説明

容器検知装置

【課題】スプリングなどの機械的な寿命部品を使用することなく透明ボトルを検知可能とした容器検知装置を提供することを目的とする。
【解決手段】軸心21を中心に回動してベンドステージ9に対して上下動可能に支持された検知レバー22と、軸心21を中心として検知レバー22を上方へ付勢する錘23と、検知レバー22の回動に連動して軸心21を中心に回動する検知板24と、検知板24が回動したことを検知する光センサー25と、から成り、ベンドステージ9へ載置されたボトルBの自重で下方へ回動する検知レバー22に連動する検知板24の移動を光センサー25が検知することによりボトルBがベンドステージ9に載置されたことを検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RO水を容器に注いで販売する自動販売機などに備えられる容器検知装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
RO水を吐水ノズルからボトル(容器)に注いで販売するRO水自動販売機では、利用者が販売口のベンドステージ(載置台)にボトルを載置し、カードまたは貨幣を投入してRO水吐出釦を押圧すると、RO膜(逆浸透膜)に浸透させて不純物を取り除いたRO水が吐水ノズルからボトルに注がれて利用者に供される。このRO水が注がれるボトルは透明のプラスチックで形成されていて、その重量も非常に軽く(例えば200g)できている。このように軽いボトルがベンドステージに載置されたことを検知するには、ボトルのネック部分をクリップ式のホルダーで機械的に挟み込ませ、ボトルで押された検知レバーをマイクロスイッチに押し当てることでボトルを検知する構造が採用されていた。
また、ベンドステージの底面板に上下動可能に設けた板状の検知部材と、この検知部材を上方へ付勢するスプリングと、容器が検知部材上に搬出されて検知部材が下降したことを検知する検知器とを備え、検知部材が容器の自重により下降すると検知器が容器を検知するようにしているものもある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−148632号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ボトルのネック部分をクリップ式のホルダーで機械的に挟み込む構造の場合、利用者が触れられることによるいたずらなどが発生する虞がある。また検知部材を上方へ付勢するスプリングを用いた構造の場合、スプリングの折れなどの耐久性の問題があった。さらに、ボトルを光センサーを用いて検知する方法もあるが、容器が透明のプラスチックで形成されている場合には光が透過してしまうために検知が困難である。
本発明は、上記実情に鑑みて、スプリングなどの機械的な寿命部品を使用することなく透明ボトルを検知可能とした容器検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る容器検知装置は、載置台への容器の載置を検知する容器検知装置であって、
軸心を中心に回動して前記載置台に対して上下動可能に支持された検知レバーと、前記軸心を中心として前記検知レバーを上方へ付勢する錘と、前記検知レバーの回動に連動して前記軸心を中心に回動する検知板と、前記検知板が回動したことを検知する検知器と、から成り、
前記載置台へ載置された前記容器の自重で下方へ回動する前記検知レバーに連動する前記検知板の移動を前記検知器が検知することにより前記容器が前記載置台に載置されたことを検知することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る容器検知装置は、上述した請求項1において、前記錘の重心は、前記軸心を挟んで前記検知レバーと相対する位置に配設してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明によれば、載置台への容器の載置を検知する容器検知装置を、軸心を中心に回動して載置台に対して上下動可能に支持された検知レバーと、軸心を中心として検知レバーを上方へ付勢する錘と、検知レバーの回動に連動して軸心を中心に回動する検知板と、検知板が回動したことを検知する検知器と、から成り、載置台へ載置された容器の自重で下方へ回動する検知レバーに連動する検知板の移動を検知器が検知することにより容器が載置台に載置されたことを検知するようにしたので、スプリングなどの機械的な寿命部品を使用することなく透明ボトルを検知可能とした容器検知装置を提供することが可能となる。
