説明

家庭用薄葉紙収納容器

【課題】家庭用薄葉紙の詰め替えを容易に行うことができる家庭用薄葉紙収納容器を実現する。
【解決手段】家庭用薄葉紙収納容器100における容器本体10の開口部11を閉蓋する複数の封止片20を弾性変形可能な材料で形成することで、容器本体10に装填する詰め替え用の新たな家庭用薄葉紙Pで封止片20を押し開いて、容器本体10内に家庭用薄葉紙Pを収納することを可能にし、また、容器本体10内に家庭用薄葉紙Pが収納された後、複数の封止片20が復元することで容器本体10の開口部11を閉蓋することを可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェットシートやウェットティッシュ等の家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家屋の床やトイレ、或いは人体などを拭くための家庭用薄葉紙を収納する家庭用薄葉紙収納容器が知られている。
そして、容器本体と、その容器本体に螺合する蓋体とを備える家庭用薄葉紙収納容器内に収納されている家庭用薄葉紙を、蓋体に設けられている貫通孔から取り出して使用するようになっているものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−149320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の収納容器の場合、詰め替え用の新たな家庭用薄葉紙を装填するには、容器本体から蓋体を外す、容器本体の中に新たな家庭用薄葉紙を入れる、その家庭用薄葉紙の1枚目の端部を蓋体の貫通孔に通す、容器本体に蓋体を螺合させる、といった手順を要し、詰め替えの度に蓋体の脱着を行う必要があった。
また、家庭用薄葉紙を家庭用薄葉紙収納容器から取り出し可能とするために、家庭用薄葉紙の端部を蓋体の貫通孔に通す作業は煩雑であり、詰め替え作業に手間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、家庭用薄葉紙の詰め替えを容易に行うことができる家庭用薄葉紙収納容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、家庭用薄葉紙収納容器であって、
上部に開口部が設けられ、家庭用薄葉紙を内部に収納する有底の容器本体と、
一端部が前記開口部の縁に固定され、他端部を前記開口部の中央側に向けて配して前記開口部を塞ぐ複数の封止片と、
を備え、
前記封止片は、前記容器本体に装填される前記家庭用薄葉紙に押されて前記容器本体の底面に前記他端部を向けるように変形した後、前記開口部を塞ぐ配置に復元可能であることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記封止片は、前記開口部を塞ぐ配置で互いに突き合わせる前記他端部間で、前記家庭用薄葉紙を保持することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の家庭用薄葉紙収納容器において、
前記封止片は、隣接する封止片同士で重なり合っていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、この家庭用薄葉紙収納容器に家庭用薄葉紙を収納する際、容器本体の開口部を塞いでいる複数の封止片を家庭用薄葉紙で押し開くように、封止片の他端部を容器本体の底面に向けて変形させて、その家庭用薄葉紙を容器本体内に押し入れることができる。そして、その容器本体内に家庭用薄葉紙が収納された後、複数の封止片が元の配置に復元することで開口部を閉蓋するようになっているので、家庭用薄葉紙の詰め替えを容易に行うことができる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、容器本体の開口部を塞いでいる複数の封止片が、その封止片の他端部間で家庭用薄葉紙を保持しているので、複数の封止片の他端部が互いに突き合わせている部分を家庭用薄葉紙の取出口として機能させることができ、複数の封止片からなる取出口から家庭用薄葉紙を取り出すことができる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、容器本体の開口部を塞いでいる複数の封止片が、隣接する封止片同士で重なり合うことで、封止片間に隙間が生じ難くなっているので、複数の封止片からなる蓋体が開口部を閉蓋することによって、収納容器内の気密性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態1における家庭用薄葉紙収納容器を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II線における断面図である。
【図3】封止片の変形例を示す斜視図である。
【図4】実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器に家庭用薄葉紙を装填する状態を示す説明図である。
