説明

容器のためのスクリーンバスケット式渦ブレーカー

【課題】 容器内で出口に向かう流体に渦が生じるのを防ぐ。
【解決手段】 容器の出口の上にフィットする渦ブレーカー100は、該出口に通じる開口を持つ基部上に配置されたバスケット110を有する。バスケットは、基部から延びた棒の周りに配列されたプロフィル付けされた複数のワイヤを備えた円筒状の側壁スクリーンと、該側壁スクリーン上に取り付けられた上部スクリーンを有する。上部スクリーンは、複数の棒を横切って配置された複数のワイヤを持つ。上部スクリーンの下で、バッフル・プレートが該上部スクリーンを通った流体の流れをそらし、該プレートの周縁部に向ける。バスケット内に配置された流れ変更器は、前記基部に取り付けられ且つ前記開口の周りで放射状に配置された複数の羽根170、180を有する。少なくともいくつかの羽根180が該羽根の側面から延びた交差部182を有しており、該バスケットの内部で放射方向に向かう流れを破壊する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を収容した容器内において出口に向かう流体の流れに渦が生じることを防止するスクリーンバスケット式渦ブレーカー(渦防止装置)に関する。
【背景技術】
【0002】
容器を出る流体は、渦巻き、渦流を作る傾向にあり、流出する流体において渦巻き又は渦流を最小化することがしばしば望まれる。これは特に液化天然ガス(LNG)及びその他の同様な流体にとって真実である。渦巻き及び渦流を減少するための一つの方法は、容器の出口にてブレーカー(破壊装置)を使用することである。例えば、図1A〜1Cに示す容器10は、容器出口14における渦巻き及び渦流を減少するために基本的な羽根式渦巻ブレーカー30を持つ。図示のように、ブレーカー30は、出口14に垂直に、容器の壁12の内部に溶接された羽根32を持つ。ここで、ブレーカー30は、1つの中央プレートに溶接された2つのサイドプレートで作成された4つの羽根32を持つ。容器10内の流体20が出口14の方に流れるとき、その流れ22は、自然に、渦巻いて渦流を形成しようとする傾向にある。しかし、出口のとば口16を覆っている渦巻ブレーカー30は、この傾向を打ち砕き、その悪い効果を減少しようとする。なお、容器10は、内部に空洞を形作り、かつ、出口14を有する殻体からなっている。
【0003】
図2A〜2Dに示された別の渦巻ブレーカー40は、容器の出口14にフィットしていて、容器10を出る流体における渦巻と渦流の傾向を減少する。このタイプの渦巻ブレーカー40は、ジョンソン・スクリーンズ社とウェザーフォード社によって製造されているものと同様である。このブレーカー40は、いくつかの羽根50の上にフィットするスクリーンバスケット41を持つ。このスクリーンバスケット41は、平坦な上部42と、円筒形の側壁44と、底部46と、出口挿入部48とを持つ。平坦な上部42と円筒形の側壁44の両者がワイヤスクリーンで構成されており、このワイヤスクリーン(ワイヤ式濾し器)は、ジョンソン・スクリーンズ社から入手可能なVEE−WIRES(ウェザーフォード/ラム社の登録商標)のような、流体産業において一般に使用される楔形若しくはプロフィル付けされた(profiled: 輪郭付けられた)ワイヤを使用している。図2Dに最もよく示されているように、羽根50はブレーカー底部46の中央開口47の回りにフィットしていて、内部リング54及び外部リング52が該羽根50の角を支持し得る。この渦巻ブレーカー40は上部スクリーン42の下でバッフル・プレート(出入り制御装置)を使用している。
【0004】
図1A〜1Cに示す基本的な羽根式渦巻ブレーカー30及び図2A〜2Dに示すスクリーン式ブレーカー40は、或る用途においては有効ではない。例えば、図1A〜1Cに示す基本的な羽根式渦巻ブレーカー30はLNGへの応用においては有効とされ得ない。何故ならば、LNGの性質はブレーカーの羽根32を越えた乱流及び/又は小さな渦巻を発生する傾向にあり、出口14で悪い効果を生ずるからである。
【0005】
