説明

封印具及び封印具圧縮工具

【課題】作業性を向上することができる封印具を提供すること。
【解決手段】封印具1は、封印具本体2と、封印具本体2の表面に設けられ封印線4を配置可能な溝部3と、を備える。封印具本体2の側面に設けられ封印線4を挿通可能な貫通穴を更に備える。貫通穴は、溝部3と平行な方向に設けられる。封印具圧縮工具は、第1把持部及び第2把持部と、連結部と、第1把持部における連結部よりも他端側に設けられ、第1把持部の一端側と第2把持部の一端側とを近接させることで封印具1の一方の面を押圧する第1押圧部と、第2把持部における連結部よりも他端側に設けられ、第2把持部の一端側と第1把持部の一端側とを近接させることで封印具1の他方の面を押圧する第2押圧部と、第1押圧部と第2押圧部との間に設けられ、封印具1の側面を保持する封印具保持部と、封印具保持部に設けられ封印線4を配置可能な封印線配置溝部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封印具及び封印具圧縮工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電力量計等の計器類の端子等を覆うカバーが不正に開放されるのを防止する封印具が提供されている(例えば、特許文献1)。このような封印具は、鉛からなる円柱状の封印具本体と、この封印具本体の側面に設けられ、封印線を挿通可能な2つの貫通穴と、を備える。これらの貫通穴は、例えば、封印具本体の高さ方向に離間して配置され、かつ、貫通穴の方向が互いに交差するように配置されている。
【0003】
また、このように構成される封印具を使用して電力量計等の封印対象物を封印する場合には、先ず、封印具本体の2つの貫通穴のうちの一方の貫通穴に封印線の一端を挿通する。次に、電力量計等の所定箇所に封印線の他端を挿通した後、この封印線の他端を、封印具本体の他方の貫通穴に挿通する。そして、封印具本体を、封印ペンチと称される封印具圧縮工具で圧縮し、ほぼ楕円体状の形状に潰す。これにより、封印線は、封印具本体に一体的に固定される。
【0004】
ところで、上記従来の封印具圧縮工具は、封印具本体を挟んで圧縮する一対の圧縮部と、互いに近接する方向に把持されることにより、一対の圧縮部を、封印具本体を挟む方向に近接させる一対の把持部と、を備える。
また、上記圧縮作業後において、封印線の余剰部分は、ニッパー等の切断工具によって切断される。このようにして電力量計等の封印対象物は、封印具によって封印される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−65007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1に記載の封印具によって電力量計等の封印対象物を封印する場合、封印線の両端を封印具の2つの貫通穴にそれぞれ挿通する必要がある。そのため、封印線がよじれる等して封印線の挿通作業に時間がかかり、作業性が悪かった。
【0007】
また、作業者は、封印具圧縮工具の圧縮部の適宜の位置に封印具を配置した後、圧縮作業を行う。そのため、圧縮の際に封印具の配置位置がずれると、圧縮位置もずれてしまい、封印具が所望する形状とならないという問題があった。
【0008】
また、従来の封印具圧縮工具は、封印具が圧縮され過ぎることを抑制する機能を有していない。そのため、封印具が圧縮され過ぎると、封印具が必要以上に潰れてしまい、所望する形状とならないという問題があった。
【0009】
また、従来の封印具圧縮工具は、封印線を切断する機能を有していない。そのため、作業者は、ニッパー等の切断工具を別途携行して、封印線の切断作業を行われなければならず、作業性が悪かった。
【0010】
本発明は、作業性を向上することができる封印具を提供することを目的とする。
また、本発明は、封印具を所望する形状に容易に形成することができると共に、作業性を向上することができる封印具圧縮工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、封印具本体と、前記封印具本体の表面に設けられ封印線を配置可能な溝部と、を備える封印具に関する。
【0012】
また、前記封印具本体の側面に設けられ前記封印線を挿通可能な貫通穴を更に備えることが好ましい。
【0013】
また、前記貫通穴は、前記溝部と平行な方向に設けられることが好ましい。
【0014】
