説明

容器

【課題】洗面台などで使用時に転倒することがなく、補充にあたり内容物をこぼして周囲を汚すなどの虞が無い容器及び内容物の補充方法の提供。
【解決手段】界面活性剤入りの液体化粧料等の内容物を収納する容器本体に内容物を出すための開口部と固定用ねじとが設けられ、上記開口部が上記固定用ねじと対向する位置に突出する突起に設けられていると共に内容物を吐出するためのポンプを有している容器を容器取付部材にて固定する。洗面台などで使用するのに適する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器に係り、洗面台などで洗浄剤を使用するのに好適な容器に関する。
【背景技術】
【0002】
浴室や洗面台などで、空間を有効に使用するために、台を設けてその上に使用するシャンプーなどの洗浄剤容器を置くものが知られている(特許文献1)。
【0003】
また、同じ目的で吸盤によって壁に固定した平面視二股状の係着座を市販のポンプ付き容器のネジ筒に嵌めるものがある(特許文献2)
一方、容器の下方に剤の出口を設けその周囲にネジを切って容器を栓に固定したものも知られている(特許文献3)。
【0004】
しかるに、特許文献1記載のように台を設けてその上に使用するシャンプーを置くと、ぬれた手などでポンプを押した場合、横に滑って容器が転倒するなどの問題がある。
【0005】
ポンプ容器を壁などに固定することで転倒は防止できるが、特許文献2に記載のようにポンプ容器の首部を細い係着座に固定すると、強い力で押したときに折れるなどの問題がある。
【0006】
特許文献3において押したときに転倒したりずれたりすることはないが、液の重量を利用して滴下するので、押している時間に取り出される液量が依存し、内容液が多すぎたり少なすぎたりする場合がある。
【0007】
【特許文献1】特開平2002−153393号公報
【特許文献2】特開2002−153393号公報
【特許文献3】特開平7−222693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の課題を解決するもので、洗面台などで転倒したりすることのない容器および容器の固定方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、内容物を収納する容器本体に内容物を出すための開口部を有し、上記容器本体に固定用ねじが設けられた容器であって、上記固定用ねじの螺旋の外部に上記開口部が存在している容器を提供することで、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の容器は、洗面台などで使用時に転倒することがない。本発明の容器は、洗面台などに安定して固定できる。本発明の内容物の補充方法は、補充にあたり内容物をこぼして周囲を汚すなどの虞が無い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の第一の実施の形態について、図1〜図5を使って説明する。
【0012】
本発明の容器1の容器本体2は、図1に示す如く、収納する内容物を出すための開口部3Bを有し、上記容器本体2の底面2Aから突出するに固定用ねじ4が設けてある。すなわち、容器本体2では固定用ねじ4とは別の位置に内容物を出し入れするための開口部3を有する上方突起3が本体上部壁面2Bから突出して設けてあり、上方突起3の周囲にポンプ取付用ねじ3Aが形成してある。
【0013】
容器本体2は、図1等に示すように、円筒状の中央部2Cと該中央部2Cに連続し球または楕円回転体が外に向かって凸になる形状の底面2Aと上部壁面2Bとからなり、その上端および下端、すなわち底面2Aと上部壁面2Bの各々の中央部に、開口部3Bを有する上方突起3と固定用ねじ4Aを有する下方突起4とが突出している。
【0014】
以上のように構成されているので、容器本体2は全体として開口部3Bと固定用ねじ4Aの中心を通る仮想的な軸ZZ’を中心とした回転体となっていて、軸ZZ’を含む任意の平面を対称面とする対称な形状になっている。
【0015】
このように容器本体が全体として面対称あるいは線対称の形状、好ましくは回転体となっていることで、全体の強度が向上する。
【0016】
固定用ねじ4Aは前述の如く、開口部3Bと対向する底面2Aの略中央に設けられている。固定用ねじ4A(下方突起4)は図4に示すようにその内部が容器本体2の内部と連通する空間4Cとなっており使用時には内容物で満たされる。この固定用ねじの内部の空間4Cには図4に示すようにポンプ5の液導入用チューブ5Aの先端にある液導入端5Bが達している。
