説明

容量可変容器

【課題】容器本体を最伸長状態(容量拡大)に、また最縮小状態(容量縮小)する動作に支障を生じることはないし、構成が簡単であって製作コストが安価になる可変容量容器を提供する。
【解決手段】容器本体1は、内側分割容器胴部2の直筒部9に設けた係合突起部11を外側分割容器胴部3の係合孔部17に係脱可能に係合することにより、容器本体1を伸長した状態にして、容量可変容器は、内側分割容器胴部2の容量に外側分割容器胴部3の容量が加わってその容量を拡大し、また、係合突起部11を係合孔部17から外して内側分割容器胴部2の切込み状係合部12に、外側分割容器胴部3に係脱可能に装着した蓋体保持部材4の棒状係合部34を係脱可能に係合させて容器本体1の容量を縮小する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器胴部を少なくとも二個に分割し、これらの分割容器胴部を互いにスライド自在に嵌合して連結して容量の拡大、縮小が可能な容器に係わり、例えば、ホップコーンのような内容物を充填する容量可変容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容量を可変することができる容器としては、特許文献1に記載にしてあるように、容器胴部を少なくとも二個に分割し、分割した二個の容器胴部を互いにスライド自在に嵌合して連結した容量可変容器において、内側の分割容器胴部の外周に螺旋状溝を設け、外側の分割容器胴部の内周に係合凸部を設け、螺旋状溝に係合凸部を係合させてねじ式にスライドさせて伸縮するスライド機構を構成するようにした容量可変容器が提案されている。また、特許文献2に記載してあるように、容器胴部を数個に分割し、分割容器胴部同士は、互いにスライド自在に連結して伸長状態と縮小状態とに容量を可変できるように構成した容器において、分割容器胴部の外表面に溝を設け、この分割容器胴部の隣の分割容器胴部の内部に、溝に適合するような階段状の凸部を設け、分割容器胴部と、これの隣の分割容器胴部との関係を最伸長状態から最縮小状態まで自由に可変係止する容器が提案されている。
【0002】
【特許文献1】特許公開2003−312667号公報
【特許文献2】実開平1−78424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に記載の容器は、多条の螺旋状溝に係合凸部を摺動させることにより、容器を最伸長状態(容量拡大)に、また最縮小状態(容量縮小)にするものであり、係合凸部が螺旋状溝を摺動することで生じる摺動抵抗は、容器が合成樹脂製である場合には大きく、このために、容器を最伸長状態(容量拡大)に、また最縮小状態(容量縮小)する動作に支障を生じるという課題があった。また、特許文献2に記載の容器は、分割容器胴部がスライドして外れるのを防止する手段はあるが、溝や、この溝に適合する凸部からなるスライド機構は構成が複雑であって、製作コストが高くなるばかりか、容器胴部を分解することができないために容器内部を洗浄して再利用することが困難であるという課題があった。
【0004】
本発明は上記問題点を解決するものであり、その目的とするところは、容器本体を最伸長状態(容量拡大)に、また最縮小状態(容量縮小)する動作に支障を生じることはないし、構成が簡単であって製作コストが安価になるばかりか、容器本体を分解することができて再利用することが可能になる容量可変容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明に係る容量可変容器は、容器本体の容器胴部を少なくとも二個に分割して、一方の分割容器胴部を他方の分割容器胴部から押出し、一方の分割容器胴部を他方の分割容器胴部に差し込んで容器本体の容量を可変にした容量可変容器であって、一方の分割容器胴部を他方の分割容器胴部から押出した状態で両分割容器胴部を連結固定する容量拡大時連結固定手段と、一方の分割容器胴部を他方の分割容器胴部に差し込んだ状態で両分割容器胴部を連結固定する容量縮小時連結固定手段を備えたことを特徴とする。
