説明

密封容器及びその製造方法

【課題】レーザ溶着により密封された密封容器においても、内容物の取出しを容易に行うことが可能であり、開封性、密封性及び耐圧性に顕著に優れた密封容器及びその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも底部2及び側壁部3を有する樹脂製容器1、及び該樹脂製容器1に溶着固定される蓋材10から成る密封容器において、前記蓋材10には、内容物を取出すための開口部15が形成されており、該開口部15は剥離可能なシール材20によって密封されていると共に、開口周縁部16が上方及び/又は下方に撓むことが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、易開封性の開口部を有する密封容器に関するものであり、より詳細には、内容物の取り出しが容易な易開封性の開口部が形成された、開封性、密封性、耐圧性に優れた密封容器及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
容器を蓋材で密封する方法としては、一般に容器及び蓋材の当接面に接着剤を施して接着する方法のほか、容器及び蓋材の当接面をヒートシール性樹脂から形成し、ヒートシールにより溶着させて密封することが行われており、ヒートシールによる溶着は、簡便な方法であることから一般的に広く採用されているが、熱溶着工程、及びその後に行われる冷却工程に時間がかかるため、生産効率の向上が望まれている。
また一般的なヒートシールバーを用いるヒートシール方式においては、溶着部分にある程度の面積が必要であると共に、溶着面が平面状であることが必要である。また溶着部分の外面からシール面に熱が伝導する必要があることから、厚肉の容器では熱の伝導に時間がかかり、生産性が低下するため、肉厚に制約があり、形状の自由度が低いという問題がある。
【0003】
またヒートシール部が冷却され、完全に密閉されるまでに所定の時間がかかるため、特に自生圧力を有する内容物を充填する場合や熱間充填する場合などでは、シール熱で熱膨張したヘッドスペースの気体が溶融状態のシール部から逃げることで、シール剥離を発生するおそれもある。
一方、容器及び蓋材等の溶着方法としては、従来よりレーザによる溶着も知られており、例えば、下記特許文献1には、容器本体に底蓋及び上蓋をレーザ溶着により溶着して一体化することが提案されている。
このようなレーザ溶着による包装体の部材の溶着においては、ヒートシールの場合に比して、レーザビームを照射した後すぐ溶着されるため、溶着に要する時間が短縮されている。また、レーザ溶着による容器及び蓋材の密封方法においては、レーザビームの照射方向によって、容器側壁部の外面側、内面側、或いはフランジ部等種々の溶着箇所を選択することができ、形状に制約を受けることなく確実に溶着を行うことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−128166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的な密封容器においては、容器と蓋材の密封部分から開封することが通常行われているが、密封性と開封性は相反する性能であり、密封性を重視すると、開封性が損なわれるという問題が内在する。特に、レーザ溶着により密封された密封容器は、レーザ溶着が高速シール性、密封安定性等の性能を要求されていることに起因して、レーザ溶着した部分から開封を行うことが困難であり、レーザ溶着により密封された密封容器においても開封性を満足することが要求されている。
一方、開封性を確保するために設けられた易開封性開口部においても、熱間充填や加熱殺菌などによって内圧が上昇した場合や、落下衝撃などを受けた時に、密封性を確保することも必要である。
従って本発明の目的は、レーザ溶着により密封された密封容器においても、内容物の取出しを容易に行うことが可能であり、開封性、密封性及び耐圧性に顕著に優れた密封容器及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、少なくとも底部及び側壁部を有する樹脂製容器、及び該樹脂製容器に溶着固定される蓋材から成る密封容器において、前記蓋材には、内容物を取出すための開口部が形成されており、該開口部は剥離可能なシール材によって密封されていると共に、開口周縁部が上方及び/又は下方に撓むことが可能であることを特徴とする密封容器が提供される。
本発明の密封容器においては、
1.溶着が、レーザ照射によって行われること、
2.シール材が、蓋材の開口周縁部の端縁で接着され、前記接着幅が2mm以上であること、
3.蓋材が、少なくとも底面及び側壁部を有する落とし蓋形状の成形蓋であること、
