説明

容器、その素材及び容器を製造する方法

容器は、プラスチック、可塑化材料又は金属化材料から作成されたそれぞれのフラップ(6)を有する少なくとも第一の壁(2a)及び第二の壁(2b)を具備し、フラップは、互いに重なるように係合してそれぞれの壁(2a,2b)を相互接続させる。各フラップ(6)には材料のストリップ(7)が取り付けられ、ストリップは、フラップ(6)に固定された第一の面(7a)と、第一の面(7a)の反対側に、液体又はペーストの接着材のコーティングを保持することのできる第二の面(7b)とを有する。ストリップ(7)の第二の面(7b)は、一体的に接着され、接合されたフラップ(6)を互いに固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器、素材及び容器を製造する方法に関する。
【0002】
具体的には、本発明は、香水、石鹸、宝石及びその他のものなどの消費製品用の容器に関する。
【0003】
例として、制限することなく、本発明は、紙巻タバコ又は葉巻タバコなどのタバコ製品用の箱に関する。
【背景技術】
【0004】
先行技術は、打ち抜かれた素材から作られた実質的に固い外側の包みを有する容器を含む。
【0005】
さらに厳密には、素材は、選択的に配置された折れ線及び刻み目線(score line)に沿って折ることのできるラッピング材料の平坦な部品から構成される。折れ線及びスコア線は、一連のパネルと、素材が折られて容器を組み立てるときに、事前に決められている固定領域で重ねられるように配置された複数のフラップとの境界を定めるのに役立つ。
【0006】
こうしたフラップを一体的に接合し容器を組み立てる方法は一般的に、フラップが一体的に組み合わされるときに互いに迅速に接着するように、上述の固定領域に接着剤の、好ましくは常温硬化接着剤の層を適用する段階を含む。
【0007】
便利である一方で、当該方法は、容器のフラップ又は実際には容器の全ての部分がプラスチック、可塑化材料又は金属化材料から作成されるときには、効果の低いものとなる。
【0008】
実際には、そのような材料は、不浸透性のものであって常温硬化接着剤を保持することができず、その結果、フラップをこの方法によって一体的に接着することができない。
【0009】
先行技術の製造システムでは、この欠点は、上述の不浸透性の材料でも加熱すると接着することができるホットメルト接着剤を使用することによって克服される。
【0010】
それにもかかわらず、このタイプの接着剤は、多くの欠点をもたらし、一般的に最終消費者に対して不評である。
【0011】
第一に、ホットメルト接着剤は、加硫後も不快臭を発する傾向があり、このことは、特に紙巻タバコ又は香水を保持する容器の場合に、魅力のない製品を供給し、製品の質に悪影響を与えるおそれがある。
【0012】
さらに、ホットメルト接着剤は典型的に冷えたときに結晶化し、時として、壊れやすくなると共に砕け易くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、上述のように、先行技術に付随する欠点に影響を受けない容器を提供することである。
【0014】
本発明のさらなる目的は、そのような容器を製造する容易でありかつ信頼性のある方法を提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、容器を容易かつ確実に製造することができる素材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述の目的は、特徴が添付の請求項1〜6の1又は複数において列挙されている容器と、特徴が請求項7〜10の1又は複数において列挙されている素材と、特徴が請求項11〜13の1又は複数において列挙されている、容器を製造する方法とによって実現される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る具体化された容器であって、その構造の詳細を示すために部分的に切り取られた容器の斜視図。
【図2】本発明に係る具体化された素材であって、その構造の詳細を示すために部分的に切り取られた素材の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
これより、例として添付の図面の補助により、詳細に本発明を説明する。
【0019】
図1及び2を参照すると、参照番号1は、本発明により具体化された容器を全体的に示す。
【0020】
例として、ひいては制限することなく、以下の明細書では、紙巻タバコ又は葉巻タバコなどのタバコ製品のための箱について参照される。
【0021】
容器1は、Pで示される箱の部分を形成し、上述の製品(紙巻タバコ又は葉巻タバコ)を導入し又は取り出す開口1aを有する。箱Pはさらに、蝶番線1bに沿って容器1に取り付けられると共に開口1aをそれぞれ露出し隠匿する位置同士の間で回転可能に取り付けられた蓋4を備える。
