説明

寝具

【課題】複数の板体の上に収納体に収納される木材の木粉が接合されて、板体どうしの隙間が維持されて塞がれず通気性及び放熱性が向上する。
【解決手段】二枚の布シート(連結体、シート体)1、1は、幅方向に平行に複数の縫合ライン2で接合され、1つおきの板収納部3…に、木粉7…が充填された収納袋6…が接合された板体5…が挿通され、1つおきの板収納部3…の間の連結部4…の幅で、各板体5…の間隔が維持される。収納袋6…の木粉7…の部分の高さは板体5…の幅の1/3乃至略2倍であれば、木粉7…の部分がいくら撓んでも、連結部4の幅つまり各板体5…の間隙が各板体5…の幅のほぼ1/3乃至若干広いので、連結部4の幅つまり各板体5…の間隙が撓んだ木粉7…によって塞がれず、通気性及び放熱性が維持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寝具に関し、快適な寝心地が得られる簡易な寝具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、板体を用いた寝具としては、就寝する身体に対して略直交する方向に板体が配置されるベッドなどがある。
【0003】
【特許文献1】特開2000−166991号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、就寝する身体に対して略直交する方向に板体が配置されるベッドでは、各板体が不安定で、寝ている間に板体が動いてしまうことがあった。これは、板体をベッドに固定すれば解決されるが、直接板体の上に寝ることができず、通常はこの板体の上にマットレスや布団を敷いてこの上に寝ていた。しかし、これでは、各板体に隙間を設けても、この隙間がこのマットレスや布団によって塞がれてしまい、通気性や放熱性が損なわれていた。
【0005】
本件発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、略剛性の板体を使っても、寝心地が快適で、通気性や放熱性が損なわれない寝具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本件発明は、 互いに所定の間隔をほぼ維持して連結された複数のほぼ剛性の板体と、 この板体の就寝する身体(人間及び動物)が当接する側に接合される、可撓性を有する収納体とこの収納体に収納される木材の木粉、またはこの板体とこの木材の木粉とを収納する可撓性を有する収納体であって、当該木粉は当該板体の就寝する身体が当接する側に配置され、 上記各板体にまたがり、当該各板体が着脱自在に固定され、各板体を互いに所定の間隔にほぼ維持して連結する連結体とを備えた。
【発明の効果】
【0007】
これにより、ほぼ剛性の板体の就寝する身体が当接する側に、可撓性を有する収納体とこの収納体に収納される木材の木粉とが接合されるので、この寝具のうえに直接寝ても寝心地がよい。したがって、就寝する身体と本件寝具との間にマットレスや布団を敷かなくても済み、各板体の間の隙間が塞がれず、通気性や放熱性が損なわれない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(1)寝具の構造
図1は寝具の斜視図を示し、図2は板体5の部分の斜視図を示し、図3及び図4は寝具の断面図を示す。布シート(連結体、シート体)1、1は二枚の長方形状の可撓性を有する布で、この2枚の布シート1、1は互いに縫合されている。
【0009】
この縫合ライン2は、複数で互いに平行で、2枚の布シート1、1の短辺に平行になっていて、一方の長辺から他方の長辺まで達している。この縫合ライン2の間隔は細い間隔と太い間隔とが交互になっている。この太い間隔の2枚の布シート1、1で挟まれた隙間は板収納部3となっている。この細い間隔の2枚の布シート1、1の部分は連結部4となっている。
【0010】