【0006】
かかる構成により、容量拡大時連結固定手段を用いて、一方の分割容器胴部を他方の分割容器胴部から押出した状態で両分割容器胴部を連結固定することにより容器本体の容量を拡大し、また、容量縮小時連結固定手段を用いて、一方の分割容器胴部を他方の分割容器胴部に差し込んだ状態で両分割容器胴部を連結固定することにより容器本体の容量を縮小することができる。
【0007】
また、本発明に係る容量可変容器は、上記した本発明に係る容量可変容器において、一方の分割容器胴部が底付きの内側分割容器胴部であり、他方の分割容器胴部が外側分割容器胴部であり、容量拡大時連結固定手段は、内、外側分割容器胴部の何れかの一方に係合突起部を設けると共に、他方に、係合突起部が係脱可能に係合する係合孔部を設けて構成してあり、内側分割容器胴部の押出し時に係合突起部を係合孔部に係脱可能に係合させて容器本体の容量を拡大するようにしたことを特徴とする。
【0008】
かかる構成により、容量拡大時連結固定手段は、係合突起部と、この係合突起部が係脱可能に係合する係合孔部で構成してあり、内側分割容器胴部の押出し時に係合突起部を係合孔部に係脱可能に係合させるために、摺動抵抗はほとんど無く、容器が合成樹脂製である場合にも、容器本体を最伸長状態(容量拡大)に、また最縮小状態(容量縮小)する動作に支障を生じることはない。また、容量拡大時連結固定手段は、係合突起部と、この係合突起部が係脱可能に係合する係合孔部で構成してあるために、構成が簡単であって製作コストが安価になる。
【0009】
また、本発明に係る容量可変容器は、上記した本発明に係る容量可変容器において、外側分割容器胴部の口部に蓋体保持部材を装着して、容器本体の容器口部を形成し、容量縮小時連結固定手段は、内側分割容器胴部の口部に胴部側係合部を設け、蓋体保持部材に胴部側係合部に係脱可能に係合する保持部材側係合部を設けて構成してあり、内側分割容器胴部の差し込み時に胴部側係合部を保持部材側係合部に係脱可能に係合させて容器本体の容量を縮小するようにしたことを特徴とする。
【0010】
かかる構成により、容量縮小時連結固定手段は、内側分割容器胴部の口部に設けた胴部側係合部と、蓋体保持部材に設けた保持部材側係合部で構成してあり、内側分割容器胴部の差し込み時に胴部側係合部を保持部材側係合部に係脱可能に係合させために、容器拡大時と同様に摺動抵抗はほとんど無く、容器が合成樹脂製である場合にも、容器本体を最伸長状態(容量拡大)に、また最縮小状態(容量縮小)する動作に支障を生じることはない。また、容量縮小時連結固定手段は、内側分割容器胴部の口部に設けた胴部側係合部と、蓋体保持部材に設けた保持部材側係合部で構成してあるために、構成が簡単であって製作コストが安価になる。
【0011】
また、本発明に係る容量可変容器は、上記した本発明に係る容量可変容器において、胴部側係合部は、内側分割容器胴部の口部に形成された切込み状係合部であり、保持部材側係合部は、蓋体保持部材の内、外側周壁部の内面間に掛け渡された棒状係合部であって、内側分割容器胴部の差し込み時に、切込み状係合部に棒状係合部を係脱可能に係合させるようにしたことを特徴とする。
【0012】
かかる構成により、内側分割容器胴部の差し込み時に、切込み状係合部に棒状係合部を係脱可能に係合させて容器本体の容量を縮小することができる。しかも、胴部側係合部が切込み状係合部であり、保持部材側係合部が棒状係合部であるために、内側分割容器胴部の差し込み時に切込み状係合部に棒状係合部を係脱可能に係合させるために、摺動抵抗はほとんど無く、容器が合成樹脂製である場合にも、容器本体を最伸長状態(容量拡大)に、また最縮小状態(容量縮小)する動作に支障を生じることはない。また、構成が簡単であって製作コストが安価になる。
【0013】
また、本発明に係る容量可変容器は、上記した本発明に係る容量可変容器において、蓋体保持部材に蓋体を着脱可能に装着して、この蓋体で容器口部を開閉するようにしたことを特徴とする。
【0014】
