説明

封帯で閉じた包装用容器、封帯形成方法、及び封帯形成装置

【課題】低コストで本体と蓋体の密閉性が確保できて、本体や蓋体を変形させることもなく、しかも、容器の開封作業も簡単に行い得るようにすることのできる、本体と蓋体とからなり封帯で閉じた包装用容器を提供すること。
【解決手段】本体210とこれに嵌合される蓋体220とからなる包装用容器200において、内容物を収納した後の本体210とこれに嵌合した蓋体220の側面についてのみ、これらの境界部分230を中心に熱収縮させた封帯60によって封をしたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封帯で閉じた包装用容器、封帯形成方法、及び封帯形成装置に関し、特に、本体と蓋体とからなり封帯で閉じた包装用容器、包装用容器を密閉するための封帯を形成する方法、及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、お弁当や総菜等の食品を、プラスチックシートで形成した本体と蓋体とからなる包装用容器に詰めて販売することが盛んに行われている。そして、この包装用容器への異物混入を防止したり、あるいはこの包装用容器から液汁が零れ出ないようにするために、全体を「ラップ」(特許文献1)や「シュリンクフィルム」(特許文献2)等で包み込むことがなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3090263号掲載公報
【特許文献2】特開平5−32235号公報、要約、図14、図15
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び2の技術のように、包装用容器全体をラップ等で包み込むと、「密閉性」は十分となるものの、ラップ等を大量に使用することになるから、単に内容物を包装するだけであるのに全体のコストを高くするし、ラップ等からの力によって包装用容器に変形を来たし易くなる。
【0005】
また、容器の開封を行う場合には、包装用容器全体を包み込んでいるラップ等を完全に剥がさなければならない。これらのラップ等は、包装用容器内の中身がよく見えるようにするために透明材料によって形成してあることが殆どであるから、剥がすための「糸口」を探すことが非常に困難で、しかも包み込んでいるラップ等の量が多いこともあって、容器の開封作業は非常に面倒になっている。
【0006】
特に、特許文献2の「食品容器の包装方法」では、「熱収縮性プラスチックフィルム14a,14bを包装用フィルムとし、その内側となる面に、箸、フォーク、スプーン等を収納し得るフィルムポケット14cを形成してこれに箸11を収納したうえ、該フィルムを米飯・惣菜等が詰められた食品容器10の側壁面に巻き回して容器を囲包するチューブを形成し、ついで該チューブに熱収縮処理を施して熱収縮力を締付力として容器に抱着させる」ものであるから、「接着剤等で容器側面に箸を取付ける方法と異なって、箸付け包装の自動化が容易で、包装効率が向上し、また容器形態のデザインの自由度が高められる」ものと考えられる。
【0007】
しかしながら、この特許文献2で提案されている技術では、上述したように、また、図19の(a)及び(b)にも示すように、一般的なフィルムより高価な「熱収縮性プラスチックフィルム」を大量に使用して行うものであり、単に密閉だけを行って使用後は捨てられるだけのものとするには、非常にコストが掛かるだけでなく、開封時の剥がし作業も面倒になっているのである。
【0008】
要するに、この種の本体とこれに嵌合される蓋体とからなる包装用容器において、その本体内に内容物を詰めた後の密閉性を確保するための手段としての、「ラップ」や「シュリンクフィルム」を掛ける場合には、次の点を十分考慮し、改良しなければならない。
・コストが掛からないようにすること
・剥がし、または除去が容易に行えるものとすること
・「ラップ」や「シュリンクフィルム」を掛ける場合に、本体や蓋体が変形しないようにすること
【0009】
そこで、本発明者等は、上記の点を改良するにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本体と、これに嵌合される蓋体とからなる包装用容器においては、本体と蓋体との境界部分さえ密閉すれば、当該包装用容器の密閉性が確保できるし、境界部分は容器の他の部分に比較して剛性が高くなっていることに気付き、本発明を完成したのである。
【0010】
すなわち、本発明の目的とするところは、低コストで本体と蓋体の密閉性が確保できて、本体や蓋体を変形させることもなく、しかも、容器の開封作業も簡単に行い得るようにすることのできる、封帯で閉じた包装用容器、封帯形成方法、及び封帯形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上の課題を解決するために、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する最良形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「本体210とこれに嵌合される蓋体220とからなる包装用容器200において、
内容物を収納した後の本体210とこれに嵌合した蓋体220の側面についてのみ、これらの境界部分230を中心に熱収縮させた封帯60によって封をしたことを特徴とする包装用容器200」
である。
【0012】
すなわち、この請求項1に係る包装用容器200は、図1の(b)に示すように、包装用容器200を構成している本体210と蓋体220との境界部分230を中心に熱収縮させた封帯60によって、内容物を収納した後の本体210とこれに嵌合した蓋体220の側面についてのみ封をしたものであって、この封帯60によって密閉性が高くなっているのである。また、この封帯60は、長さはともかく、その幅については、せいぜい当該包装用容器200の側面の高さ以下であり、図19の(a)に示すような大幅なものではない。
【0013】
この封帯60は、図1の(a)にも示すように、本体210とこれに嵌合した蓋体220の側面の、境界部分230を中心に熱収縮性フィルム64を巻回して形成した仮封帯60aを熱収縮させたものであるが、この仮封帯60aの段階であっても、当該仮封帯60aの幅は、包装用容器200の側面の高さ以下であり、図19の(a)に示すような大幅なものではない。
【0014】
このため、当該包装用容器200の密閉のために使用する熱収縮性フィルム64は、図19の(a)で使用されている従来のものに比較して、その幅について1/3以下に抑えることができる可能性が高くなり、包装用容器200の密閉を低コストで行えることになる。
【0015】
また、封帯60は、剛性が高くなっている境界部分230を中心に存在させてあるから、この封帯60が仮封帯60aを熱収縮させて形成したとしても、本体210や蓋体220が変形することはない。何故なら、この封帯60は、その前段階の仮封帯60aの状態であっても、本体210とこれに嵌合した蓋体220の側面についてのみ形成されるものであるから、本体210の底面や蓋体220の上面(天板面)に掛かることがなく、本体210や蓋体220を変形させてしまう力の源にはならないからである。
【0016】
さらに、この封帯60は、剛性が高くなっている境界部分230を中心に存在させてあるから、この封帯60の切り離し及び除去も簡単に行え、結果的に、当該包装用容器200の開放を簡単に行えるものとなっている。何故なら、この封帯60は、その上縁または下縁が境界部分230を中心に存在するのであるから、これを破るか切るべき箇所が明確に視認できるし、境界部分230は、図1の(a)及び図19の(a)にも示すように、外方に突出するものであるから、熱収縮している筈の封帯60の上縁または下縁は、完全には包装用容器200の側面に密着しておらず少し離れているからである。
【0017】
従って、この請求項1に係る封帯60を設けた包装用容器200は、低コストで本体210と蓋体220の密閉性が確保でき、本体210や蓋体220を変形させることもなく、しかも、包装用容器200の開封作業も簡単に行い得るものとなっている。
【0018】
また、上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、
「内容物を収納した後の本体210に蓋体220を嵌合した包装用容器200を搬送ベルト10により加熱装置50に向けて搬送して、本体210と蓋体220との境界部分230を中心に封帯60による封をする方法であって、
搬送ベルト10の左右両側に配置したフィルム案内装置20によって封帯60となるべき熱収縮フィルム64・64を順次繰り出せるようにするとともに、熱収縮フィルム64・64の先端部を第2溶着部62によって接続しておいて、