【図5】実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器の変形例を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態2における家庭用薄葉紙収納容器を示す斜視図である。
【図7】図6のVII−VII線における断面図であり、段差面で重なった封止片の拡大図(a)と、傾斜面で重なった封止片の拡大図(b)である。
【図8】本発明の実施形態3における家庭用薄葉紙収納容器を示す斜視図である。
【図9】図8のIX−IX線における断面図である。
【図10】実施形態3の家庭用薄葉紙収納容器に家庭用薄葉紙を装填する状態を示す説明図である。
【図11】本発明の実施形態4における家庭用薄葉紙収納容器を示す斜視図である。
【図12】図11のXII−XII線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図を参照して、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器の具体的な態様を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0014】
(実施形態1)
図1は、本発明を適用した好適な実施形態として例示する家庭用薄葉紙収納容器100の斜視図である。図2は、その家庭用薄葉紙収納容器100の断面図である。
【0015】
家庭用薄葉紙収納容器100は、例えば、図1、図2に示すように、上部に開口部11が設けられた容器本体10と、容器本体10の開口部11を塞ぐ複数(本実施形態では8枚)の封止片20…と、を備えている。
【0016】
容器本体10は、例えば、図1、図2に示すように、その上端に開口部11が形成されている有底円筒形状のボトルであり、開口部11に相当する上面に対向する配置の底面部12を有している。
開口部11の縁には、封止片20を配設するための枠部11aが設けられている。枠部11aは、容器本体10の内壁面から開口部11の中央側に向かって底面部12と平行に延出しており略円環形状を呈している。この枠部11aの上面に封止片20が取り付けられる。
この容器本体10は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、或いはPET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS樹脂等から形成されている。
【0017】
そして、この容器本体10の内部にロール状の家庭用薄葉紙P(例えば、ロール状に巻かれたウェットシートやウェットティッシュ等のロールペーパー)が収納される。なお、家庭用薄葉紙収納容器100に収納するロール状に巻かれた家庭用薄葉紙Pには、長さ方向に一定間隔をおいてミシン目が施されており、そのミシン目に沿って切り離したサイズの家庭用薄葉紙Pを、ユーザが使用するようになっている。
【0018】
封止片20は、例えば、図1、図2に示すように、円がほぼ8等分された扇形を呈する平板状の部材であり、円弧状の一端部21が開口部11の枠部11aに固定されている。その一端部21の円弧を繋げて円をなすように、8枚の封止片20が枠部11aに固定されており、封止片20の他端部22が開口部11の略中央で突き合わされている。
この封止片20は、例えば、シリコンゴムからなる弾性変形可能な部材である。封止片20は、例えば、枠部11aに接着または融着されて固定されている。
【0019】
また、8枚の封止片20を組み合わせることで略円形状の蓋体を構成するようになっており、8枚の封止片20からなる蓋体によって開口部11が閉蓋されている。
その8枚の封止片20が容器本体10の開口部11を塞ぐ配置であり、封止片20の他端部22が開口部11の略中央で突き合わされている配置において、封止片20の他端部22間で家庭用薄葉紙Pが保持されるようになっている。つまり、8枚の封止片20が容器本体10の開口部11を塞いで、その封止片20の他端部22を開口部11の略中央で突き合わせている部分が家庭用薄葉紙Pの取出口として機能する。
具体的に、封止片20の他端部22が突き合わされてなる取出口は、ロール状に巻回された家庭用薄葉紙Pを引き出す際に、家庭用薄葉紙Pに設けられている切断用のミシン目で家庭用薄葉紙P同士を切断する機能を果たす。また、その取出口は、先の家庭用薄葉紙Pが引き出された後に、次の家庭用薄葉紙Pを挟んで保持する機能を果たす。
例えば、この取出口としての封止片20の他端部22間に保持されている家庭用薄葉紙Pが引き出される際に封止片20と擦れ、家庭用薄葉紙Pに摩擦力が付与されることで、ミシン目に沿って家庭用薄葉紙Pが切断されるようになっている。封止片20の他端部22間で家庭用薄葉紙Pを挟持する保持力や、封止片20が家庭用薄葉紙Pに付与する摩擦力は、封止片20の厚みや硬さを調整することによって調節でき、家庭用薄葉紙収納容器100から家庭用薄葉紙Pを取り出すことに適切な状態に調節されている。
【0020】
なお、ここでは扇形を呈する8枚の封止片20を組み合わせることで略円形状の蓋体を構成するようにしたが、蓋体の形状はこれに限らない。
