説明

容器

【課題】容器中の被処理物の体勢変化が大きい処理装置に用いても、容器から被処理物が飛び出すことのない容器を提供することを目的とする。
【解決手段】内容器4、外容器5.および蓋6を有する容器であって、内容器は、被処理物を収容する収容空間を有し、被処理物が通過することができない複数の孔によって収容空間が外部と通じている。外容器は、内容器を収容し、複数の孔を有する。蓋は、周辺部を内容器に支え、中央部を収容空間側に押さえて、内容器の収容空間を覆い、内容器と外容器とを一体化させる。 そうすることによって、被処理物を内容器の収容空間に収容し、収容空間を覆う蓋で内容器と一体化させた外容器を処理液中で回転させるような容器中の被処理物の体勢変化が大きい処理装置に用いても、内容器に蓋がされているので、容器から被処理物が飛び出すことがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理物に処理液を接触させることによって被処理物の表面を処理する処理装置に用いられる容器に関する。
【背景技術】
【0002】
めっき処理は、金属およびプラスチックなどの製品(被処理物)の表面に、他の金属などを被覆する処理である。めっき処理を施すことによって、めっき処理前にはなかった耐食性および装飾性などの特性を被処理物に付与することができる。
【0003】
実際に行われるめっき処理の工程を工程順に分けると、研磨工程、前処理工程、めっき工程、後処理工程および乾燥工程などである。これらの工程は、めっきする被処理物の材質、形、大きさ、仕上がり状態およびめっきの種類などによってそれぞれ異なるが、以下のような工程である。
【0004】
研磨工程は、被処理物の表面を平滑に研磨する。前処理工程は、被処理物の表面にある不純物を除去する。めっき工程は、被処理物の表面に金属を被覆する。後処理工程は、金属を被覆した被処理物にさらに表面加工および耐食性の付与などの処理を行う。乾燥工程は、被処理物を乾燥させる。以上の工程によって、被処理物にめっき処理を施すことができる。
【0005】
後処理工程としては、種々知られているが、亜鉛めっきの後処理工程としては、クロメート処理が知られている。クロメート処理は、クロメート(クロム酸)を含む処理液に、亜鉛めっきを施した被処理物を浸漬させると、亜鉛の表面が酸によって一部溶解し、そのためクロムが還元されると同時に、表面近傍のpHが上昇し、クロムを主とした塩、酸化物および水和物などの複雑な化合物が表面に付着してクロメート皮膜を形成する。したがって、亜鉛めっきを施した被処理物にクロメートを含む処理液を効率よく接触させることによって、効率的にクロメート処理を行うことができる。そのような被処理物に処理液を接触させることによって、被処理物の表面を処理する方法としては、以下のようなものが知られている。
【0006】
従来、バレルめっき装置を用いためっき処理の後処理(たとえば、バレルめっき装置を用いて亜鉛めっきをした後に行うクロメート処理など)としては、バレルめっき装置をそのまま用いて後処理する方法と、めっき処理をした後、バレルめっき装置から乾燥かごおよびバスケットなどの別の容器に被処理物を入れ替えて、回転軸が鉛直方向に平行となるように容器を往復回転させる水平スクリュ式回転を行って後処理する方法とがある。したがって、後処理をする処理装置としては、バレル式の処理装置(バレルめっき装置)と、被処理物を収容した容器に水平スクリュ式回転などを行うバスケット(かご)式の処理装置とがある。バレル式の処理装置とバスケット式の処理装置とには、それぞれメリットとデメリットとがある。
【0007】
バレル式の処理装置には、以下のようなメリットがある。バレル式の処理装置は、被処理物を収容した容器(バレル)を回転軸が鉛直方向に対して垂直になるように回転させる。そうすることによって、バレル式の処理装置は、バスケット式の処理装置に比べて、被処理物がバレル中でよく動き、被処理物の体勢をよく変化させることができる。つまり、バレル式の処理装置は、バスケット式の処理装置と比較して、被処理物のある面同士が、接触したままになることが少ない。被処理物のある面同士が、接触したままになっていると、処理中、被処理物と処理液とがあまり接触しない部分が存在することになり、処理液とあまり接触しない部分は、充分に処理されない。つまり、被処理物に、被処理物同士の重なりにより充分に処理されていない部分(タッチ)が生じてしまう。タッチがあると、その部分は防錆皮膜などの皮膜が薄いため、当然ながら耐食性は低くなってしまう。その点、バレル式の処理装置は、上記に記載したように、被処理物のある面同士が、接触したままになることが少ないので、タッチの発生が少なく、被処理物に充分な耐食性を付与することができる。
【0008】
また、バレル式の処理装置は、一般的に容器の容量が大きく、さらに、装置中の被処理物の体勢変化が大きいので、容量が大きい容器に多量の被処理物を投入しても、充分に処理することができる。つまり、一回に処理できる量も、バスケット式の処理装置を用いた場合より多くすることができる。
【0009】