4.落とし蓋の開口周縁部の幅が前記接着幅(2mm)以上であること、
5.蓋材がポリプロピレンから成り、開口周縁部の厚みが0.1乃至2.0mmであること、
6.蓋材がポリエチレンテレフタレートから成り、開口周縁部の厚みが0.1乃至0.5mmであること、
7.落とし蓋の側壁部外面に、少なくとも1本の環状突起が形成されており、該環状突起の部分で溶着されていること、
が好適である。
【0007】
本発明によればまた、少なくとも底部及び側壁部を有する樹脂製容器、及び該樹脂製容器に溶着固定される蓋材から成る密封容器の製造方法において、前記蓋材に内容物を取出すための開口部を形成し、該開口部を剥離可能なシール材によって密封して成る蓋材を、前記樹脂製容器に内容物を充填した後、該樹脂製容器の開口部に設置し、樹脂製容器及び蓋材の密着部分を溶着することにより密封することを特徴とする密封容器の製造方法が提供される。
本発明の密封容器の製造方法においては、
1.蓋材が、少なくとも底面及び側壁部を有する落とし蓋形状の成形蓋であり、該側壁部外面に少なくとも1本の環状突起が形成され、該環状突起の部分をレーザ溶着すること、
2.シール材を、蓋材の開口周縁部の端縁においても接着するようにヒートシールすること、
が好適である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の密封容器によれば、容器と蓋材の密封部分とは別に易開封性に優れた内容物を取出すための開口部が形成されているため、密封性と開封性という相反する性能を満足する。
また本発明の密封容器においては、蓋材に形成された開口周縁部が上方及び/又は下方に撓むことが可能であるため、容器に0.1MPa程度の内圧がかかった場合でもシール材の剥離が有効に防止されており、易開封性を有しながら、耐圧性及び密封性を確保することが可能である。
また本発明の密封容器の製造方法においては、容器と蓋材をレーザ照射により溶着できるため、容器及び蓋材の形状に制約を受けることなく確実に溶着を行うことが可能であり、密封性に優れた容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】容器に蓋材をレーザ溶着して成る本発明の密封容器の一例の断面図である。
【図2】図1の一部拡大断面図である。
【図3】開口周縁部の撓みを説明するための部分拡大断面図である。
【図4】開口周縁部の撓みを説明するための部分拡大断面図である。
【図5】溶着部となる環状突起の位置を説明するための部分拡大断面図である。
【図6】本発明の密封容器の一例を示す一部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の密封容器は、少なくとも底部及び側壁部を有する樹脂製容器、及び該樹脂製容器に溶着固定される蓋材から成る密封容器において、前記蓋材には、内容物を取出すための開口部が形成されており、該開口部は剥離可能なシール材によって密封されていると共に、開口周縁部が上方及び/又は下方に撓むことが重要な特徴である。
前述した通り、レーザ溶着のように蓋材を容器に強固に固着させるタイプの密封容器においては、溶着部分から開封することが困難であることから、別途内容物の取出し用開口部を形成する必要があるが、かかる開口部においても、密封性と開封性の両方を満足することが必要である。
本発明においては、内容物取り出し用に、蓋材に形成された開口周縁部が上方及び/又は下方に撓むことにより、易開封性を確保しつつ、内圧がかかった場合でも開口部を密封するシール材が容易に剥離することがなく、優れた密封性を確保することが可能になる。
【0011】
図1及び図2は、本発明の密封容器の一例として、蓋材を容器にレーザ溶着して成る密封容器を示す図であり、図1は断面図、図2は、図1のX部分の一部拡大断面図である。この密封容器は、カップ型容器1、落とし蓋10、及びシール材20から成っている。
カップ型容器1は、底部2及び側壁部3から成り、側壁部3の上部内面には、環状突起4が形成されている。
落とし蓋10には、底面11の周縁から上方に突出する環状の側壁部12が形成されており、側壁部12の上端から、カップ型容器1の側壁部3の上端部をまたぐフランジ13、及びフランジ13の先端から垂下する外側壁部14が形成されている。また底面11には、内容物取り出し用の開口部15が形成されており、開口部15を取り囲むように、開口周縁部16が形成されている。落とし蓋10の側壁部12は、カップ型容器1に形成された環状突起4と圧着可能な寸法で形成されており、落とし蓋10を容器1に嵌め込み、図2の矢印Aの方向からレーザ照射することにより、環状突起4の部分を溶着することにより密封される(図中、レーザー溶着部をLMで表わす)。
