密閉施設型栽培用換気装置
【課題】少ないエネルギーで駆動させることができ、効率よく植物などの生育を促進させることができる換気装置を提供する。
【解決手段】密閉型装置の側面一端側に穿設された複数の吸気孔部と、該孔部と対向して前記密閉型装置の側面他端側に設けられた複数の排気装置とからなり、前記複数の吸気孔部は、植物及びきのこ類を栽培する多段からなるラックの最上部に対向する密閉型装置の側面一端側に水平方向、且つ所定の間隔で穿設され、また前記複数の排気装置は、前記吸気孔部と対向する密閉型装置の側面他端側の、前記ラックの最下部に対向する位置に水平方向、且つ所定の間隔で設けられる。
【解決手段】密閉型装置の側面一端側に穿設された複数の吸気孔部と、該孔部と対向して前記密閉型装置の側面他端側に設けられた複数の排気装置とからなり、前記複数の吸気孔部は、植物及びきのこ類を栽培する多段からなるラックの最上部に対向する密閉型装置の側面一端側に水平方向、且つ所定の間隔で穿設され、また前記複数の排気装置は、前記吸気孔部と対向する密閉型装置の側面他端側の、前記ラックの最下部に対向する位置に水平方向、且つ所定の間隔で設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、換気装置であって、特に植物などの密閉型栽培装置に安価に使用できる換気装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近年、植物の栽培において、閉鎖的または半閉鎖的な環境で計画的な生産を行なうことが可能となる技術が広く知られている。これらの技術は一般に植物工場と称されており、植物の栽培において土壌を使用せずに溶液栽培を行い、光、温度などの環境を人工的に制御することで、病原菌や害虫など被害を受けず、年間を通して安定した植物製品の供給ができるものである。
【０００３】
しかしながら、これら植物工場に使用される装置は大型で極めて高価なものであり、しかも常に一定の環境条件に維持するためには、電気・光熱費などに多額のランニングコストが係るという問題があった。
【０００４】
そこで、外気を利用して温室などの植物栽培用施設内の栽培植物に対して好ましい生育環境を提供できる植物栽培技術が提案されている（特許文献１参照。）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００４−８０４９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、上記特許文献１に提案されている技術は、植物栽培用施設の第１の壁体に設けられる送風手段と、この壁体と対向する第２の壁体に設けられる通気口かならなるものであるが、施設内の栽培植物の占有域においてほぼ一定の気流環境を形成させるため、極めて大きな送気設備や、気流調節装置を必要とするものであり、初期投資が大きく、採算面において問題が残るものであった。
【０００７】
上記の問題点に鑑み本発明者らは、外気を含む気流を該密閉型施設内に吸気して、栽培する植物及びきのこ類に送気し、排気口より排気する換気装置であって、初期投資に多大の経費を掛けずに、効率よく栽培する植物に対して、新鮮な外気を供給できる密閉施設型栽培用換気装置を提供するに至った。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
このため本発明の密閉施設型栽培用換気装置は、外気を含む気流を密閉型施設内に吸気して、栽培する植物及びきのこ類に送気し、排気口より排気する換気装置であって、前記密閉型施設の側面一端側に穿設された複数の吸気孔部と、該孔部と対向して前記密閉型施設の側面他端側に設けられた複数の排気装置とからなり、前記複数の吸気孔部は、植物及びきのこ類を栽培する多段からなる栽培用ラックの最上部に対向する密閉型施設の側面一端側に水平方向、且つ所定の間隔で穿設され、また前記複数の排気装置は、前記吸気孔部と対向する密閉型施設の側面他端側の、前記ラックの最下部に対向する位置に水平方向、且つ所定の間隔で設けられるれることを第一の特徴とする。
【０００９】