【0017】
図3に示すように、固定用ねじ4Aにて、洗面台8に設けた容器取付部材9に容器1が固定される。
【0018】
容器取付部材9は図示しないボルトがその下部9Aより突出している。洗面台8の上面の図示しない孔に上記図示しないボルトが挿入され、該図示しないボルトに洗面台8の下方より図示しないナットが螺合して容器取付部材9が洗面台8に固定される。
【0019】
固定用ねじ4Aと容器本体2を挟むようにして対向する位置である容器本体2の上部中央には内容物を出し入れするための開口部3Bを有する上方突起3が容器本体2の上部壁面2Bから突出して設けてあり、上方突起3の周囲にポンプ取付用ねじ3Aが形成してある。ポンプ取付用ねじ3Aにより、内容物を吐出するためのポンプ5が備えられる(図2)。
【0020】
ポンプ5は図4に示すようにその下方に内容物を取り出すための液導入用チューブ5Aが設けてあり、その先端(液導入端)5Bは、固定用ねじ4の内部の空間4Cに達している。
【0021】
本実施の形態では、内容物として界面活性剤入りの手洗い用洗浄剤が容器本体2に収容されている。使用者がポンプ5の押圧部5Pを下方に押すことで、内容物の手洗い用洗浄剤は吐出口5Dより吐出され、使用される。
【0022】
なお、本発明で用いる内容物の界面活性剤入りの液体化粧料として、上述した手洗い用洗浄剤のほか、シャンプー、リンスなどの洗浄剤、顔用をはじめとする身体用洗浄料を挙げることができる。そのほか、うがい薬、口腔用洗浄剤などの殺菌(除菌)、消毒を目的とする剤や、台所洗剤などのを内容物とすることもできる。
【0023】
本実施形態の如く、固定用ねじ4Aを開口部3Bと対向する位置である底面2Aの略中央に設けることで、内容物である洗浄剤を吐出するためにポンプ5の押圧部5Pを必要以上に強い力で押した場合の固定用ねじ4Aを備える下方突起4やその周囲の変形が防止できる。特に、本実施形態の如く、固定用ねじ4とポンプ取付用ねじ3Aの回転中心とがほぼ一直線になっているとき変形しにくい。
【0024】
また、上述の如く、外に向かって凸になるように形成した球や楕円回転体などの曲面で構成される上部壁面2Bおよび底面2Aの中央部に各々開口部3を有する突起2Cと固定用ねじ4とが突出しているので、上部壁面2Bあるいは底面2Aがそのほぼ全体で応力を分散支持することになり、この点からも変形しにくい。
【0025】
さらに、容器本体2が記述の如く全体として対称な形状になっていることも変形防止に寄与している。
【0026】
本実施態様では容器本体2を、上述の如く構成したので、ポンプ5を作動させる際の押し圧力による固定用ねじ4Aと容器本体2とが接続される部分である固定ねじ接続部2Dへの応力が周に亘りほぼ均一にかかり、下方突起4(固定用ねじ4A)が固定ねじ接続部2Dの部分で折れるなどの損傷を防止できる。
【0027】
すなわち、取り付けるポンプ5の押圧部5Pが、固定用ねじ4Aの回転中心のほぼ延長上に存在しているのが、固定用ねじ4Aの損傷防止のために好ましい。具体的には、上述の如く固定用ねじ4Aを備える下方突起4を容器開口部3と対向する位置である底面2Aの略中央に設け、固定用ねじ4Aとポンプ取付用ねじ3Aとの回転中心とがほぼ一直線になるようにすることが好ましい。
【0028】
また、外に向かって凸になるように形成した球や楕円回転体などの曲面の中央部に開口部3を有する下方突起4(固定用ねじ4A)を設けるようにすれば更に好ましい。
【0029】
ポンプ5はストローク量で吐出量が定まるので、一度に取り出す内容物の量を略一定にする定量取り出しの目的で好適に用いることができる。容器1が粘度の高い洗浄剤を内容物とする場合に、ポンプ容器は特に好んで用いられるが、そのような場合は使用者が必要以上に強い力でポンプ5を押すことが多い。従って、容器本体2の変形防止や固定用ねじ4の損傷防止の必要性が高いが、特に内容物の粘度が高い場合、本実施形態の如く構成することで剤を出すためにポンプ5の押圧部5Pを押したときの変形が抑制ないし防止される。
【0030】
すなわち、取り付けるポンプ5の押圧部5Pが、固定用ねじ4Aの回転中心のほぼ延長上に存在しているのが好ましい。具体的には、上述の如く固定用ねじ4Aを容器本体2の開口部3と対向する位置である底面2Aの略中央に設け、固定用ねじ4Aとポンプ取付用ねじ3Aとの回転中心とがほぼ一直線になるようにすることが好ましい。
【0031】
また、外に向かって凸になるように形成した球や楕円回転体などの曲面の中央部に開口部3Bを有する上方突起3や固定用ねじ4Aを有する下方突起4を設けるようにすれば更に好ましい。