シール材20は、可撓性部材から成り、周縁部の一部にシール材20を引き剥がすための摘み21が形成されている。このシール材20は、図2から明らかなように、落とし蓋10の開口周縁部16の端縁Eから距離Lの幅で開口周縁部16にヒートシールされている(図中、ヒートシール部をHSで表わす)。
【0012】
本発明の密封容器において、蓋材の開口周縁部を上方及び/又は下方に撓ませるためには、種々の方法をとることができ、これに限定されないが、例えば、シール材を開口周縁部の端縁から接着すること、開口周縁部の厚みを薄くすること、シール材と蓋材の接着強度を強くすること、開口周縁部の幅(蓋材の内面側壁部下端から開口周縁部の端縁までの距離)を長くすること、蓋を柔軟な素材から形成すること、等を挙げることができる。
すなわち、図3(A)及び図3(B)に示すように、シール材20が落とし蓋10の開口周縁部の端縁Eからヒートシールされている場合(図3(A))と、シール材20が落とし蓋10の開口周縁部の端縁Eから一定間隔tをおいてヒートシールされている場合(図3(B))では、図3(B)に示す態様の方が、ヒートシール部が剥離されるおそれが生じやすくなる。即ち、開口周縁部16におけるシール材20から受ける力の作用点が、落とし蓋10の側壁部12の付け根に近づき、開口周縁部16を撓ませるモーメントが小さくなり開口周縁部16が上方及び/又は下方に撓みにくくなると共に、シール材20の剥離のきっかけができやすくなるため、ヒートシール部が剥離されるおそれが生じやすくなる。
また、図4(A)に示すように、開口周縁部16の厚みが薄い場合には、密封容器に内圧がかかったとき或いは外側から圧力がかかったときに開口周縁部16が上方及び/又は下方に撓みやすいため、シール材20と落とし蓋10のヒートシール界面には剪断方向の力が作用するため、ヒートシールが剥離することが有効に防止される。これに対して、図4(B)に示すように、開口周縁部16の厚みが厚いと開口周縁部16は容易には撓まないため、シール材20と落とし蓋10のヒートシール界面に垂直方向応力が作用して、内圧の程度によってはヒートシールが剥離されるおそれが生じてしまうのである。
【0013】
(密封容器)
本発明の密封容器に用いる容器は、図1及び2に示したカップ型容器に限定されず、トレイ型等の形状を採用することができ、また、横断面の形状が円形、四角形、楕円形の種々の形状を採用することができる。
また容器の側壁部も、図1及び図2に示したように、側壁部全体が下方に行くに従って内径が減少するテーパ状のものに限定されず、側壁部全体がストレート状のものや、上部が逆テーパ状及び下部がテーパ状のもの(図6参照)、上部が逆テーパ状及び下部の内径が底部から開口部まで同一のストレート状のもの等種々の形状を採用できる。
【0014】
本発明の密封容器に用いる蓋は、図1及び図2に示した、落とし蓋形状のものに限定されず、容器に強固に固着できると共に、易開封性のシール材により密封される内容物取出用開口が形成されている限り、種々の形状のものを採用することができ、シート状の蓋であってもよいが、落とし蓋のような成形蓋であることが特に好ましい。
上記蓋に形成された内容物取出用の開口部は、図1に示すようなフルオープンタイプの他、パーシャルオープンタイプであってもよいが、開口周縁部の幅Xmが、後述するシール材の接着幅(2mm)以上、特に2.5乃至4.5mmの範囲にあることが好ましい。これにより、シール材の好適な接着幅を確保することができると共に、開口周縁部をシール材と共に効率よく撓ませることが可能になる。また、前記開口周縁部の幅Xmは、図に示した具体例のフルオープンの場合は、前記幅Xmは一定であるが、パーシャルオープンタイプの場合では、前記幅Xmが一定でなく、かかる幅Xmが最も短い部分がもっとも撓みにくいことから、最短の幅Xmを基準とする。
【0015】
前述した通り、開口周縁部の厚みも、開口部周縁部をシール材と共に撓ませる上で重要であるが、蓋の材質によって好適な厚みは異なり、例えば、蓋材がポリプロピレンの場合には、開口周縁部の厚みは、0.1乃至2.0mmの範囲にあること、また、蓋材がポリエチレンテレフタレートの場合は、開口周縁部の厚みは、0.1乃至0.5mmの範囲にあることが、蓋材の成形性、及び撓みやすさの観点から好ましい。
更に本発明においては、前述したように、シール材は蓋材との接着幅が2mm以上、特に2乃至4.5mmとなるようにヒートシールされていることが、易開封性を確保すると共に密封性及び耐圧性を確保するため好ましい。
【0016】
本発明において、落とし蓋形状の蓋を使用する場合には、容器側壁又は落とし蓋に、両者が圧着するような位置関係になるように、環状突起を形成し、この環状突起部分を溶着することが好ましい。このような位置関係で環状突起が形成されていることにより、容器及び蓋を圧着させた状態で溶着させることが可能になり、確実に溶着することが可能になる。