例えば、図3に示すように、円形状のシリコンゴム板にその円の略中心を通るカットを施し、その直径よりも僅かに短い切込部23を45°間隔で4本形成することで、8つの封止片20aを形成した蓋体25であってもよい。この蓋体25は、8つの封止片20aが円周側で一体に繋がった形状を有しており、その円周部分を開口部11の枠部11aに固定して、容器本体10に取り付けることができる。
この蓋体25であれば、8つの封止片20aが一端部側に相当する円周側で一体に繋がり、その8つの封止片20aの他端部が円の中心側で突き合わされて家庭用薄葉紙Pの取出口になるので、1枚のシリコンゴム板であっても、8枚の封止片20の一端部21を枠部11aに固定した蓋体と同様の機能を果たすことができる。
【0021】
このような家庭用薄葉紙収納容器100における家庭用薄葉紙Pの詰め替えに際して、家庭用薄葉紙収納容器100に新たな家庭用薄葉紙Pを収納する場合、例えば、図4に示すように、封止片20が設けられている容器本体10の開口部11側から家庭用薄葉紙Pを容器本体10内に押し入れて装填する。
このとき封止片20は、容器本体10に装填される家庭用薄葉紙Pに押されて撓み、容器本体10の底面部12に封止片20の他端部22を向けるように弾性変形する。
そして、家庭用薄葉紙Pが底面部12に達し、家庭用薄葉紙Pが封止片20を通過すれば、封止片20は開口部11を塞ぐ配置に復元する。この際、ユーザが家庭用薄葉紙Pの1枚目の端部を開口部11付近まで摘み上げることで、図2に示すように、その1枚目の家庭用薄葉紙Pを封止片20の他端部22間に容易に保持させることができる。
また、8枚の封止片20からなる蓋体が開口部11を閉蓋することにより、容器内の気密性を高め、容器内に収納したウェットタイプの家庭用薄葉紙Pの乾燥を低減することができる。また、容器内に異物などが混入してしまうことを防ぎ、内部に収納されている家庭用薄葉紙Pの汚染を低減することができる。
【0022】
以上のように、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器100は、容器本体10の開口部11を閉蓋している複数の封止片20が弾性変形可能であるので、容器本体10に装填する詰め替え用の新たな家庭用薄葉紙Pで封止片20を押し開いて、容器本体10内に家庭用薄葉紙Pを収納することができる。また、容器本体10内に家庭用薄葉紙Pが収納された後、封止片20が復元することで、容器本体10の開口部11を閉蓋することができる。
そして、封止片20が開口部11を塞ぐ配置に復元する際に、新たな家庭用薄葉紙Pの1枚目の家庭用薄葉紙Pを封止片20の他端部22間に保持させれば、家庭用薄葉紙Pの詰め替え作業が完了し、その家庭用薄葉紙収納容器100から家庭用薄葉紙Pを取り出し可能になる。
つまり、この家庭用薄葉紙収納容器100において家庭用薄葉紙Pの詰め替えを行う場合、家庭用薄葉紙Pで封止片20を押し開くようにして、その家庭用薄葉紙Pを容器本体10に押し入れることができ、容器本体10内に家庭用薄葉紙Pが収納された後、封止片20が閉蓋の配置に復元することで家庭用薄葉紙Pの詰め替え作業が完了するので、家庭用薄葉紙Pの詰め替えを容易に行うことができる。
【0023】
なお、上記実施形態1では、8枚の封止片20(或いは、8つの封止片20aが形成された略円形の蓋体25)によって、開口部11を閉蓋する家庭用薄葉紙収納容器100について説明したが、封止片の数は2枚(2つ)以上の任意の数であってよい。但し、複数の封止片の他端部を突き合わせてなる取出口を良好に機能させるためには、封止片は10枚以下であることが好ましい。封止片が10枚を超えると、家庭用薄葉紙Pに適切な摩擦力を付与できなくなったり、封止片間の隙間が多くなって容器内の気密性が低下したりする不具合が生じてしまうことがある。
そして、例えば、図5に示すように、略半円状の扇形を呈する2枚の封止片30を備える家庭用薄葉紙収納容器101の場合、封止片30の一端部31を開口部11の枠部11aに固定して、その封止片30の他端部32を開口部11の中央側で突き合わせるが、特に、封止片30の他端部32側に切込部33を形成することが好ましい。
この切込部33は、封止片30の他端部32側の略中央に、扇形の半径の1/4から1/2程度の短いカットを施してなる切れ目である。封止片30の他端部32に切込部33を形成することで、家庭用薄葉紙収納容器101に装填する家庭用薄葉紙Pで封止片30を押し開きやすくなり、家庭用薄葉紙Pの詰め替えが行い易くなる。また、2枚の封止片30であっても4つの他端部を突き合わせたような取出口とすることができ、取出口として良好に機能させることができる。
【0024】
(実施形態2)
次に、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器の実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同符号を付して説明を割愛する。
【0025】
家庭用薄葉紙収納容器102は、例えば、図6に示すように、上部に開口部11が設けられた容器本体10と、容器本体10の開口部11を塞ぐ複数(本実施形態では8枚)の封止片40…と、を備えている。
【0026】
