説明

封口装置及びハニカム構造体の製造方法

【課題】生産効率に優れた封口装置を提供することを目的とする。
【解決手段】凹部10d、凹部10dの周りの周縁部10a、及び、凹部10dの内面に開口する連通路10eを有する本体部10と、一部分が凹部10dを覆うように張り渡された弾性無端ベルト20と、弾性無端ベルト20を周縁部10aに対して押しつけ可能な押圧部27と、弾性無端ベルト20を周回方向に移動させる駆動部32と、を備えた封口装置100である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は封口装置及びハニカム構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ハニカムフィルタ構造体が、DPF(Diesel particulatefilter)用等として広く知られている。このハニカムフィルタ構造体は、多数の貫通孔を有するハニカム構造体の一部の貫通孔の一端側を封口材で封じると共に、残りの貫通孔の他端側を封口材で封じた構造を有する。そして、特許文献1には、このようなハニカムフィルタ構造体を製造する方法が開示されている。特許文献1では、シリンダ7内に配置したハニカム構造体1の一端に対して、ピストン8により封口材を押圧することにより、ハニカム構造体の貫通孔の端部に封口材を供給している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公昭63−24731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法では、ピストンによる封口材の供給後、次の供給工程を行う前にピストン8の洗浄等が必要となるため、生産効率が低下していた。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、生産効率に優れた封口装置及びハニカム構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る封口装置は、
凹部、前記凹部の周りの周縁部、及び、前記凹部の内面に開口する連通路を有する本体部と、
その一部分が前記凹部及び周縁部を覆うように張り渡された弾性無端ベルトと、
前記弾性無端ベルトを周回方向に移動させる駆動部と、を備える。
【0007】
本発明によれば、次の手順によりハニカム構造体の貫通孔に効率よく封口材を供給することが出来る。まず、連通路を介して本体部の凹部内の流体を排出することにより弾性無端ベルトを本体部の凹部に沿うように変形させ、弾性無端ベルトによる凹部を形成する。次に、弾性無端ベルトの凹部内に封口材を供給し、さらに凹部上にハニカム構造体を保持する。続いて、連通路を介して本体部の凹部と前記弾性無端ベルトとの間に流体を供給し、弾性無端ベルトをハニカム構造体に向かって移動させる。これにより、弾性無端ベルトの凹部内の封口材がハニカム構造体の貫通孔内に供給される。その後、弾性無端ベルトを周方向に移動させると、弾性無端ベルトにおける封口材が付着した部分が、本体部の凹部と対向する位置からずれる。したがって、封口材が付着した部分を次の封口作業中に洗浄することができる。また、弾性無端ベルトにおける既に洗浄済みのきれいな部分を本体部の凹部と対向させて、直ちに次の封口作業に入ることができる。
【0008】
ここで、前記弾性無端ベルトを前記周縁部に対して押圧可能な押圧部を備えることが好ましい。これによれば、弾性無端ベルトの凹部を形成する前に、弾性無端ベルトを押圧部により周縁部に押しつけることにより、好適に凹部を形成でき、また、封口材を貫通孔に供給する際の流体の漏れ等も抑制される。また、弾性無端ベルトを周方向に移動させる前に、押圧部による弾性無端ベルトの押圧を緩和すれば、周回方向の移動を阻害しにくい。
【0009】
また、前記弾性無端ベルトは、無端ゴムベルトを有することが好ましい。
【0010】
これによれば、本体部の周縁部との密着性及び気密性が高くなり、また、本体部の凹部の形状に沿って容易に変形できるので、封口作業が好適に行える。
【0011】
また、前記弾性無端ベルトにおける、前記本体部の凹部とは対向しない部分に付着した付着物を除去する除去機構をさらに備えることが好ましい。
【0012】
前記除去機構は、前記付着物を掻き取るスクレイパを有することが好ましい。これにより、付着物を容易に除去できる。
【0013】
前記除去機構は、前記弾性無端ベルトに対して液体を噴出するノズルを備えることが好ましい。これによっても、付着物を容易に除去できる。
【0014】
前記弾性無端ベルト上の液体を乾燥させる乾燥機をさらに備えることが好ましい。
【0015】
前記連通路に接続され、流体の供給及び排出を制御する制御手段をさらに備えることが好ましい。これにより、弾性無端ベルトの移動による凹部の形成及び封口動作を好適に行うことができる。
【0016】
本発明に係るハニカム構造体の製造方法は、