また、外気を含む気流を密閉型施設内に吸気して、栽培する植物及びきのこ類に送気し、排気口より排気する換気装置であって、前記密閉型施設の上面中央に穿設された複数の吸気孔部と、前記密閉型施設の両側面に設けられた複数の排気装置とからなり、前記複数の吸気孔部は、前記密閉型施設の上面中央に前記複数の排気装置と平行に所定の間隔にて穿設されると共に、植物及びきのこ類を栽培する多段からなる栽培用ラックの最上部位置まで延出し、前記排気口方向に夫々吸気可能な開口を有する筒体を貫通して設けられ、また前記複数の排気装置は、前記密閉型施設の両側面の、前記ラックの最下部に対向する位置に水平方向、且つ所定の間隔で設けられることを第二の特徴とする。
【００１０】
そして、前記吸気孔部の径は５０ｍｍ以上１００ｍｍ未満であり、また排気装置の排気口の径は１００ｍｍであり、且つ排気装置は所定時間毎に駆動する。
【発明の効果】
【００１１】
本発明に係る密閉施設型栽培用換気装置によれば、密閉型施設の側面一端側に穿設された複数の吸気孔部と、この吸気孔部と対向して前記密閉型施設の側面他端側に設けられた複数の排気装置とから構成されるため、極めて安価に設備できるという効果を有する。
【００１２】
また、吸気孔部は、栽培用ラックの最上部位置に対向して設けられ、排気装置は前記ラックの最下部に対向する位置に設けられ、しかも吸気孔部の径は５０ｍｍ以上１００ｍｍ未満であり、また排気装置の排気口の径は１００ｍｍであるため、密閉型施設内を空気たまりを生ずることなく適度な流速によって万遍なく通気して、排気することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】本発明に係る密閉施設型栽培用換気装置の一実施例を示す構成図である。
【図２】本発明に係る密閉施設型栽培用換気装置の他の実施例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
以下、本発明を実施例を示す図面を参照しながら説明するが、本発明が本実施例に限定されないことは言うまでもない。図１は本発明の密閉施設型栽培用換気装置の一実施例を示す構成図、図２は本発明に係る密閉施設型栽培用換気装置の他の実施例を示す構成図である。
【実施例】
【００１５】
図１は、本発明の密閉施設型栽培用換気装置を使用した、小規模の密閉施設装置の構成を示しており、図１（ａ）は側面説明図、図１（ｂ）は平面説明図、図１（ｃ）は正面説明図、図１（ｄ）は背面説明図である。図に示すように、本発明の密閉施設型栽培用換気装置は、植物及びきのこ類等の栽培物を複数の多段ラック１に載置して栽培する密閉施設装置２に設置されており、密閉施設装置２の一端側壁３には、その上部に複数の吸気孔部４が穿設され、また他端側壁５には、その下部に複数の排気口６が穿設されており、排気装置７の駆動によって、密閉施設装置２内に外気を吸気して、植物及びきのこ類等の栽培物が載置された複数の多段ラック１を経て、排気口６から排気される。
【００１６】
吸気孔部４は、密閉施設装置２内に設置される多段ラック１の最上位置に対向する一端側壁３に、所定のピッチで水平に複数穿設されており、その孔径は約１００ｍｍに形成されている。また、必要に応じでメッシュ材によって吸気孔部４を覆い、虫などの侵入を防止する。
【００１７】
排気口６は、密閉施設装置２内に設置される多段ラック１の最下位置に対向する他端側壁５に、所定のピッチで水平に複数穿設されており、その孔径は約９０ｍｍに形成されている。そしてこの排気口６には排気装置７が夫々接続しており、外部電源装置に(図示せず）よって駆動し排気口６から排気を行なう。
【００１８】
排気装置７は、小型モーター駆動による各種のファンが使用されており、例えばプロペラファン、ロータリーファンなどが採用されている。そして、２４時間タイマーの設定により、定時間ごとにモーターを駆動させて排気を行なう。尚、駆動時間等は密閉施設装置２の容積や栽培する植物などの数量によって適宜調節される。
【００１９】
上記の構成からなる本発明の密閉施設型栽培用換気装置を駆動させると、図１に示す矢印のごとく、外気が吸入孔部４から密閉施設装置２内へ吸引され、複数の多段ラック１の上方から、下方へ段階的に移動する気流の流れが生じ、密閉施設装置２の他端側壁５に設けられた排気口６から排気される。しかも図１（ｂ）のごとく、吸入孔部４から排気口６へ移動する気流は、順次集約されながら排気されるため、密閉施設装置２内に吸気された外気が、施設内に万遍なく行渡り、空気たまりを生ずることがない。