包装用容器200を搬送ベルト10によって熱収縮フィルム64を超えたところまで搬送したとき搬送ベルト10を停止させるとともに、この搬送ベルト10の上方に配置した容器押さえ装置30を降下させて、包装用容器200を搬送ベルト10上に押し付けて固定し、
搬送ベルト10の左右両側であって熱収縮フィルム64より上流側に配置した溶着及び切断装置40・40を、包装用容器200の左右両側面に近接させて下流側へ移動させた後、左右両側の溶着及び切断装置40・40を互いに進退させることによって、両熱収縮フィルム64・64による境界部分230の全側面の包み込み、両熱収縮フィルム64・64に対する第1及び第2溶着部61・62の形成、及びこれらの間の切断部63の形成を行って、当該包装用容器200の境界部分230を中心に包み込んだ仮封帯60aを形成し、
次いで、容器押さえ装置30を上昇させて包装用容器200の固定を解除させた後、搬送ベルト10を再駆動させて包装用容器200を加熱装置50内に搬送し、この加熱装置50によって仮封帯60aを熱収縮させて、当該包装用容器200の境界部分230を中心とした密閉を行う封帯60を形成するようにしたこと
を特徴とする包装用容器の封帯形成方法」
である。
【0019】
すなわち、この請求項2に係る封帯形成方法は、内容物を収納した後の本体210に蓋体220を嵌合した包装用容器200を、搬送ベルト10によって、始点から加熱装置50に向けて搬送、及び停止を繰り返しながら搬送する間に、当該包装用容器200の側面についてのみ、境界部分230を中心とする、熱収縮性フィルム64からなる仮封帯60aを形成し、この仮封帯60aを加熱装置50における加熱工程で加熱することにより熱収縮させて封帯60とするものである。
【0020】
この封帯60は、上記請求項1に係る包装用容器200の場合と同様に、図1の(b)に示すように、包装用容器200を構成している本体210と蓋体220との境界部分230を中心に熱収縮させられるものであり、内容物を収納した後の本体210とこれに嵌合した蓋体220の側面についてのみ封を行うものであって、この封帯60によって当該包装用容器200の密閉性を高くする。また、この封帯60は、長さはともかく、その幅については、せいぜい当該包装用容器200の側面の高さ以下であり、図19の(a)に示すような大幅なものではないことは、上記請求項1に係る包装用容器200と同様である。
【0021】
また、この封帯60は、図1の(a)にも示すように、本体210とこれに嵌合した蓋体220の側面の、境界部分230を中心に熱収縮性フィルム64を巻回して形成した仮封帯60aを熱収縮させて形成するものであるが、この仮封帯60aの段階であっても、当該仮封帯60aの幅は、包装用容器200の側面の高さ以下であり、図19の(a)に示すような大幅なものではない。
【0022】
このため、この請求項2の封帯形成方法において使用する熱収縮性フィルム64は、図19の(a)で使用されている従来のものに比較して、その幅について1/3以下に抑えることができる可能性が高くなり、包装用容器200の密閉を低コストで行えることになる。
【0023】
この封帯形成方法においては、まず、搬送ベルト10を駆動させて、その上の包装用容器200を、図2に示すように、第2溶着部62において互いに接続された熱収縮フィルム64・64の下流側へ搬送させる。このとき、左右の熱収縮フィルム64・64は、第2溶着部62において互いに接続された状態かつ、搬送ベルト10に直交した状態で、搬送ベルト10の上方に横たわっている。
【0024】
つまり、フィルム案内装置20は、熱収縮性フィルム64の下方を包装用容器200が通過するまで熱収縮性フィルム64を持ち上げているものであり、次に述べるように、包装用容器200が通過してから、両熱収縮性フィルム64を連結している第2溶着部62が包装用容器200の、特に境界部分230の後面に位置するように、両熱収縮性フィルム64を下ろすものである。このフィルム案内装置20の上下作動は、機枠に設けてある図示しないリミットスイッチなどによってなされるものであり、搬送ベルト10によって搬入されてくる包装用容器200を検知することによりなされる。
【0025】
搬送ベルト10によって包装用容器200が所定位置まで搬送されると、搬送ベルト10が停止され、両熱収縮性フィルム64がフィルム案内装置20によって所定位置まで下ろされるのであるが、この位置は、上述したリミットスイッチなどによって決められるものである。両熱収縮性フィルム64が下ろされると、図2にも示すように、両熱収縮性フィルム64を連結している第2溶着部62が、包装用容器200の、特に境界部分230の後面側(上流側)に位置することになる。そして、このとき、容器押さえ装置30が降下されて、その直下の包装用容器200が搬送ベルト10上に固定される。この際、各溶着及び切断装置40は、図2に示すように、搬送ベルト10の左右両側であって熱収縮フィルム64より上流側に配置されている。
【0026】
熱収縮フィルム64より上流側に配置されている溶着及び切断装置40・40は、図3に示すように、まず包装用容器200の左右両側面に近接され、その後、図3中の矢印にて示すように、下流側へ移動される。これらの溶着及び切断装置40・40は、包装用容器200の前端面に位置すると互いに当接するように前進し、図4に示すように、両熱収縮フィルム64・64による境界部分230の全側面の包み込みがなされるのである。
【0027】
そして、これらの溶着及び切断装置40が当接されたとき、または当接されてから離間されるまでの間に、例えば図13で説明するのとは逆の、包装用容器200の前端面で、両熱収縮フィルム64・64に対する第1及び第2溶着部61・62の形成、及びこれらの間の切断部63の形成が行われる。その後、各溶着及び切断装置40が互いに後退することによって、図5に示すように、当該包装用容器200の境界部分230を中心に包み込んだ仮封帯60aの形成が完了するのである。
【0028】
以上の結果、図5にも示すように、包装用容器200の側面部の全周囲に、境界部分230を中心とした仮封帯60aが形成されるのである。この仮封帯60aは、多少のズラシを許容する状態で、包装用容器200の側面部の全周囲を包み込んでいる。
【0029】
次いで、降下させてあった容器押え装置30を上動させるとともに、停止させていた搬送ベルト10を再び駆動させることにより、包装用容器200を加熱装置50内に搬送するのである。この加熱装置50は、熱収縮性フィルム64に熱風等によって熱を加えるようにしたものであり、この加熱装置50によって仮封帯60aを熱収縮させれば、図1の(b)に示すような、包装用容器200の境界部分230を中心とした密閉を行った封帯60が形成されるのである。
【0030】
さらに、この封帯60は、剛性が高くなっている境界部分230を中心に存在させてあるから、この封帯60の切り離し及び除去も簡単に行え、結果的に、当該包装用容器200の開放を簡単に行えることは、上述した請求項1に係る包装用容器200と同様である。何故なら、この封帯60は、その上縁または下縁が境界部分230を中心に存在するのであるから、これを破るか切るべき箇所が明確に視認できるし、境界部分230は、図1の(a)及び図19の(a)にも示すように、外方に突出するものであるから、熱収縮している筈の封帯60の上縁または下縁は、完全には包装用容器200の側面に密着しておらず少し離れているからである。
【0031】
従って、この請求項2に係る封帯60の形成方法は、これを設けた包装用容器200の本体210と蓋体220の密閉性を、低コストで確保できるのであり、本体210や蓋体220を変形させることもなく、しかも、包装用容器200の開封作業も簡単に行い得るものとなっている。
【0032】
上記課題を解決するために、請求項3に係る発明の採った手段は、同様に、
「内容物を収納した後の本体210に蓋体220を嵌合した包装用容器200を搬送ベルト10により加熱装置50に向けて搬送して、本体210と蓋体220との境界部分230を中心に封帯60による封をする方法であって、
搬送ベルト10の左右両側に配置したフィルム案内装置20によって封帯60となるべき熱収縮フィルム64・64を順次繰り出せるようにするとともに、熱収縮フィルム64・64の先端部を第2溶着部62によって接続しておいて、
搬送ベルト10により搬送されてきた装用容器200が熱収縮フィルム64・64の手前に位置したとき、上方に配置した容器押さえ装置30を降下させて、包装用容器200を搬送ベルト10上に押し付けて固定し、そのまま搬送ベルト10を駆動させて包装用容器200の前面にて、第2溶着部62によって互いに接続された左右両側の熱収縮フィルム64・64によって境界部分230の前側面及び左右両側面の包み込みを行い、