この布シート1、1の一部または全部はオーガニックコットンの綿素材を材料としている。このオーガニックコットンは、農薬及び化学肥料などの化学薬品・化学物質を使用しないで育成された綿花である。農薬及び化学肥料などの化学薬品・化学物質を使用しないものであれば、麻、絹、羊毛などの植物繊維、動物繊維でもよい。
【0011】
この布シート1、1の中央付近には、オーガニックコットンの綿素材の別の布シートが一枚または複数枚積層されてもよい。これにより、介護者、障害者、乳児、幼児、子供などの排泄物が寝具の下まで漏れない。
【0012】
このようなオーガニックコットンには化学物質が付着しておらず、自然界の物質のみからなり、アレルギー反応がなく、アトピー対策にも有効である。オーガニックコットンの布シートは、布シート1の中央付近だけでなく、周縁付近、全体に積層されてもよい。
【0013】
上記布シート1、1の板収納部3それぞれには、細長いほぼ剛性の板体5…がそれぞれ挿通されている。この板体5…の長さは布シート1、1の幅より充分に短く、板体5…の幅は、板収納部3の幅より少々小さく、板体5…の厚さは板収納部3の幅の1/2乃至1/20であり、板体5…は弾性的に撓んだり復帰したりする。
【0014】
この板体5…の素材は、ヒバ(青森ヒバ)、ヒノキ、ヒヨクヒバ、アスナロ、ヒノキアスナロ、アテなどであり、これらの一種または複数種が偏在してまたは交互に混在して上記板収納部3に収納される。
【0015】
これらの木の品種にはヒノキチオールとシャンメールBが含有され、抗菌性、防腐性、耐水性、ダニ・シロアリなどの防虫性が強く、アレルギー反応がなくアトピー対策にも有効である。この中で、ヒバ(青森ヒバ)は他より、ヒノキチオールとシャンメールBがより多く含まれ、抗菌性、防腐性、耐水性、防虫性、非アレルギー性がより高い。ヒノキはヒバ(青森ヒバ)に比べて消臭効果が高い。
【0016】
このような板体5…は、寝具の中央付近では、ヒバ(青森ヒバ)が用いられ、寝具の端付近では、ヒバとヒノキとが交互に用いられる。したがって、寝具の中央付近には、耐水効果のある板体5…が使用され、同寝具の周縁付近には消臭効果のある板体5…が使用される。これにより、寝具の中央付近の介護者、障害者、乳児、幼児、子供などの排泄物が中央付近の板体5…に浸み込まず、端付近の板体5…によって消臭される。
【0017】
このような板体5…は、寝具の略全体にわたって、ヒバ(青森ヒバ)が用いられてもよい。このように、各板体板体5…に耐水効果があれば、各板体板体5…に水分が浸み込まず、各板体板体5…の間が湿気を帯びず、通気性が向上する。
【0018】
この板体5…の上面すなわち就寝する身体が当接する側には、可撓性を有する収納袋(収納体)6が、接着剤、両面接着テープ、面ファスナーまたはホチキスなどで接合されている。この収納袋6は細長く、中に木材の木粉7が収納・充填されている。
【0019】
この収納袋6は、通気性の高い破れにくい紙・和紙・洋紙または布・目の細かき網からなっている。この収納袋6は、複数に分離分割されているか、または所定間隔ごとに縫合され、この縫合ライン8…間に木粉7が充填・収納される。
【0020】
この木粉7としては、上記ヒバ(青森ヒバ)、ヒノキ、ヒヨクヒバ、アスナロ、ヒノキアスナロまたは/及びアテの切削屑が用いられる。収納袋6は、通気性が高いので、木粉7の香りが外へ出やすく、木粉7の抗菌性、防腐性、耐水性、防虫性、非アレルギー性の機能がより発揮できる。
【0021】
このように、この木粉7入りの収納袋6…が、ほぼ剛性の板体5…の就寝する身体が当接する側に、接合されるので、この寝具のうえに直接寝ても寝心地がよい。したがって、就寝する身体と本件寝具との間にマットレスや布団を敷かなくても済み、各板体5…の間の隙間が塞がれず、通気性や放熱性が損なわれない。
【0022】
収納袋6は複数または複数に分離または分割されて、上記板体5…上に一列に配置されている。したがって、一つの収納袋6内の木粉7…の移動が規制され、上記板体5…上を木粉7…が大きく動いてしまうことがなくなる。これにより、板体5…上の木粉7…が偏在せず、板体5…上に木粉7…が無い箇所がなくなり、快適な寝心地が得られる。なお、収納袋6は上記板体5…上に複数列に配置されていても良い。
