説明

封止構造を備えた放電ランプ

【課題】クラックに起因して封止管が破断するとき、発光管の破壊を防ぎ、被害を最小限にして点灯を停止させる。
【解決手段】封止管20をマウント部品18Aと溶着させた封止構造の放電ランプにおいて、弾性性能を有するコイル状に巻いたゲッター部材42を、電極支持棒22を保持する電極側ガラス管24と所定間隔D1だけ離れて電極支持棒22の周りに配置する。一方の端部42Aを自由端として電極支持棒22に固定せず、他方の端部42Bだけを陽極14に固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショートアーク型放電ランプなど放電ランプの封止構造に関し、特に、点灯時にランプ内が高圧力状態となる放電ランプの電極を支持する電極支持棒の保持機構に関する。
【背景技術】
【0002】
ショートアーク型放電ランプでは、電極を封じた発光管の両端に封止管が一体となって連設している。封止管内には、電極棒を保持する円筒状のガラス管が配置される一方、モリブデンなどの金属箔が金属リングなどを介して電極支持棒と電気的に接続されている。封止工程では、ガラス管、電極支持棒を含めたパーツ(マウント部品)を封止管に挿入し、ガスバーナーなどによる加熱によって封止管を縮径させる。これにより、封止管がマウント部品と溶着し、発光管内が気密状態になる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
封止工程では、封止管回転などに起因してガラス管の位置変動が生じ、封止管内の円筒状ガラス管と金属リングとの間に隙間が生じる。ランプ点灯中には発光管の内部は高圧力状態となるので、この隙間を起点としてクラックの発生、ランプ破損に繋がる恐れがあり、このような封止工程におけるガラス管移動を防ぐため、電極支持棒にストッパーが固着されている(特許文献2参照)。ストッパーによってガラス管の移動が制限され、隙間が生じないように封止管をマウント部品に溶着させることができる。
【0004】
また、不純ガスを吸収するゲッター作用を有するコイル状金属部材を電極支持棒に巻き付け、ガラス管と当接させる方法も知られている(特許文献3参照)。この場合、金属製のゲッター部材と金属箔との間でガラス管が矜恃され、ガラス管が電極支持棒に仮止めされる。
【特許文献1】実開平3−121652号公報
【特許文献2】実開昭62−47060号公報
【特許文献3】特開2000−149872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ガラス管と金属は材質、熱膨張率等の点で異なるため、ガラス管と金属リングとの境界付近の封止管にクラック(亀裂)が発生しやすい。点灯中の発光管内の圧力は外気に比べて非常に高圧であり、封止管に発生したクラックによって生じる隙間から周囲に向けて大きな応力がかかる。そして、クラックは軸方向、径方向に進行していく。クラックが封止管の外表面まで到達すると、封止管が破断する。
【0006】
しかしながら、ストッパーなどによってガラス管の位置を固定した場合、封止管分断だけに収まらず、発光管の破裂が生じることが明らかになった。
【0007】
その理由としては、ストッパーからの抗力が原因と考えられる。クラックが進行すると、ガラス管と金属部材との境界付近で封止管を分断しようとする力が働き、電極側に向けて大きな力が作用する。しかしながら、ストッパーから抗力を受けることによってさらなる力が電極側に向けて作用し、ガラス管内でクラックが進行する。また、この抗力によってクラックの進行方向が分散し、境界付近の封止管外表面へ向けてクラックが速やかに進行しない。
【0008】
そしてクラックが封止管の外表面に到達して封止管が破断すると発光管内に大気が混入し、放電は停止される。さらに、封止管が分断すると、ガラス管は電極側に向けて軸方向に移動しようとする。しかしながら、ストッパーによって抵抗を受けるため、ガラス管内のクラックがさらに拡大する。その結果、封止管分断前における発光管側へのクラック進行と合わせて、クラックが発光管にまで到達し、発光管破裂が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の放電ランプは、発光管内の電極を支持し、封止管内に配設された電極支持棒と、軸通する電極支持棒を保持し、封止管と溶着する円筒状の電極棒保持管と、電極棒保持管と電極との間に配置され、軸方向に変形可能な可撓性部材とを備える。例えば、電極支持棒と接続され、電極棒保持管と面する金属リングなどの導電性環状部材が封止管内に設けられる。
【0010】
可撓性部材は、伸縮可能な弾性部材によって構成すればよい。例えば、ゲッター部材によって構成してもよく、あるいは、電極支持棒周りに配置されるゲッター部材を別途設け、可撓性部材を、ゲッター部材と電極棒保持管との間に配置してもよい。
