容器の内容物を隔離するための加工キャップアセンブリ
【課題】凍結乾燥用容器に適したキャップアセンブリを提供する。
【解決手段】容器に対する封止のための凹みおよびこの容器と外部雰囲気の間の蒸気通過のための蒸気経路開口を有するキャップと、このキャップに取り付けられ、前記蒸気経路中に配置されて、この容器を外部雰囲気から隔離するバリアを形成する通気媒体と、この凹みに隣接してこのキャップ内の第1の位置に着座され、前記第1の位置がこの容器と外部雰囲気の間の蒸気の通過を可能とする栓を含み、前記栓がこの容器の第2の位置まで移動可能であって、この容器を閉じ、蒸気の通過を防止するキャップアセンブリ。
【解決手段】容器に対する封止のための凹みおよびこの容器と外部雰囲気の間の蒸気通過のための蒸気経路開口を有するキャップと、このキャップに取り付けられ、前記蒸気経路中に配置されて、この容器を外部雰囲気から隔離するバリアを形成する通気媒体と、この凹みに隣接してこのキャップ内の第1の位置に着座され、前記第1の位置がこの容器と外部雰囲気の間の蒸気の通過を可能とする栓を含み、前記栓がこの容器の第2の位置まで移動可能であって、この容器を閉じ、蒸気の通過を防止するキャップアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結乾燥、泡乾燥、および他の形態の蒸発、昇華、あるいは脱着乾燥などの工程時に容器を通気および隔離するためのキャップアセンブリに関する。このキャップは、加工時に容器と外部雰囲気の間の蒸気交換経路を与える一方で、この容器の内容物を汚染から、そして材料の損失から隔離するように設計される。
【背景技術】
【0002】
乾燥技術は、広範で、多様な食品、医薬品、および生物学的製品を安定化することで知られている。蒸発および/あるいは昇華乾燥は、本明細書で使用されるように、安定化、貯蔵の容易化、輸送等のために溶質を容器中に捕捉するために、溶液から液体を除去することおよび/または固体から残存水分および揮発分を除去することを指す。時には、後日の使用のために溶液中で材料をもどすことが期待される。汚染の機会を最小にするためには、これらの製品の多くは取り扱いおよび加工に極めて注意を払わなければならない。
【0003】
使用される乾燥方法は、加工対象の材料、材料の所望の最終の形、加工の経済性に依って変わり得る。典型的な蒸発あるいは昇華をベースとする方法は、いくつかの普通の方法を挙げれば、凍結乾燥、泡乾燥、真空乾燥、対流乾燥、乾燥、マイクロウエーブ乾燥、および高周波乾燥を含む。凍結乾燥は広く使用されている乾燥技術であり、この用語は、本明細書では単に簡便さのために、本発明のキャップアセンブリの固有の特徴が有効である広範な蒸発および昇華乾燥技術を総括的に指すように使用される。
【0004】
凍結乾燥装置はバッチ間でしばしば水蒸気殺菌され、装置を配置する全運転領域は無菌クリーンルームとして装備されて、凍結乾燥機との間の輸送の際に、製品が汚染物質へ暴露することを最小限にする。場合によっては、凍結乾燥後に製品を再包装しなければならず、従って凍結乾燥製品の中に汚染物質を導入する機会をもたらす取り扱い段階が追加される。
【0005】
多数の凍結乾燥方法は、材料の開いた容器を凍結乾燥機中に入れることを伴う。凍結乾燥工程が完結して、水蒸気の経路が製品から取り外されるまで、容器は開いたままにされる。しかしながら、このやり方は汚染の機会を与えてしまい;従って凍結乾燥装置および周囲の領域の清浄度および無菌度に対する懸念が存在する。異なるバッチの同時に凍結乾燥される製品の間の交差汚染も問題である。凍結乾燥装置は高価であり、凍結乾燥サイクルは一般に極めて長く、単一のバッチの材料を加工するのに何時間もあるいは数日も費やす。結果として、凍結乾燥機の運転者は、サイクルのたびに凍結乾燥室を一杯に装填しようと試みることにより、資本投資を装置に最大限に使用することが有利である。このことは、異なる材料を同一の室で同時に凍結乾燥するやり方を生じ得る。開いた容器中で材料をすべて加工するので、製品の交差汚染が普通に起こることが可能であり、そして実際に起こる。
【0006】
上記のように、凍結乾燥で遭遇する問題の多くは他の形態の蒸発乾燥に共通である;なお他の問題も他の方法において存在し得る。例えば、泡乾燥方法においては、発泡段階の性状が時々極めて噴出性であることにより、発泡工程の揮発性の性状は、製品封じ込めにおける更なる問題を生み出す。
【0007】
封じ込めに対応するために、過去にキャップが開発された;しかしながら、これらのキャップによる制約が明らかにされた。例えば、Benderらへの米国特許第3,454,178号においては、バイアルは、「開いた」位置にある時には、水蒸気がバイアルから逃散する経路を与えるスロット付きのバイアルキャップを含む。バイアルは、キャップが「開いた」位置で工程の中に導入され、乾燥サイクルが完結するまでその状態にとどまる。サイクル終了時、凍結乾燥機シェルフによりバイアルを抑え、キャップを「閉じた」位置に押し込み、バイアルを封止し、その後で凍結乾燥機の扉を開く。このアプローチは、工程が完結した後にバイアルの内容物が汚染されないことを確実にする。これはまた、凍結乾燥機の扉を開くと水蒸気がバイアルに入って、製品を再水和することができないということも確実にする;実際、この工程の終わりに、バイアルキャップを「閉じた」位置に押し込む前に、バイアルは、しばしば、乾燥した不活性ガス、例えば窒素により再加圧されて、凍結乾燥製品の保存寿命が最大となる。しかし、この特許は、バイアルを凍結乾燥機の中に装填した時、あるいは凍結乾燥工程それ自体の間のバイアル内容物の汚染の問題に取り組んでいない。
【0008】
欧州特許第343,596号には、凍結乾燥工程時に凍結乾燥製品を汚染から保護するように設計された容器が記載されている。この容器は、少なくとも一方の側に、疎水性で、多孔質で、細菌に気密な、水蒸気透過性の膜を含む。水蒸気はこの多孔質膜により閉じた容器から逃げることができ、この膜は汚染に対するバリアとなる。もう1つの使用される技術、例えばBergmannへの米国特許第5,309,649号において教示されているものは、多孔質の疎水性壁を有する容器中で材料を凍結乾燥することを包含する。しかしながら、これらの特許はいずれも、一旦凍結乾燥機の扉を開くと容器の内容物を再水和することについての懸念には取り組んでいない。凍結乾燥製品をこのような容器中でいかにして乾燥状態に保ち、乾燥製品を湿気に最初に暴露せずに、蒸気気密容器中にいかにして最終的にパッケージすることができるかは明らかでない。このように、乾燥工程全体にわたって明確なレベルの保護を維持する凍結乾燥製品用の容器、ならびに凍結乾燥機の扉を開く前に容器上に蒸気気密封止を形成するための手段を提供することに対する必要性が存在する。
【0009】
Jonesへの米国特許第5,552,155号は、通気媒体により保護された制御型の通気ポートを組み込んだバイアルキャップを教示している。多孔質通気媒体は、キャップとバイアルの間に形成される通気経路中に設置され、この媒体は、ガス、例えば空気および水蒸気の通過を可能としながらバクテリアおよび他の粒子状物質の汚染に対してのバリアを提供する。しかしながら、このようなバイアルキャップについての問題は、もどした溶液を抜き取る場合に通気媒体を針により穿刺する危険性であり、注射用溶液を媒体断片により汚染する懸念を引き起こす。Jonesの装置による更なる問題は、バイアルキャップ中の通気媒体の実用的な大きさであり、これは容器中の材料の乾燥時間にマイナスの影響をおよぼす可能性がある。
【0010】
先行技術のこれらおよび他の制約が下記に述べる本発明により取り扱われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、蒸発および昇華乾燥方法、例えば凍結乾燥時に容器中の材料を隔離するための加工キャップアセンブリに関する。加えて、細胞培養、燻蒸、保存、制御された雰囲気中での混合あるいは反応などを含む、蒸気交換と、それに続くこのような交換を閉じる他の方法は本発明に考えられる範囲内のものである。この新規なキャップアセンブリの利点は、溶質の封じ込めの最適化、(製品、作業者、および装置の)汚染の防止、加工時の使用の容易さ、および再バリデーションの要求を最小とする現存の有効な主要パッケージング材料との適合性を含む。
【課題を解決するための手段】
【0012】
1つの好ましい実施形態においては、本発明の加工キャップアセンブリは、
1)容器に取り付け、封止、好ましくは蒸気気密または気密封止を形成するための凹み、およびこの容器から外部雰囲気への蒸気通過のための蒸気経路開口を有するキャップと、
2)キャップに取り付けられ、蒸気経路中に配置され、これによって、バクテリア、ウイルス、粒子状、および他のこのような材料の透過を含む、これを通る固体と液体の移行(すなわち、この容器への出入り)に対して隔離するためのバリアを形成する通気媒体と、
3)この蒸気経路の開閉を可能とし、それによってこのキャップアセンブリが第1の「開いた」位置から第2の「閉じた」位置まで移動可能となる手段と、
を含む。
【0013】
本発明の新規なキャップアセンブリは、凍結乾燥操作に好適ないかなる数の容器にも適用可能である。例えば、所望の容器に依って、このキャップアセンブリは、瓶またはバイアル(例えば、任意の閉栓型容器)から多連バイアルトレー、更には多連ウエルトレーの範囲の、個別の容器または多連ユニットあるいは容器システム中で材料を単離するように構成されてもよい。加えて、凍結乾燥操作の前に本発明のキャップアセンブリがこのアセンブリ内に1つ以上の栓を保持するようになされるか、別法としては加工時にこのキャップアセンブリは単純に栓にかぶせて置かれてよい。キャップアセンブリがこのキャップアセンブリの一部あるいは全部が、栓をしたバイアルと共に残るように構成され、輸送および貯蔵時に栓をしたバイアルの保護の助けとなることもでき、あるいは別法としては凍結乾燥加工が完了した後に、このキャップアセンブリが、栓をしたバイアルから完全に取り外され得る。
【0014】
本発明のキャップアセンブリを使用するための例示的な方法は、限定ではないが、
(a)容器を製品により無菌の条件下で充填し;
(b)栓を取り付けて、あるいは取り付けずに本発明のキャップアセンブリを封止し、キャップアセンブリを「開いた」位置にして栓を容器の口にかぶせて、あるいは上に位置決めして、容器からの蒸気経路を設け;
(c)容器中の製品を適切な凍結乾燥あるいは他の乾燥条件下で乾燥し、蒸気を蒸気経路経由で通気媒体から逃がし;
(d)栓を押し下げることにより蒸気経路を封止あるいは「閉栓」し;
(e)場合によっては、キャップアセンブリを栓をしたバイアルと共に残すか、あるいはキャップアセンブリを栓をしたバイアルから取り外す
ことを含む。
【0015】
本明細書に提供される図面と実施例を基に、本発明のこれらの特徴および他の特徴を更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のキャップアセンブリの断面斜視図を示し、このアセンブリの内部構造を図示する。
【図2】図1の加工キャップアセンブリの上面斜視図を示す。
【図3】バイアルにかぶせて開いた位置に位置決めされた図1の加工キャップアセンブリを示す。バイアルの内容物を乾燥するための蒸気経路は点線の矢印により図示される。
【図4】図3に示した加工キャップアセンブリとバイアルを示す。キャップアセンブリは閉じた位置にある。
【図5】図1のキャップアセンブリを図示する。キャップアセンブリはバイアルから取り外され、栓はバイアルに残っている。
【図6】本発明の代替キャップアセンブリの断面斜視図であり、このアセンブリの内部構造を図示する。
【図7】本発明の更なる代替キャップアセンブリの断面斜視図である。
【図8】本発明の別の代替キャップアセンブリの断面斜視図である。
【図9】本発明の別の代替キャップアセンブリの断面斜視図である。
【図10】本発明の更なる代替キャップアセンブリの断面斜視図である。
【図11】本発明の別の代替キャップアセンブリの断面斜視図である。
【図12】本発明のキャップアセンブリの更なる実施形態の断面斜視図である。
【図13】バイアル中で開いた位置に位置決めされた、凍結乾燥栓を組み込んだ図12のキャップアセンブリの断面斜視図である。バイアルの内容物を乾燥するための蒸気経路は点線により図示されている。
【図14】図13の加工キャップアセンブリを示す。キャップアセンブリと栓はバイアルからの蒸気経路を閉め切るように位置決めされている。
【図15】図13〜14のキャップアセンブリを図示する。キャップアセンブリはバイアルから取り外され、栓はバイアルに残っている。
【図16】キャップアセンブリが多連バイアルを入れたトレーに取り付けられるようになっている、本発明の代替キャップアセンブリを図示する部分断面斜視図である。バイアルの内容物を乾燥するための蒸気経路は矢印により図示されている。
【図17】図16のアセンブリを図示する部分断面斜視図である。キャップアセンブリは閉じた位置にあり、栓はバイアル中に着座している。
【図18】アセンブリがバイアル上で開いた位置に位置決めされ、栓を組み込んだ本発明のキャップアセンブリの更なる実施形態の断面斜視図である。バイアルの内容物を乾燥するための蒸気経路は矢印により図示されている。
【図19】図18の加工キャップアセンブリを示す。キャップアセンブリと栓はバイアルからの蒸気経路を閉め切るように位置決めされている。
【図20】図18〜19のキャップアセンブリを図示する。この実施形態のキャップアセンブリの一部はバイアルのネック周りに圧着され、一部は除去されている。
【図21】キャップアセンブリが配置されている容器が多連ウエル板を備え、栓が多連栓パッドを備え、キャップアセンブリが容器にかぶせて開いた位置に位置決めされている、本発明の代替の実施形態の断面斜視図である。蒸気経路は矢印により図示されている。
【図22】キャップアセンブリが閉じた位置にあり、多連栓パッドが多連ウエル容器中で封止されている、図21のアセンブリを図示する部分断面斜視図である。
【図23A】本発明のキャップアセンブリを取り外すための1つの取り外しシステムを図示する。
【図23B】本発明のキャップアセンブリを取り外すための1つの取り外しシステムを図示する。
【図23C】本発明のキャップアセンブリを取り外すための1つの取り外しシステムを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、蒸気を容器に出し入れさせる一方で、工程時、例えば凍結乾燥時に容器、例えば瓶、バイアル、多連バイアルトレー、多連ウエルトレー等内の材料を隔離し、容器のそれに続く閉栓を促進して、このような蒸気通過を止める(例えば、閉栓など)、改善されたキャップアセンブリに関する。
【0018】
図1および2を参照すると、栓14を組み込んだキャップアセンブリ100の1つの実施形態が示されている。好ましい構成であるこの実施形態において、キャップアセンブリ100は、剛性筐体部1と形状適合(conformable)(例えば、容器の一部の周りに形状適合して、封止、例えば弾性材料を形成することのできる)部2を含む二構成要素の部品を備える。キャップアセンブリ100は、栓14を保持し、例えばバイアル(図示せず)のヘッドおよびネック領域と嵌合するための内部構造を有する。弾性部2は、封止対象のバイアルと嵌合するようにされた構造の内部凹みを有する。具体的には、リブ13は、アセンブリ100をバイアルへ封止する助けになるように設けられている。剛性筐体部1中のくぼみ3は、栓をバイアルの中に挿入する前に、栓14を凹みに隣接する所定の位置に保持する。傾斜面4は、バイアルネックを係合し、剛性筐体部1を拡げて、バイアルの中に挿入するようにくぼみ3が栓14をはずすことにより、栓のバイアルへの移行時に機能する。剛性筐体1の内部の面5は、筐体1内で中心を合わせて栓14を維持する。通気媒体6はへり8内で中心を合わせ、筐体1の周囲の封止7により筐体1に取り付けられる。突出面12の付いたクロスバー10は通気媒体6を支持し、さらに筐体1内で栓14が固定される表面をもたらす。通気スロット11は栓14の周りの蒸気流れ経路を設ける。突起9により、自動化装置を用いる加工時のキャップアセンブリの配置が容易になる。