【0023】
この木粉7の粒径は、大鋸屑の粒径に略等しく、0.1ミリメートル乃至10ミリメートルであり、望ましくは0.5ミリメートル乃至5ミリメートル、より望ましくは1ミリメートル乃至2ミリメートルである。木粉7の粒径が、10ミリメートル付近まで大きくなると、粒粒感があり、就寝する身体に対してマッサージ効果を付与できる。
【0024】
上記収納袋6…には、上記木粉7ばかりでなく、上記板体5…も収納されてもよい。この場合、収納袋6…の所定間隔ごとに板体5へ接着されるラインが形成されるか、収納袋6…の所定間隔ごとに板体5へ巾着される巾着バンドが外側から巻回されて固定される。この場合でも、板体5…の就寝する身体が当接する側に木粉7は配置される。この巾着バンドの代わりに、接着剤、両面接着テープ、面ファスナーまたはホチキスなどが用いられてもよい。
【0025】
上記布シート1、1は、上記各板体5…にまたがり、一定の寸法で交互に並んだ板収納部3…と連結部4…のうち、板収納部3…に上記各板体5…が収納される。これにより、板体5…が連結部4の間隔ごとに維持して連結されることになる。したがって、板体5…どうしの隙間が維持され、板体5…どうしの隙間が塞がれず、通気性や放熱性が損なわれない。
【0026】
上記各板体5…は、全て同じ寸法で、幅30ミリメートル乃至100ミリメートル、例えば50ミリメートルで、厚さ1ミリメートル乃至10ミリメートル、例えば3.5ミリメートル乃至4.0ミリメートル、500ミリメートル乃至2000ミリメートル、例えば800ミリメートルである。幅は厚さの3倍乃至100倍、例えば10倍乃至20倍であり、長さは幅の5倍乃至70倍、例えば16倍であり、長さは厚さの50倍乃至2000倍、例えば200倍乃至230倍である。
【0027】
各連結部4…の幅すなわち各板体5…の間隔は全て一定であり、例えば20ミリメートル乃至80ミリメートル、例えば30ミリメートルであり、板収納部3の幅は全て一定であり、例えば50ミリメートル乃至150ミリメートル、例えば80ミリメートルである。
【0028】
上記収納袋6…の木粉7…の部分の幅は上記板体5…の幅より少々小さい乃至上記板体5…の幅より若干大きく、この収納袋6…の木粉7…の部分の高さはこの板体5…の幅の1/3、1/2、2/3、3/4、略等しい、5/4、4/3、3/2、5/3、7/4、2/1(2倍)であり、当該板体5…の幅より小さいまたは当該板体5…の幅より若干大きい。
【0029】
また、上記連結部4の幅つまり各板体5…の間隔は、各板体5…の幅のほぼ1/4、1/3若しくは1/2乃至若干広く、または当該板体5…の幅より細い、略等しい若しくは若干細い。これにより、板体5…の上の木粉7が就寝する身体の重みで大きく変形しても、図5に示すように、各板体5…の間の隙間を塞ぐことがなく、通気性や放熱性が損なわれない。
【0030】
なぜなら、収納袋6…の木粉7…の部分の高さが板体5…の幅の1/3乃至略2倍であれば、木粉7…の部分がいくら撓んでも、連結部4の幅つまり各板体5…の間隙が各板体5…の幅のほぼ1/3乃至若干広いので、連結部4の幅つまり各板体5…の間隙が撓んだ木粉7…によって塞がれないからである。また、たとえ塞がれても、木粉7…の入った通気性の高い収納袋6…で塞がれるため、通気性や放熱性が損なわれない。
【0031】
さらに、上記板体5…または木粉7…の幅または厚さが大きいほど、各板体5…の間隔は大きくされるように連動される。これにより、連結部4の幅つまり各板体5…の間隙が撓んだ木粉7…によって塞がれず、通気性や放熱性が損なわれない。
【0032】
上記木粉7…の入った収納袋6…が接合された板体5…は、布シート1、1の板収納部3に少しの遊びをもって収納され、板収納部3の両端は塞がれていない。しがたって、この板体5…は、板収納部3の両端のいずれかから取り出したり、挿入したりできて、この板体5…は、布シート1、1に着脱自在に固定される。