凹部、前記凹部の周りの周縁部、及び、前記凹部の内面に開口する連通路を有する本体部と、一部分が前記凹部及び周縁部を覆うように張り渡された弾性無端ベルトと、を用意する工程と、
前記本体部の凹部内の流体を排出することにより前記弾性無端ベルトの凹部を形成する工程と、
前記弾性無端ベルトの凹部内に封口材を供給する工程と、
複数の貫通孔を有するハニカム構造体の一端面を、前記封口材が供給された前記弾性無端ベルトの凹部と対向するように配置する工程と、
前記本体部の凹部と前記弾性無端ベルトとの間に流体を供給することにより前記弾性無端ベルト上の前記封口材を前記ハニカム構造体の貫通孔に供給する工程と、
前記緩和する工程の後に、前記弾性無端ベルトを周方向に移動させる工程と、を備える。
【0017】
ここで、前記凹部を形成する工程の前に、弾性無端ベルトの一部を、本体部の凹部の周りの周縁部に対して押しつける工程と、
前記弾性無端ベルトを周回方向に移動させる工程の前に、前記弾性無端ベルトを前記本体部の凹部の周りの周縁部に対して押しつける力を緩和する工程と、をさらに備えることが好ましい。緩和する工程は、凹部を形成する工程の後が好ましく、封口材を供給する工程の後がより好ましい。また、封口材の供給後に、弾性無端ベルトをさらに突出させる工程を含む場合には、緩和する工程は、突出させる工程の後であることが好ましい。
【0018】
また、前記弾性無端ベルトは、無端ゴムベルトを有することが好ましい。
【0019】
また、前記配置する工程では、さらに、前記弾性無端ベルトの凹部と、前記ハニカム構造体の一端面との間に複数の貫通孔を有するマスクを配置することが好ましい。
【0020】
また、前記弾性無端ベルトにおける、前記本体部の凹部とは対向しない部分に付着した付着物を除去する工程をさらに備えることが好ましい。
【0021】
また、前記除去する工程は、前記弾性無端ベルト上の付着物を掻き取ることを含むことが好ましい。
【0022】
また、前記除去する工程は、前記弾性無端ベルト上の付着物を液体により洗浄することを含むことが好ましい。
【0023】
また、前記弾性無端ベルト上の液体を乾燥させる工程をさらに備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、生産効率に優れた封口装置及び製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る封口装置の概略断面図である。
【図2】図2は、図1の封口装置のII−II矢視図である。
【図3】図3の(a)は、図1の封口装置で用いるハニカム構造体の斜視図、図3の(b)は、図3の(a)の部分拡大図である。
【図4】図4の(a)は、図1のマスクの斜視図、図4の(b)は、図4の(a)の部分拡大図である。
【図5】図5の(a)は、図1の封口装置の動作を説明する部分断面図であり、図5の(b)は、図5の(a)に続く部分断面図である。
【図6】図6の(a)は、図5の(b)に続く部分断面図であり、図6の(b)は、図6の(a)に続く部分断面図である。
【図7】図7の(a)は、図6の(b)に続く部分断面図であり、図7の(b)は、図7の(a)に続く部分断面図である。
【図8】図8の(a)は、図7の(b)に続く部分断面図であり、図8の(b)は、図7の(a)に続く部分断面図である。
【図9】図9の(a)は、図8の(b)に続く部分断面図であり、図9の(b)は、図7の(a)に続く部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係る封口装置の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0027】
図1は、本実施形態の一例に係る封口装置100の概略断面図である。本実施形態に係る封口装置100は、主として、本体部10、弾性無端ベルト20、ポンプ50、保持部80を備える。
【0028】
本体部10は、剛性材料から形成されている。剛性材料としては、ステンレス等の金属や、繊維強化プラスチック等のポリマー材料が挙げられる。本体部10の上面には、凹部10dが形成され、凹部10dの周りには環状の周縁部10aが形成されている。本実施形態では、凹部10dの形状は、図1及び図2に示すように、円柱状とされている。そして、本体部10の周縁部10aの表面に対して、凹部10dの側面10bが垂直、かつ、底面10cが平行とされている。凹部10dの直径は、例えば、100〜320mmとすることができる。凹部10dの深さは、例えば、0.2〜20mmとすることができる。
【0029】
弾性無端ベルト20は、その一部が本体部10の凹部10d及び周縁部10aを覆うように、本体部10の周りに複数のローラ30により張り渡されている。弾性無端ベルト20は、弾性を有し、容易に変形しうる。弾性無端ベルト20としては、無端ゴムベルトが好ましい。ゴムとしては、天然ゴムや、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ふっ素ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム等の合成ゴムが挙げられる。弾性無端ベルト20の厚みは特に限定されないが、例えば、0.3〜3.0mmとすることができる。