【0019】
この2部片のキャップアセンブリに好適な材料として、あるプラスチック、ある熱硬化性樹脂、金属などの剛性材料、および、エラストマー、プラスチック、ゴム、ある熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの形状適合性材料が挙げられる。特に好ましい材料の組み合わせは、射出成形ポリプロピレンの剛性部、例えばProfax6523、および熱可塑性樹脂ゴム、例えばSantoprene(登録商標)281−45熱可塑性樹脂ゴムの形状適合部である。このような2部片の構成を使用する利点は、各材料がキャップを更に有効に動作させるように機能するということである。例えば、この剛性プラスチック材料は、キャップに靭性をもたらして、キャップアセンブリに対する通気媒体の封止および使用時のキャップアセンブリの取り扱いを容易にし、一方、形状適合部品はバイアルに対するキャップアセンブリの封止を容易にする。
【0020】
このような2部品キャップアセンブリを形成する好ましい方法においては、この2つの部品は従来の成形法により一緒に接合される。金型は、一般に、2つの半体すなわち、固定側のA側と可動側のB側からなり、部片の成形に使用可能である。このキャップの剛性2ショットはプラスチック材料から形成される。このツールのB側は回転して、射出される弾性部品(例えば、熱可塑性樹脂ゴム)に対するキャビティを作り出す。液体または溶融状態においては、熱可塑性材料はプラスチック材料と接触して、2つの部品の間に接合を作り出して、これらが連結して単一の部片となる。このような接合された単一の部片構成は、ほこり、粒子、または他の汚染物を捕捉する可能性があり、部片を無菌化するのを更に困難にする界面が、分かれた部品の間に存在しないという利点をもたらす。
【0021】
図3は、バイアル16にかぶせて「開いた」位置に位置決めされた図1のキャップアセンブリ100を示す。バイアルの内容物を乾燥するための蒸気経路は、点線の矢印17により図示される。キャップアセンブリ100の弾性部2中のリブ13は、キャップアセンブリをバイアル16のヘッド102に押し付けて封止して、表面15において封止の形成を助け、栓14はバイアル16のスロート101中でなく、これにかぶせて位置決めされる。バイアル中の内容物の乾燥は蒸気経路17経由で、栓14の周りにおいて、通気媒体6から外に向けて行われる。図4は「閉じた」位置の図3のキャップアセンブリ100を示す。蒸気経路はバイアル16のスロート101中に位置決めされ、封止面18でバイアルを封止する栓14により封止される。加えて、キャップアセンブリ100は封止面19でバイアルに対して封止される。図5は図4のキャップアセンブリを図示する。キャップアセンブリ100はバイアル16から取り外され、栓14はバイアル16に残っている。
【0022】
本発明のキャップアセンブリの代替構成において、このキャップアセンブリは図6に図示するように単一の材料を含むことができる。キャップアセンブリ104は、単一の材料25、例えば通気媒体の取り付けに充分な剛性と、一方ではバイアルへの取り付けにある程度の形状適合性(conformability)を有するプラスチックロッドから形成される。このプラスチックは機械加工されて、図示する構造が得られる。このキャップアセンブリは、表面23に沿っての表面摩擦嵌合によりアセンブリ内に栓14を保持する。内部表面24は、バイアル(図示せず)にキャップアセンブリを封止するための封止面である。通気媒体21は、いかなる好適な取り付け手段によっても、例えば熱封止、インパルス溶接、超音波溶接、RF溶接、接着剤、溶剤接合などによっても、封止周囲22においてキャップアセンブリ104に取り付けられる。
【0023】
他の2部片のキャップアセンブリも本発明において考慮される。例えば、2つの異種部片を上述のキャップアセンブリに一緒に成形するのでなく、2つの部片は、接合を形成せずに一緒にスナップ、ツイスト、あるいはそうでなければロックするように構成され得る。図7〜10は、2つの部品を一緒につなぎ合わせるための種々の形状のキャップアセンブリを図示する。例えば、図7の実施形態においては、キャップアセンブリ105は、凹み108付きの剛性筐体部1と、凹み108の中に嵌合するスナップリング30を有する弾性部2を含む。別法としては、図8は、剛性筐体部1が弾性部2の凹みまたは溝31の中に挿入される実施形態を示す。図9は、剛性筐体部1が弾性部の中にロックすることができ、この2つの部品が封止面36に沿って封止されるように、弾性部2中の凹み37が構成される、キャップアセンブリの更なる代替実施形態を示す。別法としては、図10は、剛性筐体部1が弾性部2の凹み39の中に「スナップ」するいわゆる「スナップリング」の2部片構成の実施形態を図示する。
【0024】
図11の実施形態に示すように、3つ以上の部品を一緒につなぎ合わせて(例えば、ロック、接合されるなど)、本発明のキャップアセンブリを形成することができるということが更に考えられる。具体的には、外側の剛性筐体42を弾性部品44と、区分42および44とスナップ嵌合され、くぼみ40により保持された内側の剛性2ショット41と嵌合して、本実施形態のキャップアセンブリを提供することができる。多くの代替の多連部片構成は好適であり、本発明のキャップアセンブリの範囲内で考慮されるということが当業者には明白であろう。
【0025】
図12〜15は、本発明のキャップアセンブリの更なる実施形態を図示する。加工時にこのキャップアセンブリが栓を被覆することができるようになされるが、キャップがキャップアセンブリ中に栓を保持するためのくぼみまたは他の類似の構造を含まない。この図では、前の図に示した血清栓でなく凍結乾燥栓が栓として図示されている。バイアルまたは容器を封止するように機能するいかなる好適な栓も本発明の新規なキャップアセンブリでの使用に好適であると考えられるということを当業者ならば認識すべきである。例えば、実質的に図示したような構造のWest Companyにより販売されているような凍結乾燥栓と称されるものを使用することは、凍結乾燥業界において現在行われていることである。これらの栓はバイアルから外部雰囲気への通気経路を形成する1つ以上のスロットまたはチャンネルを有する。図12を参照すると、弾性部材48と通気媒体53を支持するためのクロスバー46を持つ剛性部品49を備えるキャップアセンブリ107が示されている。図13においては、キャップアセンブリ107は、バイアル16のスロート101中に位置決めされた栓14を保持しないが、覆う。点線の矢印17は蒸気経路を図示し、この場合には栓14とキャップアセンブリ107はバイアルの内容物を乾燥するために「開いた」位置にある。封止は、図示するようにキャップアセンブリ107とバイアル16の間の封止面55に形成される。図14は「閉じた」位置の図13のキャップアセンブリ107を示す。蒸気経路は、バイアル16のスロート101中に位置決めされ、封止面57においてバイアルを封止する栓14により、密封されている。加えて、キャップアセンブリ107は封止面55においてバイアルに封止されている。図15は図14のキャップアセンブリを図示する。キャップアセンブリ107はバイアルから取り外され、栓14はバイアル16中で封止面57において封止された状態となる。
【0026】
図16は、本発明のキャップアセンブリの代替構成を示す。キャップアセンブリは、封止面65においてトレー66のような容器に封止する。トレー66は、凍結乾燥に使用される従来の金属トレー、または、内容物を凍結乾燥するために1つ以上のバイアルを保持することのできる他の適切なトレーであってよい。具体的には、キャップアセンブリ110は、剛性筐体64、弾性部62、およびトレー66に取り付けるための図示した構造を持つキャップアセンブリ110に取り付けられた通気媒体60を含む。個別のバイアル16中の凍結乾燥栓63は「開いた」位置で配置されて、バイアルから通気媒体60を通って流れる蒸気経路61を設け、加工時にバイアルの内容物を乾燥することができる。図17は「閉じた」位置での図16の配置を示す。ここでは、適切な力が栓63をバイアルの中に移動させて、バイアル中に封止を形成し、封止は封止面65においてキャップアセンブリ110とトレー66の間で維持される。キャップアセンブリをトレー上に、栓をバイアルの中に移動させて、「閉じた」位置を達成するための好適な力または手段の1つの例は、従来の凍結乾燥ユニットにおいて現在使用される自動閉じシェルフ機構である;しかしながら、他の手段も当業者には明白であろう。
【0027】
図18〜20は本発明のキャップアセンブリ120の代替構成を図示し、この実施形態は、バイアル中の材料を加工した後に、栓をしたバイアルに圧着されるようにされた金属部品72を組み込んでいる。図18を参照すると、射出成形された熱可塑性樹脂の形状適合部品73、金属部品72、および接合周囲75において剛性部品70に取り付けられた通気媒体74の剛性部品70を備えるキャップアセンブリ100が示されている。金属部品72が剛性部品70の中に延び、封止71がその間に作られる。図18はバイアル16にかぶさって配置され、封止面77において封止されたキャップアセンブリ120も示す。栓14は「開いた」位置で配置されて、蒸気通過が点線78により示される蒸気経路経由でバイアル16からキャップアセンブリ120を通って可能となる。金属部品72は、栓14をへりまたは延長部76において切り、あるいはこの中に延びて、栓14はバイアル16にかぶさって開いた位置に保持される。図19はバイアル16上でのキャップアセンブリ120を「閉じた」位置で示す。栓14はバイアルを封止面80において封止し、金属部品72によりバイアル内に維持される。図20は栓をされた(閉じた位置の)バイアル16にかぶさって圧着された金属部品72と形状適合部品73付きのキャップアセンブリ120を図示する。剛性部品70は圧着された部分から分離されている。このような構成に対する1つの利点は、栓をしたバイアル(すなわち、圧着)を保持するための固定手段が提供され、一方、剛性部品70に取り付けられた通気媒体74は除去可能であり、栓の中に挿入された針が使用時に通気媒体を突き刺す必要があり、従って汚染についての心配を引き起こすという懸念は最終使用者には存在しない。
【0028】
図21を参照すると、開いた構成で配置されて蒸気通過を可能とする多連ウエル容器アセンブリの断面斜視図が示されている。キャップアセンブリ130は、剛性部品86、剛性部品86に取り付けられた通気媒体85、および封止面88において多連ウエル容器89に封止された形状適合部品91を備える。多連プラグ栓90は多連ウエル容器89にかぶさって開いた位置で配列され、保持される。通気経路は点線の矢印84により図示され、経路は通気された栓パッド87からウエルを出る。図22は「閉じた」位置での図21の配置を示す。ここでは、適切な力が多連プラグ栓90を多連ウエル容器89のウエルの中に移動させて、バイアル中に封止を形成し、封止が、封止面92においてキャップアセンブリ130と多連ウエル容器89の間で形成される。
【0029】
通気媒体に好適な材料は、バクテリア、ウイルス、粒子状、および他のこのような材料の透過を含む、これを通る固体と液体の移行に対して隔離するための蒸気透過性であるが、有効なバリアを提供するいかなる材料も含む。通気媒体の例としては、限定ではないが、紙、ポリオレフィンのような不織ポリマーフィルム、および、延伸多孔質PTFE(ePTFE)のような多孔質ポリマー膜、およびこれらの組み合わせが挙げられる。通気媒体は疎水性であることが好ましい。疎水性とは、この媒体が水による透過に対して抵抗性であるという意味である。好ましくは、有効細孔サイズに対する水蒸気流れに対する材料の抵抗性も考慮されなければならない。0.1〜3.0マイクロメートル範囲の公称の細孔サイズは、バクテリア負荷試験において通気媒体と一般に関連する性能を生じることが実証され、大きい細孔サイズはある状況下では適切であり得る。細孔サイズが小さいほど、バリア性能はより信頼できる。フィブリルと相互接続されたノードの微構造を有する前記のePTFEの場合、0.1マイクロメートルないし3.0マイクロメートル以上の公称の細孔サイズが有用である。逆に、所与の材料で参照細孔サイズがより小さいと、蒸気流れに対する抵抗性も高くなり、これは乾燥工程の生産性に影響を及ぼすことがある。延伸PTFEは、所与の公称の細孔サイズに対する疎水性と水蒸気流れ、ならびに化学的不活性の卓越した組み合わせに基づく好ましい通気媒体である。
【0030】
通気媒体は、キャップアセンブリの頂部に置かれるように示されているが、なお蒸気経路内に配置されたという前提ならば、他の位置に置かれることも考えられる。
【0031】
アセンブリが一部片あるいは多連部片の構成であれ、通気媒体は、媒体と筐体の間の封止をもたらすいかなる好適な取り付け手段によってもキャップアセンブリの筐体に取り付けられ得る。例えば、この媒体は、熱封止、インパルス溶接、超音波溶接、RF溶接、接着剤、溶剤接合などにより取り付けられ得る。
【0032】
図に関連する説明で指示されているように、本発明の範囲および精神内のものであると考えられ得る、蒸気経路開口、通気媒体、栓または他のプラグ、およびキャップアセンブリの広範で多様な構成が存在する。同様に、本発明と関連して適切に使用され得る種々の好適な材料が存在する。
【0033】
本発明のキャップアセンブリを使用するための例示の方法は、限定ではないが、
(a)容器を製品により無菌の条件下で充填し;
(b)栓を取り付けて、あるいは取り付けずに本発明のキャップアセンブリを封止し、キャップアセンブリを「開いた」位置にして栓を容器の口にかぶせて、あるいはその上に位置決めして、容器からの蒸気経路を設け;
(c)容器中の製品を適切な凍結乾燥あるいは他の乾燥条件下で乾燥し、蒸気を蒸気経路経由で通気媒体から逃がし;
(d)栓を閉じた位置まで移動することにより蒸気経路を封止し;
(e)場合によっては、キャップアセンブリを栓をしたバイアルと共に残すか、あるいはキャップアセンブリを栓をしたバイアルから取り外す
ことを含む。
【0034】
加えて、特別な乾燥技術に独自であり得る他の加工段階は更なる段階の必要性を生むことがある;しかしながら、更なる段階は本発明の範囲から逸脱するものでなく、これに包含される。
【0035】
凍結乾燥処理機および/または最終使用者の要求に依って、封止されたバイアル/栓ユニットからのキャップアセンブリの取り外しは時には望ましい。本発明のキャップアセンブリを取り除く1つの好適な方法は、空気圧を使用して、栓をバイアル中に封止したままで、バイアルからキャップアセンブリを持ち上げることを含む。図23A〜23Cは、この空気圧で取り除く方法における段階を図示する。具体的には、図23Aを参照すると、グリップ200がキャップアセンブリ100上に移動し、通気媒体21の周りに封止を形成する。次に、空気圧が導管202からキャップアセンブリ100に印加される。空気は通気媒体を通り、キャップアセンブリ100の内側の体積204を加圧し(図23Bを参照)、キャップアセンブリ100がバイアルと栓から完全に分離されるまで(図23Cを参照)、キャップアセンブリ100から合体された栓14およびバイアル16を押すことにより、空気圧は体積204を増加させ、空気圧は開放される。この空気圧で取り除く方法によって、栓のバイアル中での封止を確保しながら、キャップアセンブリを容易に取り除くことが可能になる。別法としては、キャップアセンブリをグリップし、バイアル中で封止された栓に乱れを起こさずにこれをバイアルから取り除くことができるいかなる好適なグリップ機構あるいは装置も使用され得るということが考えられる。
