容器を方向転換させる装置と方法
本開示は、充填機において動いている多数の包装容器(12)の方向を第一の方向(20)から第二の方向(22)に変えるようにされた方向転換機構を含む装置であって、少なくとも1個のキャリヤユニットが接続されている少なくとも1個のキャリヤ(28)を備えたコンベヤ(26)を含む装置に関するものである。本発明によれば、キャリヤユニットは幾何学的回転軸心の周りでキャリヤ(28)に対して回転し、かつ方向を変えている間包装容器の重心が幾何学的回転軸心に概ね位置し、それによって包装容器の重心は第一から第二の方向(20,22)へ概ね同じ方向と速度とを維持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填機において動いている包装容器の方向を変える方向転換機構を含む装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばジュース、牛乳などのような液体を、あるいは例えばスープ、野菜などのより固形性の食品を入れた包装容器のような食品包装用機械は製造ラインに亘る諸々の製造段階の間に包装容器を搬送するためのコンベヤを備えた製造ラインを有することが多い。これらの段階とは一連の種々の組み合わせでの一つ以上の充填段階、密封段階あるいは折りたたみ段階から構成しうるか、あるいはその他の機能を含みうる。
【0003】
例えば、折りたたみ段階あるいは密封段階において、あるいはそれらの前に、動いている包装容器や該包装容器を折りたたむとか、あるいは密封する装置は、折りたたみあるいは密封作業が正確に実行されうるように相互に対して正確な方向に向いている必要がある。原則として、方向付けには二通りのバリエーションがある。各包装容器はそれ自体の方向性を保っており、その場合それぞれ折りたたみ、あるいは密封のための装置が動いている包装容器に対して方向付けられる、すなわち折りたたみあるいは密封のための装置がその方向性を適合させる。あるいは代替的に各包装容器の方が回転し、すなわち正しい方向に方向付けられ、折りたたみあるいは密封のための装置の方は静止している。前記後者の代替例は動いている包装容器の折りたたみあるいは密封においてより高度の信頼性を通常提供する。包装容器のこのような方向付けを実現する一方法は、それらの方向を変える、すなわち、例えば第一の方向において包装容器の前側に対して直角で、かつ隣接している包装容器の別の側がコンベヤ上での連続した運動方向における第二の方向においては前側となるように容器を第一の方向から第二の方向に回転させる回転装置を備えたコンベヤを採用することである。当然、これらの方向付けの方法の双方共、包装および折りたたみ装置の双方が方向付け運動の一部を実行するように組み合わせることがきる。
【0004】
国際特許公報第0228716号は充填機において包装容器を回転させる装置を記載している。本装置は送入されてくる第一の方向から第二の方向に、動いている包装容器を受け取り、運動させ、回転させ、そして送り出す。本装置は動いている包装容器を第一の方向と同じ運動方向で第二の方向において排出するが、包装容器の方は90度回転してしまっている。この回転は掃引運動によって実行され、本装置はその上にキャリヤユニットが回転可能に固定されている回転ホイールから構成されている。各キャリヤユニットは、回転軸線を前記回転ホイールの回転軸線と平行にして該回転ホイールを軸線方向に貫通しているキャリヤシャフトを介して固定されている。しかしながら、この構造では、本装置が高速で作動しているときに主として発生する多数の欠点をこうむることが判明した。発生した問題とは、例えばキャリヤユニットが包装を保持し、あるいは排出するとき該包装が損傷を受けうること、および包装がキャリヤユニットからの排出と関連して当該機械の後続の部分から飛び出す傾向を時折示すことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の一つの目的は充填機において包装容器を方向転換させる装置であって、その方向転換作動が方向転換段階の間および包装が方向転換された後次の製造段階まで更に送られるとき包装容器に対する損傷の危険性を最小にするようなより静かな仕方で実行される包装容器を方向転換させる装置を実現することであった。この目的は、充填機において動いている多数の包装容器の方向を第一の方向から第二の方向に変えるようにつくられた方向転換機構であって、少なくとも1個のキャリヤユニットが接続されている少なくとも1個のキャリヤを備えたコンベヤを含む方向転換装置を含む装置によって実現可能とされた。本発明は、キャリヤユニットが幾何学的回転軸心の周りでキャリヤに対して回転し、方向変更の間包装容器の重心が幾何学的回転軸心に概ね位置し、それによって包装容器の重心が第一から第二の方向へ概ね同じ運動方向および速度を維持するような仕方で包装容器を担持するようにされていることを特徴とする。各包装容器の重心が同じ速度および運動方向を維持すること、すなわち第一の方向から第二の方向まで概ね同じラインに追従するという点において、本装置は、例えば包装容器の中身の定常の波動(standing wave)あるいは類似の反動のような遅速運動の可能性を考慮せねばならぬという以前にかなりの高速で作動することができる。包装容器の中身の動きが最小まで低減されるという点において、当該装置あるいは次のコンベヤにおける囲繞部材に対するショックによる包装容器に対する損傷の危険性が最小に低減される。別の利点は、包装容器はその方向転換作動の間過度にきつく保持しておく必要がないことであり、それによってキャリヤユニットの設計や構造をより複雑にしなくてすむことである。このことはまた、キャリヤユニットと包装容器との間の当接面が減少しうるので、それが包装容器の装飾用のアートワークに望ましくない痕跡を残す危険性を低減させるのに貢献する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好適実施例において、キャリヤは第一のキャリヤ部材と、第二のキャリヤ部材とを含み、前記キャリヤ部材の一方が第一の方向において他方のキャリヤ部材に対して移動可能であり、キャリヤユニットが各キャリヤ部材に対して回転可能に接続されており、各々の回転可能接続は前記第一の方向に対して横方向の第二の方向において、相互から距離をおいて位置している。回転可能接続はキャリヤ部材が移動する方向に対して横方向に相互から離隔した関係で位置されるという点で、相互に対するキャリヤ部材の運動は結果的にその幾何学的な関係の故にキャリヤユニットを回転させる。この結果によって、包装容器を方向転換させることになる。
【0007】
本発明による装置は更に、キャリヤユニットが一方のキャリヤ部材に支承されているシャフトに非回転接続されていることを特徴とする。更に、キャリヤユニットには第二のキャリヤ部材に設けられた軌道において運動可能であるピンを備えている。前記シャフトとピントとの相互関係はキャリヤ部材の少なくとも一方が他方のキャリヤ部材に対して移動するとキャリヤユニットの回転を伴い、それが包装容器の第一から第二の方向への包装容器の方向の変化に対応するようなものである。このような仕方でキャリヤ部材を形成することによって、少数の部材からなり、簡単で、堅牢で、かつ経済的であり、しかも前述した問題を解決する構造が達成される。
【0008】
前記シャフトは幾何学的回転軸心と一致することが好ましいが、それは所望の回転運動を実現する簡単で、かつ健全な方法である。
【0009】
一好適実施例において、キャリヤユニットには包装容器を担持するようにされた1対のフィンガ部分が設けられ、該フィンガ部分は包装容器の重心が前記回転軸心と一致するように幾何学的回転軸心に対して適合する。そのような手段によって、包装容器が回転時概ね同じ方向および速度を維持することが可能とされる。
【0010】
別の好適実施例によれば、送られる包装容器はコーナフラップ(cornerflap)が包装容器の側部から概ね真直ぐ向いているタイプのものであり、キャリヤユニットのフィンガ部分がこれらのコーナフラップの下と当接することによって包装容器を担持することができるようにされている。そのような手段によって、包装容器は極めて簡単かつ安定して持ち上げ、方向転換させることが可能であり、包装容器の上のアートワークあるいは印刷に目で見える痕跡とか損傷を残す危険性が最小までに減少される。フィンガ部分を備えたキャリヤユニットを提供することの本質的な別の利点は、その場合キャリヤユニットが包装容器の底の形状によってのみ影響されることである。このように、(底の形状が同じである限り)フィンガ部分を改造する必要なしに包装容器の容積を変えることが可能とされる。本装置全体は代わりに囲繞するコンベヤに対して上下される。しかしながら、包装容器の底の形状に対する変更を実行するとすれば、キャリヤユニットのフィンガ部分のみを取り替えるだけでよいのでこのことは大きな構造上の改造をもたらさない。これは極めて融通性があり、かつ経済的に実行可能な方法である。
【0011】
フィンガ部分は各コーナフラップの1個の折り曲げ縁部に対して当接するようにされた少なくとも1個の拘束ヒール(arrest heel)と協働する。包装容器が拘束ヒールと当接すると、包装容器の重心が幾何学的な回転軸心に位置することが保証されうる。拘束ヒールはまた、いずれの包装容器が最初に、例えば斜めにキャリヤユニットが入ってくるかどうかには関係なく包装容器が全てのキャリヤユニットにおいて同じように支持されるよう保証する。
【0012】
一好適実施例において、各々がそのループを形成する多数の軌道をコンベヤが含み、キャリヤ部材が前記軌道において案内され、そして前記軌道は各々が前記キャリヤ部材の少なくとも1個が軌道を変えうるようにしうる切り替え区画を含むという点においてキャリヤ部材は相互に対して運動可能である。これは相互に対して運動可能なキャリヤ部材をつくる簡単で、作動的に安定した方法である。この利点はまた軌道を、例えば金属シートなどから簡単に製造することが可能で、切り替え区画もプラスチックブロックから簡単にフライス削りが可能であることである。このことによって例えばコンベヤ全体の周りを走行する鋼をフライス削りしたカム面を含むものよりもかなり経済的である方法を提供する。
【0013】
容器はその最初の方向に位置されている間、フィンガ部分は容器の搬送方向に対して概ね横方向の方向を指しており、容器が第二の方向に位置している間、フィンガ部分は前記の搬送方向に対して概ね後方の方向を指していることが好ましい。そのような手段によって、キャリヤユニットはコンベヤの搬送方向に対して横方向に運動させられることによって容器を容易に担持することができ、かつ、フィンガ部分が包装容器の方向を変える必要なくコーナフラップの下のそれらの位置から滑り出るので、送出コンベヤへの移送も極めて簡単である。
【0014】
キャリヤ部材は、コンベヤに対して設けられたベルトとクランプ装置によって相互接続されている少なくとも一本のシャフトにおいて移動可能に支承されていることが好ましい。キャリヤ部材を、クランプ装置によってベルトに相互接続されているシャフトに固定することによって、ベルトを外したり、あるいは交換する必要なくキャリヤ部材が容易に交換可能であるという利点が提供される。このように、保守作業に要する時間が短縮でき、また交換が必要な部品点数も少ないので、本装置は経済性の観点からも優れたものである。これによって、数少ない部品で極めて簡単で、経済的で、かつ安定した構造を提供し、資本投下の観点から高価につく休止時間も短縮可能である。
【0015】
一好適実施例において、ベルトはその上を該ベルトが走行するようにされた少なくとも1個のプーリを含むベルト伝動装置に含まれており、キャリヤ部材は前記ベルトと相互接続された二本のシャフトに移動可能に支承されていて、前記シャフトの中心点は、二本のシャフト間の相互間隔が、双方のシャフトが前記プーリの上方に位置しているときと、および前記ベルトが概ね真直ぐである伝動装置の部分に前記シャフトが位置しているときに均等な大きさであるようにプーリから外方へベルトのピッチ線に対して概ね直角である方向に該ベルトのピッチ線からある距離を移動する。ピッチ線からある距離を前記シャフトの中心を移動させることによって、包装容器を回転させるための装置に対してベルト駆動を使用した場合同期駆動を実現することが可能である。従って、完全なカム曲線および直線ガイドを含む構造が排除することができる。このことによって、例えば数個の部品からなる装置を実現することが可能であるというような多数の利益を享受し、これは掃除とか磨耗の観点から有利である。同様に、軽量の装置が得られる。
【0016】
別の好適実施例において、前記距離の長さは差r1−r0であり、r0はプーリの中心からピッチ線までの半径であり、r0は以下の式に従って計算される。
【0017】
【数1】
aはベルトが真直ぐである場合の二本のシャフト間の相互距離である。
【0018】
前記ベルトは歯付きベルトであることが好ましい。そのような手段により、従来のベルトを採用することが可能であり、前記の歯付きベルトの歯によってシャフトの固定がし易くなることがまもなく示される。
【0019】
一好適実施例において、シャフトをベルトに固定するためのクランプ装置はベルトにおける歯の空隙とシャフトにおける支持手段とに全体的にあるいは部分的に当接するようにされた第一の部分を含み、前記支持手段がその各端において連続性の歯空隙を形成し、前記支持手段において前記第一の部分を下方に嵌めることが可能であり、前記第一の部分は各端においてヨーク要素の形態の第二の部分に接続され、前記ヨーク要素は、前記シャフトにおける支持手段での前記第一の部分の当接点と前記シャフトに対する該ヨーク要素の当接点との間で、前記シャフトの幾何学的形状がクランプ装置を固定位置に保持できるようにするに十分大きい全巻き角(wrapping angle)が形成されるように前記シャフトを囲繞するようにされている。このようなタイプのクランプ装置のため、キャリヤは極めて簡単にベルトに固定することが可能で、もしも1個以上のキャリヤを取り替える必要が出てきた場合、これらのキャリヤだけをベルトから取り外すだけでよい。そのため、クランプ装置自体は製造が簡単で経済的である。