かかる構成により、容器本体に着脱可能に取付けた蓋体保持部材に蓋体を着脱可能に装着する構成であるために、容量可変容器を内、外側分割容器胴部、蓋体保持部材のみならず、蓋体をも分解することができて容器内部を洗浄して再利用することが可能になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る容量可変容器によれば、容器本体を最伸長状態(容量拡大)に、また最縮小状態(容量縮小)する動作に摺動抵抗はほとんど無く、容器が合成樹脂製である場合にも、容器本体を最伸長状態(容量拡大)に、また最縮小状態(容量縮小)する動作に支障を生じることはない。また、構成が簡単であって製作コストが安価になるばかりか、容器本体を分解することができて容器内部を洗浄して再利用することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態を図示する実施例に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明に係る容量可変容器における容量拡大状態の正面図、図2は同容量可変容器の平面図、図3は同容量可変容器の側面図、図4は同容量可変容器の縦断面図、図5は同容量可変容器を分解した状態の斜視図である。
【0018】
本発明の実施の形態に係る容量可変容器は、図1及び図5に示すように、一方の分割容器胴部である底付きの内側分割容器胴部2と他方の分割容器胴部である外側分割容器胴部3に二分割し、互いに分離可能で、且つ所定長に固定可能に連結した容器本体1と、外側分割容器胴部3の縁部に着脱可能に固着される容器口部Aを形成する蓋体保持部材4と、この蓋体保持部材4に回動可能に且つ分離可能に連結された蓋体5とで構成してある。
【0019】
図5に示すように、内側分割容器胴部2は、平面視で楕円形状の胴部6と楕円形状の底面部7を合成樹脂で一体成形して構成してあり、胴部6は、その底面部7とは反対側の開口部8側に向って断面積が大きくなるテーパを有する平面視で楕円形状をなしており、開口部8の周部は直筒部9にしてあり、この直筒部9とテーパ面6Aとの境には段部よりなるストッパー受部10が設けてある。そして、図5に示すように、直筒部9の長軸方向aの対向部には、それぞれの外面部に位置させて容量拡大時連結手段である係合突起部11が設けてあり、また、上記した対向部には、係合突起部11を挟んだ両側に位置させて容量縮小時連結手段としての胴部側係合部である切込み状係合部12が設けてある。
【0020】
図5及び図7に示すように、外側分割容器胴部3は、平面視で楕円形状の胴部15と楕円形状の蓋体保持部材取付部16を合成樹脂で一体成形して構成してあり、胴部15は、上記した内側分割容器胴部2の胴部6と同様なテーパを有する平面視で楕円形状をなしており、図5において下側が小径部15aに上側が大径部15bにしてある。そして、胴部15の小径部15aの長軸方向aの対向部には、それぞれ容量拡大時連結固定手段である係合孔部17が設けてある。また、図7に示すように、胴部15の小径部15aの内周縁部にはストッパー15cが形成してある。
【0021】
図7に示すように、蓋体保持部材取付部16は、胴部15の大径部15bに形成してあり、この蓋体保持部材取付部16は、胴部15の大径部15bの全周に亘って形成された蓋体保持部材嵌合部18を備えており、この蓋体保持部材嵌合部18は垂直面部18aと断面逆L字形状の嵌合壁部18bで構成してあり、この嵌合壁部18bは垂直面部18aに直交する水平面部18cを有している。
【0022】
そして、図5に示すように、蓋体保持部材嵌合部18の長軸方向aの対向部には、嵌合壁部18bに連なる吊紐掛け部19が設けてあり、この吊紐掛け部19は、図8に示すように、水平面部18bに直交する垂直壁部20を有しており、また、水平面部18bには一対の挿入孔部21が形成してあって、これらの挿入孔部21の形成により垂直壁部20の基部に係止部22が設けてある。また、蓋体保持部材嵌合部18の短軸方向bの対向部には蓋体保持部材嵌合部18が切除してあり、これらの切除箇所には容量拡大時連結固定手段である係止突起部23が設けてある。
【0023】