【0022】
容器1は複数の壁2を具備し、壁2は、互いに接続され、複数のタバコ製品、典型的には紙巻タバコ又は葉巻タバコを保持するような囲壁の範囲を定める。示されている例では、タバコ製品は、包装材料の内部包装紙8によって包まれている。
【0023】
壁2は、プラスチック、可塑化材料又は金属化材料から作成される。
【0024】
すなわち、容器1の(実際には概して箱Pの)外側壁2は、実質的に不透液性の材料から作られる。
【0025】
本発明によれば、容器1は、少なくとも互いに連結される第一の壁2a及び第二の壁2bを具備する。さらに正確には、第一の壁2a及び第二の壁2bはそれぞれ、少なくとも1つの対応する接続フラップ6を有し、フラップ6は互いに係合して、それぞれの2つの壁2を相互接続する。
【0026】
本発明によれば、フラップ6は、プラスチック、可塑化材料又は金属化材料から構成され、すなわち、それぞれの壁2と同じ材料である。事実上、各フラップ6及びそれぞれの壁2は1つの部品として作られる。
【0027】
示されている例では、容器1は、前壁3a、後壁3b、2つの脇壁3c及び底壁3dを有する。
【0028】
さらに正確には、前壁3a及び後壁3bは互いに平行に配置されかつ互いに対面し、脇壁3cは、互いに平行に配置されかつ互いに対面し、前壁3a及び後壁3bに対して横断方向に配置される一方で、底壁3dは前壁3a、後壁3b及び2つの脇壁3cに対して横断方向に配置される。
【0029】
したがって、容器1の壁2は、実質的に平行六面体形状の構造になるように結合される。
【0030】
図1を参照すると、第一の壁2a及び第二の壁2bがそれぞれ、前壁3a及び後壁3bと一致する。
【0031】
示されている例では、第一の壁2a及び第二の壁2bの両方はそれぞれ、同一の第一の壁2a及び第二の壁2bから両側に横方向に突出する一対のフラップ6a,6bを有する。具体的には、第一の壁2aの各フラップ6aは、第二の壁2bのそれぞれのフラップ6bと係合する。
【0032】
したがって、示されている例では、2対のフラップ6が重なって接触するように係合し、第一の壁2aと第二の壁2bとの間に配置された、容器のさらなる2つの壁2cを作り出す。実際には、前述のさらなる壁2cは、箱Pの容器1によって与えられる前述の脇壁3cと一致する。
【0033】
参照番号7は各フラップ6に付設されたストリップを示し、ストリップは、フラップ6に固定された第一の面7aを有し、第一の面7aの反対側に第二の面7bを有する。
【0034】
容器1の好ましい実施形態では、各ストリップ7の第一の面7aは、感圧接着剤の層によって被覆され、それによりそれぞれのフラップ6に貼り付けることができる。
【0035】
他の可能性のある実施形態(図示せず)では、接着剤、金属のとじ金又は他の固定媒体の様々なタイプのものを利用して、各ストリップ7の第一の面7aをそれぞれのフラップ6に固定することができる。
【0036】
容器の両側に位置するフラップ6は、対応するストリップ7の第二の面7bと互いに組み合わせて一組にすることによって、一体的に接着される。各フラップ6の第二の面7bは、液体又はペーストの粘度を有する一定の常温硬化接着剤を留めておくことができる材料から作成されている。このように、従来の常温硬化接着剤を使用して、フラップ6を一体的に接着することができる。
【0037】
好ましくは、各ストリップ7の第二の面7bは紙材料からなり、示されている好ましい実施形態では、各ストリップ7の第一の面7aは同様に紙材料からなる。つまり、各ストリップ7は全体的に紙材料から作成されている。
【0038】
容器の上述の記載は、図1に示されている蓋4に関して全てが適用可能である。つまり、蓋4は、複数の壁5を備え、具体的には前壁5a、後壁5b、2つの脇壁5c及び頂壁5dを備える。
【0039】
壁5は、容器1の場合と同様に、互いに係合することができる、それぞれ対となっているフラップ6’を有し、それぞれ前及び後の壁5を相互接続する。
【0040】
容器1の壁2に付設されたフラップ6の記載は、蓋4の壁5に付設されたフラップ6’に全体的に適用可能であり、それにより本発明のさらなる用途を示す。
【0041】
図面の図2を参照すると、参照番号10は、例として、図1に示されている箱Pを作る平坦な打ち抜かれた素材を示す。
【0042】
素材10は互いに接合された複数のパネル12を具備し、各パネルは、上記記載において記載された、容器1のそれぞれの壁2と蓋4のそれぞれの壁5との両方又は一方を構成する。
【0043】
本発明によれば、素材10はそれぞれ、第一の壁2a及び第二の壁2bを構成する第一のパネル12a及び第二のパネル12bを少なくとも具備する。
【0044】
各パネル12は、それぞれの壁2のフラップ6に対応する、それぞれ少なくとも1つのタブ16を有し、さらに正確には、両側に1つずつ配置される1対のタブ16を有する。
