寸法安定性不織布繊維ウェブ、メルトブローン微細繊維、並びにこれらの製造及び使用方法
寸法安定性不織布繊維ウェブは、１つ以上の熱可塑性ポリエステルと、ウェブの０重量％超で、１０重量％以下の量のポリプロピレンと、から形成される複数の連続繊維を含む。このウェブは、繊維のガラス転移温度を超える温度まで加熱されたときに１０％以下で減少する、ウェブの平面内の少なくとも１つの寸法を有する。分子配向を呈する実質的に連続な繊維を製造するために、スパンボンドプロセスを使用してもよい。分子配向を呈さない不連続繊維を製造するために、メルトブローンプロセスを使用してもよい。一部の実施形態では、本繊維は、粘度調整剤及び／又はアニオン性界面活性剤を更に含む。このウェブは、濾過、音吸収、断熱、表面洗浄、細胞成長支援、薬物送達、個人用衛生、医療用衣類、又は創傷包帯のための物品として使用できる。
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【特許請求の範囲】
【請求項１】
脂肪族ポリエステル及び芳香族ポリエステルから選択される１つ以上の熱可塑性ポリエステルと、
ウェブの０重量％超で、１０重量％以下の量のポリプロピレンと、
ポリエステルの中に組み込まれた１つ以上のアルキル、アルケニル、アラルキル又はアルカリルのアニオン性界面活性剤と、
を含む複数の繊維を含む、不織布ウェブであって、前記ウェブは、前記ウェブが、無抑制条件で、前記繊維のガラス転移温度を超える温度まで加熱されたときに１０％以下で減少する、前記ウェブの平面内の少なくとも１つの寸法を有する、不織布ウェブ。
【請求項２】
前記１つ以上のアニオン性界面活性剤が２００℃未満の融点を有する、請求項１に記載のウェブ。
【請求項３】
前記不織布ウェブが、４５℃にて１０日間超経過後も親水性を維持する、請求項１又は２に記載のウェブ。
【請求項４】
界面活性剤キャリアを更に含む、請求項１〜３のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項５】
前記アニオン性界面活性剤が、前記組成物の少なくとも０．２５重量％で、８重量％以下の量で存在する、請求項１〜４のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項６】
前記アニオン性界面活性剤が、前記組成物の１重量％超の量で存在する、請求項１〜５のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項７】
前記界面活性剤キャリアが、ポリアルキレングリコール、多価アルコール、グリセリントリグリセリド（glycerintriglcyerides）、クエン酸エステル、脂肪族ジエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項１〜６のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項８】
脂肪族ポリエステル及び芳香族ポリエステルから選択される１つ以上の熱可塑性ポリエステルと、
ウェブの０重量％超で、１０重量％以下の量のポリプロピレンと、
以下の構造：
（Ｒ−ＣＯ２−）ｎＭｎ＋
を有する粘度調整剤と、を含む複数の微細繊維を含む不織布ウェブであって、式中、Ｒは分枝鎖若しくは直鎖炭素鎖としてのＣ８〜Ｃ３０のアルキル若しくはアルキレン、又はＣ１２〜Ｃ３０アラルキルであり、場合により、エチレンオキシド、プロピレンオキシド基、オリゴマー乳酸及び／又はグリコール酸、又はこれらの組み合わせなどの０〜１００個のアルキレンオキシド基で置換されてもよく、
Ｍは、Ｈ、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウム基、プロトン化三級アミン若しくは四級アミンであり、
ｎは１又は２であり、カチオンの価数に等しく、
前記ウェブは、前記ウェブが、無抑制条件で測定すると、前記繊維のガラス転移温度を超えるが融解温度よりも低い温度まで加熱されたときに１０％以下で減少する、前記ウェブの平面内の少なくとも１つの寸法を有する、不織布ウェブ。
【請求項９】
前記粘度調整剤が、アルキルカルボキシレート、アルケニルカルボキシレート、アラルキルカルボキシレート、アルキルエトキシル化カルボキシレート、アラルキルエトキシル化カルボキシレート、アルキルラクチレート、アルケニルラクチレート、ステアロイルラクチレート、ステアレート、これらのカルボン酸及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項８に記載のウェブ。
【請求項１０】
前記粘度調整剤がウェブの約１０重量パーセント以下の量で存在する、請求項８又は９に記載のウェブ。
【請求項１１】
前記繊維の分子配向が少なくとも０．０１の複屈折値をもたらす、請求項１〜１０のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項１２】