【００２０】
図２は、本発明の密閉施設型栽培用換気装置を使用した、大規模の密閉施設装置の構成を示しており、図２（ａ）は側面説明図、図２（ｂ）は平面説明図である。図において排気口及び排気装置の構成は、上述した実施例と同じであり、説明は省略する。
【００２１】
図に示すように、植物及びきのこ類等の栽培物を載置した複数の多段ラック１１が密閉施設装置１２内に設置されており、密閉施設装置１２の中央上部には、吸気用筒体１３が設けられ吸気孔部１４を挿通して外気を吸気可能とする。また密閉施設装置１２の両側壁１５、１５には、その下部に複数の排気口１６が穿設されており、
排気装置１７の駆動によって、密閉施設装置１２内に外気を吸気して、植物及びきのこ類等の栽培物が載置された複数の多段式ラック１１を経て、排気口１６から排気される。
【００２２】
吸気用筒体１３は、密閉施設装置１２の中央上部に両側壁１５と平行に所定の間隔にて穿設された複数の吸気孔部１４にそれぞれ嵌入して設置されており、その内径は約１００ｍｍに形成されている。また、必要に応じでメッシュ材によって吸気孔部１４を覆い、虫などの侵入を防止すると共に、傘部材などによって雨水などの浸入を防止する。
【００２３】
上記の構成からなる本発明の密閉施設型栽培用換気装置を駆動させると、図２に示す矢印のごとく、外気が吸入孔部１４から密閉施設装置１２内へ吸引される。吸引された外気は複数の多段ラック１１の上方から、密閉施設装置１２の両側壁１５に設けられた排気口６方向へ向かって段階的に移動する気流の流れが生じ、排気される。しかも図２（ｂ）のごとく、吸入用筒体１３から排気口６へ移動する気流は、順次集約されながら排気されるため、密閉施設装置１２内に吸気された外気が、施設内に万遍なく行渡り、空気たまりを生ずることがない。
【００２４】
以上の構成からなる本発明の植物栽培用換気装置は、密閉施設装置内に設けられ、その吸気孔部は、栽培用ラックの最上部位置に対向して設けられ、排気装置は前記ラックの最下部に対向する位置に設けられ、しかも吸気孔部の径は５０ｍｍ以上１００ｍｍ未満であり、また排気装置の排気口の径は１００ｍｍであるため、密閉型施設内を空気たまりを生ずることなく適度な流速によって万遍なく通気して、排気することができる。しかも、排気装置は、小型モーター駆動による各種のファンが使用されており、極めて安価に設備できるため、高価な初期投資を必要としない。
【符号の説明】
【００２５】
１、１１ 多段ラック
２、１２ 密閉施設装置
３ 一端側壁
４、１４ 吸気孔部
５ 他端側壁
６、１６ 排気口
７、１７ 排気装置
１３ 吸気用筒体
１５ 両側壁
【技術分野】
【０００１】
本発明は、換気装置であって、特に植物などの密閉型栽培装置に安価に使用できる換気装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近年、植物の栽培において、閉鎖的または半閉鎖的な環境で計画的な生産を行なうことが可能となる技術が広く知られている。これらの技術は一般に植物工場と称されており、植物の栽培において土壌を使用せずに溶液栽培を行い、光、温度などの環境を人工的に制御することで、病原菌や害虫など被害を受けず、年間を通して安定した植物製品の供給ができるものである。
【０００３】
しかしながら、これら植物工場に使用される装置は大型で極めて高価なものであり、しかも常に一定の環境条件に維持するためには、電気・光熱費などに多額のランニングコストが係るという問題があった。
【０００４】
そこで、外気を利用して温室などの植物栽培用施設内の栽培植物に対して好ましい生育環境を提供できる植物栽培技術が提案されている（特許文献１参照。）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００４−８０４９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、上記特許文献１に提案されている技術は、植物栽培用施設の第１の壁体に設けられる送風手段と、この壁体と対向する第２の壁体に設けられる通気口かならなるものであるが、施設内の栽培植物の占有域においてほぼ一定の気流環境を形成させるため、極めて大きな送気設備や、気流調節装置を必要とするものであり、初期投資が大きく、採算面において問題が残るものであった。