また、封印具を圧縮する封印具圧縮工具であって、棒状の第1把持部及び棒状の第2把持部と、前記第1把持部の一端側と前記第2把持部の一端側とを近接及び離間可能に、該第1把持部の他端側と該第2把持部の他端側とを連結する連結部と、前記第1把持部における前記連結部よりも他端側に設けられ、該第1把持部の一端側と前記第2把持部の一端側とを近接させることで前記封印具の一方の面を押圧する第1押圧部と、前記第2把持部における前記連結部よりも他端側に設けられ、該第2把持部の一端側と前記第1把持部の一端側とを近接させることで前記封印具の他方の面を押圧する第2押圧部と、前記第1押圧部と前記第2押圧部との間に設けられ、前記封印具の少なくとも側面を保持する封印具保持部と、前記封印具保持部に設けられ前記封印線を配置可能な封印線配置溝部と、を備える封印具圧縮工具に関する。
【0015】
また、前記封印線を切断する封印線切断刃部を更に備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、作業性を向上することができる封印具を提供することができる。
また、本発明によれば、封印具を所望する形状に容易に形成することができると共に、作業性を向上することができる封印具圧縮工具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態の封印具を示す斜視図である。
【図2】封印具本体を示す平面図である。
【図3】封印具圧縮工具を示す側面図である。
【図4】(a)〜(d)は、封印具圧縮工具を用いた封印作業方法を示す図である。
【図5】圧縮後の封印具を示す斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態の封印具を示す斜視図である。
【図7】他の溝部を備える封印具を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔第1実施形態〕
以下に、本発明の第1実施形態の封印具について図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態の封印具を示す斜視図である。図2は、封印具本体を示す平面図である。
図1及び図2に示すように、封印具1は、封印具本体2と、溝部3と、を備える。封印具本体2は、例えば、鉛からなり、円柱状に形成される。封印具本体2は、例えば、直径が約10mm、高さが約5mmほどである。
【0019】
溝部3は、封印具本体2の表面(図1及び図2においては、上面)において、直径方向に延びる平行な溝である。つまり、溝部3は、封印具本体2の上面及び外周面に開口している。溝部3は、図1に示すように、2本の封印線4を配置可能な幅及び深さを有している。溝部3の高さ方向における断面形状は、例えば、矩形である。封印線4は、例えば、亜鉛メッキされた鉄線からなる。
【0020】
次に、以上のように構成される封印具1を圧縮する封印具圧縮工具について、図3を参照しながら説明する。図3は、封印具圧縮工具を示す側面図である。
図3に示すように、封印具圧縮工具10は、作業者によって把持される第1把持部11及び第2把持部12と、第1把持部11と第2把持部12とを連結する連結部13と、第1把持部11の他端側に設けられる第1押圧部18と、第2把持部12の他端側に設けられる第2押圧部20と、第1把持部11の他端側に設けられ第1押圧部18と第1把持部11とを連結する後端側第1連結部14と、第2把持部12の他端側に設けられ第2押圧部20と第2把持部12とを連結する後端側第2連結部15と、第1押圧部18と第2押圧部20とを連結する中間連結部16と、中間連結部16に連結され封印具1を保持する封印具保持部24と、封印線4を切断する一対の封印線切断刃部19,27と、を備える。
【0021】
第1把持部11及び第2把持部12は、棒状に構成され、ほぼ円弧状に湾曲している。第1把持部11及び第2把持部12は、前記円弧の凹部側が互いに向かい合うように連結されている。
【0022】
連結部13は、第1把持部11の一端側と第2把持部12の一端側とを近接及び離間可能に、第1把持部11の他端側と第2把持部12の他端側とを連結する。連結部13には、付勢手段(図示せず)が設けられている。この付勢手段は、第1把持部11の一端側及び第2把持部12の一端側が常時離間するように、第1把持部11及び第2把持部12を付勢している。
【0023】
第1押圧部18は、板状に形成され、第1把持部11における連結部13よりも他端側に設けられる。第1押圧部18は、第1把持部11の一端側と第2把持部12の一端側とを近接させることで封印具1の一方の面を押圧する。第2押圧部20は、板状に形成され、第2把持部12における連結部13よりも他端側に設けられる。第2押圧部20は、第1把持部11の一端側と第2把持部12の一端側とを近接させることで封印具1の他方の面を押圧する。
