説明

容器密封体

【課題】容器の形状、大きさ、材質等の制約を受けず、容器包装体内外のガスの出入りを遮断する容器密封体を提供する。
【解決手段】蓋および容器本体に重合部を有し、その重合部隙間が液体で封止され、液体の液路幅が0.5mm以上かつ隙間幅以下になるように充填する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器密封体に関する。特に、蓋および容器本体に重合部を有し、その重合部の隙間に液体を保持した容器密封体に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット等で食材を購入し、各家庭でその購入した食材を調理して食べるという従来の形態に加え、最近では共働きのため調理の時間がない、自分の趣味の時間を多く取りたい等の理由により、家事を簡便に行いたいという意向から、調理に関してはスーパーマーケット等のバックヤードやセントラルキッチンなどで調理された調理済み食品等を購入し、家庭で食す形態が増えてきている。
一方、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの調理済食品においては、調理済食品の利便性を売り物にして個々の食品の味、量等、好みに合わせた商品開発が活発になされ、多種類の食品が市場に投入されている。また、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の惣菜販売者は、消費者の強いニーズである素材そのもののおいしさの提供、および安心・安全・健康志向に応えるため、食品保存量等を削減した惣菜等の提供を模索しているが、食品保存料を削減すると食品の腐敗開始が早くなるため、食品の安全対策が必須となっている。また、食品の腐敗に関する研究から、空気中の酸素の影響が重要であることが広く知られている。そのため、包装体内を無酸素状態で包装する種々の方法が検討されている。
【0003】
例えば、内容物を入れた容器トレーや容器をガスバリアーフィルムにて密封する方法や、蓋および容器本体自体にガスバリアー機能を具備し密封する方法等が検討されている。いずれの方法もガスバリアーフィルム同士や蓋および容器本体を重合し、密封する方法として、ヒートシールを採用している。ヒートシールによる密封方法は樹脂からなるガスバリアーフィルム、蓋、容器本体に熱を与え、樹脂が溶融した状態で重合し、シールする方法で簡便であるため、多用されている。
例えば、特許文献1には、板状体に数個開けられた穴の縁に発熱体を配設した絶縁台板あり、その板状体上に容器のフランジ部を対応させて容器を配置し、内容物を挿入し、台紙(蓋)を被せて、コンベア装置で搬送して、次に上部から押圧板が下降してフランジ部を上下で挟持して、加熱されたシール装置の型具により容器と台紙(蓋)とを熱融着する方法が開示されている。
【0004】
また、液晶基板を構成するTFT基板等の製造ラインでのエッチング工程では、有害なエッチング溶液の飛散による人体への悪影響および設備の腐食を防止するべく、多数のボルト締め、パッキングにより、有害なガス、ミスト等の漏洩を防止している。特に、特許文献2にはこのような有害物質の飛散を防止するべく、エッチング工程の処理空間をエッチング槽(容器)より延長した縁板と蓋で密封空間を形成し、縁板と蓋の間をO−リングおよびパッキングにて閉塞し、液体による閉塞とO−リングによる物理的な閉塞を併用して密封性を実現している装置である。
【0005】
しかしながら、特許文献1で代表されるような方法や装置は、大きさやデザインの違う多種多様の容器毎に、それぞれに対応する発熱体が配設されたシール型具が必要であり、このような容器毎の専用シール型具を作製するには多額の費用がかかる問題があり、これらの交換には手間や労力がかかる上、保管・管理するのも難しくなる。このように業者にとっては金銭的にも場所的にも人員的にもかなりの負担となり、今後ますます多様化する様々な種類の容器に対応しきれないという問題が残されている。
また、特許文献2の密封方法は基本的に装置が主体であり、包装容器等の簡便容器では装置のような大掛かりな構造が困難である他、持ち運び性、コスト等の問題が残されている。
【特許文献1】特開平4−189721号公報
【特許文献2】特開2002−299311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような問題に対し、蓋および容器本体からなる容器において、多様化する様々な大きさ・形状に対応可能容器密封体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を達成する為に鋭意検討した結果、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
(1)蓋および容器本体からなる容器の重合部の隙間が液体で封止されており、前記液体の液路幅が0.5mm以上かつ隙間幅以下で存在することを特徴とする容器密封体。
(2)液体の粘度が0.1mPa・s〜12500mPa・sであることを特徴とする請求項1に記載の容器密封体。