【0036】
キャップアセンブリを取り除くいかなる好適な方法も使用され得ること、あるいは別法としては、バイアルの内容物が最終使用者により使用されるまでキャップアセンブリが出荷および貯蔵時にバイアルと栓と共に維持され得ることは当業者には明白であろう。
【0037】
本発明の実施形態は、次の実施例を参照しながらほんの一例として説明される。
【実施例】
【0038】
試験方法
ケーキ外観および溶解性試験
ケーキ外観および溶解性試験については、ラクトース溶液を入れたバイアルを本発明のキャップアセンブリにより被覆して、凍結乾燥した。キャップアセンブリはすべて20mmの血清栓(West Pharmaceuticals、品番19500080)を入れたものであった。バイアル中の得られた乾燥ケーキ(サイクルが完了した後バイアル中に残る凍結乾燥製品)を外観と溶解性について評価した。理想的には、本発明のキャップアセンブリにより得られる凍結乾燥製品は、標準の凍結乾燥栓を用いて得られる同一の製品と異なるものであってはならない。キャップアセンブリが充分な通気をもたらさない場合には、ケーキは「メルトバック(meltback)」を起こす。メルトバックとはケーキが完全に乾燥されず、液体が融解し、製品の一部をもどす場合に起こるものの記述に使用される用語である。これは、肉眼で容易に目視出来る。メルトバックは、ケーキとしての単なる肉眼的な外観の問題でなく、高い残存水分内容物、低下した溶解性(増大されたあるいは無限の溶解時間)、減少した安定性(保存寿命)などを含む問題を提起し得る。
【0039】
キャップアセンブリを評価するために、3%ラクトース溶液を凍結乾燥した。30グラムのD−(+)−ラクトース一水和物粉末(品番2248−01、J.T.BakerからのCAS No.64044−51−5)を970mLの水に添加することにより、この溶液を作製した。磁気撹拌板を用いてこの溶液を少なくとも1時間混合した。
【0040】
すべての凍結乾燥実験の間、各実験時に対照を含めた。これらの対照はキャップおとび栓アセンブリの代わりに標準の栓(West Pharmaceuticals、品番19500240)を使用した。
【0041】
FTS Systemsにより供給されている実験室規模の凍結乾燥機のモデル「Dura−Stop μP」ですべての試験を行った。凍結乾燥のパラメータは次の通りである。シェルフを予備冷却しなかった。凍結温度は−50℃であり、外周温度から2.5℃/分の速度で冷却した。バイアルを凍結温度において6時間保持した。6時間の保持が完了した後、凍結乾燥機の圧力を50ミリトールまで低下させ、一次乾燥が完了するまでそのレベルで放置した。バイアルの内容物を凍結温度から−10℃まで2.5℃/分の速度で加熱しながら、一次乾燥サイクルを行った。バイアルがすべて一次乾燥を完了するまで、二次乾燥を開始しなかった。バイアルの内容物を2.5℃/分の速度で25℃まで加熱しながら、二次乾燥を行った。これらがすべて25℃の温度に達するまで、バイアルを凍結乾燥機から取り外さなかった。取り外し時に、実験バイアルのすべてのケーキを標準の凍結乾燥栓を用いて得られるケーキと比較した。
【0042】
ケーキ外観と溶解性が、評価した2つの特性であった。ケーキを肉眼検査し、この実験時に得られた対照ケーキのそれと比較した。ケーキを1(最良)から4(最悪)の系で等級付けした。1はケーキが対照ケーキの同一(肉眼的に)であるということを意味する。水をバイアルに添加し、ケーキが溶液になる時間を観察することにより、溶解性を求めた。対照ケーキはすべて直ちに溶液になり、溶解しないいかなる試験ケーキも不合格と類別した。
【0043】
ウイルス濾過効率(VFE)試験
凍結乾燥工程において望ましくない一方で、液体が通気媒体上、あるいはバイアル中で形成され、小さな液滴が発生蒸気により同伴されることが可能である。汚染を通気ポートからこれら液滴中に運ぶことが可能である。同様に、人間、装置、または環境からの空気担持汚染物質は、開いたあるいは部分的に封止された容器の中に入り込むことができる。ウイルス濾過効率試験を使用して、キャップアセンブリのバリア材料がエアロゾル化された汚染物質に対してバリアをもたらすかどうかを求める。
【0044】
栄養培地に大腸菌(ATCC#13706)を接種し、これを2−4×108コロニー形成単位(CFU)の密度まで生長させることにより、溶液を作製する。次に、この溶液にバクテリオファージ保存培養液(ATCC#13706)を接種する。完全な大腸菌溶菌と0.2μm膜フィルターによる濾過後、このΦ×174ファージ培養液は負荷溶液として使用できる状態になる。
【0045】
制御された流量と固定した空気圧で蠕動ポンプを用いてこの負荷溶液を「Chicago」ネブライザーからポンプ噴霧する。一定の負荷送達は、規定されたサイズ(MPS2.8〜3.2μm)のエアロゾル液滴を形成する。この負荷レベルを試験試料当たり106プラーク形成単位より大きい一貫した負荷をもたらすように調整する。エアロゾル液滴をガラスエアロゾル室中で生じさせ、試料ホルダーからすべてのガラスインピンジャー(AGI)の中に平行に引き込む。各AGIは30mLアリコートのペプトン水を含有して、エアロゾル液滴を捕集する。このエアロゾル負荷流量を28.3Lpm(1CFM)で維持する。
【0046】
この負荷を1分間隔で送達し、AGIからのサンプリングを2分間行って、エアロゾル室を空にする。対照試験(試料ホルダー中の媒体が無い)を行って、負荷エアロゾル中に生成した生存粒子数を求める。これらを試料ホルダーの中に入れ、負荷エアロゾルを開始し、AGIの中への流出空気を捕集することにより、対照のようにバリア材料の試料を試験する。各試料のアリコートを2.5mLの上層寒天と1〜2滴の大腸菌を入れた管の中に入れることにより、このAGI流体を検定する。この内容物を混合し、底層寒天プレートの表面にわたって注ぐ。すべてのプレートを37℃±2℃で12〜24時間インキュベーションする。
【0047】
次式を用いてウイルス濾過効率、またはVFEを試験試料と対照試験(所定の試験試料無し)の間のパーセント差として計算する。
%VFE=[(フィルター無しプラーク−フィルター付きプラーク/(フィルター無しプラーク)]×100
【0048】
封止完全性(染料浸漬)試験
本発明のキャップアセンブリが液体とこれらの汚染物質を保持することができるということを実証するために、染料浸漬試験を行う。バイアル閉栓封止の完全性を評価するために、この方法を設計する。
【0049】
メチレンブルー染料100mgと、Tween80界面活性剤3グラムを混合し、これをUSP精製水により1リットルまで希釈し、染料がすべて溶解するまで加熱、混合することにより、この染料を作製する。次に、この染料を負荷容器の中に注ぐ。
【0050】
この容器バイアルをUSP精製水により充填し、上述したようにキャップアセンブリにより封止する。次に、封止されたバイアルを青色染料溶液を入れた容器に入れる。封止されたバイアルが完全に沈むように充分な青色染料溶液を添加する。このバイアルをこの溶液中で24時間保存する。24時間後、バイアルを取り出し、注射器をキャップから挿入して、数ミリリットルの液体を取り出す。
【0051】
試料がこの試験に合格あるいは不合格のいずれであるかを決めるために、青色染料溶液に暴露されないネガティブ対照を準備する。ポジティブ対照は22ゲージの針により穿刺されたバリア材料を有し、次に青色染料溶液に暴露される。純水中のメチレンブルー染料は1μL/mLのレベルで肉眼で検出可能である。試験試料を対照試料と比較することにより、この液体を肉眼検査する。この結果を、この試験基準の合格/不合格として示す。青色染料の存在を示すいかなる試料も不合格と考えられる。
【0052】
容器閉栓(バクテリア)完全性試験
この試験は上述の封止完全性試験に類似しているが、バイアル/キャップアセンブリが染料でなくバクテリアの通過に抵抗する能力を測定するものである。この試験に対する負荷媒体は、バクテリアのBrevundimonas diminuta ATCC#19146であり、これは、適切に培養した場合、典型的な公称定格で0.45μmの膜フィルターを通ることができる。B.diminutaは過酷なバクテリア負荷である。これらのエアロゾルベースの負荷と異なり、B.diminutaは液体中に分散されているので大型MPS粒子に凝集しないという事実のために、この試験はBFEあるいはVFE試験よりも高負荷である。
【0053】
体積の無菌の大豆カゼイン消化培地(SCDB)を接種し、B.diminutaを大豆カゼイン消化寒天(SCDA)上に単離し、これをインキュベーションすることにより、B.diminutaの保存溶液を作製する。次に、この「保存培養液」を使用して、更に多くのSCDBを接種し、インキュベーションして、「培地」を得る。適切な容積の「培地」を無菌の体積の塩ラクトース培地(SLB)に移し、インキュベーションして、ほぼ107CFU/mLのタイターレベルで負荷懸濁液を作る。
【0054】
このバイアルをSCDBにより充填し、このキャップにより封止し、次に無菌化する。次に、このバイアル/キャップアセンブリをB.diminuta負荷溶液を含む容器の中に入れる。この液体レベルは、このアセンブリを完全に沈めるのに充分であり、ラックを所定の位置に置いて、このアセンブリをこの負荷の表面の下に保持する。この負荷液体を暴露期間の間連続的に撹拌する。このアセンブリを負荷溶液中に24時間沈めたままとする。取り出した後、各アセンブリの外側をすすぎ、次にこのアセンブリをインキュベーター中に30℃±2℃で7日間入れる。毎日、各アセンブリを数回ひっくり返して、溶液がこの積層物と接触するようにする。7日後、負荷生物の成長の形跡についてこのバイアル/キャップアセンブリの内容物を検査する。いかなる成長も蒔種し、同定し、定量化する。
【0055】
泡立ち点試験
47mmのディスク試料について泡立ち点をASTM F316−86の方法により測定した。イソプロピルアルコールを湿し流体として使用して、試験試料の細孔を充填した。
【0056】
泡立ち点は、試験試料の細孔からイソプロピルアルコールを置換するのに必要とされる空気の最小圧力であり、これは多孔質媒体を被覆するイソプロピルアルコールの層を上昇することにより検出可能である泡の第1の連続流を形成する。この測定は最大細孔サイズの評価をもたらす。泡立ち点に影響する因子は、液体の表面張力、膜の表面自由エネルギー、および最大開口(例えば、細孔)のサイズを含む。泡立ち点は細孔サイズに反比例し、従って泡立ち点が高いほど、相対細孔サイズは小さい。
【0057】
空気流れデータ:ガーレー数
この空気流れ試験は、4.88インチの水圧の一定の圧力を加えた場合に100ccの空気が1平方インチ試料を通って流れる秒での時間を測定する。試料をガーレー・デンソメーターで測定する(ASTM D726−84を参照)。試料をクランプ板の間に置く。次に、円筒を静かに落下させる。自動タイマー(またはストップウオッチ)を使用して、上記の特定の体積を円筒により置換するのに必要とされる時間(秒)を記録する。秒でのこの時間が、ガーレー数である。
【0058】
透水圧(WEP)
透水圧は膜を通しての水の侵入に対する試験方法を提供する。試験試料を一対の試験プレートの間に挟む。下のプレートは試料の切片を水により加圧する能力を有する。透水の形跡を指示するものとしてpH紙の片を非加圧側上のプレートの間の試料の最上部に置く。次に、pH紙の色変化が透水の最初の徴候を示すまで、この試料を小増分で加圧する。各圧力変化後10秒待つ。漏出または透水時の水圧を透水圧と記録する。
【0059】
実施例1
実質的に図1〜5に示す構造の本発明の2部片の、あるいは「2ショット」のキャップアセンブリを次のように成形した。
【0060】
下記に述べる部片の構造のキャップアセンブリを提供するように金型を作製した。この金型は2つの半体、「A」側および可動の「B」側を含み、最初にPRO−FAX6323(登録商標)ポリプロピレン樹脂(Montell Polyolefins(Wilmington,DE))から剛性筐体部品を成形した。このポリプロピレン筐体は、外径約0.92インチ(23.4mm)、内径約0.74インチ(18.8mm)、および高さ約0.29インチ(7.37mm)の環の概略形状を有するものであった。内壁に通気スロットを45゜、135゜、225゜、および315゜において、約0.036インチ(0.914mm)の深さまで設置した。通気媒体を支持し、このキャップアセンブリ中で栓を着座させることができるstopを設けるために、この部片の最上部に幅0.100インチ(2.54mm)および厚さ0.080インチ(2.03mm)の寸法のクロスバーを0゜、90゜、180゜、および270゜において設置した。突起は、内壁から0.015インチ(0.381mm)延び、栓(品番19500080、West Pharmaceutical Services,Inc.,(Lionville,PA))を保持するようにされ、傾斜した、あるいは角度の付いた面が内壁に対して後方に傾斜をなし、キャップが栓の封止位置まで移動するに従って、10ml/20mlのガラスバイアル(品番68000320、West Pharmaceutical Services,Inc.)の最上部に係合するようにされたものであった。この傾斜面はポリプロピレン筐体が拡がるようにし、次に突起は栓をはずして、キャップアセンブリを取り外すときに、栓がバイアル中に残るようにするものであった。
【0061】
次に、上述の2部片の金型を用いて、弾性体の、あるいはこの場合にはゴム(Santoprene(登録商標)281−45、Advanced Elasyomer Systems(Akron,OH))のキャップアセンブリの部分を剛性筐体の底部周囲に成形した。このゴム部分は剛性筐体部品と同一の外径を有し、厚さ約0.08インチ(2.0mm)であり、内壁に沿って約0.140インチ(3.56mm)の間隔を持たせた3つの0.015インチ(0.381mm)半径のリブを有するものであった。このゴム部分は、約0.02インチ(0.51mm)の突起を示し、底部の外縁の周りで厚さ約0.030インチ(0.76mm)の寸法のへりも有した。このへりは乾燥操作時のキャップアセンブリの自動装填工程を助けるものであった。
【0062】
熱封止によりキャップアセンブリに取り付けられる通気媒体は、不織ポリエステル材料(品番L32242、W.L.Gore and Associates,Inc.,(Elkton,MD))に接合されたePTFEの積層物(「A」と表示)であった。材料Aは次の公称の積層物の性質を有していた:ガーレー<4.7秒、>16psiの透水圧(WEP)、8〜13.5ミルの厚さ、および>5.7psiの泡立ち点。最初に、各々約0.91インチ(23.16mm)の寸法の8つのキャビティ付きの打抜型を用いて丸い円板をこの積層物から押し抜きした。
【0063】
熱封止段階時にキャップを保持するために、上記で成形されたキャップアセンブリ部分をネスト中に配置した。このネストは、キャップのクロスバーを嵌合させる最上部に沿って凹みを付けた直径0.715インチ(18.2mm)の寸法のアルミニウムポストであった。このように、ネスト上にキャップを置き、平らな領域を形成して、熱封止時キャップの外縁の周りで圧力分布が均等となるようにした。封止時に末端に取り付けられたヒーターカートリッジ付きの空気シリンダーからなる熱封止機下で、このネストを所定の位置に固定した。外径約0.91インチ(23.1mm)と内径約0.81インチ(20.63mm)のアルミニウムからなる熱封止型を熱封止機の中に置き、220℃まで加熱した。
