12の蓋体本体13に回動自在に取り付けられたトグルキャップ15と、を備えて構成されている。以下、各部を詳しく説明する。
なお、以下の説明では、家庭用薄葉紙収納容器100の前後方向をX軸方向として、トグルキャップ15の回動軸が設けられている側を後側とし、反対側を手前側とする。さらに、正面視にて左右方向(幅方向)をY軸方向とし、上下方向をZ軸方向とする。
【0019】
容器本体11は、図示しない下底部を有するとともに上端部に開口部11aが設けられた有底円筒状をなし、上端部の外周面には周方向に沿って雄ネジ部11bが設けられている。本実施形態における容器本体11は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、或いは、ABS樹脂等から形成されている。なお、図1、5、8、9では、容器本体11の下部を省略して記載している。
【0020】
蓋体12は、貫通部132を有する蓋体本体13と、蓋体本体13における当該貫通部132に着脱自在に取り付けられる取出部材14と、を備えて構成されている。
【0021】
蓋体本体13は、上底部131を有するとともに下端部が開放された有底円筒状をなし、開放された下端部の内周面には上記雄ネジ部11bと螺合する雌ネジ部133が設けられている。容器本体11と蓋体本体13とは、当該雄ネジ部11b,雌ネジ部133により着脱自在に連結される(図8参照)。これにより、容器本体11の開口部11aが開閉自在となり、容器本体11から蓋体12を取り外した状態で、容器本体11の内部に家庭用薄葉紙Pを収納したり取り出したりすることができるようになっている。なお、本実施形態では、家庭用薄葉紙Pが、上下方向(Z軸方向)を中心としてロール状に巻かれた状態で容器本体11に収納されるようになっている。
【0022】
蓋体本体13の上底部131には、その略中央部に、当該蓋体本体13が容器本体11に取り付けられた状態で家庭用薄葉紙Pの取り出し方向(Z軸方向)に貫通した平面視円形の貫通口132aが形成された貫通部132が設けられ、貫通部132の周囲には、例えば、円筒状ないし環状のZ軸方向上側(上方向)に突出する突起部134が設けられている。この突起部134の内周面には雌ねじが形成されたネジ部132bが備わっている。また、突起部134の上端には、水平方向外側に突出し、トグルキャップ15の係合部16(後述)と係合する係合突起134aが設けられている。本実施形態における蓋体本体13は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等から形成されている。
【0023】
取出部材14は、外形の厚みが貫通口132aの幅とほぼ同じ円盤状に形成され、略中央部に略円形状の凹部が形成されている。当該取出部材14の外周面には、周方向に沿って、蓋体本体13の突起部132の内周面に設けられたネジ部132bと螺合する雄ねじが形成されたネジ部142が設けられており、平面視において時計回り方向又は反時計回り方向に取出部材14を回転させながら、取出部材14のネジ部142と突起部132のネジ部132bとを螺合させるようにして貫通口132aに内挿することにより、取出部材14が蓋体本体13に取り付けられるようになっている。また、貫通口132aに内挿された取出部材14を、取り付け時の逆方向に回転させながら、ネジ部142、ネジ部132bの螺合を外すことにより、取出部材14が蓋体本体13から取り外されるようになっている。なお、取出部材14を蓋体本体13の貫通部132に嵌め込むことにより、取出部材14を蓋体本体13に取り付けるように構成されていても良い。本実施形態における取出部材14は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)等から形成されている。
【0024】
取出部材14は、容器本体11に取り付けられた状態で、家庭用薄葉紙Pを容器本体11の取り出し方向に貫通する取出孔141aを備え、容器本体11の内部に収納された家庭用薄葉紙Pを容器本体11の外側に取り出すための取出部141を形成している。
