密閉部材と、これを有する容器
本発明は、密閉部材とそれを有する容器に関する。前記密閉部材は、前記容器の開口に取り付けられ前記容器を封止する封止部110と、それぞれ前記封止部110の下側縁から延びるヒンジ111に結合し、内側に突起し、前記容器に形成された係止縁に固定される、複数の係止突起112と、リング状で、前記封止部110に対して垂直に動くように前記封止部110の外側に取り付けられるカバー部120と、前記カバー部120の内側円周面から突き出て前記係止突起112を支持する複数の固定突起121を有する。前記密閉部材は、前記封止部とカバー部の相対的な垂直の動きによりワンタッチで開閉され、それにより簡便な操作とともに確実な気密性を確保する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密閉部材と、それを有する容器に関し、特に、水、飲料等の液体を入れる容器に使用され、ワンタッチで開閉して簡便に使用され、良好な気密性を確保する密閉部材と、これを有する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料、粉体、あるいは他の内容物を入れる容器は、容器の用途あるいは、容器に入れられる内容物に依存する種々の機能を有することが要求される密閉部材を一般的に備える。
【0003】
例えば、炭酸飲料の容器は、周囲圧に対して内部圧を維持しなくてはならないので、流通の過程で密閉部材の気密性を維持することが重要である。
【0004】
比較的に大きな容量を持つ容器の場合、容器が開封された後、容器内に残された内容物が劣化しないように、都合よく再封止できる密閉部材を有することが望ましい。
【0005】
他の例として、一般的な飲み物の容器にしばしば使用されるスクリュートップは、回転しなければならないという不便さを有する。特に、多くの子供達は、スクリュートップを回転して容器を開閉することに未経験であり、スクリュートップを用いることに不便さを感じる。
【0006】
スクリュートップは、内容物が漏れないように強く閉めなければならない。しかし、この場合、閉められたスクリュートップを再度開けることは容易ではない。反対に、スクリュートップが、容易に再度開けられるようにしっかりと閉められていない場合は、容器の内容物が漏れてくる。
【0007】
上記の問題を解決する為に、本願発明の発明者は、韓国特許10-575259(April 24, 2006発行)、韓国特許10-757795(September 5, 2007発行)及び実用新案登録20-385497 (May 21, 2005発行)において開示した様に、簡便な使用を可能にする密閉構造を提案している。上記文献に開示した密閉部材は、ワンタッチで開閉が可能で、スクリュートップに較べ、より簡便に使用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国登録特許第10−575259号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10−757795号公報
【特許文献3】韓国実用新案第20−385497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本願発明は、従来の密閉構造の改良を意図するものである。そのために、本願発明は、所定の圧力の下で容器に内容物が入れられる場合であっても、充分な気密性を確保するとともに、簡便に使用ができる密閉部材とそれを有する容器を提供することに向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面において、容器の開口に取り付けられ前記容器を封止する封止部と、それぞれ前記封止部の下側縁から延びるヒンジに結合し、内側に突起し、前記容器に形成された係止縁に固定される、複数の係止突起と、リング状で、前記封止部に対して垂直に動くように前記封止部の外側に取り付けられるカバー部と、前記カバー部の内側円周面から突き出て前記係止突起を支持する複数の固定突起を有する密閉部材が提供される。
【0011】
本発明の他の側面において、容器本体の開口の外周面から突き出た係止縁を有する容器本体と、前記開口に結合して前記容器を封止する密閉部材を有し、前記密閉部材は、前記容器の開口に取り付けられ前記容器本体を封止する封止部と、それぞれ前記封止部の下側縁から延びるヒンジに結合し、内側に突起し、前記容器に形成された係止縁に固定される、複数の係止突起と、リング状で、前記封止部に対して垂直に動くように前記封止部の外側に取り付けられるカバー部と、前記カバー部の内側円周面から突き出て前記係止突起を支持する複数の固定突起を有する容器が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明に従う密閉部材あるいはそれを有する容器が使用されると、封止部分とカバー部分の相対的な上下方向への動きによってワンタッチで密閉部材の開閉が可能で、それにより簡便な操作と良好な気密性を確実にする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明に従う密閉部材の全体を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明に従う密閉部材の平面図である。
【図3】図3は、図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】図4は、図2のB−B線に沿う断面図である
【図5】図5は、本発明に従う密閉部材の開封処理を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明に従う密閉部材の開封処理を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明に従う密閉部材に用いる係止突起の変形例を示す図である。
【図8】図8は、本発明に従う密閉部材に用いる係止突起の変形例を示す図である。
【図9】図9は、本発明に従う密閉部材に用いる係止突起の変形例を示す図である。
【図10】図10は、本発明に従う密閉部材に用いる係止突起の変形例を示す図である。