【0011】
本発明では、可撓性部材が、封止管分断前クラックに起因して電極棒保持管側から受ける力に対し、抵抗する力を電極棒保持管に向けて与えない。封止管を分離しようとする力が邪魔されずに作用するため、クラックが封止管外表面に向けて進行しやすい。
【0012】
封止管が分断すると、封止管に一体的で電極支持棒に固定されない電極棒保持管は、電極支持棒に沿って電極側へ位置変動する。本発明の可撓性部材は、このとき電極棒保持管から受ける力に対し、電極側へ収縮する。電極棒保持管が邪魔されることなく相対移動するとともに、可撓性部材が収縮することによって、封止管分断による衝撃エネルギーが吸収される。そのため、封止管分断のとき発光管の破損にまで至らない。
【0013】
封止管分断前において、抵抗力を電極棒保持管側へ与えないため、可撓性部材は、電極棒保持管と所定間隔を設けて配置し、電極棒保持管側端部を自由端にすればよい。あるいは、封止工程において、電極棒保持管をしっかりと位置決めするため、可撓性部材の一端を電極棒保持管と収縮自在に接するようにしてもよい。
【0014】
この場合、封止管破断前に受ける力に対し抵抗しないようにするため、可撓性部材が、電極側端部に比べてより大きく収縮変形する収縮部を電極棒保持管側に設けるのがよい。例えば、可撓性部材は、電極支持棒周りに巻回された弾性線状部材を備え、弾性線状部材の電極棒保持管側端部における巻きピッチが、電極側端部における巻きピッチよりも長くなるように構成すればよい。
【0015】
本発明の他の特徴となる放電ランプは、発光管内の電極を支持し、封止管内に配設された電極支持棒と、電極支持棒を保持し、封止管と溶着する円筒状の電極棒保持管と、電極棒保持管と電極との間に配置され、電極棒保持管側端部が自由端である弾性部材とを備え、弾性部材が、電極棒保持管と所定間隔を設けて配置され、電極棒保持管から受ける力に対して電極側へ収縮することを特徴とする。
【0016】
本発明の他の特徴となる放電ランプは、発光管内の電極を支持し、封止管内に配設された電極支持棒と、電極支持棒を保持し、封止管と溶着する円筒状の電極棒保持管と、電極棒保持管と軸方向に沿って収縮自在に接し、電極側端部に比べてより大きく収縮変形する収縮部を電極棒保持管側に設けた弾性部材とを備え、弾性部材が、電極棒保持管から受ける力に対して電極側へ収縮することを特徴とする。
【0017】
本発明の他の特徴となる放電ランプは、発光管内の電極を支持し、封止管内に配設された電極支持棒と、電極支持棒を軸通させて保持し、封止管と溶着する円筒状の電極棒保持管と、電極支持棒周りに固定されるゲッター部材と、両端において電極棒保持管とゲッター部材に接する弾性部材とを備え、弾性部材が、電極棒保持管から受ける力に対して電極側へ収縮することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、クラックに起因して封止管が破断するとき、発光管の破壊を防ぎ、被害を最小限にして点灯停止させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下では、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0020】
図1は、本実施形態であるショートアーク型放電ランプの概略的断面図である。図2は、陽極側封止管の概略的断面図である。
【0021】
ショートアーク型放電ランプ10は、石英ガラスの発光管12内に陽極14、陰極16を備える。発光管12の両側には、石英ガラスの封止管20、60が対向するように連設されている。封止管20、60の両端は、口金80A、80Bで塞がれている。
【0022】
封止管20、60の内部には、陽極14、陰極16を支持するとともに、発光管12内の放電空間11を封止するパーツ(以下、マウント部品という)18A、18Bがそれぞれ封入されている。また、放電空間11には、水銀および希ガスが封入されている。
【0023】
図2に示すように、封止管20内部には、陽極14を支持する電極支持棒22が設けられ、軸方向に延びている。電極支持棒22は、円筒状の肉厚ガラス管(以下、電極側ガラス管という)24に設けられた軸穴24Aを通り、電極ガラス管24によって保持される。電極側ガラス管24の発光管側端部には、封止管20との溶着を確実にするため、円筒状の凹部24Bが形成されている。
【0024】
電極支持棒22は、封止管20の端部まで延びておらず、所定間隔を置いて金属製のリード棒28が同軸的に対向配置されている。電極支持棒22、リード棒28は、円柱状のガラス部材34の両端に設けた挿入穴34A、34Bに軸挿され、ガラス部材34は電極支持棒22、リード棒28を保持する。リード棒28は、電源部(図示せず)と繋がった外部のリード線(図示せず)に接続されている。