【0064】
次に、このキャップをネストの中に入れ、不織布を上に向けてこの切断された積層物をキャップにかぶせて置き、この積層物の熱封止型への粘着を防止するために剥離材料(PTFE被覆のファイバーガラス織布、McMaster−Carr(Atlanta,GA))をこの積層物にかぶせて置いた。封止圧力50psiおよび滞留時間1.25秒で封止を行い、次に剥離材料と封止されたキャップアセンブリを取り外した。
【0065】
次に、血清栓(West Pharmaceuticals、品番19500080)をこのキャップの中に挿入して、しっかりと保持されるようにした。次に、バイアル(品番68000320、West Pharmaceutical Services,Inc.)を2.50mLの3%ラクトース溶液により充填した。充填後、キャップをバイアル上に置き、次に冷凍乾燥機の中に入れて(標準の栓を用いた対照試料と一緒に)、ケーキ外観および溶解性試験で述べたように試験した。VFE、染料浸漬、および容器/閉栓試験には、積層物およびキャップの試料をNelson Laboratories(Salt Lake City,UT)に送付した。
【0066】
【表1】
【0067】
この実施例は、好ましい構成である図1〜5に示したキャップアセンブリによって、凍結乾燥が取り付けられた通気媒体により行われ、バイアルの内容物と外部環境の間の隔離バリアが得られることを実証する。
【0068】
実施例2
本発明の2部片の、あるいは「2ショット」のキャップアセンブリを実施例1に述べたように成形した。
【0069】
このキャップアセンブリに取り付けられる通気媒体は、不織ポリエステル材料(品番B3005、HDK Industries Inc.(Rogersville,TN))に接合された1.0μmの参照細孔サイズを有するePTFE膜(W.L.Gore and Associates(Elkton,MD))の積層物(「B」と表示)であった。材料Bは次の測定された積層物の性質を有していた:0.8秒のガーレー数、39.4psiの透水圧(WEP)、9ミルの厚さ、および11.2psiの泡立ち点。直径0.94インチ(23.8mm)の寸法の手動押し抜き機を用いて、この積層物を切断した。次に、両面シリコーン接着剤(Specialty Tapes、品番D650)の環(0.94インチ(23.8mm)O.D.、0.81インチ(20.6mm)I.D.)を用いて、これをキャップに接着した。
【0070】
次に、血清栓(West Pharmaceuticals、品番19500080)をこのキャップの中に挿入して、くぼみ3によりしっかりと保持されるようにした。次に、バイアル(品番68000320、West Pharmaceutical Services,Inc.)を2.50mLの3%ラクトース溶液により充填した。充填後、キャップをバイアル上に置き、次に冷凍乾燥機の中に入れて(標準の栓を用いたコントロール試料と一緒に)、ケーキ外観および溶解性試験で述べたように試験した。VFE試験には、積層物の試料をNelson Laboratories(Salt Lake City,UT)に送付した。
【0071】
【表2】
【0072】
この実験は、図1〜5のキャップアセンブリ構成中の異なる通気材料によって、凍結乾燥が取り付けられた通気媒体により行われ、バイアルの内容物と外部環境の間の空気担持の汚染物質に対する隔離バリアが得られることを実証する。
【0073】
実施例3
実質的に図6に示す構造の本発明の単一部片のキャップアセンブリを次のように成形した。
【0074】
直径約1インチ(25.4mm)の寸法のポリプロピレン棒を約0.7インチ(17.8mm)の長さに切断し、この棒を機械加工して、内部を中空とし、0.78インチ(19.8mm)より若干小さく、ゴム栓(品番19500080、West Pharmaceutical Services,Inc.(Lionville,PA))の外径より若干小さく、キャップがこの栓の外側表面を把み、保持することができるようにした内径のキャップを作製した。通気スロットを0゜、90゜、180゜、および270゜においてキャップの中に切って、栓の周りの通気を可能とし、0.60インチ(15.24mm)の寸法の貫通孔をキャップの中心の中に機械加工して、栓より上の通気領域を多くした。この通気媒体をこの貫通孔にかぶせて取り付けた。次に、バイアルネックをキャップの中に収容し、案内するために、面取り部をこのキャップの底部の中に機械加工した。
【0075】
このキャップアセンブリに取り付けられる通気媒体は、積層物AおよびB(実施例1および2に述べたように)であった。
【0076】
最初に、各々約0.91インチ(23.16mm)の寸法の8つのキャビティ付きの打抜型を用いて丸い円板をこの積層物から押し抜きした。
【0077】
熱封止段階時にキャップを保持するために、上記で成形されたキャップアセンブリ部分をネスト中に配置した。このネストは、キャップのクロスバーを嵌合させる、最上部に沿って凹みを付けた直径0.72インチ(18.2mm)の寸法のアルミニウムポストであった。このように、ネスト上にキャップを置き、平らな領域を形成して、熱封止時キャップの外縁の周りで圧力分布が均等となるようにした。封止時に末端に取り付けられたヒーターカートリッジ付きの空気シリンダーからなる熱封止機の下で、このネストを所定の位置に固定した。外径約0.91インチ(23.1mm)と内径約0.81インチ(20.63mm)のアルミニウムからなる熱封止型を熱封止機の中に置き、220℃まで加熱した。
【0078】
次に、このキャップをネストの中に入れ、不織布を上に向けてこの切断された積層物をキャップにかぶせて置き、この積層物の熱封止型への粘着を防止するために剥離材料(PTFE被覆のファイバーガラス織布、McMaster−Carr(Atlanta,GA))をこの積層物にかぶせて置いた。封止圧力50psiおよび滞留時間1.25秒で封止を行い、次に剥離材料と封止されたキャップアセンブリを取り外した。
【0079】
次に、血清栓(West Pharmaceuticals、品番19500080)をこのキャップの中に挿入して、くぼみ3によりしっかりと保持されるようにした。次に、バイアル(品番6800−0320、West Pharmaceutical Services,Inc.)を2.50mLの3%ラクトース溶液により充填した。充填後、キャップをバイアル上に置き、次に冷凍乾燥機の中に入れて(標準の栓を用いた対照試料と一緒に)、ケーキ外観および溶解性試験で述べたように試験した。
【0080】
【表3】
【0081】
この実施例は、従来の栓と比較してケーキ品質または製品溶解性に悪影響を及ぼさずに図6のキャップアセンブリ構成を凍結乾燥に使用することができるということを示す。
【0082】
実施例4
本発明の2部片の、あるいは「2ショット」のキャップアセンブリを実施例1に述べたように成形した。
【0083】
このキャップに取り付けられる通気媒体は、市販の濾過材料ならびに実施例2で述べた材料Bであった。
【0084】
直径0.94インチ(23.8mm)の寸法の手動押し抜き機を用いて、この積層物を切断した。次に、両面シリコーン接着剤(Specialty Tapes、品番D650)の環(外径0.94インチ(23.8mm)、内径0.81インチ(20.6mm))を用いて、これをキャップに接着した。
【0085】
次に、血清栓(West Pharmaceuticals、品番19500080)をこのキャップの中に挿入して、くぼみ3によりしっかりと保持されるようにした。次に、バイアル(品番68000320、West Pharmaceutical Services,Inc.)を2.50mLの3%ラクトース溶液により充填した。充填後、キャップをバイアル上に置き、次に冷凍乾燥機の中に入れて(標準の栓を用いた対照試料と一緒に)、ケーキ外観および溶解性試験で述べたように試験した。
【0086】
【表4】
【0087】
この実施例は、満足な品質および溶解性のケーキの形成を可能とさせる種々の市販の通気材料の付いた図1〜5のキャップアセンブリを示す。
【0088】
実施例5
本発明の単一部片の、機械加工したキャップアセンブリを実施例3に述べたように作製した。
【0089】
このキャップに取り付けられる通気媒体は、市販の濾過材料ならびに実施例2で述べた材料Bであった。
【0090】
直径0.94インチ(23.8mm)の寸法の手動押し抜き機を用いて、この積層物を切断した。次に、両面シリコーン接着剤(Specialty Tapes、品番D650)の環(外径0.94インチ(23.8mm)、内径0.81インチ(20.6mm))を用いて、これをキャップに接着した。
【0091】
次に、血清栓(West Pharmaceuticals、品番19500080)をこのキャップの中に挿入して、くぼみ3によりしっかりと保持されるようにした。次に、バイアル(品番6800−0320、West Pharmaceutical Services,Inc.)を2.50mLの3%ラクトース溶液により充填した。充填後、キャップをバイアル上に置き、次に冷凍乾燥機の中に入れて(標準の栓を用いた対照試料と一緒に)、ケーキ外観および溶解性試験で述べたように試験した。
【0092】
【表5】
【0093】
この実施例は、図6に示した種々の通気材料により作製されたキャップアセンブリによって、従来の凍結乾燥栓と比較して好適なケーキ品質と溶解性が可能となるということを実証する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結乾燥、泡乾燥、および他の形態の蒸発、昇華、あるいは脱着乾燥などの工程時に容器を通気および隔離するためのキャップアセンブリに関する。このキャップは、加工時に容器と外部雰囲気の間の蒸気交換経路を与える一方で、この容器の内容物を汚染から、そして材料の損失から隔離するように設計される。
【背景技術】
【0002】
乾燥技術は、広範で、多様な食品、医薬品、および生物学的製品を安定化することで知られている。蒸発および/あるいは昇華乾燥は、本明細書で使用されるように、安定化、貯蔵の容易化、輸送等のために溶質を容器中に捕捉するために、溶液から液体を除去することおよび/または固体から残存水分および揮発分を除去することを指す。時には、後日の使用のために溶液中で材料をもどすことが期待される。汚染の機会を最小にするためには、これらの製品の多くは取り扱いおよび加工に極めて注意を払わなければならない。
【0003】
使用される乾燥方法は、加工対象の材料、材料の所望の最終の形、加工の経済性に依って変わり得る。典型的な蒸発あるいは昇華をベースとする方法は、いくつかの普通の方法を挙げれば、凍結乾燥、泡乾燥、真空乾燥、対流乾燥、乾燥、マイクロウエーブ乾燥、および高周波乾燥を含む。凍結乾燥は広く使用されている乾燥技術であり、この用語は、本明細書では単に簡便さのために、本発明のキャップアセンブリの固有の特徴が有効である広範な蒸発および昇華乾燥技術を総括的に指すように使用される。
【0004】
凍結乾燥装置はバッチ間でしばしば水蒸気殺菌され、装置を配置する全運転領域は無菌クリーンルームとして装備されて、凍結乾燥機との間の輸送の際に、製品が汚染物質へ暴露することを最小限にする。場合によっては、凍結乾燥後に製品を再包装しなければならず、従って凍結乾燥製品の中に汚染物質を導入する機会をもたらす取り扱い段階が追加される。
【0005】
多数の凍結乾燥方法は、材料の開いた容器を凍結乾燥機中に入れることを伴う。凍結乾燥工程が完結して、水蒸気の経路が製品から取り外されるまで、容器は開いたままにされる。しかしながら、このやり方は汚染の機会を与えてしまい;従って凍結乾燥装置および周囲の領域の清浄度および無菌度に対する懸念が存在する。異なるバッチの同時に凍結乾燥される製品の間の交差汚染も問題である。凍結乾燥装置は高価であり、凍結乾燥サイクルは一般に極めて長く、単一のバッチの材料を加工するのに何時間もあるいは数日も費やす。結果として、凍結乾燥機の運転者は、サイクルのたびに凍結乾燥室を一杯に装填しようと試みることにより、資本投資を装置に最大限に使用することが有利である。このことは、異なる材料を同一の室で同時に凍結乾燥するやり方を生じ得る。開いた容器中で材料をすべて加工するので、製品の交差汚染が普通に起こることが可能であり、そして実際に起こる。
【0006】
上記のように、凍結乾燥で遭遇する問題の多くは他の形態の蒸発乾燥に共通である;なお他の問題も他の方法において存在し得る。例えば、泡乾燥方法においては、発泡段階の性状が時々極めて噴出性であることにより、発泡工程の揮発性の性状は、製品封じ込めにおける更なる問題を生み出す。
【0007】
封じ込めに対応するために、過去にキャップが開発された;しかしながら、これらのキャップによる制約が明らかにされた。例えば、Benderらへの米国特許第3,454,178号においては、バイアルは、「開いた」位置にある時には、水蒸気がバイアルから逃散する経路を与えるスロット付きのバイアルキャップを含む。バイアルは、キャップが「開いた」位置で工程の中に導入され、乾燥サイクルが完結するまでその状態にとどまる。サイクル終了時、凍結乾燥機シェルフによりバイアルを抑え、キャップを「閉じた」位置に押し込み、バイアルを封止し、その後で凍結乾燥機の扉を開く。このアプローチは、工程が完結した後にバイアルの内容物が汚染されないことを確実にする。これはまた、凍結乾燥機の扉を開くと水蒸気がバイアルに入って、製品を再水和することができないということも確実にする;実際、この工程の終わりに、バイアルキャップを「閉じた」位置に押し込む前に、バイアルは、しばしば、乾燥した不活性ガス、例えば窒素により再加圧されて、凍結乾燥製品の保存寿命が最大となる。しかし、この特許は、バイアルを凍結乾燥機の中に装填した時、あるいは凍結乾燥工程それ自体の間のバイアル内容物の汚染の問題に取り組んでいない。
【0008】
欧州特許第343,596号には、凍結乾燥工程時に凍結乾燥製品を汚染から保護するように設計された容器が記載されている。この容器は、少なくとも一方の側に、疎水性で、多孔質で、細菌に気密な、水蒸気透過性の膜を含む。水蒸気はこの多孔質膜により閉じた容器から逃げることができ、この膜は汚染に対するバリアとなる。もう1つの使用される技術、例えばBergmannへの米国特許第5,309,649号において教示されているものは、多孔質の疎水性壁を有する容器中で材料を凍結乾燥することを包含する。しかしながら、これらの特許はいずれも、一旦凍結乾燥機の扉を開くと容器の内容物を再水和することについての懸念には取り組んでいない。凍結乾燥製品をこのような容器中でいかにして乾燥状態に保ち、乾燥製品を湿気に最初に暴露せずに、蒸気気密容器中にいかにして最終的にパッケージすることができるかは明らかでない。このように、乾燥工程全体にわたって明確なレベルの保護を維持する凍結乾燥製品用の容器、ならびに凍結乾燥機の扉を開く前に容器上に蒸気気密封止を形成するための手段を提供することに対する必要性が存在する。
【0009】
Jonesへの米国特許第5,552,155号は、通気媒体により保護された制御型の通気ポートを組み込んだバイアルキャップを教示している。多孔質通気媒体は、キャップとバイアルの間に形成される通気経路中に設置され、この媒体は、ガス、例えば空気および水蒸気の通過を可能としながらバクテリアおよび他の粒子状物質の汚染に対してのバリアを提供する。しかしながら、このようなバイアルキャップについての問題は、もどした溶液を抜き取る場合に通気媒体を針により穿刺する危険性であり、注射用溶液を媒体断片により汚染する懸念を引き起こす。Jonesの装置による更なる問題は、バイアルキャップ中の通気媒体の実用的な大きさであり、これは容器中の材料の乾燥時間にマイナスの影響をおよぼす可能性がある。