(3)蓋および容器本体の重合部の隙間表面が耐水性であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の容器密封体。
(4)請求項3において、蓋および容器本体の重合部の隙間表面の表面張力が80mN/m以下であることを特徴とする容器密封体。
(5)蓋および容器本体がガスバリア性樹脂を含む材質からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の容器密封体。
(6)蓋および容器本体の開口部周縁にフランジ部を有し、前記フランジ部が接着テープで封緘されている請求項1〜5のいずれかに記載の容器密封体。
(7)請求項6において、蓋および容器本体のフランジ部が水平面と該水平面末端から鉛直方向に延長した鉛直面とからなる容器を用いた容器密封体。
(8)容器内部がガス置換されていることを特徴とする請求項1〜7に記載の容器密封体。
【発明の効果】
【0008】
本発明の容器密封体は、蓋および容器本体の重合部隙間に液体を保持し、重合部隙間に具備した液体によって、特別な道具や装置等が無くても様々な大きさ・形状の容器を密封でき、隙間の液路幅0.5mm以上かつ隙間幅以下であることで、長時間容器内の密封性を保持することができるといった利点がある。
また、液体の粘度が0.1mPa・s〜12500mPa・sであることで、重合部隙間に液体を充填しやすいことと、重合部隙間が小さくてもすばやく充填できるといった利点がある。
また、蓋および容器本体の重合部の隙間表面が耐水性であること、さらに、蓋および容器本体の重合部の隙間表面の表面張力が80mN/m以下であることで、容器の内外圧力差に対する耐性(密封効果の持続)が得られるといった利点がある。
【0009】
また、蓋および容器本体がガスバリア性樹脂を含む材質からなることで、容器内をガス置換した場合、ガス置換効果を効果的に長時間持続することができるほか、容器外からの酸素の流入を防ぎ、内容物の酸化を防止でき、食品の保存性を飛躍的に向上することができるといった利点がある。
また、蓋および容器本体の開口部周縁にフランジ部を有し、前記フランジ部が接着テープで封緘されていることで、蓋および容器本体の重合部の隙間に保持される液体が乾燥しやすい場合、乾燥を防止することができる、および/または、蓋および容器本体の重合部隙間の封止がより良好な耐衝撃性を得るといった利点がある。
【0010】
また、蓋および容器本体のフランジ部が水平面と該水平面末端から鉛直方向に延長した鉛直面とからなる容器を用いることで、接着テープをフランジに貼りやすくなり、上記の乾燥防止と耐衝撃性がさらに向上するといった利点がある。
また、容器内部がガス置換されていることで、内容物の保存期間の長期化、内容物の変色防止等の効果が得られるといった利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明は蓋および容器本体からなる容器に重合部を有し、その重合部隙間に液体の液路幅が0.5mm以上かつ隙間幅以下になるように充填することで、容器の形状、大きさ、材質等の制約を受けず、容器包装体内外のガスの出入を遮断する容器密封体である。
まず、重合部の隙間に保持される液体について説明する。
隙間に保持される液体は、液体が容器内外のガスの出入を遮断するように充填されていれば良く、少なくとも液路幅が0.5mm以上かつ隙間幅以下であれば、液体の種類、充填方法等に特に制限は無い。液体の種類は、流動特性を示すものであれば支障はなく、例えば、水、水分を含有した液体、アルコール(エタノール、メタノール等)、油脂類(動植物性の食用油、減摩剤、塗料、硬化油、石鹸等を溶解したもの等)、内容物の汁分、結露水、またはこれらに多糖類、増粘剤、ゲル剤等のゾルやゲルを構成する添加剤を用いたゾル状、ゲル状のもの等をいう。ここで隙間に保持される液体がゾル状、ゲル状のもののとき、容器が熱可塑性樹脂製の場合は樹脂の融点の観点より、120℃以下で流動性を示す液体であることが好ましく、好ましくは100℃以下、さらに好ましくは90℃以下で流動性を示す液体である。
【0012】
特に、内容物が食品や医薬品等の場合は、内容物の品質保護の観点から、食用可能な液体、殺菌した液体、アルコール等を使用するのが好ましい。また保持される液体は適度な粘度を有したものが良い。例えば、液体がサラダ油等の油脂類のように粘度が高い物質の場合、容器包装体にかかる衝撃を液体が緩和させる役目をするので、液体を隙間で安定的に保持でき、さらに容器包装体内外に圧力差が生じた際にも、液体が隙間内で保持し続けられるといった利点があるが、アルコール等のように粘度の低い物質の場合、隙間に液体を充填しやすく、容器本体と蓋の重合部隙間が小さくてもすばやく充填できる利点がある。したがって、隙間に保持される液体の粘度は0.1mPa・s〜12500mPa・s、より好ましくは0.15mPa・s〜9000mPa・s、さらに好ましくは0.2mPa・s〜7500mPa・sである。
【0013】