【0032】
さらに、容器本体2が全体として対称な形状になっていることが好ましい。
【0033】
手洗い用洗浄剤が減ってくると、補充の必要がある。本実施形態では、容器1を洗面台8の容器取り付け部材9に取り付けたまま、ポンプ5を開口部3のねじから取り外して、上部の開口部3より補充する。
【0034】
本実施形態では既述の如くポンプ5の液導入用チューブ5Aの先端にある液導入端5Bが固定用ねじ4を備えた下方突起内部4Bに達するようにしている。
【0035】
ここで、下方に向かって凸になるように形成した楕円回転体様の曲面の中央部に固定用ねじ4を設けたので、残存する内容物である液体洗浄料は、その量が少なくなってきたとき重力の作用で下方突起内部4Bへと集まり、たまった内容物をポンプ5で吸い上げることが出来る。結果として、内容物が殆ど無くなるまで吐出することが出来る。
【0036】
このように、本実施形態では載置場所に底部の固定用ねじ4Aで固定され、固定用ねじ4Aの存する容器本体2の底面2Aと対向する位置に剤を出すためのポンプ5を備えた開口部3を有する容器を用い、ポンプ5を開口部3に設けたねじ3Aから外すだけで容器本体は固定用ねじ4Aで固定したまま、開口部3より内容物を補充するという方法を採用するので、補充作業が簡単に行える。また、容器1が載置場所である洗面台8に固定された状態なので、補充時に転倒してこぼれる虞も無い。
【0037】
本実施形態の容器11は、図5の如く、シャンプー、リンス、液体石鹸などの液体化粧料を内容物として容器本体2の開口部3Bにポンプ5に代えてキャップ6を設けた化粧料製品7として流通させることもできる。
【0038】
この場合、空になった容器1を容器取り付け部材9より取り外し、容器1が取り外された容器取り付け部材9の図示しない容器取り付けねじ(めねじ)に、化粧料製品7の容器本体2の固定用ねじ4を螺着させ、その後にキャップ6を新しい容器1の容器本体2より取り外し、代わりに今まで使用していた容器1より取り外したポンプ5を新たに容器取り付け部材9に取り付けた容器本体2の開口部3Bに取り付けるという方法で容器交換を実施することになる。
【0039】
このように収納する内容物を出すための開口部3Bを、上記容器本体2の底面2Aから突出するように固定用ねじ4Aが設けてある容器本体に内容物、具体的にはシャンプー、リンスなどの界面活性剤入りの液体化粧料を収容した状態で内容物入り容器を化粧料製品7として提供し、上述のごとき方法で内容物の入った容器1、11を交換するという方法で、洗面台8などで開口部3Bより容器本体に界面活性剤入りの液体化粧料を補充する際に剤をこぼしたりして周囲を汚すという虞が無くなる。
【0040】
上述の如く、開口部3を、上記容器本体2の底面2Aから突出するように固定用ねじ4が設けてある容器本体に内容物を入れ、キャップで蓋をすると、ポンプが再利用できるので好ましいばかりでなく、充填や物流のコストも節減できる。
【0041】
また、キャップを外しポンプに交換する際に容器本体が固定されているので、誤って転倒させて内容物がこぼれたりする虞もない。
【0042】
本発明の容器は、その容器本体をいろいろな形状とすることが出来る。
【0043】
たとえば、球体とし、その上部に開口部3を設け下部に固定用用ねじ4を設けることもできる。この場合、開口部3及び固定用ねじ4は直径の両端の位置になるように配置することが好ましい。
【0044】
また、図6の如く、容器本体22の形状を上方に向かって大きくなる形状とし、内容物が充填された状態での重心の高さが容器本体の上端から約3分の1より上に存在するといったきわめて不安定な形状とすることもできる。
【0045】
本発明では容器を固定するので、このように、安定性を気にすることなく、通常の容器では困難な種々のデザインを採用できる。
【0046】
また、容器の底面に設ける固定用ねじを容器本体に入り込む形式の雌ねじとし、容器取付部材9の側を雄ねじとしても良い。こうすることで、容器に横方向の強い力が加わったときにねじが壊れにくくなる。
この場合はポンプ5より延長している液導入用チューブ5Aが内容物を吸い上げることができなくなったとき、残量が比較的多くなる。従って、容器本体に内容物を入れキャップをした化粧料製品を交換用として提供すると経済性が悪いので、容器本体を載置場所すなわち容器取付部材9に固定した状態で、ポンプ5を外して開口部3より内容物を補充する補充方法を採用するのが好ましい。この方法によらないときは早めの補充を必要とする。