次いで、搬送ベルト10を停止させてその上に固定されている包装用容器200について、その上流側に配置された左右両側の溶着及び切断装置40・40を互いに進退させることによって、両熱収縮フィルム64・64による境界部分230の後側面の包み込み、両熱収縮フィルム64・64に対する第1及び第2溶着部61・62の形成、及びこれらの間の切断部63の形成を行って、境界部分230の全側面を包み込んだ仮封帯60aを形成し、
さらに、容器押さえ装置30を上昇させて包装用容器200の固定を解除させた後、搬送ベルト10を再駆動させて包装用容器200を加熱装置50内に搬送し、この加熱装置50によって仮封帯60aを熱収縮させて、当該包装用容器200の境界部分230を中心とした密閉を行う封帯60を形成するようにしたこと
を特徴とする包装用容器の封帯形成方法」
である。
【0033】
すなわち、この請求項3に係る封帯形成方法は、内容物を収納した後の本体210に蓋体220を嵌合した包装用容器200を、搬送ベルト10により加熱装置50に向けて搬送して、本体210と蓋体220との境界部分230を中心に封帯60による封をする方法であって、搬送ベルト10によって、始点から加熱装置50まで搬送する間に、当該包装用容器200の側面についてのみ、境界部分230を中心として、熱収縮性フィルム64からなる仮封帯60aを形成し、この蓋体220を加熱装置50における加熱工程で加熱することにより熱収縮させて封帯60を形成するものである。
【0034】
この封帯60は、上記請求項1に係る包装用容器200の場合と同様に、図1の(b)に示すように、包装用容器200を構成している本体210と蓋体220との境界部分230を中心に熱収縮させられるものであり、内容物を収納した後の本体210とこれに嵌合した蓋体220の側面についてのみ封を行うものであって、この封帯60によって密閉性が高くなっている。また、この封帯60は、長さはともかく、その幅については、せいぜい当該包装用容器200の側面の高さ以下であり、仮封帯60aの段階であっても、図19の(a)に示すような大幅なものではない。
【0035】
この封帯形成方法においては、まず、図6〜図9に示すように、搬送ベルト10を駆動させて、その上の包装用容器200を下流側へ搬送させる。このとき、左右の熱収縮フィルム64・64は、上述した請求項2の方法の場合とは異なって、第2溶着部62において互いに接続された状態かつ、搬送ベルト10に直交した状態で横たわっているから、包装用容器200がゴールテープを押すように送り込まれることになり、これらの熱収縮性フィルム64は、包装用容器200の前側面及び左右両側面における境界部分230を中心とした包み込みを行うのである。
【0036】
次いで、搬送ベルト10を停止させるのであるが、この停止位置は、機枠に設けてある図示しないリミットスイッチなどによって決められるものであり、容器押さえ装置30の直下に包装用容器200が来た時点で停止される。そこで、この容器押さえ装置30を作動させて、包装用容器200の搬送ベルト10上への固定を行うのである。
【0037】
そこで、搬送ベルト10上に固定された包装用容器200については、図9〜図13に示すように、その下流側(包装用容器200の後側)に配置された左右の溶着及び切断装置40・40を互いに進退させるのである。これらの溶着及び切断装置40・40が互いに前進すれば、図9中の実線にて示すように、両熱収縮フィルム64・64が搬送ベルト10の中心部に寄せられるのであり、かつ、図11に示すように、両熱収縮フィルム64・64による包装用容器200の後側面の包み込みがなされる。また、これらの溶着及び切断装置40・40がその前面にて当接すれば、図13に示すように、これらの熱収縮フィルム64・64に対する第1及び第2溶着部61・62の形成と、これらの間の切断部63の形成が行われるのである。
【0038】
以上の結果、図12にも示すように、包装用容器200の側面部の全周囲に、境界部分230を中心とした仮封帯60aが形成されるのである。この仮封帯60aは、多少のズラシを許容する状態で、包装用容器200の側面部の全周囲を包み込んでいる。
【0039】
さらに、停止させていた搬送ベルト10を再び駆動させることにより、包装用容器200を加熱装置50内に搬送するのである。この加熱装置50は、熱収縮性フィルム64に熱風等によって熱を加えるようにしたものであり、この加熱装置50によって仮封帯60aを熱収縮させれば、図1の(b)に示すような、包装用容器200の境界部分230を中心とした密閉を行った封帯60が形成されるのである。
【0040】
この請求項3の封帯形成方法では、密閉のための軟質フィルムや熱収縮フィルムの使用量を少なくすることができて、包装用容器200の密閉を低コストで行えるのであり、形成した封帯60は、剛性が高くなっている境界部分230を中心に存在しているから、この封帯60及び仮封帯60aの形成によっては、本体210や蓋体220が変形することがないことは、上述した請求項2のそれの場合と同様である。
【0041】
さらに、この請求項3の封帯形成方法では、容器押さえ装置30により包装用容器200を搬送ベルト10上に固定させて、包装用容器200の周囲を熱収縮性フィルム64にて包み込みながら仮封帯60aの形成を行っているので、本体210や蓋体220に大きな負荷が掛からず、これらの本体210や蓋体220を変形させることはないのである。
【0042】
勿論、以上の方法によって形成した封帯60は、上記請求項1の包装用容器200における封帯60と同様に、切り離し及び除去が簡単に行え、結果的に、当該包装用容器200の開放を簡単に行えるようにする封帯60を形成することができる。
【0043】
従って、この請求項3に係る封帯形成方法は、低コストで本体210と蓋体220の密閉性を確保する封帯60が確実に形成でき、本体210や蓋体220を変形させることもなく、しかも、包装用容器200の開封作業も簡単に行い得る封帯60を形成できるのである。
【0044】
上記課題を解決するために、請求項4に係る発明の採った手段は、上記請求項2または請求項3に記載の包装用容器の封帯形成方法について、
「搬送ベルト10上に固定された包装用容器200について、その下流側に配置された左右の溶着及び切断装置40・40を互いに進退させる前に、各フィルム案内装置20のガイドローラ21を互いに進行させることにより、両熱収縮フィルム64・64の搬送ベルト10の中心部への寄せを行って、これら両熱収縮フィルム64・64による包装用容器200の後側面での前記包み込みを補助するようにしたこと」
である。
【0045】
この請求項4に係る封帯形成方法では、搬送ベルト10上に固定された包装用容器200について、その下流側に配置された左右の溶着及び切断装置40・40を互いに進退させる前に、各フィルム案内装置20のガイドローラ21を互いに進行させることにより、これら各ガイドローラ21によって両熱収縮フィルム64・64の搬送ベルト10の中心部への寄せが行われるのである。
【0046】
換言すれば、この請求項4の封帯形成方法では、左右の溶着及び切断装置40・40が互いに進退する前に、両熱収縮性フィルム64のベルト10の中心部への寄せが行われるのであるから、その後に進行してくる各熱収縮性フィルム64による両熱収縮性フィルム64の合わせは、不要な張力が掛けられることなく行われ、かつ、図9中の仮想線にて示すように、両熱収縮フィルム64・64による包装用容器200の後側面の包み込みが無理なくなされることになる。
【0047】
勿論、これら両熱収縮性フィルム64のベルト10の中心部への寄せが行われた後に、各溶着及び切断装置40・40がその前面にて当接すれば、図13に示すように、これらの熱収縮フィルム64・64に対する第1及び第2溶着部61・62の形成と、これらの間の切断部63の形成が行われることは、請求項2または請求項3の封帯形成方法の場合と同様である。
【0048】
従って、この請求項4の封帯形成方法では、上記請求項2または請求項3と同様な作用を発揮する他、各ガイドローラ21によって熱収縮性フィルム64に無理な張力を発生させないで、仮封帯60aの形成が行えるのである。
【0049】
上記課題を解決するために、請求項5に係る発明の採った手段は、上記請求項2〜請求項4のいずれかに記載の包装用容器の封帯形成方法について、
「仮封帯60aの加熱装置50内での熱収縮を、
搬送ベルト10によって搬送される包装用容器200の左右両側面の上下に熱風を吹き付けて、包装用容器200に対する仮封帯60aの位置決め付着のために、仮封帯60aを不完全収縮させる前段収縮と、
この前段収縮時より遅い速度で包装用容器200を搬送しながら、包装用容器200の左右両側及び上方から、前段収縮時よりも大きい風量で熱風を吹き付けて、仮封帯60aの完全収縮を行う後段収縮とに分けたこと」