【0020】
前記シャフトには少なくとも部分的にベルトを受け入れるようにされた少なくとも1個のくぼみを設けることが好ましく、そのくぼみに支持手段が位置される。シャフトにベルト用のくぼみを設けることによって、前記シャフトの中心点をベルトのピッチ線からある距離に位置させるのが極めて簡単になる。
【0021】
本発明はまた、充填機において動いている多数の包装容器の方向を第一の方向から第二の方向に変える方法にも関するものである。本方法は、コンベヤのキャリヤに接続されているキャリヤユニットによって包装容器を担持すること、および、方向を変える間、包装容器の重心が概ね幾何学的回転軸心に位置し、それによって包装容器の重心が第一の方向から第二の方向まで概ね同じ運動方向および速度を保持するような仕方でキャリヤユニットを幾何学的回転軸心の周りでキャリヤに対して回転させることを含む。前述したように、この方法によって第一の方向から第二の方向への容器の方向変更が、包装容器の中身における定常波動あるいは類似の反動のようないずれかの遅速運動の可能性を考慮に入れねばならなくなるよりも以前にかなりの高速で実行しうるという利点を提供する。包装容器の中身の行動が最小まで低減されるという点で、方向変更を実行する装置あるいは次のコンベヤにおける囲繞部材に対するショックのために包装容器を損傷させる危険性が最小まで低減される。別の利点は、包装容器を回転時過度にきつく保持する必要のないことであり、それによってキャリヤユニットの構造をより複雑でないようにすることである。このことはまた、前述のように、キャリヤユニットと包装容器との間の当接面を低減しうるようにし、これは包装における装飾用アートワークに対して望ましくない痕跡が発生する危険性を減らすのに貢献する。
【0022】
本発明の現在好適な一実施例について添付図面を参照して以下詳細に説明する。
【0023】
図1は、例えば食品のような製品を包装するための充填機における製造段階に先立って動いている包装容器12の方向を変えるための参照番号10で全体的に指示する装置の一好適実施例を示す。この例において、包装容器は、例えば紙あるいは段ボールのような芯層とプラスチックの液密層とからなる積層包装材料からつくられた平行四辺形の包装である。そのような包装容器は時には材料のシートからつくられた個々のブランクからつくられ、それらの長手方向縁部を重ねて接合することによってチューブ状とされる。その後チューブは該チューブの長手方向に対して横方向の適当な一方の横縁部に沿って密封され、次いで包装容器に中身が充填され、他方の横縁部において密封される。密封工程の前に、ブランクは横方向の密封領域において平たくされる。充填および最終的な折りたたみの後、適用可能な付加的な成形および溶着作業が実行され、平行四辺形の包装12において、クッション形状での包装容器の二重壁のコーナフラップ14が包装容器の外側に向かって折り曲げられ、かつ密封される。
【0024】
本発明による装置10は横方向密封ステーション(図示せず)と、二重壁のコーナフラップ14が包装容器の外側に向かって折り曲げられ、かつそれに対して密封される後続の最終折り曲げステーション(図示せず)との間に位置される。このように、包装容器のコーナフラップ14はこの位置において包装容器の側部から概ね真直ぐ向いている。本装置は第一の送入コンベヤ16と第二の送出コンベヤ18と協働し、それらの中送入コンベヤ16は横方向密封ステーションから本装置10まで包装容器12を送入し、送出コンベヤ18は本装置10から最終の折りたたみステーションまで包装容器12を送出する。
【0025】
本装置10は、図において左側の送入される第一の方向20から図の右側の第二の方向22まで各々の動いている包装容器12を受け取り、方向転換させ、そして送る。このように、包装容器12は送入コンベヤ16において第一の方向20において送られ、その後方向転換され、そして包装容器12を更に送り出す送出コンベヤ18によって第二の方向22において受け取られるように同じ方向20で本装置10に到来する。本装置10は動いている包装容器12が第一の方向20におけるのと同じ運動方向および同じ速度を維持するよう保証する。動いている包装容器12の搬送方向は図において左方から右方へ矢印によって指示されている。
【0026】
送入コンベヤ18は当該技術分野の専門家には既知である従来タイプのものでよい。例示においては、滑りレールと協働するタイプのベルトコンベヤである。一領域において、レールとベルトとは平行に走行する。包装容器12は第一の方向において滑りレール上に立っており、ベルト上で均等間隔に配置されたブロックの形態のキャリヤによって助勢されてレールに沿って前方に押圧すなわち弾圧される。ベルトコンベヤは当該技術分野の専門家に既知の仕方で駆動装置(図示せず)によって駆動され、かつ案内される。しかしながら、送入コンベヤ16は前述したもの以外のタイプでよく、例えばチェインコンベヤでもよいことは当然である。送出コンベヤ18もまた、従来のタイプのものでよく、本例においては、キャリヤユニット24を備えたベルトコンベヤタイプのものである。ベルトコンベヤ18は当該技術分野の専門家には既知の仕方で駆動装置(図示せず)によって駆動され、かつ案内される。双方のコンベヤ16,18は本装置10と同期化されている。
【0027】
送入コンベヤ16から包装容器12を取り、それらを送出コンベヤ18に送り込むことができるようにするために、本装置10は包装容器12を捕捉するために多数のキャリヤを備えているコンベヤ26を含む。コンベヤ26にはキャリヤ28を駆動するためのベルトが設けられている。「ベルト」という用語はここでは、例えばチェイン、あるいは例えば歯付きベルトのようなベルトを意味するものと解釈される。本例においては、コンベヤ26には第一と第二のベルト34,35が設けられている。図10参照。ベルト34,35は、当該技術分野の専門家には既知の仕方で(以下説明する)プーリ上を相互に対してある距離を置いて概ね平行に走行している。本例においては、ベルト34,35は歯付きベルトであって、図1において反時計方向に相互に対して同期的に駆動される。
【0028】
図2を参照すると、各キャリヤ28は、ブロックの形態であり、2個の概ね平行のシャフト38に運動可能に配置されている第一と第二のキャリヤ部材30,32を含む。前記ブロックはプラスチックからつくられることが好ましい。本例においては、キャリヤ部材30,32は各シャフト38が双方のキャリヤ部材30,32を貫通するように配置されている。シャフト38は、コンベヤ26における2個の被動歯付きベルト34,35の間の距離に亘って跨るように前記ベルト34,35の上に固定配置されている。前記シャフト38は運動方向に対して概ね直角に配置されており、リンク機構40(図2a参照)が前記2本のシャフトの端部を相互に対して接続している。
【0029】
各シャフト38は各ベルトにおいて少なくとも1個のクランプ装置42によって双方のベルトに固定されている。以下の説明において、かつ図3を参照すれば、クランプ装置42の第一の実施例が詳細に説明されており、かつシャフト38がクランプ装置42によって、例えば第一のベルトに固定される態様が示される。クランプ装置42はベルト30に対して当接するようにされたピンの形態の第一の部分44を含む。前記ベルト30に対する当接は該ベルト30における歯の空隙において行われる。ピン44はまた、前記シャフト38に形成された支持手段46に下方へ嵌めることができるようにされている。これらの支持手段46は各端における歯の空隙に連続したものを形成しており、すなわち前記支持手段46はベルト30における歯の空隙と整合している小さい「歯の空隙」として配置されている。ピン44は前記支持手段46の中へ下方に嵌めることができる。前記第一の部分44の各側において、すなわち前記ピンの各端には、それぞれ第二の部分48,50が設けられている。従って、前記第一の部分44は中央部分である。2個の第二の部分48,50は概ね同一であって、各々が前記シャフト38を囲繞しうるようにされたヨーク要素の形態である。各ヨーク要素は外端52を、すなわち前記シャフト38にある対応する孔54中へ嵌めこむようにされている自由端を有している。その中心点が追って説明するピッチ線からある距離をおいて位置するように前記シャフト38を位置決めできるようにするために、前記シャフト38には少なくとも部分的にベルト30を受け入れるようにされたくぼみ56が設けられている。前記くぼみ56は凹所として形成され、その面はベルトの平坦な面に対して当接するようにされている。前記面は、ベルト30の幅方向に見て該ベルトより大きな広がりを前記シャフトの長手方向に有しており、そのため前記面は2個のヨーク48,50も受け入れ可能である。支持手段46は前記面において断続的に形成されており、すなわち前記シャフト38におけるくぼみ56は実際には3個の区画、すなわちベルト30を受け入れできる中央区画56aと前記支持手段46の外側にあって各々ヨーク要素48,50を受け入れ可能な2個のより小さい外側区画56b、56cとから構成されている。図4参照。外側区画56bおよび56cはヨーク要素を支持し、クランプ装置がその全ての力でベルトを圧縮しないようにばね力の一部を受け取るようにするためのものである。そのような手段によって、ピン44がベルトに「食い込む」危険性が最小とされる。従って、支持手段46に下方へ嵌められるのはヨーク要素48,50に隣接したピン44の外端である。前記支持手段46は、前記ヨーク要素48,50がシャフト38を囲繞しうるようにピン44が回転できるよう設計されている。「囲繞する」という用語はヨーク要素48,50が完全にシャフト38に対して当接することを必ずしも意味するものでないことを理解すべきである。ピン44と支持手段46との間の当接点に加えてヨーク形状に沿った何処かで当接点があるだけで十分である。
【0030】
ヨーク要素48,50は、シャフト38における前記支持手段46の第一の部分の当接点と前記シャフト38に対するヨーク要素の当接点との間で、前記シャフトの幾何学的形状がクランプ装置42を固定位置、すなわちクランプ装置42がベルト30を前記シャフト38に対してロックされた状態に保つ位置に保持することができるようにするに十分大きい全巻き角γ(wrapping angle)が形成されるように前記シャフト38を囲繞するように設計されている。図5は十分大きい全巻き角γの意味するところを示している。図Iにおいては前述したような孔54を備えたシャフト38の断面が見られる。前記孔54のため、ヨーク要素の当接点はこの場合180度より僅かに小さい全巻き角γを示している。図6はクランプ装置42の第二の実施例を示しており、そこではヨーク要素48,50はシャフト38の孔の中へ嵌めこまれる意図のものでなく、ヨーク要素48,50の外方部分52′が単にシャフト38に対して当接するようにされている。このようなバリエーションにおいては少なくとも180度の全巻き角γを必要とする。図5の図IIを参照。シャフト38は図IIIに示すように三角形の断面、あるいは図IVに示すように多角形、例えば四角形の断面を備えた設計としてもよく、その場合全巻き角γは最初の角を通過すれば十分である。しかしながら、ヨーク要素の形状あるいは断面積は必要とされる全巻き角γに対して当然重要であることを理解すべきである。もしもヨーク要素48,50が弱体である、例えば断面積が小さくて、大きい形状である場合には、より大きな全巻き角γが多分必要とされよう。図V参照。
【0031】
図3に示すクランプ装置42の前述した第一の実施例において、シャフト38の孔54はくぼみ56と概ね整合し、すなわちシャフト38の反対「側」に位置されている。従って、全巻き角γは概ね180度である。
【0032】
クランプ装置42は棒鋼を折り曲げることによって簡単につくることがきる。
【0033】
クランプ装置42の装着時、歯付きベルト30はその平坦な面がシャフトのくぼみ56の平坦な面と当接するようになるよう先ず位置される。図3参照。その後、クランプ装置42の第一の部分44、すなわちピンが支持手段46に押し下げられる。図3の上側右部分の図参照。その後ヨーク要素48,50がシャフト38を囲繞するように回転される。図3の上側左側部分の図参照。そのため、ヨーク要素48,50の外方端52がシャフト38の下側にある孔54中へ嵌めこまれる。図3の対応する下側の図参照。
【0034】
以下の開示においては、シャフト38の固定について説明されている。双方のベルト34,35は同期的に駆動され、かつそれらは形状および位置の双方において同一であるので、固定については説明を簡単にするために第一のベルト34のみを参照して説明する。ベルト34がシャフト38に沈められると、沈められた面はいずれの個々の点においてもベルト34に対して常に接線となる。このことはまた、シャフトの中心点を通過する前記面に対する法線が、前記シャフト38と共に回転するプーリの中心点と交錯することを意味する。
【0035】