上記環状突起は、図1及び図2には、容器側壁部内面上部に形成されていたが、これに限定されず、図5(A)に示すように、落とし蓋10の側壁部12の外面側に環状突起17が形成されていてもよいし、図5(B)に示すように、容器1の側壁部3の外面上部に環状突起4が形成されていてもよいし、或いは図5(C)に示すように、落とし蓋10のフランジ部13の先端から垂下する外側側壁部14の内面に環状突起17を形成することもできる。またその形状も、図面に示した縦断面の形状が半円形のもの、三角形状のもの、四角形状等、任意の形状でよい。
更に、図6に示すように、上記溶着部となる環状突起17を、落とし蓋10の側壁部12の外面側に設けた場合、この環状突起17よりも下方に、容器内側面と密着可能な環状突起18を更に少なくとも一つ形成することもでき、これにより容器1に落とし蓋10を嵌合させる際、かかる環状突起18が容器1の側壁部3の内面に密着しながら下方へ移動することから、容器1の側壁部3の上方内面に内容物液等が付着していた場合には、付着物を掻き落とすことができ、前記付着物による容器1と落とし蓋10との溶着不良を防止することが可能になる。
【0017】
本発明においては、蓋材は、容器とのレーザ溶着性、及びシール材とのヒートシール性の両方を満足すると共に、開口周縁部が上方及び/又は下方に撓みやすい材質であることが好ましく、撓みやすさの観点からは、曲げ弾性率が1000乃至3000MPaの範囲にあることが好適である。
好適には、シール材とのヒートシール面では、シール材のシール面と同種の樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のヒートシール性樹脂からなることが好ましく、容器との溶着面では、容器の溶着面と溶着可能な樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等を好適に用いることができ、勿論、中間層として、アルミニウム箔やエチレン−ビニルアルコール共重合体等のガスバリア性材料を用いた積層体とすることもできる。尚、蓋材と容器をレーザ溶着にする場合には、後述するレーザ溶着に適した材料及び構成の中から、上記要件を満足する材料を選択する。
また本発明に用いる樹脂製容器は、蓋材と溶着可能である限り、内容物や要求される性能等によって用いる樹脂及び成形方法を選択することができるが、蓋材との溶着をレーザによって行う場合には、後述するレーザ溶着に適した材料及び構成の中から適宜選択する。
【0018】
上記蓋の開口部を覆うシール材としては、ヒートシールによって易開封性を有するように蓋材に接着可能な可撓性積層体を好適に使用できるが、易開封性及び密封性を確保できる限り、接着剤によって蓋材に接着されるものであってもよい。
例えば、内面層としては、用いる蓋材と同種のヒートシール性を有する樹脂を用いることが好ましく、中間層としては、アルミニウム箔やエチレン−ビニルアルコール共重合体等のガスバリア性樹脂等のガスバリア性材料等を用いることができ、また外面層としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等を挙げることができる。
【0019】
(密封方法の製造方法)
本発明においては、蓋材に内容物を取出すための開口部を形成し、該開口部を剥離可能なシール材によって密封して成る蓋材を予め成形し、容器に内容物を充填した後、この蓋材を容器の開口部に設置し、樹脂製容器及び蓋材の密着部分を溶着することにより密封容器を製造する。
蓋材の開口部にシール材を施すに際しては、密封性を確保しながら易開封性を確保するために、後述するシール強度が23乃至30N/15mmの範囲にあることが好適であり、シール強度が上記範囲にある限り、接着剤によって接着することもできるが、好適にはヒートシールによることが好ましい。
また蓋の開口部をシール材で覆うに際して、前述した通り、シール材を、蓋材の開口周縁部の端縁においても接着するようにヒートシールすることが重要であり、これにより、容器に内圧変化が生じたときに、蓋の開口周縁部をシール材に追従させて撓ませることが可能となり、密封容器の密封性及び耐圧性を向上させることができる。
【0020】
本発明において、容器及び蓋の溶着は、強固に固着できるかぎり、レーザ溶着に限定されず、スピンウェルドや超音波などによる溶着や、ヒートシールよって接着されていてもよいが、形状の制約や、肉厚或いは内圧変化によるシール不良などのおそれがない、等の点から、レーザ溶着によって溶着されていることが特に好ましい。