を特徴とするものである。
【0050】
この請求項5の封帯形成方法では、加熱装置50での加熱による熱収縮を、不完全収縮させる前段過程と、完全収縮させる後段過程との2種類に分けたものであり、前段収縮では、仮封帯60aの包装用容器200に対する不完全収縮による位置調整を主として行い、後段収縮では、仮封帯60aの完全収縮を行って、包装用容器200の境界部分230に密着した封帯60を形成するようにしたものである。
【0051】
換言すれば、まず、不完全収縮させる前段収縮では、搬送ベルト10によって搬送される包装用容器200の両側面の上下に熱風を吹き付けて、包装用容器200の境界部分230を「緩い」状態で包み込んでいた仮封帯60aを少し収縮させる(不完全収縮)ことにより、その緩みを無くすのである。この緩みが無くなった仮封帯60aは、包装用容器200の境界部分230に対して位置ズレしないようになるから、結果的にこの仮封帯60aは、完全な収縮がなされる前の不完全な収縮動作によって包装用容器200に対する位置決めが行われるのである。
【0052】
その後の後段収縮では、以上の前段収縮時より遅い速度で包装用容器200を搬送しながら、包装用容器200の左右両側及び上方から、前段収縮時よりも大きい風量で熱風を吹き付けるのであり、これによって仮封帯60aの完全収縮が行われる。
【0053】
従って、この請求項5の封帯形成方法では、上記請求項2〜請求項4のいずれかに係るそれと同様な作用を発揮する他、仮封帯60aを、境界部分230を中心に均等に収縮させながら巻き付け得るのであり、この仮封帯60aから封帯60を形成する場合に、本体210や蓋体220を変形させることはない。
【0054】
そして、上記課題を解決するために、請求項6に係る発明の採った手段は、
「本体210と蓋体220とからなる包装用容器200の側面についてのみ、本体210と蓋体220との境界部分230に、熱収縮性フィルム64からなる封帯60を形成する封帯形成装置100であって、
機枠に水平状に支持されて、少なくとも始点から加熱装置50に向けて、包装用容器200を、搬送及び停止を繰り返しながら搬送する搬送ベルト10と、
この搬送ベルト10の左右両側に配置されて、各先端が第2溶着部62で接続された両熱収縮性フィルム64・64を、搬送ベルト10上にて搬送される包装用容器200の移動によって、この包装用容器200の少なくとも前側面及び左右両側面に繰り出すフィルム案内装置20と、
このフィルム案内装置20の前方に移動したとき停止された包装用容器200上に降下して、この包装用容器200を搬送ベルト10上に一時固定する容器押さえ装置30と、
この容器押さえ装置30によって固定された包装用容器200の下流側にて互いに対向して進退し、包装用容器200の後側面に熱収縮性フィルム64を送り出すとともに、互いの当接によって、両熱収縮性フィルム64の重なり部分に、第2溶着部62、第1溶着部61、及び切断部63を形成することにより仮封帯60aを構成してから、元位置に復帰する左右一対の溶着及び切断装置40と、
仮封帯60aを構成した包装用容器200が搬送ベルト10により搬送されてくることにより、内部にて仮封帯60aを熱収縮させて封帯60とする加熱装置50と
を備えたことを特徴とする封帯形成装置100」
である。
【0055】
この請求項6に係る封帯形成装置100は、図14〜図18にも示すように、請求項1の封帯60によって封をした包装用容器200を形成するものであるとともに、請求項2または請求項3に係る封帯形成方法を具現化するものである。そして、この封帯形成装置100を構成する各部材については、上記請求項1〜請求項5に係る発明において使用した符号と同一符号を付して、説明もまた図示もしているため、その説明は省略する。
【0056】
この封帯形成装置100によれば、密閉のための軟質フィルムや熱収縮フィルムの使用量を少なくすることができて、包装用容器200の密閉を低コストで行えるし、この封帯形成装置100で形成できる封帯60は、剛性が高くなっている境界部分230を中心に存在させることができるから、この封帯60、及び包装用容器200の前段階の仮封帯60aの形成持に、本体210や蓋体220を変形させることはない。
【0057】
勿論、この封帯形成装置100容器押さえ装置30によって形成した封帯60は、切り離し及び除去が簡単に行え、結果的に、当該包装用容器200の開放を簡単に行えるようにすることができる。
【0058】
従って、この請求項6に係る封帯形成装置100は、請求項2〜5の封帯形成方法を具現化することができ、低コストで本体210と蓋体220の密閉性を確保する封帯60を製造することができ、この封帯60の形成時に本体210や蓋体220を変形させることもなく、しかも、この封帯60が簡単に破ることあるいは除去することができることから、この封帯60の開封作業を簡単に行うことのできる包装用容器200をも形成し得るのである。
【0059】
また、請求項7に係る発明の採った手段は、上記請求項6に記載の包装用容器の封帯形成装置100について、
「フィルム案内装置20を、搬送ベルト10の中心に向けた進退と各熱収縮性フィルム64の案内を行うガイドローラ21を備えたものとして、これら各ガイドローラ21を、左右の溶着及び切断装置40・40が互いに進退する前に互いに進行するものとし、これら各ガイドローラ21により、両熱収縮フィルム64・64の搬送ベルト10の中心部への寄せと、これら両熱収縮フィルム64・64による包装用容器200の後側面での前記包み込みの補助とが行えるようにしたこと」
である。
【0060】
この請求項7に係る封帯形成装置100では、搬送ベルト10上に固定された包装用容器200について、その下流側に配置された左右の溶着及び切断装置40・40を互いに進退させる前に、各フィルム案内装置20のガイドローラ21が互いに進行することにより、まず、これら各ガイドローラ21によって両熱収縮フィルム64・64の搬送ベルト10の中心部への寄せが行われる。
【0061】
換言すれば、この請求項7の封帯形成装置100では、左右の溶着及び切断装置40・40が互いに進退する前に、各ガイドローラ21が両熱収縮性フィルム64のベルト10の中心部への寄せを行うのであるから、その後に進行してくる各溶着及び切断装置40による両熱収縮性フィルム64の合わせは、不要な張力が掛けられることなく行われ、かつ、図9中の仮想線にて示すように、両熱収縮フィルム64・64による包装用容器200の後側面の包み込みが無理なくなされることになる。
【0062】
勿論、これら両熱収縮性フィルム64のベルト10の中心部への寄せが行われた後に、各溶着及び切断装置40・40がその前面にて当接すれば、図13に示すように、これらの熱収縮フィルム64・64に対する第1及び第2溶着部61・62の形成と、これらの間の切断部63の形成が行われることは、請求項6の封帯形成装置100と同様である。
【0063】
従って、この請求項7の封帯形成方法では、上記請求項6と同様な作用を発揮する他、各ガイドローラ21によって熱収縮性フィルム64に無理な張力を発生させないで、仮封帯60aを形成できるのである。
【0064】
上記課題を解決するために、請求項8に係る発明の採った手段は、上記請求項6または請求項7に記載の封帯形成装置100について、
「両溶着及び切断装置40の各々を、前記機枠に対して移動可能に支持する移動台41と、この移動台41の下流側部分に設けられて、各熱収縮性フィルム64の案内を行う案内ローラ42と、搬送ベルト10の搬送方向の前後に空間を置いて並んで、各熱収縮性フィルム64の溶着を行う前後の溶着ヘッド43a及び43bとを備えたものとし、
一方の溶着及び切断装置40については、両溶着ヘッド43a及び43bが移動台41に対して進退可能とするとともに、これらの溶着ヘッド43a・43bの間に配置されて、移動台41に取り付けられて、先端が他方の溶着及び切断装置40の前記空間に向かう切断刃44とを備えたこと」
である。
【0065】
この請求項8の封帯形成装置100は、これを構成している溶着及び切断装置40をより具体化したものであり、この溶着及び切断装置40は、図13または図18に示すように、前記機枠に対して移動可能に支持する移動台41と、この移動台41の下流側部分に設けられて、各熱収縮性フィルム64の案内を行う案内ローラ42と、搬送ベルト10の搬送方向の前後に空間を置いて並んで、各熱収縮性フィルム64の溶着を行う前後の溶着ヘッド43a及び43bとを備えたものである。
【0066】