【０００７】
上記の問題点に鑑み本発明者らは、外気を含む気流を該密閉型施設内に吸気して、栽培する植物及びきのこ類に送気し、排気口より排気する換気装置であって、初期投資に多大の経費を掛けずに、効率よく栽培する植物に対して、新鮮な外気を供給できる密閉施設型栽培用換気装置を提供するに至った。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
このため本発明の密閉施設型栽培用換気装置は、外気を含む気流を密閉型施設内に吸気して、栽培する植物及びきのこ類に送気し、排気口より排気する換気装置であって、前記密閉型施設の側面一端側に穿設された複数の吸気孔部と、該孔部と対向して前記密閉型施設の側面他端側に設けられた複数の排気装置とからなり、前記複数の吸気孔部は、植物及びきのこ類を栽培する多段からなる栽培用ラックの最上部に対向する密閉型施設の側面一端側に水平方向、且つ所定の間隔で穿設され、また前記複数の排気装置は、前記吸気孔部と対向する密閉型施設の側面他端側の、前記ラックの最下部に対向する位置に水平方向、且つ所定の間隔で設けられるれることを第一の特徴とする。
【０００９】
また、外気を含む気流を密閉型施設内に吸気して、栽培する植物及びきのこ類に送気し、排気口より排気する換気装置であって、前記密閉型施設の上面中央に穿設された複数の吸気孔部と、前記密閉型施設の両側面に設けられた複数の排気装置とからなり、前記複数の吸気孔部は、前記密閉型施設の上面中央に前記複数の排気装置と平行に所定の間隔にて穿設されると共に、植物及びきのこ類を栽培する多段からなる栽培用ラックの最上部位置まで延出し、前記排気口方向に夫々吸気可能な開口を有する筒体を貫通して設けられ、また前記複数の排気装置は、前記密閉型施設の両側面の、前記ラックの最下部に対向する位置に水平方向、且つ所定の間隔で設けられることを第二の特徴とする。
【００１０】
そして、前記吸気孔部の径は５０ｍｍ以上１００ｍｍ未満であり、また排気装置の排気口の径は１００ｍｍであり、且つ排気装置は所定時間毎に駆動する。
【発明の効果】
【００１１】
本発明に係る密閉施設型栽培用換気装置によれば、密閉型施設の側面一端側に穿設された複数の吸気孔部と、この吸気孔部と対向して前記密閉型施設の側面他端側に設けられた複数の排気装置とから構成されるため、極めて安価に設備できるという効果を有する。
【００１２】
また、吸気孔部は、栽培用ラックの最上部位置に対向して設けられ、排気装置は前記ラックの最下部に対向する位置に設けられ、しかも吸気孔部の径は５０ｍｍ以上１００ｍｍ未満であり、また排気装置の排気口の径は１００ｍｍであるため、密閉型施設内を空気たまりを生ずることなく適度な流速によって万遍なく通気して、排気することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】本発明に係る密閉施設型栽培用換気装置の一実施例を示す構成図である。
【図２】本発明に係る密閉施設型栽培用換気装置の他の実施例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
以下、本発明を実施例を示す図面を参照しながら説明するが、本発明が本実施例に限定されないことは言うまでもない。図１は本発明の密閉施設型栽培用換気装置の一実施例を示す構成図、図２は本発明に係る密閉施設型栽培用換気装置の他の実施例を示す構成図である。
【実施例】
【００１５】
図１は、本発明の密閉施設型栽培用換気装置を使用した、小規模の密閉施設装置の構成を示しており、図１（ａ）は側面説明図、図１（ｂ）は平面説明図、図１（ｃ）は正面説明図、図１（ｄ）は背面説明図である。図に示すように、本発明の密閉施設型栽培用換気装置は、植物及びきのこ類等の栽培物を複数の多段ラック１に載置して栽培する密閉施設装置２に設置されており、密閉施設装置２の一端側壁３には、その上部に複数の吸気孔部４が穿設され、また他端側壁５には、その下部に複数の排気口６が穿設されており、排気装置７の駆動によって、密閉施設装置２内に外気を吸気して、植物及びきのこ類等の栽培物が載置された複数の多段ラック１を経て、排気口６から排気される。
【００１６】