そして、図4に示すように、外側分割容器胴部3内に、これの大径部15b側から内側分割容器胴部2を挿入して、この内側分割容器胴部2を外側分割容器胴部3の小径部15a側に押し込むことにより、内側分割容器胴部2の直筒部9に設けた係合突起部11を外側分割容器胴部3の係合孔部17に係脱可能に係合し、ストッパー15cをストッパー受部10に衝合することにより伸長状態での容器本体1が構成してある。
【0024】
図5及び図9に示すように、蓋体保持部材4は、平面視で楕円環状の容器口部天井面部25と、この容器口部天井面部25の外縁側に形成された外側周壁部26と、容器口部天井面部25の内縁側に形成された内側周壁部27を有する部材本体4Aを備えている。
【0025】
そして、図9に示すように、外側周壁部26の内面部には、外側分割容器胴部3の蓋体保持部材嵌合部18の垂直面部18aが係脱可能に嵌合する嵌合部28が周方向に形成してある。また、図5に示すように、外側周壁部26には、その長軸方向aの対向部には、それぞれ一対の係止突起部29が外方に突出形成してある。また、図10に示すように、外側周壁部26の短軸方向bの対向部には取付片部30A,30Bが突設してあり、これらの取付片部30A,30Bには係止孔部31が設けてある。また、一方の取付片部30Aには一対のヒンジブラケット32が設けてある。また、外側周壁部26には、図5において他方の取付片部30Bの直上に位置させて蓋係止突起部33が設けてある。
【0026】
図4及び図6に示すように、部材本体4Aの内部には、その長軸方向aの対向部に位置させて、それぞれ一対の容量縮小時連結手段としての保持部材側係合部である棒状係合部34が設けてある。すなわち、これらの棒状係合部34は外側周壁部26の内面と内側周壁部27の内面との掛け渡された状態で部材本体4Aに形成してある。
【0027】
そして、図4に示すように、蓋体保持部材4は、外側分割容器胴部3の大径部15bに被せるようにして、この外側分割容器胴部3に着脱可能に装着してある。この場合、外側分割容器胴部3の大径部15b側に設けた蓋体保持部材嵌合部18の垂直面部18aが嵌合部28に係脱可能に嵌合しており、取付片部30A,30Bに設けた係止孔部31に蓋体保持部材嵌合部17の係止突起部23が係脱可能に係止しており、一対の係止突起部29が、蓋体保持部材嵌合部18の水平面部18bの一対の挿入孔部21に挿入してあって、一対の係止突起部29が垂直壁部20の係止部22に係脱可能に係止されている。
【0028】
図5に示すように、蓋体5は平面視で楕円形状をなしており、その周壁部35の短軸方向bの対向部の一方にはヒンジ36が設けてあり、他方にはツマミ37が設けてあるし、周壁部35の内面部には、ツマミ37側に位置させて係止突起部(図示せず)が設けてある。
【0029】
そして、図10に示すように、蓋体5は、そのヒンジ36を蓋体保持部材4のヒンジブラケット32に支承することにより蓋体保持部材4に取付けてあり、蓋体5は、そのヒンジ36を中心にして開閉動作を行なうものであり、ツマミ37を操作して蓋体5で蓋体保持部材4が形成する容器口部Aを閉じた際に、蓋体5の係止突起部を蓋体保持部材4の蓋係止突起部33に乗り越えさせることで係止突起部を蓋係止突起部33に係止する。
【0030】
次に、本発明に係る容量可変容器の動作について説明する。図示の実施例において、容器本体1は、内側分割容器胴部2の直筒部9に設けた係合突起部11を外側分割容器胴部3の係合孔部17に係脱可能に係合することにより容器本体1が伸長した状態であり、容量可変容器としては、内側分割容器胴部2の容量に外側分割容器胴部3の容量が加わってその容量は拡大する。
【0031】
この状態で、図11乃至図13に示すように、係合突起部11を係合孔部17から外して内側分割容器胴部2を外側分割容器胴部3内に収容することにより、内側分割容器胴部2の大径部側に設けた切込み状係合部12を、蓋体保持部材4の部材本体4Aの内部の棒状係合部34に当てて、内側分割容器胴部2を押し込むことで棒状係合部34を切込み状係合部12に係脱可能に係合させることで、内側分割容器胴部2を蓋体保持部材4の部材本体4Aに固着する。この場合、容器本体1が縮小した状態であり、容量可変容器としては、内側分割容器胴部2の容量のみになり、その容量は縮小する。