【0047】
対して、固定用ねじ24Aを雌ねじとしつつも図7のごとく容器本体22の外部に突出する突起24に設けたものは、図4に記載の実施態様と同様にポンプより延びた内容物を吸い上げるための液導入用チューブ5Aの液導入端5Bを、下方突起の内部24Bに至らせることが出来るので、内容物がほぼ無くなるまで吐出できる。
【0048】
従って、容器本体を載置場所に固定した状態で、ポンプを外して開口部より補充することも、容器本体に内容物を入れた容器を準備し、載置場所即ち取り付け用ねじにその容器をつけかえることで内容物を補充することも、何れも経済性良く出来る。
【0049】
容器取付部材19を、図8に示す如く、壁面10に取り付け、この容器取付部材19に容器1を取り付けてもよい。この場合は洗面台の近傍でなくともよい。また、浴室の壁面などに容器取付部材19を設けることも出来る。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施形態に係る容器本体の正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るポンプを取付けた容器の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態である容器を洗面台に備えた図である。
【図4】本発明の実施形態である容器本体の内部を示す部分断面図である。
【図5】本発明の実施形態であるキャップを取付けた容器の正面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係るポンプを取付けた容器の正面図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る容器本体の内部を示す部分断面図である。
【図8】本発明の容器を壁面に設けた取付部材にとりつけた状態を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
1、11・・・容器
2、22・・・容器本体
2A・・・底面
2B・・・上部壁面
2C・・・本体中央部
2D・・・固定ねじ接続部
3・・・上方突起
3A・・・ポンプ取付用ねじ
3B・・・開口部
4・・・下方突起
4A、24A・・・固定用ねじ
4B、24B・・・下方突起内部
5・・・ポンプ
5A・・・液導入用チューブ
5B・・・液導入端
5D・・・吐出口
5P・・・押圧部
6・・・キャップ
7・・・化粧料製品
8・・・洗面台
9、19・・・容器取付部材
10・・・壁面
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器に係り、洗面台などで洗浄剤を使用するのに好適な容器に関する。
【背景技術】
【0002】
浴室や洗面台などで、空間を有効に使用するために、台を設けてその上に使用するシャンプーなどの洗浄剤容器を置くものが知られている(特許文献1)。
【0003】
また、同じ目的で吸盤によって壁に固定した平面視二股状の係着座を市販のポンプ付き容器のネジ筒に嵌めるものがある(特許文献2)
一方、容器の下方に剤の出口を設けその周囲にネジを切って容器を栓に固定したものも知られている(特許文献3)。
【0004】
しかるに、特許文献1記載のように台を設けてその上に使用するシャンプーを置くと、ぬれた手などでポンプを押した場合、横に滑って容器が転倒するなどの問題がある。
【0005】
ポンプ容器を壁などに固定することで転倒は防止できるが、特許文献2に記載のようにポンプ容器の首部を細い係着座に固定すると、強い力で押したときに折れるなどの問題がある。
【0006】
特許文献3において押したときに転倒したりずれたりすることはないが、液の重量を利用して滴下するので、押している時間に取り出される液量が依存し、内容液が多すぎたり少なすぎたりする場合がある。
【0007】
【特許文献1】特開平2002−153393号公報
【特許文献2】特開2002−153393号公報
【特許文献3】特開平7−222693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の課題を解決するもので、洗面台などで転倒したりすることのない容器および容器の固定方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、内容物を収納する容器本体に内容物を出すための開口部を有し、上記容器本体に固定用ねじが設けられた容器であって、上記固定用ねじと異なった位置に螺旋の外部に上記開口部が存在している容器を提供することで、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の容器は、洗面台などで使用時に転倒することがない。本発明の容器は、洗面台などに安定して固定できる。本発明の内容物の補充方法は、補充にあたり内容物をこぼして周囲を汚すなどの虞が無い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の第一の実施の形態について、図1〜図5を使って説明する。