【図11】図11は、本発明に従う密閉部材の他の実施例を示す図である。
【図12】図12は、本発明に従う密閉部材の他の実施例を示す図である。
【図13】図13は、本発明に従う密閉部材の他の実施例を示す図である。
【図14】図14は、本発明に従う密閉部材の更に他の実施例を示す図である。
【図15】図15は、本発明に従う密閉部材の更に他の実施例を示す図である。
【図16】図16は、本発明に従う密閉部材の更に他の実施例を示す図である。
【図17】図17は、本発明に従う密閉部材のより他の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以降に、本発明の実施例を添付の図面を参照して説明する。
【0015】
図1を参照すると、本発明に従う密閉部材は、射出成形により全体が樹脂材料で形成される。密閉部材は、気密封止用の容器の開口部を囲んで取り付けられた封止部110と、前記封止部110に対して縦方向に可動な封止部110の外側に取り付けたカバー部120を有する。
【0016】
封止部110の下端は、薄い帯状に形成された結合バンド130によりカバー部120の上端に結合され、結合バンドは折り曲げられる様な薄さである。
【0017】
封止部110は、回転対称に形成された係止突起112を有し、これにより係止突起112が容器に形成された係止縁に固定される。係止突起112の数は、容器の大きさ、気密度等を考慮して決められる。
【0018】
それぞれの係止突起112は、封止部110の下部縁から延びているヒンジ111に結合し、内部に突き出るように形成される。
【0019】
ヒンジ111は、係止突起112に比較してより薄く、各係止突起112は、回転軸として作用する対応のヒンジ111の周りを回転できる。
【0020】
それぞれの係止突起112は、係止突起の下端に内側に凹んだ溝112aを有し、カバー部120の内側に形成された固定突起121が、溝112aにより支持される。
【0021】
カバー部120は、カバー部120の外周面の下端で外側で突き出た把持突起122を有し、ユーザが容器の開閉操作をする際に、カバー部120を容易に掴むことができる。好ましくは、二つの把持突起が互いに対向して位置づけられる。
【0022】
例えば、図1は、本発明に従う容器の全体構成を示すために、カバー部から封止部を引き抜いた状態を示す。封止部がカバー部に挿入されている際に、密閉部材の開閉操作が可能であり、他の図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図2を参照すると、封止部110の下端に備えられた係止突起112は、容器に形成された係止縁に固定され、それぞれの係止突起112が好ましくは容器の係止縁に対向する凹曲面112bを有する。それにより、係止突起112が係止縁に固定又は開放される時に、係止突起112が容易に弾性的に変形される。
【0024】
図3は、密閉部材が閉じた状態になる様に容器に密閉部材が取り付けられた状態を示す。封止部110の下端の係止突起112が容器200の係止縁210に固定され、容器が気密状態に保たれる。このとき、封止部110の上端はカバー部120の上端と一致し、封止部110の上端がカバー部120の上端とぴったり重なる。
【0025】
封止部110の外側に位置するカバー部120のそれぞれの固定突起121は、全ての係止突起112が、外側に広がらず、容器200の係止縁210に確実に固定される様に、対応する係止突起112の下端の対応する溝112に位置する。
【0026】
それぞれの係止突起112の下部内面は傾斜面112cを有し、密閉部材を取り付けを可能とするとともに、傾斜面112cにより各係止突起112が容器の係止縁210に固定されるのを防ぐ。
【0027】
リブ113が封止部110の下部面に付加的に形成され、リブ113が容器の開口部に挿入され、気密状態を高めることができる。
【0028】
カバー部120は、封止部110の外側にピッタリと取り付けられ、カバー部120が封止部110に対して上下に動く様にされる。そして、封止部110とカバー部120の間の上下方向の操作により密閉部材を開閉できるようにしている。
【0029】
カバー部120と封止部110との間の隙間は、カバー部120と封止部110が容易に互いに上下方向に動ける限り、最小化されている。
【0030】
図4に示す様に、薄い帯状に形成された結合バンド130がカバー部120の上端と封止部110の下端の間に備えられ、カバー部120と封止部110が一体化するように相互に結合されている。結合バンドは結合バンド130がカバー部と封止部間で相対的な上方向及び下方向の動きを妨げることなく折り曲げられる。
【0031】
以下、上記の構成の本発明に従う密閉部材の簡単な使用を説明する。
【0032】
図5に示す様に、密閉部材100が容器200に取り付けられているときに、ユーザが、把持突起122を把持し、カバー部120を上方向に動かし、上方から封止部110を押すと、対応する係止突起112を支持する固定突起121が、カバー部120が上方向に動くので、カバー部120とともに上方向に動かされる。このとき、固定突起121が対応する係止突起112上を動くので、容器200の係止縁210の固定されている係止突起112が、軸として作用するヒンジ111に対して外方向に広げられ、密閉部材100を開けることができる。
【0033】
一方、ユーザが、密閉部材を開ける為に封止部110を押すことも固定することもなくカバー部120のみを引き上げると、カバー部120及び封止部110は、係止突起112が固定突起121により支持されている状態で上方向に動かされる。しかし、この時、係止突起112は固定突起121により支持されているので、係止突起112は係止縁210から容易に離されない。
【0034】
この様に、ユーザが、密閉部材を開ける為に封止部110を押すことも固定することもなくカバー部120のみを引き上げるときは、密閉部材は開けられない。反対に、密閉部材は封止部とカバー部が同時に上記した様に操作される正常な開封操作を通してのみ開けられる。この様に、本発明に従う密閉部材は、上記説明のように密閉部材の正常な開封操作によってのみ開けられる安全な密閉部材として機能する。