レーザ照射により容器及び蓋を溶着して密封するためには、少なくとも溶着部分のレーザビームの入射側においてレーザビームを透過可能な透明或いは半透明であることが必要であると共に、レーザビームを熱に変換するために溶着部分の界面近傍に発熱部が設けられていることが必要であり、また容器及び蓋の溶着される部分のそれぞれの樹脂が同種の樹脂であることが好適である。
レーザビームを透過可能な透明或いは半透明の層を形成し得る樹脂としては、従来包装容器に用いられていた熱可塑性樹脂を用いることができるが、レーザ透過率が70%以上、特に80%以上の熱可塑性樹脂であることが好適であり、このような熱可塑性樹脂としてはオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。レーザ透過率は、使用するレーザ光の波長に対応する光について分光光度計を用いて透過率を測定し求めることができる。
尚、レーザ透過率は、同一の熱可塑性樹脂であっても、層の厚みによって異なるものであり、本発明においては、後述する容器或いは蓋(環状突起を含む)が採りうる厚みの範囲内において70%以上の透過率を有することを意味するものである。
【0021】
またレーザ溶着部分は、前述したレーザビームを透過可能な樹脂の中でも、低−、中−、高−密度のポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン−1共重合体等のオレフィン系樹脂等を用いることが望ましく、特に融点が160℃以下の熱可塑性樹脂を用いることが容易に溶着できるので好適である。
発熱部は、容器或いは蓋の何れか一方に形成されていればよいが、容器及び蓋の環状突起の界面付近に形成されていることが溶着効率の点から好ましい。発熱部を構成し得るものとしては、金属箔や金属板等の金属、黒色等の着色塗料から成る塗膜、或いは鉄粉等の酸素吸収剤やカーボンブラック等を含有した樹脂、或いは溶着部自体をレーザ照射により自己発熱可能なポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができるが、生産性等の点から熱可塑性樹脂から成る着色層とすることが好適である。
【0022】
上記発熱部を有する材料としては、レーザビームを透過可能でレーザ溶着可能な熱可塑性樹脂から成る層及び発熱部となる層から成る少なくとも2層を有する積層体が、別途発熱部を形成する必要がないので好適に使用できる。これに限定されないが、例えば、レーザビームを透過可能でレーザ溶着可能な熱可塑性樹脂から成る外層又は内層、及びポリアミド樹脂、鉄系酸素吸収剤含有樹脂或いはアルミニウム箔等の発熱部となる中間層の3層構成等の多層構造を有していることが特に好適である。勿論、溶着部分に黒色の塗膜を形成する等、溶着部分のみに別途発熱部を形成することもできる。
また容器或いは蓋の何れか一方を樹脂被覆金属板から成形し、組み合わせる他方の部材を、レーザビームを透過可能な樹脂から成るものとすることもできる。
【0023】
レーザビームを透過可能な層の厚みは、5乃至500μm、特に20乃至300μmの範囲にあることが好ましい。上記範囲よりも厚みが薄い場合には、確実な溶着を行うことができず、一方上記範囲よりも厚みが厚い場合には、レーザビームを通常の条件で発熱部に到達させることが困難になり、やはり確実な溶着を行うことができない。
レーザビームを透過可能な層以外は、容器及び蓋の積層構造、包装体の形態、或いは用途によって適宜設定することができ、一概に規定することができないが、例えば、容器がレーザビームを透過可能なオレフィン系樹脂の単層から成り、蓋が内面側から順に、オレフィン系樹脂(レーザ透過溶着部)/着色剤含有オレフィン系樹脂(発熱部)/オレフィン系樹脂(外層)の積層体から成り、容器側からレーザ照射するような場合は、容器の厚みは200乃至1500μmの範囲であり、蓋の溶着部の厚み(環状突起を含む)は、5乃至500μm、発熱部の厚みは10乃至500μm、外層の厚みは10乃至500μmの範囲あることが好ましい。また容器が内面側から順に、オレフィン系樹脂(レーザビーム透過溶着部)/着色剤含有オレフィン系樹脂(発熱部)/オレフィン系樹脂(外層)の積層体から成り、蓋がレーザビームを透過可能なオレフィン系樹脂から成り、蓋側からレーザ照射するような場合は、容器の溶着部の厚みは、5乃至500μm、発熱部の厚み
は10乃至500μm、外層の厚みは10乃至500μmの範囲であり、蓋の溶着部の厚みは200乃至1500μmの範囲にあることが好ましい。
【0024】
前述した積層体の製造は、共押出法、熱接着法、接着剤を用いたドライラミネーション法等従来公知の方法により行うことができる。
本発明の密封容器に用いる容器及び蓋は、フィルム及びシート状の積層材料から真空成形、圧空成形、プラグアシスト成形等の熱成形、絞り成形、インジェクション成形等によって成形することができる。