さらに、バレル式の処理装置は、めっき処理前に行う前処理、めっき処理および後処理を、バレルで行うことができる。つまり、処理毎に被処理物を別の容器に入れ替えることなく、すべて同じ容器で行うことができる。したがって、製造ラインとしては、簡単な構造になり、製造コストも安価になる。
【0010】
しかしながら、バレル式の処理装置には、以下のようなデメリットがある。バレル式の処理装置は、後処理の後に行う被処理物を乾燥させる乾燥処理を行うために、乾燥かごへ移す必要がある。その際、被処理物の表面が濡れたままシュータを滑らせて、乾燥かごへ移すので、被処理物とシュータとがこすれて、めっき処理および後処理などで形成された皮膜が脱落してしまったり、被処理物がシュータなどに打ちつけられて、きずができてしまったりする。そのような部分は、防錆皮膜などの皮膜が薄くなって、下地めっきが露出してしまうため、当然ながら耐食性は低くなってしまう。
【0011】
また、後処理の際、バレルを回転させる速度をインバータなどで調整して高速回転させるが、バレル内で攪拌される被処理物の体勢変化には、限界があり、ワッシャなどの平面部の多い被処理物でも処理できるが、ワッシャより平面部が多い被処理物および薄い板状の被処理物(特に厚さが1.0mm以下の被処理物)などでは、不良品であるタッチのある被処理物になってしまう。
【0012】
それに対して、バスケット式の処理装置には、以下のようなメリットがある。バスケット式の処理装置は、バレル式の処理装置とは異なり、後処理時に用いた容器(バスケット)のまま乾燥処理を行うことができるので、バレル式の処理装置のような被処理物がシュータとこすれることなどによる皮膜の脱落が全くない。
【0013】
しかしながら、バスケット式の処理装置には、以下のようなデメリットがある。バスケット式の処理装置は、キャリアアームによって、バスケットを水平スクリュ回転、または、水平スクリュ回転させながら、鉛直方向に上下運動させるだけであるので、バスケット中の被処理物の体勢は、あまり変化しない。そのため、バスケット式の処理装置は、ナット、ねじおよびプレス品などの平面の少ない凹凸が大きい被処理物を後処理する場合には使用することができるが、平面部の多いワッシャなどの被処理物を後処理する場合には、タッチが非常に多くできてしまうため、使用することができない。
【0014】
また、被処理物の体勢が変化しにくいので、一回に処理できる量も少なくする必要があり、生産性が低くなってしまう。さらに、バスケット式の処理装置は、キャリアアームをバスケットに上部から連結させて回転させているので、蓋をすることができない。したがって、被処理物の体勢の変化を大きくするため、回転速度を高めようとすると、被処理物が外に飛び出してしまう。
【0015】
典型的な従来の技術は、特許文献1に記載されている。特許文献1には、バスケット式の処理装置であり、縦軸芯周りで往復回転し、かつ、その回転軸芯に沿って上下動する吊り下げ部材をもっているめっき後処理装置が記載されている。吊り下げ部材によってバスケットの上縁の複数個所を吊下げて、バスケットと吊り下げ部材とを係合保持する。また、バスケットの回転反転時にバスケット全体に衝撃力を与えるための隙間をバスケットと吊り下げ部材との間に設けている。
【0016】
【特許文献1】特開昭61−153297号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従来の後処理装置は、上記のように、一長一短がある。また、ワッシャのような平面部の多い被処理物には、バレル式の処理装置を使用することが好ましく、ナット、ねじおよびプレス品などの平面部の少ない凹凸が大きい被処理物には、バスケット式の処理装置を使用することが好ましい。したがって、被処理物ごとに、使用する処理装置を選定する必要がある。
【0018】
特許文献1に開示されているめっき後処理装置は、バスケットの回転を反転させる際に、バスケット全体に衝撃力を与えるので、被処理物の体勢変化を大きくすることができるが、バレル式の処理装置と比べたら、被処理物の体勢変化は小さい。そこで、被処理物の体勢変化を大きくしようとすると、容器に蓋をすることができないので、被処理物の容器からの飛び出しなどが発生してしまう。
【0019】
本発明の目的は、容器中の被処理物の体勢変化が大きい処理装置に用いても、容器から被処理物が飛び出すことのない容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、被処理物に処理液を接触させることによって被処理物の表面を処理する処理装置に用いられ、前記被処理物を収容するための容器であって、
被処理物を収容する収容空間を有し、被処理物が通過できない複数の孔によって収容空間が外部と通じた内容器と、
内容器を収容し、複数の孔を有した外容器と、
周辺部を内容器に支え、中央部を収容空間側に押さえて、内容器の収容空間を覆い、内容器と外容器とを一体化させる蓋とを有することを特徴とする容器である。
【0021】
また本発明は、蓋は、外周が円形であることを特徴とする。
また本発明は、蓋は、内容器の収容空間を覆ったときに、収容空間の反対側になるように設けられる突起部と、
突起部を内容器の収容空間側に押さえる押込部材とを有することを特徴とする。
【0022】
また本発明は、押込部材は、中央部と中央部の両端に設けられる両端部とを有し、