前記脂肪族ポリエステルが半結晶である、請求項１〜１１のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項１３】
前記ポリプロピレンが、前記ウェブの約１重量％〜約６重量％の量で存在する、請求項１〜１２のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項１４】
前記繊維が、約１マイクロメートル（μｍ）以下のメジアン繊維径を呈する、請求項１〜１３のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項１５】
前記繊維が、約１２μｍ以下のメジアン繊維径を呈する、請求項１〜１４のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項１６】
前記繊維が、少なくとも１μｍのメジアン繊維径を呈する、請求項１５に記載のウェブ。
【請求項１７】
前記ウェブが生体適合性である、請求項１〜１６のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項１８】
抗微生物性成分を更に含む、請求項１〜１７のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項１９】
前記複数の繊維が少なくとも点位置で結合されている、請求項１〜１８のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項２０】
脂肪族ポリエステル及び芳香族ポリエステルから選択される１つ以上の熱可塑性ポリエステルと、
混合物の０重量％超で、１０重量％以下の量のポリプロピレンと、
前記ポリエステルの中に組み込まれた１つ以上のアルキル、アルケニル、アラルキル又はアルカリルのアニオン性界面活性剤と、を含む、混合物を形成する工程と、
前記混合物から複数の繊維を同時に形成する工程と、
前記繊維の少なくとも一部を回収してウェブを形成する工程と、を含み、前記ウェブが、前記繊維のガラス転移温度を超えるが融点よりは低い温度まで加熱されたときに、無抑制条件で測定すると、１０％以下で減少する、前記ウェブの平面内の少なくとも１つの寸法を有する、請求項１〜３４のいずれか一項に記載のウェブの製造方法。
【請求項２１】
界面活性剤キャリアを更に含む、請求項２０に記載の方法。
【請求項２２】
前記アニオン性界面活性剤と配合した前記ポリエステルを押し出す工程を更に含む、請求項２０又は２１に記載の方法。
【請求項２３】
前記ポリエステルと前記アニオン性界面活性剤とを配合する工程が、前記ポリエステル及び前記アニオン性界面活性剤を押し出す工程を含む、請求項２０〜２２のいずれか一項に記載の方法。
【請求項２４】
追加的なポリエステルを加える後続の工程を更に含む、請求項２０〜２３のいずれか一項に記載の方法。
【請求項２５】
前記押し出されたウェブを後加熱する工程を更に含む、請求項２０〜２４のいずれか一項に記載の方法。
【請求項２６】
脂肪族ポリエステル及び芳香族ポリエステルから選択される１つ以上の熱可塑性ポリエステルと、
混合物の０重量％超で、１０重量％以下の量のポリプロピレンと、
アルキルカルボキシレート、アルケニルカルボキシレート、アラルキルカルボキシレート、アルキルエトキシ化カルボキシレート、アラルキルエトキシ化カルボキシレート、アルキルラクチレート、アルケニルラクチレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される粘度調整剤と、を含む混合物を形成する工程と、
前記混合物から複数の繊維を同時に形成する工程と、
前記繊維の少なくとも一部を回収してウェブを形成する工程と、を含み、前記ウェブが、前記繊維のガラス転移温度を超えるが融点よりは低い温度まで加熱されたときに、無抑制条件で測定すると、１０％以下で減少する、前記ウェブの平面内の少なくとも１つの寸法を有する、請求項１〜３４のいずれか一項に記載のウェブの製造方法。
【請求項２７】
前記ウェブが、メルトブロー、スパンボンド又は溶融紡糸プロセスを使用して形成される、請求項２６に記載の方法。
【請求項２８】
前記熱可塑性ポリエステルと前記粘度調整剤とが、前記ウェブ形成プロセスに先立って混合される、請求項２６又は２７に記載の方法。
【請求項２９】
前記粘度調整剤と配合した前記ポリエステルを押し出す工程を更に含む、請求項２６〜２８のいずれか一項に記載の方法。
【請求項３０】
前記ポリエステルと前記粘度調整剤とを混合する工程が、前記ポリエステル及び前記粘度調整剤を押し出す工程を含む、請求項２６〜２９のいずれか一項に記載の方法。
【請求項３１】
前記ウェブを後加熱する工程を更に含む、請求項２６〜３０のいずれか一項に記載の方法。
【請求項３２】
前記繊維が分子配向を呈さない、請求項２０〜３１のいずれか一項に記載の方法。
【請求項１】
脂肪族ポリエステル及び芳香族ポリエステルから選択される１つ以上の熱可塑性ポリエステルと、
ウェブの０重量％超で、１０重量％以下の量のポリプロピレンと、
ポリエステルの中に組み込まれた１つ以上のアルキル、アルケニル、アラルキル又はアルカリルのアニオン性界面活性剤と、