【0035】
次に、図6は、それぞれの固定突起121が対応するヒンジ111の外側に位置する場合に密閉部材が開けられる状態を示している。この時、封止部110の上端はカバー部120の上端の下に位置している。
【0036】
容器上の密閉部材を押すことにより、密閉部材が容器に取り付けられる。このとき、容器の係止縁210の上端が、それぞれの係止突起112の下端面に対応する傾斜面112cに接触し、それぞれの係止突起112は容器の係止縁210上に動き固定される。同時に、カバー部120が下方向に動き、それぞれの固定突起121が係止突起112の対応する溝112aに挿入される。そうして、それぞれの固定突起121は、係止突起112を支持してそれぞれの係止突起112が外側に広がるのを防ぎ、容器が閉められる(図5参照)。
【0037】
図7は、本発明に従う密閉部材に使用される係止突起の変形例を示す図である。
【0038】
図7は、図3に示す係止突起の一部分を示す拡大図である。上記に説明した様に、密閉部材を開くためにユーザがカバー部を上方向に動かし、同時に封止部を押すと、密閉部材が開けられる。
【0039】
この開封処理において、係止突起112を支持する固定突起121が、係止突起112の溝部112aから上方向に動き、固定突起121が溝部112から外れる。この開封処理の間、固定突起121と係止突起112が圧縮され、弾性的に変形される。
【0040】
したがって、密閉部材を開ける為に、固定突起121が係止突起112の溝部112aから完全に離れる程の変位d1において、大きな操作力が要求される。
【0041】
図8は、図7に示される様に係止突起を有する密閉部が開いている時のカバー部と封止部間における操作力Fと垂直方向変位の関係を示すグラフである。ここでは、ユーザは、密閉部材を開けるための縦方向変位d1まで、大きな操作力が必要であることを示している。
【0042】
上述した様に、密閉部材を開く為の操作力は、固定突起の大きさ(突起の程度)と係止突起の溝の深さ等に依存して決められる。従って、操作力は、密閉部材の用途に従って選択される。例えば、容器の内容物が、炭酸飲料の様な大きな内部圧を有する場合、密閉部材は、容易に開かないように好ましく設計される。この場合、固定突起の大きさ及び係止突起の溝の深さ等は、大きな操作力を有する様に選択される。さもなければ、密閉部材における固定突起の数及び係止突起の数を増加しても良い。
【0043】
図9は、本発明に従う密閉部材に用いられる係止突起の一変形例を示す。本発明の密閉部材において、係止突起112は、係止突起112の下端で垂直方向に対して傾いた傾斜面112dを有し、固定突起121が前記傾斜面112dにより支持される。
【0044】
図10は、図9に示される様に係止突起を有する密閉部が開いている時のカバー部と封止部間における操作力Fと垂直方向変位dの関係を示すグラフである。ここで、開封処理の間、係止突起112の傾斜面に沿って、固定突起121が動くので、図7の実施例と比較すると、ユーザは、傾斜面の境界線に対応する垂直位置変位d1まで比較的小さな操作力F2で、密閉部材を開けることができる。
【0045】
上記した様に、密閉部材を開く為の操作力の大きさは、係止突起の形状に依存して変えられる。したがって、操作力は密閉部材の用途によって選択される。
【0046】
例えば、密閉部材の容易な開閉のみが容器にとって重要と考えられる場合は、容器は、図9の変形例で示した様に比較的小さな操作力で容易に開閉される様に設計される。しかし、容器が薬品や化学物を収容する場合は、子供が容易に開けられないように、あるいは炭酸飲料等の比較的に大きな内部圧力を有する内容物である場合は、密閉部材は図7に示す変形例のように大きな操作力を有する様に設計される。
【0047】
図7及び図9を参照して、密閉部材を開くための操作力の大きさが係止突起の形状の変更により変わることを示した。しかし、追加的あるいは、代替的に、密閉部材を開くのに要する操作力は、固定突起の大きさ及び又は形状を変えることにより、種々の方法をとり得ることは当業者により自明である。
【0048】
さて、図11乃至図13は、本発明に従う他の実施例を示している。本発明に従う密閉部材100において、係止突起112の上端から上方向に突き出るレバー突起114を追加的に備えることもできる。
【0049】
図11に示す様に、二つのレバー突起114がヒンジ111に隣接する係止突起112の両サイドの上端部から上方向に突き出ている。
【0050】
密閉部材が開けられた後、開けられた密閉部材を容器に再び取り付ける過程で、それぞれのレバー突起114が係止突起と容器の係止縁との干渉を防ぐことができる。それにより、密閉部材は何ら不都合なしに、容器に容易に再び取り付けできる。
【0051】
例えば、図6は、密閉部材が開けられた後、係止突起112が内側に折り曲げられないことを示している。係止突起112が内側に折り曲げられると、開けられた密閉部材を再取り付けする処理の過程で、係止突起112は容器の係止縁210により固定され、そうして密閉部材は閉じられなくなる。
【0052】
このように、密閉部材が開けられた後、レバー突起114が係止突起112を永久に外方向に広げ、容器に密閉部材を再び取り付ける過程で、レバー突起114が係止突起と容器の係止縁間の干渉を防ぐことができる。これにより、密閉部材が容器に誤って取り付けられることを防ぐことができる。
【0053】
より具体的に、図12は、上記に説明したと同じ処理により密閉部材を開けた後、固定突起121がヒンジの近傍に位置し、固定突起121がレバー突起114が内側方向に押され、ヒンジ111に結合した係止突起112が外方向に広がるのを許容することを示している。
【0054】
上記した様に密閉部材が開けられた後、係止突起が永久に外方向に広げられるので、容器の係止縁210は、開けられた密閉部材の再取り付けの過程で、係止突起112の下端で傾斜面112cと常に接触する。それにより、密閉部材は、容易に容器に取り付けられる。
【0055】
図13は、本発明に従う密閉部材において使用されるレバー突起の変型例であり、一つのレバー突起314が2つのヒンジ311により結合する係止突起312の中心近傍に上方に突き出ることができる。