これら各溶着及び切断装置40が備えている案内ローラ42は、図18の(b)に示すように、各溶着及び切断装置40の下流側部分にて露出した状態で移動台41に支持してあり、図18の(a)に示すように、その表面にて左右のフィルム案内装置20から引き出されて来る各熱収縮性フィルム64を支持し案内するものである。換言すれば、これら各案内ローラ42は、薄くて柔らかい各熱収縮性フィルム64を、後溶着ヘッド43b等の前進時にこれより先で突出した状態で案内するものであり、各熱収縮性フィルム64に皺や破れが生じないように案内支持するとともに、各熱収縮性フィルム64を介して本体210や蓋体220に偏荷重が掛からないようにするものである。
【0067】
各溶着及び切断装置40の前進側端面には、図13にも示すように、先に前溶着ヘッド43aが、また後に後溶着ヘッド43bが、両者の間に所定空間を形成しながら取り付けてあり、これらの前溶着ヘッド43a及び後溶着ヘッド43bは、二枚重ねられて引き出されてきた熱収縮性フィルム64に、第1溶着部61及び第2溶着部62を形成するものである。そして、これら第1溶着部61及び第2溶着部62の間には、両溶着及び切断装置40が突き合わされたとき、切断刃44が突出することになり、これによって第1溶着部61及び第2溶着部62の間は、図13の(b)に示すように、切り離されるのである。
【0068】
従って、この請求項8に係る封帯形成装置100は、上記請求項6または請求項7のそれと同様な機能を発揮する他、仮封帯60aを形成するときに、各熱収縮性フィルム64・64に偏荷重が掛からないようにするのであり、当該封帯形成装置100によって形成された仮封帯60aは、境界部分230を中心に均等に収縮させながら巻き付けられるから、これから封帯60を形成する場合に、本体210や蓋体220が変形することはない。
【0069】
そして、上記課題を解決するために、請求項9に係る発明の採った手段は、上記請求項6〜請求項8のいずれかに記載の封帯形成装置100について、
「仮封帯60aの加熱装置50内での熱収縮を、
搬送ベルト10によって搬送される包装用容器200の左右両側面の上下に熱風を吹き付けて、包装用容器200に対する仮封帯60aの位置決め付着のために、仮封帯60aを不完全収縮させる前段収縮と、
この前段収縮時より遅い速度で包装用容器200を搬送しながら、包装用容器200の左右両側及び上方から、前記前段収縮時よりも大きい風量で熱風を吹き付けて、仮封帯60aの完全収縮を行う後段収縮とに分けて行うようにしたこと」
である。
【0070】
この請求項9の封帯形成装置100は、例えば図14に示すように、加熱装置50での加熱による熱収縮を、不完全収縮させる前段過程と、完全収縮させる後段過程の2種類に分けて行えるようにしたものであり、前段収縮では、仮封帯60aの包装用容器200に対する位置調整を主として行い、後段収縮では、仮封帯60aの完全収縮を行って、包装用容器200の境界部分230に密着した封帯60を形成するものである。
【0071】
換言すれば、まず、前段収縮では、搬送ベルト10によって搬送される包装用容器200の両側面の上下に熱風を吹き付けることができるようにしてあり、包装用容器200の境界部分230を「緩い」状態で包み込んでいた仮封帯60aを少し収縮させることにより、その緩みを無くすようにするのである。この緩みが無くなった仮封帯60aは、包装用容器200の境界部分230に対して位置ズレしないようになるから、結果的にこの半収縮状態の仮封帯60aは包装用容器200に対する位置決めが行われるのである。
【0072】
その後の後段収縮では、以上の前段収縮時より遅い速度で包装用容器200を搬送しながら、包装用容器200の左右両側及び上方から、前段収縮時よりも大きい風量で熱風を吹き付けることができるようになっており、これによって仮封帯60aの完全収縮を行うのである。
【0073】
従って、この請求項9の封帯形成装置100は、上記請求項6または5のそれと同様な作用を発揮する他、仮封帯60aを、境界部分230を中心に均等に収縮させながら巻き付け得るのであり、この仮封帯60aから封帯60を形成する場合に、本体210や蓋体220を変形させることはない。
【発明の効果】
【0074】
以上、説明した通り、請求項1に係る発明においては、
「本体210とこれに嵌合される蓋体220とからなる包装用容器200において、
内容物を収納した後の本体210とこれに嵌合した蓋体220の側面についてのみ、これらの境界部分230を中心に熱収縮させた封帯60によって封をしたこと」
にその特徴があり、これにより、低コストで本体210と蓋体220の密閉性が確保できて、本体210や蓋体220を変形させることもなく、しかも開封作業も簡単に行い得るようにすることのできる、封帯60で閉じた包装用容器200を提供することができるのである。
【0075】
また、請求項3〜請求項5に係る発明においては、
「内容物を収納した後の本体210に蓋体220を嵌合した包装用容器200を搬送ベルト10により加熱装置50に向けて搬送して、本体210と蓋体220との境界部分230を中心に封帯60による封をする方法であって、
搬送ベルト10の左右両側に配置したフィルム案内装置20によって封帯60となるべき熱収縮フィルム64・64を順次繰り出せるようにするとともに、熱収縮フィルム64・64の先端部を第2溶着部62によって接続しておいて、
包装用容器200を搬送ベルト10によって熱収縮フィルム64を超えたところまで搬送したとき搬送ベルト10を停止させるとともに、この搬送ベルト10の上方に配置した容器押さえ装置30を降下させて、包装用容器200を搬送ベルト10上に押し付けて固定し、
搬送ベルト10の左右両側であって熱収縮フィルム64より上流側に配置した溶着及び切断装置40・40を、包装用容器200の左右両側面に近接させて下流側へ移動させた後、左右両側の溶着及び切断装置40・40を互いに進退させることによって、両熱収縮フィルム64・64による境界部分230の全側面の包み込み、両熱収縮フィルム64・64に対する第1及び第2溶着部61・62の形成、及びこれらの間の切断部63の形成を行って、当該包装用容器200の境界部分230を中心に包み込んだ仮封帯60aを形成し、
次いで、容器押さえ装置30を上昇させて包装用容器200の固定を解除させた後、搬送ベルト10を再駆動させて包装用容器200を加熱装置50内に搬送し、この加熱装置50によって仮封帯60aを熱収縮させて、当該包装用容器200の境界部分230を中心とした密閉を行う封帯60を形成するようにしたこと」
もしくは、
「内容物を収納した後の本体210に蓋体220を嵌合した包装用容器200を搬送ベルト10により加熱装置50に向けて搬送して、本体210と蓋体220との境界部分230を中心に封帯60による封をする方法であって、
搬送ベルト10の左右両側に配置したフィルム案内装置20によって封帯60となるべき熱収縮フィルム64・64を順次繰り出せるようにするとともに、熱収縮フィルム64・64の先端部を第2溶着部62によって接続しておいて、
搬送ベルト10により搬送されてきた装用容器200が熱収縮フィルム64・64の手前に位置したとき、上方に配置した容器押さえ装置30を降下させて、包装用容器200を搬送ベルト10上に押し付けて固定し、そのまま搬送ベルト10を駆動させて包装用容器200の前面にて、第2溶着部62によって互いに接続された左右両側の熱収縮フィルム64・64によって境界部分230の前側面及び左右両側面の包み込みを行い、
次いで、搬送ベルト10を停止させてその上に固定されている包装用容器200について、その上流側に配置された左右両側の溶着及び切断装置40・40を互いに進退させることによって、両熱収縮フィルム64・64による境界部分230の後側面の包み込み、両熱収縮フィルム64・64に対する第1及び第2溶着部61・62の形成、及びこれらの間の切断部63の形成を行って、境界部分230の全側面を包み込んだ仮封帯60aを形成し、
さらに、容器押さえ装置30を上昇させて包装用容器200の固定を解除させた後、搬送ベルト10を再駆動させて包装用容器200を加熱装置50内に搬送し、この加熱装置50によって仮封帯60aを熱収縮させて、当該包装用容器200の境界部分230を中心とした密閉を行う封帯60を形成するようにしたこと」
にその主たる特徴があり、これにより、低コストで本体210と蓋体220の密閉性が確保できて、本体210や蓋体220を変形させることもなく、しかも、容器200の開封作業も簡単に行い得るようにすることのできる封帯形成方法を提供することができるのである。
【0076】
さらに、請求項6〜請求項9に係る発明においては、
「本体210と蓋体220とからなる包装用容器200の側面についてのみ、本体210と蓋体220との境界部分230に、熱収縮性フィルム64からなる封帯60を形成する封帯形成装置100であって、
機枠に水平状に支持されて、少なくとも始点から加熱装置50に向けて、包装用容器200を、搬送及び停止を繰り返しながら搬送する搬送ベルト10と、