取出孔141aは、例えば、図3に示すように、取出部材14の凹部の略中心位置に形成され、容器本体11の内部と外部とを連通するように略円形状に開口している。取出孔141aの周囲の厚さは、取出部材14の外形縁部143の厚さよりも薄く形成されることで、取出孔141aの周囲が、家庭用薄葉紙Pの取り出し方向に撓むようになっている。これにより、取出孔141aから家庭用薄葉紙Pを取り出す際の撓みが復元する力によって家庭用薄葉紙Pが摩擦抵抗を受け、後続の家庭用薄葉紙Pを好適に保持できる。なお、取出孔141aの形状は円形状に限られず、長尺状のスリットや切込み等が設けられたものであっても良い。
【0025】
取出部材14は、例えば、左右方向(Y軸方向)の左端部又は右端部の一部を残して、略円形状の取出孔141aが貫通方向(Z軸方向)と直交する方向に分割されるようになっており、Z軸方向を中心軸としてY軸方向に開閉自在とされる。そして、図4に示すように、取出部材14が閉状態から開状態とされると、略円形状の取出孔141aが貫通方向と直交する方向に分割されて、取出孔141aの内周面が露出することとなる。また、図3に示すように、取出部材14が開状態から閉状態とされると、分割された取出孔141aが合体して、略円形状の取出孔141aが形成されることとなる。なお、取出部材14は、完全に分離可能であっても良い。
【0026】
トグルキャップ15は、例えば、蓋体本体13の上底部131に連結された基端部が、Y軸方向に沿って設けられた図示しない回動軸により、蓋体本体13の上底部131に対して回動自在に設けられている。
また、トグルキャップ15の下面には、取出部141を閉塞状態とした際に突起部134の係合突起134aと係合する係合部16が設けられている。この係合部16は、取出部141を閉塞する際に、突起部134の外周が当該係合部16の内周と接するようにして内挿されるように、トグルキャップ15の下面から円筒状ないし環状に突設されている。そして、トグルキャップ15は、例えば、閉塞状態と開放状態の中間位置において安定な状態を維持するように付勢されており、係合突起134aと係合部16との間の係合が解除されると、当該中間位置に維持されるようになっている。
なお、トグルキャップ15は、蓋体本体13の上底部131に対して、当該上底部131の厚さをY軸方向に沿って回動軸に相当する部分を薄く形成することにより、Y軸方向を中心にして折曲されることで開閉する構成としてもよい。
【0027】
次に、実施形態1に係る家庭用薄葉紙収納容器100における家庭用薄葉紙Pの詰め替え動作について説明する。
家庭用薄葉紙収納容器100に家庭用薄葉紙Pを詰め替える場合、まず、家庭用薄葉紙Pを、容器本体11の開口部11aからその内部に収納する。
次に、蓋体本体13の貫通口132aに取り付けられた取出部材14を取り外す(図3参照)。そして、蓋体本体13から取り外した取出部材14を左右方向に開く(図4参照)。これにより、取出孔141aが取出孔141aの貫通方向と直交する方向に2つに分割されて、取出孔141aの内周面が露出することとなる。
次に、分割された取出孔141aの何れか一方に、1枚目の家庭用薄葉紙Pの一端を、取出部材14の内側から外側に向かうようにして配置し(図6参照)、そのままの状態で取出部材14を閉じて取出孔141aを合体させる(図7参照)。これにより、家庭用薄葉紙Pの一端が、取出部材14の取出孔141aに挿通された状態となる。
【0028】
次に、家庭用薄葉紙Pの一端が挿通された状態のままで、取出部材14の外周が蓋体本体13の突起部132の内周面と接するように取出部材14を貫通口132aに挿入して、取出部材14を蓋体本体13に取り付ける。さらに、取出部材14が取り付けられた蓋体本体13を容器本体11に取り付ける(図8参照)。
これにより、容器本体11内部に収納された家庭用薄葉紙Pが、蓋体12に形成された取出部141の取出孔141aから上方に突出した状態となり、家庭用薄葉紙収納容器100からの家庭用薄葉紙Pの取り出しが可能となる。
【0029】
次に、家庭用薄葉紙収納容器100から家庭用薄葉紙Pを引き出して取り出す動作について説明する。
まず、トグルキャップ15を開き、家庭用薄葉紙収納容器100を開蓋された状態とする。開蓋された家庭用薄葉紙収納容器100では、家庭用薄葉紙Pの端部が、取出部141の取出孔141aから上方に僅かに突出した状態で保持されている。