【0025】
ガラス部材34の両端には、金属リング26、32がそれぞれ密着配置され、電極支持棒22、リード棒28は軸穴26A、32Aに溶接されている。発光管12に近い金属リング(以下、内側金属リングという)26は、電極側ガラス管24と当接し、他方の金属リング(以下、外側金属リングという)32は、リード棒28を軸通させて保持する環状固定ガラス管29と当接する。
【0026】
内側金属リング26、外側金属リング32の間には、軸方向に沿って複数の帯状金属箔36がガラス部材34の外表面に沿って軸方向に延び、その両端は、内側金属リング26、外側金属リング32の円周面に溶接されている。外側金属リング32は、リード棒28と金属箔36とを電気的に接続させ、内側金属リング26は、金属箔36と電極支持棒22とを電気的に接続させることにより、電源部と接続するリード棒28から陽極14へ電力が供給される。
【0027】
封止管20は、封止工程時にガスバーナーなどで熱せられることによって縮径し、電極側ガラス管24、ガラス部材34と溶着している。これにより、封止管20内部が封止され、電極ガラス管24、内側金属リング26、外側金属リング32、ガラス部材34を含むマウント部品18Aが、軸方向に動かないように固定される。
【0028】
電極支持棒22の電極側には、不純ガスを吸収するゲッター部材42が設けられている。タンタルワイヤーなどによって構成されるゲッター部材42は、電極支持棒22の周囲に巻き廻され、電極側ガラス管24と所定距離間隔D1(穴24Aからの距離)を設けて配置されている。ゲッター部材42の電極側端部42Bは電極支持棒22に溶接され、それ以外の部分は電極支持棒22に固定されておらず、ガラス管側端部42Aは自由端になっている。
【0029】
図3は、分断時における封止管の概略的断面図である。以下では、クラックに起因した封止管破断について説明する。
【0030】
電極側ガラス管24と金属リング26との接触面24Nは部材境界面であることから、封止後においても微小な隙間が生じている。その隙間は、電極支持棒22と電極側ガラス管24との軸方向隙間を介して放電空間11と空間的に繋がっている。
【0031】
一方、ランプ点灯中には放電空間11内部は高圧状態であり、放電ランプ10の外部と大きな圧力差が生じている。したがって、電極側ガラス管24と金属リング26との接触面24Nに生じた隙間付近では、その空隙から周囲に向けて応力がかかり、電極側ガラス管24と内側金属リング26とを引き離す方向に力が働く。このとき、ゲッター部材42と電極側ガラス管24とは離れているため、引き離そうとする力に対する抵抗力は作用しない。
【0032】
電極側ガラス管24と金属リング26との接触面付近の封止管20や電極側ガラス管24にクラックが生じると、クラックに応力集中が生じ、クラックが封止管20の外表面に向かって径方向に進行する(図3(a))。そして、一部のクラックが封止管20を横断して封止管20の外表面まで到達すると、クラックによって生じた隙間、および電極側ガラス管24と電極支持棒24との隙間を介して、大気と放電空間11とが空間的に繋がる。これによって、放電が強制的に停止される。
【0033】
さらに接触面24N付近における封止管20の外表面上においてクラックが周方向全体に進行すると、封止管20は、その接触面を境に分断される(図3(b)参照)。その結果、内側金属リング26のある封止管破断部20S1と、電極側ガラス管24のある封止管破断部20S2は、互いに離れる方向へ移動する。
【0034】
陽極14を支持する電極支持棒22は、内側金属リング26に固定されている。一方、封止管20に溶着された電極側ガラス管24は、電極支持棒22に固定されていない。したがって、陽極14は、分断後に封止管破断部20S1の移動する方向へ引っ張られ、発光管12と一体である封止管破断部20S2が陽極14へ近づく。すなわち、電極側ガラス管24は、電極支持棒22に沿って相対的に陽極14の方へ移動する。
【0035】
特に、放電ランプ10を鉛直方向に沿ってつり下げた状態で配置した場合、封止管20が分断されると、電極側ガラス管24と陽極14とが互いに接近する。
【0036】
電極側ガラス管24が陽極14に相対的に近づくと、ゲッター部材42の端部42Aが電極側ガラス管24の凹部24Bと当接する。このときの封止管破断部20S1、20S2の距離間隔D2は、実質的に距離D1と等しい。
【0037】