この搬送ベルト10の左右両側に配置されて、各先端が第2溶着部62で接続された両熱収縮性フィルム64・64を、搬送ベルト10上にて搬送される包装用容器200の移動によって、この包装用容器200の少なくとも前側面及び左右両側面に繰り出すフィルム案内装置20と、
このフィルム案内装置20の前方に移動したとき停止された包装用容器200上に降下して、この包装用容器200を搬送ベルト10上に一時固定する容器押さえ装置30と、
この容器押さえ装置30によって固定された包装用容器200の下流側にて互いに対向して進退し、包装用容器200の後側面に熱収縮性フィルム64を送り出すとともに、互いの当接によって、両熱収縮性フィルム64の重なり部分に、第2溶着部62、第1溶着部61、及び切断部63を形成することにより仮封帯60aを構成してから、元位置に復帰する左右一対の溶着及び切断装置40と、
仮封帯60aを構成した包装用容器200が搬送ベルト10により搬送されてくることにより、内部にて仮封帯60aを熱収縮させて封帯60とする加熱装置50とを備えたこと」
にその構成上の主たる特徴があり、これにより、低コストで本体210と蓋体220の密閉性が確保できて、本体210や蓋体220を変形させることもなく、しかも、容器200の開封作業も簡単に行い得る封帯60を形成することのできる封帯形成装置100を提供することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明に係る包装用容器200を示すもので、(a)は封帯60となる前の仮封帯60aによって境界部分230の周囲を包み込んだ状態の正面図、(b)は完成された封帯60によって境界部分230の周囲を密閉した状態の斜視図である。
【図2】請求項2に係る封帯形成方法または封帯形成装置100を説明するための封帯形成装置100の部分斜視図である。
【図3】同封帯形成方法を説明するための、第2溶着部62で繋がっている両熱収縮性フィルム64を、溶着及び切断装置40によって包装用容器200の側面に向けて案内している様子を示す部分平面図である。
【図4】包装用容器200の前面側を両熱収縮性フィルム64によって包み込む様子を示す部分平面図である。
【図5】各溶着及び切断装置40が互いに離れ始める様子を示す部分平面図である。
【図6】請求項3に係る封帯形成方法または封帯形成装置100を説明するための封帯形成装置100の部分斜視図である。
【図7】同封帯形成方法を説明するための、第2溶着部62で繋がっている両熱収縮性フィルム64に向けて包装用容器200が進んでくる様子を示す部分平面図である。
【図8】搬送ベルト10によって搬送されてきた包装用容器200が両熱収縮性フィルム64を第2溶着部62を中心に前方に押し込んでいる様子を示す部分平面図である。
【図9】さらに包装用容器200が両熱収縮性フィルム64を引き込みながら前進し、各溶着及び切断装置40が寄り合い始める様子を示す部分平面図である。
【図10】図9の様子を示す封帯形成装置100の部分斜視図である。
【図11】両溶着及び切断装置40が互いに当接し合って熱収縮性フィルム64に第1溶着部61や第2溶着部62が形成される様子を示す部分平面図である。
【図12】第1溶着部61や第2溶着部62が完成されて両溶着及び切断装置40が後退し始めた様子を示す部分平面図である。
【図13】封帯60となるべき仮封帯60aが形成される様子を示すもので、(a)は両溶着及び切断装置40が前進し合っている様子を示す概略平面図、(b)は両溶着及び切断装置40が当接して第1溶着部61、第2溶着部62、及び切断部63が形成された様子を示す概略平面図、(c)は独立した仮封帯60aが完成して両溶着及び切断装置40が後退する状態の概略平面図である。
【図14】本発明に係る封帯形成装置100の側面図である。
【図15】同封帯形成装置100の平面図である。
【図16】同封帯形成装置100の正面図である。
【図17】同封帯形成装置100を構成している容器押さえ装置30の部分拡大側面図である。
【図18】同封帯形成装置100を構成している両溶着及び切断装置40を示すもので、(a)は部分平面図、(b)は部分正面図である。
【図19】特許文献2に示された技術を示すもので、(a)は部分破断正面図、(b)は斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
次に、以上のように構成した各請求項に係る発明を、図面に示した最良の形態である封帯形成装置100及び包装用容器200について説明するが、封帯形成装置100は上記請求項2〜5の封帯形成方法を実質的に含むものであるため、この封帯形成装置100を説明することによって封帯形成方法については、直接的な説明は省略することとする。
【0079】
図1には、本実施形態に係る包装用容器200が示してある。この包装用容器200は、図1の(b)に示したように、包装用容器200を構成している本体210と蓋体220との境界部分230を中心に熱収縮させた封帯60によって、内容物を収納した後の本体210とこれに嵌合した蓋体220の側面についてのみ封をしたものであって、この封帯60によって密閉性を高くしたものである。従って、この包装用容器200を構成する本体210と蓋体220との嵌合は、従来より行われている「外嵌合」や「内嵌合」であってもよいし、単に、本体210と蓋体220に形成してある「フランジ」を当接させるだけで嵌合できるのであってもよいことになる。
【0080】
また、この包装用容器200は、主として弁当や総菜等の、スーパーやコンビニエンスストアで販売されている商品を詰めるものであり、買い物をした人が、手で持ったり所謂「エコバッグ」に入れて持ち帰る程度の大きさのものであるから、その高さは、2〜10cm程度である。つまり、本体210に蓋体220を嵌合した包装用容器200の高さは、人の手で掴める程度であり、一方、これらの本体210及び蓋体220の境界部分230は、例えば図1の(a)に示したように、フランジなどによって少しだけ突出したものである。
【0081】
これらの本体210と蓋体220との、境界部分230を中心とした側面についてのみ形成してある封帯60は、長尺な熱収縮性フィルム64を互いに溶着して形成した仮封帯60aを熱収縮させることによって形成したものである。本実施形態で使用した熱収縮性フィルム64は、幅が1〜10cmで、厚さが10〜50μmのものである。
【0082】
以上の熱収縮性フィルム64によって形成した封帯60は、長さはともかく、その幅については、図1の(a)に示したように、せいぜい当該包装用容器200の側面の高さ以下であり、図19の(a)に示した従来のもののような大幅なものではない。つまり、この封帯60は、境界部分230を中心に熱収縮性フィルム64を巻回して形成した仮封帯60aを熱収縮させたものであるが、この仮封帯60aの段階であっても、当該仮封帯60aの幅は、包装用容器200の側面の高さ以下である。換言すれば、当該包装用容器200の密閉のために使用する熱収縮性フィルム64は、図19の(a)で使用されている従来のものに比較して、その幅について1/3以下に抑えられており、包装用容器200の密閉を低コストで行えるものである。
【0083】
また、封帯60は、剛性が高くなっている境界部分230を中心に存在させるものであるから、この封帯60が仮封帯60aを熱収縮させて形成したとしても、本体210や蓋体220が変形することはない。何故なら、この封帯60は、その前段階の仮封帯60aの状態であっても、本体210とこれに嵌合した蓋体220の側面についてのみ形成されるため、本体210の底面や蓋体220の上面(天板面)に熱収縮力を掛けることはなく、本体210や蓋体220を変形させてしまう力の源にはならないからである。
【0084】
さらに、この封帯60は、剛性が高くなっている境界部分230を中心に存在させてあるから、この封帯60の切り離し及び除去も簡単に行え、結果的に、当該包装用容器200の開放を簡単に行えるものとなっている。何故なら、この封帯60は、その上縁または下縁が境界部分230を中心に存在するのであるから、これを破るか切るべき箇所が明確に視認できるし、境界部分230は、図1の(a)及び図19の(a)にも示すように、外方に突出するものであるから、熱収縮している筈の封帯60の上縁または下縁は、完全には包装用容器200の側面に密着しておらず少し離れているからである。
【0085】
特に、本実施形態の封帯60は、二枚の熱収縮性フィルム64を、第1溶着部61及び第2溶着部62にて互いに溶着して仮封帯60aとし、この仮封帯60aを熱収縮させて形成するものであるから、図1の(a)及び(b)に示したように、第1溶着部61及び第2溶着部62が明確に残っている。また、これらの第1溶着部61及び第2溶着部62は、図13の(a)〜(c)に示したように、各容器押さえ装置30の幅のある前溶着ヘッド43a及び後溶着ヘッド43bによって溶着して形成されるものであるから、少し白濁した幅のあるものとして封帯60中に存在し、視認できるものとなっている。このため、包装用容器200の開封を行う際の封帯60の除去は、これらの第1溶着部61または第2溶着部62を破壊部分とすることによって容易に行えることになるのである。