【0012】
本発明の容器1の容器本体2は、図1に示す如く、収納する内容物を出すための開口部3B を有し、上記容器本体2の底面2A から突出する固定用ねじ4A が設けてある。すなわち、容器本体2では固定用ねじ4A とは別の位置に内容物を出し入れするための開口部3Bを有する上方突起3が本体上部壁面2B から突出して設けてあり、上方突起3の周囲にポンプ取付用ねじ3A が形成してある。
【0013】
容器本体2は、図1等に示すように、円筒状の本体中央部2C と該本体中央部2C に連続し球または楕円回転体が外に向かって凸になる形状の底面2A と上部壁面2B とからなり、その上端および下端、すなわち底面2A と上部壁面2B の各々の中央部に、開口部3B を有する上方突起3と固定用ねじ4A を有する下方突起4とが突出している。
【0014】
以上のように構成されているので、容器本体2は全体として開口部3B と固定用ねじ4A の中心を通る仮想的な軸ZZ’を中心とした回転体となっていて、軸ZZ’を含む任意の平面を対称面とする対称な形状になっている。
【0015】
このように容器本体が全体として面対称あるいは線対称の形状、好ましくは回転体となっていることで、全体の強度が向上する。
【0016】
固定用ねじ4A は前述の如く、開口部3B と対向する底面2A の略中央に設けられている。固定用ねじ4A (下方突起4)は図4に示すようにその内部が容器本体2の内部と連通する空間4C となっており使用時には内容物で満たされる。この固定用ねじ4A の内部の空間4C には図4に示すようにポンプ5の液導入用チューブ5A の先端にある液導入端5B が達している。
【0017】
図3に示すように、固定用ねじ4A にて、洗面台8に設けた容器取付部材9に容器1が固定される。
【0018】
容器取付部材9は図示しないボルトがその下部9A より突出している。洗面台8の上面の図示しない孔に上記図示しないボルトが挿入され、該図示しないボルトに洗面台8の下方より図示しないナットが螺合して容器取付部材9が洗面台8に固定される。
【0019】
固定用ねじ4A と容器本体2を挟むようにして対向する位置である容器本体2の上部中央には内容物を出し入れするための開口部3B を有する上方突起3が容器本体2の上部壁面2B から突出して設けてあり、上方突起3の周囲にポンプ取付用ねじ3A が形成してある。ポンプ取付用ねじ3A により、内容物を吐出するためのポンプ5が備えられる(図2)。
【0020】
ポンプ5は図4に示すようにその下方に内容物を取り出すための液導入用チューブ5A が設けてあり、その先端(液導入端)5B は、固定用ねじ4A の内部の空間4C に達している。
【0021】
本実施の形態では、内容物として界面活性剤入りの手洗い用洗浄剤が容器本体2に収容されている。使用者がポンプ5の押圧部5P を下方に押すことで、内容物の手洗い用洗浄剤は吐出口5D より吐出され、使用される。
【0022】
なお、本発明で用いる内容物の界面活性剤入りの液体化粧料として、上述した手洗い用洗浄剤のほか、シャンプー、リンスなどの洗浄剤、顔用をはじめとする身体用洗浄料を挙げることができる。そのほか、うがい薬、口腔用洗浄剤などの殺菌(除菌)、消毒を目的とする剤や、台所洗剤等を内容物とすることもできる。
【0023】
本実施形態の如く、固定用ねじ4A を開口部3B と対向する位置である底面2A の略中央に設けることで、内容物である洗浄剤を吐出するためにポンプ5の押圧部5P を必要以上に強い力で押した場合の固定用ねじ4A を備える下方突起4やその周囲の変形が防止できる。特に、本実施形態の如く、固定用ねじ4A とポンプ取付用ねじ3A の回転中心とがほぼ一直線になっているとき変形しにくい。
【0024】
また、上述の如く、外に向かって凸になるように形成した球や楕円回転体などの曲面で構成される上部壁面2B および底面2A の中央部に各々開口部3B を有する突起と固定用ねじ4A とが突出しているので、上部壁面2B あるいは底面2Aがそのほぼ全体で応力を分散支持することになり、この点からも変形しにくい。