【0032】
したがって、容量可変容器を保管したり、搬送する場合には、上記したように容量が縮小状態になるように、係合突起部11を係合孔部17から外して内側分割容器胴部2を外側分割容器胴部3内に収容し、蓋体保持部材4の棒状係合部34を内側分割容器胴部2の切込み状係合部12に係脱可能に係合させる。
【0033】
そして、容器本体1A内に、例えば、ホップコーンのような内容物を充填するときは、ツマミ37を操作して、蓋体5を、そのヒンジ36を中心にして回動動作させて、係止突起部の蓋係止突起部33への係止を解除して蓋体5で容器口部Aを開けると共に、上記したように、内側分割容器胴部2の係合突起部11を外側分割容器胴部3の係合孔部17に係脱可能に係合することにより容器本体1を伸長させて、容量可変容器の容量を拡大する。そして、容器口部Aより内容物を充填し、再びツマミ37を操作して、蓋体5を、そのヒンジ36を中心にして逆回動動作させて、係止突起部を蓋係止突起部33に係止して蓋体5で容器口部Aを閉じる。
【0034】
次に、上記のように構成された容量可変容器の分解を説明する。蓋体5は、そのヒンジ36を蓋体保持部材4のヒンジブラケット32から外すことで蓋体保持部材4から分離し、また、蓋体保持部材4は、取付片部30A,30Bに設けた係止孔部31から蓋体保持部材嵌合部17の係止突起部22を外し、一対の係止突起部29を係止部22から外して挿入孔部21から抜き出すことで、外側分割容器胴部3から分離し、また、内側分割容器胴部2は、これの係合孔部17を係合突起部11から外して外側分割容器胴部3から分離する。
【0035】
以上詳述したように、本発明の実施例によれば、容器本体1は、内側分割容器胴部2の直筒部9に設けた係合突起部11を外側分割容器胴部3の係合孔部17に係脱可能に係合することにより、容器本体1を伸長した状態にして、容量可変容器は、内側分割容器胴部2の容量に外側分割容器胴部3の容量が加わってその容量を拡大し、また、係合突起部11を係合孔部17から外して切込み状係合部12に棒状係合部34を係脱可能に係合させて容器本体1の容量を縮小することができる。
【0036】
このように、容量可変容器の容量を拡大し、また、容量を縮小する場合、摺動抵抗はほとんど無く、容器本体1が合成樹脂製である場合にも、容器本体1を最伸長状態(容量拡大)に、また最縮小状態(容量縮小)する動作に支障を生じることはない。
【0037】
上記したように、蓋体5を蓋体保持部材4から分離し、また、蓋体保持部材4を外側分割容器胴部3から分離し、また、内側分割容器胴部2を外側分割容器胴部3から分離することが可能であり、蓋体5内、外側分割容器胴部2,3,蓋体保持部材4及び蓋体5を洗浄して再利用することが可能になる。
【0038】
なお、上記した本発明の実施例によれば、容器本体1の容器胴部を内側分割容器胴部2と外側分割容器胴部3の二つに分割したが、容器胴部を三個以上に分割するようにしてもよい。また、内側分割容器胴部2側に係合突起部11を設け、外側分割容器胴部3側の係合孔部17を設けるようにしたが、内側分割容器胴部2側に係合孔部を設け、外側分割容器胴部3側の係合突起部を設けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明に係る容量可変容器によれば、容器本体を最伸長状態(容量拡大)に、また最縮小状態(容量縮小)する動作に摺動抵抗はほとんど無く、容器が合成樹脂製である場合にも、容器本体を最伸長状態(容量拡大)に、また最縮小状態(容量縮小)する動作に支障を生じることはない。また、構成が簡単であって製作コストが安価になるばかりか、容器本体を分解することができて容器内部を洗浄して再利用することが可能になるという効果を有しており、ホップコーンのような内容物を充填する容器などとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る容量可変容器における容量拡大状態の正面図である。