液体の隙間への充填方法は、蓋および容器本体を重合する際に充填しても、蓋および容器本体を重合する前に充填しても、重合後に充填しても、いずれでも良い。
例えば、蓋及び容器本体を重合する前に充填する場合、容器の重合部に液体注入機械のノズルを用いて、液体を注入したい少なくとも1箇所にセットし、容器の重合部に液体を充填し、その後、蓋と容器本体を重合することによって、蓋および容器本体の重合部の隙間に液体を注入することが出来る。
また、蓋及び容器本体を重合した後に充填する場合、蓋及び容器本体の重合部の隙間に細いノズルを用いて液体を注入して充填しても良い。液体注入機械を用いた液体の充填において、充填場所や充填量は、蓋および容器本体の重合部の隙間がつながっていれば、充填箇所は少なくとも1箇所あれば良い。また、液体充填方法としては蓋および容器本体の重合部に対して容器包装体の外側より液体を注入しても良く、容器包装体の内側より液体を注入しても良い。さらに充填量は基本的には蓋および容器本体の重合部の全面に液体が存在するようにする。
【0014】
また、保持される液体は、内容物からの水分、例えば結露水(容器内面に内容物の水分が蒸発水として付着した水分)の場合、蓋および容器本体の重合部に結露水が浸透しやすいように少し隙間に開口部等を設ける等の構造にしたり、蓋の側面部にらせん状のスジを施して蓋と容器本体の重合部の隙間に結露水が溜まるようにしたり、さらには蓋および容器本体の内側表面に防曇処理等の表面処理を施すことにより、より多くの結露水が重合部の隙間に溜まるようにしても良い。
さらに、保持される液体は、充填される前に固体であっても(例えば、氷など)、容器を密封する際に固体(氷)が熱等により融解し、液体状(水)に変化して、重合部の隙間に保持出来れば良い。このとき、液体の充填量は、蓋および容器本体の形状により種々選択できるが、蓋および容器本体の隙間全周に渡って、液体が途切れることなく保持され、少なくとも液路幅が0.5mm以上かつ隙間幅以下である。本発明でいう液路幅とは容器内外を隔てる液体の最短距離を示している(図5(a)参照)。また、隙間幅とは、蓋と容器本体の重合部が接近して対向する隙間の水平方向の幅である。
【0015】
ここで、液路幅が0.5mm以上であると、容器包装体が輸送・保存中に衝撃を受けたりしても、液路幅が途切れることなく保持できる他、内容物が乾物等の乾燥物の場合は容器内が乾燥状態であるため、保持されている液体が容器包装体内に蒸散したとしても、液体が完全に乾燥することなく、容器本体と蓋の重合部隙間に長期間保持することが出来るのである。
さらに、容器内外に圧力差が生じた(例えば、包装体の航空機輸送や内容物にガスが溶解することによる減圧)場合にも、隙間に保持されている液体が、容器外に飛び出したり、容器内にこぼれて内容物の商品性を損なったりせずに、安定的に隙間に液体を保持できる。したがって、隙間に保持される液体の液路幅は0.5mm以上、より好ましい液路幅は0.7mm以上、さらに好ましい液路幅は1.0mm以上である。尚、保持される液体の高さは、重合部の隙間の高さとほぼ同一となる。
【0016】
本発明でいう容器包装体とは、蓋および容器本体からなる形態であり、容器本体とは、内容物を入れることができれば材質及び形状は何でも良いが、例として、箱やカップ等が挙げられる。また、蓋は容器本体の上部を覆うものであり、材質や形状は内容物を入れた容器本体を覆うことができれば何でも良い。例えば、容器本体の開口面は通常、上面にあり、この開口面より内容物の出入が可能であるが、開口面は上面の他、側面であっても、側面と上面の2面に渡っても、少なくとも内容物の出入が可能であれば特に支障は無い。
【0017】
開口面の形状は円形、三角形、四角形(正方形、長方形)、その他の多角形であってもよく、菱形、楕円形、曲線からなる無定形であっても支障はない。また、本発明でいう重合とは蓋および容器本体が重なり合うことを意味し、蓋および容器本体が重合し、その重合部の隙間に液体を保持することが出来れば良い。蓋および容器本体の一辺がヒンジ部を介して接合された、いわゆるフードパック等でも容器本体と蓋が重合し、その重合部の隙間に液体を保持することが出来れば良い。蓋及び容器本体の材質は、コスト面や美粧性の観点から、紙製、樹脂製、あるいはこれらの組み合わせであることが好ましく、液体を保持する観点から樹脂製であることがより好ましい。また、蓋の材質は内容物を上面から目視確認できる点から、透明な樹脂製であることがさらに好ましい。
ここで、容器本体や蓋に用いられる紙とは、一般に書画・印刷・包装等に使用される紙なら何でも良く、例えば、和紙、洋紙、ボール紙、段ボール等が挙げられる。また、和紙、洋紙、ボール紙、段ボール、不織布等を樹脂製フィルム等でラミネートした物を使用しても良い。
【0018】