また溶着に際しては、前述したように、蓋或いは容器に溶着部となる環状突起が形成されていることが好ましく、かかる環状突起の部分をレーザ溶着することにより、前記環状突起の当接面が蓋或いは容器を押圧するような位置関係になっているので、レーザ照射に際して特別な固定具を用いることなく、レーザ溶着を行うことができる。勿論、更に嵌合を強固にするために固定具を用いることもできる。
更に、落とし蓋の側壁部外面に複数の環状突起を形成することによって、落とし蓋を容器に装着させる際に、容器側壁内面に付着した内容液等を掻き落すことができるため、前記内容液等の付着に起因する溶着不良を防止することができる。
【0025】
本発明において、レーザ溶着に用いるレーザビームとしては、ガスレーザ、固体レーザ、或いは半導体レーザ等を使用することができ、中でも半導体レーザを好適に使用することができる。
レーザ発振器の出力は20乃至150W、特に30乃至100Wの範囲にあることが好ましく、またレーザビームの波長は200nm乃至20μm、特に400nm乃至15μmの範囲にあることが好ましい。これは商業的には樹脂の透過性とレーザビームを吸収して発熱する物質の性質、およびレーザ発振器の出力、値段、安全性により決まる。
本発明においては、レーザビームのスポット径が0.2乃至3mm、特に0.5乃至2mmの範囲にあることが包装体の密閉性の点から好ましい。
またレーザビームの焦点距離は10乃至200mm、特に50乃至150mmの範囲にあることが好ましく、レーザビームを透過可能な層の厚み+30乃至70mmの範囲にあることが溶着による密閉性を確保しつつ、樹脂の劣化を防止する上で好ましい。
またレーザビームの掃引速度は、50乃至300mm/秒、特に100乃至200mm/秒の範囲にあることが、溶着による密閉性を確保しつつ、樹脂の劣化を防止する上で好ましい。
【0026】
また溶着についての条件は、溶着部分が融点以上になる発熱量を得られるならば、様々な条件で溶着が可能であり、例えば、溶着時間を短くしようとするならば、レーザ出力を上げて回転スピードを上げれば良く、高出力のレーザが使用できない状況ならば、溶着部分への照射時間を長くすればよく、容器の場合には、容器の回転スピードを落とせば良い。更に、充分に溶融できるレーザ出力が得られているならば、レーザ光径を大きくして、溶着幅を大きくすることもできる。
【実施例】
【0027】
(密封性評価)
密封軟包装容器の試験方法であるJIS Z0238に基づき破裂強さ試験を行った。
前記試験においてレトルト殺菌用容器等に要求される破裂強さは0.02Mpa以上と規定されているが、本実施例及び比較例では熱処理殺菌及び流通時の落下衝撃を想定し、シール材剥離を生じない密封性の基準を0.03Mpa以上として評価を行った。
(開封性)
後述する実施例及び比較例においては、JIS Z0238に基づきシール材のヒートシール強さは23N乃至30N/15mmとなるようにヒートシールを行った。また開封性については、人が実際に手で開封するときと同じような状態を想定して、摘みとシール材の角度が45度となるようにシール材を剥離したときの最大強度を求めることで確認を行った。
【0028】
(実施例1)
1.樹脂製容器
(外面側)ポリプロピレン(433μm)/接着剤層(21μm)/エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(93μm)/接着剤層(21μm)/ポリプロピレン(433μm)(内面側)の層構成の樹脂シートから、プラグアシスト圧空成形法にて、フランジ部径:75mm、フランジ部厚み:0.80mm、開口端部径:63mm、側壁部高さ:60mm、側壁部厚み:0.25mm(上部、中部、下部の平均)、底部径:50mm、底部厚み:0.30mm、とする樹脂製容器を成形した。
2.落とし蓋
ポリプロピレン樹脂(融点160℃)にカーボンブラックを500ppm添加した着色樹脂を用い、図5(A)に示す底面及び側壁部を有し、底面に開口部を形成した落とし蓋を射出成形した。各部の寸法は、側壁部内面下端内径:60mm、開口部径:55mm、開口周縁部(蓋材の内面側壁部下端から開口周縁部の端縁Eまでの距離)の幅:2.5mm、厚さ:0.1mmとした。
3.シール材
(外面側)ポリエチレンテレフタレート(12μm)/アルミニウム箔(7μm)/ナイロン層(15μm)/ポリプロピレン及びポリエチレンのブレンド層(50μm)(内面側)の層構成のフィルムをシール材とした。
【0029】
4.密封容器作製及び評価
[密封容器作製]
前記シール材接着幅を、前記落とし蓋の開口周縁部の端縁Eから2.0mmとなるようヒートシールして開口部を覆った後、前記蓋を樹脂製容器の開口部内に押し込み、以下条件にてレーザ溶着を行って密封容器とした。