【0033】
これにより、木粉7…の入った収納袋6…が接合された板体5…を、布シート1、1から取り外して、布シート1、1を洗濯できる。これにより、布シート1、1を清潔に維持できる。
【0034】
また板体5…が古くなったら、板体5…の表面を磨いたり鉋(カンナ)で削ったりして、抗菌性、防腐性、耐水性、防虫性、非アレルギー性を再生復活させることができる。さらに、収納袋6…内の木粉7…も、上記板体5…の削った屑に入れ換えて、同じく抗菌性、防腐性、耐水性、防虫性、非アレルギー性を再生復活させることができる。
【0035】
上記布シート1、1の幅は板体5…の長さより、板体5…の幅の1倍乃至5倍、望ましく1倍乃至3倍、より望ましくは2倍ほど長い。これにより、板収納部3…の端の開口部より奥に板体5…の端が入り込み、板体5…が板収納部3…つまり布シート1から飛び出してしまうことがなくなるし、飛び出した板体5…の角が就寝している身体に当たってしまうことがなくなる。
【0036】
このような布シート1の板体5…の外側の遊び部分8は折り返されて、本件寝具の下のマットレス・布団などに巻き込んで、本件寝具をマットレス・布団などにしっかりと固定できる。この布シート1、1の外周縁は折り返されて自身に縫合され、ほつれないようになっている。
【0037】
このような遊び部分8を持ち上げて本件寝具を振ると、板収納部3…から木粉7…の入った収納袋6…が接合された板体5…が容易にすべり落ちてくる。これにより、布シート1、1から木粉7…の入った収納袋6…が接合された板体5…を簡単に取り出して、布シート1、1を洗濯することができるし、木粉7…、収納袋6…、板体5…を再生することができる。
【0038】
このような布シート1、1の両端を張って、各板収納部3…に、木粉7…の入った収納袋6…が接合された板体5…を順次差し込むことが容易にできる。これにより、木粉7…の入った収納袋6…が接合された板体5…を、布シート1、1に簡単に装着できる。
【0039】
このような布シート1、1が板体5…より長い部分である遊び部分8を全板体5…にわたって張って折り曲げれば、板体5…の端を整列させることができ、板体5…の端が整列されると板体5…の端の間の隙間も均一となり、板体5…の端の通気性及び放熱性が向上する。
【0040】
上記各板体5…は細長く、この各板体5…は寝具の幅方向に沿ってほぼ平行に配置され、この各板体5…は就寝する身体に対して略直交する方向に配置される。したがって、各板体5…の間の隙間が、就寝する身体の幅方向を横切る長さが、就寝する身体の縦方向を横切る長さに比べて短くなるので、各板体5…の間の隙間が身体で塞がれる長さが短くなり、湿気や熱がこもり難くなり、通気性及び放熱性が向上する。
【0041】
上記布シート1、1の四隅には、ゴムバンド(係止帯)9が取り付けられており、このゴムバンド9の一端は布シート1、1の四隅の短辺に縫合され、ゴムバンド9の他端は布シート1、1の四隅の長辺に縫合されている。
【0042】
このゴムバンド9を引っ張って寝台(ベッド)またはマットレスMに係止させると、当該寝具が寝台(ベッド)またはマットレスMに固定される。これにより、本件寝具を寝台(ベッド)またはマットレスMに定着でき、板体5…の間隔が一定に保たれ、板体5…間の通気性及び放熱性が安定する。
【0043】
上記布シート1の上面の周縁に沿って、細長い複数の堤ガイド10…が面ファスナーなどで着脱自在に取り付けられている。この堤ガイド10…は筒状の布製の袋の中に上記木粉7…が収納・充填されている。このような堤ガイド10…によって本件寝具の上で寝ている上記介護者などの手足が外へ出てしまうのが防止される。また、本件寝具と掛け布団との間に隙間ができ、通気性及び放熱性が向上する。
【0044】
(2)他の実施の形態
