説明

密封培養容器にポンプ機能を設けた培養装置

【課題】 一検体一培養装置、培養検体の細胞が他培養検体の細胞と混濁しない構造、小型(小型冷蔵庫サイズ)、カセット型培養容器、密封容器等の課題をクリアした培養装置の提供。
【解決手段】本発明に係る細胞・組織培養装置は、細胞の培養を行う密封培養容器5にポンプ4機能を設け、培地槽6と導管12で密封連結配管を行った部品を、アクチュエーターシリンダー10と密封培養容器5のポンプシリンダー11の連結を行い装着する。アクチュエーター3を制御コンピューター1で操作することで密封培養容器内の培地流量を制御し、さらに力学的刺激負荷を行うことも可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生体材料を利用して、細胞の増殖、分化を促し、生体組織の再生を誘導する培養装置に係り、人体の欠損組織の修復等に必要な細胞や組織を生体外培養を行う培養装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生体組織の再生誘導には二つの方法がある。一つは細胞を生体に直接移植する細胞移植治療であり、もう一つは、生体適合材料を利用した培養装置を利用して細胞の増殖、分化を促し、生体外で生体組織の再生を誘導する方法である。
【0003】
本発明は生体外で細胞・組織を培養装置で行う技術であり、従来の培養装置は微生物や単細胞の培養方法、培養装置は国内技術のレベルは最高レベルにあるが、再生医療用培養装置は、世界中で新しい培養装置の開発が重点課題とされている。
【0004】
しかしながら、通常の培養皿や培養フラスコ等、汎用的な培養容器による操作は、医師、研究者等の専門知識や熟練した技術が必要であり、人件費や管理費等が高騰し、再生培養物の単価は高価となり、医療事業の実現としては極めて困難な価格形態となる。
【0005】
従来型の微生物培養装置や試験管培養方法から、ヒト細胞・組織を培養する培養装置の開発が進められてきた。生体外培養を行うためには、生体内の細胞・組織の部位環境、場の再現を目指した培養装置が出現してきた。
【0006】
生体内の細胞・組織は生化学的な刺激だけではなく、静的又は動的な力学的刺激を受けることにより、分化・増殖・誘導・代謝など、細胞の生化学的、生理学的機能を発揮している。生体における力学刺激は部位によって異なる生体力学加圧刺激に類以した加圧刺激装置が広く求められている。
【0007】
患者さんの軟骨細胞を受け入れて、培養増殖し、元の患者に移植する方法が欧米では移植医療として行われるようになったが、この方法は軟骨細胞の培養、増殖を行っただけで軟骨細胞組織の生体外で行うものでなく、治療効果も不安定であった。
【0008】
荷重系軟骨(半月板等)の生体外培養に力学加圧刺激を負荷させる装置として、米国のハーバード大学研究グループ(特開2003−289851)と東京大学研究グループ(特開2003−265164)は静水圧培養装置を開発しており、静水圧刺激の培養システムとしてポンプで培地を介して圧力負荷を軟骨細胞への刺激負荷例を示しており、培地に負荷をかけ間接部内圧力に相当する圧力を負荷するという方法で軟骨細胞への刺激負荷例を示している。
【0009】
血管培養の実験用装置については傾斜培養装置についての例が示されており、静脈血管内皮細胞を播種したガーゼと線維芽細胞を播種したガーゼを重ね、ガーゼを平板の両端に培地の貯水槽を設けてあり、上側の培地槽にガーゼを垂らして先端を培地に湿るようにすると、毛管現象で端からガーゼは徐々に濡れていき、培地は下側の培地槽に流れ込み、この下側の培地槽に貯まった培地をポンプで上側の培地槽に戻し、連続的に培地を供給する実験装置もある。
【0010】
また加圧、非加圧ともにカムラ内ディバイスに培地の移動、流量の調節で圧力負荷を制御する方法で、ポンプで培地を送液し、バルブ等の操作で培地の流量を変化させ圧力負荷のパターンやサイクルを任意に作りだす細胞培養装置もあるが、圧力の強度や上昇と下降のパターンを培地を介して生体内圧力に近い状態に再現したとしても、部位によっては圧力、培地の流れにも相違があり、骨、軟骨の鉛直方向の荷重刺激、剪断応力刺激、軟骨、骨の機械的荷重による変形、循環器系の動脈血管培養には培養液の拍動流と拍動圧力を負荷する必要がある。