【0045】
示されている例では、素材10は6つのパネル12を具備し、パネルはそれぞれ、容器2の前壁3a、後壁3b及び底壁3dと蓋4の前壁5a、後壁5b及び頂壁5dとを構成する。
【0046】
示されている好ましい実施形態では、各パネル12は、それぞれの折れ線11aに沿って隣接するパネル12に対して蝶番式に接続されている。加えて、各タブ16は、さらなる折れ線11bに沿ってそれぞれのパネル12に接続される。
【0047】
図2に示すように、最初に言及した折れ線11aは、さらなる折れ線11bに対して横断方向に延びる。
【0048】
各タブ16には、以前に記載したストリップ7の1つが取り付けられ、各ストリップは、それぞれのタブ16に固定される第一の面7aによって位置決めされ、液体又はペーストの粘度を有する一定の接着剤を留めるような材料から作られた第二の面7bを有する。
【0049】
繰り返すと、各ストリップ7の第一の面7aは、感圧接着剤の層によって被覆され、それによりそれぞれのタブ16に貼り付けることができる。
【0050】
本発明は、記載されかつ示された容器1を製造する方法にも関する。
【0051】
そのような方法の第一の段階は、上述のような素材10を準備することである。
【0052】
素材10が準備されると、一体的に接合されるべき各対のタブ16に結合された少なくとも1つのストリップ7に、一定の液体接着剤を付着させる。(包装機械の範囲内で、又は事前に素材10の準備の際に、この特定の段階を実行することができる。)
【0053】
素材10は次いで、対応するタブ16を一体的に接合するように、上述の折れ線11a、11bに沿って折られ、接着剤によって被覆されたそれぞれのストリップ7の部分を互いに接合させる。
【0054】
最後に、折られた素材10は、液体接着剤を乾燥させると共にパネル12を結合させて容器1を作るのに十分な期間にわたって、所定の位置に保持されなくてはならない。
【0055】
開示された方法の変形例では、素材10を準備する段階は副次的な2つの段階含む。
【0056】
さらに厳密には、準備段階は、ストリップ7なしに素材を製造することによって達成され(図示しない)、引き続いてストリップ7を各タブ16に固定する。
【0057】
さらに厳密には、固定する段階は、各ストリップ7をそれぞれのタブ16上に位置決めすることによって達成され、次いで同じストリップ7の第一の面7aを被覆する感圧接着剤を活性化させるように圧力を印加する。
【0058】
示されている好ましい実施形態では、ストリップ7は細長い外観のものであり、すなわち、好ましくは、タブ16の全長にほぼ沿って延びる接着表面を得るようにされている主な2つの次元のうちの一方のみを有するものである。
【0059】
他のあり得る実施形態(図示せず)では、単独のストリップ7の外観は細長いもの以外でもよい。例えば、正方形又は湾曲した外観のストリップを利用してもよい。
【0060】
上記の目的は本発明によって達成され、それにより多大な利益がもたらされる。
【0061】
実際には、本発明による容器を製造することは、容器を板紙タイプの材料の通常の打ち抜かれた素材からもたらすのに広く使用されている機械で、本発明による容器を製造することができるので容易である。
【0062】
上述のストリップを採用した結果、特に、プラスチック、可塑化材料又は金属化材料から作成されるスラップを固定することにも、常温硬化接着剤を使用することができるようになる。
【0063】
振り返って、ホットメルト製品の場合にように加熱されるべき接着剤が必要とされないならば、このタイプの箱を製造するための開示された方法を著しく容易に行うことができる。
【0064】
さらに、常温硬化接着剤を使用することは、プラスチック容器、可塑化容器又は金属化容器に包まれた製品の香りがホットメルト接着剤によって付けられた不快臭によって影響を受けないようにするのに役立つ。
【0065】
このことは、ホットメルト接着剤から放出される不快臭が香りだけでなく味にも、ついには箱内の製品の質にも影響する傾向があるならば、容器が紙巻タバコ又は葉巻タバコなどのタバコ製品用の箱である場合には、特に顕著な利点である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第一の壁(2a)及び第二の壁(2b)を具備する容器であって、
第一の壁(2a)及び第二の壁(2b)のそれぞれが、プラスチック、可塑化材料又は金属化材料から作成されたそれぞれの接続するフラップ(6)を有し、
フラップ(6)が互いに係合し、それぞれの壁(2)を相互接続する、
容器において、
− 各フラップ(6)にはストリップ(7)が取り付けられ、ストリップ(7)が、フラップ(6)に固定された第一の面(7a)と、第一の面(7a)の反対側に、一定の液体又はペーストの接着剤を保持するような第二の面(7b)とを有し、