本発明は、上記実施例に限定されず、種々変更可能である。例えば、収納袋6…は複数または複数に分離または分割されず、上記板体5…上に一体のみ配置されていてもよい。これにより、収納袋6…の構造が簡単になり、木粉7…の充填が容易になる。
【0045】
また、収納袋6…に入った木粉7…は板体5…の上側ではなく、下側にも配置されても良い。これにより、板体5…が寝具の下のマットレス・布団に食い込んで破損してしまうことがない。
【0046】
上記収納袋6…に入った木粉7…の幅は当該板体5…の幅に略等しいのであるが、当該板体5…の幅より細くても良いし、太くてもよい。要は板体5…の角が就寝する身体に直接当たらず、板体5…の間隔が収納袋6…に入った木粉7…で塞がらなければよい。
【0047】
各板体5…の各間隔は一定ではなく、不均一でもよい。例えば、頭または背中から腰までは、各板体5…の各間隔は広く、脚または腕付近では、各板体5…の各間隔は狭くてもよいし、これらの逆でもよい。各板体5…の厚さ、幅または長さは一定ではなく、不均一でもよい。例えば、頭または背中から腰までは、各板体5…の厚さ、幅または長さは大きく、脚または腕付近では、各板体5…の厚さ、幅または長さは小さくてよいし、これらの逆でもよい。
【0048】
上記各板体5…は、全て同じ寸法ではなく、異なる寸法でもよい。例えば、就寝している身体の腰の付近では、板体5…の厚さはより厚くかつ幅はより細く、就寝している身体の尻または背中の付近では、板体5…の厚さはより薄くかつ幅はより太くてもよい。
【0049】
上記各板体5…の幅すなわち板収納部3…の幅と各板体5…との間隔すなわち連結部4…の幅は全て一定ではなく、異なっていてもよい。例えば、就寝している身体の腰の付近では、両幅は狭く、就寝している身体の尻または背中の付近では、両幅は広くてもよい。この場合、各板体5…の幅すなわち板収納部3…の幅と各板体5…との間隔すなわち連結部4…の幅との比率は略一定となる。
【0050】
このような各板体5…の幅すなわち板収納部3…の幅と各板体5…との間隔すなわち連結部4…の幅との比率は異なっていてもよい。例えば、就寝している身体の腰の付近では、板体5…の割合は大きく板体5…の隙間は小さくてもよく、就寝している身体の尻または背中の付近では、板体5…の割合は小さく板体5…の隙間は大きくてもよい。
【0051】
布シート(連結体、シート体)1は上側一枚だけとし、この一枚の布シート1に下面から、布シート1に縫合固定されたゴムバンド、紐、ベルトなどで着脱自在に固定されてもよい。また、一枚の布シート(連結体、シート体)1に幅方向に沿って一列に複数の穴があけられ、この一列の複数の穴を、上から下へ、下から上へ、収納袋6…に入った木粉7…が接合された板体5…が、交互に挿通してもよい。このような穴は、更に複数列設けられ、収納袋6…に入った木粉7…が接合された複数の板体5…が、交互に挿通される。
【0052】
布シート(連結体、シート体)1、1は、シート状のほかバンド状、帯、網状、紐条でも良い。この場合、例えば各板体5…に対して複数のバンド、帯、紐、網が、例えば平織りのスタイルで絡むことになる。
【0053】
布シート(連結体、シート体)1は、各板体5…をそれぞれ連結するバンド、紐、硬質樹脂製などのジョイントなどでもよい。この場合、各板体5…に複数の穴があけられ、隣り合う板体5…の各穴がバンド、紐、硬質樹脂製などのジョイントなどで連結される。布シート(連結体、シート体)1、1は、布製のほか、樹脂製、綿製、ゴム製、紙製、金属製などでもよい。
【0054】
板体5…の断面形状は、長方形のほか、円形、楕円形、平行四辺形、菱形、多角形、台形、丸みを帯びた段差のある形状、丸みを帯びた凹凸のある形状などでもよい。板体5…は細長い形状のほか、短い長方形状板、短い正方形状板、円板、楕円板、平行四辺形、菱形、多角形板、台形板などでもよい。この場合、板体5…が寝具の幅方向に沿って複数に分割・分離されることになる。
【0055】