また、図2A〜2Dに示す内部の羽根50を持つスクリーン式ブレーカー40は、典型的には、渦流を破壊するのに効果的であるように、出口14のとば口16に比べてかなり大きなサイズとしなければならない。いくつかの実装例では、実際のサイズは流体のタイプや、流速、その他の変数に更に依存するにしても、例えば、このブレーカー40は、とば口16の直径の約4乃至5倍の直径を持つ必要がある。ブレーカー40に要求される大きなサイズは、様々なサイズの容器におけるその有効性を限界づけ、かつ、いくつかの状況に完全に対応して使用することを限界づける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、LNG及びその他のタイプの流体に対してより有効な渦ブレーカーを提供しようとするものであり、また、従来可能なものよりも小型化したサイズにすることのできる渦ブレーカー(渦防止装置)を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る渦防止装置は、容器の出口を覆うように該容器内に配置されるスクリーンバスケットと、前記スクリーンバスケット内において前記出口寄りに配置された流れ変更器であって、前記出口の周りに放射状に配置された複数の羽根を少なくとも含み、前記羽根の少なくともいくつかが該羽根の側面から延びた交差部(cross-tees)を持っている前記流れ変更器と
を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1A】従来技術に従う渦ブレーカーを具えた横長の容器を示す図。
【図1B】図1Aにおける渦ブレーカーの側面図。
【図1C】図1Aにおける渦ブレーカーの上面図。
【0009】
【図2A】従来技術に従う別の渦ブレーカーを具えたたて長の容器を示す図。
【図2B】図2Aにおける渦ブレーカーの正面図。
【図2C】図2Aにおける渦ブレーカーの側面図。
【図2D】図2Aにおける渦ブレーカーの詳細を示す斜視図。
【0010】
【図3A】本発明の一実施例に従う渦ブレーカーの上面図。
【図3B】本発明の一実施例に従う図3Aの渦ブレーカーの側面図。
【0011】
【図4A】図3A及び図3Bに示す渦ブレーカーにおいて、付加的な部品をあらわにするために露出させた部分を示す側面図。
【図4B】図3A及び図3Bに示す渦ブレーカーにおいて、付加的な部品をあらわにするために露出させた部分を示す上面図。
【0012】
【図5A】本発明の別の実施例に従う渦ブレーカーの上面図。
【0013】
【図5B】図5Aの渦ブレーカーの一部を除去して示す側面図。
【0014】
【図5C】図5Aの渦ブレーカーの一部を除去して示す端面図。
【0015】
【図6】組み立て前の渦ブレーカーの底部を示す図。
【0016】
【図7A】渦ブレーカーの出口挿入部の上面図。
【図7B】渦ブレーカーの出口挿入部の側面断面図。
【0017】
【図8】渦ブレーカーの側壁の四分の一パネルを示す図。
【0018】
【図9A】渦ブレーカーの上部スクリーンの断面図。
【図9B】渦ブレーカーの上部スクリーンの別の断面図。
【0019】
【図10】内部の流れ変更器をあらわにするために図5Aの渦ブレーカーの上面を露出させた図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一実施例に係る渦ブレーカー(渦防止装置)は容器の出口を覆うようにフィットする。このブレーカーは側壁スクリーンと上部スクリーンとを具えたワイヤバスケットを持つ。側壁スクリーンは基部上に置かれ、基部は容器の出口に通じる開口を有する。該バスケットの側壁スクリーンは、基部から垂直に延びた複数の棒の周囲に水平に配列された複数のプロフィル付けされたワイヤで円筒形に形成されている。該バスケットの上部スクリーンは、側壁スクリーンに取り付けられていて、平坦な円板形状である。側壁スクリーンと同様に、上部スクリーンは、複数の棒を垂直に横切って配列された複数のワイヤを有する。別の例においては、バスケットの側壁スクリーンは、水平に延びた複数の棒の周囲に垂直に配列された複数のプロフィル付けされたワイヤで円筒形に形成され得る。
【0021】