また容器本体や蓋に用いられる樹脂とは、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂をいうが、一般的に容器本体や蓋に使用される樹脂であれば何でも良い。例えば、熱可塑性樹脂ではポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、セルロースアセテート樹脂等が挙げられ、熱硬化性樹脂ではユリア樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられ、これらの単独樹脂または共重合樹脂等が挙げられる。また容器本体や蓋にガスバリアー性を付与したい場合には、エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂(EVOH等)やポリアミド系樹脂(Ny)等のガスバリアー性樹脂を使用したり、無機系物質を層状に具備している樹脂層を設けても良い。例えば、ガスバリアー性の乏しい低密度ポリエチレン樹脂層にシリカ、アルミナ等の無機系物質を蒸着処理にてガスバリアー性を付与しても良い。また、有機系、無機系の複合バリアー物質を用いても良い。
【0019】
蓋および容器本体のガスバリアー性としては二酸化炭素ガス透過量が1〜4935ml/m/day/MPa、酸素ガス透過量が1〜3948ml/m/day/MPa、窒素ガス透過量が1〜1481ml/m/day/MPaを有するものが好ましく、より好ましくは二酸化炭素ガス透過量が1〜4500ml/m/day/MPa、酸素ガス透過量が1〜2500ml/m/day/MPa、窒素ガス透過量が1〜1300ml/m/day/MPaを有するものであり、さらに好ましくは二酸化炭素ガス透過量が1〜4000ml/m/day/MPa、酸素ガス透過量が1〜1300ml/m/day/MPa、窒素ガス透過量が1〜1000ml/m/day/MPaを有するものである。最も好ましくは二酸化炭素ガス透過量が1〜1000ml/m/day/MPa、酸素ガス透過量が1〜30ml/m/day/MPa、窒素ガス透過量が1〜250ml/m/day/MPaを有するものである(ASTM−D−3985(20℃、60%RH)に準拠)。
【0020】
蓋及び容器本体の成形は、これらの樹脂より構成される単層または多層構成等のフィルムまたはシートから成形されるのであるが、一般に公知である成形方法であれば、いかなる方法を使用しても支障は無い。中でも単層または多層のシートから真空成形または圧空成形等の公知の手段により成形するのが好ましい。
また、蓋および容器本体の液体を保持する隙間の表面が、耐水性を有するように耐水処理されていることが好ましい。ここで耐水処理とは、保持される液体が容器に浸透し難いように施した表面処理を意味する。耐水処理の方法としては、耐水処理された液体を保持する蓋および容器本体の隙間の表面張力が、液体の表面張力よりも小さければ、どのような方法を用いても特に問題は無く、容器本体や蓋の少なくとも液体を保持する面を液体の浸透し難い樹脂製にしたり、液体を保持している部分のみを樹脂等でコーティングしたり、シリコン等の防水剤を容器本体や蓋の表面に塗布する等が挙げられる。
【0021】
例えば、充填される液体が水の場合、その表面張力は72mN/mであるから、蓋および容器本体の液体を保持する隙間の表面は、水よりも表面張力の小さいポリエチレンテレフタレート樹脂製(40−43mN/m)やナイロン樹脂製(42mN/m)にすることにより防水効果を付与することが出来る。
また、隙間の材質が水を染み込ませてしまうような材質製の場合、その表面を液体よりも表面張力の小さい材質でコーティングやラミネート等することにより耐水効果を発揮させることができる。
蓋および容器本体の液体を保持する隙間の表面状態は、容器の内外圧力差に対する耐性の観点より20℃の液体の表面張力が80mN/m以下、より好ましくは60mN/m以下、さらに好ましくは55mN/m以下である。
【0022】
さらに蓋および容器本体には、本発明の効果を損なわない範囲内で、公知の添加剤、例えば酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤、滑剤等を混入したり、公知の表面処理、例えばコロナ放電処理、火焔処理、電子・プラズマ等を含む放射線照射処理、イオン−エッチング処理、塩化ビニリデン等をガスバリアー塗工処理等してもよい。
また、容器本体と蓋の高さの関係において、内容物のボリューム感を容器包装体にディスプレイ効果により発揮するという観点より、容器本体の高さが上部を覆う蓋の高さよりも低いほうが良い。
本発明でいう重合部とは容器本体と蓋の開口面の縁が重なり合っている部分を意味する。重合部の形状は、少なくとも液体を蓋および容器本体の隙間に保持可能であれば支障は無く、ただ単に平面に挟まれた重合部の隙間に液体を保持しても良いが、重合部に液体を確実に保持することで、容器包装体内外のガスの出入を遮断する観点から、凹凸形状を具備することが好ましい。
【0023】
図5は本発明の凹凸形状の一例を示しており、凹凸の数、高さ、形状は液体を重合部に保持することが出来れば特に支障はない。また該凹凸形状は嵌合構造であっても良い。ここで嵌合構造とは容器本体と蓋の重合部に容器本体と蓋を嵌め合わせる為の溝を有している形状を意味し、その嵌合部は大きく分けて、外嵌合、内嵌合、内外嵌合の3種類に分けられる。