− 第二の面(7b)が共に接合され、対応するフラップ(6)を互いに接続する、
容器。
【請求項2】
少なくとも各ストリップ(7)の第二の面(7b)が紙材料から作成される、
請求項1に記載の容器。
【請求項3】
各ストリップ(7)が紙材料から全体的に作成される、
請求項1又は2に記載の容器。
【請求項4】
液体又はペーストの接着材が常温硬化接着剤である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器。
【請求項5】
各ストリップ(7)の第一の面(7a)が、感圧接着剤の層によって被覆され、
ストリップが感圧接着剤の層によってそれぞれ対応するフラップ(6)に固定される、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器。
【請求項6】
容器のさらなる壁(2c)を作り出すように、フラップ(6)を互いに重ねることができ、
容器のさらなる壁(2c)が、第一の壁(2a)及び第二の壁(2b)を相互接続する、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器。
【請求項7】
請求項1に記載の容器を製造するための素材であって、
容器の第一の壁(2a)及び第二の壁(2b)とそれぞれ一致する第一のパネル(12a)及び第二のパネル(12b)を少なくとも具備し、
各パネル(12a,12b)が、それぞれの壁(2)のフラップ(6)を構成する少なくとも1つのそれぞれのタブ(16)を有する、
素材において、
各タブ(16)にはストリップ(7)が取り付けられ、
ストリップ(7)が、タブ(16)に固定された第一の面(7a)と、第一の面(7a)の反対側に、一定の液体又はペーストの接着剤を保持するような第二の面(7b)とを有する、
素材。
【請求項8】
各ストリップ(7)の少なくとも第二の面(7b)が紙材料から作成される、
請求項7に記載の素材。
【請求項9】
各ストリップ(7)が紙材料から全体的に作成される、
請求項7又は8に記載の素材。
【請求項10】
各ストリップ(7)の第一の面(7a)が、感圧接着剤の層によって被覆され、
ストリップが感圧接着剤の層によってそれぞれ対応するタブ(16)に固定される、
請求項7〜9いずれか1項に記載の素材。
【請求項11】
請求項1に記載の容器を製造する方法であって、
− 第一の壁(2a)及び第二の壁(2c)とそれぞれ一致する第一のパネル(12a)及び第二のパネル(12b)を少なくとも備える素材を準備する段階であって、各パネル(12a,12b)が、それぞれの壁(2)のフラップ(6)を構成する少なくとも1つのそれぞれのタブ(16)を有する、段階と、
− ストリップ(7)を各タブ(16)に固定する段階と、
− 一定の液体又はペーストの接着材を少なくとも1つのストリップ(7)に適用する段階と、
− タブ(16)を接合させるように素材を折り、液体又はペーストの接着材で被覆されたそれぞれのストリップ(7)の部分同士を接合させる段階と、
− 液体又はペーストの接着材を乾燥させると共にパネル(12)を結合させて容器を作るのに十分な期間にわたって、折られた素材の形状を保持する段階と、
を含む、
方法。
【請求項12】
各ストリップ(7)の第一の面(7a)が感圧接着材の層によって被覆され、
ストリップ(7)を各タブ(16)に固定する段階が、ストリップ(7)をそれぞれのタブ(16)に位置決めすると共にストリップ(7)をタブ(16)に押圧して接着材を作動状態にさせる段階を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
一定の液体又はペーストの接着材を各ストリップ(7)に適用する段階が、一定の常温硬化接着剤を各ストリップ(7)に適用する段階から構成される、
請求項11又は12に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2013−503086(P2013−503086A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526145(P2012−526145)
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【国際出願番号】PCT/IB2010/053378
【国際公開番号】WO2011/024088
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(392003937)ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ (102)
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
【Fターム(参考)】