使用時において、上部スクリーン及び側壁スクリーンを通って流れる流体は、前記プロフィル付けされたワイヤ及び棒によってバスケット内に指向させられる。上部スクリーンの下では、バッフル・プレート(出入り制御装置)が、上部スクリーンを通って流れる流体を、側壁スクリーン寄りの該上部スクリーンの周縁部の方にそらす(上下の軸線方向の流れの向きを該軸線に対して放射方向に変える)。バスケットの内部には流れ変更器が設けられ、該流れ変更器は、前記基部に取り付けられ、かつ、該基部の開口の周りに放射状に配列された複数の羽根を持つ。これらの羽根の少なくともいくつかは、バスケット内における放射方向の流れを壊すように、該羽根の側面から延びた交差部(cross-tees)を持っている。好ましくは、平坦な第1の羽根と交差部を持つ第2の羽根が、基部の開口の周りで対称形に交互に配置される。
【0022】
図示の実施例において、図3A,3Bに示された渦ブレーカー(渦防止装置)100は、たて長又は横長のいずれであってもよい容器(図示せず)の出口を覆うように装着する。このブレーカー100は、上部スクリーン120及び側壁スクリーン140を持つスクリーンバスケット110で構成される。上部スクリーン120は、円形であり、側壁スクリーン140の上に位置する。帯130及びリム135が上部スクリーン120を囲んでいて、該上部スクリーン120を側壁スクリーン140に取り付ける。その役目のために、側壁スクリーン140は円筒形であり、基部150の上で支持される。出口挿入部155は、基部150から延びており、容器の出口(例えば図1A又は2Aの14)内に置かれる。
【0023】
上部スクリーン120及び側壁スクリーン140の両方が、いくつかの単位スクリーンを一つにまとめたもので構成され得る。例えば、上部スクリーン120は2以上のパネルを一つにまとめたもので構成され得る。同様に、側壁スクリーン140は、いくつかのスクリーンパネル若しくは4分一パネルで、円筒形をなすように一体的に結合して、構成され得る。このバスケット110が収納される容器は、その内壁がカーブしているので、側壁スクリーン140の下端は、該容器の形状に合うように輪郭付けられ得る。加えて、バスケットの基部150は、容器の内壁にフィットするように形状付けることができる。
【0024】
図4Aに最も良く示すように、側壁スクリーン140は、垂直に指向する複数のロッド又は棒144の周りを囲んでそれらに取り付けられた、水平に指向する複数のワイヤ142を有する。これらのワイヤ142は、様々な技術分野で使用される公知のVEE−WIRES(登録商標)のような、楔形若しくはプロフィル付けされた(profiled: 輪郭付けられた)ワイヤである。棒144は、基部150に溶接される又は取り付けられる。ワイヤ142は、公知の技術を使用して、棒144に溶接される。ワイヤ142は、その幅広側面が側壁スクリーン140の周囲で外側向きに位置するように配置され、その内側の幅狭側面が棒144に溶接される。こうして、複数のワイヤ142は、それらの間でギャップ又はスロットを画成し、容器の出口に向かう流体の流れに対する最初の障害を形成する。
【0025】
また、図4Aに最も良く示すように、上部スクリーン120は、同様に構成された複数のワイヤ122を、同様のやり方で直角に配列された複数の棒124に対して溶接したものからなる。これらの棒124は、それらの端部で、周囲を囲む帯130に接続している。帯130はリム135に取り付けられており、リム135は円筒状の側壁スクリーン140の上に取り付けてある。
【0026】
バッフル・プレート162は、上部スクリーン120の下に位置し、その周縁端が、ほとんど、周りを囲む側壁スクリーン140の近くまで延びている。バッフル・プレート162は、上部スクリーンの棒124の真下に接して設定されてよく、また、オプションとして、該上部スクリーンの棒124に溶接されていてもよい。別の例として、バッフル・プレート162と棒124の間にギャップ又はスペースが設けられてもよい。いずれにせよ、上部スクリーンのワイヤ122及びロッド124の下にあって、バッフル・プレート162は、上部スクリーン120を通り抜けた流れを、該プレートの周縁端へとそらせる。そらされた流れは、バスケット110の内部で、この周縁端から出口挿入部155の方へと指向され得る。
【0027】