本装置10は前述したように、相互に対して垂直方向に同じ高さで配置されている第一と第二のプーリ60,62を含む。前記プーリ60,62は第一と第二のフレーム(図示せず)の間で支承されており、少なくとも一方のプーリが駆動手段によって駆動される。本例においては、第一のプーリ60は、シャフトによって相互に回転しないよう接続されている第一と第二のプーリ部分60a,60bから構成されている。対応して、第二のプーリ62は、シャフトによって相互に回転しないよう接続された第一と第二のプーリ部分62a,62bとから構成されている。第一の駆動ベルト34が第一のプーリ60の第一のプーリ部分60aと第二のプーリ62の第一のプーリ部分62aの上を走行する。第二の駆動ベルト35は第一のプーリ60の第二のプーリ部分60bと第二のプーリ62の第二のプーリ部分62bの上を走行する。
【0036】
図7を参照すれば、2本のシャフトの固定点を計算する方法が示されており、すなわち伝動装置を通して2本のシャフト38の間の距離が均等であるように、前記シャフト38の中心点がピッチ線に対してどこに位置させるべきか、すなわち前記シャフトが固定されているベルト34(および35)の部分が、該部分がいずれかのプーリ60,62の一部を囲繞するときと、前記部分が真直になるときとシャフト38間の距離は同じであるべきことが示される。ピッチ線という用語はここでは、プーリのピッチ半径がそこまで延びる線Lを意味するものと解釈され、歯付きベルト伝動装置におけるピッチ半径はプーリの中心から駆動ベルトの弦の中心まで、すなわち延伸が概ねゼロである点まで延びる。以下の論法においては、ピッチ半径はr0と指示される。ベルトが真直であるときはシャフトの中心点間の相互距離はaである。ベルトがプーリの周りで曲げられるときにこの距離を維持するためには、ここではbと指示されるピッチ長さの円弧の線分と、ここではcと指示される弦の距離(シャフト38がホイールの周りに位置している場合のシャフト間の距離)とはaと等しい長さでなければならない。すなわちa=b=cが適用されねばならない。これはピッチ線から離れる方向、すなわちプーリの中心から外方への方向に距離Δrだけ、シャフトの中心点の位置を動かすことによって達成される。そうすれば、シャフトの中心点はプーリの中心からr0に位置するのでなく、そこからの半径r1に位置する。この半径r1はr0よりも長い。距離Δrは差r1−r0である。r1を計算する式は以下の通りである。
【0037】
【数2】
cは前述のように、2本のシャフトの間の所望の弦であり、αは2本のシャフトとホイールの中心との間の角度、すなわちシャフト38の沈み面に対する前述の法線の間の角度である。角度αはbをr0で割ったものと等しく、bは前述のようにピッチ線の円弧長さの線分の長さである。そのためr1を計算するための式は以下のように書き換えることができる。
【0038】
【数3】
【0039】
bとcとはaと同じ大きさなので,cおよびbは前記式においてaを代入することが可能で、そのため前記式は以下のように表される。
【0040】
【数4】
【0041】
第一のキャリヤ部材30にはその機能が包装容器12を担持することであるキャリヤユニット58が設けられている。本装置10は第一の方向20から第二の方向22に包装容器12の方向を変えることになっているので、それは更に以下説明する方向転換機構を含んでいる。
【0042】
軸線Aはその周りを包装容器が回転すなわち方向転換されることになっている幾何学的回転軸線を指示する。図2において、前記軸線Aは本用紙の面に対して概ね直角の方向に、すなわち図において内方に延在している。
【0043】
シャフト64は回転軸線Aに沿って延在している。図8参照。このシャフトは一端においてキャリヤユニット58に固定接続され、他端においては案内ホイール(図示せず)と協働する。案内ホイールとキャリヤユニットとの間において、キャリヤユニット58がコンベヤ26の外周に向かって外方に向けられ、一方案内ホイールがコンベヤ26の中央部分に向かって内方に向けられるように第一のキャリヤユニット30の孔(図からは見えない)に支承されている。キャリヤユニット58には第二のキャリヤ部材32における軌道68すなわち細長い孔において走行するようにされたピン66が設けられている。このように、キャリヤ部材30,32はキャリヤユニット58によって相互に接続され、シャフト38に沿って相互に向かって、および相互から離れる方向に移動可能である。
【0044】
キャリヤユニット58には中央部分70と2個のフィンガ部分72とが設けられている。図8参照。1対のフィンガ部分72は包装容器12を担持できるようにされ、かつ前記フィンガ部分の対72は包装容器12がキャリヤユニット58によって担持され、かつ回転させられるとき前記包装容器の重心が幾何学的回転軸線Aと一致するように前記シャフト64に対して配置されている。このように、シャフト64はフィンガ部分72間の相互距離の半分のところで前記中央部分70に位置されている。包装容器12がその第一の方向20に位置されている間は、フィンガ部分72は包装容器の搬送方向に対して横方向を指しており、包装容器12がその第二の方向22に位置している間、フィンガ部分は前記搬送方向に対して概ね後方に向いた方向を指している。しかしながら、フィンガ部分72は、キャリヤユニット58内で包装容器を捕捉し、位置決めし易くするために若干外方に傾斜している。もっとも、フィンガ部分72が指す方向の開示において、この角度は本説明では重要ではない。各フィンガ部分72は更に、中央部分70における捕捉ヒール74と協働する。捕捉ヒール74は、包装容器がキャリヤユニット58によって捕捉されると、それぞれの三角形のコーナフラップの折り曲げ縁部に各々が当接するように位置されている。図8参照。それらは包装容器の後ろ側(参照番号76参照)に対応する平面における力を受けるものとして説明しうる。
【0045】
図2aの図I−Vは、図1に示す送り装置の下方に位置し、上を見上げたときに得られる図と対応する要領で示されている。図2b参照。図2bにおけるIは図2aにおける図Iが得られた場所を示す。回転時のキャリヤ部材30、32の諸々の位置について以下説明するが、回転原理の背後にある技術はキャリヤ部材の少なくとも1個が第一の方向において他のキャリヤ部材に対して移動可能であり、キャリヤユニット58が各キャリヤ部材に対して回転可能に接続されており、各回転可能接続が前記第一の方向に対して横方向の第二の方向において相互からある距離をおいて位置しているという特徴に主として基づいている。図2aの左側の図Iは双方のキャリヤ部材30,32が第一の延長位置に位置している第一の位置を示す。この第一の位置は包装容器12の第一の方向20に対応し、キャリヤユニット58はフィンガ部分72がシャフト38に対して概ね平行の方向に、すなわち包装容器の搬送方向の横方向に向けられるような方向とされ、ピン66がシャフト38に対して角度β1を形成することが判る。本例においては、角度β1=45度である。第二の方向への方向転換が始まる前に、キャリヤ部材30,32の双方はシャフト38に沿って移動する。図II−III参照。この運動については後述する。他方、図IVは第二の方向への回転が開始したことを示す。第一と第二のキャリヤ部材30,32の間の距離は変わり、Vで指示する図においては、それらは第二の広がり位置に位置している。第二のキャリヤ部材32はシャフト38に沿って第一のキャリヤ部材から離れる方向に移動している。ピン66は今やシャフト38に対してβ2の角度を形成している。本例においては、角度β2=135度であり、キャリヤユニット58はその第二の位置まで回転しており、そこではキャリヤユニット58はフィンガ部分72が前述したシャフト38に対して概ね直角となるような方向とされている。この第二の位置は包装容器12の第二の方向22に対応している。このように、差β2−β1は包装容器12の第一と第二の方向20,22の間の角度、すなわち回転に対応する。この場合、回転は90度である。実行される方向転換すなわち回転は図1を参照すれば時計回りで行われ、図2aを参照すれば反時計方向で行われるため、第二の位置におけるフィンガ部分72は送出コンベヤ18から離れる方向を指し、すなわち包装容器の(図1の左側への)搬送方向に対して概ね後方の方向を指している。
【0046】
第一の位置から第二の位置まで、あるいはその逆の変遷について図9および図10を参照して以下説明する。図10はコンベヤ26に回転方向において該コンベヤ26に沿って形成され、それぞれ1,2および3で指示する第一と、第二と、第三の軌道の形態の固定ガイドが設けられていることを示す。軌道1から3までは歯付きベルト34,35の内側に位置され、すなわち歯付きベルト34,35は、歯付きベルトが駆動されるとキャリヤ部材30,32の下側にあるガイドホイール(図示せず)すなわちガイドピンが軌道1から3までの内部で走行するような仕方で軌道1から3までの外側を走行する。第一と第二のキャリヤ部材30,32には各々1個のガイドホイールが設けられていることが好ましい。
【0047】
軌道1から3までに沿って、3個の固定された軌道切り替え領域が存在している。図9参照。各領域はそれぞれ78,80および82で指示する切り替え区画を含む。第一の切り替え区画78は包装容器12が送入コンベヤ16から取り上げられる点、すなわち本装置10が包装容器12を担持するべき点に位置されている。前記第一の切り替え区画78の前方において、第二のキャリヤ部材32が第一の軌道1において案内され、第一のキャリヤ部材30が第二の軌道2において案内される。第一と第二の軌道1、2が相互に対して隣接すると、キャリヤ部材30,32は従ってそれらの第一の延長位置(図2aにおける図Iも参照)に位置し、フィンガ部分72が第三の軌道に向かう方向を指す。キャリヤ部材30,32が第一と第二の軌道1,2において案内されるとき、包装容器12は第三の軌道3に近接して軌道1から3までに対して平行の方向に運動し、フィンガ部分72は包装容器12と接触することができないように送入コンベヤ16が本装置10に対して位置される。しかしながら、第一の切り替え区画78において、各対のフィンガ部分72はそれぞれの包装容器12の周りを掴持する。これは、キャリヤユニット58が軌道1から3までの横方向の方向に、すなわち第三の軌道3に向かって、かつ包装容器12に向かってそのフィンガ部分72と共に動くということで実行される。この横方向の移動は第一の切り替え区画78が第一の軌道1から第二の軌道2への遷移部並びに第二の軌道2から第三の軌道3までの遷移部を含み、すなわち第一の切り替え区画の後で、第二のキャリヤ部材32が第二の軌道2において案内され、第一のキャリヤ部材30が第三の軌道3において案内されるということで達成される。次いで、キャリヤユニット58が回転することなく横方向移動が達成されている。図2aの図IIおよびIII参照。この第一の切り替え区画78において、フィンガ部分72は、該フィンガ部分72にある捕捉ヒール74がコーナフラップ14の各折り曲げ縁部と当接するようになるようなときまで包装容器のコーナフラップ14の下方を突出する。第一の切り替え区画78の後、送入コンベヤ16は本装置10から反れて、従って包装容器12はキャリヤユニット58のフィンガ部分72に自在に懸垂され、すなわちフィンガ部分72はコーナフラップ14と当接するようになる。
【0048】
第二の切り替え区画80は第一の切り替え区画の78の後、但し包装容器12が送出コンベヤ18まで更に送られる前の地点に位置されている。この第二の切り替え区画80は、包装容器12が方向を第一の方向20から第二の方向22に変えることになる方向転換領域に含まれている。第二のキャリヤ部材32が第一のキャリヤ部材から離れる方向に移動することを要する方向転換はこの切り替え区画80のみが第二の軌道2から第一の軌道1への1個の遷移部分を含むことによって実現される。このことは、第二のキャリヤ部材32が切り替え区画80の後で第一の軌道1に案内され、第一のキャリヤ部材30も第三の軌道3に案内され続けることを意味する。それによって、キャリヤ部材30,32は強制的に離され、キャリヤユニット58は90度回転する。それによって、包装容器12は第二の方向22をとる。図2aの図V参照。
【0049】
第三の切り替え区画82は、包装容器12が送入コンベヤ16から取り出しうるようにされた地点の前で、かつ包装容器12が送出コンベヤ18まで更に送られる地点の後に位置されている。この切り替え区画82は、第二のキャリヤ部材32が切り替え区画82の後で、第一の軌道1に案内され、第一のキャリヤ部材30が第二の軌道2に案内されるように形成されている。これは切り替え区画82に第三の軌道3から第二の軌道2への第一のキャリヤ部材30のための遷移部が形成されていることを意味する。それによって、キャリヤ部材30,32は再びそれらの第一の位置であって、キャリヤユニット58が該キャリヤユニットのフィンガ部分72がそれらの長手方向を軌道1から3までに対して横方向に概ね向けている方向まで転換して戻ったことを意味する位置、すなわち包装容器の第一の方向20に対応している位置まで一緒に持ってこられる。この回転は90度に亘るものである。次いで、キャリヤユニット58は、再度第一の切り替え区画78に到達すると包装容器12を掴持することができる。
【0050】
本例においては、各切り替え区画78−82は3個の軌道1から3までの横断方向に位置されたブロックの形態であり、該ブロックには副次軌道84が設けられている。別の軌道への移行が何ら行われないとすれば、前記ブロックにおける前記副次軌道84は本来の軌道に接続される。図10の第一の軌道1を参照。しかしながら、もしも例えば第二の軌道2から隣接する軌道、例えば第三の軌道3への移行が行われるとすれば、前記副次軌道84は開口部が第二の軌道2に位置され、出口が隣接する第三の軌道3において解放する湾曲した軌道区画である。切り替え区画78−82はプラスチックから有利に製造することが可能であり、一方軌道1から3までは例えば金属シートから製造しうる。第一と第二の切り替え区画は更に単品のブロックで製造しうることが好ましい。