[レーザ溶着条件]
レーザ発振器:イエナオプティック社製
半導体(GaAs)レーザ
波長807±3nm
最大出力140W
レーザ照射条件:出力80W
スポット径2.0mm
照射時間2秒(照射線速度99.5mm/秒)
受け台に容器を戴置し、0.5回転/秒、1回転分照射
照射方法:容器側から蓋側に、水平方向から円周状に照射
[評価結果]
前記密封容器の評価を行った結果、0.1Mpa(1kg/cm)まで加圧しても落とし蓋の開口周縁部が撓み、シール材は落とし蓋から剥離せずに十分な密封性を有していた。また剥離強度は35N以下であり、実用化要求を満たす易開封性を有していた。
【0030】
(実施例2)
落とし蓋の開口周縁部の幅:3.5mm、厚さ:1.0mmとした以外は、実施例1と同様に密封容器を作製し、評価を行った結果、0.1Mpa(1kg/cm)まで加圧しても落とし蓋の開口周縁部が撓み、シール材は落とし蓋から剥離せずに十分な密封性を有していた。また剥離強度は35N以下であり、実用化要求を満たす易開封性を有していた。
【0031】
(実施例3)
落とし蓋の開口周縁部の幅:4.5mm、厚さ:2.0mmとした以外は、実施例1と同様に密封容器を作製し、評価を行った結果、0.1Mpa(1kg/cm)まで加圧しても落とし蓋の開口周縁部が撓み、シール材は落とし蓋から剥離せずに十分な密封性を有していた。また剥離強度は35N以下であり、実用化要求を満たす易開封性を有していた。
【0032】
(実施例4)
樹脂製容器を、(外面側)白色ポリプロピレン(700μm)/接着剤層(20μm)/エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(80μm)/接着剤層(20μm)/鉄粉ブレンドポリプロピレン(67μm)/透明ポリプロピレン(113μm)(内面側)の層構成の樹脂シートから、真空成形法にて、実施例1と同様に成形した。
また、落とし蓋は、着色剤を含有しない実施例1と同様の落とし蓋を射出成形し、シール材は実施例1と同様のフィルムをシール材とした。そして、レーザ照射時間を10秒、蓋側から容器側に斜め方向より照射した以外は実施例1と同様に密封容器を作製し、評価を行った結果、0.1Mpa(1kg/cm)まで加圧しても落とし蓋の開口周縁部が撓み、シール材は落とし蓋から剥離せずに十分な密封性を有していた。また剥離強度は35N以下であり、実用化要求を満たす易開封性を有していた。
【0033】
(実施例5)
1.樹脂製容器
厚さ1.0mmのポリエチレンテレフタレート樹脂シートから、プラグアシスト圧空成形法にて、フランジ部径:75mm、フランジ部厚み:0.80mm、開口端部径:63mm、側壁部高さ:60mm、側壁部厚み:0.20mm(上部、中部、下部の平均)、底部径:50mm、底部厚み:0.35mm、とする樹脂製容器を成形した。
2.落とし蓋
ポリエチレンテレフタレート樹脂(融点255℃)にカーボンブラックを500ppm添加した着色樹脂を用いた以外は実施例1と同様の落とし蓋を射出成形した。
3.シール材
(外面側)オーバーコート剤/アルミニウム箔(40μm)/塩酢ビコート剤(1μm)/ポリエステルコート剤(4μm)(内面側)の層構成のフィルムをシール材とした。
4.密封容器作製及び評価
実施例1と同様に密封容器を作製し、評価を行った結果、0.1Mpa(1kg/cm)まで加圧しても落とし蓋の開口周縁部が撓み、シール材は落とし蓋から剥離せずに十分な密封性を有していた。また剥離強度は35N以下であり、実用化要求を満たす易開封性を有していた。
【0034】
(実施例6)
落とし蓋の開口周縁部の幅:3.5mm、厚さ:0.3mmとした以外は、実施例5と同様に密封容器を作製し、評価を行った結果、0.1Mpa(1kg/cm)まで加圧しても落とし蓋の開口周縁部が撓み、シール材は落とし蓋から剥離せずに十分な密封性を有していた。また剥離強度は35N以下であり、実用化要求を満たす易開封性を有していた。
【0035】
(実施例7)
落とし蓋の開口周縁部の幅:4.5mm、厚さ:0.5mmとした以外は、実施例5と同様に密封容器を作製し、評価を行った結果、0.1Mpa(1kg/cm)まで加圧しても落とし蓋の開口周縁部が撓み、シール材は落とし蓋から剥離せずに十分な密封性を有していた。また剥離強度は35N以下であり、実用化要求を満たす易開封性を有していた。
【0036】
(比較例1)
落とし蓋を用いずに、樹脂製容器のフランジ部にシール材を、接着幅を前記容器の開口部端縁から2.0mmとなるようヒートシールして容器開口部を覆った以外は、実施例1と同様に密封容器を作製し、評価を行った結果、破裂強さは0.03Mpa未満であり、十分な密封性は得られなかった。なお、剥離強度は35N以下であり、実用化要求を満たす易開封性を有していた。