両端部は、円柱形であって、その中心軸が突起部の突出方向に直交し、
押込部材は、両端部の中心軸回りに回転したときに、中央部の下端部の位置が突出方向に沿って変化して、突起部を押えるように構成されることを特徴とする。
【0023】
また本発明は、押込部材は、中央部と中央部の両端に設けられる両端部とを有し、
両端部は、円柱形であって、その中心軸が突起部の突出方向に直交し、
中央部は、円柱形であって、その中心軸と両端部の中心軸とがずれており、
押込部材は、両端部の中心軸回りに回転したときに、中央部の下端部の位置が突出方向に沿って変化して、突起部を押えるように構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、内容器、外容器および蓋を有する容器であって、被処理物に処理液を接触させることによって被処理物の表面を処理する処理装置に用いられ、その被処理物を収容するための容器である。内容器は、被処理物を収容する収容空間を有し、被処理物が通過することができない複数の孔によって収容空間が外部と通じている。外容器は、内容器を収容し、複数の孔を有する。蓋は、周辺部を内容器に支え、中央部を収容空間側に押さえて、内容器の収容空間を覆い、内容器と外容器とを一体化させる。
【0025】
そうすることによって、被処理物を内容器の収容空間に収容し、収容空間を覆う蓋で内容器と一体化させた外容器を処理液中で回転させるような容器中の被処理物の体勢変化が大きい処理装置に用いても、内容器に蓋がされているので、容器から被処理物が飛び出すことがない。
【0026】
また、蓋の中央部を収容空間側に押さえているので、被処理物の体勢変化が大きくて被処理物が蓋に激しくぶつかっても、蓋がゆるむことがない。さらに、蓋は、周辺部を内容器に支え、中央部を収容空間側に押さえているので、収容空間側に凹んで内容器の収容空間を覆う。したがって、蓋は、内容器の開口部の縁に接し、蓋と内容器の開口部との間に隙間ができないので、蓋と内容器との間に被処理物が挟まれることがない。
【0027】
また本発明によれば、蓋は、外周が円形であるので、内容器の開口部に均一な力で押さえることができるので、蓋と内容器の開口部との間に隙間ができず、蓋と内容器との間に被処理物が挟まれることがない。
【0028】
また本発明によれば、蓋は、内容器の収容空間を覆ったときに、収容空間の反対側になるように設けられる突起部と、その突起部を内容器の収容空間側に押さえる押込部材とを有する。したがって、突起部を押込部材によって抑えることによって、蓋の中央部を内容器の収容空間側に凹むようにして、蓋を内容器に設置することができる。
【0029】
また本発明によれば、押込部材は、中央部と中央部の両端に設けられる両端部とを有する。その両端部は、円柱形であって、その中心軸が突起部の突出方向に直交する。そのような押込部材は、両端部の中心軸回りに回転したときに、中央部の下端部の位置が突出方向に沿って変化して、突起部を押さえるように構成されている。したがって、押込部材は、回転させるだけで、蓋の中央部を容易に押さえることができる。さらに、押込部材を回転させる度合いを調整することによって、蓋を押さえる強度を容易に調節できる。
【0030】
また本発明によれば、押込部材は、中央部と中央部の両端に設けられる両端部とを有する。両端部は、円柱形であって、その中心軸が突起部の突出方向に直交し、中央部は、円柱形であって、その中心軸と両端部の中心軸とがずれている。そのような押込部材は、両端部の中心軸回りに回転したときに、中央部の下端部の位置が突出方向に沿って変化して、突起部を押さえるように構成されている。したがって、押込部材は、回転させるだけで、蓋の中央部を容易に押さえることができる。さらに、押込部材を回転させる度合いを調整することによって、蓋を押さえる強度を容易に調節できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に本発明を実施の形態によって詳細に説明する。本発明は、その要旨を変えない限り、本実施の形態に限定されるものではない。
【0032】
本発明の実施形態である容器は、被処理物の体勢を変化させることによって、被処理物の表面全体に処理液を接触させて、被処理物の表面を処理する処理装置に用いられる容器である。たとえば、めっき処理の後処理工程である亜鉛めっきのクロメート処理などを行う処理装置に用いることができる。
【0033】
図1は、本発明の実施形態である容器1を用いた処理装置2を示す概略断面図である。本発明の実施形態である容器1は、内かご4、外かご5および蓋6から構成される。処理装置2は、容器1、処理液貯留槽3および回転手段7などを含んで構成される。処理液貯留槽3は、上方に開放し、略直方体形状の貯留空間8を有し、貯留空間8に、被処理物10の表面を処理するための処理液9、たとえば、クロメート処理液を貯留する。
【0034】
内かご4は、被処理物10を投入するための開口部を有し、被処理物10を収容することができる。外かご5は、内かご4を収容することができ、回転手段7と接続されている。蓋6は、外かご5に支持されて、内かご4の開口部を閉じる。そうすることによって、内かご4には、被処理物10を収容するための閉じた収容空間11を形成する。また、外かご5によって支持された蓋6によって、内かご4の開口部は閉じられるので、蓋6によって、内かご4に蓋をするとともに、内かご4と外かご5とは、一体となって、回転される。