吸気孔部４は、密閉施設装置２内に設置される多段ラック１の最上位置に対向する一端側壁３に、所定のピッチで水平に複数穿設されており、その孔径は約１００ｍｍに形成されている。また、必要に応じでメッシュ材によって吸気孔部４を覆い、虫などの侵入を防止する。
【００１７】
排気口６は、密閉施設装置２内に設置される多段ラック１の最下位置に対向する他端側壁５に、所定のピッチで水平に複数穿設されており、その孔径は約９０ｍｍに形成されている。そしてこの排気口６には排気装置７が夫々接続しており、外部電源装置に(図示せず）よって駆動し排気口６から排気を行なう。
【００１８】
排気装置７は、小型モーター駆動による各種のファンが使用されており、例えばプロペラファン、ロータリーファンなどが採用されている。そして、２４時間タイマーの設定により、定時間ごとにモーターを駆動させて排気を行なう。尚、駆動時間等は密閉施設装置２の容積や栽培する植物などの数量によって適宜調節される。
【００１９】
上記の構成からなる本発明の密閉施設型栽培用換気装置を駆動させると、図１に示す矢印のごとく、外気が吸入孔部４から密閉施設装置２内へ吸引され、複数の多段ラック１の上方から、下方へ段階的に移動する気流の流れが生じ、密閉施設装置２の他端側壁５に設けられた排気口６から排気される。しかも図１（ｂ）のごとく、吸入孔部４から排気口６へ移動する気流は、順次集約されながら排気されるため、密閉施設装置２内に吸気された外気が、施設内に万遍なく行渡り、空気たまりを生ずることがない。
【００２０】
図２は、本発明の密閉施設型栽培用換気装置を使用した、大規模の密閉施設装置の構成を示しており、図２（ａ）は側面説明図、図２（ｂ）は平面説明図である。図において排気口及び排気装置の構成は、上述した実施例と同じであり、説明は省略する。
【００２１】
図に示すように、植物及びきのこ類等の栽培物を載置した複数の多段ラック１１が密閉施設装置１２内に設置されており、密閉施設装置１２の中央上部には、吸気用筒体１３が設けられ吸気孔部１４を挿通して外気を吸気可能とする。また密閉施設装置１２の両側壁１５、１５には、その下部に複数の排気口１６が穿設されており、
排気装置１７の駆動によって、密閉施設装置１２内に外気を吸気して、植物及びきのこ類等の栽培物が載置された複数の多段式ラック１１を経て、排気口１６から排気される。
【００２２】
吸気用筒体１３は、密閉施設装置１２の中央上部に両側壁１５と平行に所定の間隔にて穿設された複数の吸気孔部１４にそれぞれ嵌入して設置されており、その内径は約１００ｍｍに形成されている。また、必要に応じでメッシュ材によって吸気孔部１４を覆い、虫などの侵入を防止すると共に、傘部材などによって雨水などの浸入を防止する。
【００２３】
上記の構成からなる本発明の密閉施設型栽培用換気装置を駆動させると、図２に示す矢印のごとく、外気が吸入孔部１４から密閉施設装置１２内へ吸引される。吸引された外気は複数の多段ラック１１の上方から、密閉施設装置１２の両側壁１５に設けられた排気口６方向へ向かって段階的に移動する気流の流れが生じ、排気される。しかも図２（ｂ）のごとく、吸入用筒体１３から排気口６へ移動する気流は、順次集約されながら排気されるため、密閉施設装置１２内に吸気された外気が、施設内に万遍なく行渡り、空気たまりを生ずることがない。
【００２４】
以上の構成からなる本発明の植物栽培用換気装置は、密閉施設装置内に設けられ、その吸気孔部は、栽培用ラックの最上部位置に対向して設けられ、排気装置は前記ラックの最下部に対向する位置に設けられ、しかも吸気孔部の径は５０ｍｍ以上１００ｍｍ未満であり、また排気装置の排気口の径は１００ｍｍであるため、密閉型施設内を空気たまりを生ずることなく適度な流速によって万遍なく通気して、排気することができる。しかも、排気装置は、小型モーター駆動による各種のファンが使用されており、極めて安価に設備できるため、高価な初期投資を必要としない。
【符号の説明】
【００２５】
１、１１ 多段ラック
２、１２ 密閉施設装置
３ 一端側壁
４、１４ 吸気孔部
５ 他端側壁
６、１６ 排気口
７、１７ 排気装置
１３ 吸気用筒体
１５ 両側壁
【特許請求の範囲】
【請求項１】