【0051】
前述のように、包装容器12は方向転換作業の後、すなわち第二の切り替え区画80を通過した後送出コンベヤ18まで移送される。送出コンベヤ18は、包装容器12が方向転換作業の後沿って動くラインが送出コンベヤ18において包装容器12が沿って動くラインと一致するように本装置10に対して位置されている。このように、各包装容器12は送出コンベヤ18へ移送された後もその運動方向を保っている。本例においては、各包装容器12はコンベヤ26がその第二の支承点の周りで外れる点において移送される。フィンガ部分72が送出コンベヤ18から離れる方向に面するよう回転するにつれて、包装容器のコーナフラップ14に対するその掴持は、それらが支承点の周りで回転し、および(または)キャリヤユニット24に追いつくか、あるいは制動されると、すなわち包装容器12がキャリヤユニット24によって捕捉される以前の運動方向に継続的に動いている間にフィンガ部分72が図1において上方に運動すると自動的に解放される。キャリヤユニット24は連鎖した送出コンベヤ18に対して概ね直角に装着されているプレートの形態である。送出コンベヤ18の速度は本装置の速度よりも僅かに遅く、包装容器はキャリヤユニット24によって制動される。しかしながら、包装容器の中身が包装容器12に対して何ら顕著な運動作用を与えず、かつ包装容器12と対面するキャリヤユニット24の面がキャリヤユニット24に対して当接するようになる包装容器の面と同じ程度の大きさであるとすれば、包装容器12が移動時損傷を受ける危険性は最小である。
【0052】
本発明を現在好適な実施例に関してのみ説明してきたが、当該技術分野の専門家には、本発明はそれに限定されるのでなく、特許請求の範囲に記載の範囲から逸脱することなく多数の変更や修正が考えられうることは明らかである。
【0053】
キャリヤユニットをキャリヤ部材に対して固定しうる方法の一例を説明してきた。しかしながら、前記固定を実行しうる多数のその他の方法があることも理解すべきである。例えば、キャリヤユニット58はキャリヤ部材の1個に回転可能に支承されているシャフトを介してリンク機構アームの一端に非回転接続することが可能で、前記リンク機構アームは他端において第二のキャリヤ部材にある溝において運動可能であるピンが設けられており、前記シャフトとピンとの相互関連性はキャリヤ部材の少なくとも1個が他のキャリヤ部材に対して移動することによって包装容器12の方向を第一の方向20から第二の方向22に変えることに対応するキャリヤユニット58の回転をもたらすようなものとしうる。このように、前述したシャフト64の一端はキャリヤユニット58に非回転接続されており、一方他端はリンク機構アームにしっかりと接続されている。前記シャフト64は前述のように、第一のキャリヤ部材30にある孔に支承されている。キャリヤユニット58はキャリヤ部材30の一方の側に位置し、リンク機構アームは他方の側に位置している。更に、キャリヤユニット58はコンベヤ26の外周に向かって外方に向けられており、一方リンク機構アームはコンベヤ26の中央部分に向かって内方に向いている。リンク機構アームの自由端には、前述した軌道68に対応する溝内を走行するようにされた、ピン66に対応するピンが設けられている。
【0054】
3個の軌道1から3までと3個の切り替え区画78,80,82とを説明してきた。しかしながら、本明細書を読んだ専門家には実際の用途に応じて軌道や切り替え区画の数は変更しうることは明らかである。例えば、方向切り替え作業は切り替え区画において一段階で実行する必要はなく、例えば多数の切り替え区画や軌道に亘って段階的に行うことも可能である。
【0055】
前述してきたフィンガ部分を備えたキャリヤユニットは三角形の隅フラップが包装容器の側部に対してまだ折り曲げておられず、かつ密封されていない平行四辺形の包装容器を支持するのに適している。もしも別のタイプの包装容器を支持すべき場合、あるいは平行四辺形の包装容器を異なる仕方で支持する意図である場合には、キャリヤユニットの形態は当然、当該技術分野の専門家には既知の別のタイプとしてもよい。例えば、キャリヤユニットは包装容器の周りを掴持できる掴持装置として形成してもよい。例えば、包装容器の横縁部の密封部分に形成された例えばフィンの周りを掴持することができる掴持装置を設けてもよい。
【0056】
更に、包装容器の第一と第二の方向は例示した方向に限定されるのでなく、開示した角度も回転運動の度数が異なるように修正してもよいことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】コンベヤおよび包装容器が運動中である本発明による装置の斜視図を概略示す。
【図2a】キャリヤユニットの回転を示す一連の図面I−Vを概略図示し、前記図面I−Vは図1に関して下から見たものである。
【図2b】(図2aに示す図面を理解しやすくするために)下から斜めに見た本装置を概略示す。
【図3】若干の図面において、クランプ装置の第一の実施例と、それがシャフトをベルトに固定する態様を概略示す。
【図4】シャフトの斜視図を概略示す。
【図5】シャフトの諸々の断面と全巻き角との図面I−Vを概略示す。
【図6】クランプ装置の第二の実施例の斜視図を概略示す。
【図7】シャフトの固定について概略示す。
【図8】包装容器を担持しているキャリヤユニットについての若干の図面を概略示す。
【図9】軌道と切り替え区画とのスケッチを概略示す。
【図10】軌道および第三の切り替え区画を備えたコンベヤの斜視図を概略示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填機において動いている包装容器の方向を変える方向転換機構を含む装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばジュース、牛乳などのような液体を、あるいは例えばスープ、野菜などのより固形性の食品を入れた包装容器のような食品包装用機械は製造ラインに亘る諸々の製造段階の間に包装容器を搬送するためのコンベヤを備えた製造ラインを有することが多い。これらの段階とは一連の種々の組み合わせでの一つ以上の充填段階、密封段階あるいは折りたたみ段階から構成しうるか、あるいはその他の機能を含みうる。
【0003】
例えば、折りたたみ段階あるいは密封段階において、あるいはそれらの前に、動いている包装容器や該包装容器を折りたたむとか、あるいは密封する装置は、折りたたみあるいは密封作業が正確に実行されうるように相互に対して正確な方向に向いている必要がある。原則として、方向付けには二通りのバリエーションがある。各包装容器はそれ自体の方向性を保っており、その場合それぞれ折りたたみ、あるいは密封のための装置が動いている包装容器に対して方向付けられる、すなわち折りたたみあるいは密封のための装置がその方向性を適合させる。あるいは代替的に各包装容器の方が回転し、すなわち正しい方向に方向付けられ、折りたたみあるいは密封のための装置の方は静止している。前記後者の代替例は動いている包装容器の折りたたみあるいは密封においてより高度の信頼性を通常提供する。包装容器のこのような方向付けを実現する一方法は、それらの方向を変える、すなわち、例えば第一の方向において包装容器の前側に対して直角で、かつ隣接している包装容器の別の側がコンベヤ上での連続した運動方向における第二の方向においては前側となるように容器を第一の方向から第二の方向に回転させる回転装置を備えたコンベヤを採用することである。当然、これらの方向付けの方法の双方共、包装および折りたたみ装置の双方が方向付け運動の一部を実行するように組み合わせることがきる。
【0004】
国際特許公報第0228716号は充填機において包装容器を回転させる装置を記載している。本装置は送入されてくる第一の方向から第二の方向に、動いている包装容器を受け取り、運動させ、回転させ、そして送り出す。本装置は動いている包装容器を第一の方向と同じ運動方向で第二の方向において排出するが、包装容器の方は90度回転してしまっている。この回転は掃引運動によって実行され、本装置はその上にキャリヤユニットが回転可能に固定されている回転ホイールから構成されている。各キャリヤユニットは、回転軸線を前記回転ホイールの回転軸線と平行にして該回転ホイールを軸線方向に貫通しているキャリヤシャフトを介して固定されている。しかしながら、この構造では、本装置が高速で作動しているときに主として発生する多数の欠点をこうむることが判明した。発生した問題とは、例えばキャリヤユニットが包装を保持し、あるいは排出するとき該包装が損傷を受けうること、および包装がキャリヤユニットからの排出と関連して当該機械の後続の部分から飛び出す傾向を時折示すことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の一つの目的は充填機において包装容器を方向転換させる装置であって、その方向転換作動が方向転換段階の間および包装が方向転換された後次の製造段階まで更に送られるとき包装容器に対する損傷の危険性を最小にするようなより静かな仕方で実行される包装容器を方向転換させる装置を実現することであった。この目的は、充填機において動いている多数の包装容器の方向を第一の方向から第二の方向に変えるようにつくられた方向転換機構であって、少なくとも1個のキャリヤユニットが接続されている少なくとも1個のキャリヤを備えたコンベヤを含む方向転換装置を含む装置によって実現可能とされた。本発明は、キャリヤユニットが幾何学的回転軸心の周りでキャリヤに対して回転し、方向変更の間包装容器の重心が幾何学的回転軸心に概ね位置し、それによって包装容器の重心が第一から第二の方向へ概ね同じ運動方向および速度を維持するような仕方で包装容器を担持するようにされていることを特徴とする。各包装容器の重心が同じ速度および運動方向を維持すること、すなわち第一の方向から第二の方向まで概ね同じラインに追従するという点において、本装置は、例えば包装容器の中身の定常の波動(standing wave)あるいは類似の反動のような遅速運動の可能性を考慮せねばならぬという以前にかなりの高速で作動することができる。包装容器の中身の動きが最小まで低減されるという点において、当該装置あるいは次のコンベヤにおける囲繞部材に対するショックによる包装容器に対する損傷の危険性が最小に低減される。別の利点は、包装容器はその方向転換作動の間過度にきつく保持しておく必要がないことであり、それによってキャリヤユニットの設計や構造をより複雑にしなくてすむことである。このことはまた、キャリヤユニットと包装容器との間の当接面が減少しうるので、それが包装容器の装飾用のアートワークに望ましくない痕跡を残す危険性を低減させるのに貢献する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好適実施例において、キャリヤは第一のキャリヤ部材と、第二のキャリヤ部材とを含み、前記キャリヤ部材の一方が第一の方向において他方のキャリヤ部材に対して移動可能であり、キャリヤユニットが各キャリヤ部材に対して回転可能に接続されており、各々の回転可能接続は前記第一の方向に対して横方向の第二の方向において、相互から距離をおいて位置している。回転可能接続はキャリヤ部材が移動する方向に対して横方向に相互から離隔した関係で位置されるという点で、相互に対するキャリヤ部材の運動は結果的にその幾何学的な関係の故にキャリヤユニットを回転させる。この結果によって、包装容器を方向転換させることになる。
【0007】
本発明による装置は更に、キャリヤユニットが一方のキャリヤ部材に支承されているシャフトに非回転接続されていることを特徴とする。更に、キャリヤユニットには第二のキャリヤ部材に設けられた軌道において運動可能であるピンを備えている。前記シャフトとピントとの相互関係はキャリヤ部材の少なくとも一方が他方のキャリヤ部材に対して移動するとキャリヤユニットの回転を伴い、それが包装容器の第一から第二の方向への包装容器の方向の変化に対応するようなものである。このような仕方でキャリヤ部材を形成することによって、少数の部材からなり、簡単で、堅牢で、かつ経済的であり、しかも前述した問題を解決する構造が達成される。
【0008】
前記シャフトは幾何学的回転軸心と一致することが好ましいが、それは所望の回転運動を実現する簡単で、かつ健全な方法である。
【0009】
一好適実施例において、キャリヤユニットには包装容器を担持するようにされた1対のフィンガ部分が設けられ、該フィンガ部分は包装容器の重心が前記回転軸心と一致するように幾何学的回転軸心に対して適合する。そのような手段によって、包装容器が回転時概ね同じ方向および速度を維持することが可能とされる。
【0010】
別の好適実施例によれば、送られる包装容器はコーナフラップ(cornerflap)が包装容器の側部から概ね真直ぐ向いているタイプのものであり、キャリヤユニットのフィンガ部分がこれらのコーナフラップの下と当接することによって包装容器を担持することができるようにされている。そのような手段によって、包装容器は極めて簡単かつ安定して持ち上げ、方向転換させることが可能であり、包装容器の上のアートワークあるいは印刷に目で見える痕跡とか損傷を残す危険性が最小までに減少される。フィンガ部分を備えたキャリヤユニットを提供することの本質的な別の利点は、その場合キャリヤユニットが包装容器の底の形状によってのみ影響されることである。このように、(底の形状が同じである限り)フィンガ部分を改造する必要なしに包装容器の容積を変えることが可能とされる。本装置全体は代わりに囲繞するコンベヤに対して上下される。しかしながら、包装容器の底の形状に対する変更を実行するとすれば、キャリヤユニットのフィンガ部分のみを取り替えるだけでよいのでこのことは大きな構造上の改造をもたらさない。これは極めて融通性があり、かつ経済的に実行可能な方法である。