【0010】
先行技術のこれらおよび他の制約が下記に述べる本発明により取り扱われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、蒸発および昇華乾燥方法、例えば凍結乾燥時に容器中の材料を隔離するための加工キャップアセンブリに関する。加えて、細胞培養、燻蒸、保存、制御された雰囲気中での混合あるいは反応などを含む、蒸気交換と、それに続くこのような交換を閉じる他の方法は本発明に考えられる範囲内のものである。この新規なキャップアセンブリの利点は、溶質の封じ込めの最適化、(製品、作業者、および装置の)汚染の防止、加工時の使用の容易さ、および再バリデーションの要求を最小とする現存の有効な主要パッケージング材料との適合性を含む。
【課題を解決するための手段】
【0012】
1つの好ましい実施形態においては、本発明の加工キャップアセンブリは、
1)容器に取り付け、封止、好ましくは蒸気気密または気密封止を形成するための凹み、およびこの容器から外部雰囲気への蒸気通過のための蒸気経路開口を有するキャップと、
2)キャップに取り付けられ、蒸気経路中に配置され、これによって、バクテリア、ウイルス、粒子状、および他のこのような材料の透過を含む、これを通る固体と液体の移行(すなわち、この容器への出入り)に対して隔離するためのバリアを形成する通気媒体と、
3)この蒸気経路の開閉を可能とし、それによってこのキャップアセンブリが第1の「開いた」位置から第2の「閉じた」位置まで移動可能となる手段と、
を含む。
【0013】
本発明の新規なキャップアセンブリは、凍結乾燥操作に好適ないかなる数の容器にも適用可能である。例えば、所望の容器に依って、このキャップアセンブリは、瓶またはバイアル(例えば、任意の閉栓型容器)から多連バイアルトレー、更には多連ウエルトレーの範囲の、個別の容器または多連ユニットあるいは容器システム中で材料を単離するように構成されてもよい。加えて、凍結乾燥操作の前に本発明のキャップアセンブリがこのアセンブリ内に1つ以上の栓を保持するようになされるか、別法としては加工時にこのキャップアセンブリは単純に栓にかぶせて置かれてよい。キャップアセンブリがこのキャップアセンブリの一部あるいは全部が、栓をしたバイアルと共に残るように構成され、輸送および貯蔵時に栓をしたバイアルの保護の助けとなることもでき、あるいは別法としては凍結乾燥加工が完了した後に、このキャップアセンブリが、栓をしたバイアルから完全に取り外され得る。
【0014】
本発明のキャップアセンブリを使用するための例示的な方法は、限定ではないが、
(a)容器を製品により無菌の条件下で充填し;
(b)栓を取り付けて、あるいは取り付けずに本発明のキャップアセンブリを封止し、キャップアセンブリを「開いた」位置にして栓を容器の口にかぶせて、あるいは上に位置決めして、容器からの蒸気経路を設け;
(c)容器中の製品を適切な凍結乾燥あるいは他の乾燥条件下で乾燥し、蒸気を蒸気経路経由で通気媒体から逃がし;
(d)栓を押し下げることにより蒸気経路を封止あるいは「閉栓」し;
(e)場合によっては、キャップアセンブリを栓をしたバイアルと共に残すか、あるいはキャップアセンブリを栓をしたバイアルから取り外す
ことを含む。
【0015】
本明細書に提供される図面と実施例を基に、本発明のこれらの特徴および他の特徴を更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のキャップアセンブリの断面斜視図を示し、このアセンブリの内部構造を図示する。
【図2】図1の加工キャップアセンブリの上面斜視図を示す。
【図3】バイアルにかぶせて開いた位置に位置決めされた図1の加工キャップアセンブリを示す。バイアルの内容物を乾燥するための蒸気経路は点線の矢印により図示される。
【図4】図3に示した加工キャップアセンブリとバイアルを示す。キャップアセンブリは閉じた位置にある。
【図5】図1のキャップアセンブリを図示する。キャップアセンブリはバイアルから取り外され、栓はバイアルに残っている。
【図6】本発明の代替キャップアセンブリの断面斜視図であり、このアセンブリの内部構造を図示する。
【図7】本発明の更なる代替キャップアセンブリの断面斜視図である。
【図8】本発明の別の代替キャップアセンブリの断面斜視図である。
【図9】本発明の別の代替キャップアセンブリの断面斜視図である。
【図10】本発明の更なる代替キャップアセンブリの断面斜視図である。
【図11】本発明の別の代替キャップアセンブリの断面斜視図である。
【図12】本発明のキャップアセンブリの更なる実施形態の断面斜視図である。
【図13】バイアル中で開いた位置に位置決めされた、凍結乾燥栓を組み込んだ図12のキャップアセンブリの断面斜視図である。バイアルの内容物を乾燥するための蒸気経路は点線により図示されている。
【図14】図13の加工キャップアセンブリを示す。キャップアセンブリと栓はバイアルからの蒸気経路を閉め切るように位置決めされている。
【図15】図13〜14のキャップアセンブリを図示する。キャップアセンブリはバイアルから取り外され、栓はバイアルに残っている。
【図16】キャップアセンブリが多連バイアルを入れたトレーに取り付けられるようになっている、本発明の代替キャップアセンブリを図示する部分断面斜視図である。バイアルの内容物を乾燥するための蒸気経路は矢印により図示されている。
【図17】図16のアセンブリを図示する部分断面斜視図である。キャップアセンブリは閉じた位置にあり、栓はバイアル中に着座している。
【図18】アセンブリがバイアル上で開いた位置に位置決めされ、栓を組み込んだ本発明のキャップアセンブリの更なる実施形態の断面斜視図である。バイアルの内容物を乾燥するための蒸気経路は矢印により図示されている。
【図19】図18の加工キャップアセンブリを示す。キャップアセンブリと栓はバイアルからの蒸気経路を閉め切るように位置決めされている。
【図20】図18〜19のキャップアセンブリを図示する。この実施形態のキャップアセンブリの一部はバイアルのネック周りに圧着され、一部は除去されている。
【図21】キャップアセンブリが配置されている容器が多連ウエル板を備え、栓が多連栓パッドを備え、キャップアセンブリが容器にかぶせて開いた位置に位置決めされている、本発明の代替の実施形態の断面斜視図である。蒸気経路は矢印により図示されている。
【図22】キャップアセンブリが閉じた位置にあり、多連栓パッドが多連ウエル容器中で封止されている、図21のアセンブリを図示する部分断面斜視図である。
【図23A】本発明のキャップアセンブリを取り外すための1つの取り外しシステムを図示する。
【図23B】本発明のキャップアセンブリを取り外すための1つの取り外しシステムを図示する。
【図23C】本発明のキャップアセンブリを取り外すための1つの取り外しシステムを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、蒸気を容器に出し入れさせる一方で、工程時、例えば凍結乾燥時に容器、例えば瓶、バイアル、多連バイアルトレー、多連ウエルトレー等内の材料を隔離し、容器のそれに続く閉栓を促進して、このような蒸気通過を止める(例えば、閉栓など)、改善されたキャップアセンブリに関する。
【0018】
図1および2を参照すると、栓14を組み込んだキャップアセンブリ100の1つの実施形態が示されている。好ましい構成であるこの実施形態において、キャップアセンブリ100は、剛性筐体部1と形状適合(conformable)(例えば、容器の一部の周りに形状適合して、封止、例えば弾性材料を形成することのできる)部2を含む二構成要素の部品を備える。キャップアセンブリ100は、栓14を保持し、例えばバイアル(図示せず)のヘッドおよびネック領域と嵌合するための内部構造を有する。弾性部2は、封止対象のバイアルと嵌合するようにされた構造の内部凹みを有する。具体的には、リブ13は、アセンブリ100をバイアルへ封止する助けになるように設けられている。剛性筐体部1中のくぼみ3は、栓をバイアルの中に挿入する前に、栓14を凹みに隣接する所定の位置に保持する。傾斜面4は、バイアルネックを係合し、剛性筐体部1を拡げて、バイアルの中に挿入するようにくぼみ3が栓14をはずすことにより、栓のバイアルへの移行時に機能する。剛性筐体1の内部の面5は、筐体1内で中心を合わせて栓14を維持する。通気媒体6はへり8内で中心を合わせ、筐体1の周囲の封止7により筐体1に取り付けられる。突出面12の付いたクロスバー10は通気媒体6を支持し、さらに筐体1内で栓14が固定される表面をもたらす。通気スロット11は栓14の周りの蒸気流れ経路を設ける。突起9により、自動化装置を用いる加工時のキャップアセンブリの配置が容易になる。
【0019】
この2部片のキャップアセンブリに好適な材料として、あるプラスチック、ある熱硬化性樹脂、金属などの剛性材料、および、エラストマー、プラスチック、ゴム、ある熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの形状適合性材料が挙げられる。特に好ましい材料の組み合わせは、射出成形ポリプロピレンの剛性部、例えばProfax6523、および熱可塑性樹脂ゴム、例えばSantoprene(登録商標)281−45熱可塑性樹脂ゴムの形状適合部である。このような2部片の構成を使用する利点は、各材料がキャップを更に有効に動作させるように機能するということである。例えば、この剛性プラスチック材料は、キャップに靭性をもたらして、キャップアセンブリに対する通気媒体の封止および使用時のキャップアセンブリの取り扱いを容易にし、一方、形状適合部品はバイアルに対するキャップアセンブリの封止を容易にする。
【0020】
このような2部品キャップアセンブリを形成する好ましい方法においては、この2つの部品は従来の成形法により一緒に接合される。金型は、一般に、2つの半体すなわち、固定側のA側と可動側のB側からなり、部片の成形に使用可能である。このキャップの剛性2ショットはプラスチック材料から形成される。このツールのB側は回転して、射出される弾性部品(例えば、熱可塑性樹脂ゴム)に対するキャビティを作り出す。液体または溶融状態においては、熱可塑性材料はプラスチック材料と接触して、2つの部品の間に接合を作り出して、これらが連結して単一の部片となる。このような接合された単一の部片構成は、ほこり、粒子、または他の汚染物を捕捉する可能性があり、部片を無菌化するのを更に困難にする界面が、分かれた部品の間に存在しないという利点をもたらす。
【0021】
図3は、バイアル16にかぶせて「開いた」位置に位置決めされた図1のキャップアセンブリ100を示す。バイアルの内容物を乾燥するための蒸気経路は、点線の矢印17により図示される。キャップアセンブリ100の弾性部2中のリブ13は、キャップアセンブリをバイアル16のヘッド102に押し付けて封止して、表面15において封止の形成を助け、栓14はバイアル16のスロート101中でなく、これにかぶせて位置決めされる。バイアル中の内容物の乾燥は蒸気経路17経由で、栓14の周りにおいて、通気媒体6から外に向けて行われる。図4は「閉じた」位置の図3のキャップアセンブリ100を示す。蒸気経路はバイアル16のスロート101中に位置決めされ、封止面18でバイアルを封止する栓14により封止される。加えて、キャップアセンブリ100は封止面19でバイアルに対して封止される。図5は図4のキャップアセンブリを図示する。キャップアセンブリ100はバイアル16から取り外され、栓14はバイアル16に残っている。
【0022】
本発明のキャップアセンブリの代替構成において、このキャップアセンブリは図6に図示するように単一の材料を含むことができる。キャップアセンブリ104は、単一の材料25、例えば通気媒体の取り付けに充分な剛性と、一方ではバイアルへの取り付けにある程度の形状適合性(conformability)を有するプラスチックロッドから形成される。このプラスチックは機械加工されて、図示する構造が得られる。このキャップアセンブリは、表面23に沿っての表面摩擦嵌合によりアセンブリ内に栓14を保持する。内部表面24は、バイアル(図示せず)にキャップアセンブリを封止するための封止面である。通気媒体21は、いかなる好適な取り付け手段によっても、例えば熱封止、インパルス溶接、超音波溶接、RF溶接、接着剤、溶剤接合などによっても、封止周囲22においてキャップアセンブリ104に取り付けられる。
【0023】
他の2部片のキャップアセンブリも本発明において考慮される。例えば、2つの異種部片を上述のキャップアセンブリに一緒に成形するのでなく、2つの部片は、接合を形成せずに一緒にスナップ、ツイスト、あるいはそうでなければロックするように構成され得る。図7〜10は、2つの部品を一緒につなぎ合わせるための種々の形状のキャップアセンブリを図示する。例えば、図7の実施形態においては、キャップアセンブリ105は、凹み108付きの剛性筐体部1と、凹み108の中に嵌合するスナップリング30を有する弾性部2を含む。別法としては、図8は、剛性筐体部1が弾性部2の凹みまたは溝31の中に挿入される実施形態を示す。図9は、剛性筐体部1が弾性部の中にロックすることができ、この2つの部品が封止面36に沿って封止されるように、弾性部2中の凹み37が構成される、キャップアセンブリの更なる代替実施形態を示す。別法としては、図10は、剛性筐体部1が弾性部2の凹み39の中に「スナップ」するいわゆる「スナップリング」の2部片構成の実施形態を図示する。
【0024】
図11の実施形態に示すように、3つ以上の部品を一緒につなぎ合わせて(例えば、ロック、接合されるなど)、本発明のキャップアセンブリを形成することができるということが更に考えられる。具体的には、外側の剛性筐体42を弾性部品44と、区分42および44とスナップ嵌合され、くぼみ40により保持された内側の剛性2ショット41と嵌合して、本実施形態のキャップアセンブリを提供することができる。多くの代替の多連部片構成は好適であり、本発明のキャップアセンブリの範囲内で考慮されるということが当業者には明白であろう。
【0025】
図12〜15は、本発明のキャップアセンブリの更なる実施形態を図示する。加工時にこのキャップアセンブリが栓を被覆することができるようになされるが、キャップがキャップアセンブリ中に栓を保持するためのくぼみまたは他の類似の構造を含まない。この図では、前の図に示した血清栓でなく凍結乾燥栓が栓として図示されている。バイアルまたは容器を封止するように機能するいかなる好適な栓も本発明の新規なキャップアセンブリでの使用に好適であると考えられるということを当業者ならば認識すべきである。例えば、実質的に図示したような構造のWest Companyにより販売されているような凍結乾燥栓と称されるものを使用することは、凍結乾燥業界において現在行われていることである。これらの栓はバイアルから外部雰囲気への通気経路を形成する1つ以上のスロットまたはチャンネルを有する。図12を参照すると、弾性部材48と通気媒体53を支持するためのクロスバー46を持つ剛性部品49を備えるキャップアセンブリ107が示されている。図13においては、キャップアセンブリ107は、バイアル16のスロート101中に位置決めされた栓14を保持しないが、覆う。点線の矢印17は蒸気経路を図示し、この場合には栓14とキャップアセンブリ107はバイアルの内容物を乾燥するために「開いた」位置にある。封止は、図示するようにキャップアセンブリ107とバイアル16の間の封止面55に形成される。図14は「閉じた」位置の図13のキャップアセンブリ107を示す。蒸気経路は、バイアル16のスロート101中に位置決めされ、封止面57においてバイアルを封止する栓14により、密封されている。加えて、キャップアセンブリ107は封止面55においてバイアルに封止されている。図15は図14のキャップアセンブリを図示する。キャップアセンブリ107はバイアルから取り外され、栓14はバイアル16中で封止面57において封止された状態となる。