板体5…の材質は、木製のほか、樹脂製、金属製、ガラス製、綿製、ゴム製、紙製などでもよく、上記収納袋6…と同じでもよい。これにより、板体5…と収納袋6…とを一体成形したり、高周波溶着などの溶着が可能となる。板体5…の材質は、布シート(連結体、シート体)1と同じでも良いし、収納袋6…の材質は、布シート(連結体、シート体)1と同じでもよい。これにより、板体5…、布シート(連結体、シート体)1、収納袋6…の各間で、一体成形したり、高周波溶着などの溶着が可能となる。
【0056】
上記板体5…及び/または木粉7…は、竹とその大鋸屑(切削粉)、針葉樹または広葉樹とその大鋸屑(切削粉)、桧などの木の香りのするもの、楠などの悪臭を吸収分解するもの、桐などの防虫作用のあるものであってもよい。針葉樹は例えば杉、桧、松、樅等であり、広葉樹は柿、楓、栗、桃、楠、桐等である。
【0057】
上記木粉7…は、木材の粉のほか、通気性または放熱性があれば、樹脂、布、綿、繊維、糸、ゴム、紙、金属、ガラスの粉、粒、棒、玉、チューブまたはパイプもしくは木の粒でもよい。この木粉7…には光触媒素材が混合されても良く、板体5…表面には光触媒が塗布されても良く、この光触媒素材としては、二酸化チタンなどの酸化チタンのほか、酸化亜鉛など、光照射によって悪臭・有害物質・臭い物質などが分解できれば、どのようなものでもよい。
【0058】
上記板体5…の一部または全部が省略されてもよいし、収納袋6…の一部または全部が省略されてもよいし、木粉7…の一部または全部が省略されてもよいし、布シート(連結体、シート体)1の一部または全部が省略されてもよいし、縫合ライン2…の一部または全部が省略されてもよいし、板収納部3…の一部または全部が省略されてもよいし、連結部4…の一部または全部が省略されてもよいし、遊び部分8の一部または全部が省略されてもよいし、ゴムバンド(係止帯)9の一部または全部が省略されてもよいし、堤ガイド10の一部または全部が省略されてもよい。
【0059】
本件寝具は、人間用のほか、動物用の寝具としても使用可能であり、犬、猫、猿などのペット用としても使用可能である。本件寝具の全体形状は、長方形のほか、円形、楕円形、正方形などでもよい。
【0060】
(3)他の発明の効果
[1]互いに所定の間隔をほぼ維持して連結された複数のほぼ剛性の板体と、 この板体の就寝する身体が当接する側に接合される、可撓性を有する収納体とこの収納体に収納される木材の木粉、またはこの板体とこの木材の木粉とを収納する可撓性を有する収納体であって、当該木粉は当該板体の就寝する身体が当接する側に配置され、 上記各板体にまたがり、当該各板体が着脱自在に固定され、各板体を互いに所定の間隔にほぼ維持して連結する連結体とを備えたことを特徴とする寝具。
【0061】
[2]上記各板体の間隔は当該板体の幅のほぼ1/3乃至若干広く、上記木粉の幅は当該板体の幅より少々小さい乃至当該板体の幅より若干大きく、当該木粉の高さは当該板体の幅の1/3乃至略2倍であり、 当該板体または木粉の幅または厚さが大きいほど、各板体の間隔は大きくされることを特徴とする請求項1記載の寝具。
【0062】
これにより、就寝する身体の重みで木粉の部分が大きく撓んでも、各板体の間隙が各板体の幅のほぼ1/3乃至若干広いので、各板体の間隙が撓んだ木粉によって塞がれず、通気性や放熱性が損なわれない。また、板体または木粉の幅または厚さが大きいほど、各板体の間隔は大きくされるので、各板体の間隙が撓んだ木粉によって塞がれず、通気性や放熱性が損なわれない。
【0063】
[3]上記各板体は細長く、この各板体は就寝する身体に対して略直交する方向にほぼ平行に配置されることを特徴とする請求項1または2記載の寝具。 これにより、各板体の間の隙間が、就寝する身体の幅方向を横切る長さが、就寝する身体の縦方向を横切る長さに比べて短くなるので、各板体の間の隙間が身体で塞がれる長さが短くなり、湿気や熱がこもり難くなり、通気性及び放熱性が向上する。
【0064】