図2に示すように、弾性無端ベルト20の幅W20は、凹部10dを全て覆うことができ、かつ、周縁部10aを、径方向の幅は問わないが一周分覆うことのできる大きさである。
【0030】
図1に戻って、一部のローラ30には、モータ(駆動部)32が接続され、ローラ30を回転させることにより、弾性無端ベルト20を図示矢印Aの向きに、周回方向に移動させることができる。
【0031】
図1に戻って、押圧部27は、上下方向に延びるシリンダ27aと、シリンダ27a内に設けられたピストン27bと、ピストン27bの下端に設けられたリング部材27cを有している。また、図示しない圧力調節手段によってピストン27bの上下両側での圧力が調節可能となっており、シリンダ27aを下方に移動したり、上方に移動したりすることができる。そして、この押圧部27は、シリンダ27aを下方に移動させることにより、リング部材27cを弾性無端ベルト20に接触させることができ、さらに、リング部材27cを下方に押圧することにより、周縁部10aに対して、弾性無端ベルト20を密着させることができる。また、これとは逆に、この押圧部27は、シリンダ27a内を上方に移動させることにより、リング部材27cによる弾性無端ベルト20の押圧を緩和し、弾性無端ベルト20の周回方向への移動を可能にできる。
【0032】
リング部材27cは、本体部10の凹部10dに対応する位置に開口27caを有し、これにより環状形状をなしている。そして、リング部材27cは、弾性無端ベルト20における中央部(凹部10dとの対向部)が上方に露出するように弾性無端ベルト20上に配置され、本体部10の周縁部10aと対向している。
【0033】
図1に示すように、リング部材27cの開口27caの内径は、本体部10の凹部10dの内径よりも大きくされていることが好ましい。
【0034】
本体部10は、さらに、凹部10dの底面10cに開口する連通路10eを有している。なお、本実施形態では、連通路10eは凹部10dの底面10cに開口しているが、凹部10dの内面に開口していれば良く、例えば、凹部10dの側面10bに開口していてもよい。また、連通路10eの開口の形状や数も特に限定されない。
【0035】
連通路10eには、接続パイプ14を介してポンプ50が接続されている。
【0036】
ポンプ50は、シリンダ51、シリンダ51内に配置されたピストン53、及び、ピストン53に接続されたピストンロッド54を備える。ピストンロッド54には、ピストンロッド54を軸方向に往復移動させるモータ55が接続されている。なお、ピストンロッド54を手動で動かしてもよい。
【0037】
本実施形態では、弾性無端ベルト20における凹部10dを覆う部分と、ピストン53と、の間には、本体部10、接続パイプ14、及び、シリンダ51により形成される閉鎖空間Vが形成され、閉鎖空間V内には、流体FLが充填されている。流体FLは、特に限定されないが、液体が好ましく、特に、スピンドルオイル等が好ましい。なお、流体FLは、空気等のガスでもよい。そして、ピストン53を移動させることにより、本体部10の凹部10d内から流体FLを排出することができ、また、凹部10d内に流体FLを供給することが出来る。
【0038】
本体部10の上には、保持部80が設けられている。保持部80は、ハニカム構造体70を保持する保持具81、及び保持具81が接続された空気圧シリンダ82を有する。
【0039】
保持具81は、ハニカム構造体70を、図1に示すように、貫通孔70aの一方側の開口面が弾性無端ベルト20及び凹部10dと対向するように保持する。
【0040】
空気圧シリンダ82は、上下方向に延びるシリンダ82aと、シリンダ82a内に設けられたピストン82bとを有し、外部から供給する圧力を調整することによりピストン82bの上下両側での圧力を調節可能となっている。そして、これにより空気圧シリンダ82は、保持具81を、ハニカム構造体70と弾性無端ベルト20とが近づく方向及びこれらが互いに離れる方向にそれぞれ移動可能である。また、空気圧シリンダ82は、ピストン82bの前後のガスの供給圧力に応じて保持具81を下方に所定の力で押圧することにより、ハニカム構造体70を後述するマスク170に対して密着させることができる。さらに、空気圧シリンダ82は、ピストンの前後の圧力を開放することにより、保持具81が上下方向に自由に移動することを許可することもできる。すなわち、保持部80は、保持具81が保持したハニカム構造体70を上方向に自由に移動可能とする状態と、ハニカム構造体70を本体部10に対して固定する状態とを切替え可能である。
【0041】