【0026】
図16は、本発明のキャップアセンブリの代替構成を示す。キャップアセンブリは、封止面65においてトレー66のような容器に封止する。トレー66は、凍結乾燥に使用される従来の金属トレー、または、内容物を凍結乾燥するために1つ以上のバイアルを保持することのできる他の適切なトレーであってよい。具体的には、キャップアセンブリ110は、剛性筐体64、弾性部62、およびトレー66に取り付けるための図示した構造を持つキャップアセンブリ110に取り付けられた通気媒体60を含む。個別のバイアル16中の凍結乾燥栓63は「開いた」位置で配置されて、バイアルから通気媒体60を通って流れる蒸気経路61を設け、加工時にバイアルの内容物を乾燥することができる。図17は「閉じた」位置での図16の配置を示す。ここでは、適切な力が栓63をバイアルの中に移動させて、バイアル中に封止を形成し、封止は封止面65においてキャップアセンブリ110とトレー66の間で維持される。キャップアセンブリをトレー上に、栓をバイアルの中に移動させて、「閉じた」位置を達成するための好適な力または手段の1つの例は、従来の凍結乾燥ユニットにおいて現在使用される自動閉じシェルフ機構である;しかしながら、他の手段も当業者には明白であろう。
【0027】
図18〜20は本発明のキャップアセンブリ120の代替構成を図示し、この実施形態は、バイアル中の材料を加工した後に、栓をしたバイアルに圧着されるようにされた金属部品72を組み込んでいる。図18を参照すると、射出成形された熱可塑性樹脂の形状適合部品73、金属部品72、および接合周囲75において剛性部品70に取り付けられた通気媒体74の剛性部品70を備えるキャップアセンブリ100が示されている。金属部品72が剛性部品70の中に延び、封止71がその間に作られる。図18はバイアル16にかぶさって配置され、封止面77において封止されたキャップアセンブリ120も示す。栓14は「開いた」位置で配置されて、蒸気通過が点線78により示される蒸気経路経由でバイアル16からキャップアセンブリ120を通って可能となる。金属部品72は、栓14をへりまたは延長部76において切り、あるいはこの中に延びて、栓14はバイアル16にかぶさって開いた位置に保持される。図19はバイアル16上でのキャップアセンブリ120を「閉じた」位置で示す。栓14はバイアルを封止面80において封止し、金属部品72によりバイアル内に維持される。図20は栓をされた(閉じた位置の)バイアル16にかぶさって圧着された金属部品72と形状適合部品73付きのキャップアセンブリ120を図示する。剛性部品70は圧着された部分から分離されている。このような構成に対する1つの利点は、栓をしたバイアル(すなわち、圧着)を保持するための固定手段が提供され、一方、剛性部品70に取り付けられた通気媒体74は除去可能であり、栓の中に挿入された針が使用時に通気媒体を突き刺す必要があり、従って汚染についての心配を引き起こすという懸念は最終使用者には存在しない。
【0028】
図21を参照すると、開いた構成で配置されて蒸気通過を可能とする多連ウエル容器アセンブリの断面斜視図が示されている。キャップアセンブリ130は、剛性部品86、剛性部品86に取り付けられた通気媒体85、および封止面88において多連ウエル容器89に封止された形状適合部品91を備える。多連プラグ栓90は多連ウエル容器89にかぶさって開いた位置で配列され、保持される。通気経路は点線の矢印84により図示され、経路は通気された栓パッド87からウエルを出る。図22は「閉じた」位置での図21の配置を示す。ここでは、適切な力が多連プラグ栓90を多連ウエル容器89のウエルの中に移動させて、バイアル中に封止を形成し、封止が、封止面92においてキャップアセンブリ130と多連ウエル容器89の間で形成される。
【0029】
通気媒体に好適な材料は、バクテリア、ウイルス、粒子状、および他のこのような材料の透過を含む、これを通る固体と液体の移行に対して隔離するための蒸気透過性であるが、有効なバリアを提供するいかなる材料も含む。通気媒体の例としては、限定ではないが、紙、ポリオレフィンのような不織ポリマーフィルム、および、延伸多孔質PTFE(ePTFE)のような多孔質ポリマー膜、およびこれらの組み合わせが挙げられる。通気媒体は疎水性であることが好ましい。疎水性とは、この媒体が水による透過に対して抵抗性であるという意味である。好ましくは、有効細孔サイズに対する水蒸気流れに対する材料の抵抗性も考慮されなければならない。0.1〜3.0マイクロメートル範囲の公称の細孔サイズは、バクテリア負荷試験において通気媒体と一般に関連する性能を生じることが実証され、大きい細孔サイズはある状況下では適切であり得る。細孔サイズが小さいほど、バリア性能はより信頼できる。フィブリルと相互接続されたノードの微構造を有する前記のePTFEの場合、0.1マイクロメートルないし3.0マイクロメートル以上の公称の細孔サイズが有用である。逆に、所与の材料で参照細孔サイズがより小さいと、蒸気流れに対する抵抗性も高くなり、これは乾燥工程の生産性に影響を及ぼすことがある。延伸PTFEは、所与の公称の細孔サイズに対する疎水性と水蒸気流れ、ならびに化学的不活性の卓越した組み合わせに基づく好ましい通気媒体である。
【0030】
通気媒体は、キャップアセンブリの頂部に置かれるように示されているが、なお蒸気経路内に配置されたという前提ならば、他の位置に置かれることも考えられる。
【0031】
アセンブリが一部片あるいは多連部片の構成であれ、通気媒体は、媒体と筐体の間の封止をもたらすいかなる好適な取り付け手段によってもキャップアセンブリの筐体に取り付けられ得る。例えば、この媒体は、熱封止、インパルス溶接、超音波溶接、RF溶接、接着剤、溶剤接合などにより取り付けられ得る。
【0032】
図に関連する説明で指示されているように、本発明の範囲および精神内のものであると考えられ得る、蒸気経路開口、通気媒体、栓または他のプラグ、およびキャップアセンブリの広範で多様な構成が存在する。同様に、本発明と関連して適切に使用され得る種々の好適な材料が存在する。
【0033】
本発明のキャップアセンブリを使用するための例示の方法は、限定ではないが、
(a)容器を製品により無菌の条件下で充填し;
(b)栓を取り付けて、あるいは取り付けずに本発明のキャップアセンブリを封止し、キャップアセンブリを「開いた」位置にして栓を容器の口にかぶせて、あるいはその上に位置決めして、容器からの蒸気経路を設け;
(c)容器中の製品を適切な凍結乾燥あるいは他の乾燥条件下で乾燥し、蒸気を蒸気経路経由で通気媒体から逃がし;
(d)栓を閉じた位置まで移動することにより蒸気経路を封止し;
(e)場合によっては、キャップアセンブリを栓をしたバイアルと共に残すか、あるいはキャップアセンブリを栓をしたバイアルから取り外す
ことを含む。
【0034】
加えて、特別な乾燥技術に独自であり得る他の加工段階は更なる段階の必要性を生むことがある;しかしながら、更なる段階は本発明の範囲から逸脱するものでなく、これに包含される。
【0035】
凍結乾燥処理機および/または最終使用者の要求に依って、封止されたバイアル/栓ユニットからのキャップアセンブリの取り外しは時には望ましい。本発明のキャップアセンブリを取り除く1つの好適な方法は、空気圧を使用して、栓をバイアル中に封止したままで、バイアルからキャップアセンブリを持ち上げることを含む。図23A〜23Cは、この空気圧で取り除く方法における段階を図示する。具体的には、図23Aを参照すると、グリップ200がキャップアセンブリ100上に移動し、通気媒体21の周りに封止を形成する。次に、空気圧が導管202からキャップアセンブリ100に印加される。空気は通気媒体を通り、キャップアセンブリ100の内側の体積204を加圧し(図23Bを参照)、キャップアセンブリ100がバイアルと栓から完全に分離されるまで(図23Cを参照)、キャップアセンブリ100から合体された栓14およびバイアル16を押すことにより、空気圧は体積204を増加させ、空気圧は開放される。この空気圧で取り除く方法によって、栓のバイアル中での封止を確保しながら、キャップアセンブリを容易に取り除くことが可能になる。別法としては、キャップアセンブリをグリップし、バイアル中で封止された栓に乱れを起こさずにこれをバイアルから取り除くことができるいかなる好適なグリップ機構あるいは装置も使用され得るということが考えられる。
【0036】
キャップアセンブリを取り除くいかなる好適な方法も使用され得ること、あるいは別法としては、バイアルの内容物が最終使用者により使用されるまでキャップアセンブリが出荷および貯蔵時にバイアルと栓と共に維持され得ることは当業者には明白であろう。
【0037】
本発明の実施形態は、次の実施例を参照しながらほんの一例として説明される。
【実施例】
【0038】
試験方法
ケーキ外観および溶解性試験
ケーキ外観および溶解性試験については、ラクトース溶液を入れたバイアルを本発明のキャップアセンブリにより被覆して、凍結乾燥した。キャップアセンブリはすべて20mmの血清栓(West Pharmaceuticals、品番19500080)を入れたものであった。バイアル中の得られた乾燥ケーキ(サイクルが完了した後バイアル中に残る凍結乾燥製品)を外観と溶解性について評価した。理想的には、本発明のキャップアセンブリにより得られる凍結乾燥製品は、標準の凍結乾燥栓を用いて得られる同一の製品と異なるものであってはならない。キャップアセンブリが充分な通気をもたらさない場合には、ケーキは「メルトバック(meltback)」を起こす。メルトバックとはケーキが完全に乾燥されず、液体が融解し、製品の一部をもどす場合に起こるものの記述に使用される用語である。これは、肉眼で容易に目視出来る。メルトバックは、ケーキとしての単なる肉眼的な外観の問題でなく、高い残存水分内容物、低下した溶解性(増大されたあるいは無限の溶解時間)、減少した安定性(保存寿命)などを含む問題を提起し得る。
【0039】
キャップアセンブリを評価するために、3%ラクトース溶液を凍結乾燥した。30グラムのD−(+)−ラクトース一水和物粉末(品番2248−01、J.T.BakerからのCAS No.64044−51−5)を970mLの水に添加することにより、この溶液を作製した。磁気撹拌板を用いてこの溶液を少なくとも1時間混合した。
【0040】
すべての凍結乾燥実験の間、各実験時に対照を含めた。これらの対照はキャップおとび栓アセンブリの代わりに標準の栓(West Pharmaceuticals、品番19500240)を使用した。
【0041】
FTS Systemsにより供給されている実験室規模の凍結乾燥機のモデル「Dura−Stop μP」ですべての試験を行った。凍結乾燥のパラメータは次の通りである。シェルフを予備冷却しなかった。凍結温度は−50℃であり、外周温度から2.5℃/分の速度で冷却した。バイアルを凍結温度において6時間保持した。6時間の保持が完了した後、凍結乾燥機の圧力を50ミリトールまで低下させ、一次乾燥が完了するまでそのレベルで放置した。バイアルの内容物を凍結温度から−10℃まで2.5℃/分の速度で加熱しながら、一次乾燥サイクルを行った。バイアルがすべて一次乾燥を完了するまで、二次乾燥を開始しなかった。バイアルの内容物を2.5℃/分の速度で25℃まで加熱しながら、二次乾燥を行った。これらがすべて25℃の温度に達するまで、バイアルを凍結乾燥機から取り外さなかった。取り外し時に、実験バイアルのすべてのケーキを標準の凍結乾燥栓を用いて得られるケーキと比較した。
【0042】
ケーキ外観と溶解性が、評価した2つの特性であった。ケーキを肉眼検査し、この実験時に得られた対照ケーキのそれと比較した。ケーキを1(最良)から4(最悪)の系で等級付けした。1はケーキが対照ケーキの同一(肉眼的に)であるということを意味する。水をバイアルに添加し、ケーキが溶液になる時間を観察することにより、溶解性を求めた。対照ケーキはすべて直ちに溶液になり、溶解しないいかなる試験ケーキも不合格と類別した。
【0043】
ウイルス濾過効率(VFE)試験
凍結乾燥工程において望ましくない一方で、液体が通気媒体上、あるいはバイアル中で形成され、小さな液滴が発生蒸気により同伴されることが可能である。汚染を通気ポートからこれら液滴中に運ぶことが可能である。同様に、人間、装置、または環境からの空気担持汚染物質は、開いたあるいは部分的に封止された容器の中に入り込むことができる。ウイルス濾過効率試験を使用して、キャップアセンブリのバリア材料がエアロゾル化された汚染物質に対してバリアをもたらすかどうかを求める。
【0044】
栄養培地に大腸菌(ATCC#13706)を接種し、これを2−4×108コロニー形成単位(CFU)の密度まで生長させることにより、溶液を作製する。次に、この溶液にバクテリオファージ保存培養液(ATCC#13706)を接種する。完全な大腸菌溶菌と0.2μm膜フィルターによる濾過後、このΦ×174ファージ培養液は負荷溶液として使用できる状態になる。
【0045】
制御された流量と固定した空気圧で蠕動ポンプを用いてこの負荷溶液を「Chicago」ネブライザーからポンプ噴霧する。一定の負荷送達は、規定されたサイズ(MPS2.8〜3.2μm)のエアロゾル液滴を形成する。この負荷レベルを試験試料当たり106プラーク形成単位より大きい一貫した負荷をもたらすように調整する。エアロゾル液滴をガラスエアロゾル室中で生じさせ、試料ホルダーからすべてのガラスインピンジャー(AGI)の中に平行に引き込む。各AGIは30mLアリコートのペプトン水を含有して、エアロゾル液滴を捕集する。このエアロゾル負荷流量を28.3Lpm(1CFM)で維持する。
【0046】
この負荷を1分間隔で送達し、AGIからのサンプリングを2分間行って、エアロゾル室を空にする。対照試験(試料ホルダー中の媒体が無い)を行って、負荷エアロゾル中に生成した生存粒子数を求める。これらを試料ホルダーの中に入れ、負荷エアロゾルを開始し、AGIの中への流出空気を捕集することにより、対照のようにバリア材料の試料を試験する。各試料のアリコートを2.5mLの上層寒天と1〜2滴の大腸菌を入れた管の中に入れることにより、このAGI流体を検定する。この内容物を混合し、底層寒天プレートの表面にわたって注ぐ。すべてのプレートを37℃±2℃で12〜24時間インキュベーションする。
【0047】
次式を用いてウイルス濾過効率、またはVFEを試験試料と対照試験(所定の試験試料無し)の間のパーセント差として計算する。
%VFE=[(フィルター無しプラーク−フィルター付きプラーク/(フィルター無しプラーク)]×100
【0048】
封止完全性(染料浸漬)試験
本発明のキャップアセンブリが液体とこれらの汚染物質を保持することができるということを実証するために、染料浸漬試験を行う。バイアル閉栓封止の完全性を評価するために、この方法を設計する。
【0049】
メチレンブルー染料100mgと、Tween80界面活性剤3グラムを混合し、これをUSP精製水により1リットルまで希釈し、染料がすべて溶解するまで加熱、混合することにより、この染料を作製する。次に、この染料を負荷容器の中に注ぐ。
【0050】
この容器バイアルをUSP精製水により充填し、上述したようにキャップアセンブリにより封止する。次に、封止されたバイアルを青色染料溶液を入れた容器に入れる。封止されたバイアルが完全に沈むように充分な青色染料溶液を添加する。このバイアルをこの溶液中で24時間保存する。24時間後、バイアルを取り出し、注射器をキャップから挿入して、数ミリリットルの液体を取り出す。
