説明

容器充填方法

【課題】 公知手段をより経済的にすることが可能な容器充填方法を提供する。
【解決手段】
容器(2)の外部からの液体により入れ替わる気体が気体戻し経路(9)を経由して抜け出し、気体戻し通路(9)が洗浄される、容器(2)を液体で充填する方法を開示する。より経済的にすると共に洗浄剤を節約するために、気体戻し通路(9)は必要な場合にのみ洗浄されることを提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルにおいて説明されているタイプの、液体を容器に充填する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
そのような方法は、独国特許出願広告第1114719号明細書から知られている。この明細書は炭酸飲料、特にビール用の熱間充填方法を述べている。容器内に進む液体が通過する出口部を有すると共にバルブで制御される充填要素を備える装置を介して、飲料は充填される。バルブを通って容器内部まで延在する気体戻し管の形を成していると共に、液体により入れ替わる空気を容器の外部に逃す際に通る気体戻し通路が更に設けられている。更に、そのような気体戻し管は容器内の充填レベル(充填高さ)をも規定する。液体及びおそらく形成されるであろう泡により、外側及び内側における気体戻し管が濡れることと、気体戻し管がおそらく詰まることとは防ぐことができない。他の容器のために更新された充填プロセスにおいて、気体戻し管の内部に固着し、また先行する充填作業で発生する泡は、新たな充填作業を損ねることがある。すなわち、例えば、充填時間を長引かせ、充填レベルを減らし、又は詰まった気体戻し管内における圧力の解放の妨げによって過渡な量の泡を生成する。そのため、公知の方法において、各充填作業後の予防対策として気体戻し管は噴射洗浄され又はブローされる。その結果、気体戻し管に恐らく入っている液体の残余分が気体戻し管の外側に抜け出る。
【特許文献1】独国特許出願広告第1114719号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、ブロー又は噴射洗浄は、時間を要する追加作業を要し、それによって充填作業が長引く。更に、洗浄剤が消費される。洗浄剤として水が用いられると、更に集められ、排出されなければならない。気体戻し管が不活性気体、例えば二酸化炭素によりブローされると、不活性気体はブロー後に大気に解放され、なくなる。個々のブロープロセスではほんの僅かな量の気体が必要であるが、多数回のブロープロセスによって気体の消費量の合算値は少なくない。
【0004】
そこで、本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、公知手段をより経済的にすることをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は請求項1において示されている特徴で達成される。
【0006】
更に、本発明に係る設計によれば、洗浄は必要な場合にのみに実行されるので、相当な量の洗浄剤、すなわち特に気体を節約することができる。
【0007】
洗浄作業が行われるべきか否かの疑問は、気体戻し通路における汚染を直接的に判定することにより解消され得るが、これは間接的に判定されることが好ましい。
【0008】
洗浄が必要か否かを見つけることは、例えば、プロセス変数の判定及び/又は洗浄のコース又はその後のコースにおいていずれかのレートで判定されなければならない品質保証基準の判定と、気体戻し通路の汚れに起因し得る所望の設定値からのズレの判定とによって成し得る。
【0009】
そのような基準又は変数は、例えば容器(2)内において到達される充填レベル、充填終了の判定による充填時間、過度な泡立ち又はその他である。
【0010】
所望の値からのズレが再び判定されるまで、洗浄は限られた回数の充填作業を通じてのみ実行され、自動的に中止されることが好ましい。
【0011】
洗浄は、ブローによって実行されることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、公知手段をより経済的にすることが可能な容器充填方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、充填ヘッドを模式的に示す単一図を参照しながら、本発明に係る方法の態様をより具体的に説明する。
【0014】
単一の図は、容器2のための充填機械である充填装置1を示す概略図である。本実施形態において、充填装置は、二酸化炭素を含有する飲料をボトルに充填するための回転式逆圧充填機(より具体的には図示せず)の一部分である。充填装置1は、ハウジング3を有し、その下端には充填管4が形成されている。充填管4は弁座5により上方向に続いており、弁座5はハウジング3内において垂直方向に移動可能に支持された弁体6と共に連動する。このように形成された液体バルブにより、容器2に注がれる液体の出口が制御される。制御作業は、容器2中の液体が前もって定められた充填レベルに至るまで、しばらくの間弁座5から弁体6が持ち上げられる方法で、制御デバイスを介して実行される。これは、充填レベルを規定する変数がモニターされる間に、先行テスト実験後に所定の充填量を容器2に充填してバルブが次に再び閉じられるために十分であるべき充填時間のための所望な値の計測、又は、流速若しくは到達した充填レベルの計測又はその他、によって判定され得る。
【0015】
充填装置1は、垂直な方向に移動可能に支持されている中央ベル状体7を更に含み、シールリング8を備える。中央ベル状体7は、充填プロセス中にボトルの口部が正確に中央に位置することを保障する。更に、シールリング8は、充填装置1に押し付けられるボトル2と充填パイプ4との間における隙間のない密封をもたらす。