【0035】
回転手段7は、図示しないモータと歯車12とを含む。歯車12は、処理液貯留槽3の内部に設置されている。歯車12は、モータによって、回転されて、外かご5に設置されている歯車12を回転させる。そうすることによって、内かご4は、外かご5とともに処理液9中で回転し、内かご4中の被処理物10の表面全体に処理液9を接触させることができる。内かご4は、内容器であり、外かご5は、外容器である。
【0036】
外かご5の構成について説明する。図2は、外かご5の正面図である。図3は、外かご5の上面図である。図4は、外かご5の側面図である。図4(a)は、外かご5の右側面図であり、図4(b)は、左側面図である。図5は、外かご5の底面図である。図6は、図3の切断面線S1−S1から見た断面図である。図7は、図3の切断面線S2−S2から見た断面図である。
【0037】
外かご5は、周胴部13、底板14、内かご固定板15、蓋支持具16および回転軸固定板17を有する。
【0038】
周胴部13は、図2および図3に示すように、複数の透孔18を有する8枚の矩形状で平面状の板材によって構成され、板材が互いに連結して、鉛直方向に垂直な断面形状が八角形の筒状となっている。
【0039】
底板14は、図2に示すように、周胴部13の下部に連結されている。底板14は、図5に示すように、周胴部13の鉛直方向に垂直な断面である八角形と同じ形状の平板であり、複数の透孔18を有する。また、底板14は、外かご5が回転しやすいように、角を落としている。
【0040】
内かご固定板15は、図3、図6および図7に示すように、水平方向に設置される内かご固定板15aと鉛直方向に設置される内かご固定板15bとがある。水平方向に設置される内かご固定板15aは、周胴部13を構成する板材に垂直に2枚設置され、鉛直方向に設置される内かご固定板15bは、周胴部13を構成する板材から外かご5の中心に向う方向に平行に設置されている。たとえば、図3に示すように、周胴部13を構成する板材に垂直に8枚設置されている。
【0041】
水平方向に設置される内かご固定板15aは、中央部に内かご4が通過することができる孔が形成されている。また、特に図6を参照して、鉛直方向に設置される内かご固定板15bの下部は、内かご4を支持するために、内かご4が通過することができる孔の内側に入ってくるようになっているが、鉛直方向に設置される内かご固定板15bの下部以外は、内かご4が通過することができる孔の内側にはみ出さないようになっている。
【0042】
鉛直方向に設置される内かご固定板15bの下部以外では、内かご4が通過することができる孔の内側にはみ出さないように鉛直方向に設置される内かご固定板15bが設置されているので、外かご5に内かご4を円滑に挿入することができる。さらに、下部は、内かご4が通過することができる孔の内側に入ってくるように鉛直方向に設置される内かご固定板15bを設置しているので、外かご5が内かご4を支持することができ、安定して収容することができる。また、内かご固定板15は、図3に示すように、複数の透孔19を有する。
【0043】
蓋支持具16は、図2〜4、6および7に示すように、周胴部13を構成する対向する二枚の板材の内側で、水平方向に設置される内かご固定板15aの上部に設置する。蓋支持具16は、蓋6を支持することができる。
【0044】
回転軸固定板17は、図2〜7に示すように、蓋支持具16を設置した二枚の板材の外側に設置され、外かご5を回転させるための回転軸を設置するので、周胴部13を構成する板材の中央部に設置される。外かご5は、樹脂、たとえば、ポリ塩化ビニル(PVC)で構成される。
【0045】
また、回転手段には、回転軸20を含み、回転軸20は、外かご5の外側にを設置する。たとえば、図2〜7に示すように、回転軸20は、回転軸固定板17に設置する。さらに、周胴部13の左側面に設置された回転軸固定板17に歯車21を設置する。回転手段7で歯車21を回転させることによって、外かご5は、回転軸20の中心を通る回転軸線22を中心に回転する。そうすることによって、内かご4中に、回転軸20が存在しないので、回転時に、回転軸20が被処理物の体勢変化を妨げることがない。したがって、より被処理物の体勢変化を大きくすることができ、タッチなどの不良品をさらに発生させずに処理することができる。また、回転軸線22は、水平方向で、外かご5の中央部を通っている。
【0046】
内かご4の構成について説明する。図8は、内かご4の正面図である。図9は、内かご4の上面図である。図10は、内かご4の底面図である。図11は、内かご4の断面図である。
【0047】
内かご4は、円筒部23と底部24とを含んで構成される。円筒部23および底部24には、被処理物が通過することができない透孔25が形成されている。
【0048】