【0056】
固定突起が挿入される溝312aはレバー突起314が位置する係止突起312の下端近傍に形成される。密閉部材の開閉処理は、上記した実施例と同様である。
【0057】
図14乃至図16は、本発明に従う密閉部材の更に他の実施例を示す。
【0058】
図14に示す様に、本発明に従う密閉部材において、少なくとも2本の案内バー140が垂直下方向に封止部110の下部リムに追加的に固定される。それにより案内バー140の下端がカバー部120の内周面に接触される。
【0059】
参考として、図14は、図1に示したように射出成型により製造される密閉部材の開口を示している。密閉部材の射出成型された初めの状態において、封止部110は上部に位置する。しかし、封止部110が、上記した様に密閉部材が容器に結合され、閉じられると、封止部110の上端は、カバー部120の上端にぴったり重なる(図3参照)。
【0060】
図14に示す様に、射出成型により製造された密閉部材において、封止部及びカバー部は薄い結合バンドのみにより相互に結合されている。このように、封止部とカバー部を支持する為に追加的な補助手段を有しない場合、薄い結合バンドが弱いために、結合バンドは、射出成型で製造された密閉部材が容器に取り付けられるまでの密閉部材の取り扱いあるいは運搬処理を通して容易に裂けたり、傷付けられる。
【0061】
したがって、本発明に従う密閉部材に備えられる案内バーは、上記のように製造された密閉部材が容器に取り付けられるまでの密閉部材の取り扱い中に結合バンドが傷つけられるのを防止する。そして、容器に密閉部材が取り付けられた後、封止部とカバー部間の相対的な上下方向の動きをガイドする。
【0062】
図15を参照すると、射出成型により、封止部110に固定された案内バー140の上端140aは、上端140aが封止部110にしっかりと固定される様に厚く、カバー部120の上端の内円周面に固定された案内バー140の下端140bは下端140bが上端140aと較べてカバー部120の上端部に弱く固定される様に薄い。
【0063】
一方、射出成型された密閉部材を容器に初めて取り付ける処理において、強く下方向に押され、封止部110が容器の開口に予備的に取り付けられると、封止部110が下方向に動かされ、容器に取り付けられ、案内バー140の下端140bとカバー部120の間の結合が壊される。
【0064】
図16に示す様に、密閉部材が容器に取り付けられた後、案内バー140は封止部110とともに垂直方向に動かされる。案内バー140がカバー部120の内面壁に沿って動かされるので、案内バー140は封止部とカバー部との間に隙間を形成する。それにより案内バー140は封止部とカバー部の上下方向の動きを容易にする案内機能を果たす。
【0065】
図17は、本発明に従う密閉部材の更なる実施例を示す。先の実施例は、封止部とカバー部が結合バンドで互いに結合されていることを示しているが、封止部とカバー部はこの実施例では結合バンドで結合されていることを必要としない。
【0066】
封止部410とカバー部420が別個のプロセスにより製造され、図17に示す様に密閉部材として一体に組み立てられるが、密閉部材は先の実施例で述べられたと同じ方法で操作されることは当業者にとって明らかである。
【0067】
一方、カバー部と結合バンドとの間に弱く結合された補助バンドが付加的に備えられ、あるレベルの操作力を与えることで密閉部材が初めて開けられる時、その補助バンドが切られる。
【0068】
ユーザは、補助バンドが切られているか否かを判定することで、容器の内容物が既に使用された否かをチェックすることができる。
【0069】
上記の実施例は、本発明の思想を詳細に示す為の単なる例として理解されるべきであり、従って、本発明の範囲は、図面及び実施例のいずれにも限定されるものではない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、密閉部材と、それを有する容器に関し、特に、水、飲料等の液体を入れる容器に使用され、ワンタッチで開閉して簡便に使用され、良好な気密性を確保する密閉部材と、これを有する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料、粉体、あるいは他の内容物を入れる容器は、容器の用途あるいは、容器に入れられる内容物に依存する種々の機能を有することが要求される密閉部材を一般的に備える。
【0003】
例えば、炭酸飲料の容器は、周囲圧に対して内部圧を維持しなくてはならないので、流通の過程で密閉部材の気密性を維持することが重要である。
【0004】
比較的に大きな容量を持つ容器の場合、容器が開封された後、容器内に残された内容物が劣化しないように、都合よく再封止できる密閉部材を有することが望ましい。
【0005】
他の例として、一般的な飲み物の容器にしばしば使用されるスクリュートップは、回転しなければならないという不便さを有する。特に、多くの子供達は、スクリュートップを回転して容器を開閉することに未経験であり、スクリュートップを用いることに不便さを感じる。
【0006】
スクリュートップは、内容物が漏れないように強く閉めなければならない。しかし、この場合、閉められたスクリュートップを再度開けることは容易ではない。反対に、スクリュートップが、容易に再度開けられるようにしっかりと閉められていない場合は、容器の内容物が漏れてくる。
【0007】
上記の問題を解決する為に、本願発明の発明者は、韓国特許10-575259(April 24, 2006発行)、韓国特許10-757795(September 5, 2007発行)及び実用新案登録20-385497 (May 21, 2005発行)において開示した様に、簡便な使用を可能にする密閉構造を提案している。上記文献に開示した密閉部材は、ワンタッチで開閉が可能で、スクリュートップに較べ、より簡便に使用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国登録特許第10−575259号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10−757795号公報