【0011】
本発明の発明者の一人、大竹直は血管の培養装置として拍動流、血圧を負荷できる拍動流加圧刺激培養装置(特開2006−105)を大阪大学医学部の研究者と共同出願している。さらに広島大学研究グループも拍動流を発生させる培養装置(特開2006−109707)を出願している。
【0012】
【特許文献1】特開2003−289851
【特許文献2】特開2003−265164
【特許文献3】特開2006−105
【特許文献4】特開2006−109707
【発明の開示】

【発明が解決しょうとする課題】
【0013】
生体内の細胞部位環境(場)の再現は再生医療の培養装置として多くの研究者により研究開発が行われているが、厚生労働省やNEDOのロードマップには、再生医療培養装置として、一献体(患者さん)一培養装置であること、献体(患者さん)の培養細胞、培養液と接した部品は廃棄処分とすること、小型化(研究機関における普及)、低価格装置の開発、カセット型培養容器の実用化、密封容器の開発、培養期間短縮化等が培養装置の開発指針として明確に示されている。
【0014】
しかし、特許文献1,特許文献2,特許文献4に提案された細胞培養装置は、プランジャーポンプや遠心ポンプを利用した培養装置であり、一検体の培養に利用したプランジャーポンプや遠心ポンプを廃棄処分するにはポンプの価格がそのまま培養物に上乗せされる。またポンプを分解して洗浄や滅菌を完全に行うのは極めて困難である。
【0015】
また特許文献1、特許文献2ともに、かなり大がかりな培養装置であり、価格も高価である。NEDOのロードマップに示されている、小型化(デスクトップサイズ)や低価格の問題をクリアしておらず、さらに密封カセット式等の前記の条件を、ヒト細胞・組織の培養には感染症等の恐れから、検体の細胞混濁培地等と接触した部品に対して完全に滅菌、洗浄、廃棄処分等を行う必要がある。
【0016】
本発明は従来の培養装置の問題点に鑑み、小型化、密封式、カセット式、献体の細胞混濁培養液と接触した部品のすべてを廃棄処分が可能で、かつ、長期にわたる無菌性及び種々の細胞培養にも効果的に培地交換を行い、装着、離脱も簡単でコンパクトな装置であり、操作性、維持管理が容易な再生医療用培養装置を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る培養方法は密封培養容器にポンプ機能を設けた事で、従来の培養装置の培養槽、培養容器、ポンプで構成する方法に比べ、密封配管された培養槽と密封培養容器とアクチュエーターのシリンダー部にポンプ部シリンダーを固定し、操作する操作の簡便性、さらに制御コンピューターでアクチュエーターシリンダーの伸縮距離、伸縮時間の操作で、培地交換量が決定でき、構成が極めて簡便な培養装置で、培地槽、培養容器ともに密封状態で、培地交換も自動交換が行え、長期間の密封自動培養が可能である。
【0018】
細胞・組織を3次元培養するために3次元足場(多孔体)を用いたある程度の大きさの培養物の成果発表が行われているが、ここで大きな問題が発生している。3次元足場(多孔体)が大きくなると足場内部にまで培養液を送り込む事ができず、足場内部の細胞に栄養を送り込めず、さらに足場内部に貯まった老廃物も排出できない。このように大きな培養組織を完成させることは極めて困難な現状であった。そこで足場(多孔体)の内部に培養液が送り込む事ができるように、足場(多孔体)を装着ピストンで加圧、減圧を繰り返し、足場(多孔体)を伸縮させ、足場(多孔体)自体をポンプとし、加圧、減圧で足場(多孔体)内部に培地注入、老廃物排出を行い効率的に足場内部の培地交換を行う培養装置の提供を目的とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る培養装置は、極めてシンプルな構成で生体組織の多くの部分の細胞・組織培養装置として応用可能であり、さらに培地槽、ポンプ機能を備えた培養容器は完全密封状態で培地交換が可能であり、検体細胞と接触した部品は廃棄処分でき、操作も制御コンピューターでアクチュエーターのシリンダーの伸縮距離、移動スピードで流量、流速、加圧、減圧の制御ができ、細胞・組織の分化、増殖を促進し組織の形成に有効に働く事が強く示唆される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係る密封培養容器にポンプ機能を設けた培養装置の実施形態を図に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施例のレイアウトを説明する模式図である。