円筒部23は、図8および9に示すように、円筒形であり、下部に底部24を連結している。底部24は、図9に示すように、円筒部23の断面形状である円形であり、外かご5中に挿入しやすいように、角を落としている。内かご4は、鉛直方向に垂直な断面が円形であるので、後処理後に使用する乾燥装置、たとえば、遠心分離型脱水機などに好ましく使用することができる。したがって、被処理物を別の容器に入れ替えることなく、被処理物を内かご4に入れたまま、乾燥させることができる。
【0049】
透孔25は、図8〜10では、省略しているが、円筒部23および底部24の全面に形成されている。そうすることによって、内かご4を処理液に浸漬させると、内かご4中の被処理物も処理液に浸漬される。
【0050】
また、円筒部23には、内かご4を補強するために4本の補強ベルト26が設置されている。補強ベルト26は、水平で、円筒部23の外側に、一周するように設置される。図8に示すように、内かご4の開口部に最も近いところに設置されている補強ベルト26には、取手28が形成されている。取手28は、内かご4を運搬するときに、キャリアアームなどの運搬手段を引っ掛けるために使用する。
【0051】
テーパ部29は、図9および図11に示すように、円筒部23の内側に設置されている。テーパ部29は、一方の端面を円筒部23の内側に設置する。また、上部の母線が水平であり、下部の母線が、上部の母線に近づくように傾斜されている。もう一方の端面は、円筒部23の内側に接触している端面より小さくなる。さらに、下部の母線と上部の母線とが交わってもよい。つまり、円筒部23の内側に接触していない端面は存在しなくてもよい。また、テーパ部29は、円筒部23にボルト27によって固定されている。
【0052】
メッシュ30は、内かご4の内壁に沿って配置されている。そうすることによって、被処理物が、内かご4に直接あたらないので、被処理物に傷が付いたり、皮膜の脱落が少なくなる。さらに、乾燥工程において、被処理物が乾燥されやすくなる。メッシュ30がなければ、乾燥工程において、内かご4にくっついたままの被処理物があるので、乾燥されない被処理物が生じる。
【0053】
また、テーパ部29には、図11に示すように、メッシュ30が連結されている。つまり、メッシュ30は、テーパ部29に連結されているので、メッシュ30の交換の際は、テーパ部29を固定しているボルト27をはずし、テーパ部29とともに容易に交換することができる。内かご4は、金属、たとえば、ステンレス鋼(SUS304)で構成される。
【0054】
蓋6の構成について説明する。図12は、蓋6の上面図、正面図および右側面図である。図12(a)は、蓋6の上面図である。図12(b)は、蓋6の正面図である。図12(c)は、蓋6の右側面図である。なお、図12には、押込部材であるシャフトを図示していない。
【0055】
蓋6は、蓋面部31と突起部である押さえボルト32と図示しないシャフトとを含んで構成される。蓋面部31は、被処理物が通過することができない透孔34が形成されている。透孔34は、図12(a)では、省略しているが、蓋面部31の全面に形成されている。
【0056】
押さえボルト32は、図示しないシャフトによって、蓋面部31の中央部を押し下げる。押さえボルト32は、図12(a)〜図12(c)に示すように、押さえボルト支持具35によって、蓋面部31の中央部に支持されている。押さえボルト32は、用いるボルトによって、高さを微調整することができる。押さえボルト32の高さを調節することで、シャフトによって、押さえボルト32を押し下げて、蓋面部31の中央部を押さえつける力を調節することができる。
【0057】
蓋6を装着した内かご4について説明する。図13は、蓋6を装着した内かご4の正面図である。図14は、蓋6を装着した内かご4の上面図である。図15は、図14の切断面線S3−S3から見た断面図である。図16は、図14の切断面線S4−S4から見た断面図である。
【0058】
蓋6は、図13〜16に示すように、内かご4中のテーパ部29上に積置される。さらに、シャフト33によって、押さえボルト32を押し下げて、蓋面部31の中央部を押えつける。そうすることによって、蓋6は内かご4に装着される。また、シャフト33は、図14〜16に示すように、外かご5の蓋支持具16に着脱可能に支持されている。したがって、内かご4に蓋6を装着することによって、内かご4、外かご5および蓋6が一体化される。シャフト33は、金属、たとえば、チタンで構成されていているので、シャフト33は、充分な強度を有する。
【0059】
図17は、シャフト33によって、押さえボルト32を押さえつける機構について説明する図である。図17(a)は、シャフト33によって、押さえボルト32を押さえつけていない図であり、図17(b)は、シャフト33によって、押さえボルト32を押さえつけている図である。
【0060】
シャフト33は、中央部であるシャフト本体36と両端部である回転軸37と回転棒34とを含む。シャフト33は、回転軸37の中心軸とシャフト本体36の中心軸とがずれている偏芯シャフトである。また、シャフト33は、図13〜16に示すように、蓋支持具16によって、回転軸37を支持されている。したがって、シャフト33は、押さえボルト32の突出方向に直交するように支持され、シャフト33を回転棒34によって回転軸37の軸線まわりに回転させても、回転軸37の中心Cは、その位置を変化させない。
【0061】