そして、取出孔141aから突出している家庭用薄葉紙Pの一端を摘み、上方に引き上げる(図9参照)。このとき、取出孔141aには、家庭用薄葉紙Pが下方から上方、つまり、内側から外側に向けて擦れながら引き出されることによる力が作用するが、取出孔141aの周囲が上方に撓むことにより、取出孔141aが通常時よりも大きく開口されることとなる。従って、家庭用薄葉紙Pの取り出し抵抗が緩和される。また、これと同時に、取出孔141aの周囲が、下方向に向けて戻ろうとする力(復元力)が作用するため、家庭用薄葉紙Pを上方から下方側に向けて押さえ付ける力を作用させることとなる。これにより、当該取り出し中の家庭用薄葉紙Pと次の家庭用薄葉紙Pとの継ぎ目であるミシン目P1の部分まで引き出された際に、ミシン目P1に沿って家庭用薄葉紙Pが切り離される。そして、次の家庭用薄葉紙Pの上端部が取出孔141aに保持されることとなる。
【0030】
以上説明したように、実施形態1に係る家庭用薄葉紙収納容器100によれば、開口部11aを有し、内側に家庭用薄葉紙Pを収納する容器本体11と、開口部11aを閉塞するように容器本体11に着脱自在に取り付けられ、容器本体11に収納された家庭用薄葉紙Pを取り出すための取出部141が形成された蓋体12と、が備わり、蓋体12には、蓋体本体13が容器本体11に取り付けられた状態で家庭用薄葉紙Pの取り出し方向に貫通した貫通口132aが形成された貫通部132を有する蓋体本体13と、蓋体本体13の貫通部132に着脱自在に取り付けられ、取出部141を構成する取出部材14と、が備わる。また、取出部材14には、蓋体本体13に取り付けられた状態で家庭用薄葉紙Pの取り出し方向に貫通する取出孔141aが備わり、取出部材14は、取出孔141aを貫通方向と直交する方向に分割可能に構成されている。
即ち、家庭用薄葉紙Pを取り出すための取出部141を構成する取出部材14は、蓋体本体13から取り外し可能であり、更に、家庭用薄葉紙Pの取り出し方向に貫通する取出孔141aを、貫通方向と直交する方向に分割することができる。したがって、蓋体本体13から取り外した取出部材14の取出孔141aを分割して、分割された取出孔141aに家庭用薄葉紙Pを配置した後に、取出孔141aを合体させて取出部材14を蓋体本体13に取り付けることにより、家庭用薄葉紙Pが取出部141に挿通された状態とすることができる。よって、取出部141の穴が小さい場合であっても、家庭用薄葉紙Pを容易に取出部141に挿入することができる。
【0031】
[実施形態2]
次に、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器の実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同一の符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
図10は、本発明を適用した好適な実施形態2として例示する家庭用薄葉紙収納容器を正面上方から見た斜視図であり、図11は、図10におけるXI−XI断面を含む蓋体の横断面図である。図12は、ロール状に丸められた取出部材の斜視図であり、図13は、展開された状態の取出部材を示す図である。図14は、図11の家庭用薄葉紙収納容器において、蓋体本体から取出部材が取り外された状態を示す図である。図15〜図18は、実施形態2の家庭用薄葉紙収納容器における取出部に家庭用薄葉紙を挿通させる作業を説明するための図である。
【0032】
本実施形態2に係る家庭用薄葉紙収納容器200は、例えば、図10〜図18に示すように、内側にロール状の家庭用薄葉紙P(例えば、ロール状に巻かれたウェットシートやウェットティッシュ等のロールペーパー)を収納する容器本体11と、この容器本体11に設けられた開口部11aを閉塞するように容器本体11に着脱自在に取り付けられ、容器本体11に収納された家庭用薄葉紙Pを取り出すための取出部231が形成された蓋体21と、を備えて構成されている。
【0033】
蓋体21は、貫通部222を有する蓋体本体22と、蓋体本体22における当該貫通部222に着脱自在に取り付けられる取出部材23と、を備えて構成されている。
【0034】