この封口装置100は、さらに、弾性無端ベルト20上の封口材の残渣130aを除去する除去機構60として、掻取機構61、及び、洗浄ノズル62を備えている。
【0042】
掻取機構61は、弾性無端ベルト20の表面に接するスクレイパ61aと、スクレイパ61aを移動させるスクレイパ駆動部61bとを有しており、弾性無端ベルト20の表面に残る封口材130の残渣130aを掻き取る。
【0043】
洗浄ノズル62は、弾性無端ベルト20の表面に対して、液体を噴出し、表面を洗浄する。洗浄ノズル62は、ラインL1及びポンプ62bを介して液体供給源62aに接続されている。液体は特に限定されないが、封口材の溶媒を用いることが好ましい。
【0044】
掻取機構61や洗浄ノズル62といった除去機構60は、弾性無端ベルト20のうち、本体部10の凹部10dとは対向しない部分における付着物を除去する位置に設けられている。さらに、弾性無端ベルト20の周回方向において、本体部10の凹部10dの下流側に、掻取機構61が配置され、掻取機構61の下流側に洗浄ノズル62が配置されることが好ましい。
【0045】
さらに、封口装置100は、弾性無端ベルト20上の液体を乾燥させるための乾燥機として、ブロア64を備えている。
【0046】
ブロア64等の乾燥機は、洗浄ノズル62よりもさらに、弾性無端ベルト20の周回方向における下流側に設けることが好ましい。本実施形態では、ブロア64は、弾性無端ベルト20のうち、本体部10の凹部10dとは対向しない部分における液体を除去する位置に設けられているが、弾性無端ベルト20のうち、本体部10の凹部10dと対向する部分における液体を除去する位置にあってもよい。
【0047】
本実施形態で用いる一例のハニカム構造体70は、図3の(a)に示すように、多数の貫通孔70aが略平行に配置された円柱体である。貫通孔70aの断面形状は、図3の(b)に示すように正方形である。これらの複数の貫通孔70aは、ハニカム構造体70において、端面から見て、正方形配置、すなわち、貫通孔70aの中心軸が、正方形の頂点にそれぞれ位置するように配置されている。貫通孔70aの断面の正方形のサイズは、例えば、一辺0.8〜2.5mmとすることができる。
【0048】
また、ハニカム構造体70の貫通孔70aが延びる方向の長さは特に限定されないが、例えば、40〜350mmとすることができる。また、ハニカム構造体70の外径も特に限定されないが、例えば、100〜320mmとすることできる。
【0049】
ハニカム構造体70の材料は特に限定されないが、高温耐性の観点から、セラミクス材料が好ましい。例えば、アルミナ、シリカ、ムライト、コーディエライト、ガラス、チタン酸アルミニウム等の酸化物、シリコンカーバイド、窒化珪素、金属等が挙げられる。なお、チタン酸アルミニウムは、さらに、マグネシウム及び/又はケイ素を含むことができる。このような、ハニカム構造体70は通常多孔質である。
【0050】
また、ハニカム構造体70は、後で焼成することにより上述のようなセラミック材料となるグリーン成形体(未焼成成形体)であってもよい。グリーン成形体は、セラミクス原料である無機化合物源粉末、及び、メチルセルロース等の有機バインダ、及び、必要に応じて添加される添加剤を含む。
【0051】
例えば、チタン酸アルミニウムのグリーン成形体の場合、無機化合物源粉末は、αアルミナ粉等のアルミニウム源粉末、及び、アナターゼ型やルチル型のチタニア粉末等のチタニウム源粉末を含み、必要に応じて、さらに、マグネシア粉末やマグネシアスピネル粉末等のマグネシウム源粉末及び/又は、酸化ケイ素粉末やガラスフリット等のケイ素源粉末を含むことができる。
【0052】
有機バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩を例示できる。
【0053】
添加物としては、例えば、造孔剤、潤滑剤および可塑剤、分散剤、溶媒が挙げられる。
【0054】
造孔剤としては、グラファイト等の炭素材;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類;でんぷん、ナッツ殻、クルミ殻、コーンなどの植物材料;氷;およびドライアイス等などが挙げられる。
【0055】
潤滑剤および可塑剤としては、グリセリンなどのアルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸Alなどのステアリン酸金属塩などが挙げられる。
【0056】
分散剤としては、たとえば、硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸;シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;ポリカルボン酸アンモニウム、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどの界面活性剤などが挙げられる。
【0057】
溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類;および水などを用いることができる。
【0058】
マスク170は、弾性無端ベルト20上におけるリング部材27cの開口27ca内に配置されるものである。マスク170の材料は特に限定されず、例えば、金属や樹脂が挙げられる。
【0059】
図4の(a)に、本実施形態で用いるマスク170の一例を示す。マスク170は、円形の板状部材であり、厚み方向に伸びる多数の貫通孔170aを有する。貫通孔170aの断面形状は、図4の(b)に示すように、ハニカム構造体70の貫通孔70a(図3の(b)参照)に対応する正方形である。これらの複数の貫通孔170aは、図4の(b)に示すように、千鳥配置されており、各貫通孔170aは、図3の(b)の正方配置された複数の貫通孔70aのうち、互いに上下左右に隣接しない関係にある複数の貫通孔70aiのみに対向して配置される。なお、マスク170の貫通孔170aの位置決めを容易にすべく、マスク170には、オリエンテーションフラット170bが形成され、これに対応してリング部材27cにもオリエンテーションフラットに対応する突起25bを設けてもよい。図1に示すように、マスク170の外径は、本体部10の凹部10dの内径よりも大きくされていることが好ましい。
【0060】
なお、本体部10には、超音波振動器等の加振器140が設けられていることが好ましい。
【0061】
(使用方法)
つづいて、上述の封口装置100の使用方法について説明する。まず、図1の状態から、予め、空気圧シリンダ82を駆動して、ハニカム構造体70を保持する保持具81上方に引き上げておくと共に、マスク170を弾性無端ベルト20上から外しておく。次に、ポンプ50のピストン53を下方に引くことにより、本体部10の凹部10dから流体FLを下方に排出させる。これにより、図5の(a)に示すように、弾性無端ベルト20が変形して凹部10dの側面10b及び底面10cに密着し、これによって、弾性無端ベルト20の凹部20dが形成する。
【0062】
続いて、図5の(b)に示すように、弾性無端ベルト20の凹部20d内に封口材130を供給する。必要に応じて、加振器140を駆動することにより、封口材130の表面の平坦化、脱泡を促す。
【0063】
(封口材)
封口材130は、ハニカム構造体70の貫通孔70aの端部を閉鎖できるものであれば特に限定されないが、液状であることが好ましい。例えば、封口材として、セラミクス材料又はセラミクス原料と、バインダと、好ましくは潤滑剤と、溶媒とを含むスラリーが例示できる。セラミクス材料としては、上述のハニカム構造体の構成材料や、その原料が挙げられる。
【0064】
バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩等の有機バインダを例示できる。バインダの使用量は、封口材を100質量%とした時、例えば、0.1〜10質量%とすることができる。
【0065】
潤滑剤としては、グリセリンなどのアルコール類、カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラギン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸、ステアリン酸Al等のステアリン酸金属塩などが挙げられる。潤滑剤の添加量は、封口材の100質量%に対して、通常、0〜10質量%であり、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%である。
【0066】
溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類;および水などを用いることができる。なかでも、水が好ましく、不純物が少ない点で、より好ましくはイオン交換水が用いられる。溶媒の使用量は、封口材を100質量%とした時、例えば、15〜40質量%とすることができる。
【0067】
続いて、図6の(a)に示すように、本体部10の凹部10dを覆うように弾性無端ベルト20上にマスク170をセットし、次いで、空気圧シリンダ82により保持具81を下方に移動させてハニカム構造体70をマスク170に接触させることにより、ハニカム構造体70の一部の貫通孔70aと、マスク170の貫通孔170aとを連通させ、さらに、空気圧シリンダ82により保持具81を下方に押圧し、ハニカム構造体70をマスク170及び本体部10に対して固定する。
【0068】
次いで、ポンプ50のピストンを上方に移動させることにより、連通路10eを介して凹部10dと弾性無端ベルト20との間に流体FLを供給し、これによって、図6の(b)に示すように、弾性無端ベルト20がマスク170に向かって移動する。この工程は、図7の(a)に示すように、弾性無端ベルト20がマスク170に接触し、弾性無端ベルト20の変形が解消するまで行なうことが好ましい。
【0069】