図17(a)および図17(b)に示すように、回転軸37の中心Cとシャフト本体36の下端面との距離D1は、シャフト33を回転棒34によって回転軸37の軸線まわりに約90度回転させると、回転軸37の中心Cとシャフト本体36の下端面との距離D2となる。したがって、シャフト33を回転棒34によって回転軸37の軸線まわりに約90度回転させると、シャフト本体36の下端面の位置が、距離D2と距離D1との差である距離Aの分、押さえボルト32の突出方向に沿って移動する。そうすることによって、シャフト33は、押さえボルト32を押し下げることができる。
【0062】
図18は、内かご4に蓋6を装着したときの模式図である。図18に示すように、シャフト33によって、押さえボルト34が押し下げられ、蓋面部31の中央部が押えつけられる。つまり、蓋面部31は、内かご4の内側に、膨らむようにしなっている。そうすることによって、蓋面部31と内かご4のテーパ部29との間には、隙間ができず、非常に薄い被処理物、たとえば、厚さが0.5mmのワッシャであっても、内かご4と蓋6との間に、入り込むことがない。
【0063】
さらに、ねじ式の蓋および蓋の周辺部を押さえつけた場合は、内かごに蓋を強く締め付けることができず、処理中、被処理物が蓋に落下し衝突すると、徐々に緩くなってしまう。しかし、蓋面部31の中央部が押し下げられると、内かご4を回転させて、被処理物が蓋6に落下しても、内かご4への蓋6の装着が、緩むことがない。
【0064】
また、処理装置2は、内かご4に蓋6を装着するので、蓋を装着することができないバスケット式の処理装置と比較して、内かご4に収納することができる被処理物の量が多くすることができる。具体的には、被処理物によって異なるが、バスケット式の処理装置が、装置中のかごの1/4以上2/5以下が好ましいのに対して、処理装置2は、内かご4の1/2以上4/5以下が好ましい。
【0065】
処理装置2を用いて被処理物を処理する動作について説明する。図19は、蓋6によって内かご4が一体化された外かご5を回転している処理装置2を示す概略断面図である。
【0066】
図1に示すように、処理装置2は、内かご4中の収容空間11に被処理物10を収容し、蓋6によって、内かご4および外かご5を一体化する。処理装置2は、図19(a)および図19(b)に示すように、回転手段7によって、内かご4が一体化された外かご5を、回転軸が鉛直方向に垂直になるように回転させる。さらに、外かご5を、処理液9中で回転させる。そうすることによって、処理液9中で被処理物10の体勢を大きく変化させることができる。したがって、被処理物10の形状を問わず、被処理物10にタッチなどの不良品を発生させずに処理することができる。
【0067】
また、被処理物10を処理した後、被処理物10を乾燥させるために、被処理物10を別の容器を入れ替える必要がない。つまり、内かご4に被処理物10を収容したまま、内かご4のみを処理装置2から遠心分離型脱水機などの乾燥装置に運搬して乾燥させることができる。したがって、容器の入れ替えなどによって、被処理物10がこすれたりすることがなく、皮膜の脱落などを防ぐことができる。
【0068】
外かご5を回転させる回転速度は、5rpm以上8rpm以下であることが好ましく、より好ましくは、6rpm以上8rpm以下であり、さらに好ましくは、6rpm以上7.89rpm以下である。回転速度が5rpmより小さいと、処理した後の被処理物に、タッチなどの不良品が3%〜5%程度、特に薄い被処理物の場合、数十%も発生してしまう。回転速度が8rpmより大きいと、被処理物がきずついてしまったり、処理液貯留槽から処理液が飛び散ったりしてしまう。また、外ねじなどのきずがつきやすい被処理物の場合は、回転速度は、6rpm以上7rpm以下が特に好ましい。
【0069】
処理液9としては、被処理物と接触させて、被処理物を処理する処理液であればよく、たとえば、亜鉛めっき処理をした後の後処理には、3価および6価のクロメート処理液を用いることができる。クロメート処理液を用いることによって、タッチを生じさせずに、クロメート処理をすることができる。
【0070】
処理液貯留槽3は、80cm以上100cm以下の深さの貯留槽が好ましい。また、内かご4は、30cm以上50cm以下の深さの容器が好ましく、回転軸20は、処理液貯留槽3の底から50cm以上60cm以下のところが好ましい。
【0071】
図20は、本発明の他の実施形態である容器1を用いた処理装置41を示す概略図である。図20(a)は、処処理装置41の正面図である。図20(b)は、処理装置41の上面図である。図20(c)は、処理装置41の右側面図である。
【0072】
処理装置41は、外かご5を運搬するためのアーム42が設置されていること以外は、処理装置2と同様である。アーム42は、図20(a)〜20(c)に示すように、外かご5の回転軸20に設置されている。また、アーム42は、キャリアなどの図示しない運搬手段と接続される。そうすることによって、処理装置41は、運搬手段によって、外かご5を、被処理物の入った内かご4とともに運搬することができる。
【0073】