[4]上記収納体は複数に分離または分割され、上記板体上に一列または複数列に配置されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の寝具。 これにより、一つの収納体内の木粉の移動が規制され、上記板体上を木粉が大きく動いてしまうことがなくなり、板体上の木粉が偏在せず、板体上に木粉が無い箇所がなくなり、快適な寝心地が得られる。
【0065】
[5]上記各板体は、寝具の中央付近には、耐水効果のある素材が使用され、同寝具の周縁付近には消臭効果のある素材が使用される、または寝具の全体に耐水効果のある素材が使用されることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の寝具。 これにより、寝具の中央付近で発生する介護者などの排泄物が中央付近の板体に浸み込まず、端付近の板体によって消臭される。また、各板体に耐水効果があれば、各板体に水分が浸み込まず、各板体の間が湿気を帯びず、通気性が向上する。
【0066】
[6]上記連結体の幅は上記板体の長さより、板体の幅の1倍乃至5倍ほど長いことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の寝具。 これにより、板体が連結体で覆われ、板体の角が就寝する身体に当たることがなく、連結体がシート状のときには板体の端が連結体の端より奥に入り、板体が連結体から容易に離脱しない。また、連結体がシート状のとき、連結体が板体より長い部分を全板体にわたって張って折り曲げれば、板体の端を整列させることができ、板体の端が整列されると板体の端の間の隙間も均一となり板体の端の通気性及び放熱性が向上する。
【0067】
[7]上記寝具の四隅には係止帯が取り付けられ、この係止帯が寝台またはマットレスに係止されて、当該寝具が寝台またはマットレスに固定されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の寝具。 これにより、本件寝具が寝台またはマットレスに固定され、板体の間隔が一定に保たれ、板体間の通気性及び放熱性が安定する。
【0068】
[8]寝具の周縁に沿って細長い可撓性を有する堤体が着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の寝具。 これにより、この堤体によって本件寝具の上で寝ている上記介護者などの手足が外へ出てしまうのが防止される。また、本件寝具と掛け布団との間に隙間ができ、通気性及び放熱性が向上する。
【0069】
[9]上記連結体の一部または全部に荷は農薬または/及び化学肥料などの化学物質を使用しないで育成された素材が使用されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の寝具。 これにより、アレルギー反応がなく、アトピー対策にも有効となる。このような非アレルギー反応性は、上記各板体の間の通気性及び放熱性が高いほどより効果を発揮する。
【産業上の利用可能性】
【0070】
複数の板体の上に収納体に収納される木材の木粉が接合されて、板体どうしの隙間が維持されて塞がれず通気性及び放熱性が向上する。二枚の布シート(連結体、シート体)1、1は、幅方向に平行に複数の縫合ライン2で接合され、1つおきの板収納部3…に、木粉7…が充填された収納袋6…が接合された板体5…が挿通され、1つおきの板収納部3…の間の連結部4…の幅で、各板体5…の間隔が維持される。
【0071】
収納袋6…の木粉7…の部分の高さは板体5…の幅の1/3乃至略2倍であれば、木粉7…の部分がいくら撓んでも、連結部4の幅つまり各板体5…の間隙が各板体5…の幅のほぼ1/3乃至若干広いので、連結部4の幅つまり各板体5…の間隙が撓んだ木粉7…によって塞がれず、通気性及び放熱性が維持される。
【0072】
また、たとえ塞がれても、木粉7…の入った通気性の高い収納袋6…で塞がれるため、通気性や放熱性が損なわれない。さらに、板体5…または木粉7…の幅または厚さが大きいほど、各板体5…の間隔つまり連結部4の幅は大きくされるので、各板体5…の間隙が撓んだ木粉7…によって塞がれず、通気性や放熱性が損なわれない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】寝具の斜視図を示す。