本培養装置は、図1に示すように、温度、湿度、酸素、二酸化炭素、窒素分圧等を制御した炭酸ガスインキュベーター2内で培養が可能な培養装置である。培地槽6、合成ゴムポンプ4を備えた密封培養容器5、アクチュエーター3と制御コンヒューター1で、培地槽6と合成ゴムポンプ4を備えた密封培養容器5とは導管12で連結された、密封循環回路を構成する。
【0021】
制御コンピューター1で移動距離、移動速度を決め、アクチュエーター3のアクチュエーターシリンダー10とジョイント9で連結結合されたポンプシリンダー11を下降、上昇させ、合成ゴムポンプ4を上下駆動させることで密封培養容器5内の培地を加圧(下降)、減圧(上昇)を行い、加圧時(下降)は排出側逆流防止装置7の弁が解放され、密封培養容器5内の培地が排出される。減圧時(上昇)は排出側逆流防止装置7の弁は閉鎖され、吸入側逆流防止装置8の弁が解放され、加圧時に排出した培地を吸入する。
【0022】
図2は培地槽6と合成ゴムポンプ4を設けた密封培養容器5、導管12、排出側逆流防止装置7、吸入側逆流防止装置8で構成した密封循環回路図で、この密封循環回路部品はカセット式として、アクチュエーター3とジョイント9で簡単に連結結合でき、この密封循環回路部分は検体の細胞、培養培地と接した部分であり廃棄処分を目的としている。また、必要であれば排出用逆流防止装置7と培地槽6の間に排出液用培地槽を設置する事も可能である。
【0023】
図3は図2の断面図で合成ゴムポンプ4機能を備えた密封培養容器5の一実施例である。合成ゴムポンプ4のポンプシリンダー11をアクチュエーターシリンダー10とをジョイント9で連結結合を行い、制御コンピューター1でアクチュエーター3を操作し、生体適合材料で製造した合成ゴムポンプ4で密封培養容器5内の培地に加圧、減圧を繰り返す。加圧時はアクチュエーターシリンダー10を伸ばし、合成ゴムポンプ4で密封培養容器5内の培地を排出側逆流防止装置7の弁を開け培地の排出を行う。減圧時はアクチュエーターシリンダー10を縮め合成ゴムポンプ4を引き上げ吸入側逆流防止装置8の弁を開け培地槽6から培地を吸引する。
【0024】
培地循環量はアクチュエーターシリンダー10の伸縮移動距離と移動時間で決定する。加圧力は目的により、排出側逆流防止装置7の弁重量を変えることで荷重を可変できる。この培養環境は生体の横隔膜からの圧力による腹部内の臓器環境の場に類似する。
【0025】
培養容器5内に市販品の培養皿14(温度応答ポリマーコーティング培養皿等)を装着し、培養皿14内部の培養液交換に、ポンプシリンダー11にピストン13を固定し、アクチュエーター3を伸ばし、ピストン13を培養皿14内に挿入し、培養皿14内の培地を排出する。ピストン13を上昇させ、培養皿14内に培地を注入し培養皿14内の培地交換を行う。
【0026】
培養細胞を播種した足場15(多孔体)の内部に培地を送り込む為に、ピストン13で足場15を押さえ、足場15を圧縮し、足場15内の培地を排出する。ピストン13を上昇させ足場15を元の大きさに膨張させ培地を吸引させる。
【0027】
図4は密封培養容器5の断面図で蛇腹ポンプ16を装着した図であり、排出導管20と連結結合した細胞を播種したパイプ形状足場17(加圧用)と吸引導管21と連結結合された細胞を播種したパイプ形状足場18(減圧用)をパイプ形状足場固定部19に固定し、培養容器5内を蛇腹ポンプ16で加圧時は培地をパイプ形状足場17(加圧用)内を流し排出導管20へ送り出す。蛇腹ポンプ16で減圧時は培地をパイプ形状足場18(減圧用)内へ培地槽から吸引導管を通じて流入する。蛇腹ポンプ16で加圧、減圧を行い、生体の心臓鼓動に類似した環境の場を再現。
【実施例】
【0028】