複数の処理液を用いて被処理物を処理する場合、被処理物の入った内かご4を外かご5から抜き出して内かご4を移動させたり、処理液貯留槽3の処理液を入れ替えたりする必要がない。つまり、内かご4を外かご5に収容したまま、外かご5をキャリアなどの運搬手段を用いて、処理液貯留槽3まで運搬し、外かご5に設置されている歯車21と、処理液貯留槽3に設置されている歯車12とが合うように、外かご5を処理液貯留槽3に挿入するだけでよい。
【0074】
さらに、内かご4を外かご5に収容するとき以外は、内かご4の開口部が上方である必要がなくないので、容易に、複数の処理液で処理することができる。
【0075】
以下に、本発明である容器1を用いた処理装置2を用いた場合と従来の処理装置(バレル式の処理装置およびバスケット式の処理装置)を用いた場合との評価の比較について説明する。
【0076】
表1は、本発明である容器1を用いた処理装置2、バレル式の処理装置およびバスケット式の処理装置を用いて、後処理したときの評価結果を示した。後処理は、それぞれの処理装置を用いて、被処理物をクロメート処理を行い、後述の評価方法にしたがって評価した。
【0077】
なお、評価項目の説明に記載されている「◎」、「○」、「△」、「×」などの記号は、表1で用いる評価結果を示す記号である。「◎」は、非常に優れていることを示し、「○」は、優れていることを示し、「△」は、実用可能であることを示し、「×」は、実用が困難であることを示す。
【0078】
[評価方法]
(体勢変化)
体勢変化は、被処理物として、ワッシャを用い、処理中の被処理物の体勢変化を目視によって、以下の基準で評価する。
◎:非常に薄い被処理物であっても、充分に体勢変化が起こる。
○:平面のある被処理物および凹凸の大きい被処理物であれば、充分に体勢変化が起きる。
△:凹凸の大きい被処理物であれば、充分に体勢変化が起きる。
×:凹凸の大きい被処理物であっても、体勢変化が不充分である。
【0079】
(タッチ)
タッチは、被処理物として、ワッシャを用い、処理後のワッシャにタッチがあるか否かを目視によって以下の基準で評価する。
◎:処理後、被処理物の3%未満にしかタッチが確認されない。
○:処理後、被処理物の3%以上20%未満にタッチが確認される。
△:処理後、被処理物の20%以上70%未満にタッチが確認される。
×:処理後、被処理物の70%以上にタッチが確認される。
【0080】
(皮膜のこすれ・脱落)
皮膜のこすれ・脱落は、被処理物として、ワッシャを用い、処理後のワッシャを以下の基準で評価する。
◎:処理後、被処理物の3%未満にしか皮膜のこすれ・脱落が確認されない。
○:処理後、被処理物の3%以上20%未満に皮膜のこすれ・脱落が確認される。
△:処理後、被処理物の20%以上60%未満に皮膜のこすれ・脱落が確認される。
×:処理後、被処理物の60%以上に皮膜のこすれ・脱落が確認される。
【0081】
(きず)
きずは、被処理物として、ワッシャを用い、処理後のワッシャを以下の基準で評価する。
◎:処理後、被処理物の3%未満にしかきずが確認されない。
○:処理後、被処理物の3%以上20%未満にきずが確認される。
△:処理後、被処理物の20%以上40%未満にきずが確認される。
×:処理後、被処理物の40%以上にきずが確認される。
【0082】
(投入量)
投入量は、以下の基準で評価する。
◎:容器の収容容積の80%以上の被処理物を処理できる。
○:容器の収容容積の40%以上80%未満の被処理物を処理できる。
△:容器の収容容積の20%以上40%未満の被処理物を処理できる。
×:容器の収容容積の20%未満しか被処理物を処理できない。
【0083】
(処理液反応速度)
処理液反応速度は、被処理物として、ワッシャを用い、以下の基準で評価する。
◎:処理に45秒未満しかかからない。
○:処理に45秒以上60秒未満かかる。
△:処理に60秒以上90秒未満かかる。
×:処理に90秒以上かかる。
【0084】
【表1】

【0085】
表1に示したように、本発明である容器1を用いた処理装置2は、処理中の被処理物の体勢変化が最も大きく、処理後の被処理物に、タッチが最も発生しない。本発明である容器1を用いた処理装置2は、容器の入れ替えが必要ないので、皮膜のこすれおよび脱落が発生しない。また、本発明である容器1を用いた処理装置2は、処理液中で被処理物を体勢変化させるので、被処理物自体にきずつくことも少ない。本発明である容器1を用いた処理装置2は、体勢変化が大きいので、被処理物への処理液の反応速度も大きい。
【0086】
それに対して、バレル式の処理装置は、処理中の被処理物の体勢変化が大きく、処理後の被処理物に、タッチが最も発生しない。しかしながら、バレル式の処理装置は、後処理後、容器の入れ替えが必要であるので、その際、皮膜のこすれおよび脱落が発生してしまい、さらにきずも発生してしまう。また、処理中の被処理物の体勢変化も本発明である容器1を用いた処理装置と比較すれば、小さい。
【0087】
バスケット式の処理装置は、本発明である容器1を用いた処理装置と同様、後処理後に容器の入れ替えが必要ないので、皮膜のこすれおよび脱落がほとんど発生しない。しかしながら、処理中の被処理物の体勢変化が非常に小さく、そのため、タッチが発生してしまい、処理液反応速度も遅い。さらに、蓋をすることができないため、一回に処理できる被処理物の量である投入量も少なくない。