【特許文献3】韓国実用新案第20−385497号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本願発明は、従来の密閉構造の改良を意図するものである。そのために、本願発明は、所定の圧力の下で容器に内容物が入れられる場合であっても、充分な気密性を確保するとともに、簡便に使用ができる密閉部材とそれを有する容器を提供することに向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面において、容器の開口に取り付けられ前記容器を封止する封止部と、それぞれ前記封止部の下側縁から延びるヒンジに結合し、内側に突起し、前記容器に形成された係止縁に固定される、複数の係止突起と、リング状で、前記封止部に対して垂直に動くように前記封止部の外側に取り付けられるカバー部と、前記カバー部の内側円周面から突き出て前記係止突起を支持する複数の固定突起を有する密閉部材が提供される。
【0011】
本発明の他の側面において、容器本体の開口の外周面から突き出た係止縁を有する容器本体と、前記開口に結合して前記容器を封止する密閉部材を有し、前記密閉部材は、前記容器の開口に取り付けられ前記容器本体を封止する封止部と、それぞれ前記封止部の下側縁から延びるヒンジに結合し、内側に突起し、前記容器に形成された係止縁に固定される、複数の係止突起と、リング状で、前記封止部に対して垂直に動くように前記封止部の外側に取り付けられるカバー部と、前記カバー部の内側円周面から突き出て前記係止突起を支持する複数の固定突起を有する容器が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明に従う密閉部材あるいはそれを有する容器が使用されると、封止部分とカバー部分の相対的な上下方向への動きによってワンタッチで密閉部材の開閉が可能で、それにより簡便な操作と良好な気密性を確実にする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明に従う密閉部材の全体を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明に従う密閉部材の平面図である。
【図3】図3は、図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】図4は、図2のB−B線に沿う断面図である
【図5】図5は、本発明に従う密閉部材の開封処理を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明に従う密閉部材の開封処理を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明に従う密閉部材に用いる係止突起の変形例を示す図である。
【図8】図8は、本発明に従う密閉部材に用いる係止突起の変形例を示す図である。
【図9】図9は、本発明に従う密閉部材に用いる係止突起の変形例を示す図である。
【図10】図10は、本発明に従う密閉部材に用いる係止突起の変形例を示す図である。
【図11】図11は、本発明に従う密閉部材の他の実施例を示す図である。
【図12】図12は、本発明に従う密閉部材の他の実施例を示す図である。
【図13】図13は、本発明に従う密閉部材の他の実施例を示す図である。
【図14】図14は、本発明に従う密閉部材の更に他の実施例を示す図である。
【図15】図15は、本発明に従う密閉部材の更に他の実施例を示す図である。
【図16】図16は、本発明に従う密閉部材の更に他の実施例を示す図である。
【図17】図17は、本発明に従う密閉部材のより他の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以降に、本発明の実施例を添付の図面を参照して説明する。
【0015】
図1を参照すると、本発明に従う密閉部材は、射出成形により全体が樹脂材料で形成される。密閉部材は、気密封止用の容器の開口部を囲んで取り付けられた封止部110と、前記封止部110に対して縦方向に可動な封止部110の外側に取り付けたカバー部120を有する。
【0016】
封止部110の下端は、薄い帯状に形成された結合バンド130によりカバー部120の上端に結合され、結合バンドは折り曲げられる様な薄さである。
【0017】
封止部110は、回転対称に形成された係止突起112を有し、これにより係止突起112が容器に形成された係止縁に固定される。係止突起112の数は、容器の大きさ、気密度等を考慮して決められる。
【0018】
それぞれの係止突起112は、封止部110の下部縁から延びているヒンジ111に結合し、内部に突き出るように形成される。
【0019】
ヒンジ111は、係止突起112に比較してより薄く、各係止突起112は、回転軸として作用する対応のヒンジ111の周りを回転できる。
【0020】
それぞれの係止突起112は、係止突起の下端に内側に凹んだ溝112aを有し、カバー部120の内側に形成された固定突起121が、溝112aにより支持される。
【0021】
カバー部120は、カバー部120の外周面の下端で外側で突き出た把持突起122を有し、ユーザが容器の開閉操作をする際に、カバー部120を容易に掴むことができる。好ましくは、二つの把持突起が互いに対向して位置づけられる。
【0022】
例えば、図1は、本発明に従う容器の全体構成を示すために、カバー部から封止部を引き抜いた状態を示す。封止部がカバー部に挿入されている際に、密閉部材の開閉操作が可能であり、他の図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図2を参照すると、封止部110の下端に備えられた係止突起112は、容器に形成された係止縁に固定され、それぞれの係止突起112が好ましくは容器の係止縁に対向する凹曲面112bを有する。それにより、係止突起112が係止縁に固定又は開放される時に、係止突起112が容易に弾性的に変形される。
【0024】
図3は、密閉部材が閉じた状態になる様に容器に密閉部材が取り付けられた状態を示す。封止部110の下端の係止突起112が容器200の係止縁210に固定され、容器が気密状態に保たれる。このとき、封止部110の上端はカバー部120の上端と一致し、封止部110の上端がカバー部120の上端とぴったり重なる。