【0024】
第1押圧部18は、第2押圧部20と対向する面に凹部18a及び封印線切断刃部19を有する。凹部18aは、平面視でほぼ楕円形状の開口となっている。凹部18aの開口面積は、深さ方向に向かって小さくなっている。封印線切断刃部19については、後述する。
【0025】
第2押圧部20は、第1押圧部18と対向する面に、第1押圧部18側に突出する凸部20aを有する。この凸部20aは、封印具1の一方の面を押圧する。凸部20aは、封印具本体2の外径とほぼ同じ外径の円柱状に形成される。凸部20a及び/又は凹部18aには、圧縮後の封印具1に、例えば、電力会社等の名称やロゴ等を形成する溝が設けられている。
【0026】
後端側第1連結部14は、第1把持部11における連結部13よりも他端側と、第1押圧部18の後端部とを回動自在に連結する。後端側第2連結部15は、第2把持部12における連結部13よりも他端側と、第2押圧部20の後端部とを回動自在に連結する。中間連結部16は、第1押圧部18のほぼ中間部と第2押圧部20のほぼ中間部とを回動自在に連結する。
【0027】
封印具保持部24は、第1押圧部18と第2押圧部20との間に設けられる。封印具保持部24の一端は、中間連結部16に揺動自在に連結される。封印具保持部24は、封印具1の側面を保持する封印線配置溝部25と、保持穴部26と、封印線切断刃部27と、を有する。
【0028】
封印線配置溝部25は、第1押圧部18の側に向けて開口する。封印線配置溝部25の開口形状は、例えば、側面視でほぼU字状である。封印線配置溝部25は、封印線4を配置可能に形成される。
【0029】
保持穴部26は、封印具保持部24のほぼ中央部に設けられる。保持穴部26は、丸穴部26aと、楕円穴部26bと、を有する。丸穴部26aは、封印具本体2の外径よりも若干大きめの内径となっている。楕円穴部26bは、平面視でほぼ楕円形状の開口となっている。つまり、楕円穴部26bは、凹部18aと同様の形状となっている。楕円穴部26bの開口面積は、第1押圧部18の側に向かって大きくなっている。
【0030】
封印線切断刃部19は、第1押圧部18における中間連結部16の側に設けられる。封印線切断刃部19は、封印具保持部24に設けられた封印線切断刃部27(後述)と当接可能に設けられる。封印線切断刃部19は、封印線切断刃部27と当接することにより封印線4を切断する。
【0031】
封印線切断刃部27は、封印具保持部24における第1押圧部18と対向する面の中間連結部16の側に設けられる。封印線切断刃部27は、第1押圧部18の封印線切断刃部19と当接可能に設けられる。封印線切断刃部27は、封印線切断刃部19と当接することにより封印線4を切断する。
【0032】
次に、封印具圧縮工具10を用いた封印作業方法について図1、図4及び図5を参照しながら説明する。図4(a)〜図4(d)は、封印具圧縮工具10を用いた封印作業方法を示す図である。(a)は、封印具圧縮工具10に封印具1をセットする前の状態を示す図である。(b)は、封印具圧縮工具10に封印具1及び封印線4をセットした状態を示す図である。(c)は、封印具圧縮工具10で封印具1を圧縮した状態を示す図である。(d)は、余分な封印線4を封印具圧縮工具10で切断する状態を示す図である。図5は、圧縮後の封印具1を示す斜視図である。
【0033】
図1に示すように、作業員は、電力量計等の所定箇所(図示せず)に挿通された封印線4の両端部をまとめて、封印具1の溝部3に配置する。
【0034】
続いて、図4(a)及び図4(b)に示すように、上記封印具1を、封印具圧縮工具10における封印具保持部24の保持穴部26に配置(セット)する。また、封印具1の溝部3に沿って溝部3の外側に延びる封印線4を、封印線配置溝部25に通し、封印具保持部24の外部に配置する。
【0035】
そして、図4(c)に示すように、作業員は、封印具圧縮工具10の第1把持部11及び第2把持部12を把持して、第1把持部11の一端側と第2把持部12の一端側とを近接させる。すると、後端側第1連結部14と後端側第2連結部15とが離間し、かつ、第1押圧部18及び第2押圧部20が中間連結部16を中心に回動する。これにより、封印具1は、第1押圧部18及び第2押圧部20により押圧され、圧縮される。
【0036】
このとき、封印具1は、封印具保持部24の保持穴部26に保持され、位置決めされている。そのため、封印具1の圧縮中に、封印具1の位置がずれにくい。これにより、封印具1は、図5に示すように、所望する形状(例えば、楕円体)に容易に形成される。封印具1の表面には、例えば、電力会社の名前やロゴ等が形成される。このようにして、封印線4の両端部は、封印具1によって固定される。