【0016】
充填装置1は、本実施形態において、充填機械で一般的に用いられるものと同様であり、気体戻し管9の形状を成す気体戻し通路をその中に更に有する。気体戻し管9は、充填位置において容器2が中央ベル状体7に押し付けられ、且つ中央ベル状体7がハウジング3に押し付けられるとき、容器内に延びるように配置されている。気体戻し管9は、図示された実施形態のように弁体6の中の開口部を通る。
【0017】
容器2が充填されている間、容器は中央ベル状体7に押し付けられ、中央ベル状体7はハウジング3に押し付けられる。充填される液体のタイプに依存して、圧力気体は、例えば液体が充填される前に気体戻し通路を介して容器2に導かれ得る。容器2中にある圧力気体又は空気は、液体による充填中に移され、気体戻し通路を経由して排出される。容器2内部の気体戻し管の侵入深さが充填レベルを規定できる所定の充填レベルに到達した後、充填作業は終わり、充填装置から容器2が分離される。第1容器が除去されると、充填装置1は第2容器を充填するために準備される。
【0018】
終了作業の前又は後に、容器2は、例えば充填高さの所望の値に至った否か、余分な泡が形成されたか否か、又はその他が判定される様々な品質制御ステーションを通過する。
【0019】
しかし、もし第1容器の充填作業中又は第1容器の品質制御中に、所定の一連のプロセスにおけるズレ、例えば、充填プロセスにおけるばらつき又は充填誤りが検出されたならば、この一つの理由は、液体又は泡により気体戻し通路が汚染されること又は詰まることがあり得る。所定の一連のプロセスにおけるズレとは、例えば、充填末端(充填レベル)、充填時間(液体処理量の測定)又はその他のような作業変数の何れかの一つ及び/又は容器中において検出された充填高さ、制御されない解放を示唆する泡の生成、又はその他のような具体的な品質保証基準が前もって決められた所望な値(恐らくある許容限界内)に合致しない場合をいう。所望の値への達成失敗に対して考えられる原因であって除去するのが一番簡単なもの、すなわち、気体戻し通路の汚染を除去するために、気体戻し通路の洗浄作業が始まる。図示された実施形態において、気体戻し通路は、容器2から離れた側から、好ましくはCOのような不活性気体、又は空気の気体噴射によって吹き出すことにより洗浄される。洗浄は、容器2から離れた側から同じ気体戻し通路を通る一回又は何回かの空気のブローによって行われ得る。
【0020】
気体戻し通路の汚染が偶発的な性質のものではなく、ある種の液体により生じた場合、又は変数の所望の値又は品質基準が許容範囲を超える程度に至るまで一連の連続的な充填作業により気体戻し通路の汚れが蓄積された場合は、洗浄作業は同一の充填装置1を通して所定の充填作業回数で又は所定の充填作業回数に応じたそれぞれの時間で実行され得る。所定の複数回の充填作業の間、同時に近接の充填装置が洗浄され得る。2つの充填作業の間における気体戻し通路の洗浄ステップの介在は、時間においても制限され得る。更に、予防策は、異なる製品への切り替える途中における総合制御とは関係なく、操作する人により気体戻し通路のための洗浄プロセスが始まることができるところで行われ得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】容器のための充填機械の充填装置を示す概略図である。
【符号の説明】
【0022】
1…充填装置、2…容器、3…ハウジング、4…充填管、5…バルブシート、6…バルブ本体、7…中央ベル、8…シーリングリング、9…気体戻し通路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(2)の外部からの液体により入れ替わる気体を気体戻し通路(9)を経由して逃し、前記気体戻し通路(9)が洗浄される、容器(2)に液体を充填する方法であって、
前記気体戻し通路(9)が必要な場合にのみ洗浄されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記必要な場合が、間接的に検出されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記必要な場合が、所定の一連のプロセスからのズレを判定することで検出されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記必要な場合が、充填作業のプロセス変数の判定及び/又は品質保証基準の判定により検出されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記必要な場合が、充填される前記容器(2)内において到達される充填レベルによって判定されることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記必要な場合が、充填終了を判定することにより検出されることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記必要な場合が、過剰発泡の検出中に検出されることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
洗浄が、所定の充填作業回数で行われることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
洗浄が、所定の充填期間中に行われることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
洗浄が、ブローによって行われる請求項1〜9に記載の方法。





【図1】
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