【0086】
さて、以上の包装用容器200の境界部分230を閉じている封帯60は、図14〜図18に示した本実施形態に係る封帯形成装置100によって、図6〜図13に示したようにして形成される。まず、封帯形成装置100であるが、この封帯形成装置100は、図14〜図18に示したように、機枠に対して水平に支持した搬送ベルト10上の始点に、内容物を詰めた本体210に蓋体220を嵌合した状態の包装用容器200を裁置して、この包装用容器200を当該搬送ベルト10によって搬送、停止を繰り返しながら最終段階の加熱装置50に向けて送ることにより、境界部分230を中心にした包装用容器200の側面に封帯60を順次形成していくものである。
【0087】
そのために、この封帯形成装置100は、搬送ベルト10の上流側に向けて、フィルム案内装置20、容器押さえ装置30、溶着及び切断装置40、そして加熱装置50を、順次配置したものである。
【0088】
請求項2の形成方法を実施するフィルム案内装置20は、搬送ベルト10によって包装用容器200が熱収縮フィルム64より下流に送り出されるまでの間は、搬送ベルト10の上部に配置されているものであり、一方、包装用容器200が熱収縮フィルム64より下流に送り出されたときには、降下されるものである。
【0089】
また、この請求項2の形成方法を実施するフィルム案内装置20は、図2〜図5に示したように、熱収縮性フィルム64を巻回した各フィルムロール64a・64bを、搬送ベルト10の左右に配置するものであり、これらのフィルムロール64a・64bから熱収縮性フィルム64を順に繰り出せるようにしたものである。勿論、このフィルム案内装置20は所定の数のガイドローラ21を有しているものであり、これらのガイドローラ21は、各熱収縮性フィルム64の張力を検出しながら搬送ベルト10に対して移動するものとしてあり、各熱収縮性フィルム64に過大な張力が掛かったときに、封帯形成装置100全体あるいは搬送ベルト10の搬送等を停止できるようにしてある。
【0090】
一方、請求項3の形成方法を実施するフィルム案内装置20は、搬送ベルト10の所定位置にて、殆ど上下されることなく位置しているものである。
【0091】
また、この請求項2の形成方法を実施するフィルム案内装置20は、図6〜図12、及び図15に示したように、前述した熱収縮性フィルム64を巻回した各フィルムロール64a・64bを、搬送ベルト10の左右に配置するものであり、これらのフィルムロール64a・64bから熱収縮性フィルム64を順に繰り出せるようにしたものである。勿論、このフィルム案内装置20は所定の数のガイドローラ21を有しているものであり、これらのガイドローラ21は、各熱収縮性フィルム64の張力を検出しながら搬送ベルト10に対して移動するものとしてあり、各熱収縮性フィルム64に過大な張力が掛かったときに、封帯形成装置100全体あるいは搬送ベルト10の搬送等を停止できるようにしてある。
【0092】
この最良形態に係る封帯形成装置100では、各フィルム案内装置20のガイドローラ21は進退できるようにしてあり、これら各ガイドローラ21は、後述する左右の溶着及び切断装置40・40が互いに進退する前に、両熱収縮フィルム64・64の搬送ベルト10の中心部への寄せが行えるようにしてある。勿論、左右の溶着及び切断装置40・40の互いの進退のみによって、両熱収縮フィルム64・64の寄せ及び合わせが行えるようにしてもよい。
【0093】
換言すれば、本最良形態の封帯形成装置100では、左右の溶着及び切断装置40・40が互いに進退する前に、各ガイドローラ21が両熱収縮性フィルム64のベルト10の中心部への寄せを行うのであり、その後に進行してくる各溶着及び切断装置40による両熱収縮性フィルム64の合わせを、不要な張力が掛けられることなく行えるのであり、図9中の仮想線にて示したような、両熱収縮フィルム64・64による包装用容器200の後側面の包み込みを無理なく行うのである。
【0094】
容器押さえ装置30は、図10、図11及び図16に示したように、所定位置に来た包装用容器200を搬送ベルト10上に固定するものであり、図17に示したように、封帯形成装置100の機枠に対して上下動可能に設けたものである。勿論、この包装用容器200が所定位置にきたときには、図示しないリミットスイッチなどからの信号によって、搬送ベルト10を停止させるようになっていることは言うまでもない。
【0095】
なお、本実施形態の容器押さえ装置30は、図17に示したように、支持梁32の先端に複数の押圧パッド31・31を設けておいて、支持梁32を駆動シリンダ33によって上下動させることにより、各押圧パッド31による包装用容器200の押さえと、この包装用容器200からの退避とが行えるようになっている。
【0096】
以上の容器押さえ装置30の、少し上流側左右には、図6〜図12に示したように、左右一対の溶着及び切断装置40が、搬送ベルト10の中心線に向けて進退自在に設けてある。各溶着及び切断装置40は、これらの間に引き出されてきた熱収縮性フィルム64の、図13の(a)〜(c)に示した、文字通り溶着及び切断を行うものである。
【0097】
本実施形態の各溶着及び切断装置40は、図18にも示したように、封帯形成装置100の機枠に移動自在に設けた移動台41を有しているものであり、この移動台41の下流側部分には、各熱収縮性フィルム64の案内を行う案内ローラ42と、搬送ベルト10の搬送方向の前後に空間を置いて並んで、各熱収縮性フィルム64の溶着を行う前後の溶着ヘッド43a及び43bとが設けてある。
【0098】
この溶着及び切断装置40の一方については、図18の(a)の右側で示したように、両溶着ヘッド43a及び43bが移動台41に対して進退可能に設けてあるとともに、これらの溶着ヘッド43a・43bの間に、先端が他方(図示左側)の溶着及び切断装置40の空間に向かう切断刃44が設けてある。移動台41に対して進退可能に設けた両溶着ヘッド43a及び43bは、他方の溶着及び切断装置40の溶着ヘッド43a及び43bが当接して押圧されたとき移動台41内に後退するが、この押圧力が無くなれば、移動台41との間に介在させたスプリング55によって元位置に復帰する。
【0099】
また、各溶着及び切断装置40が備えている案内ローラ42は、図18の(b)に示したように、各溶着及び切断装置40の下流側部分にて露出した状態で移動台41に支持したものであり、図18の(a)に示したように、その表面にて左右のフィルム案内装置20から引き出されて来る各熱収縮性フィルム64を支持し案内するものである。
【0100】
そして、加熱装置50であるが、この加熱装置50は、図14及び図15に示したように、搬送ベルト10の後端部分に設置したものであり、これより前段階で形成した仮封帯60aを熱収縮させて封帯60とするものである。本実施形態では、熱源として熱風発生装置51を採用しており、この熱風発生装置51からの熱風を仮封帯60aに吹き付けてこれを熱収縮させるようになっている。
【0101】
特に、本実施形態の加熱装置50では、図14に示したように、熱風発生装置51からの熱風の掛け方を前段部と後段部とで変えて行い、前段収縮と後段収縮とで異なる収縮がなされるようにしてある。
【0102】
まず、前段収縮では、搬送ベルト10によって搬送される包装用容器200の両側面の上下に熱風を吹き付けて、包装用容器200の境界部分230を「緩い」状態で包み込んでいた仮封帯60aを少し収縮させることにより、その緩みを無くすようにする。この緩みが無くなった仮封帯60aは、包装用容器200の境界部分230に対して位置ズレしないから、結果的にこの半収縮状態の仮封帯60aは包装用容器200に対する位置決めが行われるのである。
【0103】
その後の後段収縮では、以上の前段収縮時より遅い速度で包装用容器200を搬送しながら、包装用容器200の左右両側及び上方から、前段収縮時よりも大きい風量で熱風を吹き付けることができるようになっており、これによって仮封帯60aの完全収縮を行うのである。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明に係る封帯形成装置100は、包装用容器200の境界部分230を封ずる封帯60を低コストでしかも簡単に形成するから、例えば弁当の製造工場や、スーパー等のバックヤードでの作業を著しく向上させて、作業上の安全性を高め、エネルギー消費を少なくすることになる。このため、弁当や総菜の工場やスーパーにとって、生産性が向上して、発展性も期待できることになる。