図4A,4Bに詳しく示すように、スクリーンバスケット110に加えて、ブレーカー100は、該バスケット110内に配置された流れ変更器160を有している。流れ変更器160は、バスケット110の内部で基部150上に位置しており、バスケット110の中央から放射状に延びた複数の第1及び第2の羽根170、180を含んでいる。これらの羽根170、180は、公知の技術を使用して、基部150の表面に取り付けるか溶接され得る。図4Bに最も良く示されるように、流れ変更器160の第1及び第2の羽根170、180は、基部の中央の開口152の周りで交互に且つ対称形に配列される。
【0028】
第1の羽根170は、基部の中央の開口152から放射状に延びた、平坦なソリッド板を含む。第2の羽根180も平坦なソリッド板を含むが、それに直交して位置づけられた交差部182を更に含む。これらの交差部182は放射方向の流れを壊すように作用する。これらの交差部182の配置及びサイズは、流体の種類と、流速、流れの特性、羽根の数、ブレーカーのサイズ、その他当業者にとって明白な種々の変数要素に依存して適宜定められる。、
【0029】
使用時において、バスケットのワイヤスクリーン120,140は、ブレーカー100内に流れ込む流体に対する最初の障害として作用し、流体が該スクリーン120,140を通って容器出口内に置かれた出口挿入部155の方へ流れるとき、その流れの傾向が渦巻き又は渦流を作るのを阻害するように動作する。バスケット110の内側でワイヤ122、142に直角に延びた長手の棒124,144は、また、該バスケット110内の流れを制御するように作用する。内部において、流れ変更器160の羽根170、180は、バスケット110内の流れが出口挿入部155の方に向けて放射方向に指向するのを手助けし、交差部182は放射方向に指向する流れを壊し、こうして、全体的なブレーカー100のサイズが縮小され得る。前述の通り、従来のブレーカーは、出口の直径の約4乃至5倍程度の直径を必要としていた。本発明に係るブレーカー100は、その具体的値は、出口のサイズと、流速、稼働中に容器内に存在する流体の高さに依存するにしても、出口の直径の約1.5乃至3倍程度の直径とすることができる。
【0030】
ブレーカー100は、流れに及ぼす抵抗又は圧力低下の影響を最小にしながら、渦を好ましく抑止する。それと共に、流れ変更器160とスクリーンバスケット110の組み合わせは、渦の形成を抑止する圧力と流れ動線のパターンを作り出す。更に、スクリーンバスケット110及び流れ変更器160の組み合わせは、従来のものよりも小さなサイズのバスケットでありながら、渦を効果的に減少することができる。
【0031】
図5A〜5Cに示された別の渦ブレーカー200は、上述のブレーカーと似ている。この渦ブレーカー200は、上部スクリーン220、側壁スクリーン240、底プレート250、出口挿入部255を持つバスケット210で構成される。該ブレーカー200の側面周りに取り付けられた保持クリップ245は、該バスケット210が保持されるべき容器の内側に溶接されたタブ(図示せず)に接続される。
【0032】
このブレーカーの上部スクリーン220は、該上部スクリーン220を側壁スクリーン240に取り付けるための帯230によって囲まれている。この上部スクリーン220は、該上部スクリーン220を横断する複数の棒224に直角になるように溶接された複数のワイヤ222を持つ。上部スクリーン220の下には、バッフル・プレート262が該上部スクリーンの棒224の真下に位置し、該バッフル・プレート262は、棒224に溶接されることが可能であり、帯230近くの外側周辺を除く上部スクリーン220の大部分を覆っている。
【0033】
バスケット210の側壁スクリーン240は、垂直に指向する複数の棒244の周りを囲んでそれらに取り付けられた、水平に指向する複数のワイヤ242を有する。これらの棒244は、基部250から延び、該基部250に溶接又は公知のやり方で取り付けられ得る。出口挿入部255は、該バスケット210から出る流体を通すための該基部250の中央開口から延びた円筒チューブである。ワイヤ242及び棒244の変形例として、該バスケットの側壁スクリーン240は、基部250から垂直に延びた棒244の周りに水平に配列された複数のプロフィル付けされたワイヤ242を持ち得る。
【0034】