蓋体本体22は、上底部221を有するとともに下端部が開放された有底円筒状をなし、開放された下端部の内周面には容器本体11の雄ネジ部11bと螺合する雌ネジ部223が設けられている。容器本体11と蓋体本体22とは、当該雄ネジ部11b,雌ネジ部223により着脱自在に連結される(図17参照)。
【0035】
蓋体本体22の上底部221には、その略中央部に、当該蓋体本体13が容器本体11に取り付けられた状態で家庭用薄葉紙Pの取り出し方向(Z軸方向)に貫通した貫通口222aが形成された貫通部222が設けられ、貫通部222の周囲には、例えば、円筒状ないし環状のZ軸方向上側(上方向)に突出する突起部224が設けられている。貫通口222aは、容器本体11の内部と外部とを連通するように略円形状に開口しており、上底部表面側の径が上底部裏面側の径よりも小さく形成されている。即ち、貫通口222aは、蓋体21が容器本体11に取り付けられた状態で、容器本体側から反対側に(即ち、下方向から上方向に)漸次縮径する形状となっている(図14参照)。
【0036】
取出部材23は、図13に示すように、蓋体本体22から取り外された状態で、帯状に展開可能に構成されており、展開された状態において、長手方向に沿った一方の縁部23aが鋸歯形状となっている。
この取出部材23を左右方向に巻くと、図12に示すように、ロール状となる。そして、ロール状に丸められた取出部材23を、鋸歯形状の縁部23aを上にして、容器本体11の上底部221の裏面側(即ち、蓋体21が容器本体11に取り付けられた状態における容器本体側)から、貫通部222の貫通口222aに挿入する。すると、図11に示すように、取出部材23の形状が貫通口222aの形状に合わせて変形し、下方向から上方向に漸次縮径する形状となって、ロール状に丸められた取出部材23の外周面が貫通口222aの内周面と接することとなる。
なお、取出部材23が予め筒状に形成されていても良い。
【0037】
次に、実施形態2に係る家庭用薄葉紙収納容器200における家庭用薄葉紙Pの詰め替え動作について説明する。
家庭用薄葉紙収納容器200に家庭用薄葉紙Pを詰め替える場合、まず、家庭用薄葉紙Pを、容器本体11の開口部11aからその内部に収納する。
次に、蓋体本体22の貫通口222aに取り付けられた取出部材23を、蓋体本体22の上底部221裏面側から取り外す。そして、取り外した取出部材23を帯状に展開する。これにより、取出部材23の内周面が露出することとなる(図13参照)。
次に、展開された取出部材23の内周面に、1枚目の家庭用薄葉紙Pの一端を、取出部材23の内側から外側(鋸歯形状の縁部23a側)に向かうようにして配置する(図15参照)。そして、そのままの状態で取出部材23を左右方向に巻き、ロール状とする(図16参照)。これにより、家庭用薄葉紙Pの一端が、取出部材23に挿通された状態となる。
【0038】
次に、家庭用薄葉紙Pの一端が挿通された状態のままで、ロール状に巻かれた取出部材23を、容器本体11の上底部221裏面側から、取出部材23の外周が貫通口222aの内周と接するようにして貫通口222aに挿入する。さらに、貫通口222aから上方に突出している家庭用薄葉紙Pの一端を摘み、上方に引き上げる。すると、取出部材23の形状が貫通口222aの形状に合わせて変形し、ロール状に丸められた取出部材23の外周面が貫通口222aの内周面と接して、取出部材23が蓋体本体22に取り付けられることとなる。さらに、取出部材23が取り付けられた蓋体本体22を容器本体11に取り付ける(図17参照)。
これにより、容器本体11内部に収納された家庭用薄葉紙Pが、蓋体21に形成された取出部231から上方に突出した状態となり、家庭用薄葉紙収納容器200からの家庭用薄葉紙Pの取り出しが可能となる。
【0039】
次に、家庭用薄葉紙収納容器200から家庭用薄葉紙Pを引き出して取り出す動作について説明する。
まず、トグルキャップ15を開き、家庭用薄葉紙収納容器200を開蓋された状態とする。開蓋された家庭用薄葉紙収納容器200では、家庭用薄葉紙Pの端部が、取出部231から上方に僅かに突出した状態で保持されている。