封止片40は、封止片40の他端部42の先端から一端部41に向かう一方の縁部が張り出しており、実施形態1の封止片20に比べて大きな形状を有している。
そして、容器本体10の開口部11の枠部11aに固定された8枚の封止片40は、隣接する封止片40同士で重なり合っており、一方の縁部が他方の縁部に乗り掛かるように重なっている。
特に、封止片40の一方の縁部の下面40dが、隣接する封止片40の他方の縁部の上面40uを覆うように重なっており、例えば、図7(a)に示すように、それぞれの縁部に形成された段差面を継ぎ合わせるように、段差面としての下面40dと上面40uが向き合って、下面40dが上面40uを覆っていてもよく、また、図7(b)に示すように、それぞれの縁部に形成された傾斜面を密接させるように、傾斜面としての下面40dと上面40uが向き合って、下面40dが上面40uを覆っていてもよい。
この封止片40も、弾性変形可能なシリコンゴムからなる。
【0027】
このような家庭用薄葉紙収納容器102であっても、家庭用薄葉紙Pの詰め替えを行う際、家庭用薄葉紙Pで封止片40を押し開くようにして、その家庭用薄葉紙Pを容器本体10に押し入れることができ、容器本体10内に家庭用薄葉紙Pが収納された後、封止片40が閉蓋の配置に復元することで家庭用薄葉紙Pの詰め替え作業が完了するので、家庭用薄葉紙Pの詰め替えを容易に行うことができる。
特に、隣接する封止片40同士が重なり合うことで、封止片40間に隙間が生じ難くなっているので、8枚の封止片40からなる蓋体が開口部11を閉蓋することによって、容器内の気密性をより一層高めることができる。そして、容器内に収納したウェットタイプの家庭用薄葉紙Pの乾燥を防いだり、容器内に異物などが混入してしまうことを防いだりすることができる。
【0028】
(実施形態3)
次に、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器の実施形態3について説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同符号を付して説明を割愛する。
【0029】
家庭用薄葉紙収納容器103は、例えば、図8、図9に示すように、上部に開口部11が設けられた容器本体10と、容器本体10の開口部11を塞ぐ複数(本実施形態では4枚)の封止片50…と、を備えている。
【0030】
封止片50は、例えば、図8〜図10に示すように、円がほぼ4等分された扇形を呈する平板状の部材であり、円弧状の一端部51が開口部11の枠部11aに固定されている。その一端部51の円弧を繋げて円をなすように、4枚の封止片50が枠部11aに固定されており、封止片50の他端部52が開口部11の略中央で突き合わされている。
また、封止片50における一端部51の円弧の両端を繋ぐ弦に相当する部分に直線状の肉薄部54が形成されている。この肉薄部54を回動軸として、封止片50の他端部52側の略三角形の領域が、容器本体10の内部に向かって回動するようになっている。なお、この肉薄部54は、封止片50の他端部52側が底面部12に対して略平行となる配置から容器本体10の内部に向かって略90°折れ曲がる範囲で回動可能とする回動軸であり、封止片50の他端部52側が底面部12に対して略平行となる配置から上方には回動しないようになっている。
この封止片50は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、或いはPET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS樹脂等から形成されている。
【0031】
この家庭用薄葉紙収納容器103における家庭用薄葉紙Pの詰め替えに際して、家庭用薄葉紙収納容器103に新たな家庭用薄葉紙Pを収納する場合、例えば、図10に示すように、封止片50が設けられている容器本体10の開口部11側から家庭用薄葉紙Pを容器本体10内に押し入れて装填する。
このとき封止片50の他端部52側が、容器本体10に装填される家庭用薄葉紙Pに押されて回動し、容器本体10の底面部12に封止片50の他端部52を向けるように変形する。
そして、家庭用薄葉紙Pを容器本体10内に収納した後、封止片50の他端部52側を引き上げるように回動させて復元し、封止片50が開口部11を塞ぐ配置に戻す。この際、ユーザが家庭用薄葉紙Pの1枚目の端部を開口部11付近まで摘み上げることで、図9に示すように、その1枚目の家庭用薄葉紙Pを封止片50の他端部52間に容易に保持させることができる。
なお、封止片50は、他端部52側が底面部12に対して略平行となる配置から上方には回動しないようになっているため、封止片50の他端部52は、引き出される家庭用薄葉紙Pに適切な摩擦力を付与できるので、封止片50の他端部52が突き合わされている部分は、家庭用薄葉紙Pを引き出す取出口としての機能を好適に果たすことができる。
【0032】
このような家庭用薄葉紙収納容器103であっても、家庭用薄葉紙Pの詰め替えを行う際、家庭用薄葉紙Pで封止片50を押し開くようにして、その家庭用薄葉紙Pを容器本体10に押し入れることができ、容器本体10内に家庭用薄葉紙Pが収納された後、封止片50を閉蓋の配置に復元させることで家庭用薄葉紙Pの詰め替え作業が完了するので、家庭用薄葉紙Pの詰め替えを容易に行うことができる。