封印具保持部24は、中間連結部16に揺動自在に連結されている。そのため、圧縮後の封印具1は、封印具保持部24の保持穴部26から容易に取り出される。
【0037】
次に、図4(d)に示すように、作業員は、封印線4の余剰部分を封印線切断刃部19,27の間に配置する。そして、作業員は、封印具圧縮工具10の第1把持部11の一端側と第2把持部12の一端側とを近接させることで、封印線切断刃部19,27により封印線4の余剰部分を切断する。
【0038】
以上のように、第1実施形態の封印具1及び封印具圧縮工具10によれば、以下に示す各効果が奏される。
第1実施形態の封印具1は、封印具本体2と、封印具本体2の表面に設けられ封印線4を配置可能な溝部3と、を備える。そのため、封印具1の圧縮に先立って行う作業は、封印線4の両端部を封印具1の溝部3に配置するだけでよい。つまり、封印線4を、従来のような封印具本体の2つの貫通穴(図示せず)に挿通する作業が不要となる。従って、作業性を向上することができる。
【0039】
また、第1実施形態の封印具圧縮工具10は、第1把持部11及び第2把持部12と、連結部13と、第1把持部11における連結部13よりも他端側に設けられ、第1把持部11の一端側と第2把持部12の一端側とを近接させることで封印具1の一方の面を押圧する第1押圧部18と、第2把持部12における連結部13よりも他端側に設けられ、第2把持部12の一端側と第1把持部11の一端側とを近接させることで封印具1の他方の面を押圧する第2押圧部20と、第1押圧部18と第2押圧部20との間に設けられ、封印具1の側面を保持する封印具保持部24と、封印具保持部24に設けられ封印線4を配置可能な封印線配置溝部25と、を備える。
【0040】
そのため、封印具圧縮工具10において、封印具1を封印具保持部24及び凹部18aによって容易に位置決めして配置することができる。また、封印具1の側面を封印具保持部24及び凹部18aによって保持しながら圧縮することができる。そのため、圧縮によって封印具1の側面が径方向に大きくなっても、その大きさは封印具保持部24及び凹部18aによって規制される。従って、封印具が圧縮され過ぎて、必要以上に潰れてしまうことを抑制することができる。
【0041】
また、封印具1の溝部3に沿って外側に延びる封印線4を、封印線配置溝部25に通し、封印具保持部24の外部に配置することができる。これにより、封印線4の必要箇所のみを封印具1に固定することができる。
【0042】
また、封印具1を圧縮する場合、封印具1は、封印具保持部24及び凹部18aによって保持され、位置決めされている。そのため、封印具1の圧縮中に、封印具1の位置がずれることを抑制することができる。従って、封印具1を所望する形状に容易に形成することができる。
【0043】
また、第1実施形態の封印具圧縮工具10は、封印線4を切断する封印線切断刃部19,27を更に備える。そのため、ニッパー等の切断工具を別途携行する必要がない。また、封印線4を迅速かつ容易に切断することができ、作業性を向上することができる。
【0044】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。他の実施形態については、主として、第1実施形態とは異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。他の実施形態において特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用又は援用される。
【0045】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態の封印具1Aについて図6を参照しながら説明する。図6は、本発明の第2実施形態の封印具1Aを示す斜視図である。図6に示すように、第2実施形態の封印具1Aは、前記第1実施形態の封印具1(図1参照)の構成に加えて、貫通穴5を備える。
【0046】
貫通穴5は、封印具本体2の側面に設けられ、封印線(図示せず)を挿通可能に構成される。貫通穴5は、溝部3と離間して配置され、かつ、溝部3が延びる方向とほぼ平行に延びている。
【0047】
このように構成された封印具1Aを用いて封印作業を行う場合は、前記第1実施形態の封印具1の場合とほぼ同様に行うことができる。具体的には、封印具本体2の貫通穴5に封印線(図示せず)の一端を挿通する。次に、電力量計等の所定箇所(図示せず)に封印線の他端を挿通した後、この封印線の他端を封印具1Aの溝部3に配置する。