【0037】
(比較例2)
落とし蓋を用いずに、樹脂製容器のフランジ部にシール材を、接着幅を前記容器の開口部端縁から2.0mmとなるようヒートシールして容器開口部を覆った以外は、実施例4と同様に密封容器を作製し、評価を行った結果、破裂強さは0.03Mpa未満であり、十分な密封性は得られなかった。なお、剥離強度は35N以下であり、実用化要求を満たす易開封性を有していた。
【0038】
(比較例3)
落とし蓋を用いずに、樹脂製容器のフランジ部にシール材を、接着幅を前記容器の開口部端縁から2.0mmとなるようヒートシールして容器開口部を覆った以外は、実施例5と同様に密封容器を作製し、評価を行った結果、破裂強さは0.03Mpa未満であり、十分な密封性は得られなかった。なお、剥離強度は35N以下であり、実用化要求を満たす易開封性を有していた。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の密封容器においては、蓋材に形成された開口周縁部が上方及び/又は下方に撓むことが可能であるため、容器に内圧変化が生じた場合でもシール材の剥離が有効に防止されており、易開封性を有しながら、耐圧性及び密封性を確保することが可能であり、熱間充填が必要な内容物や、或いは炭酸飲料等の自生圧力を有する内容物に好適に使用できる。
また容器と蓋材をレーザ照射により溶着できるため、容器及び蓋材の形状に制約を受けることなく確実に溶着を行うことが可能であり、密封性に優れた容器を提供することができる。更に、従来の熱板を用いたヒートシールによる溶着のような冷却工程が必要でないため、生産性を向上することができる。また比較的厚肉の部材であっても高速且つ安定的に、しかも低コストで効率よく密封することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 容器、2 底部、3 側壁部、4 環状突起、10 落とし蓋、11 底面、12 側壁部、13 フランジ、15 開口部、16 開口周縁部、17 環状突起、20 シール材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも底部及び側壁部を有する樹脂製容器、及び該樹脂製容器に溶着固定される蓋材から成る密封容器において、
前記蓋材には、内容物を取出すための開口部が形成されており、該開口部は剥離可能なシール材によって密封されていると共に、開口周縁部が上方及び/又は下方に撓むことが可能であることを特徴とする密封容器。
【請求項2】
前記溶着が、レーザ照射によって行われる請求項1記載の密封容器。
【請求項3】
前記シール材が、蓋材の開口周縁部の端縁で接着され、前記接着幅が2mm以上である請求項1又は2記載の密封容器。
【請求項4】
前記蓋材が、少なくとも底面及び側壁部を有する落とし蓋形状の成形蓋である請求項1乃至3の何れかに記載の密封容器。
【請求項5】
前記蓋材の開口周縁部の幅が2mm以上である請求項4記載の密封容器。
【請求項6】
前記蓋材が、ポリプロピレンから成り、開口周縁部の厚みが0.1乃至2.0mmである請求項4又は5に記載の密封容器。
【請求項7】
前記蓋材がポリエチレンテレフタレートから成り、開口周縁部の厚みが0.1乃至0.5mmである請求項4又は5に記載の密封容器。
【請求項8】
前記落とし蓋の側壁部外面に、少なくとも1本の環状突起が形成されており、該環状突起の部分で溶着されている請求項4乃至7の何れかに記載の密封容器。
【請求項9】
少なくとも底部及び側壁部を有する樹脂製容器、及び該樹脂製容器に溶着固定される蓋材から成る密封容器の製造方法において、
前記蓋材に内容物を取出すための開口部を形成し、該開口部を剥離可能なシール材によって密封して成る蓋材を、前記樹脂製容器に内容物を充填した後、該樹脂製容器の開口部に設置し、樹脂製容器及び蓋材の密着部分を溶着することにより密封することを特徴とする密封容器の製造方法。
【請求項10】
前記蓋材が、少なくとも底面及び側壁部を有する落とし蓋形状の成形蓋であり、該側壁部外面に少なくとも1本の環状突起が形成され、該環状突起の部分をレーザ溶着する請求項9記載の密封容器の製造方法。
【請求項11】
前記シール材を、蓋材の開口周縁部の端縁においても接着するようにヒートシールする請求項9又10記載の密封容器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−148553(P2011−148553A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284146(P2010−284146)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】