図5A〜5Cに少なくとも部分的に示すように、バスケット210は、ブレーカー200の内部に配置された複数の羽根270,280を持つ流れ変更器260を有する。この流れ変更器の羽根270,280は、出口挿入部255につながる中央開口を囲んでおり、周りの側壁スクリーン240に向かって外向きに放射状に延びている。いくつかの羽根280は、放射方向の流れを壊すための交差部282を有する。流れ変更器260の更なる詳細については追って説明する。
【0035】
このブレーカー200は、また、モジュラー構造を持つ。例えば、スクリーンバスケット210は第1及び第2の半体212A,212Bを持ち、これらは容器(図示せず)の出口で一緒になるように取り付けられる。例えば、上部スクリーン220と帯230の両方が半円形部分を持ち、それらが一緒になるように接続されることで円形のスクリーン220及び帯230が形成される。図6に示すように、基部プレート250は、複数の分離された部品で構成され、それらが一緒になるように取り付けられる。これらの部品には2つの中央部材が含まれており、これらが一緒に接続されてプレート中央の開口252が形成される。端部部材256は、中央部材258の各一端に取り付けられ、容器の内面に合うように上向きに曲げられる。
【0036】
図7A,7Bに示すように、出口挿入部255は、別体の円筒部品であり、該円筒部品はつまみ257を備えている。出口挿入部255は基部プレートの開口(図6の252)を通ってフィットし、基部250の下方に延びることができる。この挿入部のつまみ257は、基部25045i溶接されて上方に延びたボルト(図6の253)に取り付けられるが、これに限らず、その他の取り付け技術が使用され得る。
【0037】
図8に示すように、ブレーカー200の側壁スクリーン240は、モジュラー化されていてよく、四分の一パネル246からなるようにすることができる。各四分の一パネル246は、垂直に延びた複数の棒244を溶接した囲みフレーム248を有している。4つのそのような四分の一パネル246の端部同士をボルトでつないで1つの円筒形スクリーン210を形成し、かつ、各フレーム248の下端が基部プレート(図6の250)の周縁にボルトで取り付けられる。
【0038】
図9A,9Bに示すように、帯230はボルト取り付け用フランジ232を有しており、このフランジ232は、四分の一パネルのフレーム248(図8)の上端にボルトで取り付けられる。図9Aに最も良く示すように、上部スクリーンの半円部220Aは接続用フランジ234を有しており、このフランジ234は、上部スクリーンの他の半円部にボルトで取り付けられる(図5B参照)。図5Cにおいて可視的に示されるように、両者の接続用フランジ234は、羽根280の近くで、一緒に結合している。そこで、フランジ234の近くのこれらの羽根280は、接続用フランジ234の形状を受け入れるように上端に沿って切り取られたプロフィル284(図10)を持ち得るが、交差部282は該フランジ234を越えて延びていてよい。
【0039】
渦ブレーカー200は、流れ変更器260を使用し、図3A〜図4Bを参照して説明したのと同様に、流れを方向づける。図10に最も良く示されているように、バスケット210の内部には、出口に通じる中央開口252の周りで基部プレート250上に配置された流れ変更器260が設けられている。この流れ変更器の羽根270、280は、基部プレート250の中央開口252の周りで交互に且つ対称形に配列されている。本実施例においては、12個(各タイプにつき6個)の羽根270、280が設けられており、中央開口252の周りで30度毎に配列されている。しかし、これに限らず、実際の装備に依存してその他の配列を用いることができる。
【0040】
第1の羽根270は、中央開口252から放射状に延びた、平坦なソリッド板を含む。これらの羽根270は、中央開口252から、外向きに、側壁240の垂直に延びた棒244のほとんど近くにまで、放射状に延びている。第2の羽根280も同様に中央開口252から放射状に延びた、平坦なソリッド板を含む。これらの羽根280もまた、中央開口252から、外向きに、側壁240の垂直に延びた棒244のほとんど近くにまで、放射状に延びている。
【0041】