【0011】
フィンガ部分は各コーナフラップの1個の折り曲げ縁部に対して当接するようにされた少なくとも1個の拘束ヒール(arrest heel)と協働する。包装容器が拘束ヒールと当接すると、包装容器の重心が幾何学的な回転軸心に位置することが保証されうる。拘束ヒールはまた、いずれの包装容器が最初に、例えば斜めにキャリヤユニットが入ってくるかどうかには関係なく包装容器が全てのキャリヤユニットにおいて同じように支持されるよう保証する。
【0012】
一好適実施例において、各々がそのループを形成する多数の軌道をコンベヤが含み、キャリヤ部材が前記軌道において案内され、そして前記軌道は各々が前記キャリヤ部材の少なくとも1個が軌道を変えうるようにしうる切り替え区画を含むという点においてキャリヤ部材は相互に対して運動可能である。これは相互に対して運動可能なキャリヤ部材をつくる簡単で、作動的に安定した方法である。この利点はまた軌道を、例えば金属シートなどから簡単に製造することが可能で、切り替え区画もプラスチックブロックから簡単にフライス削りが可能であることである。このことによって例えばコンベヤ全体の周りを走行する鋼をフライス削りしたカム面を含むものよりもかなり経済的である方法を提供する。
【0013】
容器はその最初の方向に位置されている間、フィンガ部分は容器の搬送方向に対して概ね横方向の方向を指しており、容器が第二の方向に位置している間、フィンガ部分は前記の搬送方向に対して概ね後方の方向を指していることが好ましい。そのような手段によって、キャリヤユニットはコンベヤの搬送方向に対して横方向に運動させられることによって容器を容易に担持することができ、かつ、フィンガ部分が包装容器の方向を変える必要なくコーナフラップの下のそれらの位置から滑り出るので、送出コンベヤへの移送も極めて簡単である。
【0014】
キャリヤ部材は、コンベヤに対して設けられたベルトとクランプ装置によって相互接続されている少なくとも一本のシャフトにおいて移動可能に支承されていることが好ましい。キャリヤ部材を、クランプ装置によってベルトに相互接続されているシャフトに固定することによって、ベルトを外したり、あるいは交換する必要なくキャリヤ部材が容易に交換可能であるという利点が提供される。このように、保守作業に要する時間が短縮でき、また交換が必要な部品点数も少ないので、本装置は経済性の観点からも優れたものである。これによって、数少ない部品で極めて簡単で、経済的で、かつ安定した構造を提供し、資本投下の観点から高価につく休止時間も短縮可能である。
【0015】
一好適実施例において、ベルトはその上を該ベルトが走行するようにされた少なくとも1個のプーリを含むベルト伝動装置に含まれており、キャリヤ部材は前記ベルトと相互接続された二本のシャフトに移動可能に支承されていて、前記シャフトの中心点は、二本のシャフト間の相互間隔が、双方のシャフトが前記プーリの上方に位置しているときと、および前記ベルトが概ね真直ぐである伝動装置の部分に前記シャフトが位置しているときに均等な大きさであるようにプーリから外方へベルトのピッチ線に対して概ね直角である方向に該ベルトのピッチ線からある距離を移動する。ピッチ線からある距離を前記シャフトの中心を移動させることによって、包装容器を回転させるための装置に対してベルト駆動を使用した場合同期駆動を実現することが可能である。従って、完全なカム曲線および直線ガイドを含む構造が排除することができる。このことによって、例えば数個の部品からなる装置を実現することが可能であるというような多数の利益を享受し、これは掃除とか磨耗の観点から有利である。同様に、軽量の装置が得られる。
【0016】
別の好適実施例において、前記距離の長さは差r1−r0であり、r0はプーリの中心からピッチ線までの半径であり、r0は以下の式に従って計算される。
【0017】
【数1】
aはベルトが真直ぐである場合の二本のシャフト間の相互距離である。
【0018】
前記ベルトは歯付きベルトであることが好ましい。そのような手段により、従来のベルトを採用することが可能であり、前記の歯付きベルトの歯によってシャフトの固定がし易くなることがまもなく示される。
【0019】
一好適実施例において、シャフトをベルトに固定するためのクランプ装置はベルトにおける歯の空隙とシャフトにおける支持手段とに全体的にあるいは部分的に当接するようにされた第一の部分を含み、前記支持手段がその各端において連続性の歯空隙を形成し、前記支持手段において前記第一の部分を下方に嵌めることが可能であり、前記第一の部分は各端においてヨーク要素の形態の第二の部分に接続され、前記ヨーク要素は、前記シャフトにおける支持手段での前記第一の部分の当接点と前記シャフトに対する該ヨーク要素の当接点との間で、前記シャフトの幾何学的形状がクランプ装置を固定位置に保持できるようにするに十分大きい全巻き角(wrapping angle)が形成されるように前記シャフトを囲繞するようにされている。このようなタイプのクランプ装置のため、キャリヤは極めて簡単にベルトに固定することが可能で、もしも1個以上のキャリヤを取り替える必要が出てきた場合、これらのキャリヤだけをベルトから取り外すだけでよい。そのため、クランプ装置自体は製造が簡単で経済的である。
【0020】
前記シャフトには少なくとも部分的にベルトを受け入れるようにされた少なくとも1個のくぼみを設けることが好ましく、そのくぼみに支持手段が位置される。シャフトにベルト用のくぼみを設けることによって、前記シャフトの中心点をベルトのピッチ線からある距離に位置させるのが極めて簡単になる。
【0021】
本発明はまた、充填機において動いている多数の包装容器の方向を第一の方向から第二の方向に変える方法にも関するものである。本方法は、コンベヤのキャリヤに接続されているキャリヤユニットによって包装容器を担持すること、および、方向を変える間、包装容器の重心が概ね幾何学的回転軸心に位置し、それによって包装容器の重心が第一の方向から第二の方向まで概ね同じ運動方向および速度を保持するような仕方でキャリヤユニットを幾何学的回転軸心の周りでキャリヤに対して回転させることを含む。前述したように、この方法によって第一の方向から第二の方向への容器の方向変更が、包装容器の中身における定常波動あるいは類似の反動のようないずれかの遅速運動の可能性を考慮に入れねばならなくなるよりも以前にかなりの高速で実行しうるという利点を提供する。包装容器の中身の行動が最小まで低減されるという点で、方向変更を実行する装置あるいは次のコンベヤにおける囲繞部材に対するショックのために包装容器を損傷させる危険性が最小まで低減される。別の利点は、包装容器を回転時過度にきつく保持する必要のないことであり、それによってキャリヤユニットの構造をより複雑でないようにすることである。このことはまた、前述のように、キャリヤユニットと包装容器との間の当接面を低減しうるようにし、これは包装における装飾用アートワークに対して望ましくない痕跡が発生する危険性を減らすのに貢献する。
【0022】
本発明の現在好適な一実施例について添付図面を参照して以下詳細に説明する。
【0023】
図1は、例えば食品のような製品を包装するための充填機における製造段階に先立って動いている包装容器12の方向を変えるための参照番号10で全体的に指示する装置の一好適実施例を示す。この例において、包装容器は、例えば紙あるいは段ボールのような芯層とプラスチックの液密層とからなる積層包装材料からつくられた平行四辺形の包装である。そのような包装容器は時には材料のシートからつくられた個々のブランクからつくられ、それらの長手方向縁部を重ねて接合することによってチューブ状とされる。その後チューブは該チューブの長手方向に対して横方向の適当な一方の横縁部に沿って密封され、次いで包装容器に中身が充填され、他方の横縁部において密封される。密封工程の前に、ブランクは横方向の密封領域において平たくされる。充填および最終的な折りたたみの後、適用可能な付加的な成形および溶着作業が実行され、平行四辺形の包装12において、クッション形状での包装容器の二重壁のコーナフラップ14が包装容器の外側に向かって折り曲げられ、かつ密封される。
【0024】
本発明による装置10は横方向密封ステーション(図示せず)と、二重壁のコーナフラップ14が包装容器の外側に向かって折り曲げられ、かつそれに対して密封される後続の最終折り曲げステーション(図示せず)との間に位置される。このように、包装容器のコーナフラップ14はこの位置において包装容器の側部から概ね真直ぐ向いている。本装置は第一の送入コンベヤ16と第二の送出コンベヤ18と協働し、それらの中送入コンベヤ16は横方向密封ステーションから本装置10まで包装容器12を送入し、送出コンベヤ18は本装置10から最終の折りたたみステーションまで包装容器12を送出する。
【0025】
本装置10は、図において左側の送入される第一の方向20から図の右側の第二の方向22まで各々の動いている包装容器12を受け取り、方向転換させ、そして送る。このように、包装容器12は送入コンベヤ16において第一の方向20において送られ、その後方向転換され、そして包装容器12を更に送り出す送出コンベヤ18によって第二の方向22において受け取られるように同じ方向20で本装置10に到来する。本装置10は動いている包装容器12が第一の方向20におけるのと同じ運動方向および同じ速度を維持するよう保証する。動いている包装容器12の搬送方向は図において左方から右方へ矢印によって指示されている。
【0026】
送入コンベヤ18は当該技術分野の専門家には既知である従来タイプのものでよい。例示においては、滑りレールと協働するタイプのベルトコンベヤである。一領域において、レールとベルトとは平行に走行する。包装容器12は第一の方向において滑りレール上に立っており、ベルト上で均等間隔に配置されたブロックの形態のキャリヤによって助勢されてレールに沿って前方に押圧すなわち弾圧される。ベルトコンベヤは当該技術分野の専門家に既知の仕方で駆動装置(図示せず)によって駆動され、かつ案内される。しかしながら、送入コンベヤ16は前述したもの以外のタイプでよく、例えばチェインコンベヤでもよいことは当然である。送出コンベヤ18もまた、従来のタイプのものでよく、本例においては、キャリヤユニット24を備えたベルトコンベヤタイプのものである。ベルトコンベヤ18は当該技術分野の専門家には既知の仕方で駆動装置(図示せず)によって駆動され、かつ案内される。双方のコンベヤ16,18は本装置10と同期化されている。
【0027】
送入コンベヤ16から包装容器12を取り、それらを送出コンベヤ18に送り込むことができるようにするために、本装置10は包装容器12を捕捉するために多数のキャリヤを備えているコンベヤ26を含む。コンベヤ26にはキャリヤ28を駆動するためのベルトが設けられている。「ベルト」という用語はここでは、例えばチェイン、あるいは例えば歯付きベルトのようなベルトを意味するものと解釈される。本例においては、コンベヤ26には第一と第二のベルト34,35が設けられている。図10参照。ベルト34,35は、当該技術分野の専門家には既知の仕方で(以下説明する)プーリ上を相互に対してある距離を置いて概ね平行に走行している。本例においては、ベルト34,35は歯付きベルトであって、図1において反時計方向に相互に対して同期的に駆動される。
【0028】
図2を参照すると、各キャリヤ28は、ブロックの形態であり、2個の概ね平行のシャフト38に運動可能に配置されている第一と第二のキャリヤ部材30,32を含む。前記ブロックはプラスチックからつくられることが好ましい。本例においては、キャリヤ部材30,32は各シャフト38が双方のキャリヤ部材30,32を貫通するように配置されている。シャフト38は、コンベヤ26における2個の被動歯付きベルト34,35の間の距離に亘って跨るように前記ベルト34,35の上に固定配置されている。前記シャフト38は運動方向に対して概ね直角に配置されており、リンク機構40(図2a参照)が前記2本のシャフトの端部を相互に対して接続している。
【0029】