【図2】同容量可変容器の平面図である。
【図3】同容量可変容器の側面図である。
【図4】同容量可変容器の縦断面図である。
【図5】同容量可変容器を分解した状態の斜視図である。
【図6】同容量可変容器における胴部側係合部(切込み状係合部)と保持部材側係合部(棒状係合部)の説明図である。
【図7】外側分割容器胴部の一部破断した斜視図である。
【図8】外側分割容器胴部の平面図である。
【図9】蓋体保持部材の縦断面図である。
【図10】蓋体保持部材に蓋体を連結した状態の斜視図である。
【図11】本発明に係る容量可変容器における容量縮小状態の正面図である。
【図12】同容量可変容器における容量縮小状態の側面図である。
【図13】同容量可変容器における容量縮小状態の縦断面図である。
【符号の説明】
【0041】
A 容器口部
1 容器本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の容器胴部を少なくとも二個に分割して、一方の分割容器胴部を他方の分割容器胴部から押出し、前記一方の分割容器胴部を前記他方の分割容器胴部に差し込んで前記容器本体の容量を可変にした容量可変容器であって、
前記一方の分割容器胴部を前記他方の分割容器胴部から押出した状態で前記両分割容器胴部を連結固定する容量拡大時連結固定手段と、前記一方の分割容器胴部を前記他方の分割容器胴部に差し込んだ状態で前記両分割容器胴部を連結固定する容量縮小時連結固定手段とを備えたことを特徴とする容量可変容器。
【請求項2】
前記一方の分割容器胴部が底付きの内側分割容器胴部であり、前記他方の分割容器胴部が外側分割容器胴部であり、前記容量拡大時連結固定手段は、前記内、外側分割容器胴部の何れかの一方に係合突起部を設けると共に、他方に、前記係合突起部が係脱可能に係合する係合孔部を設けて構成してあり、前記内側分割容器胴部の押出し時に前記係合突起部を前記係合孔部に係脱可能に係合させて前記容器本体の容量を拡大するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の容量可変容器。
【請求項3】
前記外側分割容器胴部の口部に蓋体保持部材を装着して前記容器本体の容器口部を形成し、前記容量縮小時連結固定手段は、前記内側分割容器胴部の前記口部に胴部側係合部を設け、前記蓋体保持部材に前記胴部側係合部に係脱可能に係合する保持部材側係合部を設けて構成してあり、前記内側分割容器胴部の差し込み時に前記胴部側係合部を前記保持部材側係合部に係脱可能に係合させて前記容器本体の容量を縮小するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の容量可変容器。
【請求項4】
前記胴部側係合部は、前記内側分割容器胴部の口部に形成された切込み状係合部であり、前記保持部材側係合部は、前記蓋体保持部材の内、外側周壁部の内面間に掛け渡された棒状係合部であって、前記内側分割容器胴部の差し込み時に、前記切込み状係合部に前記棒状係合部を係脱可能に係合させるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の容量可変容器。
【請求項5】
前記蓋体保持部材に蓋体を着脱可能に装着して、この蓋体で前記容器口部を開閉するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の容量可変容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−18345(P2010−18345A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−208247(P2008−208247)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(594028989)株式会社清田エンジニアリング (4)
【出願人】(000187460)松浦産業株式会社 (3)