第2の羽根280は、また、それに直交して位置づけられた交差部282を更に含む。図示のように、これらの交差部282は、中央開口252に対置されるように、周りの側壁240に比較的近くなるように位置付けられる。同様に、これらの交差部282は、第2の羽根280とそれに隣接する第1の羽根270との間の距離dの半分又は半分以下を囲むようになし得る。サポートのために、半円形の安定化バンド264がバスケット210の周囲近くの、羽根270,280の上部外側コーナー(角)に取り付けられ得るものであり、かつ、カーブした安定化バンド266がバスケット210の中央近くの、羽根270,280の内側コーナー(角)に取り付けられ得る。
【0042】
これらの羽根270,280及び交差部282のサイズ、配置及び形状は、指針ルール、方程式、ガイドライン、その他当業者が利用可能な考慮事項に基づいて決定され得る。自由な流れの渦の予測形状を決定するために、例えば、まず公式が予測のために使用され、それから、演算流体力学(CFD)モデルが使用され得る。それから、ブレーカー200は、渦の形状を粉砕するのに十分な大きさにサイズ付けされる。予め装備したものにおいて成功することが証明された渦のサイズに対するブレーカー200のサイズの比率が、本発明に係る渦ブレーカー200のサイズを最終的に決めるために使用され得る。これらの比率は、ノズルのサイズ及び容器の向き(横長又はたて長の容器)に基づいて変わり得る。
【0043】
更なる改善のために、CFDモデルが使用され、期待された動作中のノズル構成及び容器の幾何学的形状に合わせた流れ動線パターンを決定する。それから、この流れ動線パターン上での渦ブレーカー200それ自身の効果を決定するために、CFDモデルに渦ブレーカー200が追加される。もし該CFDモデルにおいて渦ブレーカー200が乱流又は渦流の流れ動線を除去するならば、該渦ブレーカー200の現在の設計は、受け入れ可能であると見なされてよい。もし該CFDモデルにおいて渦ブレーカー200が乱流又は渦流の流れ動線を除去しないならば、望みの流れ制御効果が観察されるようになるまで、羽根のサイズ、羽根の数、羽根の配置、その他全般的な羽根の構成の変数要素、スクリーン、その他の構成要素等を変更する。
【0044】
実例的な寸法としては、バスケット210は約737mmの全体的直径D1を持っていてよく、そして、出口用の中央開口252は約251mmの直径D2を持っていてよい。羽根270、280の平坦な部分は約197mmの長さL1であってよい。交差部282は、約102mmの横幅L2を持ち、また、羽根280の内側の端部から約133.5mmの距離L3を持っていてよい。追加的な実例として、側壁のワイヤ242(図5A〜5C)間のスロット幅は約6.35mm、上部スクリーン222(図5A〜5C)間のスロット幅は約4.76mmであってよい。
【0045】
上述した好ましい実施例及びその他の実施例の説明は、出願人によって考えられた発明のコンセプトの範囲又は応用を限定又は限界付けることを意図するものではない。ここに含まれた発明のコンセプトを開示することに代えて、出願人は添付の特許請求の範囲によって付与される全ての特許権を希望する。従って、添付の特許請求の範囲は、クレームした範囲内及びそれとの均等物に及ぶ汎ゆる変形及び変更を含む。
【符号の説明】
【0046】
100、200 渦ブレーカー
110、210 スクリーンバスケット
120、220 上部スクリーン
140、240 側壁スクリーン
150、250 基部
155、255 出口挿入部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の出口を覆うように該容器内に配置されるスクリーンバスケットと、
前記スクリーンバスケット内において前記出口寄りに配置された流れ変更器であって、前記出口の周りに放射状に配置された複数の羽根を少なくとも含み、前記羽根の少なくともいくつかが該羽根の側面から延びた交差部を持っている前記流れ変更器と
を具備する渦防止装置。
【請求項2】
前記各羽根が、
前記出口寄りに位置する第1の端部と、
前記スクリーンバスケットの側壁寄りに位置する第2の端部と、
前記スクリーンバスケットの基部に取り付けられた第1の縁部と、
前記スクリーンバスケットの上部寄りに位置する第2の縁部と
を具備する、請求項1の渦防止装置。
【請求項3】
前記複数の羽根は、
第1の平坦なプレートからなる第1の羽根と、