各シャフト38は各ベルトにおいて少なくとも1個のクランプ装置42によって双方のベルトに固定されている。以下の説明において、かつ図3を参照すれば、クランプ装置42の第一の実施例が詳細に説明されており、かつシャフト38がクランプ装置42によって、例えば第一のベルトに固定される態様が示される。クランプ装置42はベルト30に対して当接するようにされたピンの形態の第一の部分44を含む。前記ベルト30に対する当接は該ベルト30における歯の空隙において行われる。ピン44はまた、前記シャフト38に形成された支持手段46に下方へ嵌めることができるようにされている。これらの支持手段46は各端における歯の空隙に連続したものを形成しており、すなわち前記支持手段46はベルト30における歯の空隙と整合している小さい「歯の空隙」として配置されている。ピン44は前記支持手段46の中へ下方に嵌めることができる。前記第一の部分44の各側において、すなわち前記ピンの各端には、それぞれ第二の部分48,50が設けられている。従って、前記第一の部分44は中央部分である。2個の第二の部分48,50は概ね同一であって、各々が前記シャフト38を囲繞しうるようにされたヨーク要素の形態である。各ヨーク要素は外端52を、すなわち前記シャフト38にある対応する孔54中へ嵌めこむようにされている自由端を有している。その中心点が追って説明するピッチ線からある距離をおいて位置するように前記シャフト38を位置決めできるようにするために、前記シャフト38には少なくとも部分的にベルト30を受け入れるようにされたくぼみ56が設けられている。前記くぼみ56は凹所として形成され、その面はベルトの平坦な面に対して当接するようにされている。前記面は、ベルト30の幅方向に見て該ベルトより大きな広がりを前記シャフトの長手方向に有しており、そのため前記面は2個のヨーク48,50も受け入れ可能である。支持手段46は前記面において断続的に形成されており、すなわち前記シャフト38におけるくぼみ56は実際には3個の区画、すなわちベルト30を受け入れできる中央区画56aと前記支持手段46の外側にあって各々ヨーク要素48,50を受け入れ可能な2個のより小さい外側区画56b、56cとから構成されている。図4参照。外側区画56bおよび56cはヨーク要素を支持し、クランプ装置がその全ての力でベルトを圧縮しないようにばね力の一部を受け取るようにするためのものである。そのような手段によって、ピン44がベルトに「食い込む」危険性が最小とされる。従って、支持手段46に下方へ嵌められるのはヨーク要素48,50に隣接したピン44の外端である。前記支持手段46は、前記ヨーク要素48,50がシャフト38を囲繞しうるようにピン44が回転できるよう設計されている。「囲繞する」という用語はヨーク要素48,50が完全にシャフト38に対して当接することを必ずしも意味するものでないことを理解すべきである。ピン44と支持手段46との間の当接点に加えてヨーク形状に沿った何処かで当接点があるだけで十分である。
【0030】
ヨーク要素48,50は、シャフト38における前記支持手段46の第一の部分の当接点と前記シャフト38に対するヨーク要素の当接点との間で、前記シャフトの幾何学的形状がクランプ装置42を固定位置、すなわちクランプ装置42がベルト30を前記シャフト38に対してロックされた状態に保つ位置に保持することができるようにするに十分大きい全巻き角γ(wrapping angle)が形成されるように前記シャフト38を囲繞するように設計されている。図5は十分大きい全巻き角γの意味するところを示している。図Iにおいては前述したような孔54を備えたシャフト38の断面が見られる。前記孔54のため、ヨーク要素の当接点はこの場合180度より僅かに小さい全巻き角γを示している。図6はクランプ装置42の第二の実施例を示しており、そこではヨーク要素48,50はシャフト38の孔の中へ嵌めこまれる意図のものでなく、ヨーク要素48,50の外方部分52′が単にシャフト38に対して当接するようにされている。このようなバリエーションにおいては少なくとも180度の全巻き角γを必要とする。図5の図IIを参照。シャフト38は図IIIに示すように三角形の断面、あるいは図IVに示すように多角形、例えば四角形の断面を備えた設計としてもよく、その場合全巻き角γは最初の角を通過すれば十分である。しかしながら、ヨーク要素の形状あるいは断面積は必要とされる全巻き角γに対して当然重要であることを理解すべきである。もしもヨーク要素48,50が弱体である、例えば断面積が小さくて、大きい形状である場合には、より大きな全巻き角γが多分必要とされよう。図V参照。
【0031】
図3に示すクランプ装置42の前述した第一の実施例において、シャフト38の孔54はくぼみ56と概ね整合し、すなわちシャフト38の反対「側」に位置されている。従って、全巻き角γは概ね180度である。
【0032】
クランプ装置42は棒鋼を折り曲げることによって簡単につくることがきる。
【0033】
クランプ装置42の装着時、歯付きベルト30はその平坦な面がシャフトのくぼみ56の平坦な面と当接するようになるよう先ず位置される。図3参照。その後、クランプ装置42の第一の部分44、すなわちピンが支持手段46に押し下げられる。図3の上側右部分の図参照。その後ヨーク要素48,50がシャフト38を囲繞するように回転される。図3の上側左側部分の図参照。そのため、ヨーク要素48,50の外方端52がシャフト38の下側にある孔54中へ嵌めこまれる。図3の対応する下側の図参照。
【0034】
以下の開示においては、シャフト38の固定について説明されている。双方のベルト34,35は同期的に駆動され、かつそれらは形状および位置の双方において同一であるので、固定については説明を簡単にするために第一のベルト34のみを参照して説明する。ベルト34がシャフト38に沈められると、沈められた面はいずれの個々の点においてもベルト34に対して常に接線となる。このことはまた、シャフトの中心点を通過する前記面に対する法線が、前記シャフト38と共に回転するプーリの中心点と交錯することを意味する。
【0035】
本装置10は前述したように、相互に対して垂直方向に同じ高さで配置されている第一と第二のプーリ60,62を含む。前記プーリ60,62は第一と第二のフレーム(図示せず)の間で支承されており、少なくとも一方のプーリが駆動手段によって駆動される。本例においては、第一のプーリ60は、シャフトによって相互に回転しないよう接続されている第一と第二のプーリ部分60a,60bから構成されている。対応して、第二のプーリ62は、シャフトによって相互に回転しないよう接続された第一と第二のプーリ部分62a,62bとから構成されている。第一の駆動ベルト34が第一のプーリ60の第一のプーリ部分60aと第二のプーリ62の第一のプーリ部分62aの上を走行する。第二の駆動ベルト35は第一のプーリ60の第二のプーリ部分60bと第二のプーリ62の第二のプーリ部分62bの上を走行する。
【0036】
図7を参照すれば、2本のシャフトの固定点を計算する方法が示されており、すなわち伝動装置を通して2本のシャフト38の間の距離が均等であるように、前記シャフト38の中心点がピッチ線に対してどこに位置させるべきか、すなわち前記シャフトが固定されているベルト34(および35)の部分が、該部分がいずれかのプーリ60,62の一部を囲繞するときと、前記部分が真直になるときとシャフト38間の距離は同じであるべきことが示される。ピッチ線という用語はここでは、プーリのピッチ半径がそこまで延びる線Lを意味するものと解釈され、歯付きベルト伝動装置におけるピッチ半径はプーリの中心から駆動ベルトの弦の中心まで、すなわち延伸が概ねゼロである点まで延びる。以下の論法においては、ピッチ半径はr0と指示される。ベルトが真直であるときはシャフトの中心点間の相互距離はaである。ベルトがプーリの周りで曲げられるときにこの距離を維持するためには、ここではbと指示されるピッチ長さの円弧の線分と、ここではcと指示される弦の距離(シャフト38がホイールの周りに位置している場合のシャフト間の距離)とはaと等しい長さでなければならない。すなわちa=b=cが適用されねばならない。これはピッチ線から離れる方向、すなわちプーリの中心から外方への方向に距離Δrだけ、シャフトの中心点の位置を動かすことによって達成される。そうすれば、シャフトの中心点はプーリの中心からr0に位置するのでなく、そこからの半径r1に位置する。この半径r1はr0よりも長い。距離Δrは差r1−r0である。r1を計算する式は以下の通りである。
【0037】
【数2】
cは前述のように、2本のシャフトの間の所望の弦であり、αは2本のシャフトとホイールの中心との間の角度、すなわちシャフト38の沈み面に対する前述の法線の間の角度である。角度αはbをr0で割ったものと等しく、bは前述のようにピッチ線の円弧長さの線分の長さである。そのためr1を計算するための式は以下のように書き換えることができる。
【0038】
【数3】
【0039】
bとcとはaと同じ大きさなので,cおよびbは前記式においてaを代入することが可能で、そのため前記式は以下のように表される。
【0040】
【数4】
【0041】
第一のキャリヤ部材30にはその機能が包装容器12を担持することであるキャリヤユニット58が設けられている。本装置10は第一の方向20から第二の方向22に包装容器12の方向を変えることになっているので、それは更に以下説明する方向転換機構を含んでいる。
【0042】
軸線Aはその周りを包装容器が回転すなわち方向転換されることになっている幾何学的回転軸線を指示する。図2において、前記軸線Aは本用紙の面に対して概ね直角の方向に、すなわち図において内方に延在している。
【0043】
シャフト64は回転軸線Aに沿って延在している。図8参照。このシャフトは一端においてキャリヤユニット58に固定接続され、他端においては案内ホイール(図示せず)と協働する。案内ホイールとキャリヤユニットとの間において、キャリヤユニット58がコンベヤ26の外周に向かって外方に向けられ、一方案内ホイールがコンベヤ26の中央部分に向かって内方に向けられるように第一のキャリヤユニット30の孔(図からは見えない)に支承されている。キャリヤユニット58には第二のキャリヤ部材32における軌道68すなわち細長い孔において走行するようにされたピン66が設けられている。このように、キャリヤ部材30,32はキャリヤユニット58によって相互に接続され、シャフト38に沿って相互に向かって、および相互から離れる方向に移動可能である。
【0044】
キャリヤユニット58には中央部分70と2個のフィンガ部分72とが設けられている。図8参照。1対のフィンガ部分72は包装容器12を担持できるようにされ、かつ前記フィンガ部分の対72は包装容器12がキャリヤユニット58によって担持され、かつ回転させられるとき前記包装容器の重心が幾何学的回転軸線Aと一致するように前記シャフト64に対して配置されている。このように、シャフト64はフィンガ部分72間の相互距離の半分のところで前記中央部分70に位置されている。包装容器12がその第一の方向20に位置されている間は、フィンガ部分72は包装容器の搬送方向に対して横方向を指しており、包装容器12がその第二の方向22に位置している間、フィンガ部分は前記搬送方向に対して概ね後方に向いた方向を指している。しかしながら、フィンガ部分72は、キャリヤユニット58内で包装容器を捕捉し、位置決めし易くするために若干外方に傾斜している。もっとも、フィンガ部分72が指す方向の開示において、この角度は本説明では重要ではない。各フィンガ部分72は更に、中央部分70における捕捉ヒール74と協働する。捕捉ヒール74は、包装容器がキャリヤユニット58によって捕捉されると、それぞれの三角形のコーナフラップの折り曲げ縁部に各々が当接するように位置されている。図8参照。それらは包装容器の後ろ側(参照番号76参照)に対応する平面における力を受けるものとして説明しうる。
【0045】
図2aの図I−Vは、図1に示す送り装置の下方に位置し、上を見上げたときに得られる図と対応する要領で示されている。図2b参照。図2bにおけるIは図2aにおける図Iが得られた場所を示す。回転時のキャリヤ部材30、32の諸々の位置について以下説明するが、回転原理の背後にある技術はキャリヤ部材の少なくとも1個が第一の方向において他のキャリヤ部材に対して移動可能であり、キャリヤユニット58が各キャリヤ部材に対して回転可能に接続されており、各回転可能接続が前記第一の方向に対して横方向の第二の方向において相互からある距離をおいて位置しているという特徴に主として基づいている。図2aの左側の図Iは双方のキャリヤ部材30,32が第一の延長位置に位置している第一の位置を示す。この第一の位置は包装容器12の第一の方向20に対応し、キャリヤユニット58はフィンガ部分72がシャフト38に対して概ね平行の方向に、すなわち包装容器の搬送方向の横方向に向けられるような方向とされ、ピン66がシャフト38に対して角度β1を形成することが判る。本例においては、角度β1=45度である。第二の方向への方向転換が始まる前に、キャリヤ部材30,32の双方はシャフト38に沿って移動する。図II−III参照。この運動については後述する。他方、図IVは第二の方向への回転が開始したことを示す。第一と第二のキャリヤ部材30,32の間の距離は変わり、Vで指示する図においては、それらは第二の広がり位置に位置している。第二のキャリヤ部材32はシャフト38に沿って第一のキャリヤ部材から離れる方向に移動している。ピン66は今やシャフト38に対してβ2の角度を形成している。本例においては、角度β2=135度であり、キャリヤユニット58はその第二の位置まで回転しており、そこではキャリヤユニット58はフィンガ部分72が前述したシャフト38に対して概ね直角となるような方向とされている。この第二の位置は包装容器12の第二の方向22に対応している。このように、差β2−β1は包装容器12の第一と第二の方向20,22の間の角度、すなわち回転に対応する。この場合、回転は90度である。実行される方向転換すなわち回転は図1を参照すれば時計回りで行われ、図2aを参照すれば反時計方向で行われるため、第二の位置におけるフィンガ部分72は送出コンベヤ18から離れる方向を指し、すなわち包装容器の(図1の左側への)搬送方向に対して概ね後方の方向を指している。
【0046】
第一の位置から第二の位置まで、あるいはその逆の変遷について図9および図10を参照して以下説明する。図10はコンベヤ26に回転方向において該コンベヤ26に沿って形成され、それぞれ1,2および3で指示する第一と、第二と、第三の軌道の形態の固定ガイドが設けられていることを示す。軌道1から3までは歯付きベルト34,35の内側に位置され、すなわち歯付きベルト34,35は、歯付きベルトが駆動されるとキャリヤ部材30,32の下側にあるガイドホイール(図示せず)すなわちガイドピンが軌道1から3までの内部で走行するような仕方で軌道1から3までの外側を走行する。第一と第二のキャリヤ部材30,32には各々1個のガイドホイールが設けられていることが好ましい。
【0047】