ゲッター部材42の端部42Aは、伸縮可能な弾性性能を有し、かつ弾性係数が小さく撓みやすい。そのため、移動してくる電極側ガラス管24に当たると、ゲッター部材42の端部42Aは、電極側ガラス管24から受ける力に対して収縮する。そして、所定量変形することによって衝撃エネルギーを吸収する。ゲッター部材42の弾性性能は、分断による衝撃エネルギーを十分吸収するように定められ、電極側ガラス管24は、陽極14と激突するまで軸方向に変動しない。
【0038】
このように本実施形態によれば、弾性性能を有するコイル状に巻いたゲッター部材42が電極側ガラス管24と所定間隔D1だけ離れて電極支持棒22の周りに配置される。そして、一方の端部42Aは自由端となって電極支持棒22に固定されず、他方の端部42Bだけが陽極14に固定される。電極側ガラス管24から離れているため、クラックに起因して生じる封止管20を破断しようとする力に対し、ストッパーのような抵抗力を電極側ガラス管24に与えない。これにより、クラックの進行方向が分散せず、速やかに封止管20の外表面に向けて進行する。
【0039】
そして、封止管20が分断し、電極側ガラス管24が陽極14側へ相対的移動するとき、ゲッター部材42はそれを阻止するような抵抗力を生じず、電極側ガラス管24から受ける力に対して陽極側へ変形収縮する。したがって、電極側ガラス管24が相対移動する間に電極側ガラス管24内でクラックが拡大せず、発光管12にクラックが伝わるのを防止する。また、ゲッター部材42の緩衝作用によって、電極側ガラス管24は陽極14に衝突することなく停止する。
【0040】
なお、封着前に電極側ガラス管24の移動を抑えるビーズ管などのストッパーを、電極支持棒22の周面に設けてもよい。この場合、ストッパーは固定せず、封止管破断時にかかる力に対して抵抗することなくストッパーが外れるように構成する。
【0041】
次に、図4を用いて、第2の実施形態である放電ランプについて説明する。第2の実施形態では、ゲッター部材が電極側ガラス管と接する。それ以外の構成については、実質的に第1の実施形態と同じである。
【0042】
図4は、第2の実施形態である陽極側封止管の断面図である。タンタルワイヤーなどで構成されるゲッター部材52は、電極側端部52Aを含む伸縮部52Tを有し、電極側端部52Bは陽極14に固定され、電極側端部52Aは電極側ガラス管24と収縮可能に接している。
【0043】
伸縮部52Tは軸方向に沿って伸縮自在であり、伸縮部52Tの巻きピッチは、それ以外の部分における巻きピッチより長い。そのため、電極側ガラス管24から受ける力に対して伸縮部52Tは撓みやすく(弾性係数が小さい)、大きく収縮する。
【0044】
封止工程において、ゲッター部材52は電極側ガラス管24を位置決めさせる機能を発揮し、伸縮部52Tは陽極側へ収縮しながら電極側ガラス管24が陽極側へ移動する動きを抑える。一方、封止管破断直前のクラックに起因する分断しようとする力は電極側ガラス管24からゲッター部材52に向けて働く。このとき伸縮部52Tは、抵抗する力をガラス管24に与えず、収縮する。
【0045】
さらに封止管分断後、電極側ガラス管24が陽極側14へ変動しようとするときに電極側ガラス管24から受ける力に対し、伸縮部52Tはより一層収縮する。したがって、電極側ガラス管24は電極側へ相対的に位置変動し、伸縮部52Tが大きく収縮することによって衝撃エネルギーが吸収される。
【0046】
次に、図5を用いて、第3の実施形態である放電ランプについて説明する。第3の実施形態では、ゲッター部材と異なる弾性部材を別途配置する。それ以外の構成については、第1の実施形態と同じである。
【0047】
図5は、第3の実施形態である陽極側封止管の断面図である。金属箔を蛇腹に形成した弾性部材72は、ゲッター部材62と電極側ガラス管24とその両端において接し、軸方向に伸縮自在である。ゲッター部材62は電極支持棒22に固定されている。よって、封止工程においては、弾性部材72が収縮しながら電極側ガラス管24を位置決めする。
【0048】
弾性部材72は、弾性係数が小さく、電極側ガラス管24から受ける力に対して大きく収縮する。そのため、封止管分断前後において電極側ガラス管24から受ける力に対して抵抗せずに収縮する。その結果、速やかに封止管20が電極側ガラス24付近で破断し、破断直後には電極側ガラス管24が電極側へ相対的に位置変動するとともに、弾性部材72の収縮によって衝撃エネルギーが吸収される。
【0049】
なお、ゲッター部材および弾性部材は、コイル状に巻いた圧縮バネ以外の弾性部材(例えば、板状金属など)によって構成してもよい。また、実施形態1、2において、実施形態3のように、ゲッター部材とは異なる弾性部材を別途設けるように構成してもよい。さらに、収縮して衝撃エネルギーを吸収するため塑性変形するような可撓性部材であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本実施形態であるショートアーク型放電ランプの概略的断面図である。