第2の平坦なプレート及び該第2の平坦なプレートの両側から横に延びた交差部からなる第2の羽根と
を含み、複数の前記第1及び第2の羽根が前記出口の周りで交互に配列されている、請求項1の渦防止装置。
【請求項4】
前記交差部は、前記スクリーンバスケットの側壁から第1の距離だけ離れて前記第2の羽根上に配置され、該第1の距離は前記出口から該交差部までの第2の距離よりも短い、請求項3の渦防止装置。
【請求項5】
前記交差部は、前記第2の平坦なプレートの両側から第1の距離だけ横に延びており、該第1の距離は隣接する前記第1及び第2の羽根の間の第2の距離の半分よりも短い、請求項3の渦防止装置。
【請求項6】
前記流れ変更器は、少なくともいくつかの前記羽根の上部に取り付けられた少なくとも1つの安定化器を含む、請求項1の渦防止装置。
【請求項7】
前記スクリーンバスケットは、
前記出口に通じる開口を持つ基部と、
前記基部から延びた複数の第1の棒の周りに配置された複数の第1のワイヤを持つ側壁スクリーンと、
前記側壁スクリーンの上に位置し、複数の第2の棒に対して横向きに配置された複数の第2のワイヤを持つ上部スクリーンと
を備える、請求項1の渦防止装置。
【請求項8】
前記上部スクリーンと前記流れ変更器との間に配置されたバッフル・プレートを更に具備し、該バッフル・プレートは、前記上部スクリーンを通って流れる流体を、前記側壁スクリーン寄りの該バッフル・プレートの周縁部の方に規制する、請求項7の渦防止装置。
【請求項9】
前記第1のワイヤの各々が、前記バスケットの外側に露出した幅広側面と、前記第1の棒に溶接された幅狭側面とを有する、請求項7の渦防止装置。
【請求項10】
前記第2の棒の各々の端部が、周囲を囲む帯に取り付けられている、請求項7の渦防止装置。
【請求項11】
前記周囲を囲む帯は、前記側壁スクリーンに取り付けられている、請求項10の渦防止装置。
【請求項12】
前記側壁スクリーンは、互いに連結された複数のモジュラーパネルで構成される、請求項7の渦防止装置。
【請求項13】
容器内において該容器の出口寄りに配置され、該出口に通じる開口を持つ基部と、
前記基部上に配置されたバスケットであって、
前記基部から延びた複数の第1の棒の周りに配置された複数の第1のワイヤを持つ側壁スクリーンと、
前記側壁スクリーンの上に位置し、複数の第2の棒に対して横向きに配置された複数の第2のワイヤを持つ上部スクリーンと
を少なくとも含む前記バスケットと、
前記バスケット内に配置された流れ変更器であって、前記基部の前記開口の周りに放射状に配置され、該基部から立ち上がった複数の羽根を少なくとも含み、前記羽根の少なくともいくつかが該羽根の側面から延びた交差部を持っている前記流れ変更器と
を具備する渦防止装置。
【請求項14】
容器の内部から出口に向かう流体の流れを濾す手段と、
該濾された流体の流れを前記出口に向けて放射状に指向させる手段と、
前記放射状に指向された流体の流れの少なくとも一部を直立面で破壊する手段と
を具備する渦防止装置。
【請求項15】
前記出口の軸に実質的に一致する前記濾された流体の流れの少なくとも一部の向きを、該軸に直交する向きに変える手段を更に具備する請求項14の渦防止装置。
【請求項16】
前記破壊する手段は、前記出口の周りで交互に配置されている、請求項14の渦防止装置。
【請求項17】
空洞を形作り、かつ、出口を有する殻体と、
前記殻体の前記空洞内に配置され、前記出口を覆うスクリーンバスケットと、
前記スクリーンバスケット内に配置された流れ変更器であって、前記出口の周りに放射状に配置された複数の羽根を少なくとも含み、かつ、該羽根の少なくともいくつかが該羽根の側面から延びた交差部を有している前記流れ変更器と
を具備する容器。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−246060(P2012−246060A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−120339(P2012−120339)
【出願日】平成24年5月26日(2012.5.26)
【出願人】(511193260)ジョンソン スクリーンズ,インク. (6)
【Fターム(参考)】