軌道1から3までに沿って、3個の固定された軌道切り替え領域が存在している。図9参照。各領域はそれぞれ78,80および82で指示する切り替え区画を含む。第一の切り替え区画78は包装容器12が送入コンベヤ16から取り上げられる点、すなわち本装置10が包装容器12を担持するべき点に位置されている。前記第一の切り替え区画78の前方において、第二のキャリヤ部材32が第一の軌道1において案内され、第一のキャリヤ部材30が第二の軌道2において案内される。第一と第二の軌道1、2が相互に対して隣接すると、キャリヤ部材30,32は従ってそれらの第一の延長位置(図2aにおける図Iも参照)に位置し、フィンガ部分72が第三の軌道に向かう方向を指す。キャリヤ部材30,32が第一と第二の軌道1,2において案内されるとき、包装容器12は第三の軌道3に近接して軌道1から3までに対して平行の方向に運動し、フィンガ部分72は包装容器12と接触することができないように送入コンベヤ16が本装置10に対して位置される。しかしながら、第一の切り替え区画78において、各対のフィンガ部分72はそれぞれの包装容器12の周りを掴持する。これは、キャリヤユニット58が軌道1から3までの横方向の方向に、すなわち第三の軌道3に向かって、かつ包装容器12に向かってそのフィンガ部分72と共に動くということで実行される。この横方向の移動は第一の切り替え区画78が第一の軌道1から第二の軌道2への遷移部並びに第二の軌道2から第三の軌道3までの遷移部を含み、すなわち第一の切り替え区画の後で、第二のキャリヤ部材32が第二の軌道2において案内され、第一のキャリヤ部材30が第三の軌道3において案内されるということで達成される。次いで、キャリヤユニット58が回転することなく横方向移動が達成されている。図2aの図IIおよびIII参照。この第一の切り替え区画78において、フィンガ部分72は、該フィンガ部分72にある捕捉ヒール74がコーナフラップ14の各折り曲げ縁部と当接するようになるようなときまで包装容器のコーナフラップ14の下方を突出する。第一の切り替え区画78の後、送入コンベヤ16は本装置10から反れて、従って包装容器12はキャリヤユニット58のフィンガ部分72に自在に懸垂され、すなわちフィンガ部分72はコーナフラップ14と当接するようになる。
【0048】
第二の切り替え区画80は第一の切り替え区画の78の後、但し包装容器12が送出コンベヤ18まで更に送られる前の地点に位置されている。この第二の切り替え区画80は、包装容器12が方向を第一の方向20から第二の方向22に変えることになる方向転換領域に含まれている。第二のキャリヤ部材32が第一のキャリヤ部材から離れる方向に移動することを要する方向転換はこの切り替え区画80のみが第二の軌道2から第一の軌道1への1個の遷移部分を含むことによって実現される。このことは、第二のキャリヤ部材32が切り替え区画80の後で第一の軌道1に案内され、第一のキャリヤ部材30も第三の軌道3に案内され続けることを意味する。それによって、キャリヤ部材30,32は強制的に離され、キャリヤユニット58は90度回転する。それによって、包装容器12は第二の方向22をとる。図2aの図V参照。
【0049】
第三の切り替え区画82は、包装容器12が送入コンベヤ16から取り出しうるようにされた地点の前で、かつ包装容器12が送出コンベヤ18まで更に送られる地点の後に位置されている。この切り替え区画82は、第二のキャリヤ部材32が切り替え区画82の後で、第一の軌道1に案内され、第一のキャリヤ部材30が第二の軌道2に案内されるように形成されている。これは切り替え区画82に第三の軌道3から第二の軌道2への第一のキャリヤ部材30のための遷移部が形成されていることを意味する。それによって、キャリヤ部材30,32は再びそれらの第一の位置であって、キャリヤユニット58が該キャリヤユニットのフィンガ部分72がそれらの長手方向を軌道1から3までに対して横方向に概ね向けている方向まで転換して戻ったことを意味する位置、すなわち包装容器の第一の方向20に対応している位置まで一緒に持ってこられる。この回転は90度に亘るものである。次いで、キャリヤユニット58は、再度第一の切り替え区画78に到達すると包装容器12を掴持することができる。
【0050】
本例においては、各切り替え区画78−82は3個の軌道1から3までの横断方向に位置されたブロックの形態であり、該ブロックには副次軌道84が設けられている。別の軌道への移行が何ら行われないとすれば、前記ブロックにおける前記副次軌道84は本来の軌道に接続される。図10の第一の軌道1を参照。しかしながら、もしも例えば第二の軌道2から隣接する軌道、例えば第三の軌道3への移行が行われるとすれば、前記副次軌道84は開口部が第二の軌道2に位置され、出口が隣接する第三の軌道3において解放する湾曲した軌道区画である。切り替え区画78−82はプラスチックから有利に製造することが可能であり、一方軌道1から3までは例えば金属シートから製造しうる。第一と第二の切り替え区画は更に単品のブロックで製造しうることが好ましい。
【0051】
前述のように、包装容器12は方向転換作業の後、すなわち第二の切り替え区画80を通過した後送出コンベヤ18まで移送される。送出コンベヤ18は、包装容器12が方向転換作業の後沿って動くラインが送出コンベヤ18において包装容器12が沿って動くラインと一致するように本装置10に対して位置されている。このように、各包装容器12は送出コンベヤ18へ移送された後もその運動方向を保っている。本例においては、各包装容器12はコンベヤ26がその第二の支承点の周りで外れる点において移送される。フィンガ部分72が送出コンベヤ18から離れる方向に面するよう回転するにつれて、包装容器のコーナフラップ14に対するその掴持は、それらが支承点の周りで回転し、および(または)キャリヤユニット24に追いつくか、あるいは制動されると、すなわち包装容器12がキャリヤユニット24によって捕捉される以前の運動方向に継続的に動いている間にフィンガ部分72が図1において上方に運動すると自動的に解放される。キャリヤユニット24は連鎖した送出コンベヤ18に対して概ね直角に装着されているプレートの形態である。送出コンベヤ18の速度は本装置の速度よりも僅かに遅く、包装容器はキャリヤユニット24によって制動される。しかしながら、包装容器の中身が包装容器12に対して何ら顕著な運動作用を与えず、かつ包装容器12と対面するキャリヤユニット24の面がキャリヤユニット24に対して当接するようになる包装容器の面と同じ程度の大きさであるとすれば、包装容器12が移動時損傷を受ける危険性は最小である。
【0052】
本発明を現在好適な実施例に関してのみ説明してきたが、当該技術分野の専門家には、本発明はそれに限定されるのでなく、特許請求の範囲に記載の範囲から逸脱することなく多数の変更や修正が考えられうることは明らかである。
【0053】
キャリヤユニットをキャリヤ部材に対して固定しうる方法の一例を説明してきた。しかしながら、前記固定を実行しうる多数のその他の方法があることも理解すべきである。例えば、キャリヤユニット58はキャリヤ部材の1個に回転可能に支承されているシャフトを介してリンク機構アームの一端に非回転接続することが可能で、前記リンク機構アームは他端において第二のキャリヤ部材にある溝において運動可能であるピンが設けられており、前記シャフトとピンとの相互関連性はキャリヤ部材の少なくとも1個が他のキャリヤ部材に対して移動することによって包装容器12の方向を第一の方向20から第二の方向22に変えることに対応するキャリヤユニット58の回転をもたらすようなものとしうる。このように、前述したシャフト64の一端はキャリヤユニット58に非回転接続されており、一方他端はリンク機構アームにしっかりと接続されている。前記シャフト64は前述のように、第一のキャリヤ部材30にある孔に支承されている。キャリヤユニット58はキャリヤ部材30の一方の側に位置し、リンク機構アームは他方の側に位置している。更に、キャリヤユニット58はコンベヤ26の外周に向かって外方に向けられており、一方リンク機構アームはコンベヤ26の中央部分に向かって内方に向いている。リンク機構アームの自由端には、前述した軌道68に対応する溝内を走行するようにされた、ピン66に対応するピンが設けられている。
【0054】
3個の軌道1から3までと3個の切り替え区画78,80,82とを説明してきた。しかしながら、本明細書を読んだ専門家には実際の用途に応じて軌道や切り替え区画の数は変更しうることは明らかである。例えば、方向切り替え作業は切り替え区画において一段階で実行する必要はなく、例えば多数の切り替え区画や軌道に亘って段階的に行うことも可能である。
【0055】
前述してきたフィンガ部分を備えたキャリヤユニットは三角形の隅フラップが包装容器の側部に対してまだ折り曲げておられず、かつ密封されていない平行四辺形の包装容器を支持するのに適している。もしも別のタイプの包装容器を支持すべき場合、あるいは平行四辺形の包装容器を異なる仕方で支持する意図である場合には、キャリヤユニットの形態は当然、当該技術分野の専門家には既知の別のタイプとしてもよい。例えば、キャリヤユニットは包装容器の周りを掴持できる掴持装置として形成してもよい。例えば、包装容器の横縁部の密封部分に形成された例えばフィンの周りを掴持することができる掴持装置を設けてもよい。
【0056】
更に、包装容器の第一と第二の方向は例示した方向に限定されるのでなく、開示した角度も回転運動の度数が異なるように修正してもよいことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】コンベヤおよび包装容器が運動中である本発明による装置の斜視図を概略示す。
【図2a】キャリヤユニットの回転を示す一連の図面I−Vを概略図示し、前記図面I−Vは図1に関して下から見たものである。
【図2b】(図2aに示す図面を理解しやすくするために)下から斜めに見た本装置を概略示す。
【図3】若干の図面において、クランプ装置の第一の実施例と、それがシャフトをベルトに固定する態様を概略示す。
【図4】シャフトの斜視図を概略示す。
【図5】シャフトの諸々の断面と全巻き角との図面I−Vを概略示す。
【図6】クランプ装置の第二の実施例の斜視図を概略示す。
【図7】シャフトの固定について概略示す。
【図8】包装容器を担持しているキャリヤユニットについての若干の図面を概略示す。
【図9】軌道と切り替え区画とのスケッチを概略示す。
【図10】軌道および第三の切り替え区画を備えたコンベヤの斜視図を概略示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填機において動いている多数の包装容器(12)の方向を第一の方向(20)から第二の方向(22)へ変えるようにされた方向転換機構を含む装置(10)であって、少なくとも1個のキャリヤユニット(58)が接続されている少なくとも1個のキャリヤ(28)を備えたコンベヤ(26)を含む装置(10)において、前記キャリヤユニット(58)が幾何学的回転軸心(A)の周りで前記キャリヤ(28)に対して回転し、かつ方向を変えている間包装容器の重心が前記幾何学的回転軸心(A)に概ね位置するような仕方で包装容器(12)を担持するようにされており、それによって前記包装容器の重心が前記第一から第二の方向(20,22)まで概ね同じ運動方向および速度を維持することを特徴とする方向転換機構を含む装置(10)。
【請求項2】
前記キャリヤ(28)が第一のキャリヤ部材(30)と第二のキャリヤ部材(32)とを含み、前記キャリヤ部材の少なくとも一方が第一の方向において他方のキャリヤ部材に対して移動可能であり、前記キャリヤユニット(58)が前記キャリヤ部材(30,32)の各々に回転可能に接続されており、それぞれの回転接続部が前記第一の方向の横方向である第二の方向において相互からある距離をおいて位置していることを特徴とする請求項1に記載の装置(10)。
【請求項3】
前記キャリヤユニット(58)が前記キャリヤ部材の一方(30)に支承されたシャフト(64)に非回転接続されており、前記キャリヤユニット(58)には更に前記第二のキャリヤ部材(32)に設けられた軌道(68)において運動可能であるピン(66)が設けられており、前記シャフトとピンとの相互関連性は前記キャリヤ部材の少なくとも一方の他方に対する移動が、前記第一から第二の方向(20,22)への包装容器(12)の方向の変化に対応するキャリヤユニット(58)の回転をもたらすものであることを特徴とする請求項2に記載の装置(10)。
【請求項4】
前記シャフト(64)が幾何学的回転軸心(A)と一致することを特徴とする請求項3に記載の装置(10)。
【請求項5】
前記キャリヤユニット(58)には包装容器(12)を担持するようにされた1対のフィンガ部分(72)が設けられており、前記フィンガ部分(72)は前記包装容器の重心が前記回転軸心(A)と一致するように前記幾何学的回転軸心(A)に対して適合されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項6】
送り込まれる包装容器(12)がそのコーナフラップ(14)が該包装容器の側部から概ね真直ぐ指しており、前記キャリヤユニットのフィンガ部分(72)が前記コーナフラップ(14)の下で包装容器(12)を担持できるようにされていることを特徴とする請求項1に記載の装置(10)。
【請求項7】
前記フィンガ部分(72)が、それぞれのコーナフラップ(14)の1個の折り曲げ縁部に当接するようにされている少なくとも1個の捕捉ヒール(74)と協働することを特徴とする請求項6に記載の装置(10)。
【請求項8】