そして、取出部231から突出している家庭用薄葉紙Pの一端を摘み、上方に引き上げる(図18参照)。このとき、貫通口222aで係止されている取出部材23における鋸歯形状の縁部23aによって、家庭用薄葉紙Pに摩擦抵抗が生じることとなる。これにより、当該取り出し中の家庭用薄葉紙Pと次の家庭用薄葉紙Pとの継ぎ目であるミシン目P1の部分まで引き出された際に、ミシン目P1に沿って家庭用薄葉紙Pが切り離されるとともに、後続の家庭用薄葉紙Pが、その先端が突出した状態で好適に保持されることとなる。
【0040】
以上説明したように、実施形態2に係る家庭用薄葉紙収納容器200によれば、開口部11aを有し、内側に家庭用薄葉紙Pを収納する容器本体11と、開口部11aを閉塞するように容器本体11に着脱自在に取り付けられ、容器本体11に収納された家庭用薄葉紙Pを取り出すための取出部231が形成された蓋体21と、が備わり、蓋体21には、容器本体11に取り付けられた状態で家庭用薄葉紙Pの取り出し方向に貫通した貫通口222aが形成された貫通部222を有する蓋体本体22と、蓋体本体22の貫通部222に着脱自在に取り付けられ、取出部231を構成する取出部材23と、が備わる。また、取出部材23は、蓋体本体22から取り外された状態で、帯状に展開可能に構成されるとともに、ロール状に丸められた状態で蓋体本体22に取り付けられる。
即ち、家庭用薄葉紙Pを取り出すための取出部231を構成する取出部材23は、蓋体本体22から取り外し可能であり、更に、蓋体本体22から取り外された状態で帯状に展開可能であるとともに、ロール状に丸められた状態で蓋体本体22に取り付けられる。したがって、蓋体本体22から取り外した取出部材23を帯状に展開して、展開された取出部材23に家庭用薄葉紙Pを配置した後に、取出部材23をロール状に丸めて蓋体本体22に取り付けることにより、家庭用薄葉紙Pが取出部231に挿通された状態とすることができる。よって、取出部231の穴が小さい場合であっても、家庭用薄葉紙Pを容易に取出部231に挿入することができる。
【0041】
また、貫通口222aは、容器本体側から反対側に漸次縮径する形状となっている。
したがって、ロール状に丸めた取出部材23を蓋体本体22に容器本体11側から取り付けた後に、家庭用薄葉紙Pを引き出す際、取出部材23を貫通口222aで係止させることができることとなって、貫通口222aから家庭用薄葉紙のみを取り出すことができる。よって、取出部材23の貫通部222aへの固定が容易となり、家庭用薄葉紙収納容器200の使い勝手が向上することとなる。
【0042】
さらに、取出部材23の長手方向の一方の縁部23aが鋸歯形状となっている。
したがって、家庭用薄葉紙Pを引き出す際に、鋸歯形状の縁部23aによって家庭用薄葉紙Pが摩擦抵抗を受け、後続の家庭用薄葉紙Pを好適に保持することができる。
【0043】
なお、上記各実施形態においては、家庭用薄葉紙Pをロール状とし、その家庭用薄葉紙Pが上下方向(Z軸方向)に沿った軸心に巻かれた状態で容器本体11に収納されている場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、家庭用薄葉紙Pは、前後方向(X軸方向)や左右方向(Y軸方向)の軸心に巻かれた状態で容器本体11に収納されていてもよい。更に、層状に重ねられた状態で容器本体11に収納されていても良い。
また、取出部材23を貫通口222aの形状に合った形状に巻くことができるように、取出部材23に接着部を設けても良い。
【0044】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明を適用した好適な実施形態1として例示する家庭用薄葉紙収納容器を正面上方から見た斜視図である。
【図2】図1におけるII−II断面を含む蓋体の横断面図である。
【図3】取出部材の斜視図である。
【図4】取出部材の斜視図である。
【図5】図1の家庭用薄葉紙収納容器において、蓋体本体から取出部材が取り外された状態を示す図である。
【図6】実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器における取出部に家庭用薄葉紙を挿通させる作業を説明するための図である。
【図7】実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器における取出部に家庭用薄葉紙を挿通させる作業を説明するための図である。