【0025】
封止部110の外側に位置するカバー部120のそれぞれの固定突起121は、全ての係止突起112が、外側に広がらず、容器200の係止縁210に確実に固定される様に、対応する係止突起112の下端の対応する溝112に位置する。
【0026】
それぞれの係止突起112の下部内面は傾斜面112cを有し、密閉部材を取り付けを可能とするとともに、傾斜面112cにより各係止突起112が容器の係止縁210に固定されるのを防ぐ。
【0027】
リブ113が封止部110の下部面に付加的に形成され、リブ113が容器の開口部に挿入され、気密状態を高めることができる。
【0028】
カバー部120は、封止部110の外側にピッタリと取り付けられ、カバー部120が封止部110に対して上下に動く様にされる。そして、封止部110とカバー部120の間の上下方向の操作により密閉部材を開閉できるようにしている。
【0029】
カバー部120と封止部110との間の隙間は、カバー部120と封止部110が容易に互いに上下方向に動ける限り、最小化されている。
【0030】
図4に示す様に、薄い帯状に形成された結合バンド130がカバー部120の上端と封止部110の下端の間に備えられ、カバー部120と封止部110が一体化するように相互に結合されている。結合バンドは結合バンド130がカバー部と封止部間で相対的な上方向及び下方向の動きを妨げることなく折り曲げられる。
【0031】
以下、上記の構成の本発明に従う密閉部材の簡単な使用を説明する。
【0032】
図5に示す様に、密閉部材100が容器200に取り付けられているときに、ユーザが、把持突起122を把持し、カバー部120を上方向に動かし、上方から封止部110を押すと、対応する係止突起112を支持する固定突起121が、カバー部120が上方向に動くので、カバー部120とともに上方向に動かされる。このとき、固定突起121が対応する係止突起112上を動くので、容器200の係止縁210の固定されている係止突起112が、軸として作用するヒンジ111に対して外方向に広げられ、密閉部材100を開けることができる。
【0033】
一方、ユーザが、密閉部材を開ける為に封止部110を押すことも固定することもなくカバー部120のみを引き上げると、カバー部120及び封止部110は、係止突起112が固定突起121により支持されている状態で上方向に動かされる。しかし、この時、係止突起112は固定突起121により支持されているので、係止突起112は係止縁210から容易に離されない。
【0034】
この様に、ユーザが、密閉部材を開ける為に封止部110を押すことも固定することもなくカバー部120のみを引き上げるときは、密閉部材は開けられない。反対に、密閉部材は封止部とカバー部が同時に上記した様に操作される正常な開封操作を通してのみ開けられる。この様に、本発明に従う密閉部材は、上記説明のように密閉部材の正常な開封操作によってのみ開けられる安全な密閉部材として機能する。
【0035】
次に、図6は、それぞれの固定突起121が対応するヒンジ111の外側に位置する場合に密閉部材が開けられる状態を示している。この時、封止部110の上端はカバー部120の上端の下に位置している。
【0036】
容器上の密閉部材を押すことにより、密閉部材が容器に取り付けられる。このとき、容器の係止縁210の上端が、それぞれの係止突起112の下端面に対応する傾斜面112cに接触し、それぞれの係止突起112は容器の係止縁210上に動き固定される。同時に、カバー部120が下方向に動き、それぞれの固定突起121が係止突起112の対応する溝112aに挿入される。そうして、それぞれの固定突起121は、係止突起112を支持してそれぞれの係止突起112が外側に広がるのを防ぎ、容器が閉められる(図5参照)。
【0037】
図7は、本発明に従う密閉部材に使用される係止突起の変形例を示す図である。
【0038】
図7は、図3に示す係止突起の一部分を示す拡大図である。上記に説明した様に、密閉部材を開くためにユーザがカバー部を上方向に動かし、同時に封止部を押すと、密閉部材が開けられる。
【0039】
この開封処理において、係止突起112を支持する固定突起121が、係止突起112の溝部112aから上方向に動き、固定突起121が溝部112から外れる。この開封処理の間、固定突起121と係止突起112が圧縮され、弾性的に変形される。
【0040】
したがって、密閉部材を開ける為に、固定突起121が係止突起112の溝部112aから完全に離れる程の変位d1において、大きな操作力が要求される。
【0041】
図8は、図7に示される様に係止突起を有する密閉部が開いている時のカバー部と封止部間における操作力Fと垂直方向変位の関係を示すグラフである。ここでは、ユーザは、密閉部材を開けるための縦方向変位d1まで、大きな操作力が必要であることを示している。
【0042】
上述した様に、密閉部材を開く為の操作力は、固定突起の大きさ(突起の程度)と係止突起の溝の深さ等に依存して決められる。従って、操作力は、密閉部材の用途に従って選択される。例えば、容器の内容物が、炭酸飲料の様な大きな内部圧を有する場合、密閉部材は、容易に開かないように好ましく設計される。この場合、固定突起の大きさ及び係止突起の溝の深さ等は、大きな操作力を有する様に選択される。さもなければ、密閉部材における固定突起の数及び係止突起の数を増加しても良い。
【0043】
図9は、本発明に従う密閉部材に用いられる係止突起の一変形例を示す。本発明の密閉部材において、係止突起112は、係止突起112の下端で垂直方向に対して傾いた傾斜面112dを有し、固定突起121が前記傾斜面112dにより支持される。
【0044】
図10は、図9に示される様に係止突起を有する密閉部が開いている時のカバー部と封止部間における操作力Fと垂直方向変位dの関係を示すグラフである。ここで、開封処理の間、係止突起112の傾斜面に沿って、固定突起121が動くので、図7の実施例と比較すると、ユーザは、傾斜面の境界線に対応する垂直位置変位d1まで比較的小さな操作力F2で、密閉部材を開けることができる。