外嵌合は、蓋および容器本体を成形する際の金型の精度があまり必要がなく安価で簡単に作成できる形状である。一方、内嵌合は内容物が汁分を多く含む惣菜等の場合、汁分が容器包装体外へ流出するのを防止することができる。さらに内外嵌合は蓋および容器本体を成形する際の金型の精度が要求されコスト的にかなり高価になるが、嵌合部の嵌合強度が強く、多少の衝撃が加わっても容器本体と蓋が外れることが無く、最も高級な嵌合形状である。これらの嵌合形状の溝部に液体を保持して容器包装体内外へのガスの出入を遮断しても良い。
【0024】
さらに、本発明でいう重合部末端には鍔状部分(いわゆるフランジ部)を有することが好ましい。また、液体が乾燥しやすい場合、乾燥防止の観点よりフランジ部に接着テープを貼り付けても良い。その場合、接着テープの貼り付けやすさの観点から、フランジ部が鉛直面を具備していることが好ましい。ここで鉛直面を具備したフランジ部とは、フランジ部が容器の鉛直方向(つまり水平面と直角方向)に形成されていることを意味し、完全に鉛直方向に形成されることが最も好ましい形態であるが、蓋および容器本体の成形のし易さから、完全な鉛直方向でなく、多少傾斜を有していても特に支障はない。また、フランジ部の接着テープ貼付面は接着テープの貼り付けやすさの観点から平面であることが好ましいが、容器本体や蓋の素材厚さの違い等により多少の凹凸や傾斜が発生しても、接着テープをフランジ部に貼り付けることが出来れば特に問題は無い。
【0025】
詳細に重合部およびフランジ部について図5を用いて説明する。
図5の(b)〜(f)は保持される液体の乾燥防止と蓋および容器本体の封止の耐衝撃性の観点より、蓋および容器本体の重合部外側にフランジ部を延長して鉛直面を作成した場合である。
さらに、図5の(c)〜(f)は液体を保持しやすくするために、蓋および容器本体の重合部の双方に凹凸部を作成し、その双方末端よりフランジ部を延長して鉛直面を作成し、鉛直面を接着テープにて補強をした場合である。ほぼ鉛直である面は蓋および容器本体の重合部外側にからほぼ鉛直上下同方向にフランジ部を延長し、延長したフランジ部のうち、容器本体側にあるフランジの長さが、外側にある蓋から延長したフランジ部の長さより長くすることで、延長した蓋および容器本体のフランジ面同士が容器側面でほぼ面一の平面、かつ、ほぼ鉛直面を形成することができる。
【0026】
つまり、蓋および容器本体のフランジ部を各々ほぼ鉛直下方向に延長した場合、容器本体のフランジ部から延長したフランジを蓋のフランジ部から延長したフランジより長くすることで、蓋および容器本体を重合した際に、延長した蓋および容器本体のフランジ面同士が容器側面でほぼ平面、かつ、ほぼ鉛直面を形成する。また、蓋および容器本体のフランジが各々ほぼ鉛直上方向に延長した場合、蓋のフランジ部から延長したフランジが容器本体のフランジ末端部から延長したフランジより長くすることで、蓋および容器本体を重合した際に、延長した蓋および容器本体のフランジ面同士が容器側面でほぼ面一の平面、かつ、ほぼ鉛直面を形成する。
【0027】
さらに、蓋および容器本体のフランジが互いに各々ほぼ鉛直上下逆方向に延長した場合、つまり、容器本体のフランジ部からほぼ鉛直下方向にフランジを延長し、蓋のフランジ部からほぼ鉛直上方向にフランジを延長することで、蓋および容器本体を重合した際に、延長した蓋および容器本体のフランジ面同士が容器側面でほぼ面一の平面、かつほぼ鉛直面を形成する。そのほぼ平面、かつ、ほぼ鉛直面が接着テープで懸架されることによって密封包装容器を得られるのである。
ほぼ鉛直である面の長さ(幅)は接着テープで懸架することができれば特に限定されないが、蓋もしくは容器本体各々のほぼ鉛直である面の長さ(幅)は2mm〜35mmであることが好ましく、接着テープの貼付易さや美粧性の観点より、より好ましくは3mm〜30mmであり、さらに好ましくは4mm〜25mmである。
さらにまた、重合部の鉛直方向の隙間の高さは、3mm以下であることが好ましく、毛細管現象が発生しやすくなる観点より、より好ましい鉛直方向の隙間の高さは2mm以下、さらに好ましくは1mm以下である。
【0028】
接着テープについて説明する。
接着テープは、少なくとも基材層と接着剤層からなり、幅をもって長く伸びている帯状であって、上記接着剤層を介して容器を隙間なく封緘(密封)することができれば、幅・形状等に特に制限はない。
該接着テープの幅は接着テープの全長に渡って一定であっても、太いところや細いところがあっても支障はない。また、本発明の接着テープに意図的に細い部分(切り込み等)を作成すれば、その細い部分の機械的強度が乏しくなるため、この強度の差を利用して易開封性を付与することができる。さらに、本発明の接着テープにカットテープを具備し、易開封性を付与しても良い。
【0029】