【0025】
さらに、容器本体2が記述の如く全体として対称な形状になっていることも変形防止に寄与している。
【0026】
本実施態様では容器本体2を、上述の如く構成したので、ポンプ5を作動させる際の押し圧力による固定用ねじ4A と容器本体2とが接続される部分である固定ねじ接続部2D への応力が周に亘りほぼ均一にかかり、下方突起4(固定用ねじ4A)が固定ねじ接続部2D の部分で折れるなどの損傷を防止できる。
【0027】
すなわち、取り付けるポンプ5の押圧部5P が、固定用ねじ4A の回転中心のほぼ延長上に存在しているのが、固定用ねじ4A の損傷防止のために好ましい。具体的には、上述の如く固定用ねじ4A を備える下方突起4を容器開口部3B と対向する位置である底面2A の略中央に設け、固定用ねじ4A とポンプ取付用ねじ3A との回転中心とがほぼ一直線になるようにすることが好ましい。
【0028】
また、外に向かって凸になるように形成した球や楕円回転体などの曲面の中央部に開口部3B を有する上方突起3や下方突起4(固定用ねじ4A)を設けるようにすれば更に好ましい。
【0029】
ポンプ5はストローク量で吐出量が定まるので、一度に取り出す内容物の量を略一定にする定量取り出しの目的で好適に用いることができる。容器1が粘度の高い洗浄剤を内容物とする場合に、ポンプ容器は特に好んで用いられるが、そのような場合は使用者が必要以上に強い力でポンプ5を押すことが多い。従って、容器本体2の変形防止や固定用ねじ4A の損傷防止の必要性が高いが、特に内容物の粘度が高い場合、本実施形態の如く構成することで剤を出すためにポンプ5の押圧部5P を押したときの変形が抑制ないし防止される。
【0030】
すなわち、取り付けるポンプ5の押圧部5P が、固定用ねじ4A の回転中心のほぼ延長上に存在しているのが好ましい。具体的には、上述の如く固定用ねじ4A を容器本体2の開口部3B と対向する位置である底面2A の略中央に設け、固定用ねじ4A とポンプ取付用ねじ3A との回転中心とがほぼ一直線になるようにすることが好ましい。
【0031】
また、外に向かって凸になるように形成した球や楕円回転体などの曲面の中央部に開口部3B を有する上方突起3や固定用ねじ4A を有する下方突起4を設けるようにすれば更に好ましい。
【0032】
さらに、容器本体2が全体として対称な形状になっていることが好ましい。
【0033】
手洗い用洗浄剤が減ってくると、補充の必要がある。本実施形態では、容器1を洗面台8の容器取り付け部材9に取り付けたまま、ポンプ5を開口部3B のねじから取り外して、上部の開口部3B より補充する。
【0034】
本実施形態では既述の如くポンプ5の液導入用チューブ5A の先端にある液導入端5B が固定用ねじ4A を備えた下方突起内部空間4C に達するようにしている。
【0035】
ここで、下方に向かって凸になるように形成した楕円回転体様の曲面の中央部に固定用ねじ4A を設けたので、残存する内容物である液体洗浄料は、その量が少なくなってきたとき重力の作用で下方突起内部空間4C へと集まり、たまった内容物をポンプ5で吸い上げることが出来る。結果として、内容物が殆ど無くなるまで吐出することが出来る。
【0036】
このように、本実施形態では載置場所に底部の固定用ねじ4A で固定され、固定用ねじ4A の存する容器本体2の底面2A と対向する位置に剤を出すためのポンプ5を備えた開口部3B を有する容器を用い、ポンプ5を開口部3B に設けたねじ3A から外すだけで容器本体は固定用ねじ4A で固定したまま、開口部3B より内容物を補充するという方法を採用するので、補充作業が簡単に行える。また、容器1が載置場所である洗面台8に固定された状態なので、補充時に転倒してこぼれる虞も無い。
【0037】
本実施形態の容器11は、図5の如く、シャンプー、リンス、液体石鹸などの液体化粧料を内容物として容器本体2の開口部3B にポンプ5に代えてキャップ6を設けた化粧料製品7として流通させることもできる。
【0038】
この場合、空になった容器1を容器取り付け部材9より取り外し、容器1が取り外された容器取り付け部材9の図示しない容器取り付けねじ(めねじ)に、化粧料製品7の容器本体2の固定用ねじ4A を螺着させ、その後にキャップ6を新しい容器1の容器本体2より取り外し、代わりに今まで使用していた容器1より取り外したポンプ5を新たに容器取り付け部材9に取り付けた容器本体2の開口部3B に取り付けるという方法で容器交換を実施することになる。