また、請求項2の発明によれば、錘の重心は、軸心を挟んで検知レバーと相対する位置に配設してあることにより、スプリングを使用することなく検知レバーを上方へ付勢することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る容器検知装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係る容器検知装置を備えたRO水自動販売機の外観図である。ここで例示するRO水自動販売機1は、利用者がカードまたは貨幣を投入してRO水吐出釦を押圧すると、機内でRO膜(逆浸透膜)に浸透させて不純物を取り除いたRO水をベンドステージ(載置台)に載置したボトル(容器)に吐水ノズルから注いで販売するもので、機器筐体の前面ドア2には、カードを投入するためのカード投入口3、貨幣を投入するための投入口4、投入したカードや貨幣を返却するための返却レバー5、貨幣を返却するための返却口6、RO水をベンドステージ9に載置したボトルに注ぎ入れるためのRO水吐出釦7、販売口8にはベンドステージ9と開閉扉10が設けられている。
図2は、本発明の実施の形態に係る容器検知装置を備えたRO水自動販売機1の水回路図である。水道に直結した給水管31に弁を開閉して水道水の給水、停止を行う水入口弁32を設け、水入口弁32を開いて加圧ポンプ34を駆動すると、フィルタ33を通過して鉄さび、チリ、ホコリや塩素化合物が除去された水道水がROフィルタ35に送られ、RO膜(逆浸透膜)に浸透させて不純物が除去されたRO水を流量センサ36を介して貯水タンク37に供給して貯留する。貯水タンク37には殺菌灯38が設けられて貯留しているRO水に紫外線を照射して殺菌が行われる。また、貯留センサ39を設け、貯留しているRO水が所定量を下回ると水入口弁32を開いて加圧ポンプ34を駆動してRO水を貯水タンク37に供給し、所定の貯留量に達すると水入口弁32を閉じて加圧ポンプ34を停止させる。
【0007】
そして、利用者がベンドステージ9にボトルを載置してカードまたは貨幣を投入してRO水吐出釦7を押圧すると、吐水ポンプ41を駆動して販売弁45を開き、貯水タンク37に貯留しているRO水をフィルタ42を通過させて残留物や雑菌を除去して流量センサ44を介して吐水ノズル46からベンドステージ9に載置されているボトルBに注ぎ入れ、流量センサ44を通過した量が予め定めている量(例えば4リットル)に達すると吐水ポンプ41を停止して販売弁45を閉じる。また、一定時間RO水の販売がなかった場合には、吐水ポンプ41を駆動して循環弁43を開き、貯水タンク37に貯留しているRO水をフィルタ42を通過させて貯水タンク37に循環させる。販売口8内で溢れた水は排水タンク47へ排水される。
図3は、本発明の実施の形態に係る容器検知装置20を備えたRO水自動販売機1の販売口8を示し、図3(a)は販売口8の正面図(背面板を一部切欠いて容器検知装置を示している)、図3(b)はその側面断面図である。販売口8は側面板8a、8aと背面板8b、天面板8cと販売口トレー11でその周面を構成し、販売口トレー11にベンドステージ9が配置されている。ベンドステージ9には載置したボトルBの正面から見て両側面方向の位置を案内するためのサイドガイド9a、9aと、正面から見てボトルB底端手前側の位置を決定するフロントガイド9bとが設けられている。容器検知装置20は背面板8bの後面側機内に取り付けられ、検知レバー22が背面板8bからベンドステージ9側へと配設されるようにしてある。天面板8cにはベンドステージ9に載置されているボトルBにRO水を注ぎ入れる吐水ノズル46が取り付けられている。
【0008】
図4は、容器検知装置20、ベンドステージ9および販売口トレー11を斜め上方から見た鳥瞰図、図5は、容器検知装置20を斜め上方から見た鳥瞰図である。容器検知装置20は、軸心(支点)21を中心に回動してベンドステージ9に対して上下動可能に支持された検知レバー22と、軸心21を中心として検知レバー22を上方へ付勢する錘23と、検知レバー22の回動に連動して軸心21を中心に回動する検知板(遮光板)24と、検知レバー22の回動に連動して回動する検知板24が移動したことを検知する光センサー(検知器)25と、から成り、ベンドステージ9へ載置されたボトル(容器)Bの自重で下方へ回動する検知レバー22に連動する検知板24の移動を光センサー25が検知することによりボトルBがベンドステージ9に載置されたことが検知される。ここで錘23の重心は軸心21を挟んで検知レバー22と相対する位置に配設してあり、検知レバー22の力点位置で軸心21を中心として検知レバー22を上方へ付勢する力をボトルBの重量(例えば200g)の5%〜20%となるように錘23を形成している。