これにより、封口材130がマスク170の貫通孔170aを介して、ハニカム構造体70の一部の貫通孔70a内に供給され、封口部70pが形成する。
【0070】
続いて、空気圧シリンダ82によるハニカム構造体70の下方向への押圧を停止してハニカム構造体70が上方に自由に移動できるようした後、ピストン53をさらに上昇させ弾性無端ベルト20と本体部10との間にさらに流体FLを供給する。これにより、図7の(b)に示すように、弾性無端ベルト20は、上方向に凸状に変形し、マスク170及びハニカム構造体70が上方に移動する。このとき、凸状に変形する弾性無端ベルト20の周辺部はマスク170から離れるので、これにより、マスク170及びハニカム構造体70を、本体部10から容易に引き離すことができ、ハニカム構造体70を保持具81から外すことができる。このとき、図8の(a)に示すように、弾性無端ベルト20の表面上には、封口材130の残渣130aが残る。
【0071】
続いて、押圧部27のピストン27bを上昇させ、リング部材27cによる、弾性無端ベルト20の押圧を開放し、弾性無端ベルト20の周回移動を可能とする。次に、図8の(b)に示すように、弾性無端ベルト20を周回方向に矢印Aの向きに移動させる。これにより、弾性無端ベルト20における封口材130の残渣130aが付着した部分が凹部10dと対向する部分から非対向部分に移動する一方、後述するようにして封口材130の残渣130aが除去された清浄な表面を有する弾性無端ベルト20の表面が、凹部10dと対向する位置に配置される。
【0072】
続いて、前述と同様に、図5の(a)に示すように押圧部27により弾性無端ベルト20を押圧し、弾性無端ベルト20の凹部20dを形成し、図5の(b)に示すように凹部20dへ封口材130を供給する。さらに、図9の(a)に示すように、マスク170に対して貫通孔170aの配置が正反対の千鳥配置とされたマスク170を本体部10の凹部10dを覆うように弾性無端ベルト20上に設置し、天地をひっくり返したうえで再びハニカム構造体70を保持具81に保持し、次いで、ポンプにより、弾性無端ベルト20の凹部を上方に移動させることにより、同様の封口操作を行なう。これにより、残りの貫通孔70aの他端側が封口材で封口され、封口部70pが形成する。続いて、図9の(b)にしめすように上述と同様にして弾性無端ベルト20を上に凸状に変形させることにより、マスク170’及びハニカム構造体70を容易に本体部10及び弾性無端ベルト20から引き離すことが出来る。
【0073】
そしてこのようにして、貫通孔70aの両端が封口されたハニカム構造体70を乾燥、焼成等することにより、ハニカムフィルタ構造体を製造することが出来る。
【0074】
続いて、残渣130aの洗浄について説明する。図1に示すように、一回目の封口工程の終了後に弾性無端ベルト20が矢印A方向に周回移動することにより、弾性無端ベルト20における残渣130aが付着した部分は、本体部10の凹部10dから離れて掻取機構61の前に移動する。そして、本体部10において、二回目の封口作業が行われている間に、掻取機構61のスクレイパ61aが、弾性無端ベルト20の表面に沿って移動することによって、封口材の残渣130aが掻き取られる。
【0075】
次に、本体部10の凹部10dでの2回目の封口工程が終わると、また、弾性無端ベルト20が矢印A方向に移動し、弾性無端ベルト20における残渣130aがスクレイパ61aにより掻き取られた部分は、洗浄ノズル62の前に移動する。そして、本体部10で第3回目の封口作業が行われている間に、洗浄ノズル62から噴射する流体により、弾性無端ベルト20の表面の残渣130aがより一層除去される。なお、この間に、第2回目の封口作業により生じた残渣130aが、掻取機構61により除去される。
【0076】
そして、本体部10の凹部10dでの第3回目の封口工程が終わると、弾性無端ベルト20における洗浄ノズル62により洗浄されることにより液体が付着した部分が矢印A方向に周回移動し、ブロア64等の乾燥手段の前に移動する。
【0077】
次に、本体部10での第4回目の封口作業が行われている間に、ブロア64により、弾性無端ベルト20の表面の液体が除去され、弾性無端ベルト20の表面が清浄となる。なお、この間に、掻取機構61、及び、洗浄ノズル62による洗浄作業はそれぞれ行われる。そして、第4回目の封口工程が終わると、弾性無端ベルト20がまた周回方向に移動し、弾性無端ベルト20の清浄な表面が、本体部10の凹部10dと対向する位置に供給される。
【0078】
本発明によれば、封口装置100が、本体部10、弾性無端ベルト20、及び、モータ32を備えることにより、封口作業により封口材の残渣が付着した部分を、素早く凹部10dと対向する部分から別の部分に移動させ、その部分を次の封口作業中に洗浄できる。さらに、封口作業の終了後直ちに、既に洗浄済みの部分を凹部と対向させ、次の封口作業に入ることができる。したがって、封口作業後に、弾性板を洗浄し、その後、次の封口作業を行う場合に比べて、封口に要する時間を短縮でき、封口されたハニカム構造体を低コスト化で効率よく製造することが出来る。