例えば、該接着テープの幅の中央部に接着テープの長手方向と平行にひも状のいわゆるカットテープを具備し、容器本体と蓋のフランジ部分間を封緘している接着テープの中央部をカットテープにて2つに引き裂き(接着テープの引き裂かれた上下の端部は蓋および容器本体についたままである)、容器を簡単に開口したり、接着テープの縁部に接着剤を塗工しないで、縁部を接着テープを剥がす際のつまみとして使用する等の易開封性を付与した方が、開封性のしやすさという観点より好ましい。
また、接着テープの形状は、容器を封緘することが出来れば何でも良く、その縁部が直線状のもの以外に、波状等のように任意に変形するものでも良い。
また、接着テープに、接着テープを軽く巻き戻す目的で塗工された剥離剤層、接着剤層と基材層との密着性を向上させる目的で使用される下塗剤層、印刷層等の異なる層を付与しても良い。
【0030】
接着テープ基材層について説明する。
接着テープの基材は、一般に幅を持って長く伸びている帯状に加工できる素材であればいかなる基材であってもよく、例えば紙、布、金属薄膜、樹脂等により構成される単層または多層構成等が挙げられる。
接着テープ基材に用いられる紙とは、一般に書画・印刷・包装等に使用される紙なら何でも良く、例えば、クラフト紙、晒クラフト紙、ノーメックス紙、クレープ紙、フラット紙、和紙、上質紙、ボール紙、段ボール、水溶紙、コート紙、薄葉紙、平面紙、ライナー紙、撥水紙、無塵紙等が挙げられる。また、前記紙に樹脂製フィルム等でラミネートしたり、樹脂等を含浸させて使用しても良い。
【0031】
接着テープ基材に用いられる樹脂とは、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂をいうが、一般的に接着テープに使用される樹脂であれば何でも良い。例えば、熱可塑性樹脂ではポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、セルロースアセテート樹脂等が挙げられ、熱硬化性樹脂ではユリア樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられ、これらの単独樹脂または共重合樹脂等が挙げられる。
接着テープ基材に用いられる布とは、例えばポリエステルやポリエチレン等の合繊及び綿、麻、絹等の天然繊維で織った織物、不織布、ガラスクロス、スフ布等が挙げられる。
【0032】
また接着テープの接着剤層に使用される接着剤は、一般に、溶剤タイプ、ホットメルトタイプ、反応性タイプ等が挙げられるが、接着性を有しているものであれば支障は無く、例えばゴム系接着剤、アクリル系接着剤、ビニルエーテル系接着剤、シリコン系接着剤やこれらの中から少なくとも一種を主体として選択される樹脂組成物が挙げられる。好ましくは所望の粘弾性強度を設定しやすいという観点より、ゴム系接着剤、アクリル系接着剤、ビニルエーテル系接着剤、さらに好ましくはゴム系接着剤、アクリル系接着剤である。
ゴム系接着剤とは、少なくとも1種類以上のエラストマーを主体とする接着剤を意味する。例えば、天然ゴム、スチレン・ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ポリイソブチレン(PIB)、ブチルゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー(SBS)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエン・アクリロニトリル共重合ゴム(NBR)、ポリブタジエンゴム(BR)等から少なくとも一種選択されるエラストマーを主体として、ロジン樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂などの接着付与剤、軟化剤、酸化チタン、亜鉛華、シリカ等の充填剤、老化防止剤、安定剤、着色剤等から構成される接着剤が挙げられる。
【0033】
アクリル系接着剤とは、アクリル酸エステルの合成品であり、接着性を与えるTgの低い主モノマーに、接着性や凝集力を与えるTgの高く硬いコモノマーや、架橋や接着性を与える官能基モノマーに共重合させたものを主成分とした接着剤を意味する。
ここで、主モノマーとしてはエチルアクリレート(EA)、ブチルアクリレート(BA)、2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)等が挙げられ、コモノマーとしては、酢酸ビニル、アクリルニトリル、アクリルアマイド、スチレン、メチルメタクリレート、メチルアクリレート等、官能基含有モノマーとしては、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリルアマイド、メチロールアクリルアマイド、グリシジルメタクリレート、無水マレイン酸等が挙げられる。
【0034】
また、該アクリル系接着剤には、必要に応じて、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂、クマロン・インデン樹脂等の接着付与剤や軟化剤等を配合しても良い。
ビニルエーテル系接着剤とは、ビニルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどの重合で得られるポリマーを主体とする接着剤を意味し、凝集力等の改良の点から、接着付与剤や抗酸化剤等を配合しても良い。