【0039】
このように収納する内容物を出すための開口部3B 、上記容器本体2の底面2A から突出するように固定用ねじ4A が設けてある容器本体に内容物、具体的にはシャンプー、リンスなどの界面活性剤入りの液体化粧料を収容した状態で内容物入り容器を化粧料製品7として提供し、上述のごとき方法で内容物の入った容器1、11を交換するという方法によれば、洗面台8などで開口部3B より容器本体に界面活性剤入りの液体化粧料を補充する際に剤をこぼしたりして周囲を汚すという虞が無くなる。
【0040】
上述の如く、開口部3B を、上記容器本体2の底面2A から突出するように固定用ねじ4A が設けてある容器本体に内容物を入れ、キャップで蓋をすると、ポンプが再利用できるので好ましいばかりでなく、充填や物流のコストも節減できる。
【0041】
また、キャップを外しポンプに交換する際に容器本体が固定されているので、誤って転倒させて内容物がこぼれたりする虞もない。
【0042】
本発明の容器は、その容器本体をいろいろな形状とすることが出来る。
【0043】
たとえば、球体とし、その上部に開口部3B を設け下部に固定用ねじ4A を設けることもできる。この場合、開口部3B 及び固定用ねじ4A は直径の両端の位置になるように配置することが好ましい。
【0044】
また、図6の如く、容器本体22の形状を上方に向かって大きくなる形状とし、内容物が充填された状態での重心の高さが容器本体の上端から約3分の1より上に存在するといったきわめて不安定な形状とすることもできる。
【0045】
本発明では容器を固定するので、このように、安定性を気にすることなく、通常の容器では困難な種々のデザインを採用できる。
【0046】
また、容器の底面に設ける固定用ねじを容器本体22に入り込む形式の雌ねじとし、容器取付部材9の側を雄ねじとしても良い。こうすることで、容器に横方向の強い力が加わったときにねじが壊れにくくなる。
この場合はポンプ5より延長している液導入用チューブ5A が内容物を吸い上げることができなくなったとき、残量が比較的多くなる。従って、容器本体に内容物を入れキャップをした化粧料製品を交換用として提供すると経済性が悪いので、容器本体を載置場所すなわち容器取付部材9に固定した状態で、ポンプ5を外して開口部3B より内容物を補充する補充方法を採用するのが好ましい。この方法によらないときは早めの補充を必要とする。
【0047】
対して、固定用ねじ24A を雌ねじとしつつも図7のごとく容器本体22の外部に突出する突起24に設けたものは、図4に記載の実施態様と同様にポンプより延びた内容物を吸い上げるための液導入用チューブ5Aの液導入端5Bを、下方突起の内部24B に至らせることが出来るので、内容物がほぼ無くなるまで吐出できる。
【0048】
従って、容器本体を載置場所に固定した状態で、ポンプを外して開口部より補充することも、容器本体に内容物を入れた容器を準備し、載置場所即ち取り付け用ねじにその容器をつけかえることで内容物を補充することも、何れも経済性良く出来る。
【0049】
容器取付部材19を、図8に示す如く、壁面10に取り付け、この容器取付部材19に容器1を取り付けてもよい。この場合は洗面台の近傍でなくともよい。また、浴室の壁面などに容器取付部材19を設けることも出来る。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施形態に係る容器本体の正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るポンプを取付けた容器の斜視図である。
【図3】本発明の実施形態である容器を洗面台に備えた図である。
【図4】本発明の実施形態である容器本体の内部を示す部分断面図である。
【図5】本発明の実施形態であるキャップを取付けた容器の正面図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係るポンプを取付けた容器の正面図である。
【図7】本発明の他の実施形態に係る容器本体の内部を示す部分断面図である。
【図8】本発明の容器を壁面に設けた取付部材にとりつけた状態を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
1、11・・・容器
2、22・・・容器本体
2A・・・底面
2B・・・上部壁面
2C・・・本体中央部
2D・・・固定ねじ接続部
3・・・上方突起
3A・・・ポンプ取付用ねじ
3B・・・開口部
4・・・下方突起
4A、24A・・・固定用ねじ
4B、24B・・・下方突起内部