【0051】
試料がこの試験に合格あるいは不合格のいずれであるかを決めるために、青色染料溶液に暴露されないネガティブ対照を準備する。ポジティブ対照は22ゲージの針により穿刺されたバリア材料を有し、次に青色染料溶液に暴露される。純水中のメチレンブルー染料は1μL/mLのレベルで肉眼で検出可能である。試験試料を対照試料と比較することにより、この液体を肉眼検査する。この結果を、この試験基準の合格/不合格として示す。青色染料の存在を示すいかなる試料も不合格と考えられる。
【0052】
容器閉栓(バクテリア)完全性試験
この試験は上述の封止完全性試験に類似しているが、バイアル/キャップアセンブリが染料でなくバクテリアの通過に抵抗する能力を測定するものである。この試験に対する負荷媒体は、バクテリアのBrevundimonas diminuta ATCC#19146であり、これは、適切に培養した場合、典型的な公称定格で0.45μmの膜フィルターを通ることができる。B.diminutaは過酷なバクテリア負荷である。これらのエアロゾルベースの負荷と異なり、B.diminutaは液体中に分散されているので大型MPS粒子に凝集しないという事実のために、この試験はBFEあるいはVFE試験よりも高負荷である。
【0053】
体積の無菌の大豆カゼイン消化培地(SCDB)を接種し、B.diminutaを大豆カゼイン消化寒天(SCDA)上に単離し、これをインキュベーションすることにより、B.diminutaの保存溶液を作製する。次に、この「保存培養液」を使用して、更に多くのSCDBを接種し、インキュベーションして、「培地」を得る。適切な容積の「培地」を無菌の体積の塩ラクトース培地(SLB)に移し、インキュベーションして、ほぼ107CFU/mLのタイターレベルで負荷懸濁液を作る。
【0054】
このバイアルをSCDBにより充填し、このキャップにより封止し、次に無菌化する。次に、このバイアル/キャップアセンブリをB.diminuta負荷溶液を含む容器の中に入れる。この液体レベルは、このアセンブリを完全に沈めるのに充分であり、ラックを所定の位置に置いて、このアセンブリをこの負荷の表面の下に保持する。この負荷液体を暴露期間の間連続的に撹拌する。このアセンブリを負荷溶液中に24時間沈めたままとする。取り出した後、各アセンブリの外側をすすぎ、次にこのアセンブリをインキュベーター中に30℃±2℃で7日間入れる。毎日、各アセンブリを数回ひっくり返して、溶液がこの積層物と接触するようにする。7日後、負荷生物の成長の形跡についてこのバイアル/キャップアセンブリの内容物を検査する。いかなる成長も蒔種し、同定し、定量化する。
【0055】
泡立ち点試験
47mmのディスク試料について泡立ち点をASTM F316−86の方法により測定した。イソプロピルアルコールを湿し流体として使用して、試験試料の細孔を充填した。
【0056】
泡立ち点は、試験試料の細孔からイソプロピルアルコールを置換するのに必要とされる空気の最小圧力であり、これは多孔質媒体を被覆するイソプロピルアルコールの層を上昇することにより検出可能である泡の第1の連続流を形成する。この測定は最大細孔サイズの評価をもたらす。泡立ち点に影響する因子は、液体の表面張力、膜の表面自由エネルギー、および最大開口(例えば、細孔)のサイズを含む。泡立ち点は細孔サイズに反比例し、従って泡立ち点が高いほど、相対細孔サイズは小さい。
【0057】
空気流れデータ:ガーレー数
この空気流れ試験は、4.88インチの水圧の一定の圧力を加えた場合に100ccの空気が1平方インチ試料を通って流れる秒での時間を測定する。試料をガーレー・デンソメーターで測定する(ASTM D726−84を参照)。試料をクランプ板の間に置く。次に、円筒を静かに落下させる。自動タイマー(またはストップウオッチ)を使用して、上記の特定の体積を円筒により置換するのに必要とされる時間(秒)を記録する。秒でのこの時間が、ガーレー数である。
【0058】
透水圧(WEP)
透水圧は膜を通しての水の侵入に対する試験方法を提供する。試験試料を一対の試験プレートの間に挟む。下のプレートは試料の切片を水により加圧する能力を有する。透水の形跡を指示するものとしてpH紙の片を非加圧側上のプレートの間の試料の最上部に置く。次に、pH紙の色変化が透水の最初の徴候を示すまで、この試料を小増分で加圧する。各圧力変化後10秒待つ。漏出または透水時の水圧を透水圧と記録する。
【0059】
実施例1
実質的に図1〜5に示す構造の本発明の2部片の、あるいは「2ショット」のキャップアセンブリを次のように成形した。
【0060】
下記に述べる部片の構造のキャップアセンブリを提供するように金型を作製した。この金型は2つの半体、「A」側および可動の「B」側を含み、最初にPRO−FAX6323(登録商標)ポリプロピレン樹脂(Montell Polyolefins(Wilmington,DE))から剛性筐体部品を成形した。このポリプロピレン筐体は、外径約0.92インチ(23.4mm)、内径約0.74インチ(18.8mm)、および高さ約0.29インチ(7.37mm)の環の概略形状を有するものであった。内壁に通気スロットを45゜、135゜、225゜、および315゜において、約0.036インチ(0.914mm)の深さまで設置した。通気媒体を支持し、このキャップアセンブリ中で栓を着座させることができるstopを設けるために、この部片の最上部に幅0.100インチ(2.54mm)および厚さ0.080インチ(2.03mm)の寸法のクロスバーを0゜、90゜、180゜、および270゜において設置した。突起は、内壁から0.015インチ(0.381mm)延び、栓(品番19500080、West Pharmaceutical Services,Inc.,(Lionville,PA))を保持するようにされ、傾斜した、あるいは角度の付いた面が内壁に対して後方に傾斜をなし、キャップが栓の封止位置まで移動するに従って、10ml/20mlのガラスバイアル(品番68000320、West Pharmaceutical Services,Inc.)の最上部に係合するようにされたものであった。この傾斜面はポリプロピレン筐体が拡がるようにし、次に突起は栓をはずして、キャップアセンブリを取り外すときに、栓がバイアル中に残るようにするものであった。
【0061】
次に、上述の2部片の金型を用いて、弾性体の、あるいはこの場合にはゴム(Santoprene(登録商標)281−45、Advanced Elasyomer Systems(Akron,OH))のキャップアセンブリの部分を剛性筐体の底部周囲に成形した。このゴム部分は剛性筐体部品と同一の外径を有し、厚さ約0.08インチ(2.0mm)であり、内壁に沿って約0.140インチ(3.56mm)の間隔を持たせた3つの0.015インチ(0.381mm)半径のリブを有するものであった。このゴム部分は、約0.02インチ(0.51mm)の突起を示し、底部の外縁の周りで厚さ約0.030インチ(0.76mm)の寸法のへりも有した。このへりは乾燥操作時のキャップアセンブリの自動装填工程を助けるものであった。
【0062】
熱封止によりキャップアセンブリに取り付けられる通気媒体は、不織ポリエステル材料(品番L32242、W.L.Gore and Associates,Inc.,(Elkton,MD))に接合されたePTFEの積層物(「A」と表示)であった。材料Aは次の公称の積層物の性質を有していた:ガーレー<4.7秒、>16psiの透水圧(WEP)、8〜13.5ミルの厚さ、および>5.7psiの泡立ち点。最初に、各々約0.91インチ(23.16mm)の寸法の8つのキャビティ付きの打抜型を用いて丸い円板をこの積層物から押し抜きした。
【0063】
熱封止段階時にキャップを保持するために、上記で成形されたキャップアセンブリ部分をネスト中に配置した。このネストは、キャップのクロスバーを嵌合させる最上部に沿って凹みを付けた直径0.715インチ(18.2mm)の寸法のアルミニウムポストであった。このように、ネスト上にキャップを置き、平らな領域を形成して、熱封止時キャップの外縁の周りで圧力分布が均等となるようにした。封止時に末端に取り付けられたヒーターカートリッジ付きの空気シリンダーからなる熱封止機下で、このネストを所定の位置に固定した。外径約0.91インチ(23.1mm)と内径約0.81インチ(20.63mm)のアルミニウムからなる熱封止型を熱封止機の中に置き、220℃まで加熱した。
【0064】
次に、このキャップをネストの中に入れ、不織布を上に向けてこの切断された積層物をキャップにかぶせて置き、この積層物の熱封止型への粘着を防止するために剥離材料(PTFE被覆のファイバーガラス織布、McMaster−Carr(Atlanta,GA))をこの積層物にかぶせて置いた。封止圧力50psiおよび滞留時間1.25秒で封止を行い、次に剥離材料と封止されたキャップアセンブリを取り外した。
【0065】
次に、血清栓(West Pharmaceuticals、品番19500080)をこのキャップの中に挿入して、しっかりと保持されるようにした。次に、バイアル(品番68000320、West Pharmaceutical Services,Inc.)を2.50mLの3%ラクトース溶液により充填した。充填後、キャップをバイアル上に置き、次に冷凍乾燥機の中に入れて(標準の栓を用いた対照試料と一緒に)、ケーキ外観および溶解性試験で述べたように試験した。VFE、染料浸漬、および容器/閉栓試験には、積層物およびキャップの試料をNelson Laboratories(Salt Lake City,UT)に送付した。
【0066】
【表1】
【0067】
この実施例は、好ましい構成である図1〜5に示したキャップアセンブリによって、凍結乾燥が取り付けられた通気媒体により行われ、バイアルの内容物と外部環境の間の隔離バリアが得られることを実証する。
【0068】
実施例2
本発明の2部片の、あるいは「2ショット」のキャップアセンブリを実施例1に述べたように成形した。
【0069】
このキャップアセンブリに取り付けられる通気媒体は、不織ポリエステル材料(品番B3005、HDK Industries Inc.(Rogersville,TN))に接合された1.0μmの参照細孔サイズを有するePTFE膜(W.L.Gore and Associates(Elkton,MD))の積層物(「B」と表示)であった。材料Bは次の測定された積層物の性質を有していた:0.8秒のガーレー数、39.4psiの透水圧(WEP)、9ミルの厚さ、および11.2psiの泡立ち点。直径0.94インチ(23.8mm)の寸法の手動押し抜き機を用いて、この積層物を切断した。次に、両面シリコーン接着剤(Specialty Tapes、品番D650)の環(0.94インチ(23.8mm)O.D.、0.81インチ(20.6mm)I.D.)を用いて、これをキャップに接着した。
【0070】
次に、血清栓(West Pharmaceuticals、品番19500080)をこのキャップの中に挿入して、くぼみ3によりしっかりと保持されるようにした。次に、バイアル(品番68000320、West Pharmaceutical Services,Inc.)を2.50mLの3%ラクトース溶液により充填した。充填後、キャップをバイアル上に置き、次に冷凍乾燥機の中に入れて(標準の栓を用いたコントロール試料と一緒に)、ケーキ外観および溶解性試験で述べたように試験した。VFE試験には、積層物の試料をNelson Laboratories(Salt Lake City,UT)に送付した。
【0071】
【表2】
【0072】
この実験は、図1〜5のキャップアセンブリ構成中の異なる通気材料によって、凍結乾燥が取り付けられた通気媒体により行われ、バイアルの内容物と外部環境の間の空気担持の汚染物質に対する隔離バリアが得られることを実証する。
【0073】
実施例3
実質的に図6に示す構造の本発明の単一部片のキャップアセンブリを次のように成形した。
【0074】
直径約1インチ(25.4mm)の寸法のポリプロピレン棒を約0.7インチ(17.8mm)の長さに切断し、この棒を機械加工して、内部を中空とし、0.78インチ(19.8mm)より若干小さく、ゴム栓(品番19500080、West Pharmaceutical Services,Inc.(Lionville,PA))の外径より若干小さく、キャップがこの栓の外側表面を把み、保持することができるようにした内径のキャップを作製した。通気スロットを0゜、90゜、180゜、および270゜においてキャップの中に切って、栓の周りの通気を可能とし、0.60インチ(15.24mm)の寸法の貫通孔をキャップの中心の中に機械加工して、栓より上の通気領域を多くした。この通気媒体をこの貫通孔にかぶせて取り付けた。次に、バイアルネックをキャップの中に収容し、案内するために、面取り部をこのキャップの底部の中に機械加工した。
【0075】
このキャップアセンブリに取り付けられる通気媒体は、積層物AおよびB(実施例1および2に述べたように)であった。
【0076】
最初に、各々約0.91インチ(23.16mm)の寸法の8つのキャビティ付きの打抜型を用いて丸い円板をこの積層物から押し抜きした。
【0077】
熱封止段階時にキャップを保持するために、上記で成形されたキャップアセンブリ部分をネスト中に配置した。このネストは、キャップのクロスバーを嵌合させる、最上部に沿って凹みを付けた直径0.72インチ(18.2mm)の寸法のアルミニウムポストであった。このように、ネスト上にキャップを置き、平らな領域を形成して、熱封止時キャップの外縁の周りで圧力分布が均等となるようにした。封止時に末端に取り付けられたヒーターカートリッジ付きの空気シリンダーからなる熱封止機の下で、このネストを所定の位置に固定した。外径約0.91インチ(23.1mm)と内径約0.81インチ(20.63mm)のアルミニウムからなる熱封止型を熱封止機の中に置き、220℃まで加熱した。
【0078】
次に、このキャップをネストの中に入れ、不織布を上に向けてこの切断された積層物をキャップにかぶせて置き、この積層物の熱封止型への粘着を防止するために剥離材料(PTFE被覆のファイバーガラス織布、McMaster−Carr(Atlanta,GA))をこの積層物にかぶせて置いた。封止圧力50psiおよび滞留時間1.25秒で封止を行い、次に剥離材料と封止されたキャップアセンブリを取り外した。
【0079】
次に、血清栓(West Pharmaceuticals、品番19500080)をこのキャップの中に挿入して、くぼみ3によりしっかりと保持されるようにした。次に、バイアル(品番6800−0320、West Pharmaceutical Services,Inc.)を2.50mLの3%ラクトース溶液により充填した。充填後、キャップをバイアル上に置き、次に冷凍乾燥機の中に入れて(標準の栓を用いた対照試料と一緒に)、ケーキ外観および溶解性試験で述べたように試験した。
【0080】
【表3】
【0081】
この実施例は、従来の栓と比較してケーキ品質または製品溶解性に悪影響を及ぼさずに図6のキャップアセンブリ構成を凍結乾燥に使用することができるということを示す。
【0082】
実施例4
本発明の2部片の、あるいは「2ショット」のキャップアセンブリを実施例1に述べたように成形した。
【0083】
このキャップに取り付けられる通気媒体は、市販の濾過材料ならびに実施例2で述べた材料Bであった。
【0084】
直径0.94インチ(23.8mm)の寸法の手動押し抜き機を用いて、この積層物を切断した。次に、両面シリコーン接着剤(Specialty Tapes、品番D650)の環(外径0.94インチ(23.8mm)、内径0.81インチ(20.6mm))を用いて、これをキャップに接着した。