を含む複数の繊維を含む、不織布ウェブであって、前記ウェブは、前記ウェブが、無抑制条件で、前記繊維のガラス転移温度を超える温度まで加熱されたときに１０％以下で減少する、前記ウェブの平面内の少なくとも１つの寸法を有する、不織布ウェブ。
【請求項２】
前記１つ以上のアニオン性界面活性剤が２００℃未満の融点を有する、請求項１に記載のウェブ。
【請求項３】
前記不織布ウェブが、４５℃にて１０日間超経過後も親水性を維持する、請求項１又は２に記載のウェブ。
【請求項４】
界面活性剤キャリアを更に含む、請求項１〜３のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項５】
前記アニオン性界面活性剤が、前記組成物の少なくとも０．２５重量％で、８重量％以下の量で存在する、請求項１〜４のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項６】
前記アニオン性界面活性剤が、前記組成物の１重量％超の量で存在する、請求項１〜５のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項７】
前記界面活性剤キャリアが、ポリアルキレングリコール、多価アルコール、グリセリントリグリセリド（glycerintriglcyerides）、クエン酸エステル、脂肪族ジエステル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項１〜６のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項８】
脂肪族ポリエステル及び芳香族ポリエステルから選択される１つ以上の熱可塑性ポリエステルと、
ウェブの０重量％超で、１０重量％以下の量のポリプロピレンと、
以下の構造：
（Ｒ−ＣＯ２−）ｎＭｎ＋
を有する粘度調整剤と、を含む複数の微細繊維を含む不織布ウェブであって、式中、Ｒは分枝鎖若しくは直鎖炭素鎖としてのＣ８〜Ｃ３０のアルキル若しくはアルキレン、又はＣ１２〜Ｃ３０アラルキルであり、場合により、エチレンオキシド、プロピレンオキシド基、オリゴマー乳酸及び／又はグリコール酸、又はこれらの組み合わせなどの０〜１００個のアルキレンオキシド基で置換されてもよく、
Ｍは、Ｈ、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウム基、プロトン化三級アミン若しくは四級アミンであり、
ｎは１又は２であり、カチオンの価数に等しく、
前記ウェブは、前記ウェブが、無抑制条件で測定すると、前記繊維のガラス転移温度を超えるが融解温度よりも低い温度まで加熱されたときに１０％以下で減少する、前記ウェブの平面内の少なくとも１つの寸法を有する、不織布ウェブ。
【請求項９】
前記粘度調整剤が、アルキルカルボキシレート、アルケニルカルボキシレート、アラルキルカルボキシレート、アルキルエトキシル化カルボキシレート、アラルキルエトキシル化カルボキシレート、アルキルラクチレート、アルケニルラクチレート、ステアロイルラクチレート、ステアレート、これらのカルボン酸及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項８に記載のウェブ。
【請求項１０】
前記粘度調整剤がウェブの約１０重量パーセント以下の量で存在する、請求項８又は９に記載のウェブ。
【請求項１１】
前記繊維の分子配向が少なくとも０．０１の複屈折値をもたらす、請求項１〜１０のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項１２】
前記脂肪族ポリエステルが半結晶である、請求項１〜１１のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項１３】
前記ポリプロピレンが、前記ウェブの約１重量％〜約６重量％の量で存在する、請求項１〜１２のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項１４】
前記繊維が、約１マイクロメートル（μｍ）以下のメジアン繊維径を呈する、請求項１〜１３のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項１５】
前記繊維が、約１２μｍ以下のメジアン繊維径を呈する、請求項１〜１４のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項１６】
前記繊維が、少なくとも１μｍのメジアン繊維径を呈する、請求項１５に記載のウェブ。
【請求項１７】
前記ウェブが生体適合性である、請求項１〜１６のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項１８】
抗微生物性成分を更に含む、請求項１〜１７のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項１９】