5・・・ポンプ
5A・・・液導入用チューブ
5B・・・液導入端
5D・・・吐出口
5P・・・押圧部
6・・・キャップ
7・・・化粧料製品
8・・・洗面台
9、19・・・容器取付部材
10・・・壁面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収納する容器本体に内容物を出すための開口部と固定用ねじとが設けられ、上記開口部が上記固定用ねじとは異なった位置に突出する突起に設けられていると共に内容物を吐出するためのポンプを有している容器。
【請求項2】
固定用のねじが開口部と対向する位置に設けられた請求項1記載の容器。
【請求項3】
上記ポンプを動作させるために加える力が上記対向する位置に向かうものである請求項1又は2記載の容器。
【請求項4】
固定用のねじの内部が内容物を入れる空間の一部である請求項1ないし3記載の容器。
【請求項5】
上記ポンプの液導入用チューブの液導入端が、上記固定用のねじの内部に達している、請求項4記載の容器。
【請求項6】
請求項1ないし5記載の容器に、内容物として界面活性剤入りの液体化粧料を内容した化粧料製品。
【請求項7】
内容物を出すための開口部と、該開口部とは対向する位置に設けられた固定用のねじを有する容器本体。
【請求項8】
固定用のねじの内部が内容物を入れる空間の一部である請求項6記載の容器本体。
【請求項9】
内容物を出すための開口部と、該開口部とは対向する位置に設けられ、その内部が内容物を入れる空間の一部である固定用のねじを有する容器本体に、内容物として界面活性剤入りの液体化粧料を内容し、上記開口部を蓋体で封じた化粧料製品。
【請求項10】
内容物を収容するための容器本体の固定用ねじが設けられた底部と対向する位置に剤を出すためのポンプを備えた開口部を設けた容器に剤を充填する方法であって、上記固定用ねじを用いて載置場所に固定された容器本体から上記ポンプを外し、容器本体が上記ねじを用いて上記載置場所に固定された状態の下で上記容器本体に上記開口部より内容物を入れる、容器に剤を充填する方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収納する容器本体に内容物を出すための開口部と、載置場所への固定用ねじとが設けられ、上記開口部が上記固定用ねじとは異なった位置に設けられていると共に内容物を吐出するための手押しのポンプを有している容器。
【請求項2】
固定用ねじが開口部と対向する位置に設けられた請求項1記載の容器。
【請求項3】
上記ポンプを動作させるために加える力が上記対向する位置に向かうものである請求項2記載の容器。
【請求項4】
固定用ねじの内部が内容物を入れる空間の一部である請求項1ないし3記載のいずれかに記載の容器。
【請求項5】
固定用ねじが容器の底部に設けられ、上記ポンプの液導入用チューブの液導入端が、上記固定用ねじの内部に達している請求項4記載の容器。
【請求項6】
請求項1ないし5記載のいずれかに記載の容器に、内容物として界面活性剤入りの液体化粧料を収容した化粧料製品。
【請求項7】
ポンプ取付用ねじが形成された内容物を出すための開口部と、該開口部とは対向する位置に設けられた載置場所への固定用ねじを有する容器本体。
【請求項8】
固定用ねじの内部が内容物を入れる空間の一部である請求項記載の容器本体。
【請求項9】
ポンプ取付用ねじが形成された内容物を出すための開口部と、該開口部とは対向する位置に設けられた載置場所への固定用ねじであってその内部が内容物を入れる空間の一部である固定用ねじを有する容器本体に、内容物として界面活性剤入りの液体化粧料を収容し、上記開口部を蓋体で封じた化粧料製品。
【請求項10】
内容物を収容するための容器本体の、載置場所への固定用ねじが設けられた底部と対向する位置に剤を出すためのポンプを備えた開口部を設けた容器に剤を充填する方法であって、上記固定用ねじを用いて載置場所に固定された容器本体から上記ポンプを外し、容器本体が上記固定用ねじを用いて上記載置場所に固定された状態の下で上記容器本体に上記開口部より内容物を入れる、容器に剤を充填する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−213339(P2006−213339A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−25762(P2005−25762)
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】