シリコン系接着剤としては、ゴム状シロキサンと樹脂状シロキサンを主成分として構成される接着剤を意味し、場合によっては接着性の改良の点から、触媒、脱落防止剤、酢酸等を配合しても良い。
【0035】
さらに該接着剤は、性状・固化の方式によりさらに溶液型、エマルション型、ラテックス型、ホットメルト型、反応型、感圧型、再湿型等に分類されるが、本発明の接着テープにて該容器を封緘した際に、所望の酸素透過性が発現すれば、用途に応じて、どの方式を選択しても良い。
さらにまた、該接着剤に顔料等を添加することにより接着剤を着色しても良い。例えば、本発明の接着テープの基材層が透明な材料製の場合、接着剤を着色することにより、該接着テープに印刷層を設けた場合と同様の効果が期待できる。
ガス置換について説明する。
【0036】
本発明でいうガス置換とは、容器包装体内の空気を所望のガスで置換することを意味し、いずれの方法を用いても良く、例えば、容器封緘前にガスフラッシュ式で所望のガスを充填したり、容器封緘後に蓋等に予めガス置換用の穴を空けておき、その穴を介してガス充填しても良い。ガス置換の効果としては、内容物の保存期間の長期化、内容物の変色防止等が挙げられ、ガス置換に使用されるガスとしては、一般的にガス置換に使用されるガスであれば、いずれのものを使用しても良い。例えば、窒素、二酸化炭素(炭酸ガス)、酸素、アルゴン等の単独、あるいはこれらの混合ガス等が挙げられる。また、積極的にかびや菌類や酵母の殺菌目的で一般に知られるオゾンや天然および合成抗菌性物質(例えばヒノキチオール等)を用いても良い。
【0037】
また、ガス置換方法としては、公知のものを必要に応じて選択すれば良いが、一般的には、チャンバー式やガスフラッシュ式等が挙げられる。また、容器包装体内がガス置換される場合に使用される容器本体、蓋、接着テープの材質としては、ガス置換の効果を持続化させるという観点から、前記ガスバリアー樹脂を使用するのが好ましいが、特に容器本体と蓋の重合部がフランジ部を持ち該フランジ部が嵌合構造を有する場合が、重合部の密封性が、より効果的に保たれるため、より好ましい。
また、本発明でいう内容物とは主として食品であり、生鮮3品と呼ばれる鮮魚、生肉、生野菜の他、例えば、スーパーやコンビニエンスストア等で販売される惣菜(煮物、焼き物、蒸し物、炒め物)等の加工食品や弁当、菓子類、お茶、コーヒー等の調味・嗜好品、医薬・健康食品、ペットフード等が挙げられるが、その他、金属製品、精密部品、電極、化成品、化粧品、香料等の非食品でも良い。
【実施例】
【0038】
以下に実施例および比較例について詳細に説明する。
<1. 容器本体、蓋、接着テープの作成方法>
[容器本体、蓋]
容器本体としては、フィラー入りポリプロピレン樹脂(PPF)シート、紙、ポリエチレン樹脂(PE)コートした紙のそれぞれにLL/NY/EVOH/NYの共押出しフィルム(厚さ:50μm)をドライラミネートしたものを成形したものを用いた(図1)。蓋としては、OPSシート(厚さ:250μm)にLL/NY/EVOH/NYの共押しフィルム(厚さ50μm)をドライラミネートしたものを成形したものを用いた(図2)。
蓋および容器本体の重合部の隙間は、水平方向(液路幅)には1.0mm、0.5mm、0.3mmの3種類、鉛直方向には全ての容器に関して0.2mmに成形したものを使用した。
[接着テープ]
(1)NYテープ
未延伸ナイロン(厚さ:30μm)にアクリル系接着剤を25g/mで塗工し、10mm幅にスリットして紙巻に巻いたものを使用した。
(2)PPテープ
未延伸ポリプロピレン(厚さ:30μm)にアクリル系接着剤を25g/mで塗工し、10mm幅にスリットして紙巻に巻いたものを使用した。
【0039】
<2. 実包テスト方法>
蓋および容器本体を重合し、表1(実施例)および表2(実施例および比較例)に記載の混合ガス組成に調整したグローブボックス内において内容物を容器に入れ、その容器の重合部隙間に液体を入れ、蓋を被せ、接着テープにて蓋および容器本体のフランジ部(鉛直面を具備)を封止した。このとき、重合部が完全に液体で充填されていること(重合部隙間に気泡、隙間がないこと)を目視により確認した。接着テープは、鉛直面の全周を貼付けたもの(図3)と、容器本体と蓋が外れない程度に鉛直面の一部のみ貼付けたもの(図4)を用いた。3日後の容器包装体の酸素濃度、二酸化炭素濃度を測定した(保存温度:20℃、容器包装体内体積:500ml、内容物:レトルト親子丼150g+レトルト御飯150g(合計:300g))。
【0040】
<3.評価方法>
(1)容器包装体内空間のガス濃度測定
酸素および二酸化炭素濃度計(PBI Dansensor(株)社製、商品名:チェックポイント)を用いて20℃における密封包装容器内空間の酸素および二酸化炭素濃度を測定した。窒素濃度は、以下の式より算出した。
(窒素濃度[%])=100%−(酸素濃度[%])−(二酸化炭素濃度[%])
(2)保存温度測定