【0033】
(実施形態4)
次に、本発明に係る家庭用薄葉紙収納容器の実施形態4について説明する。なお、実施形態1と同様の構成については、同符号を付して説明を割愛する。
【0034】
家庭用薄葉紙収納容器104は、例えば、図11、図12に示すように、上部に開口部11が設けられた容器本体10と、容器本体10の開口部11を塞ぐ複数(本実施形態では8枚)の封止片20…と、封止片20よりも上方の開口部11の上端側に設けられた蓋部90と、を備えている。
【0035】
蓋部90は、封止片20が固定された枠部11aよりも上方の開口部11の上端に回動軸91を介して軸支された円板状の部材である。
この蓋部90は、例えば、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、或いはPET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS樹脂等から形成されている。
【0036】
この蓋部90が回動することによって、開口部11の上端の内壁に内接する閉蓋の配置と、封止片20を露出させる開蓋の配置に切り替え可能になっている。
つまり、家庭用薄葉紙収納容器104は、8枚の封止片20を組み合わせてなる蓋体を内蓋とし、蓋部90を外蓋とする二重栓構造を有している。
【0037】
この家庭用薄葉紙収納容器104における家庭用薄葉紙Pの詰め替えに際して、蓋部90を開蓋して8枚の封止片20からなる内蓋としての蓋体を露出させれば、実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器100と同様に、容器本体10に装填する詰め替え用の新たな家庭用薄葉紙Pで封止片20を押し開いて、容器本体10内に家庭用薄葉紙Pを収納することができる。
また、家庭用薄葉紙Pの詰め替え後や、家庭用薄葉紙Pを長期間使用しない状況において、蓋部90を閉蓋すれば、8枚の封止片20からなる内蓋としての蓋体と、外蓋としての蓋部90とによって、2段階で開口部11を塞ぐことができ、容器内の気密性をより一層高めることができる。そして、容器内に収納したウェットタイプの家庭用薄葉紙Pの乾燥を適切に防ぐことができる。
【0038】
このような蓋部90を備える家庭用薄葉紙収納容器104であっても、実施形態1の家庭用薄葉紙収納容器100と同様に、家庭用薄葉紙Pの詰め替えを容易に行うことができる。
【0039】
なお、以上の実施の形態においては、複数の封止片を同一形状とし、複数の封止片を組み合わせてなる蓋体で開口部11を閉蓋するとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、異なる形状の封止片、例えば、中心角が異なる扇形の封止片を組み合わせて、開口部11を閉蓋するようにしてもよい。
【0040】
また、実施形態3において、ユーザが封止片50を引き上げるように回動させて復元するとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、封止片50にバネ部材を設けるなどして、そのバネ部材の反発力で封止片50を回動させて閉蓋の配置に復元するようにしてもよい。
【0041】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0042】
10 容器本体
11 開口部
11a 枠部
12 底面部
20、30 封止片
21、31 一端部
22、32 他端部
25 蓋体
20a 封止片
40 封止片
40u 上面
40d 下面
41 一端部
42 他端部
50 封止片
51 一端部
52 他端部
54 肉薄部
90 蓋部
P 家庭用薄葉紙
100、101、102、103、104 家庭用薄葉紙収納容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部に開口部が設けられ、家庭用薄葉紙を内部に収納する有底の容器本体と、
一端部が前記開口部の縁に固定され、他端部を前記開口部の中央側に向けて配して前記開口部を塞ぐ複数の封止片と、
を備え、
前記封止片は、前記容器本体に装填される前記家庭用薄葉紙に押されて前記容器本体の底面に前記他端部を向けるように変形した後、前記開口部を塞ぐ配置に復元可能であることを特徴とする家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項2】
前記封止片は、前記開口部を塞ぐ配置で互いに突き合わせる前記他端部間で、前記家庭用薄葉紙を保持することを特徴とする請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納容器。
【請求項3】
前記封止片は、隣接する封止片同士で重なり合っていることを特徴とする請求項1又は2に記載の家庭用薄葉紙収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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