【0105】
また、以上のようにして形成される封帯60は、本体210に蓋体220を嵌合させた包装用容器200の密閉性を十分にするから、逆に、本体210や蓋体220の境界部分230における構造を簡単にすることになる。つまり、包装用容器200の製造メーカーの生産性を向上させて、発展性も期待できることになる。
【符号の説明】
【0106】
100 封帯形成装置
10 搬送ベルト
20 フィルム案内装置
21 ガイドローラ
30 容器押さえ装置
40 溶着及び切断装置
41 移動台
42 案内ローラ
43a 前溶着ヘッド
43b 後溶着ヘッド
44 切断刃
45 スプリング
50 加熱装置
51 熱風発生装置
60 封帯
60a 仮封帯
61 第1溶着部
62 第2溶着
63 切断部
64 熱収縮性フィルム
64a・64b フィルムロール
200 包装用容器
210 本体
220 蓋体
230 境界部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体とこれに嵌合される蓋体とからなる包装用容器において、
内容物を収納した後の本体とこれに嵌合した蓋体の側面についてのみ、これらの境界部分を中心に熱収縮させた封帯によって封をしたことを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
内容物を収納した後の本体に蓋体を嵌合した包装用容器を搬送ベルトにより加熱装置に向けて搬送して、前記本体と蓋体との境界部分を中心に封帯による封をする方法であって、
前記搬送ベルトの左右両側に配置したフィルム案内装置によって前記封帯となるべき熱収縮フィルムを順次繰り出せるようにするとともに、前記熱収縮フィルムの先端部を第2溶着部によって接続しておいて、
前記包装用容器を搬送ベルトによって前記熱収縮フィルムを超えたところまで搬送したとき前記搬送ベルトを停止させるとともに、この搬送ベルトの上方に配置した容器押さえ装置を降下させて、前記包装用容器を搬送ベルト上に押し付けて固定し、
前記搬送ベルトの左右両側であって前記熱収縮フィルムより上流側に配置した溶着及び切断装置を、前記包装用容器の左右両側面に近接させて下流側へ移動させた後、左右両側の溶着及び切断装置を互いに進退させることによって、両熱収縮フィルムによる前記境界部分の全側面の包み込み、両熱収縮フィルムに対する第1及び第2溶着部の形成、及びこれらの間の切断部の形成を行って、当該包装用容器の境界部分を中心に包み込んだ仮封帯を形成し、
次いで、前記容器押さえ装置を上昇させて前記包装用容器の固定を解除させた後、前記搬送ベルトを再駆動させて包装用容器を加熱装置内に搬送し、この加熱装置によって前記仮封帯を熱収縮させて、当該包装用容器の前記境界部分を中心とした密閉を行う封帯を形成するようにしたこと
を特徴とする包装用容器の封帯形成方法。
【請求項3】
内容物を収納した後の本体に蓋体を嵌合した包装用容器を搬送ベルトにより加熱装置に向けて搬送して、前記本体と蓋体との境界部分を中心に封帯による封をする方法であって、
前記搬送ベルトの左右両側に配置したフィルム案内装置によって前記封帯となるべき熱収縮フィルムを順次繰り出せるようにするとともに、前記熱収縮フィルムの先端部を第2溶着部によって接続しておいて、
前記搬送ベルトにより搬送されてきた装用容器が熱収縮フィルムの手前に位置したとき、上方に配置した容器押さえ装置を降下させて、前記包装用容器を搬送ベルト上に押し付けて固定し、そのまま搬送ベルトを駆動させて前記包装用容器の前面にて、第2溶着部によって互いに接続された左右両側の熱収縮フィルムによって前記境界部分の前側面及び左右両側面の包み込みを行い、
次いで、前記搬送ベルトを停止させてその上に固定されている包装用容器について、その上流側に配置された左右両側の溶着及び切断装置を互いに進退させることによって、両熱収縮フィルムによる境界部分の後側面の包み込み、両熱収縮フィルムに対する第1及び第2溶着部の形成、及びこれらの間の切断部の形成を行って、前記境界部分の全側面を包み込んだ仮封帯を形成し、
さらに、前記容器押さえ装置を上昇させて前記包装用容器の固定を解除させた後、前記搬送ベルトを再駆動させて包装用容器を加熱装置内に搬送し、この加熱装置によって仮封帯を熱収縮させて、当該包装用容器の前記境界部分を中心とした密閉を行う封帯を形成するようにしたこと
を特徴とする包装用容器の封帯形成方法。
【請求項4】
前記搬送ベルト上に固定された包装用容器について、左右両側の溶着及び切断装置を互いに進退させる前に、前記各フィルム案内装置のガイドローラを互いに進行させることにより、両熱収縮フィルムの搬送ベルトの中心部への寄せを行って、これら両熱収縮フィルムによる前記包装用容器の側面での包み込みを補助するようにしたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の包装用容器の封帯形成方法。
【請求項5】
前記仮封帯の加熱装置内での熱収縮を、
搬送ベルトによって搬送される包装用容器の左右両側面の上下に熱風を吹き付けて、包装用容器に対する仮封帯の位置決め付着のために、仮封帯を不完全収縮させる前段収縮と、
この前段収縮時より遅い速度で包装用容器を搬送しながら、包装用容器の左右両側及び上方から、前段収縮時よりも大きい風量で熱風を吹き付けて、仮封帯の完全収縮を行う後段収縮と、に分けて行うようにしたことを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の包装用容器の封帯形成方法。
【請求項6】
本体と蓋体とからなる包装用容器の側面についてのみ、本体と蓋体との境界部分を中心に、熱収縮性フィルムからなる封帯を形成する封帯形成装置であって、
機枠に水平状に支持されて、少なくとも始点から加熱装置に向けて、包装用容器を搬送する搬送ベルトと、
この搬送ベルトの左右両側に配置されて、各先端が第2溶着部で接続された両熱収縮性フィルムを包装用容器に向けて繰り出すフィルム案内装置と、
包装用容器上に降下して、この包装用容器を搬送ベルト上に一時固定する容器押さえ装置と、
この容器押さえ装置によって固定された包装用容器の周囲にて進退し、包装用容器の側面に熱収縮性フィルムを送り出すとともに、互いの当接によって、両熱収縮性フィルムの重なり部分に、第2溶着部、第1溶着部、及び切断部を形成することにより仮封帯を構成してから、元位置に復帰する左右一対の溶着及び切断装置と、
仮封帯を構成した包装用容器が搬送ベルトにより搬送されてくることにより、内部にて仮封帯を熱収縮させて封帯とする加熱装置と
を備えたことを特徴とする封帯形成装置。
【請求項7】
前記フィルム案内装置を、搬送ベルトの中心に向けた進退と各熱収縮性フィルムの案内を行うガイドローラを備えたものとして、これら各ガイドローラを、左右両側の溶着及び切断装置が互いに進退する前に互いに進行するものとし、これら各ガイドローラにより、両熱収縮フィルムの搬送ベルトの中心部への寄せと、これら両熱収縮フィルムによる包装用容器の側面での前記包み込みの補助とが行えるようにしたことを特徴とする請求項6に記載の封帯形成装置。
【請求項8】
前記両溶着及び切断装置の各々を、前記機枠に対して移動可能に支持する移動台と、この移動台の下流側部分に設けられて、各熱収縮性フィルムの案内を行う案内ローラと、搬送ベルトの搬送方向の前後に空間を置いて並んで、各熱収縮性フィルムの溶着を行う前後の溶着ヘッドとを備えたものとし、
一方の溶着及び切断装置については、前記両溶着ヘッドが移動台に対して進退可能とするとともに、これらの溶着ヘッドの間に配置されて、移動台に取り付けられて、先端が他方の溶着及び切断装置の前記空間に向かう切断刃とを備えたことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の封帯形成装置。
【請求項9】
前記仮封帯の加熱装置内での熱収縮を、
搬送ベルトによって搬送される包装用容器の左右両側面の上下に熱風を吹き付けて、包装用容器に対する仮封帯の位置決め付着のために、仮封帯を不完全収縮させる前段収縮と、
この前段収縮時より遅い速度で包装用容器を搬送しながら、包装用容器の左右両側及び上方から、前記前段収縮時よりも大きい風量で熱風を吹き付けて、仮封帯の完全収縮を行う後段収縮と、に分けて行うようにしたことを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれかに記載の封帯形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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