【0088】
以下に、本発明の実施形態である容器1を用いた処理装置2を用いた実施例を示す。
実施例は、以下の条件で処理装置2を用いた。
【0089】
内かご4は、外壁の高さ39.5cm、内壁の高さ31.0cm、外壁の直径41.9cm、内壁の直径40.5cmである。
【0090】
外かご5は、高さ43.0cm、外径55.0cmである。
処理液貯留槽3は、内壁の高さ85.0cm、内壁の幅94.0cmである。
【0091】
回転軸は、処理液貯留槽3の底部から55.0cmのところであり、処理液の液面は、処理液貯留槽3の底部から70.0cmのところである。
【0092】
処理液は、pH2.10の6価のクロメート処理液である。
被処理物は、外径23mm、内径12mm、厚み1.6mmを有するワッシャを用いた。容器への投入量は、内かご4の収容容積の55%(約50kg)である。
【0093】
回転速度は7.87rpmである。
比較例は、容器の回転速度が7.87rpmである代わりに、4.29rpmであること以外実施例と同様である。
【0094】
そうすることによって、実施例では、クロメート処理後、タッチのある被処理物は確認されなかった。また、比較例では、クロメート処理後、タッチのある被処理物が、全被処理物の3%〜5%程度発生した。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の実施形態である容器1を用いた処理装置2を示す概略断面図である。
【図2】外かご5の正面図である。
【図3】外かご5の上面図である。
【図4】外かご5の側面図である。
【図5】外かご5の底面図である。
【図6】図3の切断面線S1−S1から見た断面図である。
【図7】図3の切断面線S2−S2から見た断面図である。
【図8】内かご4の正面図である。
【図9】内かご4の上面図である。
【図10】内かご4の底面図である。
【図11】内かご4の断面図である。
【図12】蓋6の上面図、正面図および右側面図である。
【図13】蓋6を装着した内かご4の正面図である。
【図14】蓋6を装着した内かご4の上面図である。
【図15】図14の切断面線S3−S3から見た断面図である。
【図16】図14の切断面線S4−S4から見た断面図である。
【図17】シャフト33によって、押さえボルト32を押さえつける機構について説明する図である。
【図18】内かご4に蓋6を装着したときの模式図である。
【図19】蓋6によって内かご4が一体化された外かご5を回転している処理装置2を示す概略断面図である。
【図20】本発明の他の実施形態である容器1を用いた処理装置41を示す概略図である。
【符号の説明】
【0096】
1 容器
2,41 処理装置
3 処理液貯留槽
4 内かご
5 外かご
6 蓋
7 回転手段
8 貯留空間
9 処理液
10 被処理物
11 収容空間
12,21 歯車
13 周胴部
14 底板
15 内かご固定板
16 蓋支持具
17 回転軸固定板
18,19,25,34 透孔
20 回転軸
22 回転軸線
23 円筒部
24 底部
26 補強ベルト
27 ボルト
28 取手
29 テーパ部
30 メッシュ
31 蓋面部
32 押さえボルト
33 シャフト
35 押さえボルト支持具
36 シャフト本体
37 回転軸
42 アーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物に処理液を接触させることによって被処理物の表面を処理する処理装置に用いられ、前記被処理物を収容するための容器であって、
被処理物を収容する収容空間を有し、被処理物が通過できない複数の孔によって収容空間が外部と通じた内容器と、
内容器を収容し、複数の孔を有した外容器と、
周辺部を内容器に支え、中央部を収容空間側に押さえて、内容器の収容空間を覆い、内容器と外容器とを一体化させる蓋とを有することを特徴とする容器。
【請求項2】
蓋は、外周が円形であることを特徴とする請求項1記載の容器。
【請求項3】
蓋は、内容器の収容空間を覆ったときに、収容空間の反対側になるように設けられる突起部と、
突起部を内容器の収容空間側に押さえる押込部材とを有することを特徴とする請求項1または2記載の容器。
【請求項4】
押込部材は、中央部と中央部の両端に設けられる両端部とを有し、
両端部は、円柱形であって、その中心軸が突起部の突出方向に直交し、
押込部材は、両端部の中心軸回りに回転したときに、中央部の下端部の位置が突出方向に沿って変化して、突起部を押えるように構成されることを特徴とする請求項3記載の容器。
【請求項5】
押込部材は、中央部と中央部の両端に設けられる両端部とを有し、
両端部は、円柱形であって、その中心軸が突起部の突出方向に直交し、
中央部は、円柱形であって、その中心軸と両端部の中心軸とがずれており、
押込部材は、両端部の中心軸回りに回転したときに、中央部の下端部の位置が突出方向に沿って変化して、突起部を押えるように構成されることを特徴とする請求項3記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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