説明

容器

【課題】キャップが挿入し易い容器。

【解決手段】容器口部の雄ねじ部の谷径寸法(b)と、容器口部のキャップ挿入部の外径寸法(c)との差(d)を、半径で0.1〜0.4mmに構成したことを特徴とする容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器のキャッピング時に、キャップが挿入し易く、不適切なキャップの螺合を防止した容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、チューブ容器又はボトル容器等の容器口部の雄ねじには、キャップの雌ねじが螺合され、容器口部が閉鎖されている。図4及び図5は、従来のチューブ容器又はボトル容器等の容器を示す図面であり、容器50の口部51には雄ねじ52が形成されている。一方キャップ56の内周面には、雌ねじ57が形成されている。従来の容器50のキャップ挿入部53と、口部51の雄ねじ52の寸法差を以下の実施例に示す。例えば従来、容器50の雄ねじ52の山径Xが14.0mm、谷径Yが12.96mm、キャップ挿入部53の外径Zが12.0mm
である容器20がある場合、山径Xと谷径Yの寸法差Wは半径で、0.52mmであり、したがって、雄ねじ52の谷部54の谷径Yと、キャップ挿入部53の外径Zの寸法差Tは、半径で0.48mmである。よって、従来の図5に示す実施例に係る容器の場合、Tは0.5mm±0.02mmの範囲、すなわち0.48mm〜0.52mmの範囲にあることになり、寸法Tは極めて大きい。
【0003】
このように寸法Tを大きくする主な理由として、雄ねじ52の成形の際に、ねじ切り用の転造駒が、キャップ挿入部53の外縁に接触し、キャップ挿入部53に傷がつくのを防止するため、谷径Yとキャップ挿入部53の外径Zの寸法Tをできるだけ大きくする必要がある。しかし、この寸法Tが大きい場合、図4に示すように、キャップ56の螺合時に、キャップ56の雌ねじ57の山部及び谷部が、雄ねじ52の山部と谷部に、スムーズに係合しないため、図4に示すように、キャップ56がどちらかに、傾いてキャップ挿入部53に挿入されるという問題があった。そして、特にキャッピングを急いでいる場合、不適切な螺合になるという問題があった。従来の口部とキャップの螺合形態のチューブ容器として、例えば、特許文献1がある(特許文献1参照)。
【特許文献1】実開昭61−80240号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、このような従来の課題に着目してなされたものであり、ねじ切り用の転造駒が、キャップ挿入部に接触せず、かつ容器のキャッピング時に、キャップが挿入し易く、不適切なキャップの螺合を防止した、適切な寸法の容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するため、請求項1記載の発明の解決手段は、容器口部の雄ねじ部の谷径寸法(b)と、容器口部のキャップ挿入部の外径寸法(c)との差(d)を、半径で0.1〜0.4mmに構成したことを特徴とする容器である。
雄ねじの谷部と、キャップ挿入部の外径の寸法差を0.1mm以上、0.4mm以下に構成することで、キャップが頗る挿入し易く、不適切なキャップの螺合を防止できる。
【0006】
請求項2記載の発明の解決手段は、容器が、チューブ容器又はボトル容器であることを特徴とする容器である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、キャップ挿入部の外径と、雄ねじの谷部の谷径との寸法差が小さいので、容器のキャッピング時に、キャップが挿入し易く、
キャップが左右のどちらかに傾いて、キャップ挿入部に挿入されるのを防止でき、不適切なキャップの螺合を防止できる効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施例を、図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0009】
図1及び図3は、本発明の実施例1を示す図面である。図1において、1はチューブ容器であり、チューブ容器1の口部2には、雄ねじ3が形成され、この雄ねじ3の上部には、キャップ挿入部4が形成されている。一方キャップ7の内周面には、雌ねじ8が形成されている。図3において、雄ねじ3の山部6の山径をa、雄ねじ3の谷部5の谷径をb、キャップ挿入部4の外径をcで表わすと共に、容器1のキャップ挿入部4の外径cと、雄ねじ3の谷部5の谷径bとの寸法差を、半径でdで表わすと、実施例1は、dが0.1mm以上、0.4mm以下の範囲で構成されており、好ましくは0.2〜0.3mmに構成されている。
【0010】
そして、本発明の実施例1の具体的寸法として、例えば、雄ねじ3の山部6の山径aが14.0mm、谷部5の谷径bが12.96mm,キャップ挿入部4の外径cが12.56mmであり、eが0.52mmである。この実施例1の容器1の場合、キャップ挿入部4の外径cと、雄ねじ3の谷部5の谷径bとの寸法dは、半径で0.2mmであり寸法dは、従来に比べて小さい。
【実施例2】
【0011】
図2は、本発明の実施例2を示す図面である。図2において、11はボトル容器である。口部12におけるキャップ挿入部14の外径、雄ねじ13の山部における山径、雄ねじ13の谷部における谷径は、実施例1と同様に形成されている。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明に係る容器の口部先端と雄ねじの構造は、チューブ容器のみならず、ボトル容器にも適用できる。そして、容器のキャッピング時に、キャップが挿入し易いので、キャッピングを急いでいる時、特に子供、老人等であっても、キャップが口部の雄ねじにスムーズにかかり、キャッピングが容易である。したがって、不適切な螺合を防止できる。本発明は、チューブ容器、ボトル容器のねじ部に適用でき、医薬品、食品、化粧品等を収納する日用品の容器として広く適し、多岐にわたって利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る実施例1を示す一部切欠断面図。
【図2】本発明に係る実施例2を示す一部切欠断面図。
【図3】本発明に係る実施例1又は2の口部に、キャップを螺合した場合 における、ねじ部の各寸法を示す拡大断面図。
【図4】従来の口部の実施例を示す断面図。
【図5】従来の容器の口部に、キャップを螺合した場合において、ねじ部の各寸法を示す拡大断面図。
【符号の説明】
【0014】
1 11 容器
2 12 口部
3 13 雄ねじ
4 14 キャップ挿入部
5 谷部
6 山部
7 17 キャップ
8 雌ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器口部の雄ねじ部の谷径寸法(b)と、容器口部のキャップ挿入部の外径寸法(c)との差(d)を、半径で0.1〜0.4mmに構成したことを特徴とする容器。
【請求項2】
前記容器が、チューブ容器又はボトル容器であることを特徴とする請求項1記載の容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−7033(P2009−7033A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−170128(P2007−170128)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(000238614)武内プレス工業株式会社 (72)
【Fターム(参考)】