植物及びきのこ類の栽培を行なう密閉型施設において、外気を含む気流を該密閉型施設内に吸気して、栽培する植物及びきのこ類に送気し、排気口より排気する換気装置であって、前記密閉型施設の側面一端側に穿設された複数の吸気孔部と、該孔部と対向して前記密閉型施設の側面他端側に設けられた複数の排気装置とからなり、前記複数のは、植物及びきのこ類を栽培する多段からなる栽培用ラックの最上部に対向する密閉型施設の側面一端側に水平方向、且つ所定の間隔で穿設され、また前記複数の排気装置は、前記吸気孔部と対向する密閉型施設の側面他端側の、前記ラックの最下部に対向する位置に水平方向、且つ所定の間隔で設けられることを特徴とする換気装置。
【請求項２】
植物及びきのこ類の栽培を行なう密閉型施設において、外気を含む気流を該密閉型施設内に吸気して、栽培する植物及びきのこ類に送気し、排気口より排気する換気装置であって、前記密閉型施設の上面中央に穿設された複数の吸気孔部と、前記密閉型施設の両側面に設けられた複数の排気装置とからなり、前記複数の吸気孔部は、前記密閉型施設の上面中央に前記複数の排気装置と平行に所定の間隔にて穿設されると共に、植物及びきのこ類を栽培する多段からなる栽培用ラックの最上部位置まで延出し、前記排気口方向に夫々吸気可能な開口を有する筒体を貫通して設けられ、また前記複数の排気装置は、前記密閉型施設の両側面の、前記ラックの最下部に対向する位置に水平方向、且つ所定の間隔で設けられることを特徴とする換気装置。
【請求項３】
前記吸気孔部の径は５０ｍｍ以上１００ｍｍ未満であり、また排気装置の排気口の径は１００ｍｍであり、且つ排気装置は所定時間毎に駆動することを特徴とする請求項１叉は２に記載の換気装置。
【請求項１】
植物及びきのこ類の栽培を行なう密閉型施設において、外気を含む気流を該密閉型施設内に吸気して、栽培する植物及びきのこ類に送気し、排気口より排気する換気装置であって、前記密閉型施設の側面一端側に穿設された複数の吸気孔部と、該孔部と対向して前記密閉型施設の側面他端側に設けられた複数の排気装置とからなり、前記複数のは、植物及びきのこ類を栽培する多段からなる栽培用ラックの最上部に対向する密閉型施設の側面一端側に水平方向、且つ所定の間隔で穿設され、また前記複数の排気装置は、前記吸気孔部と対向する密閉型施設の側面他端側の、前記ラックの最下部に対向する位置に水平方向、且つ所定の間隔で設けられることを特徴とする換気装置。
【請求項２】
植物及びきのこ類の栽培を行なう密閉型施設において、外気を含む気流を該密閉型施設内に吸気して、栽培する植物及びきのこ類に送気し、排気口より排気する換気装置であって、前記密閉型施設の上面中央に穿設された複数の吸気孔部と、前記密閉型施設の両側面に設けられた複数の排気装置とからなり、前記複数の吸気孔部は、前記密閉型施設の上面中央に前記複数の排気装置と平行に所定の間隔にて穿設されると共に、植物及びきのこ類を栽培する多段からなる栽培用ラックの最上部位置まで延出し、前記排気口方向に夫々吸気可能な開口を有する筒体を貫通して設けられ、また前記複数の排気装置は、前記密閉型施設の両側面の、前記ラックの最下部に対向する位置に水平方向、且つ所定の間隔で設けられることを特徴とする換気装置。
【請求項３】
前記吸気孔部の径は５０ｍｍ以上１００ｍｍ未満であり、また排気装置の排気口の径は１００ｍｍであり、且つ排気装置は所定時間毎に駆動することを特徴とする請求項１叉は２に記載の換気装置。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２０１１−２４４７３９（Ｐ２０１１−２４４７３９Ａ）
【公開日】平成２３年１２月８日（２０１１．１２．８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１２１０７７（Ｐ２０１０−１２１０７７）
【出願日】平成２２年５月２７日（２０１０．５．２７）
【出願人】（５０９１７７２８９）株式会社ＫＤアグリ (3)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年１２月８日（２０１１．１２．８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年５月２７日（２０１０．５．２７）
【出願人】（５０９１７７２８９）株式会社ＫＤアグリ (3)
【Ｆターム（参考）】
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