【0079】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、様々な変形態様が可能である。
【0080】
例えば、上記実施形態では、弾性無端ベルト20の上部の下面が本体部10の凹部10dと対向し、本体部10を取り囲む形態であり、弾性無端ベルト20の外周面に封口材の残渣130aが付着する。したがって、この弾性無端ベルト20の外周面の残渣130の除去や洗浄を行う。これに対して、弾性無端ベルト20の下部の上面が本体部10の凹部10dと対向し、リング部材27cを取り囲む形態でも実施可能である。この場合は、弾性無端ベルト20の内周面に残渣130aが付着するため、この内周面の残渣130aの除去や洗浄を行う。
【0081】
また、本体部10の凹部10dとは対向しない部分において残渣130aを除去する除去機構60の形態や数も特に限定されない。例えば、掻取機構61のみでもよく、洗浄ノズル62のみでもよく、また、これ以外の除去機構、例えば、残渣を吸引する吸引機構等を、一又は複数の他の除去機構と組み合わせて、あるいは、単独で備えていてもよい。
【0082】
また、除去機構60の形態も、上記形態に限定されず、例えば、スクレイパ61aが固定であり、弾性無端ベルト20の周回移動によって、残渣130aを掻き取る態様でも実施可能である。
【0083】
また、上記実施形態では、乾燥機として、液体を吹き飛ばすブロアを有しているが、加熱により蒸発させるヒータや、液体を拭き取る織布や不織布等の利用も可能である。また、洗浄に使用する液体によっては、乾燥手段を設けなくても実施は可能である。
【0084】
また、上述では、連通路10eが、本体部10及び接続パイプ14により形成されているが、接続パイプ14を有さずに本体部10に直接ポンプ50が接続されていてもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、ポンプ50として、シリンダ51、ピストン53、及び、ピストンロッド54を備えたピストンポンプを採用しているが、凹部10d内への流体の供給及び排出を制御できるものであれば他のものでもよい。例えば、圧力源と接続され、圧力源からの流体の供給を制御可能なバルブ、及び、真空ポンプ等の真空源と接続され、真空源への流体の排出を制御可能なバルブを有する制御手段でもよい。
【0086】
また、凹部10dの形状は特に限定されず、封口対象となるハニカム構造体70にあわせて適宜設定できる。
例えば、凹部10dを上から見た平面形状は、円形以外に楕円形、矩形、正方形等とすることもできる。この場合、矩形や正方形の場合の大きさは、例えば、一辺50〜300mmとすることができる。また、本体部10の周縁部10aの表面に対して、側面10bが垂直、かつ、底面10cが平行である必要は無く、例えば、斜面であったり曲面であってもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、保持部80は空気圧シリンダ82を備えるがこれに限られず、たとえば、歯車機構等の種々の機構に代替することが出来る。
【0088】
また、上記実施形態では、弾性無端ベルト20の凹部20dを形成する前から、弾性無端ベルト20の周回移動を行う前まで、押圧部27を用いることにより弾性無端ベルト20を本体部10の周縁部10aに対して押圧しているが、必ずしもそうする必要はない。例えば、図7の(a)のようにマスク170の外径が凹部10dの内径よりも大きい場合には、保持部80がハニカム構造体70をマスク170に対して押圧する際に、マスク170の外縁部がダイアフラム20を本体部の周縁部10aに押しつけるので、少なくとも、保持部80による押圧が行われている間、例えば、弾性無端ベルト20が凹部20d内の封口材をハニカムフィルタへ供給する工程の間は、押圧部27が弾性無端ベルト20を周縁部10aに対して押圧しなくてもよい。
また、上記実施形態では、押圧部27は、シリンダ27a及びピストン27bを備えているが、リング部材27cを本体部10の周縁部10aに対して押圧できる物であれば機構は特に限定されない。
【0089】
また、保持部80は必ずしも必須ではない。例えば、封口材を供給するときには錘をハニカム構造体70の上に載せることによりハニカム構造体を本体部10に対して固定し、ハニカム構造体70を本体部から離れさせる際には、錘を除去してハニカム構造体を移動可能としてもよい。また、ハニカム構造体がある程度の重量を有する場合には、自重によって固定されるので特段の固定手段を有さない態様も可能である。
【0090】