その他の作業方法は、前記第1実施形態の封印具1の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【0048】
以上に説明した第2実施形態の封印具1Aによれば、以下に示す効果が奏される。
第2実施形態の封印具1Aは、封印具本体2と、封印具本体2の表面に設けられ封印線を配置可能な溝部3と、封印具本体2の側面に設けられ、封印線を挿通可能な貫通穴5と、を備える。
【0049】
そのため、封印具1Aの圧縮に先立って行う作業は、封印線(図示せず)の一端を封印具1Aの溝部3に配置し、封印線の他端を封印具1Aの貫通穴5に挿通すればよい。これにより、従来のような封印具本体(図示せず)の2つの貫通穴(図示せず)に、封印線の両端を挿通する作業が不要となる。従って、作業性を向上することができる。
【0050】
また、貫通穴5は、溝部3と平行な方向に設けられる。そのため、封印線(図示せず)の一端を溝部3に配置する方向と、封印線の他端を貫通穴5に挿通する方向とが一致する。従って、封印線の配置作業と挿通作業とを容易に行うことができる。
【0051】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記第1実施形態の封印具1の溝部3は、封印具本体2の表面において直径方向に延びる平行な溝であるものとして説明したが、これに制限されない。例えば、図7に示すように、封印具1は、封印具本体2の表面において、溝幅が封印具本体2の直径方向に次第に狭く(又は広く)なる溝部3aを備えてもよい。ここで、図7は、他の溝部を備える封印具を示す平面図である。
【0052】
また、前記第1実施形態の封印具圧縮工具10においては、第1押圧部18に凹部18aを設け、第2押圧部20に凸部20aを設けるものとして説明したが、これに制限されない。例えば、凸部20aに相当する凸部を第1押圧部18に設け、凹部18aに相当する凹部を第2押圧部20に設けてもよい。また、凸部20aに相当する凸部を第1押圧部18及び第2押圧部20に設けてもよい。
【0053】
また、前記第1実施形態の封印具圧縮工具10においては、封印具保持部24は、第1押圧部18と第2押圧部20との間に別体に設けられるものとして説明したが、これに制限されない。例えば、封印具保持部24を第1押圧部18又は第2押圧部20と一体に設けてもよい。
【符号の説明】
【0054】
1,1A 封印具
2 封印具本体
3,3a 溝部
4 封印線
5 貫通穴
10 封印具圧縮工具
11 第1把持部
12 第2把持部
13 連結部
18 第1押圧部
19,27 封印線切断刃部
20 第2押圧部
24 封印具保持部
25 封印線配置溝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
封印具本体と、
前記封印具本体の表面に設けられ封印線を配置可能な溝部と、
を備える封印具。
【請求項2】
前記封印具本体の側面に設けられ前記封印線を挿通可能な貫通穴を更に備える請求項1に記載の封印具。
【請求項3】
前記貫通穴は、前記溝部と平行な方向に設けられる請求項2に記載の封印具。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の封印具を圧縮する封印具圧縮工具であって、
棒状の第1把持部及び棒状の第2把持部と、
前記第1把持部の一端側と前記第2把持部の一端側とを近接及び離間可能に、該第1把持部の他端側と該第2把持部の他端側とを連結する連結部と、
前記第1把持部における前記連結部よりも他端側に設けられ、該第1把持部の一端側と前記第2把持部の一端側とを近接させることで前記封印具の一方の面を押圧する第1押圧部と、
前記第2把持部における前記連結部よりも他端側に設けられ、該第2把持部の一端側と前記第1把持部の一端側とを近接させることで前記封印具の他方の面を押圧する第2押圧部と、
前記第1押圧部と前記第2押圧部との間に設けられ、前記封印具の少なくとも側面を保持する封印具保持部と、
前記封印具保持部に設けられ前記封印線を配置可能な封印線配置溝部と、
を備える封印具圧縮工具。
【請求項5】
前記封印線を切断する封印線切断刃部を更に備える請求項4に記載の封印具圧縮工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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