【0085】
次に、血清栓(West Pharmaceuticals、品番19500080)をこのキャップの中に挿入して、くぼみ3によりしっかりと保持されるようにした。次に、バイアル(品番68000320、West Pharmaceutical Services,Inc.)を2.50mLの3%ラクトース溶液により充填した。充填後、キャップをバイアル上に置き、次に冷凍乾燥機の中に入れて(標準の栓を用いた対照試料と一緒に)、ケーキ外観および溶解性試験で述べたように試験した。
【0086】
【表4】
【0087】
この実施例は、満足な品質および溶解性のケーキの形成を可能とさせる種々の市販の通気材料の付いた図1〜5のキャップアセンブリを示す。
【0088】
実施例5
本発明の単一部片の、機械加工したキャップアセンブリを実施例3に述べたように作製した。
【0089】
このキャップに取り付けられる通気媒体は、市販の濾過材料ならびに実施例2で述べた材料Bであった。
【0090】
直径0.94インチ(23.8mm)の寸法の手動押し抜き機を用いて、この積層物を切断した。次に、両面シリコーン接着剤(Specialty Tapes、品番D650)の環(外径0.94インチ(23.8mm)、内径0.81インチ(20.6mm))を用いて、これをキャップに接着した。
【0091】
次に、血清栓(West Pharmaceuticals、品番19500080)をこのキャップの中に挿入して、くぼみ3によりしっかりと保持されるようにした。次に、バイアル(品番6800−0320、West Pharmaceutical Services,Inc.)を2.50mLの3%ラクトース溶液により充填した。充填後、キャップをバイアル上に置き、次に冷凍乾燥機の中に入れて(標準の栓を用いた対照試料と一緒に)、ケーキ外観および溶解性試験で述べたように試験した。
【0092】
【表5】
【0093】
この実施例は、図6に示した種々の通気材料により作製されたキャップアセンブリによって、従来の凍結乾燥栓と比較して好適なケーキ品質と溶解性が可能となるということを実証する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に対する封止のための凹み、および該容器と外部雰囲気の間の蒸気通過のための蒸気経路開口を有するキャップと、
該キャップに取り付けられ、前記蒸気経路中に配置されて、該容器を該外部雰囲気から隔離するバリアを形成する通気媒体と、
該キャップ内の該凹みに隣接する第1の位置に着座された栓であって、前記第1の位置が該容器と該外部雰囲気の間の蒸気通過を可能とする栓と、
を備え、
前記栓が該容器の第2の位置まで移動可能であって、該容器を閉じて蒸気の通過を防止する、キャップアセンブリ。
【請求項2】
前記キャップが前記容器に気密封止されている、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項3】
前記キャップが単一の材料を含む、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項4】
前記キャップが少なくとも2つの構成要素を含む、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項5】
前記キャップアセンブリが剛性部と形状適合部を含む、請求項4に記載のキャップアセンブリ。
【請求項6】
前記通気媒体が疎水性材料を含む、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項7】
前記通気媒体が延伸PTFEを含む、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項8】
容器中の内容物を隔離するためのキャップアセンブリであって、
(a)容器に対して封止し、該容器にかぶせて栓を維持するように構成された凹み、および(b)該容器と外部雰囲気の間の蒸気通過のための蒸気経路開口を有するキャップと、
該キャップに取り付けられ、前記蒸気経路中に配置されて、該容器を該外部雰囲気から隔離するバリアを形成する通気媒体と、
を備え、
前記容器と該外部雰囲気の間の蒸気通過を可能とする第1の位置に栓を維持するように構成され、前記栓を第2の位置まで動かして、該容器を閉じ、該蒸気の通過を防止する、キャップアセンブリ。
【請求項9】
前記キャップが前記容器に気密封止されている、請求項8に記載のキャップアセンブリ。
【請求項10】
前記キャップが単一の材料を含む、請求項8に記載のキャップアセンブリ。
【請求項11】
前記キャップが少なくとも2つの構成要素を含む、請求項8に記載のキャップアセンブリ。
【請求項12】
前記キャップアセンブリが剛性部と形状適合部を含む、請求項11に記載のキャップアセンブリ。
【請求項13】
前記通気媒体が疎水性材料を含む、請求項8に記載のキャップアセンブリ。
【請求項14】
前記通気媒体が延伸PTFEを含む、請求項8に記載のキャップアセンブリ。
【請求項15】
容器中に配置された少なくとも1つのバイアルの内容物を隔離するためのキャップアセンブリであって、
(a)該容器に対して封止し、該容器中に配置された該少なくとも1つのバイアルにかぶせて栓を維持するように構成された凹み、および(b)該容器中の該少なくとも1つのバイアルと外部雰囲気の間の蒸気通過のための蒸気経路開口を有するキャップと、
該キャップに取り付けられ、前記蒸気経路中に配置されて、該容器および容器中に配置された該少なくとも1つのバイアルを該外部雰囲気から隔離するバリアを形成する通気媒体と、
を備え、
前記少なくとも1つのバイアルと該外部雰囲気の間の蒸気通過を可能とする第1の位置に少なくとも1つの栓を維持するように構成され、前記少なくとも1つの栓を少なくとも1つのバイアル中の第2の位置まで動かして、該蒸気経路を閉じ、該蒸気の通過を防止する、キャップアセンブリ。
【請求項16】
前記キャップが前記容器に気密封止されている、請求項15に記載のキャップアセンブリ。
【請求項17】
前記キャップが単一の材料を含む、請求項15に記載のキャップアセンブリ。
【請求項18】
前記キャップが少なくとも2つの構成要素を含む、請求項15に記載のキャップアセンブリ。
【請求項19】
前記キャップアセンブリが剛性部と形状適合部を含む、請求項18に記載のキャップアセンブリ。
【請求項20】
前記通気媒体が疎水性材料を含む、請求項15に記載のキャップアセンブリ。
【請求項21】
前記通気媒体が延伸PTFEを含む、請求項15に記載のキャップアセンブリ。
【請求項22】
容器中の内容物を隔離し、加工するための方法であって、
(1)(a)容器に対して封止し、該容器にかぶせて栓を維持するように構成された凹み、および(b)該容器と外部雰囲気の間の蒸気通過のための蒸気経路開口を有するキャップと、(2)該キャップに取り付けられ、前記蒸気経路中に配置されて、該容器を該外部雰囲気から隔離するバリアを形成する通気媒体とを備えるキャップアセンブリを準備することであって、前記キャップアセンブリが該容器と該外部雰囲気の間の蒸気通過を可能とする第1の位置に栓を維持するように構成され、前記栓を第2の位置まで動かして、該容器を閉じ、蒸気の通過を防止するものであることと、
前記容器と該外部雰囲気の間の蒸気の通過を可能とする第1の位置に配置された栓により、加工対象の材料をその中に有する容器に、前記キャップアセンブリを封止することと、
該容器中の該材料を加工することと、
前記キャップアセンブリおよび前記栓を第2の位置まで動かして、該容器を閉じ、該蒸気の通過を防止することと、
を含む方法。
【請求項23】
前記取り付けが、前記キャップアセンブリと前記容器の間に気密封止をもたらす、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記加工が、蒸発乾燥、昇華乾燥、細胞培養、燻蒸、制御された雰囲気下での混合、および制御された雰囲気下での反応からなる群から選択される少なくとも1つの方法を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記加工が凍結乾燥を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記栓が前記キャップアセンブリ内に保持されている、請求項22に記載の方法。
【請求項1】
容器に対する封止のための凹み、および該容器と外部雰囲気の間の蒸気通過のための蒸気経路開口を有するキャップと、
該キャップに取り付けられ、前記蒸気経路中に配置されて、該容器を該外部雰囲気から隔離するバリアを形成する通気媒体と、
該キャップ内の該凹みに隣接する第1の位置に着座された栓であって、前記第1の位置が該容器と該外部雰囲気の間の蒸気通過を可能とする栓と、
を備え、
前記栓が該容器の第2の位置まで移動可能であって、該容器を閉じて蒸気の通過を防止する、キャップアセンブリ。
【請求項2】
前記キャップが前記容器に気密封止されている、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項3】
前記キャップが単一の材料を含む、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項4】
前記キャップが少なくとも2つの構成要素を含む、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項5】
前記キャップアセンブリが剛性部と形状適合部を含む、請求項4に記載のキャップアセンブリ。
【請求項6】
前記通気媒体が疎水性材料を含む、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項7】
前記通気媒体が延伸PTFEを含む、請求項1に記載のキャップアセンブリ。
【請求項8】
容器中の内容物を隔離するためのキャップアセンブリであって、
(a)容器に対して封止し、該容器にかぶせて栓を維持するように構成された凹み、および(b)該容器と外部雰囲気の間の蒸気通過のための蒸気経路開口を有するキャップと、
該キャップに取り付けられ、前記蒸気経路中に配置されて、該容器を該外部雰囲気から隔離するバリアを形成する通気媒体と、
を備え、
前記容器と該外部雰囲気の間の蒸気通過を可能とする第1の位置に栓を維持するように構成され、前記栓を第2の位置まで動かして、該容器を閉じ、該蒸気の通過を防止する、キャップアセンブリ。
【請求項9】
前記キャップが前記容器に気密封止されている、請求項8に記載のキャップアセンブリ。
【請求項10】
前記キャップが単一の材料を含む、請求項8に記載のキャップアセンブリ。
【請求項11】
前記キャップが少なくとも2つの構成要素を含む、請求項8に記載のキャップアセンブリ。
【請求項12】
前記キャップアセンブリが剛性部と形状適合部を含む、請求項11に記載のキャップアセンブリ。
【請求項13】
前記通気媒体が疎水性材料を含む、請求項8に記載のキャップアセンブリ。
【請求項14】
前記通気媒体が延伸PTFEを含む、請求項8に記載のキャップアセンブリ。
【請求項15】
容器中に配置された少なくとも1つのバイアルの内容物を隔離するためのキャップアセンブリであって、
(a)該容器に対して封止し、該容器中に配置された該少なくとも1つのバイアルにかぶせて栓を維持するように構成された凹み、および(b)該容器中の該少なくとも1つのバイアルと外部雰囲気の間の蒸気通過のための蒸気経路開口を有するキャップと、
該キャップに取り付けられ、前記蒸気経路中に配置されて、該容器および容器中に配置された該少なくとも1つのバイアルを該外部雰囲気から隔離するバリアを形成する通気媒体と、
を備え、
前記少なくとも1つのバイアルと該外部雰囲気の間の蒸気通過を可能とする第1の位置に少なくとも1つの栓を維持するように構成され、前記少なくとも1つの栓を少なくとも1つのバイアル中の第2の位置まで動かして、該蒸気経路を閉じ、該蒸気の通過を防止する、キャップアセンブリ。
【請求項16】
前記キャップが前記容器に気密封止されている、請求項15に記載のキャップアセンブリ。
【請求項17】
前記キャップが単一の材料を含む、請求項15に記載のキャップアセンブリ。
【請求項18】
前記キャップが少なくとも2つの構成要素を含む、請求項15に記載のキャップアセンブリ。
【請求項19】
前記キャップアセンブリが剛性部と形状適合部を含む、請求項18に記載のキャップアセンブリ。
【請求項20】
前記通気媒体が疎水性材料を含む、請求項15に記載のキャップアセンブリ。
【請求項21】
前記通気媒体が延伸PTFEを含む、請求項15に記載のキャップアセンブリ。
【請求項22】
容器中の内容物を隔離し、加工するための方法であって、
(1)(a)容器に対して封止し、該容器にかぶせて栓を維持するように構成された凹み、および(b)該容器と外部雰囲気の間の蒸気通過のための蒸気経路開口を有するキャップと、(2)該キャップに取り付けられ、前記蒸気経路中に配置されて、該容器を該外部雰囲気から隔離するバリアを形成する通気媒体とを備えるキャップアセンブリを準備することであって、前記キャップアセンブリが該容器と該外部雰囲気の間の蒸気通過を可能とする第1の位置に栓を維持するように構成され、前記栓を第2の位置まで動かして、該容器を閉じ、蒸気の通過を防止するものであることと、
前記容器と該外部雰囲気の間の蒸気の通過を可能とする第1の位置に配置された栓により、加工対象の材料をその中に有する容器に、前記キャップアセンブリを封止することと、
該容器中の該材料を加工することと、
前記キャップアセンブリおよび前記栓を第2の位置まで動かして、該容器を閉じ、該蒸気の通過を防止することと、
を含む方法。
【請求項23】
前記取り付けが、前記キャップアセンブリと前記容器の間に気密封止をもたらす、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記加工が、蒸発乾燥、昇華乾燥、細胞培養、燻蒸、制御された雰囲気下での混合、および制御された雰囲気下での反応からなる群から選択される少なくとも1つの方法を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記加工が凍結乾燥を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記栓が前記キャップアセンブリ内に保持されている、請求項22に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図23C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図23C】
【公開番号】特開2012−46250(P2012−46250A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237269(P2011−237269)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【分割の表示】特願2006−536663(P2006−536663)の分割
【原出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【分割の表示】特願2006−536663(P2006−536663)の分割
【原出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(598123677)ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド (279)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]