ハニカム構造体70の形状や構造も上述に限定されない。例えば、ハニカム構造体70の外形形状も円柱でなくてもよく、例えば、四角柱等の角柱でもよい。また、ハニカム構造体70の貫通孔70aの断面形状は、正方形でなくてもよく、例えば、長方形、三角形、多角形、円形等でも構わない。さらに、貫通孔70aの配置も、正方形配置でなくてもよく、例えば、3角配置、千鳥配置等でも構わない。
【0091】
また、上記実施形態では、多数の貫通孔を有する板状のマスク170を採用しているが、マスクにより遮蔽する場所も任意である。さらに、このようなマスク170を用いなくても実施可能である。例えば、封口処理の前に、ハニカム構造体70の一部の貫通孔70a内に加熱すると分解する材料により栓をしておき、封口後に栓を熱分解等すればよい。本発明では、マスクを使用しない場合であっても、封口処理後に凸状に変形する弾性無端ベルト20によって、ハニカム構造体70を本体部10や弾性無端ベルト20から容易に引き離すことが出来るという効果がある。
【符号の説明】
【0092】
10…本体部、10a…周縁部、10d…本体部の凹部、10e…連通部、20…弾性無端ベルト、27…押圧部、32…モータ(駆動部)、50…ポンプ、61a…スクレイパ(除去機構)、62…洗浄ノズル(除去機構)、64…ブロア(乾燥機)、70…ハニカム構造体、80…保持部、100…封口装置、170…マスク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹部、前記凹部の周りの周縁部、及び、前記凹部の内面に開口する連通路を有する本体部と、
一部分が前記凹部及び周縁部を覆うように張り渡された弾性無端ベルトと、
前記弾性無端ベルトを周回方向に移動させる駆動部と、を備える封口装置。
【請求項2】
前記弾性無端ベルトを前記周縁部に対して押圧可能な押圧部をさらに備える請求項1記載の封口装置。
【請求項3】
前記弾性無端ベルトにおける、前記本体部の凹部とは対向しない部分に付着した付着物を除去する除去機構をさらに備える請求項1又は2に記載の封口装置。
【請求項4】
前記除去機構は、前記付着物を掻き取るスクレイパを有する請求項3記載の封口装置。
【請求項5】
前記除去機構は、前記弾性無端ベルトに対して液体を噴出するノズルを有する請求項3又は4記載の封口装置。
【請求項6】
前記弾性無端ベルト上の液体を乾燥させる乾燥機をさらに備える請求項5記載の封口装置。
【請求項7】
前記連通路に接続され、流体の供給及び排出を制御する制御手段をさらに備えた請求項1〜6のいずれか一項に記載の封口装置。
【請求項8】
凹部、前記凹部の周りの周縁部、及び、前記凹部の内面に開口する連通路を有する本体部と、一部分が前記凹部及び周縁部を覆うように張り渡された弾性無端ベルトと、を用意する工程と、
前記本体部の凹部内の流体を排出することにより前記弾性無端ベルトの凹部を形成する工程と、
前記弾性無端ベルトの凹部内に封口材を供給する工程と、
複数の貫通孔を有するハニカム構造体の一端面を、前記封口材が供給された前記弾性無端ベルトの凹部と対向するように配置する工程と、
前記本体部の凹部と前記弾性無端ベルトとの間に流体を供給することにより前記弾性無端ベルト上の前記封口材を前記ハニカム構造体の貫通孔に供給する工程と、
前記供給する工程の後に、前記弾性無端ベルトを周回方向に移動させる工程と、を備えた、ハニカム構造体の製造方法。
【請求項9】
前記凹部を形成する工程の前に、前記弾性無端ベルトを前記本体部の凹部の周りの周縁部に対して押しつける工程、及び、
前記弾性無端ベルトを周回方向に移動させる工程の前に、前記弾性無端ベルトを前記本体部の凹部の周りの周縁部に対して押しつける力を緩和する工程と、をさらに備える請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記配置する工程では、さらに、前記弾性無端ベルトの凹部と、前記ハニカム構造体の一端面との間に複数の貫通孔を有するマスクを配置する請求項8又は9記載の方法。
【請求項11】
前記弾性無端ベルトにおける、前記本体部の凹部とは対向しない部分に付着した付着物を除去する工程をさらに備える請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記除去する工程は、前記弾性無端ベルト上の付着物を掻き取ることを含む請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記除去する工程は、前記弾性無端ベルト上の付着物を液体により洗浄することを含む請求項11又は12記載の方法。
【請求項14】
前記弾性無端ベルト上の液体を乾燥させる工程をさらに備える請求項13記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−153011(P2012−153011A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14155(P2011−14155)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】