前記キャリヤユニット(58)が、前記包装容器(12)の第二の方向(22)が前記第一の方向(20)に対して直角となるように概ね90度に亘って回転することを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項9】
前記キャリヤ部材(30,32)が相互に対して運動可能であり、前記コンベヤ(26)が、各々ループを形成する多数の軌道(1から3まで)を含み、前記軌道(1から3まで)が、各々が前記キャリヤ部材の少なくとも1個が軌道を変え得るようにする切り替え区画(78,80,82)を含むことを特徴とする請求項2から8までのいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項10】
前記容器(12)がその第一の方向(20)に位置している間前記フィンガ部分(72)が前記容器の搬送方向を概ね横断する方向を指しており、前記容器(12)がその第二の方向(22)に位置している間前記フィンガ部分(72)が前記搬送方向に対して概ね後方の方向を指していることを特徴とする請求項5から9までのいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項11】
前記キャリヤ部材(30,32)が少なくとも1個のシャフト(38)に移動可能に支承されており、前記シャフト(38)はクランプ装置(42)によってコンベヤ(26)用に設けられたベルト(34,35)と相互接続されていることを特徴とする請求項2から10までのいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項12】
ベルト(34,35)が、その上を該ベルト(34,35)が走行するようにされた少なくとも1個のプーリ(60,62)を含むベルト伝動装置に含まれており、キャリヤ部材(30,32)が2本のシャフト(38)に移動可能に支承されており、前記シャフト(38)が前記ベルト(34,35)と相互接続されていること、および双方のシャフト(38)が前記プーリ(60,62)上に位置されているときと、かつ前記ベルト(34,35)が概ね真直ぐである伝動装置の部分に位置しているときに2本のシャフト(38)の間の相互間隔が均等な大きさとなるように前記シャフトの中心点が、前記ベルトのピッチ線(L)に対して概ね直角の方向に前記プーリ(60,62)から外方へ前記ベルトのピッチ線(L)からある距離(Δr)だけ移動するようにされることを特徴とする請求項11に記載の装置(10)。
【請求項13】
前記距離(Δr)が差r1−r0であり、r0がプーリの中心からピッチ線(L)までの半径であり、r1が以下の式に従って計算され、
【数1】
aはベルトが真直ぐであるときの2本のシャフト(38)間の相互距離であることを特徴とする請求項12に記載の装置(10)。
【請求項14】
前記ベルト(34,35)が歯付きベルトであることを特徴とする請求項11から13までのいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項15】
シャフト(38)をベルト(34,35)に固定するクランプ装置(42)がベルト(34,35)の歯空隙と、および前記シャフト(38)において支持手段(46)と全体的にあるいは部分的に当接するようにされた第一の部分を含み、前記支持手段(46)が各端において前記歯空隙の連続部分を形成し、前記支持手段(46)に前記第一の部分(44)が下方に嵌ることが可能で、前記第一の部分(44)がヨーク要素の形態の第二の部分(48,50)に接続され、前記ヨーク要素(48,50)が、前記シャフト(38)における前記支持手段(46)の第一の部分の当接点と前記シャフト(38)に対するヨーク要素の当接点との間で前記シャフトの幾何学的形状が前記クランプ装置(42)を固定位置に保持することができるのに十分大きい全巻き角(γ)が形成されるように前記シャフト(38)を囲繞するようにされていることを特徴とする請求項14に記載の装置(10)。
【請求項16】
前記シャフト(38)には、ベルト(34,35)を少なくとも部分的に受け入れるようにされた少なくとも1個のくぼみ(56)が設けられ、前記くぼみ(56)に前記支持手段(46)が位置されることを特徴とする請求項15に記載の装置(10)。
【請求項17】
充填機において動いている多数の包装容器(12)の方向を第一の方向(20)から第二の方向(22)に変える方法において、コンベヤ(26)においてキャリヤ(28)に接続されているキャリヤユニット(36)によって包装容器(12)を担持する段階と、方向を変えている間包装容器の重心が幾何学的回転軸心(A)に概ね位置するような仕方で幾何学的回転軸心(A)の周りでキャリヤ(28)に対してキャリヤユニット(58)を回転させる段階とを含み、それによって包装容器の重心が第一から第二の方向(20,22)へ概ね同じ運動方向と速度とを保持することを特徴とする充填機における多数の包装容器の方向を変える方法。
【請求項1】
充填機において動いている多数の包装容器(12)の方向を第一の方向(20)から第二の方向(22)へ変えるようにされた方向転換機構を含む装置(10)であって、少なくとも1個のキャリヤユニット(58)が接続されている少なくとも1個のキャリヤ(28)を備えたコンベヤ(26)を含む装置(10)において、前記キャリヤユニット(58)が幾何学的回転軸心(A)の周りで前記キャリヤ(28)に対して回転し、かつ方向を変えている間包装容器の重心が前記幾何学的回転軸心(A)に概ね位置するような仕方で包装容器(12)を担持するようにされており、それによって前記包装容器の重心が前記第一から第二の方向(20,22)まで概ね同じ運動方向および速度を維持することを特徴とする方向転換機構を含む装置(10)。
【請求項2】
前記キャリヤ(28)が第一のキャリヤ部材(30)と第二のキャリヤ部材(32)とを含み、前記キャリヤ部材の少なくとも一方が第一の方向において他方のキャリヤ部材に対して移動可能であり、前記キャリヤユニット(58)が前記キャリヤ部材(30,32)の各々に回転可能に接続されており、それぞれの回転接続部が前記第一の方向の横方向である第二の方向において相互からある距離をおいて位置していることを特徴とする請求項1に記載の装置(10)。
【請求項3】
前記キャリヤユニット(58)が前記キャリヤ部材の一方(30)に支承されたシャフト(64)に非回転接続されており、前記キャリヤユニット(58)には更に前記第二のキャリヤ部材(32)に設けられた軌道(68)において運動可能であるピン(66)が設けられており、前記シャフトとピンとの相互関連性は前記キャリヤ部材の少なくとも一方の他方に対する移動が、前記第一から第二の方向(20,22)への包装容器(12)の方向の変化に対応するキャリヤユニット(58)の回転をもたらすものであることを特徴とする請求項2に記載の装置(10)。
【請求項4】
前記シャフト(64)が幾何学的回転軸心(A)と一致することを特徴とする請求項3に記載の装置(10)。
【請求項5】
前記キャリヤユニット(58)には包装容器(12)を担持するようにされた1対のフィンガ部分(72)が設けられており、前記フィンガ部分(72)は前記包装容器の重心が前記回転軸心(A)と一致するように前記幾何学的回転軸心(A)に対して適合されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項6】
送り込まれる包装容器(12)がそのコーナフラップ(14)が該包装容器の側部から概ね真直ぐ指しており、前記キャリヤユニットのフィンガ部分(72)が前記コーナフラップ(14)の下で包装容器(12)を担持できるようにされていることを特徴とする請求項1に記載の装置(10)。
【請求項7】
前記フィンガ部分(72)が、それぞれのコーナフラップ(14)の1個の折り曲げ縁部に当接するようにされている少なくとも1個の捕捉ヒール(74)と協働することを特徴とする請求項6に記載の装置(10)。
【請求項8】
前記キャリヤユニット(58)が、前記包装容器(12)の第二の方向(22)が前記第一の方向(20)に対して直角となるように概ね90度に亘って回転することを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項9】
前記キャリヤ部材(30,32)が相互に対して運動可能であり、前記コンベヤ(26)が、各々ループを形成する多数の軌道(1から3まで)を含み、前記軌道(1から3まで)が、各々が前記キャリヤ部材の少なくとも1個が軌道を変え得るようにする切り替え区画(78,80,82)を含むことを特徴とする請求項2から8までのいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項10】
前記容器(12)がその第一の方向(20)に位置している間前記フィンガ部分(72)が前記容器の搬送方向を概ね横断する方向を指しており、前記容器(12)がその第二の方向(22)に位置している間前記フィンガ部分(72)が前記搬送方向に対して概ね後方の方向を指していることを特徴とする請求項5から9までのいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項11】
前記キャリヤ部材(30,32)が少なくとも1個のシャフト(38)に移動可能に支承されており、前記シャフト(38)はクランプ装置(42)によってコンベヤ(26)用に設けられたベルト(34,35)と相互接続されていることを特徴とする請求項2から10までのいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項12】
ベルト(34,35)が、その上を該ベルト(34,35)が走行するようにされた少なくとも1個のプーリ(60,62)を含むベルト伝動装置に含まれており、キャリヤ部材(30,32)が2本のシャフト(38)に移動可能に支承されており、前記シャフト(38)が前記ベルト(34,35)と相互接続されていること、および双方のシャフト(38)が前記プーリ(60,62)上に位置されているときと、かつ前記ベルト(34,35)が概ね真直ぐである伝動装置の部分に位置しているときに2本のシャフト(38)の間の相互間隔が均等な大きさとなるように前記シャフトの中心点が、前記ベルトのピッチ線(L)に対して概ね直角の方向に前記プーリ(60,62)から外方へ前記ベルトのピッチ線(L)からある距離(Δr)だけ移動するようにされることを特徴とする請求項11に記載の装置(10)。
【請求項13】
前記距離(Δr)が差r1−r0であり、r0がプーリの中心からピッチ線(L)までの半径であり、r1が以下の式に従って計算され、
【数1】
aはベルトが真直ぐであるときの2本のシャフト(38)間の相互距離であることを特徴とする請求項12に記載の装置(10)。
【請求項14】
前記ベルト(34,35)が歯付きベルトであることを特徴とする請求項11から13までのいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項15】
シャフト(38)をベルト(34,35)に固定するクランプ装置(42)がベルト(34,35)の歯空隙と、および前記シャフト(38)において支持手段(46)と全体的にあるいは部分的に当接するようにされた第一の部分を含み、前記支持手段(46)が各端において前記歯空隙の連続部分を形成し、前記支持手段(46)に前記第一の部分(44)が下方に嵌ることが可能で、前記第一の部分(44)がヨーク要素の形態の第二の部分(48,50)に接続され、前記ヨーク要素(48,50)が、前記シャフト(38)における前記支持手段(46)の第一の部分の当接点と前記シャフト(38)に対するヨーク要素の当接点との間で前記シャフトの幾何学的形状が前記クランプ装置(42)を固定位置に保持することができるのに十分大きい全巻き角(γ)が形成されるように前記シャフト(38)を囲繞するようにされていることを特徴とする請求項14に記載の装置(10)。
【請求項16】
前記シャフト(38)には、ベルト(34,35)を少なくとも部分的に受け入れるようにされた少なくとも1個のくぼみ(56)が設けられ、前記くぼみ(56)に前記支持手段(46)が位置されることを特徴とする請求項15に記載の装置(10)。
【請求項17】
充填機において動いている多数の包装容器(12)の方向を第一の方向(20)から第二の方向(22)に変える方法において、コンベヤ(26)においてキャリヤ(28)に接続されているキャリヤユニット(36)によって包装容器(12)を担持する段階と、方向を変えている間包装容器の重心が幾何学的回転軸心(A)に概ね位置するような仕方で幾何学的回転軸心(A)の周りでキャリヤ(28)に対してキャリヤユニット(58)を回転させる段階とを含み、それによって包装容器の重心が第一から第二の方向(20,22)へ概ね同じ運動方向と速度とを保持することを特徴とする充填機における多数の包装容器の方向を変える方法。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2007−514620(P2007−514620A)
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545277(P2006−545277)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001719
【国際公開番号】WO2005/058703
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001719
【国際公開番号】WO2005/058703
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]