【0045】
上記した様に、密閉部材を開く為の操作力の大きさは、係止突起の形状に依存して変えられる。したがって、操作力は密閉部材の用途によって選択される。
【0046】
例えば、密閉部材の容易な開閉のみが容器にとって重要と考えられる場合は、容器は、図9の変形例で示した様に比較的小さな操作力で容易に開閉される様に設計される。しかし、容器が薬品や化学物を収容する場合は、子供が容易に開けられないように、あるいは炭酸飲料等の比較的に大きな内部圧力を有する内容物である場合は、密閉部材は図7に示す変形例のように大きな操作力を有する様に設計される。
【0047】
図7及び図9を参照して、密閉部材を開くための操作力の大きさが係止突起の形状の変更により変わることを示した。しかし、追加的あるいは、代替的に、密閉部材を開くのに要する操作力は、固定突起の大きさ及び又は形状を変えることにより、種々の方法をとり得ることは当業者により自明である。
【0048】
さて、図11乃至図13は、本発明に従う他の実施例を示している。本発明に従う密閉部材100において、係止突起112の上端から上方向に突き出るレバー突起114を追加的に備えることもできる。
【0049】
図11に示す様に、二つのレバー突起114がヒンジ111に隣接する係止突起112の両サイドの上端部から上方向に突き出ている。
【0050】
密閉部材が開けられた後、開けられた密閉部材を容器に再び取り付ける過程で、それぞれのレバー突起114が係止突起と容器の係止縁との干渉を防ぐことができる。それにより、密閉部材は何ら不都合なしに、容器に容易に再び取り付けできる。
【0051】
例えば、図6は、密閉部材が開けられた後、係止突起112が内側に折り曲げられないことを示している。係止突起112が内側に折り曲げられると、開けられた密閉部材を再取り付けする処理の過程で、係止突起112は容器の係止縁210により固定され、そうして密閉部材は閉じられなくなる。
【0052】
このように、密閉部材が開けられた後、レバー突起114が係止突起112を永久に外方向に広げ、容器に密閉部材を再び取り付ける過程で、レバー突起114が係止突起と容器の係止縁間の干渉を防ぐことができる。これにより、密閉部材が容器に誤って取り付けられることを防ぐことができる。
【0053】
より具体的に、図12は、上記に説明したと同じ処理により密閉部材を開けた後、固定突起121がヒンジの近傍に位置し、固定突起121がレバー突起114が内側方向に押され、ヒンジ111に結合した係止突起112が外方向に広がるのを許容することを示している。
【0054】
上記した様に密閉部材が開けられた後、係止突起が永久に外方向に広げられるので、容器の係止縁210は、開けられた密閉部材の再取り付けの過程で、係止突起112の下端で傾斜面112cと常に接触する。それにより、密閉部材は、容易に容器に取り付けられる。
【0055】
図13は、本発明に従う密閉部材において使用されるレバー突起の変型例であり、一つのレバー突起314が2つのヒンジ311により結合する係止突起312の中心近傍に上方に突き出ることができる。
【0056】
固定突起が挿入される溝312aはレバー突起314が位置する係止突起312の下端近傍に形成される。密閉部材の開閉処理は、上記した実施例と同様である。
【0057】
図14乃至図16は、本発明に従う密閉部材の更に他の実施例を示す。
【0058】
図14に示す様に、本発明に従う密閉部材において、少なくとも2本の案内バー140が垂直下方向に封止部110の下部リムに追加的に固定される。それにより案内バー140の下端がカバー部120の内周面に接触される。
【0059】
参考として、図14は、図1に示したように射出成型により製造される密閉部材の開口を示している。密閉部材の射出成型された初めの状態において、封止部110は上部に位置する。しかし、封止部110が、上記した様に密閉部材が容器に結合され、閉じられると、封止部110の上端は、カバー部120の上端にぴったり重なる(図3参照)。
【0060】
図14に示す様に、射出成型により製造された密閉部材において、封止部及びカバー部は薄い結合バンドのみにより相互に結合されている。このように、封止部とカバー部を支持する為に追加的な補助手段を有しない場合、薄い結合バンドが弱いために、結合バンドは、射出成型で製造された密閉部材が容器に取り付けられるまでの密閉部材の取り扱いあるいは運搬処理を通して容易に裂けたり、傷付けられる。
【0061】
したがって、本発明に従う密閉部材に備えられる案内バーは、上記のように製造された密閉部材が容器に取り付けられるまでの密閉部材の取り扱い中に結合バンドが傷つけられるのを防止する。そして、容器に密閉部材が取り付けられた後、封止部とカバー部間の相対的な上下方向の動きをガイドする。
【0062】
図15を参照すると、射出成型により、封止部110に固定された案内バー140の上端140aは、上端140aが封止部110にしっかりと固定される様に厚く、カバー部120の上端の内円周面に固定された案内バー140の下端140bは下端140bが上端140aと較べてカバー部120の上端部に弱く固定される様に薄い。
【0063】
一方、射出成型された密閉部材を容器に初めて取り付ける処理において、強く下方向に押され、封止部110が容器の開口に予備的に取り付けられると、封止部110が下方向に動かされ、容器に取り付けられ、案内バー140の下端140bとカバー部120の間の結合が壊される。
【0064】
図16に示す様に、密閉部材が容器に取り付けられた後、案内バー140は封止部110とともに垂直方向に動かされる。案内バー140がカバー部120の内面壁に沿って動かされるので、案内バー140は封止部とカバー部との間に隙間を形成する。それにより案内バー140は封止部とカバー部の上下方向の動きを容易にする案内機能を果たす。
【0065】
図17は、本発明に従う密閉部材の更なる実施例を示す。先の実施例は、封止部とカバー部が結合バンドで互いに結合されていることを示しているが、封止部とカバー部はこの実施例では結合バンドで結合されていることを必要としない。
【0066】