【図2】板体5の部分の斜視図を示す。
【図3】寝具の断面図を示す。
【図4】寝具の断面図を示す。
【図5】木粉7が身体の重みで変形しても、木粉7が各板体5…の間の隙間を塞ぐことがなく、通気性や放熱性が損なわれないことを示す。
【符号の説明】
【0074】
1…布シート(連結体、シート体)、
2…縫合ライン、3…板収納部、
4…連結部、5…板体、
6…収納袋(収納体)、7…木粉、
8…遊び部分、9…ゴムバンド(係止帯)、
10…堤ガイド(堤体)、M…マットレス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに所定の間隔をほぼ維持して連結された複数のほぼ剛性の板体と、
この板体の就寝する身体が当接する側に接合される、可撓性を有する収納体とこの収納体に収納される木材の木粉、またはこの板体とこの木材の木粉とを収納する可撓性を有する収納体であって、当該木粉は当該板体の就寝する身体が当接する側に配置され、
上記各板体にまたがり、当該各板体が着脱自在に固定され、各板体を互いに所定の間隔にほぼ維持して連結する連結体とを備えたことを特徴とする寝具。
【請求項2】
上記各板体の間隔は当該板体の幅のほぼ1/3乃至若干広く、上記木粉の幅は当該板体の幅より少々小さい乃至当該板体の幅より若干大きく、当該木粉の高さは当該板体の幅の1/3乃至略2倍であり、
当該板体または木粉の幅または厚さが大きいほど、各板体の間隔は大きくされることを特徴とする請求項1記載の寝具。
【請求項3】
上記各板体は細長く、この各板体は就寝する身体に対して略直交する方向にほぼ平行に配置されることを特徴とする請求項1または2記載の寝具。
【請求項4】
上記収納体は複数に分離または分割され、上記板体上に一列または複数列に配置されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の寝具。
【請求項5】
上記各板体は、寝具の中央付近には、耐水効果のある素材が使用され、同寝具の周縁付近には消臭効果のある素材が使用される、または寝具の全体に耐水効果のある素材が使用されることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の寝具。
【請求項6】
上記連結体の幅は上記板体の長さより、板体の幅の1倍乃至5倍ほど長いことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の寝具。
【請求項7】
上記寝具の四隅には係止帯が取り付けられ、この係止帯が寝台またはマットレスに係止されて、当該寝具が寝台またはマットレスに固定されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の寝具。
【請求項8】
寝具の周縁に沿って細長い可撓性を有する堤体が着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の寝具。
【請求項9】
上記連結体の一部または全部に荷は農薬または/及び化学肥料などの化学物質を使用しないで育成された素材が使用されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の寝具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−106331(P2009−106331A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−278573(P2007−278573)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(300011999)ブルネエズ株式会社 (14)
【Fターム(参考)】