【図2】陽極側封止管の概略的断面図である。
【図3】分断時における封止管の概略的断面図である。
【図4】第2の実施形態である陽極側封止管の断面図である。
【図5】第3の実施形態である陽極側封止管の断面図である。
【符号の説明】
【0051】
10 放電ランプ
12 発光管
20 封止管
22 電極支持棒
24 電極側ガラス管(電極棒保持管、ガラス管)
26 金属リング
42、52、62 ゲッター部材(可撓性部材、弾性部材)
72 弾性部材



【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光管内の電極を支持し、封止管内に配設された電極支持棒と、
軸通する前記電極支持棒を保持し、封止管と溶着する円筒状の電極棒保持管と、
前記電極棒保持管と前記電極との間に配置され、軸方向に変形可能な可撓性部材とを備え、
前記可撓性部材が、封止管分断前クラックに起因して電極棒保持管側から受ける力に対し、前記電極棒保持管に向けて抵抗する力を与えず、また、封止管分断によって前記電極棒保持管から受ける力に対し、電極側へ収縮することを特徴とする放電ランプ。
【請求項2】
前記可撓性部材が、伸縮可能な弾性部材を有することを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ。
【請求項3】
前記可撓性部材が、前記電極棒保持管と所定間隔を設けて配置されるとともに、電極棒保持管側端部が自由端になっていることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項4】
前記可撓性部材の一端が前記電極棒保持管と収縮自在に接することを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項5】
前記可撓性部材が、電極側端部に比べてより大きく収縮変形する収縮部を電極棒保持管側に設けたことを特徴とする請求項4に記載の放電ランプ。
【請求項6】
前記可撓性部材が、前記電極支持棒周りに巻回された弾性線状部材を有し、前記弾性線状部材の電極棒保持管側端部における巻きピッチが、電極側端部における巻きピッチよりも長いことを特徴とする請求項5に記載の放電ランプ。
【請求項7】
前記可撓性部材が、ゲッター部材として構成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項8】
前記電極支持棒周りに配置されるゲッター部材をさらに有し、
前記可撓性部材が、前記ゲッター部材と前記電極棒保持管との間に配置されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項9】
前記電極支持棒と接続され、前記電極棒保持管と面する導電性環状部材をさらに有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項10】
発光管内の電極を支持し、封止管内に配設された電極支持棒と、
前記電極支持棒を保持し、封止管と溶着する円筒状の電極棒保持管と、
前記電極棒保持管と前記電極との間に配置され、電極棒保持管側端部が自由端である弾性部材とを備え、
前記弾性部材が、前記電極棒保持管と所定間隔を設けて配置され、前記電極棒保持管から受ける力に対して電極側へ収縮することを特徴とする放電ランプ。
【請求項11】
発光管内の電極を支持し、封止管内に配設された電極支持棒と、
前記電極支持棒を保持し、封止管と溶着する円筒状の電極棒保持管と、
前記電極棒保持管と軸方向に沿って収縮自在に接し、電極側端部に比べてより大きく収縮変形する収縮部を電極棒保持管側に設けた弾性部材とを備え、
前記弾性部材が、前記電極棒保持管から受ける力に対して電極側へ収縮することを特徴とする放電ランプ。
【請求項12】
発光管内の電極を支持し、封止管内に配設された電極支持棒と、
前記電極支持棒を軸通させて保持し、封止管と溶着する円筒状の電極棒保持管と、
前記電極支持棒周りに固定されるゲッター部材と、
両端において前記電極棒保持管と前記ゲッター部材に接する弾性部材とを備え、
前記弾性部材が、前記電極棒保持管から受ける力に対して電極側へ収縮することを特徴とする放電ランプ。
【請求項13】
前記弾性部材が、ゲッター部材として構成されることを特徴とする請求項10乃至11のいずれかに記載の放電ランプ。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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