封止部410とカバー部420が別個のプロセスにより製造され、図17に示す様に密閉部材として一体に組み立てられるが、密閉部材は先の実施例で述べられたと同じ方法で操作されることは当業者にとって明らかである。
【0067】
一方、カバー部と結合バンドとの間に弱く結合された補助バンドが付加的に備えられ、あるレベルの操作力を与えることで密閉部材が初めて開けられる時、その補助バンドが切られる。
【0068】
ユーザは、補助バンドが切られているか否かを判定することで、容器の内容物が既に使用された否かをチェックすることができる。
【0069】
上記の実施例は、本発明の思想を詳細に示す為の単なる例として理解されるべきであり、従って、本発明の範囲は、図面及び実施例のいずれにも限定されるものではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉部材であって、
容器の開口に取り付けられ前記容器を封止する封止部と、
それぞれ前記封止部の下側縁から延びるヒンジに結合し、内側に突起し、前記容器に形成された係止縁に固定される、複数の係止突起と、
リング状で、前記封止部に対して垂直に動くように前記封止部の外側に取り付けられるカバー部と、
前記カバー部の内側円周面から突き出て前記係止突起を支持する複数の固定突起を有する密閉部材。
【請求項2】
請求項1において、
前記係止突起は、前記係止縁に対面する凹曲面を有する密閉部材。
【請求項3】
請求項1において、
さらに、前記カバー部の外周面の下端に、外側に突き出た把持突起を有する密閉部材。
【請求項4】
請求項1において、
前記係止突起は、その下端に溝を有し、前記固定突起を支持する密閉部材。
【請求項5】
請求項1において、
前記係止突起はその下端に、前記固定突起を支持する傾斜面を有し、前記傾斜面は垂直方向に対して傾斜している密閉部材。
【請求項6】
請求項1において、
さらに、前記係止突起の上端から上方向に突き出たレバー突起を有する密閉部材。
【請求項7】
請求項1において、
少なくとも2本の案内バーが、更に前記封止部の下端縁に垂直に下方向に固定され、前記案内バーの下端が前記カバー部の内周面に接触される密閉部材。
【請求項8】
請求項1において、
さらに、前記カバー部の上端と前記封止部の下端に結合する複数の結合バンドを有する密閉部材。
【請求項9】
容器であって、
容器本体の開口の外周面から突き出た係止縁を有する容器本体と、
前記開口に結合して前記容器を封止する密閉部材を有し、
前記密閉部材は、
前記容器の開口に取り付けられ前記容器本体を封止する封止部と、
それぞれ前記封止部の下側縁から延びるヒンジに結合し、内側に突起し、前記容器に形成された係止縁に固定される、複数の係止突起と、
リング状で、前記封止部に対して垂直に動くように前記封止部の外側に取り付けられるカバー部と、
前記カバー部の内側円周面から突き出て前記係止突起を支持する複数の固定突起を有する容器。
【請求項1】
密閉部材であって、
容器の開口に取り付けられ前記容器を封止する封止部と、
それぞれ前記封止部の下側縁から延びるヒンジに結合し、内側に突起し、前記容器に形成された係止縁に固定される、複数の係止突起と、
リング状で、前記封止部に対して垂直に動くように前記封止部の外側に取り付けられるカバー部と、
前記カバー部の内側円周面から突き出て前記係止突起を支持する複数の固定突起を有する密閉部材。
【請求項2】
請求項1において、
前記係止突起は、前記係止縁に対面する凹曲面を有する密閉部材。
【請求項3】
請求項1において、
さらに、前記カバー部の外周面の下端に、外側に突き出た把持突起を有する密閉部材。
【請求項4】
請求項1において、
前記係止突起は、その下端に溝を有し、前記固定突起を支持する密閉部材。
【請求項5】
請求項1において、
前記係止突起はその下端に、前記固定突起を支持する傾斜面を有し、前記傾斜面は垂直方向に対して傾斜している密閉部材。
【請求項6】
請求項1において、
さらに、前記係止突起の上端から上方向に突き出たレバー突起を有する密閉部材。
【請求項7】
請求項1において、
少なくとも2本の案内バーが、更に前記封止部の下端縁に垂直に下方向に固定され、前記案内バーの下端が前記カバー部の内周面に接触される密閉部材。
【請求項8】
請求項1において、
さらに、前記カバー部の上端と前記封止部の下端に結合する複数の結合バンドを有する密閉部材。
【請求項9】
容器であって、
容器本体の開口の外周面から突き出た係止縁を有する容器本体と、
前記開口に結合して前記容器を封止する密閉部材を有し、
前記密閉部材は、
前記容器の開口に取り付けられ前記容器本体を封止する封止部と、
それぞれ前記封止部の下側縁から延びるヒンジに結合し、内側に突起し、前記容器に形成された係止縁に固定される、複数の係止突起と、
リング状で、前記封止部に対して垂直に動くように前記封止部の外側に取り付けられるカバー部と、
前記カバー部の内側円周面から突き出て前記係止突起を支持する複数の固定突起を有する容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2012−530654(P2012−530654A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515992(P2012−515992)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【国際出願番号】PCT/KR2010/003957
【国際公開番号】WO2010/151009
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(506000520)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【国際出願番号】PCT/KR2010/003957
【国際公開番号】WO2010/151009
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(506000520)
【Fターム(参考)】
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