ボタン型温度測定機(三洋電機(株)社製、商品名:ボタン型クールメモリー)を用いて温度を測定した。(評価保存温度20℃)
(3)液体粘度の測定
B型粘度計(東機産業株式会社製、商品名:B型粘度計 BM)を用いて、20℃での重合部隙間に保持される液体の粘度を測定した。また液体がゲルの場合は50℃での液体粘度を測定した。
(4)表面張力の測定
表面張力計(協和界面科学社製、商品名:表面張力計 CBVP−A3)を用いて、20℃での蓋および容器本体の隙間の表面での液体(表面張力γ)の接触角θを測定し、蓋及び容器本体の隙間の表面張力(γ)を算出した。γの値は、異なる表面張力を有する2種類の液体(純水、水銀)で接触角を測定し、以下の式(4−1)〜式(4−3)よりを使用することにより算出した。
表面張力γの液体が接触角θで釣り合っているとき、固体表面張力を分散力成分(γS)と極性力成分(γSP)とに分離し、固体と液体との間に働く相互作用をγSLすると、
γS=γS+γSP (4−1)
γS=γLcosθ+γSL (4−2)
γSL=γS+γL−2(γSγL1/2−2(γSPγLP1/2 (4−3)
液体の表面張力の分散力成分:γL、液体の表面張力の極性力成分:γLP
【0041】
<4.容器密封体評価結果>
表2比較例1、2記載の液体を容器本体と蓋の重合部隙間に充填していない比較例は、3日後の容器内の酸素・二酸化炭素・窒素の各ガス濃度がほぼ大気組成になり、全て容器包装体内がガス置換を保持できなかった。また表2比較例3〜4記載の重合部隙間の液路幅が0.3mmのものは、保管中に液切れ(容器の重合部隙間の全周にわたって液体が保持されていない状態)が発生し、やはり、3日後の容器内の酸素・二酸化炭素・窒素の各ガス濃度がほぼ大気組成になり、容器包装体内のガス置換が保持できなかった。
しかしながら、本発明の実施例1〜10は、表1および表2に示すように、いずれも、容器内の酸素・二酸化炭素・窒素の各ガス濃度の組成は、計測誤差を考慮すると、初期と3日後とで有意差がなく、液路幅、容器材質、接着テープの種類、接着テープの貼付方法、液体の種類によらず密封効果を有することが判明した。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、容器包装体内外のガスの出入りを遮断する密封容器包装体の分野で好適に利用できる。
【0043】
【表1】

【0044】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施例に用いた蓋の側面図および平面図である。
【図2】本発明の実施例に用いた容器本体の側面図および平面図である。
【図3】本発明の実施例に用いた蓋および容器本体を重合した後、接着テープをフランジ部鉛直面の全周に貼りつけた時の側面図である。
【図4】本発明の実施例に用いた蓋および容器本体を重合した後、接着テープをフランジ部鉛直面の円周の一部に貼りつけた時の側面図である。
【図5】本発明の実施例に用いた蓋および容器本体を重合したときの重合部における液体の保持関係を示した断面模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋および容器本体からなる容器の重合部の隙間が液体で封止されており、前記液体の液路幅が0.5mm以上かつ隙間幅以下で存在することを特徴とする容器密封体。
【請求項2】
液体の粘度が0.1mPa・s〜12500mPa・sであることを特徴とする請求項1に記載の容器密封体。
【請求項3】
蓋および容器本体の重合部の隙間表面が耐水性であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の容器密封体。
【請求項4】
請求項3において、蓋および容器本体の重合部の隙間表面の表面張力が80mN/m以下であることを特徴とする容器密封体。
【請求項5】
蓋および容器本体がガスバリア性樹脂を含む材質からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の容器密封体。
【請求項6】
蓋および容器本体の開口部周縁にフランジ部を有し、前記フランジ部が接着テープで封緘されている請求項1〜5のいずれかに記載の容器密封体。
【請求項7】
請求項6において、蓋および容器本体のフランジ部が水平面と該水平面末端から鉛直方向に延長した鉛直面とからなる容器を用いた容器密封体。
【請求項8】
容器内部がガス置換されていることを特徴とする請求項1〜7に記載の容器密封体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−44726(P2006−44726A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−227317(P2004−227317)
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【出願人】(303046266)旭化成ライフ&リビング株式会社 (64)
【Fターム(参考)】