以下に実施例を揚げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0029】
実施例1、生体適合材料のシートを利用したポンプ機能の実施例としては、回転アクチュエーター(モーター)のシリンダー部を変心回転させ、シートに加圧、減圧を繰り返すことで、密封培養容器内の培地を交換する。交換培地量はシートの大きさ、変心回転の直径の大きさ、回転数で決定できる。例えばマウスの心臓の大きさから脳に回る血液量を算出し、さらにマウスの心拍数120回はアクチュエーターの回転を1秒、2回転とし、マウスの脳動脈血管を吸入側に固定し、脳の静脈血管を密封培養容器内の固定パイプに固定し密封培養容器内に排出させ、マウスの脳に培地を循環させる。脳神経の研究は世界中で盛んに行われているが、その研究材料にマウスの脳を薄く切った脳片で行われている。薄い脳片を培養液に浸け脳片に栄養を与えることで1ヶ月から2ヶ月間、脳細胞を生存させることができる。しかし、現在は脳本体を研究用に利用する実験装置に強い要望があるが、脳組織が極めて軟弱であり、ポンプで培地を脳本体に送り込む事ができなかったが、本発明の吸引方法であれば負荷をかけずに循環させられる可能性がある。
【0030】
実施例2、図2の培養槽と密封培養容器にポンプ機能を取り付け、逆流防止装置、導管は培養液の循環装置で、ポンプ機能を培養容器と一体化したことで、ポンプと培養容器に導管による配管の必要もなく、培養装置本体に簡単に装着、離脱が可能で、密封容器、培養槽、ポンプは培養後、廃棄処分可能とした。
【0031】
実施例3、密封培養容器内に細胞を播種したコラーゲンシートを温度応答ポリマーをコーティングした培養皿を装着、ポンプシリンダーにピストンを連動固定し、ピストンを培養皿内部に挿入し、培養皿内部の培地を排出し、ピストンを培養皿から引き上げ、ピストン下部方向に培地を注入する。培養皿にピストンを挿入すると培養皿の上部培地の排出が始まり、ピストンを引き上げると培地はピストン下部方向に吸入され、ピストンを培養皿から抜き出した時点で培養皿への培地注入は完了する。この操作を繰り返すことで密封培養容器内の培養皿の培地交換が効果的に行える。
【0032】
今、最も再生医療において生体適合性および機能性を有した大型再生組織を制作する手法が多くの研究者によって検討されている。大型再生組織のための足場素材の組成、構造の研究がなされているが、細胞・組織を播種した足場内部に培地注入がうまく行かず内部の細胞に栄養を送れず細胞が死んだり、内部の老廃物が排出できない。そこで実施例4は密封培養容器内の細胞・組織を播種した足場をポンプシリンダーに連動固定されたピストンで足場を押さえ、収縮させ、足場内部の培地、老廃物を排出し、ピストン荷重を解除すると足場は元の状態に戻り培地を吸入する。ピストン荷重と解除を繰り返す事で、足場内部まで培地の循環を行う。
【0033】
密封培養容器内の細胞・組織を播種した足場にポンプによる加圧、減圧を繰り返すことで静水圧等の物理的刺激も負荷できる。更にピストン荷重を行うことで鉛直荷重、ズリ応力の力学的刺激も加えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
再生医療用の培養装置は一検体、一培養装置としており、培養期間3〜4週間とした場合、年間20程度の培養物しか再生できず、生産装置としては極めて経済性が悪い、そのためには安価な培養装置の開発が望まれており、本発明の密封培養容器にポンプ機能を設けた培養装置は極めてシンプルでパーツ点数も少なく、密封カセット式で作業性も良く、再生医療用培養装置として十分期待できる培養装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る培養装置の構成を説明する模式図である。
【図2】本培養装置の密封カセット部のレイアウトを説明する模式図である。
【図3】図2の断面図である。
【図4】ポンプ機能を設けた密封培養部のパイプ形状足場を装着した断面図である
【符号の説明】
【0036】
1:制御コンピューター
2:炭酸ガスインキュベーター
3:アクチュエーター
4:合成ゴムポンプ
5:密封培養容器
6:培地槽
7:排出側逆流防止装置
8:吸入側逆流防止装置
9:ジョイント