このように軸心21を中心として検知レバー22を上方へ付勢する錘23を設け、錘23の重心を軸心21を挟んで検知レバー22と相対する位置に配設し、検知レバー22の力点位置で軸心21を中心として検知レバー22を上方へ付勢する力をボトルBの重量の5%〜20%となるように錘23を形成しているので、ベンドステージ9にボトルBが載置されていないときは図6(a)に示しているように検知レバー22が上方へ付勢されているが、図6(b)に示すように利用者が販売口8の開閉扉10を開いてボトルBをベンドステージ9に乗せて奥方向(図中右方向)へ滑らせて移動させてボトルB底端がフロントガイド9bを乗り越えて載置されると、検知レバー22を上方へ付勢する力はボトルBの重量の5%〜20%となるように錘23が形成されているので、ベンドステージ9へ載置されたボトルBの自重で検知レバー22が下方へ回動し、検知レバー22に連動して回動する検知板24が光センサー25から移動して発光部25aと受光部25bの間が遮光されなくなるのでボトルBがベンドステージ9に載置されたことが安定して検知されるようになる。
【0009】
そして、利用者がカードまたは貨幣を投入してRO水吐出釦7を押圧すると、吐水ポンプ41を駆動して販売弁45を開き、貯水タンク37に貯留しているRO水をフィルタ42を通過させて残留物や雑菌を除去して流量センサ44を介して吐水ノズル46からベンドステージ9に載置されているボトルBに注ぎ入れ、流量センサ44を通過した量が予め定めている量に達すると吐水ポンプ41を停止して販売弁45を閉じ、販売終了表示(図示せず)が示される。
販売終了表示が示され、利用者が開閉扉10を開いて販売口8のベンドステージ9からRO水が供給されたボトルBを取り出すと、検知レバー22は力点位置で軸心21を中心として上方へ付勢する力をボトルBの重量の5%〜20%となるように錘23が形成されているので上方へ移動して待機状態となる。
このようにベンドステージ9へのボトルBの載置を検知する容器検知装置20は、軸心21を中心に回動してベンドステージ9に対して上下動可能に支持された検知レバー22と、軸心21を中心として検知レバー22を上方へ付勢する錘23と、検知レバー22の回動に連動して軸心21を中心に回動する検知板24と、検知板24が回動したことを検知する光センサー25と、から成り、ベンドステージ9へ載置されたボトルBの自重で下方へ回動する検知レバー22に連動する検知板24の移動を光センサー25が検知することによりボトルBがベンドステージ9に載置されたことを検知するようにしているので、スプリングなどの機械的な寿命部品を使用することなく透明ボトルを検知可能とした容器検知装置20を提供することができる。
【0010】
さらに、錘23の重心は、軸心21を挟んで検知レバー22と相対する位置に配設するようにしているので、スプリングを使用することなく検知レバー22を上方へ付勢することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る容器検知装置を備えたRO水自動販売機の外観図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る容器検知装置を備えたRO水自動販売機の水回路図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る容器検知装置を備えたRO水自動販売機の販売口を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る容器検知装置および載置台を斜め上方から見た鳥瞰図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る容器検知装置を斜め上方から見た鳥瞰図である。
【図6】図4に示した載置台に容器を載置する前と載置したときの図である。
【符号の説明】
【0012】
1 RO水自動販売機
8 販売口
9 ベンドステージ(載置台)
20 容器検知装置
21 軸心
22 検知レバー
23 錘
24 検知板
25 光センサー(検知器)
35 ROフィルタ(逆浸透膜)
B ボトル(容器)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置台への容器の載置を検知する容器検知装置であって、
軸心を中心に回動して前記載置台に対して上下動可能に支持された検知レバーと、前記軸心を中心として前記検知レバーを上方へ付勢する錘と、前記検知レバーの回動に連動して前記軸心を中心に回動する検知板と、前記検知板が回動したことを検知する検知器と、から成り、
前記載置台へ載置された前記容器の自重で下方へ回動する前記検知レバーに連動する前記検知板の移動を前記検知器が検知することにより前記容器が前記載置台に載置されたことを検知することを特徴とする容器検知装置。
【請求項2】
前記錘の重心は、前記軸心を挟んで前記検知レバーと相対する位置に配設してあることを特徴とする請求項1に記載の容器検知装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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