前記複数の繊維が少なくとも点位置で結合されている、請求項１〜１８のいずれか一項に記載のウェブ。
【請求項２０】
脂肪族ポリエステル及び芳香族ポリエステルから選択される１つ以上の熱可塑性ポリエステルと、
混合物の０重量％超で、１０重量％以下の量のポリプロピレンと、
前記ポリエステルの中に組み込まれた１つ以上のアルキル、アルケニル、アラルキル又はアルカリルのアニオン性界面活性剤と、を含む、混合物を形成する工程と、
前記混合物から複数の繊維を同時に形成する工程と、
前記繊維の少なくとも一部を回収してウェブを形成する工程と、を含み、前記ウェブが、前記繊維のガラス転移温度を超えるが融点よりは低い温度まで加熱されたときに、無抑制条件で測定すると、１０％以下で減少する、前記ウェブの平面内の少なくとも１つの寸法を有する、請求項１〜３４のいずれか一項に記載のウェブの製造方法。
【請求項２１】
界面活性剤キャリアを更に含む、請求項２０に記載の方法。
【請求項２２】
前記アニオン性界面活性剤と配合した前記ポリエステルを押し出す工程を更に含む、請求項２０又は２１に記載の方法。
【請求項２３】
前記ポリエステルと前記アニオン性界面活性剤とを配合する工程が、前記ポリエステル及び前記アニオン性界面活性剤を押し出す工程を含む、請求項２０〜２２のいずれか一項に記載の方法。
【請求項２４】
追加的なポリエステルを加える後続の工程を更に含む、請求項２０〜２３のいずれか一項に記載の方法。
【請求項２５】
前記押し出されたウェブを後加熱する工程を更に含む、請求項２０〜２４のいずれか一項に記載の方法。
【請求項２６】
脂肪族ポリエステル及び芳香族ポリエステルから選択される１つ以上の熱可塑性ポリエステルと、
混合物の０重量％超で、１０重量％以下の量のポリプロピレンと、
アルキルカルボキシレート、アルケニルカルボキシレート、アラルキルカルボキシレート、アルキルエトキシ化カルボキシレート、アラルキルエトキシ化カルボキシレート、アルキルラクチレート、アルケニルラクチレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される粘度調整剤と、を含む混合物を形成する工程と、
前記混合物から複数の繊維を同時に形成する工程と、
前記繊維の少なくとも一部を回収してウェブを形成する工程と、を含み、前記ウェブが、前記繊維のガラス転移温度を超えるが融点よりは低い温度まで加熱されたときに、無抑制条件で測定すると、１０％以下で減少する、前記ウェブの平面内の少なくとも１つの寸法を有する、請求項１〜３４のいずれか一項に記載のウェブの製造方法。
【請求項２７】
前記ウェブが、メルトブロー、スパンボンド又は溶融紡糸プロセスを使用して形成される、請求項２６に記載の方法。
【請求項２８】
前記熱可塑性ポリエステルと前記粘度調整剤とが、前記ウェブ形成プロセスに先立って混合される、請求項２６又は２７に記載の方法。
【請求項２９】
前記粘度調整剤と配合した前記ポリエステルを押し出す工程を更に含む、請求項２６〜２８のいずれか一項に記載の方法。
【請求項３０】
前記ポリエステルと前記粘度調整剤とを混合する工程が、前記ポリエステル及び前記粘度調整剤を押し出す工程を含む、請求項２６〜２９のいずれか一項に記載の方法。
【請求項３１】
前記ウェブを後加熱する工程を更に含む、請求項２６〜３０のいずれか一項に記載の方法。
【請求項３２】
前記繊維が分子配向を呈さない、請求項２０〜３１のいずれか一項に記載の方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公表番号】特表２０１３−５１５１７４（Ｐ２０１３−５１５１７４Ａ）
【公表日】平成２５年５月２日（２０１３．５．２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１２−５４４８６８（Ｐ２０１２−５４４８６８）
【出願日】平成２２年１２月１７日（２０１０．１２．１７）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＵＳ２０１０／０６０９５１
【国際公開番号】ＷＯ２０１１／０７５６１９
【国際公開日】平成２３年６月２３日（２０１１．６．２３）
【出願人】（５０５００５０４９）スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Ｆターム（参考）】
【公表日】平成２５年５月２日（２０１３．５．２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年１２月１７日（２０１０．１２．１７）
【国際出願番号】ＰＣＴ／ＵＳ２０１０／０６０９５１
【国際公開番号】ＷＯ２０１１／０７５６１９
【国際公開日】平成２３年６月２３日（２０１１．６．２３）
【出願人】（５０５００５０４９）スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Ｆターム（参考）】
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