10:アクチュエーターシリンダー
11:ポンプシリンダー
12:導管
13:ピストン
14:培養皿
15:足場
16:蛇腹ポンプ
17:パイプ形状足場(加圧用)
18:パイプ形状足場(減圧用)
19:パイプ形状足場固定部
20:排出導管
21:吸引導管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞・組織を培養する密封培養容器に培地槽から培地注入側と密封培養容器から培地排出側に逆流防止装置を備え、密封培養容器蓋部分には生体適合材料からなる伸縮可能なシート(ガス透過膜を含む)で構成し、シート(ガス透過膜を含む)はアクチュエーターと連結連動できるように装着し、アクチュエーターを伸縮させることで、シート(ガス透過膜)を介して密封培養容器内部の体積を増減させ、アクチュエーターを収縮させシート(ガス透過膜を含む)を膨らませ、密封培養容器内部の体積を増大させ密封培養容器内部を減圧し、培地を注入。アクチュエーターを伸張させることで、シート(ガス透過膜を含む)を密封培養容器の内部側に押し込み密封培養容器内部を加圧し、密封培養容器内部の体積を減少させ密封培養容器内の培地排出を行い密封培養容器内部の培地交換を行う、密封培養容器にポンプ機能を設けた培養装置。
【請求項2】
細胞・組織を培養する密封培養容器に培地槽から培地注入側と密封培養容器から培地排出側に逆流防止装置を備え、密封培養容器蓋部分には生体適合材料からなる合成ゴムを凹面あるいは凸面状に形成固定し、合成ゴムをアクチュエーターと連結連動できるように装着し、アクチュエーターで装着された合成ゴムを上下させることで、合成ゴムの形状が凸面、凹面となるようにし、密封培養容器内部を減圧、加圧を行い、密封培養容器内部の体積を増減させることで、密封培養容器内に培地槽から培地注入、密封培養容器から培地排出を行い密封培養容器内の培地交換を行う、密封培養容器にポンプ機能を設けた培養装置。
【請求項3】
細胞・組織を培養する密封培養容器に培地槽から培地注入側と密封培養容器から培地排出側に逆流防止装置を備え、密封培養容器蓋部分には生体適合材料で蛇腹状に製造した蛇腹を装着し、蛇腹にアクチュエーターと連結連動できるように装着し、アクチュエーターで蛇腹を密封培養容器内部に延ばし、密封培養容器内部の培地を加圧排出し、アクチュエーターを収縮させ蛇腹を引き込む事で、密封培養容器内部を減圧し、培地槽から培地を吸引し密封培養容器内部の培地交換を行う、密封培養容器にポンプ機能を設けた培養装置。
【請求項4】
密封培養容器内部に培養皿を固定できるようにし、アクチュエーターと連結連動できるようにした、シート(ガス透過膜を含む)、合成ゴム、蛇腹に密封培養容器内部方向にピストンを装着し、加圧時にピストン先端部が培養皿内部に挿入し、培養皿内部の培地を排出し、ピストン上昇時は培養皿内部に培地を吸引し培養皿内部の培地交換も行う、請求項1、請求項2、請求項3に記載された、密封培養容器にポンプ機能を設けた培養装置。
【請求項5】
細胞・組織を播種した3次元足場(多孔体)を密封培養容器内に入れ、3次元足場(多孔体)を破壊しない程度にピストンで加圧を行い、3次元足場(多孔体)を圧縮変形させ、3次元足場(多孔体)内部の培地を排出する。ピストン加圧を解除時には、3次元足場(多孔体)は元の形状に膨張し3次元足場(多孔体)内部に培地を吸引し、3次元足場(多孔体)内部の培地交換を行う、請求項1、請求項2,請求項3、請求項4に記載された、密封培養容器にポンプ機能を設けた培養装置。
【請求項6】
密封培養容器内部の培地注入側に細胞・組織を播種したパイプ形状足場を装着し、減圧時に培地槽から注入される培地をパイプ形状足場内部を通過させ、通過した培地を密封培養容器内に流入させる。培地排出側にパイプ形状に製造された細胞・組織を播種したパイプ形状足場を装着し加圧時に密封培養容器内の排出培地をパイプ形状足場内部を通過させ排出を行う、請求項1、請求項2、請求項3に記載された、密封培養容器にポンプ機能を設けた培養装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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