【図8】実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器における取出部に家庭用薄葉紙を挿通させる作業を説明するための図である。
【図9】実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器における取出部に家庭用薄葉紙を挿通させる作業を説明するための図である。
【図10】本発明を適用した好適な実施形態2として例示する家庭用薄葉紙収納容器を正面上方から見た斜視図である。
【図11】図10におけるXI−XI断面を含む蓋体の横断面図である。
【図12】ロール状に丸められた取出部材の斜視図である。
【図13】展開された状態の取出部材を示す図である。
【図14】図11の蓋体において、蓋体本体から取出部材が取り外された状態を示す図である。
【図15】実施形態2の家庭用薄葉紙収納容器における取出部に家庭用薄葉紙を挿通させる作業を説明するための図である。
【図16】実施形態2の家庭用薄葉紙収納容器における取出部に家庭用薄葉紙を挿通させる作業を説明するための図である。
【図17】実施形態2の家庭用薄葉紙収納容器における取出部に家庭用薄葉紙を挿通させる作業を説明するための図である。
【図18】実施形態2の家庭用薄葉紙収納容器における取出部に家庭用薄葉紙を挿通させる作業を説明するための図である。
【符号の説明】
【0046】
100 家庭用薄葉紙収納容器
11 容器本体
11a 開口部
12 蓋体
13 蓋体本体
132 貫通部
132a 貫通口
14 取出部材
141 取出部
141a 取出孔
200 家庭用薄葉紙収納容器
21 蓋体
22 蓋体本体
222 貫通部
222a 貫通口
23 取出部材
231 取出部
23a 縁部
P 家庭用薄葉紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有し、内側に家庭用薄葉紙を収納する容器本体と、前記開口部を閉塞するように前記容器本体に着脱自在に取り付けられ、前記容器本体に収納された家庭用薄葉紙を取り出すための取出部が形成された蓋体と、を備えた家庭用薄葉紙収納容器であって、
前記蓋体は、
前記容器本体に取り付けられた状態で前記家庭用薄葉紙の取り出し方向に貫通した貫通口が形成された貫通部を有する蓋体本体と、
前記蓋体本体の前記貫通部に着脱自在に取り付けられ、前記取出部を構成する取出部材と、
を備え、
前記取出部材は、前記蓋体本体に取り付けられた状態で前記家庭用薄葉紙の取り出し方向に貫通する取出孔を備え、当該取出孔を貫通方向と直交する方向に分割可能に構成されていることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項2】
開口部を有し、内側に家庭用薄葉紙を収納する容器本体と、前記開口部を閉塞するように前記容器本体に着脱自在に取り付けられ、前記容器本体に収納された家庭用薄葉紙を取り出すための取出部が形成された蓋体と、を備えた家庭用薄葉紙収納容器であって、
前記蓋体は、
前記容器本体に取り付けられた状態で前記家庭用薄葉紙の取り出し方向に貫通した貫通口が形成された貫通部を有する蓋体本体と、
前記蓋体本体の前記貫通部に着脱自在に取り付けられ、前記取出部を構成する取出部材と、
を備え、
前記取出部材は、前記蓋体本体から取り外された状態で、帯状に展開可能に構成されるとともに、ロール状に丸められた状態で前記蓋体本体に取り付けられることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項3】
前記貫通口は、前記容器本体側から反対側に漸次縮径する形状となっていることを特徴とする請求項2に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項4】
前記取出部材の長手方向に沿った一方の縁部が鋸歯形状となっていることを特徴とする請求項2又は3に記載の家庭用薄葉紙収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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